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特開2022-70628制御装置、固定構造体、制御方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070628
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】制御装置、固定構造体、制御方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/10 20060101AFI20220506BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
G08B21/10
G08B27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179795
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502176443
【氏名又は名称】芝 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 康行
(72)【発明者】
【氏名】大江 新次
(72)【発明者】
【氏名】芝 勝徳
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA01
5C086AA11
5C086AA22
5C086CA12
5C086CA13
5C086CA21
5C086CA22
5C086CA23
5C086CB36
5C086CB40
5C086DA20
5C086DA30
5C086EA08
5C086EA11
5C086FA06
5C086FA12
5C086FA15
5C086FA16
5C086FA17
5C086GA01
5C086GA06
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA11
5C087AA12
5C087AA15
5C087AA16
5C087AA19
5C087AA22
5C087AA23
5C087AA37
5C087BB02
5C087BB18
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD02
5C087DD03
5C087DD04
5C087DD49
5C087EE16
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF13
5C087GG08
5C087GG22
5C087GG82
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】 対象者にとって災害発生情報をより正確に認識可能にする制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明の制御装置10において、災害発生情報取得手段11は、災害発生情報を取得し、モード切替手段12は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、検出手段13は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段14に蓄積して記憶し、配信手段16は、通信手段15を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、警告手段17は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させる。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害発生情報取得手段、モード切替手段、検出手段、蓄積記憶手段、通信手段、配信手段、及び警告手段を含み、
前記通信手段は、他の装置と通信可能な状態になった場合に通信し、
前記災害発生情報取得手段は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替手段は、固定構造体のモードを切替可能であり、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記モード切替手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記非常モードにおいて、
前記検出手段は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告手段は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出手段は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する、固定構造体の制御装置。
【請求項2】
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信手段は、さらに、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記災害発生情報取得手段に加えて又は代えて、災害発生判定手段を含み、
前記災害発生判定手段は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信手段は、前記災害が発生したと判定した場合、前記通信手段を介して、災害発生判定情報を他の装置に配信する、請求項1または2記載の制御装置。
【請求項4】
さらに、信号発信手段を含み、
前記信号発信手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記通信手段を介して、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記警告手段は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置を含む、固定構造体。
【請求項7】
災害発生情報取得工程、モード切替工程、検出工程、配信工程、及び警告工程を含み、
前記災害発生情報取得工程は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替工程は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記非常モードにおいて、
前記検出工程は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告工程は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出工程は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する、制御方法。
【請求項8】
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信工程は、さらに、前記通信工程が通信可能となった場合、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、請求項7記載の制御方法。
【請求項9】
前記災害発生情報取得工程に加えて又は代えて、災害発生判定工程を含み、
前記災害発生判定工程は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信工程は、前記災害が発生したと判定した場合、災害発生判定情報を他の装置に配信する、請求項7または8記載の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、災害発生情報取得手順、モード切替手順、検出手順、配信手順、及び警告手順を含む各手順を実行させるためのプログラム:
前記災害発生情報取得手順は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替手順は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記非常モードにおいて、
前記検出手順は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手順は、通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告手順は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出手順は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手順は、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、固定構造体、制御方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及により、インターネット上での情報共有が進んでいる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-010547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被災地等の特定エリアにおける対象者において、災害発生情報に基づく警告の認識性を向上させる技術が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、前記対象者にとって災害発生情報をより正確に認識可能な制御装置、固定構造体、制御方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の制御装置は、
災害発生情報取得手段、モード切替手段、検出手段、蓄積記憶手段、通信手段、配信手段、及び警告手段を含み、
前記通信手段は、他の装置と通信可能な状態になった場合に通信し、
前記災害発生情報取得手段は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替手段は、固定構造体のモードを切替可能であり、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記モード切替手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記非常モードにおいて、
前記検出手段は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告手段は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出手段は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する、
固定構造体の制御装置である。
【0007】
本発明の固定構造体は、
本発明の制御装置を含む、装置である。
【0008】
本発明の制御方法は、
災害発生情報取得工程、モード切替工程、検出工程、配信工程、及び警告工程を含み、
前記災害発生情報取得工程は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替工程は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記非常モードにおいて、
前記検出工程は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告工程は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出工程は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する
、方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被災地等の特定エリアにおける対象者にとって、災害発生情報をより正確に認識させることが可能となる。前記対象者は、特に制限されず、通行人、住民、避難者等である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、災害が発生している一例を示す模式図である。
図5図5は、変形例1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
図6図6は、変形例1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、変形例2の装置の一例の構成を示すブロック図である。
図8図8は、変形例2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、変形例2の装置における信号を発信する一例示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の制御装置は、例えば、
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信手段は、さらに、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明の制御装置において、例えば、
前記災害発生情報取得手段に加えて又は代えて、災害発生判定手段を含み、
前記災害発生判定手段は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信手段は、前記災害が発生したと判定した場合、前記通信手段を介して、災害発生判定情報を他の装置に配信する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明の制御装置は、例えば、
さらに、信号発信手段を含み、
前記信号発信手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記通信手段を介して、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の制御装置において、例えば、
前記警告手段は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の制御方法は、例えば、
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信工程は、さらに、前記通信工程が通信可能となった場合、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の制御方法において、例えば、
前記災害発生情報取得工程に加えて又は代えて、災害発生判定工程を含み、
前記災害発生判定工程は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信工程は、前記災害が発生したと判定した場合、災害発生判定情報を他の装置に配信する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の制御方法は、例えば、
さらに、信号発信工程を含み、
前記信号発信工程は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の制御方法において、例えば、
前記警告工程は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0020】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
本発明において、「固定構造体」は、特に制限されず、例えば、街中に固定配置され、電力を利用可能な物体である。具体的には、例えば、電柱、街路灯、信号機、道路標識、マンホールの蓋、塀、ガードレール、建物の外壁、看板水上ブイ、海上規制ウキ、及びパイロン(通行停止表示、規制柵等)等があげられる。
【0022】
本発明において、「災害」は、特に制限されず、例えば、地震、台風、豪雨、寒波、雪崩、火山噴火、酷暑、洪水、津波等の自然災害;大火事、大爆発、テロ、ストライキ、戦争、騒乱、突発的なダムの放水等の人為的な災害;等がある。
【0023】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0024】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の制御装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、災害発生情報取得手段11、モード切替手段12、検出手段13、蓄積記憶手段14、通信手段15、配信手段16、及び警告手段17を含む。本装置10は、固定構造体の制御装置である。本装置10は、例えば、前記固定構造体に内蔵されていてもよいし、取り付け且つ接続可能であってもよい。
【0025】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、L5G(ローカル5G)、PSLTE、特定無線(防災行政無線等)等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0026】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0027】
中央処理装置(中央演算装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、災害発生情報取得手段11、モード切替手段12、検出手段13、配信手段16、及び警告手段17として機能する。
【0028】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置(サイネージ等)等があげられる。本装置10は、例えば、バスに接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。通信デバイス107は、例えば、通信手段15として機能する。
【0029】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0030】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ユーザのログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0031】
本装置10において、通信デバイス107(通信手段15)は、特他の装置と通信可能な状態になった場合に通信する。前記通信は、有線でも無線でもよいが、無線が好ましい。無線通信としては、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。また、本発明の通信デバイス107(通信手段15)は、一般のネットワーク(通信回線網)に接続して通信してもよい。ネットワーク通信のネットワークとしては、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、PSLTE、特定無線(防災行政無線等)等がある。
【0032】
蓄積記憶手段14は、例えば、メモリ102又は記憶装置104を使用できる。メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。この他に、記憶装置104は、例えば、記憶媒体と、記憶媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)及びソリッドステートドライブ(SSD)等であってもよい。
【0033】
本装置10は、モード切替手段12により、前記固定構造体のモードを切替可能である。前記モードは、特に制限されず、例えば、平常モード、非常モード、点検モード、本番モード、訓練モード等がある。前記平常モードは、例えば、平常時に作動するモードであり、例えば、平時の制御(例えば、サイネージに災害が発生していないことを示す表示、後述の平常時検出データの配信等)を実行する。前記非常モードは、例えば、非常事態時に作動するモードであり、例えば、前記平常モード時の処理を停止し、非常時の制御(例えば、サイネージに災害が発生したことを示す表示、後述の非常時検出データの配信、警告等)を実行する。前記点検モードは、前記固定構造体や本装置10の点検時に作動するモードであり、例えば、ハードウエアのセルフチェック、手動による動作確認等を実施するモードである。具体的に、モード切替手段12は、災害発生情報取得手段11により、災害発生情報を取得した場合に、前記モードを「非常モード」に切り替える。本装置10は、例えば、平常時には、すなわち、前記災害発生情報を取得していない場合には、前記モードを「平常モード」で維持してもよい。また、モード切替手段12は、例えば、他の装置から非常モード解除命令を受信した場合に、「非常モード」を「平常モード」に切り替えてもよい。
【0034】
また、前記モードとして、本番モード及び訓練モード等があってもよい。前記本番モードは、例えば、平時から運用状態を前記平常モードで維持し、前記災害発生情報をトリガーとして前記非常モードへ切替ることが可能な動作状態をいう。前記本番モードでは、例えば、前記災害発生情報を取得し、本装置10内で各処理を実行する。前記本番モードには、例えば、前記平常モード及び前記非常モードが含まれていてもよい。この場合、モード切替手段12は、例えば、前記訓練モードから前記本番モードに切り替えてから、災害発生情報の取得の有無に応じて、前記平常モード又は前記非常モードのいずれか一方に切り替える。モード切替手段12は、例えば、他の装置から特定の命令(例えば、各モードの作動命令、各モードの解除命令等)を受信した場合に、前記本番モード又は前記訓練モードのいずれか一方への切り替えを行ってもよいし、前記外部入力装置及び入力装置105等を介して、前記本番モード又は前記訓練モードのいずれか一方への切り替えを行ってもよい。前記訓練モードは、例えば、実際の災害発生を想定して作動するモードである。前記訓練モードは、例えば、前記本番モードと異なり、本装置10と接続する各装置に対して、「訓練」状態であることを認識させ、後述の警告等の条件を制限する(例えば、鳴動処理をするがサイレンは鳴動させない、サイネージに「訓練」であることを明示し表示する等)。
【0035】
つぎに、本実施形態の制御方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の制御方法は、例えば、図1の制御装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の制御方法は、図1の制御装置10の使用には限定されない。
【0036】
図3(A)は、前記非常モードにおける制御方法の一例を示すフローチャートである。まず、災害発生情報取得手段11により、災害発生情報を取得する(S11a)。前記取得は、例えば、通信手段15を介して、取得する。また、前記取得は、例えば、テレビやラジオ等の放送(地上波及び衛星放送)、防災無線、警察無線、消防無線等の無線等が発信する電波を受信することで取得してもよい。前記災害発生情報は、災害が発生した又は発生することを示す情報であり、例えば、発生日時、対象エリア、災害の種別等の情報がある。前記災害発生情報は、首長の著名が内包されている。これにより、前記災害発生情報の信憑性が担保される。より具体的には、例えば、総務省消防庁が提供する「全国瞬時警報システム(Jアラート)」の災害情報、地方公共団体又はライフライン事業者が提供する「災害情報共有システム(Lアラート)」及び「Vアラート」の災害情報、等がある。
【0037】
次に、モード切替手段12により、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替える(S12a)。
【0038】
次に、検出手段13により、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態のいずれか一方を検出して(S13a)、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段14に蓄積して記憶する(S14a)。前記非常時検出データとは、前記非常モードにおいて検出した検出データをいう。前記固定構造体の状態を示す検出データとしては、例えば、時間情報、データ通信ログ、セルフチェックログ、停電ログ、点灯開始時間、点灯終了時間、連続点灯時間、供給電圧・電流の変動、周波数・位相等のデータがある。前記固定構造体の状態を示す検出データは、例えば、各種監視プログラム等によって検出できる。また、前記特定エリアの状態を示す検出データとしては、例えば、照度、赤外線、紫外線、傾斜、振動(加速度)、温度、湿度、水位、歪み、接点信号、光検出素子、ガス濃度等のデータがある。前記特定エリアの状態を示す検出データは、例えば、各種センサ、カメラ等によって検出できる。前記工程(S13a)、及び(S14a)は、例えば、一定時間毎に繰り返し実行してもよい。
【0039】
次に、配信手段16により、通信手段15が通信可能となった場合、通信手段15を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信する(S15a)。前記他の装置は、特に制限されず、例えば、後述の移動型情報収集装置、後述のオンラインストレージ装置等がある。前記配信は、例えば、蓄積した前記非常時検出データの全データでもよいし、一部でのデータでもよいが、全データを配信することが好ましい。
【0040】
次に、警告手段17により、前記工程(S14a)の後に、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させる(S16a)。前記固定構造体の各部とは、例えば、照明部等の光源、パトランプ、拡声器、表示装置、屋外拡声器、モーターサイレン、発光器、回転灯等がある。前記光源の制御には、例えば、点灯、消灯、点滅、照度、発光する色等の制御がある。前記パトランプの制御には、例えば、パトランプの作動、停止等がある。前記拡声器の制御には、例えば、音声再生等がある。前記表示装置の制御には、例えば、表示内容の変更等の制御がある。より具体的に、警告手段17は、例えば、前記災害発生情報として、「30分後に津波が来る」との情報を取得した場合に、海沿いに設置されている全ての街路灯(固定構造体)の照明部の光源を制御し、前記照明部が点灯する明かりの色を赤色に変更させる等を実行する。すなわち、本装置10は、前記取得した災害発生情報を、前記固定構造体を介して、再放送(再伝搬、再警告ともいう)するともいえる。一方で、例えば、前記訓練モードである場合は、前記警告を実行しない。すなわち、前記訓練モードは、近隣住民への影響を考慮しつつ、本装置10及び本装置10を含むシステムの動作確認、及び避難行動の確認等として利用することができる。
【0041】
前記工程(S15a)及び前記工程(S16a)は、例えば、図3に示すように、並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。なお、前記順番は、特に制限されない。そして、すべての工程を処理したら、終了する(END)。
【0042】
図3(B)は、前記平常モードにおける制御方法の一例を示すフローチャートである。本例では、前記災害発生情報が配信されていない、すなわち、災害発生情報取得手段11による前記災害発生情報の取得が実行されていないため(S11b)、モード切替手段12により、前記モードを平常モードにする(平常モードを維持するともいう)(S12b)。
【0043】
次に、検出手段13により、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態のいずれか一方を検出して(S13b)、前記検出した結果を示す平常時検出データを蓄積記憶手段14に蓄積して記憶する(S14b)。前記平常時検出データとは、前記平常モードにおいて検出した検出データをいう。前記固定構造体の状態を示す検出データ及び前記固定構造体の状態を示す検出データは、例えば、前述と同様である。また、前記固定構造体の状態を示す検出データ及び前記固定構造体の状態を示す検出データの検出は、例えば、前述と同様である。前記工程(S13b)、及び(S14b)は、例えば、一定時間毎に繰り返し実行してもよい。
【0044】
次に、配信手段16により、通信手段15が通信可能となった場合、通信手段15を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信し(S15b)、終了する(END)。前記他の装置は、特に制限されず、例えば、前述と同様である。前記配信は、例えば、蓄積した前記平常時検出データの全データでもよいし、一部でのデータでもよいが、全データを配信することが好ましい。
【0045】
本装置10の前記平常モード及び前記非常モードにおいて、配信手段16は、例えば、さらに、通信手段15が通信可能となった場合、通信手段15を介して、蓄積記憶手段14に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方(以下、平常時検出データ等ともいう)を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信してもよい。前記移動型情報収集装置は、特に制限されず、例えば、移動体によって移動(巡回)しながら情報を収集可能な装置である。記移動体は、特に制限されず、例えば、自動車、電車、船舶、水上艇、及びドローン等の飛行装置、自転車、車いす、台車等がある。なお、前記移動体の移動速度は、特に制限されない。また、本装置10は、例えば、携帯端末であり、前記携帯端末をユーザ(移動体)が携帯することで、移動可能であってもよい。前記携帯端末は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC、例えば、ノート型PC等)等がある。具体的に、前記移動型情報収集装置に平常時検出データ等を配信する場合、本装置10は、例えば、通信手段15として、WiFi等の前記無線通信を介して、配信を実行する。一方で、前記オンラインストレージ装置は、例えば、本装置10によってアクセス可能なネットワーク上に設置され、ストレージサービスを提供する装置である。具体的に、前記オンラインストレージ装置に平常時検出データ等を配信する場合、本装置10は、例えば、通信手段15として、LPWAやDTN等のネットワーク回線を介して、配信を実行する。また、この場合、本装置10は、例えば、中継ノードを介して、前記オンラインストレージ装置に配信してもよい。
【0046】
本装置10が、例えば、平常時検出データ等を移動型情報収集装置及び前記オンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信することで、管理者は、前記平常時検出データ等を収集可能である。なお、前記平常時検出データ等を収集するタイミングは、特に制限されない。さらに、前記管理者は、例えば、前記収集した平常時検出データ等から、各種分析を行うことができ、災害発生予測の精度向上等に貢献することができる。また、前記オンラインストレージ装置に配信する場合、前記平常時検出データ等を収集した管理者は、被災エリア(前記特定エリア)まで移動することなく、被害状況を推定することができる。
【0047】
警告手段17は、例えば、さらに、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行ってもよい。具体的には、例えば、図4(A)及び(B)に示すように、前記避難誘導は、拡声器や表示装置、光源等を制御することで、道路を通行止めにしたり、一時待機所、避難場所等までのルートを案内する。
【0048】
本実施形態の制御装置10によれば、非常モードを作動させることで、被災地等の特定エリアにおける対象者に対し、災害発生情報をより正確に認識させることができる。
【0049】
(変形例1)
図5に示すように、本装置10は、例えば、災害発生情報取得手段11に加えて又は代えて、災害発生判定手段18を含んでもよい。この場合、中央処理装置101が、例えば、さらに、災害発生判定手段18として機能する。
【0050】
本変形例の制御方法の一例を、図6のフローチャートに基づき説明する。本変形例の制御方法は、例えば、図5の制御装置10を用いて、次のように実施する。なお、本変形例の制御方法は、図5の制御装置10の使用には限定されない。
【0051】
図6(A)は、前記非常モードにおける制御方法の一例を示すフローチャートである。まず、図3における制御方法と同様に、災害発生情報取得手段11による災害発生情報の取得(S11a)、モード切替手段12による非常モードへの切り替え(S12a)、検出手段13による検出(S13a)を実行する。
【0052】
次に、災害発生判定手段18は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定する(S17a)。具体的には、例えば、蓄積記憶手段14に蓄積して記憶している平常時検出データと、前記工程(S13a)で検出した非常時検出データとを比較して、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定できる。また、検出項目毎に閾値を予め設定していてもよい。前記閾値は、特に制限されず、任意に設定可能である。例えば、振動(加速度)に関する検出データ、固定構造体の脚部の浸水に関する検出データ、及び周囲の通信疎通状況に関する過去の事象結果等から、前記閾値を設定できる。そして、前記閾値に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定できる。災害発生判定手段18は、例えば、前記加速度に関する検出データからは、地滑り、土砂崩れ、及び倒壊等の災害が発生したことを判定できる。このように、災害発生判定手段18は、例えば、外部要因(災害・事故等が生じたことで得た検出データ)によって自律的に災害発生を判定する。
【0053】
次に、配信手段16により、さらに、前記災害が発生したと判定した場合(YES)、通信手段15を介して、災害発生判定情報を他の装置に配信する(S15a)。前記災害発生判定情報は、例えば、災害発生判定手段18により災害が発生したと判定したことを示す情報であり、例えば、発生日時、対象エリア、災害の種別等の情報がある。配信手段16は、例えば、前記非常時検出データと前記災害発生判定情報との両方を前記他の装置に配信してもよい。一方で、前記災害が発生していないと判定した場合は(NO)、例えば、前記工程(S15a)を実行せずに、終了してもよい(END)。
【0054】
次に、図3における制御方法と同様に、警告手段17による警告を実行する(S16a)。
【0055】
前記工程(S14a)及び前記工程(S17a)は、例えば、図6(A)に示すように、並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。また、前述のように、前記工程(S15a)及び前記工程(S16a)は、例えば、図6(A)に示すように、並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。なお、前記各順番は、特に制限されない。そして、前記工程(S15a)及び前記工程(S16a)を処理したら、終了する(END)。
【0056】
図6(B)は、前記平常モードにおける制御方法の一例を示すフローチャートである。本例では、図3(B)と同様に、前記災害発生情報が配信されていない、すなわち、災害発生情報取得手段11による前記災害発生情報の取得が実行されていないため(S11b)、モード切替手段12により、前記モードを平常モードにする(平常モードを維持するともいう)(S12b)。次に、図3(B)と同様に、検出手段13による検出を実行する(S13a)。なお、後述するように、前記検出された平常時検出データは、災害発生検出データとなる。
【0057】
次に、災害発生判定手段18は、図6(A)と同様に、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定する(S17b)。具体的には、例えば、前述と同様である。
【0058】
そして、配信手段16により、図6(A)と同様に、さらに、前記災害が発生したと判定した場合(YES)、通信手段15を介して、災害発生判定情報を他の装置に配信し(S15b)、終了する(END)。前記災害発生判定情報は、例えば、前述と同様である。一方で、前記災害が発生していないと判定した場合は(NO)、例えば、前記工程(S15b)を実行せずに、終了してもよい(END)。
【0059】
災害発生判定手段18は、例えば、前記災害が発生したと判定した場合(YES)、前記判定に用いた前記検出した特定エリアの状態を示すデータを災害発生検出データとして、蓄積記憶手段14に記憶してもよい。そして、配信手段16は、例えば、前記災害発生検出データと前記災害発生判定情報との両方を前記他の装置に配信してもよい。
【0060】
また、モード切替手段12は、例えば、前記災害が発生したと判定した場合(YES)、前記モードを前記非常モードに切り替えてもよい。
【0061】
前記工程(S14b)及び前記工程(S17b)は、例えば、図6(B)に示すように、並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。なお、前記順番は、特に制限されない。そして、前記工程(S15a)及び前記工程(S16a)を処理したら、終了する(END)。
【0062】
本変形例において、本装置10が、災害発生情報取得手段11に代えて、災害発生判定手段18を含む場合は、例えば、本装置10が自発的に災害の発生を判断でき、前記災害の発生を他の装置(例えば、管理者の装置、災害発生情報配信装置等)に配信できる。具体的には、例えば、図4(A)及び(B)に示すように、本装置10を含む固定構造体(図4において、街路灯として示す。以下、「街路灯」という)が複数配置されている場合、事故現場の最も近くに配置されている街路灯は、火災や山崩れを検出し、災害が発生したことを他の装置に配信(通報)する。そして、前記他の装置は、例えば、特定の範囲内に存在するすべての街路灯に、災害発生情報を配信する。
【0063】
一方で、本変形例において、本装置10が、災害発生情報取得手段12に加えて、災害発生判定手段18を含む場合も、例えば、本装置10が自発的に災害の発生を判断できる。また、災害発生情報取得手段12が取得した災害発生情報と、災害発生判定手段18が判定した災害発生判定情報との適合度を算出することができる。具体的には、例えば、前記判定により、前記災害発生情報が誤配信である可能性や、本装置10周辺の災害の影響の程度等が分かる。
【0064】
(変形例2)
図7に示すように、本装置10は、例えば、さらに、信号発信手段19を含んでもよい。この場合、中央処理装置101が、例えば、さらに、信号発信手段19として機能する。
【0065】
本変形例の制御方法の一例を、図8のフローチャートに基づき説明する。本変形例の制御方法は、例えば、図7の制御装置10を用いて、次のように実施する。なお、本変形例の制御方法は、図7の制御装置10の使用には限定されない。
【0066】
まず、図3における制御方法と同様に、災害発生情報取得手段11による災害発生情報の取得を行う(S11a)。
【0067】
次に、信号発信手段19により、前記災害発生情報を取得した場合に、通信手段15を介して、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する(S18a)。この場合において、通信手段15は、例えば、LPWAを用いることが好ましい。前記LPWAは、通信料金が安く、最大10から50km程度の長距離の通信が可能であり、低消費電力であるという特徴を有する。そのため、前記通信手段としてLPWAを使用することで、本装置10のランニングコストを削減することができる。図9に、信号発信手段19により前記信号を発信する一例の模式図を示す。図9において、固定構造として、街路灯1(1a~1d)を例示するが、これに何ら制限されない。なお、図9に示す街路灯1には、本装置10が内蔵されている。図4に示すように、前記災害発生情報を取得した街路灯1(本装置10)は、前記災害発生情報を配信した装置に、前記配信が正常に行われたこと(前記災害発生情報を正常に取得したこと)を示す信号を配信(発信)する。図9(A)では、すべての街路灯1a~1dから前記信号が配信される。一方で、図9(B)では、街路灯1c及び1dから前記信号が配信されない(応答がない)。これにより、街路灯1c及び1dは、前記災害発生情報を正常に取得出来ていないこと、すなわち、前記災害発生情報が配信されていないことが分かる。このように、本装置10が、信号発信手段19を含むことで、災害発生情報の到達性が分かる。
【0068】
図8に示す工程(S12a)~(S16a)は、図3に示す工程(S12a)~(S16a)と同一である。
【0069】
図8に示す前記工程(S12a)及び前記工程(S18a)は、例えば、図8に示すように、並行して処理してもよいし、順番に処理してもよい。なお、前記順番は、特に制限されない。
【0070】
[実施形態2]
本実施形態の固定構造体は、前記実施形態1(変形例1及び2を含む)記載の制御装置10を含む。その他の構成は、特に制限されない。また、前記固定構造体は、例えば、本発明のプログラムがインストールされた固定構造体であってもよい。前記固定構造体は、例えば、商用電力や非常電力等の外部電力を利用可能である。そして、前記固定構造体の各部及び制御装置10は、例えば、前記外部電力により電力供給を受け、動作する。また、前記固定構造体の各部及び制御装置10は、例えば、前記固定構造体が備えるバッテリーに蓄積された電力により電力供給を受け、動作してもよい。前記バッテリーは、例えば、前記外部電力により充電可能であってもよい。より具体的には、例えば、前記平常モードの場合は、前記外部電力により電力供給を受け、前記非常モードの場合は、前記バッテリーにより電力供給を受けるように、制御装置10によって制御されてもよい。
【0071】
固定構造体は、例えば、筐体を含み、前記筐体に制御装置10を収容してもよい。前記筐体は、例えば、耐災害性を有することが好ましい。前記耐災害性とは、前記災害に耐えうる性質(例えば、耐水性、耐衝撃性等)をいう。前記筐体は、例えば、前記固定構造体の脚部の上部側に取り付けられる。
【0072】
前記固定構造体は、例えば、アンテナを含み、前記アンテナは、制御装置10と接続しており、電波を受信可能であってもよい。
【0073】
前記固定構造体は、例えば、照明部を含んでもよい。前記照明部は、光源を含む。前記光源は、前記外部電力及び前記バッテリーからの電力の少なくとも一方から電力供給を受けることで点灯可能である。また、前記光源は、例えば、制御装置10の警告手段17によって制御され、警告を実行する。前記光源は、例えば、LED、白熱灯等である。前記光源の色は、特に制限されず、例えば、白色、赤色、青色、黄色、緑色等である。前記照明部は、例えば、異なる色を発する光源を複数含んでもよい。
【0074】
前記固定構造体は、例えば、警告部を含んでもよい。前記警告部は、前記外部電力及びバッテリー部からの電力の少なくとも一方によって電力供給を受けることで作動可能である。また、前記警告部は、制御装置10の警告手段17によって制御され、警告を実行する。前記警告部は、具体的に、例えば、パトランプ、拡声器、表示装置等である。
【0075】
本実施形態の固定構造体によれば、例えば、非常モードを作動させることで、被災地等の特定エリアにおける対象者に対し、災害発生情報をより正確に認識させることができる。
【0076】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述と同様である。具体的には、例えば、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード(SD(Secure Digital)メモリ等)、ハードディスクドライブ(HDD)及びソリッドステートドライブ(SSD)等が挙げられる。
【0077】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0078】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
災害発生情報取得手段、モード切替手段、検出手段、蓄積記憶手段、通信手段、配信手段、及び警告手段を含み、
前記通信手段は、他の装置と通信可能な状態になった場合に通信し、
前記災害発生情報取得手段は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替手段は、固定構造体のモードを切替可能であり、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記モード切替手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記非常モードにおいて、
前記検出手段は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告手段は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出手段は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手段は、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する、固定構造体の制御装置。
(付記2)
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信手段は、さらに、前記通信手段が通信可能となった場合、前記通信手段を介して、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、付記1記載の制御装置。
(付記3)
前記災害発生情報取得手段に加えて又は代えて、災害発生判定手段を含み、
前記災害発生判定手段は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信手段は、前記災害が発生したと判定した場合、前記通信手段を介して、災害発生判定情報を他の装置に配信する、付記1または2記載の制御装置。
(付記4)
さらに、信号発信手段を含み、
前記信号発信手段は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記通信手段を介して、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、付記1から3のいずれかに記載の制御装置。
(付記5)
前記警告手段は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、付記1から4のいずれかに記載の制御装置。
(付記6)
付記1から5のいずれかに記載の制御装置を含む、固定構造体。
(付記7)
災害発生情報取得工程、モード切替工程、検出工程、配信工程、及び警告工程を含み、
前記災害発生情報取得工程は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替工程は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記非常モードにおいて、
前記検出工程は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告工程は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出工程は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信工程は、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する、制御方法。
(付記8)
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信工程は、さらに、前記通信工程が通信可能となった場合、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、付記7記載の制御方法。
(付記9)
前記災害発生情報取得工程に加えて又は代えて、災害発生判定工程を含み、
前記災害発生判定工程は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信工程は、前記災害が発生したと判定した場合、災害発生判定情報を他の装置に配信する、付記7または8記載の制御方法。
(付記10)
さらに、信号発信工程を含み、
前記信号発信工程は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、付記7から9のいずれかに記載の制御方法。
(付記11)
前記警告工程は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、付記7から10のいずれかに記載の制御方法。
(付記12)
コンピュータに、災害発生情報取得手順、モード切替手順、検出手順、配信手順、及び警告手順を含む各手順を実行させるためのプログラム:
前記災害発生情報取得手順は、災害発生情報を取得し、
前記モード切替手順は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記固定構造体のモードを、前記非常モードに切り替え、
前記モードは、平常モードと非常モードとを含み、
前記非常モードにおいて、
前記検出手順は、前記固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す非常時検出データを蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手順は、通信手段を介して、前記蓄積した非常時検出データを他の装置に配信し、
前記警告手順は、前記固定構造体の各部を制御して前記災害発生情報に基づく警告を実行させ、
前記平常モードにおいて、
前記検出手順は、固定構造体の状態及び前記固定構造体が設置されている特定エリアの状態の少なくとも一方を検出して、前記検出した結果を示す平常時検出データを前記蓄積記憶手段に蓄積して記憶し、
前記配信手順は、前記通信手段を介して、前記蓄積した平常時検出データを他の装置に配信する。
(付記13)
前記平常モード及び前記非常モードにおいて、
前記配信手順は、さらに、前記通信手順が通信可能となった場合、前記蓄積記憶手段に蓄積した平常時検出データ及び非常時検出データの少なくとも一方を移動型情報収集装置及びオンラインストレージ装置の少なくとも一方に配信する、付記12記載のプログラム。
(付記14)
前記災害発生情報取得手順に加えて又は代えて、災害発生判定手順を含み、
前記災害発生判定手順は、前記検出した特定エリアの状態に基づき、前記特定エリア内で災害が発生したか否かを判定し、
前記配信手順は、前記災害が発生したと判定した場合、災害発生判定情報を他の装置に配信する、付記12または13記載のプログラム。
(付記15)
さらに、信号発信手順を含み、
前記信号発信手順は、前記災害発生情報を取得した場合に、前記災害発生情報を取得したことを示す信号を発信する、付記12から14のいずれかに記載のプログラム。
(付記16)
前記警告手順は、前記災害発生情報及び前記非常時検出データの少なくとも一方に基づき、前記固定構造体の各部の動作を制御して、避難対象者に対し避難誘導を行う、付記12から15のいずれかに記載のプログラム。
(付記17)
付記12から16のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、前記対象者にとって災害発生情報をより正確に認識可能となり、災害等において有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 街路灯
10 制御装置
11 災害発生情報取得手段
12 モード切替手段
13 検出手段
14 蓄積記憶手段
15 通信手段
16 配信手段
17 警告手段
18 災害発生判定手段
19 信号発信手段
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9