IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーウェーブの特許一覧

<>
  • 特開-監視装置 図1
  • 特開-監視装置 図2
  • 特開-監視装置 図3
  • 特開-監視装置 図4
  • 特開-監視装置 図5
  • 特開-監視装置 図6
  • 特開-監視装置 図7
  • 特開-監視装置 図8
  • 特開-監視装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070644
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
G06K19/06 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179819
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】福本 亮
(57)【要約】
【課題】導入が容易である監視装置を提供する。
【解決手段】設備(A)が所定の稼動状態であることを点灯により表示するランプ(22)と、透明シート(31)を備え、設備を識別可能とする情報を符号化したコード(32)を透明シートに表示したコード部材(30)と、コードを読み取って復号するコードリーダ(40)と、を備える監視装置(10)であって、コード部材は、ランプとコードリーダとの間にコードリーダを向いて配置され、コードのコードリーダの側が半透明シート(35)で覆われ、コードリーダは、ランプの消灯時にコードを読み取り不能であり、ランプの点灯時にコードを読み取り可能である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備が所定の稼動状態であることを点灯により表示するランプと、
透光性の部材を備え、前記設備を識別可能とする情報を符号化したコードを前記透光性の部材に表示したコード部材と、
前記コードを読み取って復号するコードリーダと、
を備える監視装置であって、
前記コード部材は、前記ランプと前記コードリーダとの間に前記コードリーダを向いて配置され、前記コードの前記コードリーダの側が半透明シートで覆われ、
前記コードリーダは、前記ランプの消灯時に前記コードを読み取り不能であり、前記ランプの点灯時に前記コードを読み取り可能である、監視装置。
【請求項2】
前記コードリーダは、前記ランプの消灯時に、前記コードのコントラストが前記コードを読み取り可能な所定コントラストよりも前記半透明シートにより低下させられて前記コードを読み取り不能となる、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記コード部材は、前記ランプの外面に貼り付けてある、請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記ランプは、前記設備が作動状態であることを点灯により表示し、
前記コードリーダは、前記コードを読み取り可能である場合に、前記設備が作動状態であると判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項5】
前記コードリーダは、間欠的に前記コードの読み取りを実行し、前記コードを読み取り可能であることが連続した期間にわたって前記設備が作動状態であったと判定する、請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
前記ランプは、前記設備が停止状態であることを点灯により表示し、
前記コードリーダは、前記コードを読み取り可能である場合に、前記設備が停止状態であると判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記コードリーダは、間欠的に前記コードの読み取りを実行し、前記コードを読み取り可能であることが連続した期間にわたって前記設備が停止状態であったと判定する、請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記コードは、2次元コードである、請求項1~7のいずれか1項に記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備の稼働状態を監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設備の稼働状態を表す各記号を各ランプの点灯により表示する表示盤と、表示盤を撮影した画像を処理して記号を判別する画像処理装置と、判別結果を表示する表示装置と、を備える監視装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3-49232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の監視装置では、記号の画像の特徴点をユーザが設定する作業と、特徴点を検出した場合の論理処理をユーザが設定する作業とが必要である。さらに、何処の設備の稼動状態を表示しているランプであるかを監視装置が把握するためには、設備とランプとの対応をユーザが監視装置に登録しておく必要がある。このため、監視装置の導入に専門知識と多くの作業工数が必要であり、監視装置を容易に導入することができない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、導入が容易である監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
設備が所定の稼動状態であることを点灯により表示するランプと、
透光性の部材を備え、前記設備を識別可能とする情報を符号化したコードを前記透光性の部材に表示したコード部材と、
前記コードを読み取って復号するコードリーダと、
を備える監視装置であって、
前記コード部材は、前記ランプと前記コードリーダとの間に前記コードリーダを向いて配置され、前記コードの前記コードリーダの側が半透明シートで覆われ、
前記コードリーダは、前記ランプの消灯時に前記コードを読み取り不能であり、前記ランプの点灯時に前記コードを読み取り可能である。
【0007】
上記構成によれば、ランプは、設備が所定の稼動状態であることを点灯により表示する。コード部材は、透光性の部材を備え、前記設備を識別可能とする情報を符号化したコードを前記透光性の部材に表示している。コードリーダは、コードを読み取って復号する。
【0008】
ここで、前記コード部材は、前記ランプと前記コードリーダとの間に前記コードリーダを向いて配置されている。設備の稼動状態を点灯により表示するランプは、ユーザの視認性を向上させるために、光量が大きく設定されていることが多い。このため、コード部材において透光性の部材にコードを表示して、コード部材の背後でランプを点灯させた場合にハレーションが生じて、コードリーダがコードを読み取り不能となることに本願発明者は着目した。
【0009】
この点、前記コード部材は、前記コードの前記コードリーダの側が半透明シートで覆われている。このため、ハレーションを抑制することができ、コードリーダはランプの点灯時にコードを読み取り可能となる。一方、コードのコントラストが半透明シートにより低下し、コードリーダはランプの消灯時にコードを読み取り不能となる。このため、コードリーダは、コードを読み取り可能である場合に、ランプが点灯していること、すなわち設備が所定の稼動状態であることを把握することができる。一方、コードリーダは、コードを読み取り不能である場合に、ランプが消灯していること、すなわち設備が所定の稼動状態でないことを把握することができる。なお、半透明シートは、透過する光の一部を吸収及び拡散するシート状の部材であればよく、半透明フィルムや、薄い和紙、薄い磨りガラス(曇りガラス)等を含む。
【0010】
さらに、コードリーダは、前記ランプの点灯時に前記コードを読み取って復号することにより、設備を識別可能とする情報を取得することができ、何処の設備の稼動状態を表示しているランプであるかを把握することができる。このため、特許文献1に記載の監視装置と比べて、画像の特徴点を設定する作業、特徴点を検出した場合の論理処理を設定する作業、及び設備とランプとの対応を監視装置に登録する作業を、ユーザが実行する必要がない。したがって、監視装置を容易に導入することができる。
【0011】
一般に、コードリーダは、コードのコントラストが所定コントラストよりも低い場合に、コードを読み取ることができない。
【0012】
この点、第2の手段では、前記コードリーダは、前記ランプの消灯時に、前記コードのコントラストが前記コードを読み取り可能な所定コントラストよりも前記半透明シートにより低下させられて前記コードを読み取り不能となる。こうした構成によれば、コードのコントラストの低下を積極的に利用して、コードリーダが前記ランプの消灯時に前記コードを読み取り不能である状態を作ることができる。
【0013】
第3の手段では、前記コード部材は、前記ランプの外面に貼り付けてある。こうした構成によれば、コード部材を容易に設置することができ、監視装置をさらに容易に導入することができる。
【0014】
第4の手段では、前記ランプは、前記設備が作動状態であることを点灯により表示し、前記コードリーダは、前記コードを読み取り可能である場合に、前記設備が作動状態であると判定する。
【0015】
上記構成によれば、前記ランプは、前記設備が作動状態であることを点灯により表示する。このため、コードリーダは、コードを読み取り可能である場合に、ランプが点灯していること、すなわち設備が作動状態であると判定することができる。なお、コードリーダは、コードを読み取り不能である場合に、ランプが消灯していること、すなわち設備が作動状態でない(停止状態である)と判定することもできる。
【0016】
コードリーダが、コードの読み取りを連続的に実行することは、省エネルギーの観点から望ましくない。一方、コードリーダが、コードの読み取りを一度しか実行しない場合は、読み取りを実行した瞬間の設備の稼動状態しか把握することができない。
【0017】
この点、第5の手段では、前記コードリーダは、間欠的に前記コードの読み取りを実行し、前記コードを読み取り可能であることが連続した期間にわたって前記設備が作動状態であったと判定する。こうした構成によれば、省エネルギーを実現しつつ、設備が作動状態であった期間を判定することができる。
【0018】
第6の手段では、前記ランプは、前記設備が停止状態であることを点灯により表示し、前記コードリーダは、前記コードを読み取り可能である場合に、前記設備が停止状態であると判定する。
【0019】
上記構成によれば、前記ランプは、前記設備が停止状態であることを点灯により表示する。このため、コードリーダは、コードを読み取り可能である場合に、ランプが点灯していること、すなわち設備が停止状態であると判定することができる。なお、コードリーダは、コードを読み取り不能である場合に、ランプが消灯していること、すなわち設備が停止状態でない(作動状態である)と判定することもできる。
【0020】
第7の手段では、前記コードリーダは、間欠的に前記コードの読み取りを実行し、前記コードを読み取り可能であることが連続した期間にわたって前記設備が停止状態であったと判定する。こうした構成によれば、省エネルギーを実現しつつ、設備が停止状態であった期間を判定することができる。
【0021】
コードがバーコード(1次元コード)である場合は、一般に、バーコードをコードリーダで読み取るためには、バーコードの縦横方向とコードリーダの縦横方向とを合わせる必要がある。一方、コードが2次元コードである場合は、2次元コードをコードリーダで読み取るためには、2次元コードの縦横方向とコードリーダの縦横方向とを合わせる必要はなく、コードリーダがソフトウェア処理することが一般的である。
【0022】
この点、第8の手段では、前記コードは、2次元コードである。このため、ユーザは、ランプに対してコード部材及びコードリーダを設置する際に、2次元コードの縦横方向とコードリーダの縦横方向とを合わせる必要はない。したがって、監視装置をさらに容易に導入することができる。一般に、2次元コードのコードリーダは、複数の2次元コードを一括して(あるいは順次)読み取ることもでき、複数のランプにそれぞれ対応する複数の設備の稼動状態を一括して(あるいは順次)監視することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】監視装置の模式図。
図2】コード部材を示す図。
図3】ハレーションを示す写真。
図4】ランプの点灯時にハレーションを抑制した状態を示す写真。
図5】ランプの消灯時のコード部材及び半透明シートを示す写真。
図6】コードの読み取り可否と判定結果の一例を示す表。
図7】監視装置の変更例におけるコードの読み取り可否と判定結果の一例を示す表。
図8】ランプの変更例を示す部分図。
図9】コード部材の貼り付けの変更例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、工場等に設置された設備を監視する監視装置に具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、監視装置10は、積層信号灯20、コード部材30、半透明シート35、コードリーダ40等を備えている。設備Aは、部品を搬送する搬送装置や、部品を加工する加工装置や、部品を供給する供給装置等である。
【0026】
積層信号灯20は、複数色のランプを適宜点灯させて設備Aの稼動状態を示す表示灯である。積層信号灯20は、設備Aの上部に取り付けられており、離れた位置からでもユーザが視認し易くなっている。積層信号灯20は、円柱形状であり、緑ランプ21、赤ランプ22等を備えている。
【0027】
緑ランプ21及び赤ランプ22は、LEDや白熱電球を光源としており、ユーザの視認性を向上させるために、光量が所定光量よりも大きく設定されている。所定光量は、ユーザが工場内の離れた位置から、緑ランプ21及び赤ランプ22が点灯しているか消灯しているかを視認可能である光量である。
【0028】
緑ランプ21(ランプ)は、緑色に発光し、設備Aが作動状態であることを点灯により表示する。すなわち、緑ランプ21が点灯している場合は、設備Aは作動状態である。赤ランプ22(ランプ)は、赤色に発光し、設備Aが停止状態(所定の稼動状態)であることを点灯により表示する。すなわち、赤ランプ22が点灯している場合は、設備Aは停止状態である。
【0029】
緑ランプ21及び赤ランプ22の一方のみが常に点灯している。したがって、緑ランプ21が消灯している場合は、赤ランプ22が点灯しており、設備Aは停止状態である。赤ランプ22が消灯している場合は、緑ランプ21が点灯しており、設備Aは作動状態である。
【0030】
赤ランプ22の外面22aには、コード部材30が貼り付けられている。コード部材30は、赤ランプ22とコードリーダ40との間にコードリーダ40を向いて配置されている。すなわち、コード部材30は、コードリーダ40により読み取り可能な配置で赤ランプ22に取り付けられている。コード部材30のコードリーダ40側(コード部材30のコード32のコードリーダ40側)は、半透明シート35で覆われている。半透明シート35については後述する。
【0031】
図2に示すように、コード部材30は、透明な材料によりシート状に形成された透明シート31を備えている。透明シート31(透光性の部材)は、可視光を透過する、すなわち緑ランプ21の緑色光及び赤ランプ22の赤色光を透過する。
【0032】
透明シート31の片面に、コード32が黒色で印刷(表示)されている。コード32は、QRコード(登録商標)、DataMatrix、MaxiCode、PDF417、Aztec等の2次元コードである。コード32のドット部分は、可視光を遮断(一部吸収)する、すなわち緑ランプ21の緑色光及び赤ランプ22の赤色光を遮断(一部吸収)する。コード32は、設備Aを識別可能とする識別情報を符号化している。識別情報(情報)は、例えば設備Aの識別番号、設置場所、設備Aの機能(種類)、作動スケジュール、初期設置日付等を含んでいる。
【0033】
コード32は、コードリーダ40がコード32であると認識したり、コード32の位置を検出したりするためのシンボル32a~32cを含んでいる。コード32は、誤り訂正機能を有しており、コード32の一部が欠損しても(判別不能であっても)、欠損率が所定欠損率よりも低ければ、コード32自身で情報を復元することができる。コード32は、周知のコード作成ソフトウェア等により、容易に作成することができる。
【0034】
コードリーダ40は、コード32を読み取って復号する周知のコードリーダである。コードリーダ40がコード32を読み取るためには、コード32のドット部分とドット以外の部分とのコントラスト(以下、「コード32のコントラスト」という)が、所定コントラスト以上であることが必要である。コードリーダ40は、規格に従ったコードの読み取りを実行する。
【0035】
コードリーダ40は、シンボル32a~32cを検出し、ソフトウェア処理することで、コード32の縦横方向を把握する。すなわち、コード32をコードリーダ40で読み取るために、コード32の縦横方向とコードリーダ40の縦横方向とを合わせる必要はない。コードリーダ40は、コード32を読み取る際に、上記シンボル32a~32cを検出できない場合は、コード32を規格に従ったコードであると認識することができず、コード32を読み取ることができない。コードリーダ40は、コード32の欠損率が上記所定欠損率以上である場合は、コード32の上記識別情報を復元することができず、コード32を読み取ることができない。
【0036】
設備A及び積層信号灯20は、照明や、太陽光の間接光により適度に照らされている。コードリーダ40は、コード32を読み取って復号することにより上記識別情報を取得し、識別情報に基づいてコード32(積層信号灯20)と設備Aとが対応していることを把握する。詳しくは、積層信号灯20が何処の(どのような)設備の稼動状態を表示しているかを把握する。
【0037】
上述したように、緑ランプ21及び赤ランプ22は、ユーザの視認性を向上させるために、光量が所定光量よりも大きく設定されている。このため、コード部材30において透明シート31にコード32を表示して、コード部材30の背後で赤ランプ22を点灯させた場合にハレーションが生じて、コードリーダ40がコード32を読み取り不能となることに本願発明者は着目した。
【0038】
図3は、赤ランプ22の点灯時にコード32にハレーションが生じている状態を示す写真である。破線の楕円で示す部分P1においてハレーションが生じており、コードリーダ40はシンボル32aを検出することができない。このため、コードリーダ40は、コード32を規格に従ったコードであると認識することができず、コード32を読み取ることができない。また、シンボル32a~32c以外の部分にハレーションが生じた場合も、ハレーションによりコード32の読み取り不能な部分の比率が上記所定欠損率以上となり、コードリーダ40は、コード32の上記識別情報を復元することができず、コード32を読み取ることができない。
【0039】
そこで、図4に示すように、コード部材30(コード32)の赤ランプ22と反対側を半透明シート35で覆うことにより、ハレーションを抑制する。半透明シート35は、有色(例えば水色)の所定厚さの半透明フィルムにより形成されている。半透明シート35は、可視光(光)の透過率が所定透過率未満であり、透明度が所定透明度未満(不透明度が所定不透明度以上)である。これにより、コードリーダ40は、赤ランプ22の点灯時にコード32を読み取り可能となる。このとき、コード32のコントラストは、上記所定コントラスト以上となる。なお、半透明シート35は、透過する光の一部を吸収及び拡散するシート状の部材であればよく、薄い和紙や、薄い磨りガラス(曇りガラス)等を採用することもできる。
【0040】
図5は、赤ランプ22の消灯時のコード部材30及び半透明シート35を表す写真である。この状態では、コード32のコントラストは、上記所定コントラストよりも低くなる。これにより、コードリーダ40は、赤ランプ22の消灯時にコード32を読み取り不能となる。半透明シート35の色、厚さ、透過率、透明度、及び不透明度は、コードリーダ40が、赤ランプ22の点灯時にコード32を読み取り可能となり、赤ランプ22の消灯時にコード32を読み取り不能となるように設定されている。
【0041】
したがって、コードリーダ40は、コード32を読み取り可能である場合に、赤ランプ22が点灯している、すなわち設備Aが停止状態であると判定する。一方、コードリーダ40は、コード32を読み取り不能である場合に、赤ランプ22が消灯している、すなわち設備Aが作動状態であると判定する。
【0042】
図6は、コード32の読み取り可否と判定結果の一例を示す表である。ここでは、コードリーダ40は、1分間隔で(間欠的に)コード32の読み取りを実行し、設備Aの稼動状態を判定する。この例では、2020年9月4日12:03から12:59まで設備Aが停止しており、その前後において設備Aが作動している。
【0043】
コードリーダ40は、2020年9月4日12:00,12:01,12:02の各時点において、コード32を読み取り不能であるため、設備Aが作動状態であると判定する。さらに、コードリーダ40は、1分間隔でコード32の読み取りを実行し、2020年9月4日12:00から12:02まで、すなわちコード32を読み取り不能であることが連続した期間にわたって、設備Aが作動状態であったと判定する。
【0044】
一方、コードリーダ40は、2020年9月4日12:03,…,12:59の各時点において、コード32を読み取り可能であるため、設備Aが停止状態であると判定する。さらに、コードリーダ40は、1分間隔でコード32の読み取りを実行し、2020年9月4日12:03から12:59まで、すなわちコード32を読み取り可能であることが連続した期間にわたって、設備Aが停止状態であったと判定する。
【0045】
コードリーダ40は、2020年9月4日13:00において、コード32を読み取り不能であるため、設備Aが作動状態であると判定する。
【0046】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0047】
・コード部材30は、コード32のコードリーダ40の側が半透明シート35で覆われている。このため、ハレーションを抑制することができ、コードリーダ40は赤ランプ22の点灯時にコード32を読み取り可能となる。一方、コード32のコントラストが半透明シート35により低下し、コードリーダ40は赤ランプ22の消灯時にコード32を読み取り不能となる。このため、コードリーダ40は、コード32を読み取り可能である場合に、赤ランプ22が点灯していること、すなわち設備Aが停止状態であることを把握することができる。一方、コードリーダ40は、コード32を読み取り不能である場合に、赤ランプ22が消灯していること、すなわち設備Aが停止状態でないことを把握することができる。
【0048】
・コードリーダ40は、赤ランプ22の消灯時にコード32を読み取って復号することにより、設備Aを識別可能とする識別情報を取得することができ、何処の設備Aの稼動状態を表示している赤ランプ22であるかを把握することができる。このため、特許文献1に記載の監視装置と比べて、画像の特徴点を設定する作業、特徴点を検出した場合の論理処理を設定する作業、及び設備とランプとの対応を監視装置に登録する作業を、ユーザが実行する必要がない。したがって、監視装置10を容易に導入することができる。
【0049】
・コードリーダ40は、赤ランプ22の消灯時に、コード32のコントラストがコード32を読み取り可能な所定コントラストよりも半透明シート35により低下させられてコード32を読み取り不能となる。こうした構成によれば、コード32のコントラストの低下を積極的に利用して、コードリーダ40が赤ランプ22の消灯時にコード32を読み取り不能である状態を作ることができる。
【0050】
・コード部材30は、赤ランプ22の外面22aに貼り付けてある。こうした構成によれば、コード部材30を容易に設置することができ、監視装置10をさらに容易に導入することができる。
【0051】
・赤ランプ22は、設備Aが停止状態であることを点灯により表示する。このため、コードリーダ40は、コード32を読み取り可能である場合に、赤ランプ22が点灯していること、すなわち設備Aが停止状態であると判定することができる。また、コードリーダ40は、コード32を読み取り不能である場合に、赤ランプ22が消灯していること、すなわち設備Aが停止状態でない(作動状態である)と判定することもできる。
【0052】
・コードリーダ40が、コード32の読み取りを連続的に実行することは、省エネルギーの観点から望ましくない。一方、コードリーダ40が、コード32の読み取りを一度しか実行しない場合は、読み取りを実行した瞬間の設備Aの稼動状態しか把握することができない。この点、コードリーダ40は、間欠的にコード32の読み取りを実行し、コード32を読み取り可能であることが連続した期間にわたって設備Aが停止状態であったと判定する。こうした構成によれば、省エネルギーを実現しつつ、設備Aが停止状態であった期間を判定することができる。
【0053】
・コードがバーコード(1次元コード)である場合は、一般に、バーコードをコードリーダで読み取るためには、バーコードの縦横方向とコードリーダの縦横方向とを合わせる必要がある。この点、コード32は、2次元コードである。このため、ユーザは、赤ランプ22に対してコード部材30及びコードリーダ40を設置する際に、コード32の縦横方向とコードリーダ40の縦横方向とを合わせる必要はない。したがって、監視装置10をさらに容易に導入することができる。
【0054】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0055】
・コードリーダ40は、コード32の読み取りを連続的に実行することもできる。この場合、設備Aの稼動状態をリアルタイムで監視することができ、設備Aの停止を迅速に把握することができる。
【0056】
・赤ランプ22にコード部材30を貼り付けることに代えて、緑ランプ21にコード部材30を貼り付けてもよい。緑ランプ21は、設備Aが作動状態であることを点灯により表示する。そして、コードリーダ40は、コード32を読み取り可能である場合に、設備Aが作動状態であると判定する。
【0057】
図7は、コード32の読み取り可否と判定結果の一例を示す表である。この例では、上記実施形態と同様に、2020年9月4日12:03から12:59まで設備Aが停止しており、その前後において設備Aが作動している。
【0058】
コードリーダ40は、2020年9月4日12:00,12:01,12:02の各時点において、コード32を読み取り可能であるため、設備Aが作動状態であると判定する。さらに、コードリーダ40は、1分間隔でコード32の読み取りを実行し、2020年9月4日12:00から12:02まで、すなわちコード32を読み取り可能であることが連続した期間にわたって、設備Aが作動状態であったと判定する。
【0059】
一方、コードリーダ40は、2020年9月4日12:03,…,12:59の各時点において、コード32を読み取り不能であるため、設備Aが停止状態であると判定する。さらに、コードリーダ40は、1分間隔でコード32の読み取りを実行し、2020年9月4日12:03から12:59まで、すなわちコード32を読み取り不能であることが連続した期間にわたって、設備Aが停止状態であったと判定する。
【0060】
コードリーダ40は、2020年9月4日13:00において、コード32を読み取り可能であるため、設備Aが作動状態であると判定する。
【0061】
上記構成によれば、コードリーダ40は、コード32を読み取り可能である場合に、緑ランプ21が点灯していること、すなわち設備Aが作動状態であると判定することができる。また、コードリーダ40は、コード32を読み取り不能である場合に、緑ランプ21が消灯していること、すなわち設備Aが作動状態でない(停止状態である)と判定することもできる。
【0062】
さらに、コードリーダ40は、間欠的にコード32の読み取りを実行し、コード32を読み取り可能であることが連続した期間にわたって設備Aが作動状態であったと判定する。こうした構成によれば、省エネルギーを実現しつつ、設備Aが作動状態であった期間を判定することができる。
【0063】
図8に示すように、設備Aが電源ランプ121と終了ランプ122とを備えていてもよい。電源ランプ121は、設備Aの電源が入っている(電力供給されている)ことを点灯により表示する。終了ランプ122は、設備Aの電源が入っていない(電力供給されていない)ことを点灯により表示する。電源ランプ121及び終了ランプ122は、いずれか一方のみが常に点灯している。そして、終了ランプ122にコード部材30を貼り付け、コードリーダ40はコード32を読み取って復号する。こうした構成によっても、上記実施形態に準じた作用効果を奏することができる。
【0064】
図9に示すように、ランプ222を透明な箱50(ケース)で覆い、透明な箱50にコード部材30を貼り付けることもできる。こうした構成によれば、ランプ222にコード部材30を直接貼り付けにくい場合であっても、ランプ222とコードリーダ40との間にコード部材30を配置することができる。
【0065】
・コードリーダ40は、複数の設備を監視することもできる。例えば、設備A~Cにそれぞれ積層信号灯20が取り付けられており、それぞれの赤ランプ22にコード部材30を貼り付ける。各コード部材30の各コード32は、各設備A~Cを識別可能とする識別情報を符号化している。そして、各設備A~Cの各コード32を読み取り可能なように、コードリーダ40を配置する。こうした構成によれば、複数の赤ランプ22にそれぞれ対応する複数のコード32を一括して(あるいは順次)読み取ることもでき、複数の設備A~Cの稼動状態を一括して(あるいは順次)監視することができる。
【0066】
・コードリーダ40は、コード32を読み取る専用機器であってもよいし、コードリーダアプリがインストールされたスマートフォンであってもよいし、カメラとPC(パーソナルコンピュータ)とを組み合わせた装置であってもよい。
【0067】
・コード32として、バーコード(1次元コード)を採用することもできる。この場合であっても、バーコードの縦横方向とコードリーダ40の縦横方向とを合わせることにより、バーコードをコードリーダ40で読み取ることができる。そして、コードリーダ40は、バーコードを読み取り不能であるか読み取り可能であるかに基づいて、設備Aの稼動状態を監視することができる。
【0068】
・積層信号灯20は、2色のランプを備えるものに限らず、3色以上のランプを備えていてもよい。その場合であっても、監視装置10は、各ランプが点灯により表示する設備Aの各稼動状態と、コード32の読み取り可否とに基づいて、設備Aの稼動状態を監視することができる。
【符号の説明】
【0069】
10…監視装置、20…積層信号灯、21…緑ランプ(ランプ)、22…赤ランプ(ランプ)、30…コード部材、31…透明シート(透光性の部材)、32…コード、35…半透明シート、40…コードリーダ、121…電源ランプ(ランプ)、122…終了ランプ(ランプ)、222…ランプ、A…設備。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9