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特開2022-70654ロボット制御システム、性格情報管理サーバ及びロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070654
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ロボット制御システム、性格情報管理サーバ及びロボット
(51)【国際特許分類】
   A63H 11/00 20060101AFI20220506BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A63H11/00 Z
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179829
(22)【出願日】2020-10-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】317005181
【氏名又は名称】有限会社小山直樹一級建築士事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】小山 直樹
【テーマコード(参考)】
2C150
3C707
【Fターム(参考)】
2C150CA01
2C150CA02
2C150DA02
2C150DF04
2C150ED41
3C707AS36
3C707CS08
3C707KS33
3C707KT01
3C707KW01
3C707WA04
3C707WA14
3C707WL14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第1生物と第2生物の遺伝子情報に基づいて生成された両者の子供の性格情報に基づいて感情の表現又は感情を表現する行動を制御するロボットを提供する。
【解決手段】ペット型ロボット1は、第1生物に相当する人間の男性の生物学的試料から得られた遺伝子情報に基づいて生成された男性の性格情報と、第2生物に相当する人間の女性の生物学的試料から得られた遺伝子情報に基づいて生成された女性の性格情報とに基づいて生成された、男性と女性の子供の性格情報を通信機を介して性格情報管理サーバ100から取得し、取得した性格情報に基づいて感情を表現する行動を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
性格情報に基づいて感情を表現するロボットであって、
第1生物の第1遺伝子情報と第2生物の第2遺伝子情報とに基づいて生成された、前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を取得する性格情報取得手段と、
前記性格情報取得手段で取得した性格情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするロボット。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1生物及び前記第2生物は人間であり、
前記子の性格情報は、人間の性格を分類する5つの因子である、経験への開放性、誠実性、外向性、協調性又は神経症傾向を、前記第1遺伝子情報及び前記第2遺伝子情報の前記5つの因子に係る遺伝子領域の情報に基づいて数値化した数値情報を含み、
前記制御手段は、各因子の前記数値情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御するロボット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロボットに使用される性格情報を提供する性格情報提供システムであって、
第1生物の第1遺伝子情報と第2生物の第2遺伝子情報とに基づいて前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を生成する性格情報生成手段と、
端末からの前記性格情報の取得要求に応じて、前記性格情報生成手段で生成した前記性格情報を、要求元の前記端末に送信する性格情報送信手段と、を備えることを特徴とする性格情報提供システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報に基づいて生成された前記第1生物の性格を示す第1性格情報と、前記第2遺伝子情報に基づいて生成された前記第2生物の性格を示す第2性格情報とを合成して前記子の性格情報を生成する性格情報提供システム。
【請求項5】
請求項3において、
前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報と前記第2遺伝子情報とに基づいて生成された前記子の遺伝子情報である第3遺伝子情報に基づいて当該子の性格情報を生成する性格情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性格情報に基づいて自律的に行動するロボット及びこのロボットで使用される性格情報を提供する性格情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットの性格を特定する性格情報に基づいて自律的に行動するロボットとして、例えば、特許文献1に記載のロボットが開示されている。
かかるロボットは、1以上の属性値として、例えば、性格を特定する性格情報、成長度を示す成長度情報、擬似性別を特定する性別情報、擬似生理状態を示す生理情報を備え、これら属性値に基づいて行動を制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-69006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、結婚しても子供に恵まれない夫婦が、自分たちの間に産まれる可能性のある子供の性格をもったロボットが欲しいといったニーズがある。このことは結婚前のカップルも同様である。即ち、産まれてくる可能性のある子供の性格をもった例えばペット型ロボットによって、子供との生活を疑似体験したいということである。また、子供の遺伝子は両親から半分ずつ受け継ぎ、且つ、子供の性格は両親からの遺伝の影響を受けることが知られている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1においては、ロボットの属性値の1つである性格情報について、ロボットの性格を特定する情報であるとの定義はあるが、具体的にどのような内容のもので、どのようにして生成しているのか等の記載が無い。そのため、上記ニーズに応じた性格情報を得ることは極めて困難である。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、第1生物と第2生物の遺伝子情報に基づいて生成された子の性格情報に基づいて感情の表現又は感情を表現する行動を制御するロボット及びこのロボットに使用される子の性格情報を提供する性格情報提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1のロボットは、性格情報に基づいて感情を表現するロボットであって、第1生物の第1遺伝子情報と第2生物の第2遺伝子情報とに基づいて生成された、前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を取得する性格情報取得手段と、前記性格情報取得手段で取得した性格情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御する制御手段と、を備える。
【0008】
このような構成であれば、性格情報取得手段により、第1生物と第2生物との子の性格情報が取得され、制御手段により、取得した性格情報に基づいてロボットの感情を表現する行動又は感情の表現が制御される。
ここで、第1生物及び第2生物は、人間の男性及び女性、人間以外の遺伝子情報を有する生物(例えば犬、猫、植物など)の雄及び雌を含む。以下の請求項3の性格情報提供システムにおいて同様である。
【0009】
また、第1生物及び第2生物の組み合わせとしては、人間の異性同士、人間の同性同士、人間と人間以外の生物の異性同士又は同性同士、人間以外の生物の異性同士又は同性同士を含む。以下の請求項3の性格情報提供システムにおいて同様である。
また、第1生物と第2生物の子とは、遺伝子レベルでの性格の継承が仮に行われた場合の個体を含む。即ち、生物学的に発生し得ない生物同士の組み合わせの子や同性同士の子も含む。以下の請求項3の性格情報提供システムにおいて同様である。
【0010】
〔発明2〕 さらに、発明2のロボットは、発明1のロボットにおいて、前記第1生物及び前記第2生物は人間であり、前記子の性格情報は、人間の性格を分類する5つの因子である、経験への開放性、誠実性、外向性、協調性又は神経症傾向を、前記第1遺伝子情報及び前記第2遺伝子情報の前記5つの因子に係る遺伝子領域の情報に基づいて数値化した数値情報を含み、前記制御手段は、各因子の前記数値情報に基づいて前記表現又は行動を制御する。
【0011】
このような構成であれば、制御手段により、経験への開放性、誠実性、外向性、協調性又は神経症傾向を、第1遺伝子情報及び第2遺伝子情報のこれら因子に係る遺伝子領域の情報に基づいて数値化した数値情報に基づいて、感情の表現又はロボットの行動が制御される。
【0012】
〔発明3〕 一方、上記目的を達成するために、発明3の性格情報提供システムは、発明1又は2に記載のロボットに使用される性格情報を提供する性格情報提供システムであって、第1生物の第1遺伝子情報と第2生物の第2遺伝子情報とに基づいて前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を生成する性格情報生成手段と、端末からの前記性格情報の取得要求に応じて、前記性格情報生成手段で生成した前記性格情報を、要求元の前記端末に送信する性格情報送信手段と、を備える。
【0013】
このような構成であれば、性格情報生成手段により、第1生物と第2生物との子の性格情報が生成され、性格情報送信手段により、端末からの取得要求に応じて、性格情報生成手段によって生成された性格情報が要求元の端末に送信される。
ここで、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。
【0014】
また、端末は、ロボットと、ロボットのユーザの所持するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等のロボット以外の端末とを含む。
〔発明4〕 さらに、発明4の性格情報提供システムは、発明3の性格情報提供システムにおいて、前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報に基づいて生成された前記第1生物の性格を示す第1性格情報と、前記第2遺伝子情報に基づいて生成された前記第2生物の性格を示す第2性格情報とを合成して前記子の性格情報を生成する。
【0015】
このような構成であれば、性格情報生成手段により、第1遺伝子情報に基づいて生成された第1生物の性格を示す第1性格情報と、第2遺伝子情報に基づいて生成された第2生物の性格を示す第2性格情報とを合成して子供の性格情報が生成される。
〔発明5〕 さらに、発明5の性格情報提供システムは、発明3の性格情報提供システムにおいて、前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報と前記第2遺伝子情報とに基づいて生成された前記子の遺伝子情報である第3遺伝子情報に基づいて当該子の性格情報を生成する。
【0016】
このような構成であれば、性格情報生成手段により、第1遺伝子情報と第2遺伝子情報とに基づいて生成された子の遺伝子情報である第3遺伝子情報に基づいてこの子の性格情報が生成される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、発明1のロボットによれば、第1生物及び第2生物の遺伝子情報に基づいて生成された第1生物及び第2生物の性格を受け継いだ子の性格に基づいて、感情を表現する行動又は感情の表現をするロボットを提供することができる。
また、発明2のロボットによれば、人間の性格を分類する因子として公知であるビッグファイブの5つの因子のいずれか1つによって表現された性格情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現をするロボットを提供することができる。
【0018】
また、発明3の性格情報提供システムによれば、第1生物及び第2生物の遺伝子情報に基づいて、第1生物及び第2生物の子の性格情報を生成することができる。加えて、依頼者の使用する端末からの要求に応じて、生成した子の性格情報を要求元の端末に提供することができる。これにより、依頼者は、第1生物及び第2生物の子の性格情報を端末を介して入手することができる。
【0019】
また、発明4の性格情報提供システムによれば、第1生物及び第2生物の遺伝子情報から得られる第1生物の性格及び第2の生物の性格が反映された両者の子の性格情報を生成することができる。
また、発明5の性格情報提供システムによれば、第1生物及び第2生物の遺伝子情報を受け継いだ子の遺伝子情報に基づいてこの子の性格情報を生成することができるので第1生物の性格及び第2生物の性格が遺伝的に反映された性格情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
図2】ペット型ロボット1の外観構成例を示す図である。
図3】ペット型ロボット1の電気的構成例を示すブロック図である。
図4】コントローラ20の機能的構成例を示すブロック図である。
図5】性格/感情/本能モデル部202によるデータ処理を説明するための図である。
図6】性格情報管理サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7】(a)及び(b)は、ハッシュコード管理テーブル400及び性格情報管理テーブル420のデータ構造を示す図である。
図8】第1の実施の形態に係る性格情報生成処理を示すフローチャートである。
図9】性格情報設定処理を示すのフローチャートである。
図10】性格情報提供処理を示すフローチャートである。
図11】第2の実施の形態に係る性格情報生成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1の実施の形態〕
〔構成〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1乃至図10は、第1の実施の形態を示す図である。
図1は、第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
インターネット199には、図1に示すように、ロボットの性格を決定する性格情報を提供するサービスを提供する企業の管理下にある性格情報管理サーバ100と、無線通信の中継局320とが接続されている。加えて、中継局320を介して性格情報管理サーバ100と無線通信可能にペット型ロボット1が接続されている。
【0022】
〔ペット型ロボット1の構成〕
図2は、ペット型ロボット1の外観構成例を示す図であり、図3は、ペット型ロボット1の電気的構成例を示すブロック図であり、図4は、コントローラ20の機能的構成例を示すブロック図である。
ペット型ロボット1(以下、「ロボット1」と略称する場合がある)は、犬型のロボットであり、図1に示すように、胴体部ユニット2と、胴体部ユニット2の前方側下方の左右側部にそれぞれ連結された左前脚部ユニット3FL及び右前脚部ユニット3FRと、胴体部ユニット2の後方側下方の左右側部にそれぞれ連結された左後脚部ユニット3RL及び右後脚部ユニット3RRとを備える。加えて、胴体部ユニット2の前方側上部に連結された頭部ユニット4と、胴体部ユニット2の後方側上部に連結された尻尾部ユニット5とを備える。
【0023】
以下、左前脚部ユニット3FL、右前脚部ユニット3FR、左後脚部ユニット3RL及び右後脚部ユニット3RRは、まとめて取り扱う場合などに「脚部ユニット3FR~3RR」と略称する。
胴体部ユニット2には、図3に示すように、ロボット1全体の制御を行うコントローラ20、ロボット1の動力源となるバッテリ及びこのバッテリを制御するバッテリコントローラを含むバッテリユニット21並びにタッチセンサ22等が収納されている。加えて、胴体部ユニット2の胸部に入力装置23が配設されている。
【0024】
タッチセンサ22は、ロボット1の胴体部の触覚の役割を担うもので、胴体部ユニット2の背中の部分や腹の部分等の複数個所に配設される。タッチセンサ22は、ユーザが胴体部をなでたり、叩いたりしたときの圧力を検出し、検出した圧力信号をコントローラ20に入力する。
【0025】
入力装置23は、ロボット1の性格情報を設定するに際して、ハッシュコードを入力するための装置である。例えば、キーボードやタッチパネルなどから構成される。また、カバー等によって隠せるようになっている。
脚部ユニット3FL~3RRのそれぞれは、図2に示すように、3本のリンク部が連結されて構成されている。
【0026】
各リンク部間の関節部分やリンク部の胴体部ユニット2との連結部分には、図4に示すように、左前脚部、右前脚部、左後脚部及び右後脚部アクチュエータ群として、それぞれアクチュエータ3FLA1~3FLA4、3FRA1~3FRA4、3RLA1~3RLA4及び3RRA1~3RRA4が配設されている。即ち、各脚部ユニットは、4自由度をもって回動するように構成されている。なお、4自由度に限らず、3自由度以下又は5自由度以上に構成してもよい。
【0027】
頭部ユニット4は、図2に示すように、頭部4aと、頭部4aの下端部に連結された首部4bと、頭部4aの左右側部の後端側に連結された左右の耳部4cとを備えている。
頭部ユニット4には、図3に示すように、性格情報管理サーバ100等の外部端末との無線通信を行うための通信機40と、マイク41と、カメラ42と、タッチセンサ43と、スピーカ44とが、それぞれ所定位置に配設されている。
【0028】
通信機40は、無線機本体と、無線通信用のアンテナとを含んで構成される。
マイク41は、ロボット1の耳の役割を担うもので、例えば左右の耳部4cの近傍に配設される。マイク41は、ユーザの声や周囲の環境音等の音声を集音し、得られた音声信号をコントローラ20に入力する。
【0029】
また、カメラ42は、広角のカメラであり、ロボット1の目の役割を果たすもので、ロボットの目の位置に配設される。カメラ42は、周囲の状況を撮像し、得られた撮像信号をコントローラ20に入力する。
また、タッチセンサ43は、ロボット1の頭部の触覚の役割を担うもので、頭部4aの上部近傍に配設される。タッチセンサ43は、ユーザが頭部4aをなでたり、叩いたりしたときの圧力を検出し、検出した圧力信号をコントローラ20に入力する。
【0030】
また、スピーカ44は、ロボット1の発声器官の役割を担うもので、頭部ユニット4の口の部分の近傍に配設される。スピーカ44は、コントローラ20からの音響信号に応じて、吠え声や甘え声などの声を出力する。
さらに、頭部ユニット4の頭部4aと首部4bとの連結部分、首部4bと胴体部ユニット2との連結部分及び左右の耳部4cと頭部4aとの連結部分には、図4に示すように、頭部アクチュエータ群として、アクチュエータ4A1~4A4が配設されている。即ち、頭部ユニット4は、頭部4aが2自由度をもって回動するとともに、左右の耳部4cがそれぞれ独立して回動するように構成されている。なお、頭部4aは、2自由度に限らず、3自由度以上に構成してもよい。
【0031】
尻尾部ユニット5は、図2に示すように、2本のリンク部を連結して構成されている。
尻尾部ユニット5の2本のリンク部間の関節部分及び胴体部ユニット2との連結部分には、図4に示すように、尻尾部アクチュエータ群として、アクチュエータ5A1~5A3が配設されている。具体的に、先端側のリンク部を1自由度で回動するアクチュエータと、根本側のリンク部を2自由度で(上下方向と左右方向に)回動するアクチュエータとが配設されている。即ち、尻尾部ユニット5のリンク部に自由度を設けることで、犬が尻尾を振る行動を実現する。
【0032】
ここで、図5は、性格/感情/本能モデル部202によるデータ処理を説明するための図である。
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、各種バス等を内蔵しており、CPUにおいて、メモリに記憶された制御プログラムが実行されることにより、各種の処理を行う。
【0033】
即ち、コントローラ20は、マイク41、カメラ42並びにタッチセンサ22及び43から与えられる音声信号、画像信号及び圧力検出信号に基づいて、ユーザからの音声による命令や呼びかけ、周囲の状況、なでる、叩くなどのユーザの接触等の状態を認識する。
コントローラ20は、これら認識結果に基づいて、ロボット1の行動を制御すべく、各種アクチュエータの駆動を制御する。このとき、ロボット1の行動内容は、ロボット1に与えられた性格、感情及び本能に基づいて決定される。
【0034】
具体的に、コントローラ20は、図4に示すように、センサ入力処理部201と、性格/感情/本能モデル部202と、行動決定部203と、行動制御部204と、音響処理部205とを備えている。
センサ入力処理部201は、各種センサ22,41~43からの入力に基づいてロボット1の状態を認識し、認識結果を示す情報を性格/感情/本能モデル部202と、行動決定部203とに入力する。
【0035】
性格/感情/本能モデル部202は、図5に示すように、性格モデル220と、感情モデル222と、本能モデル224とを含んで構成される。
性格モデル220は、ロボット1の性格を決定するものであり、ビッグファイブと呼ばれる、人の性格を分類する5つの因子(要素)をスコア化して形成されるモデルである。ここで、5つの因子は、「経験への開放性(以下、単に「開放性」と称す)」、「誠実性」、「外向性」、「協調性(又は調和性)」及び「神経症傾向(又は情緒安定性)」である。第1の実施の形態において、このモデルは、通信機40を介して、性格情報管理サーバ100から受信した性格情報に基づいて構成される。また、性格モデル220は、感情モデル222及び本能モデル224の各状態量を設定された性格に基づいて変化させるための係数情報を有し、この係数情報を感情モデル222及び本能モデル224にそれぞれ入力する。また、性格モデル220は、各因子に対応する数値情報(以下、「性格状態情報」と称す)を行動決定部203に入力する。
【0036】
感情モデル222は、ロボット1の感情を決定するものであり、例えば、「うれしさ」、「悲しさ」、「怒り」、「楽しさ」等の複数の感情ユニットを含んで構成される。各感情ユニットには、各感情の状態量(度合い)が設定されている。感情の状態量は、例えば、1~100の数値で表され、センサ入力処理部201からの状態認識情報、性格モデル220からの係数情報、時間経過等に基づいて、その値を変化させる。なお、各感情の状態量は、係数情報に基づいてその変化量が制御される。そして、変化後の各感情の状態量の情報(以下、「感情状態情報」と称す)は、行動決定部203に入力される。
【0037】
例えば、「神経症傾向」のスコアが所定値以上のときに、「うれしさ」や「楽しさ」の状態量が上がりにくくなるような係数補正がかかり、「悲しさ」の状態量が上がりやすい係数補正がかかるようにしている。また、例えば、「開放性」や「外向性」のスコアが所定値以上のときに、「うれしさ」や「楽しさ」の状態量が上がりやすくなるような係数補正がかかり、「悲しさ」の状態量が上がりにくくなるような係数補正がかかるようにしている。
【0038】
本能モデル224は、ロボット1の本能を決定するものであり、例えば、「食欲」、「睡眠欲」、「運動欲」等の複数の本能ユニットを含んで構成される。各本能ユニットには、各本能の状態量(度合い)が設定されている。本能の状態量は、例えば、1~100の数値で表され、センサ入力処理部201からの状態認識情報、性格モデル220からの係数情報、時間経過等に基づいて、その値を変化させる。なお、各本能の状態量は、係数情報に基づいてその変化量が制御される。そして、変化後の各本能の状態量の情報(以下、「本能状態情報」と称す)は、行動決定部203に入力される。
【0039】
例えば、神経症傾向のスコアが所定値以上のときに、「食欲」や「運動欲」の状態量が上がりにくくなるような係数補正がかかる。また、例えば、「開放性」や「外向性」のスコアが所定値以上のときに、「運動欲」の状態量が上がりやすくなるような係数補正がかかるようにしている。
【0040】
性格モデル220は、例えば、5つの因子の1つである「外向性」のスコアが高い場合に、「外向性」は「明るさ」などに関わってくる性格の因子であるため、例えば、「うれしさ」、「楽しさ」などの感情の状態量が上がりやすくなる係数情報を感情モデル222に入力する。また、例えば、5つの因子の1つである「神経症傾向」のスコアが高い場合に、「神経症傾向」は「不安」などに関わってくる性格であるため、例えば、「食欲」などの本能の状態量が上がり難くなる係数情報を本能モデル224に入力する。
【0041】
図4に戻って、行動決定部203は、センサ入力処理部201からの状態認識情報、性格/感情/本能モデル部202からの性格状態情報、感情状態情報、本能状態情報、時間経過等に基づいて、ロボット1の次の行動を決定する。そして、決定された行動の内容を、行動指令情報として、行動制御部204及び音響処理部205にそれぞれ入力する。
【0042】
例えば、状態認識情報から「新規の物体」が認識され、感情状態情報、本能状態情報及び性格状態情報から、「楽しさ」の状態量が所定閾値以上で、「運動欲」の状態量が所定閾値以上で、「開放性」のスコアが所定閾値以上のときに、「開放性」は「好奇心」の性格に関わってくるので「新規物体に向かって走る」といった行動を決定する。
【0043】
また、例えば、状態認識情報から「新規の物体」が認識され、感情状態情報、本能状態情報及び性格状態情報から、「楽しさ」の状態量が所定閾値以上で、「運動欲」の状態量が所定閾値以上で、「誠実性」のスコアが所定閾値以上のときに、「誠実性」は「慎重」な性格に関わってくるので、「新規物体に向かってゆっくり歩く」といった行動を決定する。また、例えば、「怒り」の状態量が所定閾値以上の場合は、近づかずにその場で新規物体に向かって吠えるといった行動を決定する。
【0044】
行動制御部204は、行動決定部203から入力された行動指令情報に基づいて、各種アクチュエータ群を制御して、ロボット1に行動決定部203で決定した、性格、感情及び本能に応じた行動をさせる。
音響処理部205は、行動決定部203から入力された行動指令情報に基づいて、性格、感情及び本能に応じた音声データを音声データベース(不図示)から取得して、取得した音声データに基づいて、スピーカ44から音声(例えば吠え声)を出力する。
【0045】
この音声についても、現在のロボット1の性格、感情及び本能に応じた音声を出力するようになっている。例えば、「楽しさ」の状態量が所定閾値以上で、「運動欲」の状態量が所定閾値以上で、「外向性」のスコアが所定閾値以上の場合は、「キャン!キャン!」といった楽しさを表現する音声を出力し、また、「悲しさ」の状態量が所定閾値以上で、「運動欲」の状態量が所定閾値未満で、「神経症傾向」のスコアが所定閾値以上の場合は、「クーン」といった悲しさを表現する音声を出力する。
【0046】
〔性格情報管理サーバ100の構成〕
次に、性格情報管理サーバ100のハードウェア構成を説明する。
図6は、性格情報管理サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。
性格情報管理サーバ100は、図6に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(interface)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。なお、I/F38には、ネットワークアダプタの機能も含まれている。
【0047】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置50と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置52と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置54と、インターネット199に接続するための信号線(図示略)とが接続されている。
【0048】
次に、記憶装置52に記憶されている各種管理テーブルについて説明する。
図7(a)及び(b)は、ハッシュコード管理テーブル400及び性格情報管理テーブル420のデータ構造を示す図である。
記憶装置52は、図7(a)及び(b)に示すハッシュコード管理テーブル400及び性格情報管理テーブル420を記憶している。
【0049】
ハッシュコード管理テーブル400は、図7(a)に示すように、依頼者IDごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、依頼者を識別するための依頼者IDを登録するフィールド402と、ハッシュコードを登録するフィールド404とを含んで構成されている。図7(a)の例では、第1行目のレコードには、依頼者IDとして「0001」が、ハッシュコードとして「abcde01」が登録されている。
【0050】
性格情報管理テーブル420には、図7(b)に示すように、ハッシュコードごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、ハッシュコードを登録するフィールド422と、性格情報を登録するフィールド424とを含んで構成されている。図7(b)の例では、第1行目のレコードには、ハッシュコードとして「abcde01」が、性格情報として「開放性(10)、誠実性(20)、外向性(10)、協調性(20)、神経症傾向(50)」が登録されている。なお、括弧内の数値が各因子のスコアを示す。
【0051】
ここで、第1の実施の形態では、人間の男性の第1遺伝子情報と人間の女性の第2遺伝子情報とに基づいて生成された男性と女性の子供の性格情報が登録されている。この性格情報は、上記5つの因子のそれぞれを遺伝子情報に基づいてスコア化した男女の性格情報に基づいて生成されている。そして、第1の実施の形態に係るロボット1は、性格情報管理サーバ100から提供される子供の性格情報に基づいて性格、感情及び本能を表現する行動をするように制御される。
【0052】
なお、上記5つの因子のうちの「開放性」は、知的、美的、文化的に新しい経験に開放的な傾向を示し、好奇心、審美眼、アイデアなどの特徴的な要素を有している。また、「誠実性」は、責任感があり勤勉で真面目な傾向を示し、自己規律、良心、慎重などの特徴的な要素を有している。また、「外向性」は、興味関心が外界に向けられる傾向を示し、積極性、社交性、明るさなどの特徴的な要素を有している。また、「協調性」は、バランスを取り協調的な行動を取る傾向を示し、思いやり、優しさ、献身的などの特徴的な要素を有している。また、「神経症傾向」は、落ち込みやすいなど感情面・情緒面で不安定な傾向を示し、ストレス、不安、衝動的などの特徴的な要素を有している。
【0053】
また、性格は、後天的なものだけではなく、遺伝子も影響していることが解明されつつある。遺伝子が性格に影響しうるのは、性格に関係がある神経伝達物質の分泌や伝達、そして受容に、遺伝子が影響を与えているからだと言われている。例えばドーパミンという脳内の神経伝達物質は、好奇心を含め、様々な物事への意欲を司っている。
【0054】
米国のカリフォルニア大学によると、「rs6754640」というSNP(一塩基多型:single nucleotide polymorphism)において「A」の遺伝子型を持っているほど、「開放性」の因子に係る好奇心が弱くなるということが解明されている。なお、「rs6754640」というSNPにはAA,AG,GGの遺伝子型がある([令和2年10月19日検索]、インターネット、<URL:https://mycode.jp/fumfum/novelty-seeking>を参照)。
【0055】
また、1996年にアメリカとイスラエルの研究者が発表した研究報告によれば、ドーパミンを受け取る受容体をつくる「D4DR遺伝子」の個人差が性格に関与しており、この遺伝子の配列の繰り返しが長いほど好奇心が強いとされている。このことは、[令和2年10月19日検索]、インターネット、<URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20150509-00045532/>を参照、または「図解入門 よくわかる最新血液型の基本としくみ 著者:松尾友香」のP150-151を参照。
【0056】
また、日本における同様の研究により(岐阜大学における研究)、柴犬においても同様の傾向が発見されたとの研究報告が発表されている。このことは、[令和2年10月19日検索]、インターネット、<URL:https://news.nissyoku.co.jp/hyakusai/hgs-83-0008>を参照。
【0057】
また、米国ボストン大学の研究グループによる研究の結果、「rs2701448」というSNPが「A」であると、「協調性」が高い傾向があると解った。さらに、このSNPの遺伝子型を見た場合、「A」の数が1つよりも2つである方が、より協調性が高い傾向があることが解った。なお、「rs2701448」というSNPにはAA,AG,GGの遺伝子型がある。このことは、[令和2年10月19日検索]、インターネット、<https://mycode.jp/fumfum/agreeableness?int=fum_set>を参照。
【0058】
また、オランダのアムステルダム自由大学のムーア准教授らは、大規模な遺伝情報を用いたGWAS(Genome-Wide Association Study)研究の結果、「誠実性」と脳において発現する「KATNAL2」という遺伝子領域の「rs2576037」というSNPが関連していることが明らかにされた。具体的に、「rs2576037」というSNPにはTT,TC,CCの遺伝子型があり、「T」の数が多いほど誠実性が低くなる傾向があることが明らかにされた。このことは、[令和2年10月19日検索]、インターネット、<URL:https://mycode.jp/fumfum/conscientiousness>を参照。
【0059】
また、アメリカ国立衛生研究所の研究グループによる研究の結果、RORA遺伝子に位置する「rs12912233」というSNPに「T」を持っているほど、「神経症傾向」の因子に係る「気分の落ち込み」に関して気分が比較的落ち込みやすい傾向があると解った。なお、「rs12912233」にはTT,TC,CCの遺伝子型がある。このことは、[令和2年10月19日検索]、インターネット、<URL:https://mycode.jp/fumfum/trait-depression?int=fum_set>を参照。
【0060】
即ち、第1の実施の形態において、男性と女性の性格情報は、各因子と関わりのある遺伝子領域の情報に基づいて、各因子を例えば1~50の数値範囲でスコア化することで生成される。
〔動作〕
次に、第1の実施の形態の動作を説明する。
図8は、第1の実施の形態に係る性格情報生成処理を示すフローチャートである。
【0061】
CPU30は、MPU(Micro-Processing Unit)等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図8のフローチャートに示す性格情報生成処理を実行する。
性格情報生成処理は、性格情報管理サーバ100のCPU30において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS100に移行する。なお、性格情報生成処理は、性格情報の生成依頼を受けてから必要な事前準備が完了した後に実行される処理である。
【0062】
ステップS100では、男性の遺伝子情報を解析して、ステップS102に移行する。
ここで、遺伝子情報の解析処理を実行するにあたって、事前に男性の生物学的試料(毛髪、爪、体液(血液、唾液、尿など)、組織、細胞試料、器官、生検等を含む)を取得しておく。加えて、取得した試料から男性の遺伝子情報を抽出しておく。また、解析処理には、上記5つの因子にそれぞれ関わる遺伝子領域の情報を抽出する処理などを含む。
【0063】
ステップS102では、ステップS100の解析結果に基づいて男性の性格情報を生成する。その後、ステップS104に移行する。ここで、性格情報は、各因子の強弱や高低等に係る遺伝子領域の特定の遺伝子型の数などに基づいて、各因子の強弱や高低に応じたスコアを設定することで生成する。なお、性格情報のデータ構造は、性格情報管理テーブル400に登録されている子供の性格情報と同じ構造となる。
【0064】
ステップS104では、女性の遺伝子情報を解析して、ステップS106に移行する。
ここで、遺伝子情報の解析処理を実行するにあたって、男性のときと同様に、事前に女性の生物学的試料を取得しておくとともに、取得した試料から女性の遺伝子情報を抽出しておく。
【0065】
ステップS106では、男性のときと同様に、ステップS104の解析結果に基づいて女性の性格情報を生成する。その後、ステップS108に移行する。
ステップS108では、男性の性格情報と女性の性格情報とに基づいて、両者の子供の性格情報を生成する。その後、ステップS110に移行する。
【0066】
ここで、子供の性格情報は、男性の性格情報と女性の性格情報との因子ごとのスコアの平均値から構成することができる。なお、子供の性格情報は、男女の因子ごとのスコアの平均値から生成するに限らず、例えば、加重平均(男女にそれぞれ重み付けを設定した重み付き平均)など他の算出方法を用いて生成してもよい。また、両親の遺伝子は半分ずつ受け継ぐことから、例えば、男性の性格情報を構成する各因子のスコアのうちランダムな2つ又は3つの因子のスコアと、女性の性格情報を構成する各因子のスコアのうち他の3つ又は2つの因子のスコアとを組合わせて生成するなど他の生成方法を用いてもよい。
【0067】
ステップS110では、ステップS108で生成した性格情報に基づいてハッシュコードを生成し、生成したハッシュコードを、依頼者IDと対応付けてハッシュコード管理テーブル400に登録する。その後、ステップS112に移行する。ここで、ハッシュコードは、依頼者から依頼された子供の性格情報のデータの整合性を確認するために生成されるコードである。ハッシュコードの生成アルゴリズムとしては、例えば、SHA512、SHA384、SHA256、SHA224、SHA1、MD5などのハッシュアルゴリズムを用いることができる。
【0068】
ステップS112では、ステップS110で生成したハッシュコードと対応付けて、ステップS108で生成した子供の性格情報を、性格情報管理テーブル420に登録する。その後、ステップS114に移行する。
ステップS114では、ステップS110で生成したハッシュコードを、子供の性格情報の生成を依頼した依頼者に送信する。例えば、依頼者である男性又は女性のメールアドレス宛にハッシュコードを送信する。
【0069】
図9は、性格情報設定処理を示すフローチャートであり、図10は、性格情報提供処理を示すフローチャートである。
性格情報設定処理は、ロボット1のコントローラ20のCPUにおいて実行されると、図9に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、入力装置23を介してハッシュコードが入力されると、ステップS302に移行する。
【0070】
ステップS302では、性格情報の提供要求とともに入力されたハッシュコードを、性格情報管理サーバ100に送信する。その後、ステップS304に移行する。
一方、性格情報提供処理は、性格情報管理サーバ100のCPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0071】
ステップS200では、ロボット1からのハッシュコードを含む提供要求を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合(YES)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、判定処理を繰り返す。ここでは、ロボット1からの提供要求を受信したとする。
【0072】
ステップS202に移行した場合は、受信した提供要求に含まれるハッシュコードを取得して、ステップS204に移行する。
ステップS204では、取得したハッシュコードが、ハッシュコード管理テーブル400に登録されているか否かを判定し、登録されていると判定した場合(YES)は、ステップS206に移行し、そうでないと判定した場合(NO)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。ここでは、取得したハッシュコードが登録されているとする。
【0073】
ステップS206に移行した場合は、性格情報管理テーブル420から、ステップS202で取得したハッシュコードに対応する性格情報を検索する。その後、ステップS208に移行する。ここでは、取得したハッシュコードに対応する性格情報が索出されたとして、この性格情報からハッシュコードを生成し、このハッシュコードと取得したハッシュコードとが一致しているか否かを判定する。ここでは、性格情報から生成したハッシュコードが取得したハッシュコードと一致していたとする。
【0074】
ステップS208では、ステップS206で索出した性格情報を、要求元のロボット1に送信して、一連の処理を終了する。
また、ロボット1のCPUは、図9に示すように、ステップS304にて、性格情報管理サーバ100からの性格情報を受信して、ステップS306に移行する。
【0075】
ステップS306では、ステップS304で受信した性格情報を性格モデル220に設定して、一連の処理を終了する。
これにより、ロボット1の性格モデル220には、依頼者である男性及び女性の子供の性格情報が設定され、ロボット1は、設定された性格情報に基づく性格を反映した感情を表現する行動をするように制御される。
【0076】
例えば、性格モデル220に設定された性格情報が、開放性(50)、誠実性(10)、外向性(40)、協調性(30)及び神経症傾向(10)となっているとする。なお、これらスコアは50が最大値であり、例えば、閾値20、30、40との比較によって、低い、普通、高いの3段階に分れているとする。また、「うれしさ」の状態量が所定閾値以上でかつ「運動欲」の状態量が所定閾値以上になっているとする。ロボット1にことのきの感情を表現する行動をさせる場合、「外向性」のスコアが40であり比較的高いことから、明るさや積極性が高いと判定し、ロボット1は、例えば、ユーザの足元をかけまわって「キャン!キャン!」吠えるといった行動を行うように制御される。
【0077】
一方、例えば、性格モデル220に設定された性格情報が、開放性(10)、誠実性(20)、外向性(10)、協調性(20)及び神経症傾向(50)となっているとする。また、「悲しさ」の状態量が所定閾値以上でかつ「運動欲」の状態量が所定閾値未満になっているとする。ロボット1にことのきの感情を表現する行動をさせる場合、「神経症傾向」のスコアが50であり最大値であることから、ストレスや不安が大きいと判定し、ロボット1は、例えば、お座りの姿勢で頭を下げて「クーン」と鳴くといった行動を行うように制御される。また、ユーザの呼びかけに対して尻尾部ユニット5を股下に挟んで「震える」といった行動を行うように制御してもよい。
【0078】
〔第1の実施の形態の効果〕
次に、第1の実施の形態の効果を説明する。
第1の実施の形態では、ロボット1は、性格情報管理サーバ100から、人間の男性の生物学的試料から得られた第1遺伝子情報と人間の女性の生物学的試料から得られた第2遺伝子情報とに基づいて生成された、男性と女性との子供の性格を示す性格情報を取得し、取得した性格情報を性格モデル220に設定するようにした。そして、設定された性格情報に基づいて、感情を表現する行動を制御するようにした。
【0079】
このような構成であれば、男性と女性の性格を受け継いだ子供の性格を有するロボットを提供することができる。
さらに、第1の実施の形態では、ロボット1は、ビッグファイブと呼ばれる上記5つの因子をスコア化した情報を含む性格情報を性格モデル220に設定するようにした。
【0080】
このような構成であれば、5つの因子によって表現された性格情報に基づいて感情を表現する行動を行うロボットを提供することができる。
さらに、第1の実施の形態では、性格情報管理サーバ100において、依頼者から提供された男性と女性の生物学的試料から得られた遺伝子情報に基づいて、男性の性格情報及び女性の性格情報を生成し、生成した性格情報に基づいて男性と女性の子供の性格情報を生成するようにした。さらに、生成した子供の性格情報に基づいてハッシュコードを生成し、生成したハッシュコードを依頼者IDと対応付けてハッシュコード管理テーブル400に登録するとともに、このハッシュコードに対応付けて子供の性格情報を性格情報管理テーブル420に登録するようにした。なおさらに、ロボット1からのハッシュコードを含む提供要求に応じて、受信したハッシュコードに対応する性格情報を性格情報管理テーブル420から索出し、索出した性格情報を、ハッシュコードによって整合性を確認した後に要求元のロボット1に送信するようにした。
【0081】
このような構成であれば、依頼者からの依頼に応じて、男性及び女性の性格を受け継いだ子供の性格情報を生成することができる。加えて、依頼者の使用するロボット1からのハッシュコードを含む提供要求に応じて、要求元のロボット1に、ハッシュコードによって整合性のとれた子供の性格情報を提供することができる。
【0082】
〔対応関係〕
第1の実施の形態において、人間の男性が、発明1乃至4の第1生物に対応し、人間の女性が、発明1乃至4の第2生物に対応し、ペット型ロボット1が、発明1乃至3のロボットに対応し、ステップS302~S304が、発明1の性格情報取得手段に対応し、行動制御部204が、発明1及び2の制御手段に対応している。
【0083】
また、第1の実施の形態において、ステップS100~S108が、発明3及び4の性格情報生成手段に対応し、ステップS200~S208が、発明3の性格情報送信手段に対応している。
また、第1の実施の形態において、男性及び女性の遺伝子情報が、発明1乃至4の第1遺伝子情報及び第2遺伝子情報に対応し、男性及び女性の性格情報が、発明4の第1性格情報及び第2性格情報に対応している。
【0084】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図11は、第2の実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
第2の実施の形態は、性格情報管理サーバ100において、性格情報の生成処理の内容が上記第1の実施の形態と異なる。他の構成については、ペット型ロボット1の構成も含めて上記第1の実施の形態と同様となる。
【0085】
〔動作〕
図11は、第2の実施の形態に係る性格情報生成処理を示すフローチャートである。
第2の実施の形態に係る性格情報生成処理は、性格情報管理サーバ100のCPU30において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS400に移行する。なお、性格情報生成処理は、性格情報の生成依頼を受けてから必要な事前準備が完了した後に実行される処理である。
【0086】
ステップS400では、男性の遺伝子情報を解析して、ステップS402に移行する。
ここで、解析処理には、男性の遺伝子情報から、ビッグファイブの5つの因子にそれぞれ関わる遺伝子領域を含む遺伝子の情報を抽出する処理を含む。即ち、男性の遺伝子情報から子供に受け継がせたい遺伝子領域の情報(以下、「遺伝領域情報」と称す)を抽出する処理を含んでいる。
【0087】
ステップS402では、女性の遺伝子情報を解析して、ステップS404に移行する。ここで、女性の場合も、男性のときと同様の解析処理を行って、子供に受け継がせたい遺伝領域情報を抽出する。
ステップS404では、男性の遺伝領域情報と女性の遺伝領域情報とに基づいて、男性と女性の子供の遺伝子情報を生成する。その後、ステップS406に移行する。
【0088】
ここで、子供の遺伝子情報は、両親から半々で受け継ぐことから、例えば、男性と女性の遺伝領域情報を単純にランダムで半分ずつ組み合わせることで子供の遺伝子情報を生成することができる。また、より厳密に生成する場合は、性別や血液型の遺伝法則等も含めて、実際の遺伝の法則に従って男性と女性の遺伝領域情報から子供の遺伝子情報を生成してもよい。
【0089】
ステップS406では、ステップS404で生成した子供の遺伝子情報に基づいて、子供の性格情報を生成する。その後、ステップS408に移行する。
ここで、子供の性格情報は、子供の遺伝子情報から、ビッグファイブの5つの因子に関係する遺伝領域情報を抽出し、抽出した遺伝領域情報に基づいて、各因子をスコア化することで生成する。
【0090】
ステップS408では、ステップS406で生成した性格情報に基づいてハッシュコードを生成し、生成したハッシュコードを、依頼者IDと対応付けてハッシュコード管理テーブル400に登録する。その後、ステップS410に移行する。
ステップS410では、ステップS408で生成したハッシュコードと対応付けて、ステップS406で生成した子供の性格情報を、性格情報管理テーブル420に登録する。その後、ステップS412に移行する。
【0091】
ステップS412では、ステップS408で生成したハッシュコードを、子供の性格情報の生成を依頼した依頼者に送信して、一連の処理を終了する。例えば、依頼者である男性又は女性のメールアドレス宛にハッシュコードを送信する。
〔第2の実施の形態の効果〕
次に、第2の実施の形態の効果を説明する。
【0092】
第2の実施の形態では、性格情報管理サーバ100において、依頼者から提供された男性と女性の生物学的試料から得られた男性の遺伝子情報及び女性の遺伝子情報に基づいて、男性と女性の子供の遺伝子情報を生成し、生成した子供の遺伝子情報に基づいてこの子供の性格情報を生成するようにした。さらに、ハッシュコードを生成し、生成したハッシュコードを依頼者IDと対応付けてハッシュコード管理テーブル400に登録するとともに、ハッシュコードに対応付けて子供の性格情報を性格情報管理テーブル420に登録するようにした。なおさらに、ロボット1からのハッシュコードを含む提供要求に応じて、ハッシュコードに対応する性格情報を性格情報管理テーブル420から索出し、索出した性格情報を、ハッシュコードによって整合性を確認した後に要求元のロボット1に送信するようにした。
【0093】
このような構成であれば、依頼者からの依頼に応じて、男性及び女性の遺伝子情報を受け継いだ子供の遺伝子情報に基づいて子供の性格情報を生成することができるので両親の性格の少なくとも一部が遺伝的に反映された性格情報を生成することができる。加えて、依頼者の使用するロボット1からのハッシュコードを含む提供要求に応じて、要求元のロボット1に、ハッシュコードによって整合性の確認された子供の性格情報を提供することができる。
【0094】
〔対応関係〕
第2の実施の形態において、ステップS400~S406が、発明5の性格情報生成手段に対応し、子供の遺伝子情報が、発明5の第3遺伝子情報に対応している。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態では、犬のペット型ロボットに本発明を適用する例を説明したが、この構成に限らず、猫や熊などの他の動物のペット型ロボットに本発明を適用してもよい。また、ペット型ロボットに限らず、人型のロボット等の他の型のロボットに本発明を適用してもよい。
【0095】
また、上記実施の形態及びその変形例では、ペット型ロボットに設定した性格情報が変化しない構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、ロボットに学習機能を搭載し、ユーザとの生活環境等に基づいて学習を行い、この学習によって性格情報を変化させる構成としてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態及びその変形例では、ロボットが歩行等の移動を伴う行動をする構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。本発明は、例えば、行動をせずに、音声やランプの点滅等によって感情を表現するロボット、または、歩行等の移動を伴う行動をせずに音声、ランプの点滅、耳、口、尻尾等の一部の部分の動作によって感情を表現する構成のロボットなど他の構成のロボットに適用してもよい。または、表示装置に、コンピュータグラフィックス等によって構成されたペットや子供の顔を表示し、コンピュータグラフィックスによる表情の変化やスピーカからの音声出力によって感情を表現する構成のロボットに適用する構成としてもよい。その際、表示装置をタッチパネルで構成し、ユーザのタッチ入力に反応して表情を変化又は音声を変化する構成としてもよい。なお、感情の表現については、例えば、CPUにて実行されるプログラムによって構成された制御手段が性格情報(例えば、性格モデル220)に基づいて感情の表現を制御することで行われる。
【0097】
また、上記実施の形態及びその変形例では、性格情報管理サーバ100は、インターネット199及び中継局320を介して、ペット型ロボット1に対して直接、性格情報を送信する構成としたが、この構成に限らない。例えば、スマートフォンなどの他の端末を介してペット型ロボット1に性格情報を送信する構成としてもよいし、ペット型ロボット1にメモリを挿抜できるインターフェースを設け、他の端末で受信した性格情報を、例えばUSBメモリ等のメモリを介してペット型ロボット1に入力する構成としてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態及びその変形例において、2台のロボットの性格情報に基づいてこれら2台のロボットの子の性格情報を生成し、この生成した性格情報を有するロボットを構成してもよい。例えば、性格情報が設定されたロボットA及びBと、性格情報の設定されていないロボットCとの間で無線通信を行って、ロボットCがロボットA及びBからそれぞれの性格情報を取得する。そして、ロボットCは、ロボットA及びBの性格情報からこれらの子の性格情報を生成し、生成した性格情報を自身に設定する。なお、無線通信によって性格情報を取得する構成に限らず、USBメモリなどの記憶媒体を介して性格情報を取得する構成としたり、スマートフォンを介して取得したりするなど他の構成としてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態及びその変形例においては、ネットワークシステムとして実現したが、これに限らず、単一の装置又はアプリケーションとして実現することもできる。
また、上記実施の形態及びその変形例においては、インターネット199からなるネットワークシステムに適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、インターネット199と同一方式により通信を行ういわゆるイントラネットに適用してもよい。もちろん、インターネット199と同一方式により通信を行うネットワークに限らず、任意の通信方式のネットワークに適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1…ペット型ロボット、 2…胴体部ユニット、 3FL…左前脚部ユニット、 3FR…右前脚部ユニット、 3RL…左後脚部ユニット、 3RR…右後脚部ユニット、 3FLA1~3FLA4…左前脚部アクチュエータ群、 3FRA1~3FRA4…右前脚部アクチュエータ群、 3RLA1~3RLA4…左後脚部アクチュエータ群、 3RRA1~3RRA4…右後脚部アクチュエータ群、 4…頭部ユニット、 4A1~4A4…頭部アクチュエータ群、 5…尻尾部ユニット、 5A1~5A3…尻尾部アクチュエータ群、 20…コントローラ、 21…バッテリユニット、 22,43…タッチセンサ、 23,50…入力装置、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 39…バス、 40…通信機、 41…マイク、 42…カメラ、 44…スピーカ、 52…記憶装置、 54…表示装置、 100…性格情報管理サーバ、 199…インターネット、 201…センサ入力処理部、 202…性格/感情/本能モデル部、 203…行動決定部、 204…行動制御部、 205…音響処理部、 220…性格モデル、 222…感情モデル、 224…本能モデル、 320…中継局、 400…ハッシュコード管理テーブル、 420…性格情報管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットと、当該ロボットで使用される性格情報を提供する性格情報管理サーバとを通信可能に接続し、
前記性格情報管理サーバは、
第1生物の生物学的試料から得られた第1遺伝子情報及び前記第1生物とは異なる第2生物の生物学的試料から得られた第2遺伝子情報を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に基づいて、前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を生成する性格情報生成手段と、
前記性格情報生成手段で生成した前記性格情報を提供する性格情報提供手段と、を備え、
前記ロボットは、
前記性格情報管理サーバから提供された前記性格情報を取得する性格情報取得手段と、
前記性格情報取得手段で取得した性格情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするロボット制御システム。
【請求項2】
請求項において、
前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報の解析結果に基づいて前記第1生物の性格を示す第1性格情報を生成し、前記第2遺伝子情報の解析結果に基づいて前記第2生物の性格を示す第2性格情報を生成し、生成した前記第1性格情報と前記第2性格情報とを合成して前記子の性格情報を生成するロボット制御システム。
【請求項3】
請求項において、
前記性格情報生成手段は、前記第1遺伝子情報の解析結果及び前記第2遺伝子情報の解析結果に基づいて前記子の遺伝子情報である第3遺伝子情報を生成し、当該第3遺伝子情報に基づいて当該子の性格情報を生成するロボット制御システム。
【請求項4】
請求項1記載のロボット制御システムにおける前記ロボットと通信可能に接続する性格情報管理サーバであって、
第1生物の生物学的試料から得られた第1遺伝子情報及び前記第1生物とは異なる第2生物の生物学的試料から得られた第2遺伝子情報を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に基づいて、前記第1生物と前記第2生物との子の性格を示す性格情報を生成する性格情報生成手段と、
前記性格情報生成手段で生成した前記性格情報を提供する性格情報提供手段と、を備えることを特徴とする性格情報管理サーバ。
【請求項5】
請求項1記載のロボット制御システムにおける前記性格情報管理サーバと通信可能に接続するロボットであって、
前記性格情報管理サーバから提供された前記性格情報を取得する性格情報取得手段と、
前記性格情報取得手段で取得した性格情報に基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御する制御手段と、を備え、
前記子の性格情報は、性格を分類する5つの因子である、経験への開放性、誠実性、外向性、協調性又は神経症傾向を、前記第1遺伝子情報及び前記第2遺伝子情報の前記5つの因子に係る遺伝子領域の情報に基づいて数値化した数値情報を含み、
前記制御手段は、前記性格情報から構成される性格モデルと、前記ロボットの感情の状態を決定する複数の要素の状態量から構成される感情モデルと、前記ロボットの本能の状態を決定する複数の要素の状態量から構成される本能モデルとを備え、前記性格モデルを構成する前記5つの因子の数値情報に基づいて、前記感情の状態を決定する複数の要素の状態量及び前記本能の状態を決定する複数の要素の状態量を制御し、制御された前記感情モデル及び前記本能モデルの各要素の状態量と前記性格モデルの各因子の数値情報とに基づいて感情を表現する行動又は感情の表現を制御することを特徴とするロボット。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6