(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070701
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】布類群の転倒を防止する転倒防止装置と、その転倒防止装置を有する搬送装置と、その搬送装置を有するリネンシステム
(51)【国際特許分類】
D06F 95/00 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
D06F95/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179912
(22)【出願日】2020-10-27
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 祐介
(57)【要約】
【課題】処理の迅速化を図るべく搬送された所定形状に折りたたんだ布類を複数積み上げた状態の布類群の転倒を防止する転倒防止装置と、その転倒防止装置を有する搬送装置と、その搬送装置を有するリネンシステムを提供することである。
【課題手段】
転倒防止装置は、一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群を、一辺方向に搬送したときに、その一辺を支持することで、布類群の転倒を防止するというも
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群を、前記一辺方向に搬送したときに、前記一辺を支持することで、前記布類群の転倒を防止する転倒防止装置。
【請求項2】
前記転倒防止装置は、駆動する駆動部と、前記駆動部によって出没可能に出現する転倒防止部と、を有し、前記駆動部が駆動することによって前記転倒防止部が出現し、その転倒防止部が前記一辺を支持することで、前記布類群の転倒を防止する請求項1記載の転倒防止装置。
【請求項3】
前記転倒防止装置は、一端部と他端部とを具備するリンク部と、を有し、
前記駆動部は、シリンダー部と、前記シリンダー部に出退可能に移動する軸部と、を有し、
前記軸部は、前記一端部に接続され、前記他端部は、前記転倒防止部に接続され、
前記軸部が移動することで、前記リンク部が回転し、前記転倒防止部が出現する請求項2記載の転倒防止装置。
【請求項4】
前記駆動部は、シリンダー部と、前記シリンダー部に出没可能に移動する軸部と、を有し、
前記軸部は、前記転倒防止部に接続され、
前記軸部が移動することで、前記転倒防止部が出現する請求項2記載の転倒防止装置。
【請求項5】
前記一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群を、前記一辺方向に搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置によって前記一辺方向に搬送された前記布類群を、搬送する第2搬送装置と、
前記請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置と、を有し、
前記請求項1から4のいずれかに記載の転倒防止装置は、前記第1搬送装置によって、前記一辺方向に搬送された前記布類群の前記一辺を支持すると共に、
前記第2搬送装置は、前記支持装置によって、前記一辺が支持された前記布類群を、さらに搬送する布類搬送装置。
【請求項6】
前記一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねるための積み重ね装置と、
前記請求項5記載の布類搬送装置と、を有するリネンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたんだ複数の布類を積み上げて搬送する時の転倒防止装置と、その転倒防止装置を有する搬送装置と、その搬送装置を有するリネンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
顧客であるホテルや病院等で使用されたいわゆるリネンサプライ業で扱うリネン製品には、例えば、シーツやベッドカバー、大小のタオルその他各種の布類がある。リネンサプライ業の業者はこれらの布類を顧客先から回収し、洗濯、アイロン掛けの上、折り畳む工程を経て顧客先に配達する作業を繰り返す。すなわち、布類は洗濯されたのちに投入機により工程に投入され、アイロナーによりアイロンがけを行った後に所定の大きさに折りたたまれ、それらを複数積み上げたうえで、結束機により所定枚数ごとに紐をかけられて上述の顧客に納品する。
【0003】
また、顧客の要望として、洗濯、乾燥させてタオルバスタオルなどの布類を、2つ折り、3つ折り、フレンチ折、四つ折り等の所定形状に折りたたみ、その折りたたんだ布類を複数積み上げて、1つのまとまりの布類群とし、その布類群ごとに結束して納品するということが行われている。その布類群とは、五枚、10枚、といった顧客に要望に応じ任意の枚数とすることができる。
【0004】
一方で、このようなリネンシステムであるリネン設備として、特開2019-000345号が開示されている。この公報における段落0011において、「本発明の第1実施形態に係るリネン設備Aの構成を説明する。
図1に示すように、リネン設備Aは布類Fを処理する複数の布類処理装置10、20、30、40で構成されている。複数の布類処理装置10、20、30、40が、直列に接続されることで処理ラインが構成されている。布類Fは処理ラインを搬送されながら、各種の布類処理装置10、20、30、40により各種の処理が施される。」と記載されこの
図1においても、直列に接続されている処理ラインが構成されていることが示されている。
【0005】
このような処理ラインは、シーツ類に関するものであるが、タオルなどの比較的軽量な布類にも適用可能である。このような布類は顧客の要望に応じて、所定形状に折りたたんだ布類を複数積み上げた布類群を一つの束にして納品する場合がある。
【0006】
しかしながら、それらの装置を設置する場所において、処理ラインを直列に接続することができない場合があり、それらの装置のレイアウトの都合上、所定形状に折りたたんだ布類を複数積み上げた布類群を結束機に搬送するために搬送方向を転回する場合がある。この場合、コンベアから他のコンベアへその布類群を移乗する場合に、その布類群が転倒してしまう場合がある。その場合において転倒して崩れた布類群は、作業者がその処理ラインから排除する必要があり、処理の迅速化を図ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、処理の迅速化を図るべく搬送された所定形状に折りたたんだ布類を複数積み上げた状態の布類群の転倒を防止する転倒防止装置と、その転倒防止装置を有するリネンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は研究開発の結果前記の課題を解決するために、第1観点の転倒防止装置は、一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群を、一辺方向に搬送したときに、一辺を支持することで、布類群の転倒を防止するというものである。
【0010】
また、第2観点の転倒防止装置は、第1観点において、転倒防止装置は、駆動する駆動部と、駆動部によって出没可能に出現する転倒防止部と、を有し、駆動部が駆動することによって転倒防止部が出現し、その転倒防止部が前記一辺を支持することで、布類群の転倒を防止するというものである。
【0011】
また、第3観点の転倒防止装置は、第2観点において、転倒防止装置は、一端部と他端部とを具備するリンク部と、を有し、駆動部は、シリンダー部と、前記シリンダー部に出退可能に移動する軸部と、を有し、軸部は、一端部に接続され、他端部は、転倒防止部に接続され、軸部が移動することで、リンク部が回転し、転倒防止部が出現するというものである。
【0012】
また、第4観点の転倒防止装置は、第2観点において、駆動部は、シリンダー部と、前記シリンダー部に出没可能に移動する軸部と、を有し、軸部は、転倒防止部に接続され、軸部が移動することで、転倒防止部が出現するというものである。
【0013】
また、第5観点の布類搬送装置は、一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群を、一辺方向に搬送する第1搬送装置と、 第1搬送装置によって一辺方向に搬送された布類群を、搬送する第2搬送装置と、第1観点から、第4観点の転倒防止装置と、を有し、第1観点から、第4観点の転倒防止装置は、第1搬送装置によって、一辺方向に搬送された布類群の一辺を支持すると共に、第2搬送装置は、支持装置によって、一辺が支持された布類群を、さらに搬送するというものである。
【0014】
また、第6観点のリネンシステムは、一辺を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねるための積み重ね装置と、第5観点の布類搬送装置と、を有するというものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、処理の迅速化を図るべく搬送された所定形状に折りたたんだ布類を複数積み上げた状態の布類群の転倒を防止する転倒防止装置と、その転倒防止装置を有するリネンシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面図である。
【
図3】Aは、布類群を支持する位置から離脱した状態の転倒防止装置取り付け部にとりつけられた転倒防止装置の側面図である。Bは、布類群を支持する位置に出現した状態の転倒防止装置取り付け部にとりつけられた転倒防止装置の側面図である。
【
図4】Aは布類群を第1搬送装置によって搬送する状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはあのX方向から見た側面状態図である。
【
図5】Aは布類群をさらに第1搬送装置によって搬送する状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。Bは、AのX方向から見た側面状態図である。
【
図6】Aは布類群をさらに第1搬送装置によって搬送し、第2Bコンベアが伸びた状態第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図7】Aは布類群をさらに第1搬送装置によって搬送し、転倒防止装置における転倒防止部が、第2搬送装置上に出現した状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図8】Aは転倒防止装置における転倒防止部が、第2搬送装置上に出現し、布類群の1辺を支持する状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図9】Aは転倒防止装置における転倒防止部が、布類群の1辺を支持しつつ、第2Bコンベアが、第2Aコンベアに対し戻ろうとする状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図10】Aは転倒防止装置における転倒防止部が、布類群の1辺を支持しつつ、第2Bコンベアが、第2Aコンベアに対し戻った状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図11】Aは転倒防止装置における転倒防止部が、もとにもどり、第2搬送装置が布類群を搬送しようとする状態の第1実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面状態図である。BはAのX方向から見た側面状態図である。
【
図12】第2実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面図である。
【
図14】第3実施例の転倒防止装置と積み重ね装置との平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図示の実施形態を参照して、第1実施例の転倒防止装置10について説明する前に、リネンサプライ業における布類の処理工程について簡単に説明する。顧客であるホテルや病院等で使用されたシーツやベッドカバー、大小のタオルその他各種の布類を回収し、洗濯し、図示しないアイロナーでアイロンがけしたのちに、所定形状に折りたたんだ布類を所定枚数ごとに積み重ねる積み重ね装置200によって積み重ねる。その所定形状に折りたたんだ布類を所定枚数ごとに積み重ねた布類群100を図示しない結束機でひも掛けする。布類群100とは、1枚の布類を所定形状に折りたたんだ後にその布類を複数積み重ねたものをいい、顧客の要望によって、例えば、三つ折、四つ折り、フレンチ折などの所定形状に折りたたんだ布類を10枚積み上げた状態を布類群100とする場合や、また、上述の所定形状に折りたたんだ布類を5枚積み上げ、それらを2列に整列した布類群100とする場合、また、所定形状に折りたたんだ布類を10枚積み上げ、それらを2列に整列した布類群100とする場合をいい、顧客の要望に応じて折りたたんだ布類を任意の枚数に積み上げた状態のものをいう。
【0018】
このような布類群100は、所定形状に折りたたんだ布類を複数枚積み上げた状態のものであるために、積み重ね装置200から排出され、搬送装置であるコンベアで、その布類群100をひも掛けする図示しない結束機に搬送させるというものである。しかしながら、搬送装置であるコンベアから他のコンベアへその布類群100を移乗する場合に、搬送装置であるコンベアから他のコンベアへの段差等により転倒する場合がある。さらに、布類群100の搬送方向を転換する場合にこの積み上げた布類群100が、転倒する場合がある。第1実施例の転倒防止装置10は、このような布類群100の転倒を防止しようとするものである。なお、後述する第2実施例の転倒防止装置300または、後述する第3実施例の転倒防止装置700も同様である。
【0019】
また、第1実施例の転倒防止装置10は、後述する第1搬送装置220と第2搬送装置240とを有する搬送装置に適用することができるとともに、さらに積み重ね装置200を有するリネンシステム980に適用することができる。なお、後述する第2実施例の転倒防止装置300と、第3実施例の転倒防止装置700も同様である。
【0020】
第1実施例の転倒防止装置10は、転倒防止装置取り付け部500に取り付けられている。また、転倒防止装置取り付け部500は、転倒防止装置10を取り付ける取り付け部510と、その取り付け部510が
図1においてU方向およびD方向に移動する軌道となる移動部520とその移動部520を支える柱である複数の柱部540と、その複数の柱部540の上端同士を連結するレール部530、530とを有する。また、
図1において、移動部520は、レール部530、530に沿って、左右LR方向に移動することができる。
【0021】
このように、取り付け部510は移動部520によって、U方向およびD方向に移動し、かつ移動部520は、レール部530、530に沿って、左右LR方向に移動することができるので、後述する第1搬送装置220によって、搬送される布類群100が、その第1搬送装置220上のいずれの位置に載置された場合であっても、その転倒防止装置10がその布類群100を支持することができる。
【0022】
第1実施例の転倒防止装置10は、出没可能に駆動する駆動部20と、転倒防止部40とを有するものである。駆動部20はエアシリンダーが好ましく、駆動部20は、シリンダー部21と、ピストン軸22とを有し、シリンダー部21に対し、ピストン軸22は、出没可能に配置されている。また、転倒防止部40は板状を呈し、駆動部20が駆動することによって、布類群100の一辺101を支持し、その転倒を防止するというものである。
【0023】
また、第1実施例の転倒防止装置10は、さらにリンク部材30を有する。このリンク部材30は文字通り、駆動部20と転倒防止部40を連結させるものであり、駆動部20におけるピストン軸22が、シリンダー部21に引き込まれると、ピストン軸部22と接続されたリンク部材30の一端部31が、矢印F方向に回転し(
図3A参照)、リンク部材30の他端部32と接続された転倒防止部40が、矢印F方向に回転し、その転倒防止部40が出現する(
図3B参照)。すなわち、転倒防止部40が、後述する第2搬送装置240上にほぼ垂直に配置され、いわば、転倒防止部40が、後述する第2搬送装置240上に出現するように配置される。なお、転倒防止部40は、板状を呈している(
図3AB参照)。なお、駆動シリンダー20は、エアシリンダーが好ましく、また、電動シリンダーでもよい。
【0024】
また反対に、駆動部20におけるピストン軸22が、シリンダー部21に引き込まれた状態(
図3B参照)から、駆動部20におけるピストン軸22が、シリンダー部21から突出すると、ピストン軸部22と接続されたリンク部材30の一端部31が、矢印S方向に回転し、リンク部材30の他端部32と接続された転倒防止部40が、矢印S方向に回転し、その転倒防止部40が引き込まれる。すなわち、転倒防止部40が、第2搬送装置240に対しほぼ水平に配置され、いわば、第2搬送装置240上から、退くように構成されている(
図3A参照)。このように、第1実施例の転倒防止装置10は出退可能に構成されている。すなわち出現するとは、転倒防止装置10が、布類群100を支持する位置に現れるということであり、退くということは、転倒防止装置10が、布類群100を支持する位置から離脱するということである。
【0025】
所定形状に折りたたんだ布類を所定枚数ごとに積み重ねる積み重ね装置200は、文字通り、2つ折り、3つ折り、フレンチ折、四つ折り等の所定形状に折りたたみ、その折りたたんだ布類を複数積み上げて、1つのまとまりの布類群100とする装置である。この布類群100は例えば、5枚の布類を2列に整列させたもの、10枚の布類を1列に積み上げたものであり、これらの枚数は顧客の要望に応じ任意の枚数の布類群にすることができる。なお、このように布類を積み重ねる積み重ね装置200はすでに公知である。
【0026】
次に、第1実施例の転倒防止装置10の動作について説明する。まず、積み重ね装置200は、いわば2階建て構造といえ、2階部分202における折りたたみコンベア223から、所定形状に折りたたまれた布類を、1階部分201に配置したスタッキングコンベア211上に落下させ、その布類を複数積み上げて1つのまとまりの布類群100とする。このように、布類群100は、スタッキングコンベア211上に配置される。
【0027】
スタッキングコンベア211上に配置された布類群100は、そのスタッキングコンベア211によって布類群100の一辺101の方向に移動する。布類群100は、1辺101と他辺102とを有し、1辺101を先頭に移動する。なお、図に示す通り、1辺101は、長辺であり、他辺が102は、短辺である場合があり、布類群100は、長辺である1辺101を先頭に移動すると転倒しやすいものとなる場合がある。このように、転倒防止装置10は、1辺101を有するように折りたたんだ布類を複数積み重ねた布類群100を、一辺101方向に搬送したときに、その一辺101を支持することで、布類群100の転倒を防止するというものである。
【0028】
スタッキングコンベア211によって布類群100は、一辺101の方向に移動する。コンベアである第1搬送装置220のスタッキングコンベア211寄りに、スタートセンサー230が配置されており、スタッキングコンベア211から第1搬送装置220に移乗し、一辺101の方向に移動した布類群100を検知する(
図4A、B参照)。なお、理解容易の観点から、
図4から
図11においてそれぞれのA図面から、転倒防止装置10を省略している。
【0029】
スタートセンサー230が布類群100を検知すると、第1搬送装置220が駆動し、その第1搬送装置220に移乗した布類群100は、さらに、1辺101の方向に移動する。なお、第1搬送装置220は、伸縮機能を有する。すなわち、第1搬送装置220は、第2Aコンベア221と、第2Bコンベア222とを有し、第2Bコンベア222が、第2Aコンベア221に対し出入り可能に構成されている。また、第1搬送装置220における第2Bコンベア222の後端部222a付近に、ストップセンサー231が配置され、搬送された布類群100を検知すると、第2Bコンベア222は、停止する(
図5A、B
図6A、B参照)。
【0030】
第1搬送装置220は、その伸縮機能によって、あらかじめ定められた任意の位置まで伸縮する。すなわち上記の通り、第2Bコンベア222が、第2Aコンベア221に対し任意の位置まで移動する。本実施例においては、第2搬送装置240の中央部付近まで、第2Bコンベア222が移動することが好ましい。
【0031】
第2搬送装置240の中央部付近まで、第1搬送装置220における第2Bコンベア222が移動すると、第1センサー235が、その移動した第2Bコンベア222を検知し、その第2Bコンベア222の移動を停止する(
図6A、B参照)。
【0032】
その後、布類群100がストップセンサー231で検知されると、搬送を止める。なお、上述の第2Bコンベア222が、第2Aコンベア221に対し任意の位置まで移動すると同時に、第1実施例の転倒防止装置10が始動する。すなわち第1実施例の転倒防止装置10の駆動部20におけるピストン軸22が、シリンダー部21に引き込まれ、ピストン軸部22と接続されたリンク部材30の一端部31が、図面の細い矢印の方向に回転し、リンク部材30の他端部32と接続され、転倒防止部40が、図面の細い矢印の方向に回転し、その転倒防止部40が第2搬送装置240上に出現する(
図7A、B参照)。なお、後述する第2実施例の転倒防止装置300および、第3実施例の転倒防止装置700も同様に、上述の第2Bコンベア222が、第2Aコンベア221に対し任意の位置まで移動すると同時に、始動する。
【0033】
このとき、転倒防止部40が、転倒防止装置取り付け部500における天井部510から吊り下げられた状態となり、転倒防止部40の転倒防止一端部41が、第2搬送装置240に対し若干の隙間が生じるように配置される。それと同時に第1搬送装置220における第2Aコンベア221から第2Bコンベア222上に載置された布類群100の搬送を開始する。
【0034】
第2Bコンベア222上に載置された布類群100が、第2Bコンベア222の後端部222a付近に達すると、ストップセンサー231が、その布類群100を検知し、所定時間経過後その搬送を停止する。このとき、布類群100の一辺101は、転倒防止部40に接しているので、これ以上布類群100を搬送させることなくまた、それが転倒する恐れもない(
図8A、B参照)。なお、所定時間とは、例えば布類群を所定形状に折りたたんで複数枚積み上げた布類群の山を2つ結束する場合に、先に転倒防止部40に接するその1の山の布類群に、次の2の山の布類群が接するまでの期間をいう場合がある。
【0035】
その後第2Bコンベア222が第2Aコンベア221の方向に移動する。すなわち、伸長した第1搬送装置220が、収縮する。このとき、布類群100の一辺101は、転倒防止部40に接したままの状態でいるので、第2搬送装置240上に移乗する(
図9A、B参照)。このとき、第2Bコンベア222と、本実施例においてはコンベアである第2搬送装置240とは段差が生じているものの、第1実施例の転倒防止装置10における転倒防止板40に接しているので、布類群100が転倒したり崩れたりすることを防止することができる(
図10A、B参照)。
【0036】
第2搬送装置240が始動し、布類群100における1辺101が、転倒防止部40に接した状態のままその転倒防止部40に沿って、矢印T方向に移動する(
図10A参照)。
【0037】
それと同時に、第2Bコンベア222が第2Aコンベア221の方向に移動し、それらが接近すると、第2センサー236が、第2Bコンベア222を検知し、その移動を停止する(
図11A、B参照)。
【0038】
またその時、駆動シリンダー20におけるピストン軸22が、シリンダー21から伸び、ピストン軸部22と接続されたリンク部材30の一端部31が、図面矢印方向に回転する。そのリンク部材30の一端部31が、図面矢印方向に回転することで、リンク部材30の他端部32と接続された転倒防止部40が、矢印方向に回転し、その転倒防止部40が、天井部510に沿うように配置される。このように、支持装置20は、出没可能に構成されている(
図11A、B参照)。
【0039】
次に、第2実施例の転倒防止装置300について説明する。第2実施例の転倒防止装置300は、駆動する第2駆動部350と、第2転倒防止部400とを有するものである。また、第2実施例の転倒防止装置300は転倒防止装置取り付け部600に取り付けられている。転倒防止装置取り付け部600は、取り付け部材610と、その取り付け部材610を左右LR方向に移動可能に取り付けるレール630、630と、複数の柱部640とを有する。なお、第2駆動部350は、エアシリンダーが好ましく、また、電動シリンダーでもよい(
図12、
図13参照)。
【0040】
第2駆動部350は、第2シリンダー部360と、第2ピストン軸370とを有し、第2シリンダー部360に対し、第2ピストン軸370は、出没可能に配置されている。第2シリンダー部360における第2ピストン軸370が、第2シリンダー部360から伸びると、第2ピストン軸370と接続された第2転倒防止部400が、下方に降り、第2搬送装置240上であって、布類群100に接触する位置に出現する。
【0041】
また反対に、第2駆動部350における第2ピストン軸370が、第2シリンダー部360に引き込まれると、第2ピストン軸370と第2転倒防止部400が、布類群100と接しない位置に引き上げられる。このように、転倒防止装置300は出没可能に構成されている。
【0042】
第2実施例の転倒防止装置300は、転倒防止装置取り付け部600に取り付けられており、転倒防止装置取り付け部600は、第2実施例の転倒防止装置300を取り付ける取り付け部610と、その取り付け部610が
図12においてU方向およびD方向に移動する軌道となる移動部620、620とその移動部620、620を支える柱である複数の柱部640と、その複数の柱部640の上端同士を連結するレール部630、630とを有する。また、
図12において、移動部620は、レール部630、630に沿って、左右LR方向に移動することができる。
【0043】
このように、取り付け部610は移動部620によって、U方向およびD方向に移動し、かつ移動部620は、レール部630、630に沿って、左右LR方向に移動することができるので、第1搬送装置220によって、搬送される布類群100が、その第1搬送装置220上のいずれの位置に載置された場合であっても、その転倒防止装置300がその布類群100を支持することができる。
【0044】
また、第2実施例の転倒防止装置300については、第1実施例の転倒防止装置10の動作とほぼ同様であり、同一の符号を付しその説明を省略することがあるが、念のため以下の通り説明をする。
【0045】
第1搬送装置220における第2Bコンベア222の移動を始めると同時に、第2シリンダー360における第2ピストン軸370が、第2シリンダー360から伸びると、第2ピストン軸370と接続された第2転倒防止部400が、下方に降り、第2搬送装置240上であって、布類群100に接触する位置に出現する。なお、下方に降りた第2ピストン軸370’と、それに接続された第2転倒防止部400’が、
図13に示されている。
【0046】
このとき、第2転倒防止部400が、転倒防止装置取り付け部500における天井部510から吊り下げられた状態となり、第2転倒防止部400’における第2転倒防止一端部410’が、第2搬送装置240に対し若干の隙間が生じるように配置される。それと同時に第1搬送装置220における第2Aコンベア221から第2Bコンベア222上に載置された布類群100の搬送を開始する。
【0047】
第2Bコンベア222上に載置された布類群100が、第2Bコンベア222の後端部222a付近に達すると、ストップセンサー231が、その、布類群100を検知し、所定時間経過後その搬送を停止する。このとき、図示しない布類群100の一辺101は、第2転倒防止部400に接しているので、これ以上布類群100を搬送させることなくまた、それが転倒する恐れもない。このようにして、布類群100の転倒を第2実施例の転倒防止装置300は防止することができる。
【0048】
次に第3実施例の転倒防止装置700について説明する。第3実施例の転倒防止装置700は、駆動する第3駆動部750と、第3転倒防止部800とを有するものである。また、第3実施例の転倒防止装置700は転倒防止装置取り付け部900に取り付けられている。転倒防止装置取り付け部900は、取り付け部材910と、その取り付け部材910を左右LR方向に移動可能に取り付けるレール930、930と、複数の柱部940とを有する。なお、第3駆動部750は、エアシリンダーが好ましく、また、電動シリンダーでもよい。
【0049】
第3駆動部750は、水平方向に配置される第3シリンダー760と、第3ピストン軸770とを有し、第3シリンダー760に対し、第3ピストン軸770は、出入り可能に配置されている。第3シリンダー760における第3ピストン軸770が、第3シリンダー760から伸びると、第3ピストン軸770と接続された第3転倒防止部800が、第2搬送装置240の外部から、その第2搬送装置240上に移動し、第2搬送装置240上であって、布類群100に接触する位置に出現する。なお、第2搬送装置240上であって、布類群100に接触する位置に出現した第3転倒防止部800’が、
図14に示されている。
【0050】
また、第3実施例の転倒防止装置700については、第2実施例の転倒防止装置300の動作10とほぼ同様であり、同一の符号を付しその説明を省略するが念のため以下の通り説明をする。
【0051】
第3実施例の転倒防止装置700は、転倒防止装置取り付け部900に取り付けられており、転倒防止装置取り付け部900は、第3実施例の転倒防止装置700を取り付ける取り付け部910と、その取り付け部910が
図14においてU方向およびD方向に移動する軌道となる移動部920、920とその移動部920、920を支える柱である複数の柱部940と、その複数の柱部940の上端同士を連結するレール部930、930とを有する。また、
図14において、移動部910は、レール部930、930に沿って、左右LR方向に移動することができる。
【0052】
このように、取り付け部910は移動部920、920によって、U方向およびD方向に移動し、かつ移動部920、920は、レール部930、930に沿って、左右LR方向に移動することができるので、第1搬送装置220によって、搬送される布類群100が、その第1搬送装置220上のいずれの位置に載置された場合であっても、その転倒防止装置700がその布類群100を支持することができる。
【0053】
第1搬送装置220における第2Bコンベア222の移動を始めると同時に、第3シリンダー760における第3ピストン軸770が、第3シリンダー760から伸びると、第3ピストン軸770と接続された第3転倒防止部800’が、第2搬送装置240上であって、布類群100に接触する位置に出現する(
図15参照)
【0054】
このとき、第3転倒防止部800’の第3転倒防止一端部810’が、第2搬送装置240に対し若干の隙間が生じるように配置される。それと同時に第1搬送装置220における第2Aコンベア221から第2Bコンベア222上に載置された布類群100の搬送を開始する。
【0055】
第2Bコンベア222上に載置された布類群100が、第2Bコンベア222の後端部222a付近に達すると、ストップセンサー231が、その、布類群100を検知し、所定時間経過後その搬送を停止する。このとき、図示しない布類群100の一辺101は、第3転倒防止部800に接しているので、これ以上布類群100を搬送させることなくまた、それが転倒する恐れもない。このようにして、布類群100の転倒を第3実施例の転倒防止装置700は防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 第1実施例の転倒防止装置
20 駆動部
21 シリンダー部
22 ピストン軸
30 リンク部材
31 一端部
32 他端部
40 転倒防止部
100 布類群
200 積み重ね装置
201 1階部分
202 2階部分
211 スタッキングコンベア
220 第1搬送装置
221 第2Aコンベア
222 第2Bコンベア
230 スタートセンサー
231 ストップセンサー
235 第1センサー
236 第2センサー
240 第2搬送装置
300 第2実施例の転倒防止装置
350 第2駆動部
400 第2転倒防止部
700 第3実施例の転倒防止装置
750 第3駆動部
760 第3シリンダー
770 第3ピストン軸
800 第3転倒防止部
980 リネンシステム