(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070781
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】車両用シート及び車両用シートのフレーム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/22 20060101AFI20220506BHJP
B60N 2/68 20060101ALI20220506BHJP
A47C 1/024 20060101ALN20220506BHJP
【FI】
B60N2/22
B60N2/68
A47C1/024
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180051
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】塚田 真輝
(72)【発明者】
【氏名】吉川 淳平
【テーマコード(参考)】
3B087
3B099
【Fターム(参考)】
3B087BD03
3B087DB02
3B087DB10
3B099AA05
3B099BA04
3B099CB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを組み立てるときに、確実に位置決めができて連結しやすくする車両用シートを提供する。
【解決手段】シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションはシートクッション側フレームを有し、シートバックはシートバック側フレームを有し、シートクッション側フレームとシートバック側フレームとをシートバック側フレームに装着した接続プレート39を介して固定される構成を有し、シートクッション側フレームと接続プレートとは、シートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか一方に形成された突起部がシートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか他方に形成された孔部391と勘合し、かつ、シートクッション側フレームの端部が接続プレートに形成された段差部393と当接した状態で接合されている構成とした。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備えた車両用シートであって、
前記シートクッションはシートクッション側フレームを有し、
前記シートバックはシートバック側フレームを有し、
前記シートクッション側フレームと前記シートバック側フレームとを前記シートバック側フレームに装着した接続プレートを介して固定される構成を有し、
前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとは、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された突起部が前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか他方に形成された孔部と勘合し、かつ、前記シートクッション側フレームの端部が前記接続プレートに形成された段差部と当接した状態で接合されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1記載の車両用シートであって、
前記シートバック側フレームには、前記シートクッション側フレームに対する前記シートバック側フレームの角度を調整する角度調整部が固定されており、前記接続プレートは、前記角度調整部に固定されることにより前記シートバック側フレームに対して角度可変に装着されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項3】
請求項1記載の車両用シートであって、
前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとを前記接合する前の前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとを仮保持した状態において、前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとは、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された前記突起部を前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか他方に形成された前記孔部と勘合させるとともに前記シートクッション側フレームの端部と前記接続プレートに形成された段差部とを当接させることにより、前記シートクッション側フレームと前記接続プレートと位置が拘束された状態となることを特徴とする車両用シート。
【請求項4】
請求項1記載の車両用シートであって、
前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された前記突起部は、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートをエンボス加工して形成したものであることを特徴とする車両用シート。
【請求項5】
シートクッション側フレームとシートバック側フレームとを備えた車両用シートのフレームであって、
前記シートクッション側フレームと前記シートバック側フレームとを前記シートバック側フレームに装着した接続プレートを介して固定される構成において、
前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとは、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された突起部が前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか他方に形成された孔部と勘合し、かつ、前記シートクッション側フレームの端部が前記接続プレートに形成された段差部と当接した状態で接合されていることを特徴とする車両用シートのフレーム。
【請求項6】
請求項5記載の車両用シートのフレームであって、
前記シートバック側フレームには、前記シートクッション側フレームに対する前記シートバック側フレームの角度を調整する角度調整部が固定されており、前記接続プレートは、前記角度調整部に固定されることにより前記シートバック側フレームに対して角度可変に装着されていることを特徴とする車両用シートのフレーム。
【請求項7】
請求項5記載の車両用シートのフレームであって、
前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとを前記接合する前の前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとを仮保持した状態において、前記シートクッション側フレームと前記接続プレートとは、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された前記突起部を前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか他方に形成された前記孔部と勘合させるとともに前記シートクッション側フレームの端部と前記接続プレートに形成された段差部とを当接させることにより、前記シートクッション側フレームと前記接続プレートと位置が拘束された状態となることを特徴とする車両用シートのフレーム。
【請求項8】
請求項5記載の車両用シートのフレームであって、
前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートの何れか一方に形成された前記突起部は、前記シートクッション側フレーム又は前記接続プレートをエンボス加工して形成したものであることを特徴とする車両用シートのフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用シート及び車両用シートのフレームに関し、特に、組み立て性を向上させたフレーム構造を有する車両用シート及び車両用シートのフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートのシートバックフレームとリクライニング機構との取付け構造として、特許文献1には、シートバックのサイドフレーム側に突起を設け、リクライニング機構部のアームの側に透孔を形成し、突起を透孔に嵌合させてサイドフレームとアームとを位置決めする構成が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、バックフレームに設けた切欠き部に仮止め用のディスクに形成された突起部を挿入してバックフレーム側のボルト孔とクッションフレーム側のボルト孔との位置合わせを行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2-45039号公報
【特許文献2】特開2001-57916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両用シートのシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとは、それぞれ複数の部品を装着した状態で連結する。これらのフレームを互いに組み立てる場合には、それぞれのフレームを位置決めしてから連結するが、位置決めした状態を維持しながら連結する作業には、困難が伴う場合が多い。
【0006】
特許文献1に記載されている構成では透孔は突起部に対して比較的大きな寸法で形成されているので、サイドフレーム側に設けた突起部をアームの側に形成した透孔に嵌合させた状態においてサイドフレーム側の突起部はアーム側の透孔に対して遊び(ガタ)が大きく、サイドフレーム側のボルト孔とアーム側のボルト孔との位置がずれてしまい、サイドフレームとアームとをボルトで固定する際の作業性が悪くなってしまう可能性がある。
【0007】
一方、特許文献2に記載されている構成では、バックフレームとクッションフレームとの位置を合わせるために仮止め用のディスクに突起部を形成した構成となっているが、このような突起部は、組み立て時に他の部材に当たったり引っかかったりして作業性を悪くする原因になる。
【0008】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを組み立てるときに、確実に位置決めができて連結しやすくした構成を有する車両用シート及び車両用シートのフレームを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとヘッドレストとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションはシートクッション側フレームを有し、シートバックはシートバック側フレームを有し、シートクッション側フレームとシートバック側フレームとをシートバック側フレームに装着した接続プレートを介して固定される構成を有し、シートクッション側フレームと接続プレートとは、シートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか一方に形成された突起部がシートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか他方に形成された孔部と勘合し、かつ、シートクッション側フレームの端部が接続プレートに形成された段差部と当接した状態で接合されていることを特徴とする。
【0010】
また上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、シートクッション側フレームとシートバック側フレームとを備えた車両用シートのフレームにおいて、シートクッション側フレームとシートバック側フレームとをシートバック側フレームに装着した接続プレートを介して固定される構成において、シートクッション側フレームと接続プレートとは、シートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか一方に形成された突起部がシートクッション側フレーム又は接続プレートの何れか他方に形成された孔部と勘合し、かつ、シートクッション側フレームの端部が接続プレートに形成された段差部と当接した状態で接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを位置決めした状態でそれらをボルト締結して接合することができ、シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとの組み立てを従来と比べて作業性が良く、かつ安全に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例に係る車両用シートの外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る車両用シートの金属製のフレームの構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る車両用シートのシートバック側のフレームの角度調整部を含む領域の拡大図である。
【
図4】本発明の実施例に係る車両用シートのシートクッション側のフレームで
図3の角度調整部と接続する部分の拡大図である。
【
図5】本発明の実施例に係る車両用シートのシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを重ね合わせる直前の状態を示す、シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとの拡大図である。
【
図6】本発明の実施例に係る車両用シートのシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを重ね合わせた状態を示すシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとの拡大図である。
【
図7】本発明の実施例に係る車両用シートのシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを重ね合わせた状態における
図6のA-A断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、シートバック側のフレームに形成された凹部又は凸部とシートクッション側のフレームの側に形成された凸部又は凹部とを複数の個所で押し当てることによりシートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとを位置合わせして仮保持した状態でボルト締結する構成としたことにより、シートバック側のフレームとシートクッション側のフレームとの組み立てを従来と比べて作業性良く、かつ安全に行うことができるようにしたものである。
【0014】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。
【0015】
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【実施例0016】
本実施例に係る車両用シート1の外観を
図1に示す。
本実施例に係る車両用シート1は、搭乗者が着座するシートクッション2と、着座した搭乗者の背を支持するシートバック3と、着座した搭乗者の頭部を支えるヘッドレスト4を備えて構成される。
【0017】
図2には、車両用シート1を構成する金属製のフレーム100の構成を示す。
図1に示した車両用シート1は、この
図2に示した金属性のフレーム100に、表面を表皮部材で覆ったウレタンなどで構成されるクッション材を装着したものである。
【0018】
図2に示した金属製のフレーム100は、シートクッション側フレーム20と、シートバック側フレーム30、スライドレール部40とを備えて構成されている。
【0019】
シートクッション側フレーム20は、着座した搭乗者から見たときに左側の左側サイドフレーム21と、着座した搭乗者から見たときに右側の右側サイドフレーム22、左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22とを前方で連結する連結プレート23、左側サイドフレーム21と右側サイドフレーム22とを後方で接続する接続パイプ24、スライドレール42とシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21又は右側サイドフレーム22と後方で接続する後側リンク25を備えている。
【0020】
シートバック側フレーム30は、左側バックサイドフレーム31と、右側バックサイドフレーム32、左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32とを上部で接続するアッパーパネル33、左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32とを下部で接続するローアーパネル34、シートクッション側フレーム20に対するシートバック側フレーム30の角度を調整するための角度調整部37、角度調整部37から延びて左側バックサイドフレーム31と右側バックサイドフレーム32との間を接続する接続パイプ38、角度調整部37とシートクッション側フレーム20とを接続する接続プレート39を備えている。
【0021】
スライドレール部40は、シートクッション側フレーム20を載せて前後にスライドするもので、図示していない車両の床面に固定される左右一対の固定レール41と、固定レール41に沿って前後にスライドする左右一対のスライドレール42、スライドレール42とシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21又は右側サイドフレーム22と前方で前側リンク43を介して接続する前側リンク機構部45、スライドレール42とシートクッション側フレーム20側の左側サイドフレーム21又は右側サイドフレーム22とを後方で後側リンク25を介して接続する後側リンク機構部44、シートスライド装置の図示していないロック機構の操作レバー46を備えている。
【0022】
図3に、シートバック側フレーム30の左側バックサイドフレーム31の下部の角度調整部37の周辺の構成を拡大して示す。シートバック側フレーム30の角度を調整するための角度調整部37は、固定部材371で左側バックサイドフレーム31の下部に固定されている。
【0023】
また、角度調整部37には、シートクッション側フレーム20の左側サイドフレーム21と接続するための接続プレート39が取り付けられている。接続プレート39は、図示していない部分において、左側バックサイドフレーム31に固定された角度調整部37に対して回動自在に取り付けられている。接続プレート39には、左側サイドフレーム21と接続するときの位置決めガイドを担うガイド孔391と、左側サイドフレーム21にボルトで固定するためのボルト孔392が2か所に形成されている。
【0024】
さらに、接続プレート39には、左側サイドフレーム21とボルトで接続した状態で左側サイドフレーム21との位置関係が固定されるように、左側サイドフレーム21の端面と当接する部分に、左側サイドフレーム21の端面形状に倣った段差部393が設けられている。この段差部393は、接続プレート39の折り曲げ強度を強化する役目も果たしている。さらに、接続プレート39の折り曲げ強度を強化するために、接続プレート39の外周部分は
図3で表側に立ち上がった縁部395が形成されている。
【0025】
図4には、シートクッション側フレーム20における左側サイドフレーム21の、シートバック側フレーム30の左側バックサイドフレーム31と接続される箇所の周辺と、その近辺におけるスライドレール部40の固定レール41とスライドレール42との拡大図を示す。
【0026】
左側サイドフレーム21の左側バックサイドフレーム31と接続される箇所には、左側バックサイドフレーム31と接続するときの位置決め用の突起部211、左側バックサイドフレーム31の2つのボルト孔392に対応するそれぞれの位置に形成されたボルト孔212が形成されている。また、左側サイドフレーム21の端面213は凹形状を有し、この凹形状の端面213が左側バックサイドフレーム31に形成された段差部393と当接するように形成されている。突起部211は、左側サイドフレーム21をエンボス加工することにより形成される。左側サイドフレーム21には、折り曲げ強度を強化するために、外周部分に
図4で裏側に立ち上がった縁部215が形成されている。
【0027】
このような構成において、シートクッション側フレーム20のサブアセンブリと、シートバック側フレーム30のサブアセンブリとを組み合わせる。すなわち、
図5に示すように、シートクッション側フレーム20の左側サイドフレーム21にシートバック側フレーム30の左側バックサイドフレーム31に取り付けた接続プレート39が重なるように移動させる。
【0028】
ここで、接続プレート39の面394は左側サイドフレーム21の面214に対して
図5において上側(表側)になるように重ね合わせるが、接続プレート39の外周部分に形成された縁部395と左側サイドフレーム21の外周部に形成された縁部215とは、それぞれ、接続プレート39と左側サイドフレーム21が接する面と反対側の面に形成されている。これにより、接続プレート39と左側サイドフレーム21とを重ね合わせたときに、接続プレート39の縁部395は左側サイドフレーム21と干渉せず、また、左側サイドフレーム21の縁部215は、接続プレート39と干渉しない。
【0029】
また、左側サイドフレーム21に形成された突起部211は、高さが接続プレート39の板厚と同程度であるので、接続プレート39と左側サイドフレーム21とを重ね合わせるときに他の部材や作業者に触れたとしても、作業の障害にはならない。
【0030】
図6は、シートクッション側フレーム20の左側サイドフレーム21にシートバック側フレーム30の左側バックサイドフレーム31に取り付けた接続プレート39がボルトで固定する前の仮保持された状態を示している。この状態で、接続プレート39に形成されたガイド孔391には、左側サイドフレーム21に形成された突起部211が嵌った状態になる。
【0031】
ここで、ガイド孔391の径は、突起部211の外径よりも少し大きい程度に形成されている。これにより、突起部211がガイド孔391にはまった状態で、ガイド孔391に対する突起部211の遊び(ガタ)が少なく、左側サイドフレーム21と左側バックサイドフレーム31とが互いに拘束される。
【0032】
さらにこの状態で、左側バックサイドフレーム31に形成された段差部393は左側サイドフレーム21に形成された凹形状の端面213と当接している。
【0033】
このように、接続プレート39のガイド孔391に左側サイドフレーム21の突起部211が嵌め込んで接続プレート39と左側サイドフレーム21とを互いに拘束した状態において、接続プレート39の段差部393と左側サイドフレーム21の凹形状の端面213とを当接させて接続プレート39と左側サイドフレーム21とを仮保持することにより、接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係が固定することができる。
【0034】
この状態における
図6のA-A断面の矢視図を、
図7に示す。接続プレート39のガイド孔391に左側サイドフレーム21の突起部211が嵌め込まれた状態で、接続プレート39の段差部393が左側サイドフレーム21の凹形状の端面213に当接しており、接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係が固定されている状態を示している。
【0035】
このように仮保持した状態で、接続プレート39に形成されたボルト孔392と左側サイドフレーム21に形成されたボルト孔212とは、互いに重なるように形成されている。このように接続プレート39と左側サイドフレーム21とを仮保持した状態で、ボルト孔392と212を通して接続プレート39と左側サイドフレーム21とをボルトで締結することにより、
図2に示したように、接続プレート39と左側サイドフレーム21とをボルト390で接合して固定することができる。
【0036】
図3乃至
図7においては、シートバック側フレーム30の左側バックサイドフレーム31の下部の角度調整部37に取り付けた接続プレート39とシートクッション側フレーム20における左側サイドフレーム21との関係について説明したが、シートバック側フレーム30の右側バックサイドフレーム32とシートクッション側フレーム20の右側サイドフレーム22とについても、同様な構成で接続されている。
【0037】
本実施例によれば、左側バックサイドフレーム31に装着した接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係を複数の個所で規制して仮保持できる構成としたことにより、仮保持後に接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係のずれが生じないようにし、また。位置ずれが生じたとしても容易に復元できるようにしたので、接続プレート39と左側サイドフレーム21とのボルト締結作業を容易に行なえて、シートバック側フレーム30とシートクッション側フレーム20との接続作業を比較的容易に行えるようになった。
【0038】
また、本実施例によれば、接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係を複数の個所で規制して仮保持することにより、接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係の再現性を向上させることができ、車両用シートのフレームの製品間のばらつきを低減することができるようになった。
【0039】
さらに、本実施例によれば、接続プレート39のガイド孔391に左側サイドフレーム21の突起部211を嵌め込んだ状態で接続プレート39と左側サイドフレーム21とを仮保持する構成としたことにより、仮保持した状態で接続プレート39と左側サイドフレーム21との位置関係が大きくずれてしまうことがなくなり、接続プレート39と左側サイドフレーム21との締結作業を容易に行うことができ、シートバック側フレーム30とシートクッション側フレーム20とを接続する作業の作業性を向上させることができた。
【0040】
なお、上記に説明した実施例においては、接続プレート39のガイド孔391を形成し、左側サイドフレーム21に突起部211を形成した構成で説明したが、接続プレート39の突起部を設け、左側サイドフレーム21にガイド孔を設ける構成にしてもよい。
【0041】
さらに、上記に説明した実施例においては、左側サイドフレーム21の突起部211をエンボス加工により形成する例を示したが、突起部211を左側サイドフレーム21にピンを埋め込んで形成してもよい。
【0042】
また、上記に説明した実施例においては、接続プレート39の段差部393を左側サイドフレーム21の凹形状の端面213に当接させる構成について説明したが、接続プレート39に凹形状の端面を形成し、左側サイドフレーム21この凹形状の端面に合わせた凸形状の段差部を形成して、接続プレート39の凹形状の端面に左側サイドフレーム21の段差部を当接させるように構成してもよい。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。