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▶ 福永 美穂の特許一覧

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  • 特開-食事用エプロン 図1
  • 特開-食事用エプロン 図2
  • 特開-食事用エプロン 図3
  • 特開-食事用エプロン 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070785
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】食事用エプロン
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/04 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
A41D13/04
A41D13/04 106
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020188996
(22)【出願日】2020-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】520444188
【氏名又は名称】福永 美穂
(72)【発明者】
【氏名】福永 美穂
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB08
3B011AC08
3B011AC24
(57)【要約】
【課題】こぼれた飲食物が、首元から前身頃部の裏側に落ちることを防ぎ、特に服の首元や着用者の胸部、また、衣服全体が汚れるのを防ぎ、且つ、首元の苦しさを軽減する食事用エプロンを提供する。
【解決手段】着用者の少なくとも胸を覆う前身頃部2と、前記前身頃部2の上方部分から上方に延在し、着用者の首にとめる一対の首掛け部1と、を備えた食事用エプロンであって、前記前身頃部2の上端裏側にはベロ部材14が設けられ、前記ベロ部材14は食事用エプロン10の着用時に、着用者Pの衣服の首の内側に挿入可能に構成されていることを特徴とする食事用エプロンである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の少なくとも胸を覆う前身頃部と、前記前身頃部の上方部分から上方に延在し、着用者の首にとめる一対の首掛け部と、を備えた食事用エプロンであって、前記前身頃部の上端裏側にはベロ部材が設けられ、前記ベロ部材は食事用エプロンの着用時に、着用者の衣服の首の内側に挿入可能に構成されていることを特徴とする食事用エプロン。
【請求項2】
前記ベロ部材は、その上端のみが前記前身頃部の上端裏側に装着していることを特徴とする前記記載の食事用エプロン。
【請求項3】
前記ベロ部材は、水分給水部材と防水部材の重なった構造となっており、前記水分吸収材は、着用者側に位置するように構成されている請求項1または2に記載の食事用エプロン。
【請求項4】
前記首掛け部分からつながった紐又は生地により、腕を通す部分がついていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の食事用エプロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食べこぼしや飲みこぼしを受ける食事用エプロンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食事の介助を受ける者は、食べこぼしや飲みこぼしによって衣服、身体、床や食卓が汚れることを防ぐため、食事用のエプロンを着用する。
食事用エプロンは、ポケット付きタイプがある。下端部に、食べこぼしや飲みこぼしを受け入れるポケット部を設けている。ポケット部は、前側片と後側片を重ね、前側片と後側片の下縁と左右の縁を閉じて、上向きの口を形成している。
この種の食事用エプロンは、防水になっており、上から下に順次、着用者の首に留める首掛部、着用者の胸の前側に垂らす前身頃部と、こぼれた飲食物を受け入れるポケット部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3195241号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような食事用エプロンでは、着用者からこぼれた飲食物は、着用者の体とエプロンの間に出来た隙間から着用者の顎・首をつたい体側に流れ、体や衣服を汚すことがある。また、服の肩部分が出ている場合はこぼれた飲食物が付着し、服を汚すことがある。また、エプロンがずれるとこぼれた飲食物が衣服を汚すことがある。飲食物が体側にこぼれないようにするために、首周りを詰めてゴムなどで調節するものがあるが、首周りを詰め過ぎると苦しいため、エプロンをつけること自体を拒否されることがある。食事用エプロンは、食事をしやすい快適な着用感であり、且つ、こぼれた飲食物が衣服を汚さないことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る食事用エプロンは、着用者の少なくとも胸を覆う前身頃部と、前記前身頃部の上方部分から上方に延在し、着用者の首にとめる一対の首掛け部と、を備えた食事用エプロンであって、前記前身頃部の上端裏側にはベロ部材が設けられ、前記ベロ部材は食事用エプロンの着用時に、着用者の衣服の首の内側に挿入可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
着用者からこぼれた飲食物が顎・首をつたい体とエプロンの間に出来た隙間から体側に流れることを防止するため、服を汚し難い。また、肩部分の衣服を汚し難い。また、首掛部は、着用者の首部分が詰まりすぎていないので、苦しく感じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る食事用エプロンの正面図である。
図2】本発明に係る食事用エプロンの背面図である。
図3】本発明に係る食事用エプロンのポケット部形成状態を示す正面図である。
図4】本発明に係る食事用エプロンの使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る食事用のエプロン10について図1図4を用いて説明する。
本実施の形態による食事用エプロン10は、非透水性の布製にしている。また、縁に縁取りテープを縫い付けている。
【0009】
図1に示すように、食事用エプロンは縦長にしている。また、図2図3に示すように、上から下に順次、着用者の首に留める首掛部1、着用者の胸の前側に垂らす前身頃部2と、こぼれた飲食物を受け入れるポケットを形成するポケット部3を設けている。
【0010】
図2に示すように、前記首掛部1は、前記前身頃部2の上方部分から上方に延在し、着用者の首にとめる一対の首掛け部1A、1Bからなり、一対のスナップボタン12を取り付けている。前記首掛部1は衣服が覆われるよう幅広に設計している。図3に示すように、前記スナップボタン12は、着用者の首の後側で結合する構成にしている。
【0011】
また、図2に示すように、前記前見頃部2の上端裏側には、着用者の胸部に接するベロ部材14を取り付けている。前記ベロ部材14は、水分を吸収するパイル素材とラミネートシートの防水素材からなる二重構造の生地にしており、強度を高める為に縁にパイピングを施している。なお、本実施の形態では、前記ベロ部材14の生地をパイル素材とラミネートシートとの二重構造の生地としたが、これに限定されるものではない。例えば、前記ベロ部材14は水分を吸収する素材からなる一重構造または二重構造としてもよく、あるいは防水素材からなる一重構造または二重構造でもよい。
【0012】
図1図3に示すように、前記首掛部1からつながった紐15により、腕を通す部分を設け、エプロンがずれるのを防いでいる。
【0013】
図3に示すように、前記ポケット部3はポケットを形成するための二対のスナップボタン16、17を、スナップボタンの結合部がエプロンの裏側に向くように取り付けている。前記ポケット部3は、生地を立体的に折り込んだ状態で、前記スナップボタン16、17を留めることによってポケットを形成する。
【0014】
図4に示すように、前記食事用エプロン10は、着用時、着用者Pの前側に垂らし、前記首掛部1を前記着用者Pの首に嵌めて一対の前記スナップボタン12で留める。前記ベロ14は、前記着用者Pの首前部から衣服の首元に差し込む。前記前身頃部2は、前記着用者Pの胸の前側に垂らす。
【0015】
前記ベロ部材14は、前記着用者Pの身体と衣服の間に差し込むことで首元の隙間がふさがれ、飲食物が首をつたって衣服の首元に入り込むことを防ぐ。また、吸水素材が水分を吸水し、防水素材が衣服まで浸透するのを防ぐ。
【0016】
前記着用者Pが飲食する際、前身頃側にこぼれた飲食物は、前記前身頃部2の前側を落下して開口中のポケット部3に入る。
【0017】
上記のような食事用エプロンでは、着用時、首とエプロンの間に隙間ができず、こぼれた飲食物が体側に落ちないため、衣服や着用者の胸部を汚すのを防ぐことができる。首周りには余裕があるため、苦しさを感じにくい。
【0018】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、食事用エプロン10の生地は、織物の布製にしているが、編物又は不織布にする。又は、合成樹脂フイルム、シリコン、紙等、面を形成する様々なもので応用する。
2.上記の実施形態において、首掛部1は一対のスナップボタン12でとめる構成にしているが、留め具をファスナ又は紐にしてもよく、あるいは、伸縮性のある素材で左右をつなぎ合わせた形状にすることで留め具を省くこともできる。
3.上記の実施形態において、首掛部1は前身頃部2からつながっているが、これを切り離して別々のパーツとし、スナップボタン、ファスナ、クリップなどで結合する。
4.上記の実施形態において、首掛部1のスナップボタン12は首の真後ろで結合する構成にしたが、首の横でもよく、首掛部と前身頃部で結合する構成としてもよく、あるいは首掛部を延長し背中でクロスさせて左右の前身頃脇部と結合とする構成としてもよい。
5.上記の実施形態において、首周りの形状はラウンドネックにしたが、スクエアネックやVネックでなど、一般的な衣服の首周りと同様にどのような形状でもよい。
6.上記の実施形態において、ベロ部材14は、吸水布と防水布が一体型となっているが、別布を重ねたものを使用する。
7.上記の実施形態において、ポケット部3は二対のスナップボタンで形成しているが、別のパーツを取り付ける。
8.上記の実施形態において、ポケット部3の開口部にポケットの開口状態を保持するための合成樹脂の形状保持コード又は、合成樹脂の形状保持テープ又は、金属の針金を取り付ける。
9.上記の実施形態において、腕を通す部分15は袖にする。
10.上記の実施形態において、腕を通す部分をなくしたシンプルなエプロン型とする。
11.上記の実施形態において、エプロン型ではなく前身頃部と後ろ見頃部のある衣服状の本体の首元にベロ14を取り付ける。
以上、本発明によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種に変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0019】
1 首掛部
1A 首掛部左側
1B 首掛部右側
2 前身頃部
3 ポケット部
10 食事用エプロン
12 首掛け部の一対のスナップボタン
14 ベロ部材
15 紐
16 ポケットを形成する為の右側の一対のスナップボタン
17 ポケットを形成する為の左側の一対のスナップボタン
P 着用者
図1
図2
図3
図4