IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グニテック コーポレーションの特許一覧

特開2022-70789相対位置測位システムおよび相対位置測位方法
<>
  • 特開-相対位置測位システムおよび相対位置測位方法 図1
  • 特開-相対位置測位システムおよび相対位置測位方法 図2
  • 特開-相対位置測位システムおよび相対位置測位方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070789
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】相対位置測位システムおよび相対位置測位方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/14 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
G01S5/14
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000628
(22)【出願日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】109137271
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】513018143
【氏名又は名称】グニテック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ファン-リュエイ シウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン-リャン シュ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ-ジャン リン
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062BB05
5J062CC14
5J062CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対位置測位システムおよび相対位置測位方法を提供する。
【解決手段】相対位置測位システム1およびその相対位置測位方法であって、方法は、複数の受信機10を制御して複数の測位信号をブロードキャストするステップと、主装置20が複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップと、複数の第1受信機を制御して第1測位データを主装置20に送信し、主装置20に複数の第1受信機(複数の第1受信機が第1応答信号を受信した装置である)との間の複数の距離を見つけ出させるステップと、測位対象物30が複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップと、第2受信機(第2受信機が複数の第1受信機に属し、かつ第2応答信号を受信した装置である)を制御して第2測位データを主装置に送信するステップと、主装置20と測位対象物30との相対位置関係を計算するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対位置測位システムにおいて使用され、空間内の主装置と測位対象物との相対位置関係を見つける相対位置測位方法であって、前記空間内には複数の受信機も備え、前記方法は、
前記複数の受信機を制御して複数の測位信号をブロードキャストするステップと、
前記主装置が前記複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップと、
複数の第1受信機を制御して第1測位データを統合すると共に前記主装置に送信し、前記主装置に前記複数の第1受信機(前記複数の第1受信機が第1応答信号を受信した装置である)との間の複数の距離を見つけ出させるステップと、
前記測位対象物が前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップと、
第2受信機(前記第2受信機が前記複数の第1受信機に属し、かつ前記第2応答信号を受信した装置である)を制御して第2測位データを統合すると共に前記主装置に送信するステップと、
さらに前記第2測位データに基づき前記主装置と前記測位対象物との前記相対位置関係を計算するステップと、
を含む相対位置測位方法。
【請求項2】
前記主装置と前記測位対象物から前記第2受信機までの夾角および2つの直線距離を見つけることで、前記主装置が前記測位対象物との前記相対位置関係を知ることができるようにさせるステップをさらに含む請求項1に記載の相対位置測位方法。
【請求項3】
前記測位対象物と同じ方位にある第3受信機を利用して前記夾角をあらかじめ推測するステップをさらに含む請求項2に記載の相対位置測位方法。
【請求項4】
前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つけるステップをさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の相対位置測位方法。
【請求項5】
前記第1測位データとして前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を統合するステップと、
前記第2測位データとして前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を統合するステップと、
をさらに含む請求項1に記載の相対位置測位方法。
【請求項6】
前記第1測位データまたは前記第2測位データとして統合するステップは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度(RSSI)を統合して前記第1測位データあるいは前記第2測位データになることをさらに含む請求項5に記載の相対位置測位方法。
【請求項7】
前記電力レベルを調整することにより精度を調整するステップをさらに含む請求項6に記載の相対位置測位方法。
【請求項8】
各受信機が測位信号をブロードキャストするための第1信号送信モジュールと、前記第1信号送信モジュールに電気的に接続されるデータ統合モジュールと、を備え、全て前記空間内に位置する複数の受信機と、
前記測位信号を受信した後、第1応答信号(データ統合モジュールは、前記第1応答信号に基づき第1測位データを生成する)を返すための第2信号送信モジュールと、前記第2信号送信モジュールに電気的に接続される計算モジュールと、を備える主装置と、
を備え、空間内で使用され、前記空間内に測位対象物もあり得る相対位置測位システムであって、
前記複数の第1受信機が前記第1応答信号を受信した後、前記複数の第1受信機の前記第1信号送信モジュールは、前記第1測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、前記計算モジュールに前記複数の第1受信機との間の複数の距離を見つけ出させ;前記測位対象物が前記空間内に位置する時、前記測位対象物は前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせ;前記第2応答信号を受信した第2受信機の前記第1信号送信モジュールは、さらに第2測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、ここで前記第2受信機が前記複数の第1受信機に属し;したがって、前記計算モジュールは、前記第2測位データに基づき前記主装置と前記測位対象物との相対位置関係を計算する相対位置測位システム。
【請求項9】
前記計算モジュールは、前記主装置と前記測位対象物から前記第2受信機までの夾角および2つの直線距離を見つけることで、前記主装置が前記測位対象物との前記相対位置関係を知ることができるようにさせる請求項8に記載の相対位置測位システム。
【請求項10】
前記計算モジュールは、前記測位対象物と同じ方位にある第3受信機を利用して前記夾角をあらかじめ推測する請求項9に記載の相対位置測位システム。
【請求項11】
前記計算モジュールは、前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つける請求項8~10のいずれか一項に記載の相対位置測位システム。
【請求項12】
前記複数の第1受信機の前記データ統合モジュールは、前記第1測位データとして前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を統合し;前記第2受信機の前記データ統合モジュールは、前記第2測位データとして前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を統合する請求項8に記載の相対位置測位システム。
【請求項13】
前記第1測位データまたは前記第2測位データは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度を含む請求項12に記載の相対位置測位システム。
【請求項14】
記複数の受信機は、前記電力レベルを調整することにより精度を調整する請求項13に記載の相対位置測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対位置測位システムおよび相対位置測位方法に関し、特に、位置を迅速に見つけ出すことができる相対位置測位システムおよび相対位置測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデバイス測位方法では、三角測量の原理を使用して、地図上の物体自体の位置を計算することがよくある。先行技術では、2つの物体の距離位置を見つけたい場合、3つの既知点も見つける必要がある。合計6つの位置を得た後、2つの物体の座標値、すなわちx値とy値を計算してから2つの物体間の距離を計算できる。このため、先行技術の計算方法は面倒であり、時間がかかりすぎる。物体の1つが動いている状態において、遅すぎる計算過程だと物体の位置をリアルタイムで検出できていなかった。
【0003】
したがって、従来技術の欠陥を解決するため、新しい相対位置測位システムおよび相対位置測位方を発明する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、位置を迅速に見つけ出すことができる効果を奏する相対位置測位システムを提供することである。
【0005】
本発明の別の主な目的は、上述のシステムを用いた相対位置測位方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の相対位置測位システムは、空間内で使用され、空間内に測位対象物もあり得る。相対位置測位システムは、複数の受信機と、主装置と、を備える。複数の受信機は、全て空間内に位置し、各受信機が第1信号送信モジュールと、データ統合モジュールと、を備え、第1信号送信モジュールが測位信号を発信するために用いられ、データ統合モジュールが第1信号送信モジュールに電気的に接続される。主装置は、第2信号送信モジュールと、計算モジュールと、を備え、第2信号送信モジュールが測位信号を受信した後、第1応答信号を返すために用いられ;データ統合モジュールは、第1応答信号に基づき第1測位データを生成する。計算モジュールは、第2信号送信モジュールに電気的に接続される。複数の第1受信機が第1応答信号を受信した後、複数の第1受信機の第1信号送信モジュールは、第1測位データを第2信号送信モジュールに送信し、計算モジュールに複数の第1受信機との間の複数の距離を見つけ出させ;測位対象物が空間内に位置する時、測位対象物は複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせ;第2応答信号を受信した第2受信機の第1信号送信モジュールは、さらに第2測位データを第2信号送信モジュールに送信し、ここで第2受信機が複数の第1受信機に属し;したがって、計算モジュールは、前記第2測位データに基づき主装置と測位対象物との相対位置関係を計算する。
【0007】
本発明の相対位置測位方法は、相対位置測位システムにおいて使用され、空間内の主装置と測位対象物との相対位置関係を見つける。空間内には、複数の受信機も備える。前記方法は、複数の受信機を制御して複数の測位信号をブロードキャストするステップと、主装置が複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップと、複数の第1受信機を制御して第1測位データを主装置に送信し、主装置に複数の第1受信機(複数の第1受信機が第1応答信号を受信した)との間の複数の距離を見つけ出させるステップと、測位対象物が複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップと、第2受信機(第2受信機が複数の第1受信機に属し、かつ第2応答信号を受信した)を制御して第2測位データを主装置に送信するステップと、さらに第2測位データに基づき主装置と測位対象物との相対位置関係を計算するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の相対位置測位システムのシステム構成図である。
図2】本発明の相対位置測位方法のステップの流れ図である。
図3】本発明の主装置、測位対象物または複数の受信機の関連位置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
審査官に本発明の技術内容をより理解してもらうため、以下、好ましい実施例を挙げて説明する。
【0010】
図1を参照すると、本発明の相対位置測位システムのシステム構成図である。
【0011】
本発明の一実施例において、相対位置測位システム1は、空間A内で使用される。空間Aは、屋内または屋外の場所とすることができ、本発明はこれに限定されない。相対位置測位システム1は、複数の受信機10と、主装置20と、を備え、主装置20が複数の受信機10を利用して空間A内に入る測位対象物30の相対位置を知る。受信機10、主装置20および測位対象物30は、全て無線信号を送信でき、例えばブルートゥース(登録商標)Meshまたは低消費電力ブルートゥース(登録商標)ビーコン(Bluetooth(登録商標) beacon)規格に適合する信号を送信するが、本発明はこの信号タイプに限定されない。複数の受信機10は、全て前記空間A内に位置し、複数の受信機10の位置座標が全て既知である。受信機10は、コンピュータシステム、基地局、家電または家具等の任意の装置であり得、本発明はその種類を限定しない。各受信機10は、第1信号送信モジュール11と、データ統合モジュール12と、を備える。第1信号送信モジュール11は、測位信号を外部に連続的にブロードキャストするために用いられる。測位信号は、主装置20または測位対象物30に送信でき、第1信号送信モジュール11も主装置20または測位対象物30からの戻り信号を受信できる。データ統合モジュール12は、前記第1信号送信モジュール11に電気的に接続され、第1信号送信モジュール11が受信した信号を統合するために用いられる。
【0012】
主装置20は、スマートフォンまたはスマートウェアラブル装置であり得るが、本発明はこれに限定されない。主装置20は、第2信号送信モジュール21と、計算モジュール22と、を備える。第2信号送信モジュール21は、複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を受信機10に返し、そして受信機10の前記データ統合モジュール12が前記第1応答信号に基づき第1測位データを生成するために用いられる。上記測位信号および第1応答信号は、各々受信機10および主装置20の識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度(RSSI)であり得るため、データ統合モジュール12によって生成される第1測位データは、両方の識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度を同時に含めることができ、次に第1信号送信モジュール11が第1測位データを主装置20に返す。受信機10は、前記電力レベルを調整することにより精度を調整することができ、電力レベルのデシベルが増加した後、より強い信号強度を得ることができ、計算結果をより正確にさせることができる。計算モジュール22は、前記第2信号送信モジュール21に電気的に接続され、計算モジュール22が受信機10によって送信された第1測位データに基づき、受信機10との間の距離を見つけることができる。複数の第1測位データを受信した場合において、計算モジュール22は、主装置20と複数の受信機との間の距離をそれぞれ計算できる。これにより、3つの受信機間の距離を知る限り、計算モジュール22は、三角測量の原理を利用して、地図上の主装置20自体の座標を計算することができる。三角測量の原理は、当業者によってすでによく知られているため、ここで原理の説明を省略する。
【0013】
測位対象物30は、同様にスマートフォンまたはスマートウェアラブルデバイスであり得るか、ペット、子供あるいは他の移動中の物体上に配置され得、信号を送信することができる第3信号送信モジュール31も有する。前記測位対象物30が前記空間Aに入ると、前記測位対象物30の第3信号送信モジュール31も同様に前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を受信機10に返す。この時、前記第2応答信号を受信した受信機10のデータ統合モジュール12は、前記第2応答信号に基づいて第2測位データを生成する。第2測位データは、同様に受信機10および測位対象物30の識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度を含み得る。次に前記第1信号送信モジュール11は、第2測位データを主装置20の第2信号送信モジュール21に送信し、それにより計算モジュール22は前記主装置20と前記測位対象物30との相対位置関係を見つけることができる。
【0014】
計算モジュール22は、第1測位データおよび第2測位データを利用して前記主装置20と前記測位対象物30から受信機10までの2つの直線距離を見つけ、次いで前記測位対象物30と同じ方位にある受信機10を利用しておおよその夾角を見つけることができることに留意されたい。この2本の直線および夾角により、主装置20から前記測位対象物30までの距離および角度を知ることができるため、2つの装置の相対位置を知ることができる。
【0015】
受信機10、主装置20および測位対象物30が備えた各モジュールは、ハードウェアデバイス、ハードウェアデバイスと組み合わされたソフトウェア、ハードウェアデバイスと組み合わされたファームウェアなどの方式によって構築できることに留意されたい。例えば、コンピュータプログラム製品をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納し、読み取って実行して本発明の様々な機能を達成することができるが、本発明は上記方式に限定されない。またこの実施形態は、本発明の好ましい実施例を例示するのみであり、冗長な説明を避けるため、変更のすべての可能な組み合わせは詳細に説明されない。しかしながら、上記の各モジュール又は構成要素は必ずしも必要ではないことを当業者は理解すべきである。かつ本発明を実施するために、他のより詳細な従来のモジュール又は構成要素も含めることができる。各モジュール又は構成要素は、必要に応じて省略或いは変更する可能性があり、かつ任意の2つのモジュール間に他のモジュール又は構成要素が存在する場合がある。
【0016】
測位対象物30の相対位置を見つける詳細な方法については、本発明の相対位置測位方法のステップの流れ図である図2および本発明の主装置、測位対象物または複数の受信機の関連位置の概略図である図3を参照されたい。ここで、以下に上本発明の相対位置測位方法を説明するための例として、上記相対位置測位システム1を使用するが、本発明の相対位置測位方法は、上記と同じ構造の相対位置測位システム1を使用するに限定されない。
【0017】
以下は、複数の受信機10を異なる用途に応じて複数の第1受信機101、第2受信機102および第3受信機103に分けることにも留意されたい。複数の第1受信機101は、第1測位データを主装置20に送信して計算モジュール22に距離を計算させるための複数装置である。第2受信機102は、第2測位データを主装置20に送信して計算モジュール22に距離を計算させるための装置であり、かつ第2受信機102が複数の第1受信機101のうちの1つに属しなければならない。第3受信機103は、計算モジュール22に角度を計算させるための装置である。
【0018】
図3に示す図を例にすると、相対位置測位システム1は、9つの受信機10a~10iを含み得るが、本発明はこの数に限定されず、受信機10a~10iの配置方式も図3の例に限るものではない。したがって、まず前記複数の受信機を制御して、複数の測位信号を発信するステップ201を実行する。
【0019】
まず受信機10a~10iは、随時測位信号をブロードキャストする。
【0020】
次に前記主装置が前記複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップ202を実行する。
【0021】
この時、主装置20の第2信号送信モジュール21は、前記複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すことができる。したがって、主装置20の第2信号送信モジュール21は、比較的近い受信機10a、10b、10dの測位信号を受信した後、第1応答信号を受信機10a、10b、10dに返す可能性がある。
【0022】
次に複数の第1受信機を制御して、第1測位データを統合すると共に前記主装置に送信し、前記主装置が前記複数の第1受信機との間の複数の距離を見つけるようにさせるステップ203を実行する。
【0023】
次に前記第1応答信号を受信した複数の第1受信機101、すなわち受信機10a、10b、10dのデータ統合モジュール12は、それぞれ第1測位データを統合してから第1信号送信モジュール11が第1測位データを主装置20に送信する。これにより、主装置20の計算モジュール22は、三角測量の原理を利用して主装置20と受信機10a、10b、10dとの間の距離D1、D2、D3を計算することでし、主装置20の座標をさらに知ることができる。
【0024】
さらに前記測位対象物が前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップ204を実行する。
【0025】
測位対象物30が空間A内に入ると、測位対象物30の第3信号送信モジュール31も同様に受信機10a~10iのうちの少なくとも1つの測位信号を受信し得る。そのため測位対象物30の第3信号送信モジュール31は、第2応答信号を返すことができる。
【0026】
次に第2受信機を制御して、第2測位データを統合すると共に前記主装置に送信するステップ205を実行する。
【0027】
距離の遠近に応じて、各受信機10a~10iは、第2応答信号を受信するわけではない。第2応答信号を受信した第2受信機102のデータ統合モジュール12は、第2応答信号および第2受信機102の測位信号に基づいて第2測位データを統合し、次に第1信号送信モジュール11を通じて主装置20に送信する。第2受信機102は、複数の第1受信機101内の装置に属さなければならないため、本実施例内の第2受信機102が受信機10dである。
【0028】
最後に前記主装置と前記測位対象物の前記相対位置関係を計算するステップ206を実行する。
【0029】
最後に主装置20の計算モジュール22は、第2測位データに基づいて測位対象物30から受信機10dまでの距離D4を計算する。第2受信機102を基準とし、前記測位対象物30と同じ方位にある第3受信機103を利用して夾角θを見つける。すなわち、受信機10dから見ると、受信機10iと測位対象物30は同じ方位に位置するため、本実施例内の第3受信機103が受信機10iである。主装置20の計算モジュール22は、受信機10dから受信機10iまでの位置、距離および傾きに基づいて夾角θを計算することができる。受信機10dから受信機10iと受信機10dから測位対象物30との間の傾きは、比較的近いので、夾角θおよび距離D3、D4に基づいて主装置20と測位対象物30との間の距離D5のおおよその長さおよび傾きを計算でき、これにより主装置20と測位対象物30との間の相対位置を知ることができる。
【0030】
ここで、本発明の相対位置測位方法は、上記のステップ順序に限定されず、本発明の目的が達成される限り、上記のステップ順序を変更することもできることに留意されたい。
【0031】
本願の相対位置測位方法および相対位置測位システム1を通じて、ネットワークWi-Fiの制限を受けることなく、特定の空間Aにおいて測位対象物30のおおよその位置を迅速に見出され得、測位対象物30の正確な座標を煩雑に計算する必要がない。
【0032】
上記をまとめて、本発明は、目的、手段及び効果を問わず、従来の技術とは全く異なるその特徴を示す。審査官は、何卒ご審理の上、速やかに特許査定賜りますようお願いする次第である。上記の様々な実施例は説明の便宜上の例に過ぎず、本発明の権利の範囲は、上記実施例に限定されるのではなく、特許請求の範囲に基づくべきであることに留意されたい。
【符号の説明】
【0033】
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i 受信機
1 相対位置測位システム
101 第1受信機
102 第2受信機
103 第3受信機
11 第1信号送信モジュール
12 データ統合モジュール
20 主装置
21 第2信号送信モジュール
22 計算モジュール
30 測位対象物
31 第3信号送信モジュール
A 空間
D1、D2、D3、D4、D5 距離
θ 夾角
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対位置測位システムにおいて使用され、空間内の主装置と測位対象物との相対位置関係を見つける相対位置測位方法であって、前記空間内には複数の受信機も備え、前記方法は、
前記複数の受信機を制御して複数の測位信号をブロードキャストするステップと、
前記主装置が前記複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップと、
複数の第1受信機を制御して、前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を第1測位データとして統合すると共に、前記第1測位データを前記主装置に送信し、前記主装置に前記複数の第1受信機の間の複数の距離を見つけ出させるステップであって、前記複数の第1受信機は前記第1応答信号を受信した装置である、ステップと、
前記測位対象物が前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップと、
第2受信機制御して、前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を第2測位データとして統合すると共に、前記第2測位データを前記主装置に送信するステップであって、前記第2受信機が、前記複数の第1受信機に属し、かつ前記第2応答信号を受信した装置である、ステップと、
前記第1測位データと前記第2測位データに基づいて、前記主装置から前記第2受信機までと、前記測位対象物から前記第2受信機までの、2つの直線距離を見つけるステップと、
前記第2受信機を基準として、第3の受信機によるおおよその夾角を取得するステップであって、前記第3の受信機は前記第2受信機から見て前記測位対象物と同じ方位にある、ステップと、
前記2つの直線距離と前記おおよその夾角に基づいて、前記主装置と前記測位対象物との前記相対位置関係を計算するステップと、
を含む相対位置測位方法。
【請求項2】
前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つけるステップをさらに含む請求項1に記載の相対位置測位方法。
【請求項3】
前記第1測位データまたは前記第2測位データとして統合するステップは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度(RSSI)を統合して前記第1測位データあるいは前記第2測位データになることをさらに含む請求項1に記載の相対位置測位方法。
【請求項4】
前記電力レベルを調整することにより精度を調整するステップをさらに含む請求項3に記載の相対位置測位方法。
【請求項5】
空間で使用される相対位置測位システムであり、前記空間内に測位対象物がある、前記相対位置測位システムであって、
前記空間内に位置する複数の受信機であって、前記複数の受信機の各々が、測位信号をブロードキャストするための第1信号送信モジュールと、前記第1信号送信モジュールに電気的に接続されるデータ統合モジュールと、を備える、前記複数の受信機と、
前記測位信号を受信した後、第1応答信号返すための第2信号送信モジュールであって、前記データ統合モジュールは、前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を第1測位データとして統合する、前記第2信号送信モジュールと、前記第2信号送信モジュールに電気的に接続される計算モジュールと、を備える主装置と、
を備え
前記複数の第1受信機が前記第1応答信号を受信した後、前記複数の第1受信機の前記第1信号送信モジュールは、前記第1測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、前記計算モジュールに前記複数の第1受信機との間の複数の距離を見つけ出させ;前記測位対象物が前記空間内に位置する時、前記測位対象物は前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせ;前記第2応答信号を受信した第2受信機の前記第1信号送信モジュールは、さらに第2測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、ここで前記第2受信機が前記複数の第1受信機に属し;前記第2受信機の前記データ統合モジュールは、前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を第2測位データとして統合し;前記計算モジュールは、前記第1測位データと前記第2測位データを用いて、前記主装置から前記受信機までと、前記測位対象物から前記受信機までの、2つの直線距離を計算し、その後、前記第2受信機を基準として、第3の受信機によるおおよその夾角を計算し、前記第3の受信機は前記第2受信機から見て前記測位対象物と同じ方位にあり、その後、前記計算モジュールは、前記2つの直線距離と前記おおよその夾角に基づいて、前記主装置と前記測位対象物との前記相対位置関係を計算する、
相対位置測位システム。
【請求項6】
前記計算モジュールは、前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つける請求項5に記載の相対位置測位システム。
【請求項7】
前記第1測位データまたは前記第2測位データは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度を含む請求項5に記載の相対位置測位システム。
【請求項8】
記複数の受信機は、前記電力レベルを調整することにより精度を調整する請求項7に記載の相対位置測位システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
上記をまとめて、本発明は、目的、手段及び効果を問わず、従来の技術とは全く異なるその特徴を示す。審査官は、何卒ご審理の上、速やかに特許査定賜りますようお願いする次第である。上記の様々な実施例は説明の便宜上の例に過ぎず、本発明の権利の範囲は、上記実施例に限定されるのではなく、特許請求の範囲に基づくべきであることに留意されたい。
〔付記1〕
相対位置測位システムにおいて使用され、空間内の主装置と測位対象物との相対位置関係を見つける相対位置測位方法であって、前記空間内には複数の受信機も備え、前記方法は、
前記複数の受信機を制御して複数の測位信号をブロードキャストするステップと、
前記主装置が前記複数の測位信号を受信した後、第1応答信号を返すようにさせるステップと、
複数の第1受信機を制御して第1測位データを統合すると共に前記主装置に送信し、前記主装置に前記複数の第1受信機(前記複数の第1受信機が第1応答信号を受信した装置である)との間の複数の距離を見つけ出させるステップと、
前記測位対象物が前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせるステップと、
第2受信機(前記第2受信機が前記複数の第1受信機に属し、かつ前記第2応答信号を受信した装置である)を制御して第2測位データを統合すると共に前記主装置に送信するステップと、
さらに前記第2測位データに基づき前記主装置と前記測位対象物との前記相対位置関係を計算するステップと、
を含む相対位置測位方法。
〔付記2〕
前記主装置と前記測位対象物から前記第2受信機までの夾角および2つの直線距離を見つけることで、前記主装置が前記測位対象物との前記相対位置関係を知ることができるようにさせるステップをさらに含む付記1に記載の相対位置測位方法。
〔付記3〕
前記測位対象物と同じ方位にある第3受信機を利用して前記夾角をあらかじめ推測するステップをさらに含む付記2に記載の相対位置測位方法。
〔付記4〕
前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つけるステップをさらに含む付記1~3のいずれか一項に記載の相対位置測位方法。
〔付記5〕
前記第1測位データとして前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を統合するステップと、
前記第2測位データとして前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を統合するステップと、
をさらに含む付記1に記載の相対位置測位方法。
〔付記6〕
前記第1測位データまたは前記第2測位データとして統合するステップは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度(RSSI)を統合して前記第1測位データあるいは前記第2測位データになることをさらに含む付記5に記載の相対位置測位方法。
〔付記7〕
前記電力レベルを調整することにより精度を調整するステップをさらに含む付記6に記載の相対位置測位方法。
〔付記8〕
各受信機が測位信号をブロードキャストするための第1信号送信モジュールと、前記第1信号送信モジュールに電気的に接続されるデータ統合モジュールと、を備え、全て前記空間内に位置する複数の受信機と、
前記測位信号を受信した後、第1応答信号(データ統合モジュールは、前記第1応答信号に基づき第1測位データを生成する)を返すための第2信号送信モジュールと、前記第2信号送信モジュールに電気的に接続される計算モジュールと、を備える主装置と、
を備え、空間内で使用され、前記空間内に測位対象物もあり得る相対位置測位システムであって、
前記複数の第1受信機が前記第1応答信号を受信した後、前記複数の第1受信機の前記第1信号送信モジュールは、前記第1測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、前記計算モジュールに前記複数の第1受信機との間の複数の距離を見つけ出させ;前記測位対象物が前記空間内に位置する時、前記測位対象物は前記複数の測位信号を受信した後、第2応答信号を返すようにさせ;前記第2応答信号を受信した第2受信機の前記第1信号送信モジュールは、さらに第2測位データを前記第2信号送信モジュールに送信し、ここで前記第2受信機が前記複数の第1受信機に属し;したがって、前記計算モジュールは、前記第2測位データに基づき前記主装置と前記測位対象物との相対位置関係を計算する相対位置測位システム。
〔付記9〕
前記計算モジュールは、前記主装置と前記測位対象物から前記第2受信機までの夾角および2つの直線距離を見つけることで、前記主装置が前記測位対象物との前記相対位置関係を知ることができるようにさせる付記8に記載の相対位置測位システム。
〔付記10〕
前記計算モジュールは、前記測位対象物と同じ方位にある第3受信機を利用して前記夾角をあらかじめ推測する付記9に記載の相対位置測位システム。
〔付記11〕
前記計算モジュールは、前記複数の第1受信機として3つの受信機を見つける付記8~10のいずれか一項に記載の相対位置測位システム。
〔付記12〕
前記複数の第1受信機の前記データ統合モジュールは、前記第1測位データとして前記複数の第1受信機の前記複数の測位信号および前記第1応答信号を統合し;前記第2受信機の前記データ統合モジュールは、前記第2測位データとして前記第2受信機の前記測位信号および前記第2応答信号を統合する付記8に記載の相対位置測位システム。
〔付記13〕
前記第1測位データまたは前記第2測位データは、前記主装置、前記測位対象物あるいは前記複数の受信機がそれぞれ有する識別子、電力レベルまたは無線受信信号強度を含む付記12に記載の相対位置測位システム。
〔付記14〕
記複数の受信機は、前記電力レベルを調整することにより精度を調整する付記13に記載の相対位置測位システム。