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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070797
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】自動販売機用商品見本の取付補助具
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20220506BHJP
【FI】
G07F9/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066237
(22)【出願日】2021-04-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2020180044
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390004949
【氏名又は名称】株式会社協同制作
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(72)【発明者】
【氏名】飯野 宰史
(72)【発明者】
【氏名】関 健司
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044EA12
3E044FB20
(57)【要約】
【課題】 自動販売機の商品見本装着台とシート状商品見本には何らの加工を施すことなく、商品見本装着台の商品見本装着孔に対して、安定した状態でシート状商品見本を取り付けることができる、取付補助具を提供する。
【解決手段】 取付補助具1は、装着孔取付部材2と、この装着孔取付部材2に立設されてシート状商品見本を保持する商品見本保持部材4とからなり、装着孔取付部材2は、商品見本装着孔に係止するための係止片24を一つずつ備える一対の平板状本体21,22と、これら平板状本体21,22を係止片24とは反対側の端縁で接続するとともに、これら平板状本体21,22の接離方向に変位可能な弾性部材23とを有する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の商品見本装着孔を設けてなる商品見本装着台に、前記商品見本装着孔に対してシート状商品見本を取り付けるための取付補助具であって、
前記商品見本装着孔に取り付ける装着孔取付部材と、前記シート状商品見本を保持する商品見本保持部材と、からなり、
前記装着孔取付部材は、前記商品見本装着孔の対向位置する縁部にそれぞれ係脱可能に係止する一対の係止部を備え、
前記商品見本保持部材は、前記シート状商品見本の左右側端をそれぞれ係脱可能に保持する一対の保持部を備え、前記装着孔取付部材の前記一対の係止部間における一方の係止部側に設けてなる
ことを特徴とする自動販売機用商品見本の取付補助具。
【請求項2】
前記装着孔取付部材は、
前記係止部を一端側にそれぞれ備える一対の平板状本体と、
これら平板状本体を前記係止部とは反対側の端縁で接続するとともに、これら平板状本体の接離方向に変位可能な弾性部材とを、
有し、
前記商品見本保持部材は、
前記平板状本体の一方に、その縁部に沿って設けてなる
ことを特徴とする請求項1記載の自動販売機用商品見本の取付補助具。
【請求項3】
前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部材とは一体的に設けてなる
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動販売機用商品見本の取付補助具。
【請求項4】
前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部材とは別体に設け、
前記装着孔取付部材には係合孔を設け、
前記商品見本保持部材には前記係合孔の対向位置する縁部に係合する一対の係合部を設け、
前記係合孔に前記一対の係合部を係脱可能に係合して、前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部材を固定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動販売機用商品見本の取付補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機の商品見本装着孔(以下単に「装着孔」という。)を設けてなる商品見本装着台(以下単に「装着台」という。)に、前記装着孔に対してシート状商品見本を取り付けるための取付補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動販売機における装着台としては、商品見本の展示効果を上げるために、内部に照明器具を配置した構成のものが一般的であり、商品見本を装着する面には照明用透孔を兼ねる装着孔を設けている。この装着孔は、従来の商品見本のほとんどが円筒状のため、これに対応すべく円形のものが多いが、径の異なるものや、縁部に切り欠きを形成したものなど、各種の構成がある。一方、商品見本としては、商品形状に倣った合成樹脂製の筒状のものや、前面側半分を模した半割状のものがあるが、経済性を考慮すると、合成樹脂シートに商品の外観意匠を印刷したシート状商品見本が好適である。しかしながら、このシート状商品見本を直接、前記装着孔に取り付けることはできない。
【0003】
このため、従来においては、装着台に化粧枠を設け、この化粧枠に一対の係合穴を形成し、これら係合穴に、シート状商品見本の下部の左右側縁に設けたL字状の切込みからなる係止片を差し込んで係止することで、前記装着台に前記シート状商品見本を取り付けることが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-115941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来においては、装着台とシート状商品見本の双方に、別途加工を施す必要があるので、加工が煩雑であるとともに、汎用性に欠けるという不都合があった。本発明は、この不都合を解消して、装着台とシート状商品見本には何らの加工を施すことなく、装着台の装着孔に対して、安定した状態でシート状商品見本を取り付けることができる、取付補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、本発明の請求項1に係る自動販売機用商品見本の取付補助具は、自動販売機の装着孔を設けてなる装着台に、前記装着孔に対してシート状商品見本を取り付けるための取付補助具であって、前記装着孔に取り付ける装着孔取付部材と、前記シート状商品見本を保持する商品見本保持部材と、からなり、前記装着孔取付部材は、前記装着孔の対向位置する縁部にそれぞれ係脱可能に係止する一対の係止部を備え、前記商品見本保持部材は、前記シート状商品見本の左右側端をそれぞれ係脱可能に保持する一対の保持部を備え、前記装着孔取付部材の前記一対の係止部間における一方の係止部側に設けてなるものである。
【0007】
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項2に係る自動販売機用商品見本の取付補助具は、前記請求項1に係る自動販売機用商品見本の取付補助具の構成において、前記装着孔取付部材は、前記一対の係止部の一方を一端縁側にそれぞれ備える一対の平板状本体と、これら平板状本体を前記各係止部とは反対側で接続するとともに、これら平板状本体の接離方向に変位可能な弾性部材とを有し、前記商品見本保持部は、前記一対の平板状本体の一方に、その縁部に沿って設けてなるものである。
【0008】
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項3に係る自動販売機用商品見本の取付補助具は、前記請求項1または請求項2に係る自動販売機用商品見本の取付補助具の構成において、前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部とを一体的に設けてなるものである。
【0009】
同じく前記目的を達成するために、本発明の請求項4に係る自動販売機用商品見本の取付補助具は、前記請求項1または請求項2に係る自動販売機用商品見本の取付補助具の構成において、前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部材とを別体に設け、前記装着孔取付部材には係合孔を設け、前記商品見本保持部材には前記係合孔の対向位置する縁部に係合する一対の係合部を設け、前記係合孔に前記一対の係合部を係脱可能に係合して、前記装着孔取付部材と前記商品見本保持部材を固定するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る自動販売機用商品見本の取付補助具によれば、装着台やシート状商品見本に別途加工を施すことなく、シート状商品見本を装着台の装着孔に対して、安定した状態で確実に取り付けられるという効果を奏する。
【0011】
本発明の請求項2に係る自動販売機用商品見本の取付補助具によれば、前記請求項1の奏する効果に加え、装着孔取付部材を一対の平板状本体で構成し、これら平板状本体の接離方向に変位可能な弾性部材を設けたので、装着孔取付部材の装着孔への脱着動作が容易であるという効果を奏する。
【0012】
本発明の請求項3に係る自動販売機用商品見本の取付補助具によれば、前記請求項1または請求項2の奏する効果に加え、装着孔取付部材と商品見本保持部材とを一体的に設けたので強度的に優れるという効果を奏する。
【0013】
本発明の請求項4に係る自動販売機用商品見本の取付補助具によれば、前記請求項1または請求項2の奏する効果に加え、装着孔取付部材と商品見本保持部材とを別体に設けたので、製造が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態における商品見本の取付補助具の正面図。
図2】同じく右側面図。
図3】同じく底面図。
図4】同じく斜視図
図5】同じくシート状商品見本を保持した取付補助具を装着台に取り付けた状態の装着台を破断して下方から示す斜視図。
図6】同じく上方から示す斜視図。
図7】本発明の第2の実施形態における装着孔取付部材の斜視図。
図8】同じく底面図。
図9】同じく商品見本保持部材の斜視図。
図10】同じく商品見本保持部材を装着孔取付部材に組み付けて固定した取付補助具の斜視図。
図11】本発明の第3の実施形態における商品見本の取付補助具の平面図。
図12】同じく底面図。
図13】同じく斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について説明するが、始めに、本発明の商品見本の取付補助具を取り付ける装着台の一例を説明する。図5に示すように、一部のみ図示する装着台101の上板には、内部に配置した照明器具(図示せず)の光を通過させる照明用透孔を兼ねる複数の装着孔102(1個のみ図示)を設けている。この装着台101は、自動販売機(図示せず)内の商品見本展示部(図示せず)に配置して固定するものである。そして、前記装着孔102の数は、前記商品見本展示部に対応する装着台101の長さ及び自動販売機で販売する商品の種類数に応じて決定される。前記装着孔102の形状は円形状である。
【0016】
次いで、第1の実施形態である、一体型の取付補助具について添付図面の図1図6に基づき説明する。図1に示すように、取付補助具1は、装着孔102(図5参照)に取り付けるための装着孔取付部材2と、合成樹脂製のシート状商品見本103(図5図6参照)を保持するための商品見本保持部材4とが一体化されてなるもので、合成樹脂製である。
【0017】
図3で最もよく理解できるように、装着孔取付部材2は、平面形状がほぼ弓形の平板状で直状縁部と円弧状縁部を有する前部本体21と、平面形状がほぼ長方形の平板状である後部本体22とを、弾性部材23で接続してなる。前記前部本体21と前記後部本体22とによって一対の平板状本体を構成する。前記弾性部材23は、図2に示すように、側面逆U字状のつまみ部23aの両端がそれぞれ側面U字状に延びて前記前部本体21の直状縁部下面と前記後部本体22の一端縁下面に固定され、前記各本体21,22の接離方向に弾性力を有し、同方向に変位可能である。したがって、前記つまみ部23aを接近するようにつまむことで、前記各本体21,22を互いの接近方向に変位させることができ、前記つまみ力を解除すると前記弾性部材23は前記各本体21,22とともに原位置に復帰する。前記各本体21,22の互いの接続端とは反対側にはそれぞれ、一対の係止部の一方たる断面ほぼL字状の奥行のある係止片24と、同じく一対の係止部の一方たる断面ほぼL字状の奥行きのない係止片25を設けている。前記係止片24は先端に向けて上方に傾斜している。
【0018】
図5に示すように、各係止片24,25は装着孔102の互いに対向する縁部に弾性部材23の弾性力で確実に接合し、各本体21,22を装着台101に係脱自在に係止するものである。前記係止片24は弾性を有し、その先端部が装着台101に下方から弾接する。この係止片24に対応する前部本体21の部分には切り欠き部26を設けている(図3図4参照)。前記前部本体21の前記切り欠き部26の両側縁近傍と、後部本体22の係止片25の両側縁の近傍には、それぞれ装着孔102の縁部に係止して各本体21,22を位置決めする突起27,28,29,30を設けている(図3参照)。
【0019】
図1図3に示すように、前部本体21の下面には、係止片24の基端部の両脇に、装着台101の装着孔102縁部を前記前部本体21とともに上下方向から挟持する断面ほぼL字状の一対の押さえ片31,32を設けている。これらの各押さえ片31,32にそれぞれ対応する前記前部本体21の部分には、装着孔102からの光を通すために開口33,34を設けている。
【0020】
一方、図1図2図4に示すように、商品見本保持部材4は、長方形状の平面板本体40の左右側端に沿って、一対の保持部たる内側に向けて湾曲傾斜する保持板41,42を有する。また、前記商品見本保持部材4は、前記各保持板41,42の下端部から前部本体21の前端に沿って切り欠き部26まで延びる下部保持板43を有し、一対の係止片24,25間における一方の係止片24側に位置して前記前部本体21上に一体的に立設されている。
【0021】
なお、下部保持板43は、図6に示すように、シート状商品見本103の下端部を保持するものであるが、前記シート状商品見本103の左右各側端をそれぞれ保持する前記各保持板41,42の構成によっては必ずしも設ける必要はない。さらに、前記商品見本保持部材4には、軽量化を図るとともに装着孔102からの光を通すために平面板本体40に三つの透孔44,45,46を設けている。
【0022】
図5及び図6に示すように、商品見本保持部材4には、シート状商品見本103が、湾曲された状態で両側部は各保持板41,42に弾接して保持され、下端部は下部保持板43に弾接して保持される。図示していないが、前記シート状商品見本103の表面には、商品名や商品容器のデザインにならった図柄や文字が描かれているものである。
【0023】
次いで、装着台101の装着孔102に対する取付補助具1を用いたシート状商品見本103の取付動作を説明する。まず、シート状商品見本103を商品見本保持部材4に、図5及び図6に示す所定状態で保持する。取付補助具1を、その装着孔取付部材2が装着孔102に対応するよう位置させ、弾性部材23のつまみ部23aを摘まんで、前部本体21と後部本体22を互いに接近するよう変位し、各押さえ片31,32と係止片24の先端部が装着台101の下面に接するように前記各本体21,22を前記装着台101上に載置する。なお、前記シート状商品見本103は、前記取付補助具1を前記装着孔102に取り付けた後に、前記商品見本保持部材4に保持してもよい。
【0024】
次に、前部本体21の各突起27,28が装着孔102の縁部に接合するまで進入させて前記前部本体21を位置決めして係止する。そして、つまみ部23aに加えていたつまみ力を解除すると、弾性部材23の弾性力によって、前記各本体21,22は互いに離反する方向に変位し、後部本体22はその突起29,30が装着孔102の縁部に接合するまで後退し、係止片25が装着孔102の縁部近傍の装着台101下面と接合して係止し、図5及び図6に示す状態となり、取り付け動作が終了する。
【0025】
一方、取り付け状態にある取付補助具1を装着台101の装着孔102から脱却するには、つまみ部23aを摘まんで前部本体21と後部本体22を互いの接近方向に変位し、各係止片24,25の装着台101との係止状態を解除して、装着孔102から離反するように引き上げればよいものである。
【0026】
続いて、第2の実施形態である、別体型の取付補助具について添付図面の図7図10に基づき説明する。図10に示す取付補助具11は、上述した第1の実施形態と同様に装着台101の装着孔102(図5参照)に取り付けるための合成樹脂製の装着孔取付部材51(図7図8参照)と、合成樹脂製のシート状商品見本103(図5図6参照)を保持するための合成樹脂製の商品見本保持部材71(図9参照)とからなるが、これらを別体で形成して、組み立て固定してなるものである。
【0027】
まず、装着孔取付部材51について説明するが、この装着孔取付部材51は、基本的には第1の実施形態の装着孔取付部材2と同一構成であるので、以下には相違する構成についてのみ説明し、対応する構成部分には同一符号を付するに止め、詳細な説明は省略する。図7及び図8に示すように、装着孔取付部材51は、前部本体21の係止片24、一対の開口33,34、弾性部材23に囲まれた部分に、係合孔52を形成し、また、円弧状の前縁に沿って下部保持板53を立設している。なお、第1の実施形態と異なり、前記開口33,34に対応する押さえ片31,32は設けていない。一方、後部本体22の平面形状はほぼ弓形である。その他の構成は上述した装着孔取付部材2と同様である。
【0028】
次に、商品見本保持部材71について説明するが、この商品見本保持部材71は、基本的には第1の実施形態の商品見本保持部材4と同一構成であるので、以下には相違する構成についてのみ説明し、対応する構成部分には同一符号を付するに止め、詳細な説明は省略する。図9に示すように、商品見本保持部材71は、透孔46の上縁から垂下する一対の係合部である一対の係合脚72,73を有するとともに、前記透孔46の両側縁に嵌入部74(一方のみ図示)を有する。
【0029】
この嵌入部74は、横長シート状で商品の宣伝文などを表示した表示シート(図示せず)の長手方向両端に設けた係止片を嵌入係止するためのものである。前記表示シートは取付補助具11を組み立てた後(図10参照)、下部保持板53の外側に沿うように配置され、その両端を商品見本保持部材71の裏側へ折り曲げて、前記係止片を前記嵌入部74に嵌入係止する。この表示シートは必ず配置する必要はないが、これを配置することで商品の宣伝を促進することができる。
【0030】
図9に示すように、各係合脚72,73は互いの接離方向に変位可能となる弾性を有し、また、長手方向中央部からやや下端部寄りに段部72a,73aを形成している。前記各係合脚72,73の外側面間の間隔は、装着孔取付部材51の係合孔52の長辺方向の長さよりも若干長く設定している。なお、下部保持板53は、第1の実施形態と異なり、装着孔取付部材51に設けたので、商品見本保持部材71には設けていない。他の構成は上述した商品見本保持部材4と同様である。
【0031】
ここで、上述した装着孔取付部材51と商品見本保持部材71の組み立て動作を説明する。まず、前記商品見本保持部材71の各係合脚72,73を前記装着孔取付部材51の係合孔52と対応位置させて、前記各係合脚72,73の各外側面が前記係合孔52の長辺方向端の各縁部と弾接した状態で、各段部72a,73aが前部本体21の上面と接合するまで挿入する。すると、各保持板41,42は、その底面が前部本体21の上面に接合し、その各前端面下端部が下部保持板53の各側端縁と接合する状態となり、図10図示状態となって組み立ては終了し、前記装着孔取付部材51と前記商品見本保持部材71は固定されて取付補助具11が形成される。
【0032】
取付補助具11へのシート状商品見本103の取り付けは、上述した第1の実施形態の場合と同一であるため、その説明は省略する。また、前記取付補助具11の装着台101への取り付け及び脱却は、各押さえ片31,32の動作を除いて上述した第1の実施形態の場合と同一であるから、その説明は省略する。
【0033】
続いて、第3の実施形態である、第1の実施形態とは別の一体型の取付補助具について、添付図面の第11図~第13図に基づき説明する。図13に示すように、取付補助具111は、第1の実施形態で説明した装着孔102(図5参照)に取り付けるための装着孔取付部材112と、同じく第1の実施形態で説明した合成樹脂製のシート状商品見本103(図5図6参照)を保持するための商品見本保持部材131とが一体化されてなるもので、合成樹脂製である。
【0034】
図11図13に示すように、装着孔取付部材112は、平面形状がほぼ弓形の平板状で直状縁部と円弧状縁部を有する前部本体113と、平面形状が同じくほぼ弓形の平板状で直状縁部と円弧状縁部を有する後部本体114とを、弾性部材116で接続してなる。前記前部本体113と前記後部本体114とによって一対の平板状本体を構成する。前記弾性部材116は、平面ほぼS字状で一端が前記前部本体113の直状縁部下面に固定され、他端が前記後部本体114の直状縁部下面に固定され、肉薄部116aが前記各本体113,114の接離方向に弾性的に変位することで、前記各本体113,114が接離方向に変位することを可能にする。
【0035】
前部本体113の接続端とは反対側には、一対の係止部の一方たる断面ほぼL字状の奥行のある係止片117を設けている。この係止片117は先端に向けて上方に傾斜している。また、後部本体114の接続端とは反対側には、一対の係止部の一方たる断面ほぼL字状の奥行きのない二つの係止片118,119を設けている。前記後部本体114の両側端部にはそれぞれ段差部120,121を設けている。
【0036】
図示していないが、第1実施形態の各係止片24,25と同様に、各係止片117,118,119は装着孔102(図5参照)の互いに対向する縁部に弾性部材116の弾性力で確実に接合し、各本体113,114を装着台101(図5参照)に係脱自在に係止するものである。前記係止片117は弾性を有し、その先端部が装着台101に下方から弾接する。
【0037】
図11図13に示すように、前部本体113の係止片117に対応する部分には透孔122を設けている。前記前部本体113下面の前記透孔122の両側縁近傍には、装着孔102(図5参照)の縁部に係止して前記前部本体113を位置決めする突起123,124を設けている。また、前記透孔122の先端側に対応する前記前部本体113の円弧状縁部中央の上面には、保持突起125を設けている。前記前部本体113には、装着孔102(図5参照)からの光を通すために開口126,127を設けている。
【0038】
一方、図11図13に示すように、商品見本保持部材131は、長方形状の平面板本体132の左右側端に沿って、一対の保持部たる内側に向けて湾曲傾斜する保持板133,134を有する。前記商品見本保持部材131は、一方の係止部である係止片117側の前部本体113上に、前記平板状本体132が前記前部本体113の直状縁部に沿って一体的に立設され、前記各保持板133,134は前記直状縁部に続く円弧状縁部に沿って位置している。また、図13に示すように、前記商品見本保持部材131には、軽量化を図るとともに装着孔102からの光を通すために二つの透孔135,136を設けている。
【0039】
図示してはいないが、第1の実施形態と同様に、商品見本保持部材131には、シート状商品見本103(図5図6参照)が、湾曲された状態で両側部は各保持板133,134に弾接して保持され、下端部は保持突起125に弾接して保持される。なお、前記シート状商品見本103の表面には、商品名や商品容器のデザインにならった図柄や文字が描かれていることも、第1の実施形態と同様である。
【0040】
次いで、図5に示す装着台101の装着孔102に対する取付補助具111を用いたシート状商品見本103(図5図6参照)の取付動作を説明する。まず、シート状商品見本103を商品見本保持部材131に、湾曲された状態で両側部を各保持板132,133に弾接して保持し、下端部は保持突起125に弾接して保持する所定状態で保持する。後部本体114の段差部120を左手で把持し,段差部121を右手で把持して、前部本体113の各突起123,124が装着孔102の縁部に接合するまで進入させて前記前部本体113を位置決めし、係止片117の先端上面を装着台101下面に弾接して前記前部本体113を係止する。なお、前記シート状商品見本103は、前記取付補助具111を前記装着孔102に取り付けた後に、前記商品見本保持部材131に保持してもよい。
【0041】
この状態でさらに、後部本体114を前部本体113方向に押動すると、弾性部材116の肉薄部116aが撓んで、前記各本体113,114は互いの接近方向に変位し、前記後部本体114が装着孔102(図5参照)内に位置する状態となる。ここで、前記後部本体114に対する押動力を徐々に解除すると、前記肉薄部116aの弾性変位にともない、前記後部本体114は前記前部本体113から離反する方向に変位し、その係止片118,119が装着孔102の縁部近傍の装着台101下面(図5参照)と接合して係止し、取り付け動作が終了する。
【0042】
一方、取り付け状態にある取付補助具111を装着台101の装着孔102(図5参照)から脱却するには、段差部120,121を左右の各手で把持して、後部本体114を前部本体113方向に押動することにより、前記後部本体114を前記前部本体113の方向に変位し、各係止片118,119の装着台101との係止状態を解除して、装着孔102(図5参照)から離反するように引き上げればよいものである。
【0043】
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1の実施形態における装着孔取付部材2の押さえ片31,32は必ずしも設ける必要はない。また、第2の実施形態における商品見本保持部材71の嵌入部74は必ずしも設ける必要はない。さらに、第3の実施形態における保持突起125に変えて、第1及び第2の実施形態における下部保持板43,53を設けてもよい。さらにまた、装着孔取付部材2,51,112は、前部本体21,113と後部本体22,114を弾性部材23,116で接続する構成に限らず、一つの平板状本体で構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,11,111 取付補助具
2,51,112 装着孔取付部材
4,71,131 商品見本保持部材
21,113 前部本体
22,114 後部本体
23,116 弾性部材
23a つまみ部
24,25,117,118,119 係止片
40,132 平面板本体
41,42,133,134 保持板
43,53 下部保持板
52 係合孔
72,73 係合脚
101 装着台
102 装着孔
103 シート状商品見本
116a 肉薄部
120,121 段差部
125 保持突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この目的を達成するため、本発明の請求項1に係る自動販売機用商品見本の取付補助具は、自動販売機の装着孔を設けてなる装着台に、前記装着孔に対してシート状商品見本を取り付けるための取付補助具であって、前記装着孔に取り付ける装着孔取付部材と、前記シート状商品見本を保持する商品見本保持部材と、からなり、前記装着孔取付部材は、前記装着孔の対向位置する縁部にそれぞれ係脱可能に係止する一対の係止部を備え、前記商品見本保持部材は、湾曲された状態の前記シート状商品見本の左右側端をそれぞれ係脱可能に弾接保持する一対の側部保持部と、前記湾曲された状態の前記シート状商品見本の下端部を係脱可能に弾接保持する下部保持部と、を備え、前記装着孔取付部材の前記一対の係止部間における一方の係止部側に設けてなるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
一方、図1図2図4に示すように、商品見本保持部材4は、長方形状の平面板本体40の左右側端に沿って、一対の側部保持部たる内側に向けて湾曲傾斜する保持板41,42を有する。また、前記商品見本保持部材4は、前記各保持板41,42の下端部から前部本体21の前端に沿って切り欠き部26まで延びる下部保持部である下部保持板43を有し、一対の係止片24,25間における一方の係止片24側に位置して前記前部本体21上に一体的に立設されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
まず、装着孔取付部材51について説明するが、この装着孔取付部材51は、基本的には第1の実施形態の装着孔取付部材2と同一構成であるので、以下には相違する構成についてのみ説明し、対応する構成部分には同一符号を付するに止め、詳細な説明は省略する。図7及び図8に示すように、装着孔取付部材51は、前部本体21の係止片24、一対の開口33,34、弾性部材23に囲まれた部分に、係合孔52を形成し、また、円弧状の前縁に沿って下部保持部材たる下部保持板53を立設している。なお、第1の実施形態と異なり、前記開口33,34に対応する押さえ片31,32は設けていない。一方、後部本体22の平面形状はほぼ弓形である。その他の構成は上述した装着孔取付部材2と同様である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
図9に示すように、各係合脚72,73は互いの接離方向に変位可能となる弾性を有し、また、長手方向中央部からやや下端部寄りに段部72a,73aを形成している。前記各係合脚72,73の外側面間の間隔は、装着孔取付部材51の係合孔52の長辺方向の長さよりも若干長く設定している。なお、下部保持板53は、第1の実施形態と異なり、各保持板41,42とは別体として、装着孔取付部材51に設けている。他の構成は上述した商品見本保持部材4と同様である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
図11図13に示すように、前部本体113の係止片117に対応する部分には透孔122を設けている。前記前部本体113下面の前記透孔122の両側縁近傍には、装着孔102(図5参照)の縁部に係止して前記前部本体113を位置決めする突起123,124を設けている。また、前記透孔122の先端側に対応する前記前部本体113の円弧状縁部の中央の上面には、下部保持部たる保持突起125を設けている。前記前部本体113には、装着孔102(図5参照)からの光を通すために開口126,127を設けている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
一方、図11図13に示すように、商品見本保持部材131は、長方形状の平面板本体132の左右側端に沿って、一対の側部保持部たる内側に向けて湾曲傾斜する保持板133,134を有する。前記商品見本保持部材131は、一方の係止部である係止片117側の前部本体113上に、前記平板状本体132が前記前部本体113の直状縁部に沿って一体的に立設され、前記各保持板133,134は前記直状縁部に続く円弧状縁部に沿って位置している。また、図13に示すように、前記商品見本保持部材131には、軽量化を図るとともに装着孔102からの光を通すために二つの透孔135,136を設けている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
自動販売機の商品見本装着孔を設けてなる商品見本装着台に、前記商品見本装着孔に対してシート状商品見本を取り付けるための取付補助具であって、
前記商品見本装着孔に取り付ける装着孔取付部材と、前記シート状商品見本を保持する商品見本保持部材と、からなり、
前記装着孔取付部材は、前記商品見本装着孔の対向位置する縁部にそれぞれ係脱可能に係止する一対の係止部を備え、
前記商品見本保持部材は、湾曲された状態の前記シート状商品見本の左右側端をそれぞれ係脱可能に弾接保持する一対の側部保持部と、前記湾曲された状態の前記シート状商品見本の下端部を係脱可能に弾接保持する下部保持部と、を備え、前記装着孔取付部材の前記一対の係止部間における一方の係止部側に設けてなる
ことを特徴とする自動販売機用商品見本の取付補助具。