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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070815
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20220506BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B41J2/17 103
B41J2/21
B41J2/17 207
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167231
(22)【出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2020179989
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】岡井 俊介
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA11
2C056EA16
2C056EE18
2C056FA10
2C056FB03
2C056HA42
2C056JC17
2C056JC18
(57)【要約】
【課題】フィルタの収容部を汚す可能性を低減する印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷装置は、ヘッドと、インクミストを回収するフィルタ480を収容する収容部49と、収容部49の上方に配置され、収容部49に収容されたフィルタ480に前記インクミストによる廃インク滴200をガイドするガイド部100とを備える。ガイド部100がインクミストからなる廃インク滴200をフィルタ480にガイドし、フィルタ480は廃インク滴200を回収する。従って、ガイド部100が設けられない印刷装置よりも、収容部49が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドと、
インクミストを回収するフィルタを収容する収容部と、
前記収容部の上方に配置され、前記収容部に収容された前記フィルタに前記インクミストによる廃インク滴をガイドするガイド部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記廃インク滴を前記フィルタに滴下させる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記収容部の上方に配置された側壁から側方に延びるガイド板を備え、
前記ガイド板の前記側方の先端から重力方向に下がった位置に前記収容部に収容された前記フィルタが配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記フィルタは、複数並ぶことによって、又は仕切りによって複数個所で上方に露出し、
前記ガイド板は、前記複数個所の位置の少なくとも1つで、前記先端が最下端となる形状を有することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
第1色の液体を吐出する第1ノズル列と、
前記第1ノズル列に対して副走査方向に配置され、且つ第2色の液体を吐出する第2ノズル列とを備え、
前記フィルタは、前記副走査方向に長手方向が一致して配置される、又は前記副走査方向に配置された複数の小フィルタから構成されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記副走査方向において、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の配置領域に前記収容部の少なくとも一部が配置されることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記フィルタは、前記インクジェットヘッドよりも下方に設けられ、
前記フィルタよりも下方に前記インクミストを吸引するファンが設けられることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記収容部は、前記フィルタを収容位置に位置決めする位置決め部を有することを特徴とする請求項1~7の何れかに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記収容部は、交換位置と使用位置とに移動し、
前記位置決め部は、
前記使用位置において、前記フィルタの前記収容位置の底面から前記フィルタの高さ以上離れた位置に設けられた第1位置決め部と、
前記収容位置よりも外側において、前記収容位置の底面よりも突出した第2位置決め部とを有し、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部は、前記フィルタの高さ方向において、前記フィルタの高さよりも短い距離離れていることを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記位置決め部は、前記フィルタを前記収容位置へとガイドするガイド斜面を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインクジェット式の印刷装置は、特許文献1に記載されているように、ヘッド、キャリッジ、印字領域、維持回復機構、及び吸収部材を備える。ヘッドはキャリッジに搭載され、主走査方向に移動し、印字領域に搬送された用紙等の被記録媒体に印刷を行う。維持回復機構は、印字領域に対して主走査方向側に設けられ、ヘッドの維持回復を行う。印字領域と維持回復機構との間に空間が設けられる。空間の底部にインクミストを吸収する吸収部材が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-235471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の印刷装置では、吸収部材が設けられる底部から上方に向かって延びる壁面をインクミストからなる廃インク滴が伝う。この結果、吸収部材が設けられている空間を形成する壁面を廃インクが汚す可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、フィルタの収容部を汚す可能性を低減する印刷装置を提供することである。
【0006】
本発明の第一態様に係る印刷装置は、インクジェットヘッドと、インクミストを回収するフィルタを収容する収容部と、前記収容部の上方に配置され、前記収容部に収容された前記フィルタに前記インクミストによる廃インク滴をガイドするガイド部とを備える。ガイド部がインクミストからなる廃インク滴をフィルタにガイドし、フィルタは廃インク滴を回収する。従って、ガイド部が設けられない印刷装置よりも、収容部が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0007】
前記ガイド部は、前記廃インク滴を前記フィルタに滴下させる形状を有してもよい。ガイド部は廃インク滴をフィルタに滴下させる形状を有するので、廃インク滴はガイド部からフィルタに滴下し、フィルタが廃インク滴を回収する。従って、収容部が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0008】
前記ガイド部は、前記収容部の上方に配置された側壁から側方に延びるガイド板を備え、前記ガイド板の前記側方の先端から重力方向に下がった位置に前記収容部に収容されたフィルタが配置されてもよい。ガイド板は、収容部の上方に配置された側壁から垂れる廃インク滴をフィルタにガイドする。従って、収容部が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0009】
前記フィルタは、複数並ぶことによって、又は仕切りによって複数個所で上方に露出し、前記ガイド板は、前記複数個所の位置の少なくとも1つで、前記先端が最下端となる形状を有してもよい。ガイド板は、複数個所で上方に露出したフィルタに最下端から廃インク滴を滴下する。従って、廃インク滴をフィルタが回収して収容部が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0010】
第1色の液体を吐出する第1ノズル列と、前記第1ノズル列に対して副走査方向に配置され、且つ第2色の液体を吐出する第2ノズル列とを備え、前記フィルタは、前記副走査方向に長手方向が一致して配置される、又は前記副走査方向に配置された複数の小フィルタから構成されてもよい。第1ノズル列に対して第1色の液体と異なる第2色の液体を吐出する第2ノズル列が設けられるので、インクミストの発生領域が副走査方向に広がる。フィルタは、副走査方向に長手方向が一致して配置される、又は副走査方向に配置された複数の小フィルタから構成される。従って、フィルタが廃インク滴を回収して収容部が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0011】
前記副走査方向において、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列の配置領域に前記収容部の少なくとも一部が配置されてもよい。副走査方向において、第1ノズル列と第2ノズル列の配置領域に収容部の少なくとも一部が配置されるので、第1ノズル列と第2ノズル列とから発生したインクミストによる廃インク滴をフィルタは回収しやすくなる。従って、収容部がインクミストによる廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0012】
前記フィルタは、前記インクジェットヘッドよりも下方に設けられ、前記フィルタよりも下方に前記インクミストを吸引するファンが設けられてもよい。ファンによりインクミストは吸引され、フィルタがインクミストを回収する。従って、印刷装置内において収容部以外が汚れる可能性が低減する。
【0013】
前記収容部は、前記フィルタを収容位置に位置決めする位置決め部を有してもよい。位置決め部はフィルタを収容部の収容位置に位置決めするので、フィルタが収容部で収容位置からずれる可能性が低減する。従って、ガイド部がガイドする廃インク滴がフィルタからずれる可能性を低減できる。
【0014】
前記収容部は、交換位置と使用位置とに移動し、前記位置決め部は、前記使用位置において、前記フィルタの収容位置の底面から前記フィルタの高さ以上離れた位置に設けられた第1位置決め部と、前記収容位置よりも外側において、前記収容位置の底面よりも突出した第2位置決め部とを有し、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部は、前記フィルタの高さ方向において、前記フィルタの高さよりも短い距離離れていてもよい。第1位置決め部と第2位置決め部とが、フィルタの高さ方向において、フィルタの高さよりも短い距離離れている。従って、フィルタが収容位置からずれて配置されると、フィルタは第1位置決め部および第2位置決め部により収容部に収容されない。従って、位置がずれて、フィルタが収容部に収容される可能性を低減できる。
【0015】
前記位置決め部は、前記フィルタを前記収容位置へとガイドするガイド斜面を有してもよい。ガイド斜面はフィルタを収容位置へとガイドするので、フィルタの収容位置への位置決めが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】印刷装置1の一部の斜視図である。
図2】印刷装置1の内部構造を示す平面図である。
図3】ノズル列301~303を示すヘッド31~36の底面図である。
図4】印刷装置1の内部構造を示す正面図である。
図5】(A)及び(B)は、ミスト回収機構73の収容部49の使用位置P2及び交換位置P1間の開閉を示す正面図である。
図6】(A)及び(B)は、ミスト回収機構73の収容部49の使用位置P2及び交換位置P1間の開閉を示す平面図である。
図7】収容部49の開いた状態を示す斜視図である。
図8】フィルタユニット48が収容部49に収容されたミスト回収機構73の斜視図である。
図9】(A)及び(B)は、フィルタユニット48の形状を示す斜視図である。
図10】フィルタユニット48が収容部49の収容位置P3に収容された状態の平面図である。
図11】(A)は、フィルタユニット48が収容部49の第2位置決め部202に当接した状態を示す側面図である。(B)は、フィルタユニット48が収容部49の第2位置決め部202にガイドされる状態を示す側面図である。
図12】第一メンテナンス機構4及び第二メンテナンス機構5の図示を省略した、印刷装置1の仕切り板28、29を示す断面図である。
図13】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図14】ファン94、95、862、863が駆動された場合の印刷装置1の内部の空気の流れの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る印刷装置1を説明する。図1の上方、下方、左下方、右上方、右下方、及び左上方が各々、印刷装置1の上方、下方、前方、後方、右方、及び左方である。図1の上下方向は鉛直方向である。以下の説明では、左右方向を主走査方向、前後方向を副走査方向と記載することもある。本実施形態において図3以外の図面中の機械的要素は、実際のスケールを示す。
【0018】
図1に示す印刷装置1はインクジェットプリンタであり、布帛、紙等の印刷媒体にインクを吐出して印刷を行う。印刷装置1は、白インク、及びカラーインク(黒、イエロー、シアン、及びマゼンタの四色のインク)を用いて、印刷媒体にカラー画像を印刷できる。
【0019】
図1図2を参照し、印刷装置1の外観構成を説明する。図1に示すように、印刷装置1は筐体8、搬送機構14、操作ボタン15、表示画面16、及び収納部17を備える。
筐体8は、直方体状であり、本体10と蓋11とを備える。本体10には正面視矩形状のプラテン開口13が副走査方向側の筐体8、即ち、筐体8の前面の左右方向の中心に形成される。本実施形態の副走査方向は前後方向である。プラテン開口13から後方の位置に後述する内部位置Pがある。蓋11は本体10の上側に設けられ、蓋11の後端を軸として回転することで、本体10の上面を覆う位置と本体10の上面を開放する位置とに開閉できる。以下では、筐体8の上面、右面、底面、及び左面によって囲まれる空間を、筐体8の内部という。
【0020】
操作ボタン15と表示画面16とは、筐体8の前面のうちプラテン開口13の右側に、設けられる。操作ボタン15は、作業者による操作に応じて各種情報を印刷装置1に入力する。表示画面16は各種情報を表示する。従って、作業者は印刷装置1の前側で印刷装置1を操作する。
【0021】
搬送機構14は、印刷媒体が配置されるプラテン12を、プラテン開口13を通って、筐体8の内部位置Pと筐体8の外部との間を搬送する。プラテン12が図2に示す筐体8の内部位置Pに配置され、後述するヘッド30から液体が吐出されて印刷が行われる。
【0022】
図2に示すように、搬送機構14は、プラテン支持部37(図4参照)、左右一対のレール38、伝達部材39、及び副走査モータ26(図13参照)を備える。プラテン支持部37は、プラテン12を下方から支持する。プラテン12は板状である。左右一対のレール38は前後方向に延び、プラテン支持部37を前後方向に移動可能に支持する。一対のレール38の前端は、筐体8の前面よりも前方にある。
【0023】
伝達部材39は、プラテン支持部37と、副走査モータ26とに連結し、副走査モータ26の駆動に応じて、左右一対のレール38で規定される搬送経路に沿ってプラテン支持部37を前後方向に移動させる。
【0024】
プラテン12が筐体8の前面よりも前側に配置された状態、即ち筐体8の外部で、作業者は、プラテン12の上面に印刷媒体を配置する。図2に示すように、収納部17は筐体8の右側に設けられる。収納部17には複数のカートリッジ18が前側から収納される。各カートリッジ18内には印刷に使用されるインク等の各種液体が入っている。
【0025】
図2図12を参照し、印刷装置1の内部構造を説明する。図2に示すように、印刷装置1は、図1に示す筐体8の内部に枠体2、内壁71、72(図4参照)、仕切り板28、29(図4参照)、キャリッジ6、ヘッド31~36、基板ボックス9、移動機構77、第一メンテナンス機構4、第二メンテナンス機構5、ミスト回収機構73、74(図4参照)、加湿器86(図4参照)、及びセンサ91~93(図4参照)を備える。
【0026】
図4に示すように、枠体2はシャフト57、58を含む前後方向に延びる複数のシャフト、左右方向に延びる複数のシャフト、シャフト55、56を含む上下方向に延びる複数のシャフトで格子状に構成される。枠体2の上端にはガイドシャフト20が固定される。図2に示すように、ガイドシャフト20は前シャフト21、後シャフト22、左シャフト23、及び右シャフト24で構成される。
【0027】
前シャフト21は枠体2の前端部に配置され、枠体2の左端部から右端部まで左右方向に延びる。後シャフト22は枠体2の前後方向の略中央に配置され、枠体2の左端部から右端部まで左右方向に延びる。左シャフト23は枠体2の左端部に配置され、前シャフト21の左端から後シャフト22の左端までの前後方向に延びる。右シャフト24は枠体2の右端部に配置され、前シャフト21の右端から後シャフト22の右端まで前後方向に延びる。前シャフト21及び後シャフト22はキャリッジ6を支持する。搬送機構14は枠体2に固定される。
【0028】
図4に示すように、内壁71、72は、筐体8の内部位置Pにおいて副走査方向に交差する主走査方向に対向して配置される。内壁71、72は、ガイドシャフト20よりも下方において前後方向に延び、枠体2に固定される。内壁71は、内部位置Pに配置されたプラテン12の左方に設けられ、シャフト57に固定される。内壁72は、内部位置Pに配置されたプラテン12の右方に設けられ、シャフト58に固定される。前後方向において、内壁71、72は、前シャフト21と後シャフト22との間に位置する。
【0029】
仕切り板28は、ガイドシャフト20の下方、且つ、内壁71の左方において、枠体2に固定され、前後左右方向に延びる。仕切り板28の右端部は内壁71の下端部と連結する。仕切り板29は、ガイドシャフト20の下方、且つ、内壁72の右方において、枠体2に固定され、前後左右方向に延びる。仕切り板29の左端部は内壁72の下端部と連結する。図12に示すように、仕切り板28の右前部には仕切り板28を上下方向に貫通する平面視円状の供給口75が形成される。仕切り板29の左前部には仕切り板29を上下方向に貫通する平面視円状の供給口76が形成される。供給口75と供給口76との位置関係は、特に制限されないが、本実施形態においては、前後方向において、供給口75は、供給口76よりも前方に形成される。
【0030】
図2に示すように、キャリッジ6は主走査方向に移動可能に前シャフト21と後シャフト22とに支持される。キャリッジ6には装着部61~66が設けられる。装着部61~66に各々、ヘッド31~36が装着される。装着部61、62、63はキャリッジ6の右部に配置され、装着部61、62、63の順で後側から前側に向かって一列に並ぶ。装着部64、65、66は装着部61、62、63の列の左側に配置され、装着部64、65、66の順で後側から前側に向かって一列に並ぶ。
【0031】
ヘッド31~36は各々、筐体8の内部に配置され、液体を吐出する。図3は、ヘッド31~36を底面側から見た図である。図3に示すように、ヘッド31、34は、白インクを吐出するノズルを備えたノズル列301を各々備える。ヘッド32、35は、ノズル列301に対して副走査方向に配置され、且つ前処理剤又は抜染剤などの補助液を吐出するノズルを備えたノズル列302を各々備える。前処理剤は、布帛にインクが塗布される前に塗布されるベースコート剤である。前処理剤は、インクがより布帛に留まるように、布帛の繊維間に造膜を形成する為の液体であり、例えば、樹脂成分、CaCl等の金属塩を含む水溶液である。ヘッド33、36は、ノズル列301に対して副走査方向に配置され、且つカラーインクを吐出するノズルを備えたノズル列303を各々備える。ノズル列301~303は実際には図3に示すよりも多い配列で密に配置されている。図3に示すように、副走査方向におけるヘッド31のノズル列301の後端からヘッド36のノズル列303の前端までの領域がノズル列301~303の配置領域304である。白インク、カラーインク、及び補助液といった液体は各々、ヘッド31~36の何れかから吐出されればよい。本実施形態では、ヘッド31、34には各々、白インクのカートリッジ18から白インクが供給される。ヘッド32、35には各々、抜染剤のカートリッジ18から抜染剤が供給される。抜染剤は印刷媒体の色を抜くための液体である。ヘッド33、36には各々、カラーインクのカートリッジ18からカラーインクが供給される。ヘッド31~36は各々、ヘッド31~36が後述の印刷位置B2にある時に、下方にインク又は補助液を吐出する。以下では、ヘッド31~36を総称する場合、又は何れかを特定しない場合には、ヘッド30という。
【0032】
移動機構77は、ヘッド30を装着したキャリッジ6を主走査方向に移動させる。移動機構77は、駆動ベルト98、及び主走査モータ99を備える。キャリッジ6の後端部には駆動ベルト98が連結する。駆動ベルト98は後シャフト22上に設けられ、左右方向に延びる。駆動ベルト98の左端部は主走査モータ99に連結する。主走査モータ99が駆動することで、駆動ベルト98は、キャリッジ6を前シャフト21及び後シャフト22に沿って左右方向に移動させる。
【0033】
図2図4では、ヘッド30の移動範囲Rを、キャリッジ6の左右方向の中心を用いて示す。図3に示すように、ヘッド30は、移動機構77により、主に、メンテナンス位置B1、印刷位置B2、及びヘッド待機位置B3の三種類の位置の何れかに配置される。メンテナンス位置B1は、ヘッド30の移動範囲Rの左端部にあり、ヘッド30が後述の第一メンテナンス機構4又は第二メンテナンス機構5によりメンテナンスされる位置である。印刷装置1は、非印刷時にヘッド30をメンテナンス位置B1に移動し、第一メンテナンス機構4又は第二メンテナンス機構5によるメンテナンスを行う。第二メンテナンス機構5は第一メンテナンス機構4の右側に位置する。印刷位置B2は、主走査方向において、メンテナンス位置B1とヘッド待機位置B3との間、且つ内部位置Pに配置されたプラテン12の上方の位置である。印刷位置B2にヘッド30が配置された状態で、印刷データに従ってヘッド30が液体を吐出し、プラテン12に載置された印刷媒体に印刷が行われる。ヘッド待機位置B3は、ヘッド30の移動範囲Rの右端にあり、作業者がヘッド30に対する清掃等の操作を行う場合に配置される位置である。印刷装置1は、例えば、非印刷時に操作ボタン15に基づく指示に基づき、ヘッド30をヘッド待機位置B3に移動させ、待機させる。
【0034】
第一メンテナンス機構4は、メンテナンス位置B1に配置されたヘッド30と対向する位置に設けられ、ヘッド30のメンテナンスを行う。第一メンテナンス機構4は、筐体8内の内壁71の左方、且つガイドシャフト20の下方において、仕切り板28上に設けられる。図2に示すように、第一メンテナンス機構4は、六つのキャップ41~46とキャップ支持部47とを備える。各キャップ41~46の内部には、保湿液を含んだスポンジが配置されている。キャップ41~46の各々の位置関係は、装着部61~66の各々の位置関係と同じである。キャップ41~46は各々、平面視矩形状であり、キャップ支持部47によって下方から支持される。キャップ支持部47はキャップ41~46を上下方向に移動できる。印刷装置1は、非印刷時に、ヘッド30がメンテナンス位置B1に位置する状態でキャップ支持部47を上方に移動させる。これにより、キャップ41~46はヘッド31~36の各ノズル面を下方から覆ってキャッピングする。この結果、ヘッド30のノズル面に設けられたノズル内のインク、抜染剤が乾燥することを抑制できる。
【0035】
第二メンテナンス機構5は、メンテナンス位置B1に配置されたヘッド30と対向する位置に設けられ、ヘッド30のメンテナンスを行う。図4に示すように、第二メンテナンス機構5は、筐体8内の内壁71の左方、且つガイドシャフト20の下方において、仕切り板28上に設けられる。第二メンテナンス機構5は、主走査方向において、第一メンテナンス機構4と内壁71との間に位置する。第二メンテナンス機構5は、ヘッド30のノズル面の払拭及びフラッシング動作の実行により、ヘッド30を洗浄するための機構である。
【0036】
図2に示すように、第二メンテナンス機構5は、洗浄機構501~503を備える。洗浄機構501~503は各々キャップ41~43の右側に位置する。洗浄機構501~503の構造は共通である。洗浄機構501は、ワイパー601、604、及びパンチングメタル591を備える。洗浄機構502は、ワイパー602、605、及びパンチングメタル592を備える。洗浄機構503は、ワイパー603、及びワイパー606を備える。各洗浄機構501~503は更に、洗浄液槽620及びフラッシングボックス630を備える。図2の洗浄機構503を拡大した図では、パンチングメタル593の図示を省略している。
【0037】
ワイパー601~606は各々、ヘッド31~36のノズル面を払拭する。ワイパー601~606は各々、フォームワイパー611、及びゴムワイパー612を備える。フォームワイパー611は、図示しない上下反転機構等により上下反転し、洗浄液槽620内部に侵入可能に構成されている。従って、フォームワイパー611は、洗浄液により湿っている。フラッシングボックス630は、パンチングメタル591~593の各々の下方に設けられ、フラッシング動作によりヘッド30から吐出され、パンチングメタル591~593を通過した液体を受ける。
【0038】
図4に示すように、ミスト回収機構73、74は、ヘッド30から液体を吐出する際に発生するミストを回収する。主走査方向において、ミスト回収機構73は、筐体8(図1参照)の内部において搬送機構14の左側に設けられ、ミスト回収機構74は、筐体8の内部において搬送機構14の右側に設けられる。ミスト回収機構73、74は互いに左右対称の構成を有するので、以下では、ミスト回収機構73の構成を説明し、ミスト回収機構74の説明を省略する。
【0039】
図5図8に示すように、ミスト回収機構73は、内壁71、三つのファン94(図6参照)、及びフィルタユニット48を備える。内壁71は、中空の箱状である。内壁71の右面79は、上下前後方向に延びる板状である。内壁71の上面には、前後方向に長いスリット状の吸入口713が形成される。
【0040】
図7に示すように、内壁71は、固定板70、及び収容部49を備える。固定板70は、内壁71の上端において左右方向に延びる板状の部分である。図4に示すように、固定板70は前後方向に延びるシャフト57に固定される。図8示すように、収容部49は、フィルタ480を内蔵したフィルタユニット48を収容する。なお図8は固定板70が取り外された状態を示す。収容部49は、箱状であり、前後方向に長い直方体状のフィルタユニット48を取外し可能に内壁71の内部に収容する。収容部49は、内壁71の右面後端部と収容部49の本体491の右面後端部とに連結された蝶番492により、矢印Q(図6B)参照)で示す方向に内壁71の右面79に対し開閉可能に設けられる。係合部493は、収容部49の右前部に設けられ、作業者の操作なしで開閉しないように内壁71の右面79の前端部に設けられた被係合部712と係合する。
【0041】
<収容部49の構造>
図8を参照して、収容部49の構造を説明する。図8に示すように、収容部49は、上方が開放された箱状であり、前後方向に延びる。収容部49は、側壁495,後壁496,前壁497、及び内壁71に沿った側壁494(図5(A)参照を備える。側壁(図示略)は、図7に示す固定板70に沿って所定の高さで前後方向に延びる。側壁(図示略)の高さは、例えば、フィルタユニット48の高さよりも少し高い。側壁495は、側壁(図示略)に対向、且つ平行に設けられ、所定の高さで前後方向に延びる。側壁495の高さは、例えば、フィルタユニット48の高さよりも少し低い。後壁496は、収容部49の後端側に設けられた壁であり、所定の高さで左右方向に延びる。後壁496には係止板496Aが設けられ、係止板496Aは、前斜め上方に延び、フィルタユニット48の上面484Aの後端部が浮き上がった場合に上面484Aの後端部を係止する。係止板496Aは例えば金属板から形成される。収容部49は底面498(図11参照)を備える。底面498は、前後方向に延びる底板であり、図示略の開口部を複数備える。図8に示すように収容部49は、前後方向及び上方に延びる所定高さの側壁710を備える。本実施形態では、印刷装置1の前側からフィルタユニット48の収容部49に対する着脱を行うことができる。
【0042】
<フィルタユニット48及びフィルタ480の構造>
図9(A)を参照して、フィルタユニット48及びフィルタ480の構造を説明する。フィルタユニット48は、フィルタ480及びフィルタケース481から構成される。フィルタケース481は、枠体であり、内部にフィルタ480を支持する。フィルタケース481は、一端(後端)から他端(前端)に向かう一方向(前方向)に延びる直方体状であり、上ケース484と下ケース510とを備える。上ケース484は、収容部49の上方に収容され、下ケース510は、収容部49の下方に収容される。図9(A)に示すように、上ケース484は、前後方向に延びる長方形の上面484Aを備える。上ケース484は、開口縁部485及び延伸部487を備える。開口縁部485は、前後方向に長い長方形状の縁部であり、開口部485Aを形成する。また、開口縁部485は、後述する延伸部487が接続される1つの縁部である。延伸部487は、左右方向に延び、延伸部487の両端は開口縁部485に接続する。延伸部487は、例えば、開口縁部485の前後方向に3つ等間隔に設けられ、前後方向に所定の幅を有する。下ケース510は、前後方向に延びる長方形の底面(図示略)を備える。下ケース510の底面にも開口部(図示略)が設けられている。
【0043】
フィルタ480は空気中のミストを吸着して回収する。フィルタ480は、例えば、複数の微小な孔が形成された樹脂製フィルタであり、フィルタ480の表面にミストが吸着する。フィルタ480は、例えば、同一材質のフィルタが2層重なって形成されている。フィルタ480は、一端(後端)から他端(前端)に向かう一方向(前後方向)に延びる直方体状である。一般に、小さな孔のみのフィルタは、ミスト回収性能が高い分、大きな孔を有するフィルタに比べ孔にミストが詰まりやすく、比較的短時間で回収性能が低下する。これに対し、フィルタ480は、ファン94の駆動によって吸入口713から内壁71の内部に取り込まれた空気の流れの下流側程、フィルタ480の微小な孔の平均的な大きさが、小さくなるのが望ましい。これにより、フィルタ480によるミストの回収率を高めつつ、フィルタ480の回収性能が低下する時間を長期化している。
【0044】
図8に示す三つのファン94は、筐体8(図1参照)の内部に配置される。三つのファン94は、ヘッド30に対して液体の吐出方向(即ち、下方)に配置される。例えば、ファン94は、前シャフト21、及び後シャフト22よりも下方に配置されればよい。三つのファン94は各々、内壁71の左面78の下部に設けられる。三つのファン94は各々前後方向に略等間隔で配置され、以下の構成を有する。図4に示すように、ファン94の吸入口945は、ファン94の右方にあり、ファン94の排気口946は、ファン94の左方にある。即ち、吸入口945は、ファン94に対し、内部位置Pに配置されたプラテン12側にあり、排気口946は、ファン94に対し、筐体8の左面側、且つ、第一メンテナンス機構4及び第二メンテナンス機構5側にある。従ってファン94の排気口946は筐体8の内部にある。主走査方向において、ファン94は、内壁71と、供給口75との間に配置される。ファン94の吸入口945は、内壁71の左面78の下部に連結する。
【0045】
フィルタ480は、供給口75に対して、ファン94の側に配置される。例えば、フィルタ480は、ファン94の排気口946から供給口75に向かう筐体8内の経路に位置してもよいが、より望ましくは、フィルタ480は、ヘッド30からファン94の吸入口945に向かう筐体8内の経路に配置されるのがよい。
【0046】
吸入口713は、ファン94の吸入口945よりもミストの発生源、即ち、印刷位置B2にあるヘッド30の近くにある。図5(A)に示すように、ミスト回収機構73において、各ファン94が駆動された場合、内壁71の吸入口713から内壁71内に吸い込まれた空気は、フィルタユニット48を通過するので、フィルタ480は、空気中のミストを吸着し、回収する。フィルタ480を通過し、ミストが回収された空気は、ファン94の吸入口945から排気口946を介して、内壁71の内部の空間から排出される。即ち、ファン94が駆動された場合、内壁71の右面79と左面78とに囲まれた空間を矢印K2で示すように空気が流れる。
【0047】
<ガイド部100の構造>
図8に示すように、印刷装置1は、フィルタユニット48を収容する収容部49の上方に配置されたガイド部100を備える。ガイド部100は収容部49に収容されたフィルタ480にインクミストによる廃インク滴200をガイドする。廃インク滴200は、側壁710に付着する場合がある。ガイド部100は、廃インク滴200をフィルタ480に滴下させる形状を有する。形状の詳細を説明する。ガイド部100は、収容部49の上方に配置された側壁710から左側方に延びるガイド板101を備える。ガイド板101は収容部49の上方の側壁710に固定され、前後方向に収容部49よりも長く延びる。ガイド板101は側壁710への固定箇所から左斜め下方に、重力方向に対して所定角度で傾斜している。所定角度は例えば45度である。フィルタケース481に、上方に開口する開口部485Aが前後方向に4つ並び、フィルタ480が4箇所で上方に露出している場合、ガイド板101は前後方向に4つの傾斜部102を備える。各傾斜部102は同一形状であり、平面視、二等辺三角形である。二等辺三角形の底辺が側壁710と平行であり、二等辺三角形の頂点である先端103が左斜め下方に突出する。従って、先端103はがガイド板101の最下端となる。
【0048】
図8に示すように、ガイド板101の左側方の先端103から重力方向に下がった位置に収容部49に収容されたフィルタ480が配置される。各ガイド板101の先端103はフィルタケース481の開口部485Aの前後方向の中央に対して上下方向に対向することが望ましい。従って、側壁710に付着した廃インク滴200は、重力により各ガイド板101の傾斜部102に流れる。傾斜部102は左斜め下方に傾斜し、先端103が最下端となっているので、廃インク滴200は傾斜部102に案内されて先端103からフィルタ480に滴下する。
【0049】
図3に示す副走査方向におけるノズル列301~303の配置領域304の下部には、図8に示す収容部49が載置される。従って、フィルタ480は、ヘッド30(図4参照)よりも下方に設けられる。また、フィルタ480よりも下方にインクミストを吸引するファン94が設けられる。
【0050】
<位置決め部の構造>
図7図8図10及び図11を参照して、位置決め部の構造を説明する。位置決め部は第1位置決め部201、第2位置決め部202、及び係止板496Aから構成される。図7図8及び図10に示すように、収容部49は、フィルタ480を内蔵したフィルタユニット48を収容位置P3に位置決めする第1位置決め部201を備える。収容位置P3は、図8及び図11に示すように、収容部49にフィルタ480を内蔵したフィルタユニット48が位置ずれせずに収容される位置である。図7図8及び図10に示すように、収容部49の前端部の上方に第1位置決め部201が設けられる。図8に示すように第1位置決め部201は、水平板201A、ガイド斜面201B、垂直壁201C、及び固定部201Dを備える。水平板201Aは、左右方向に延びる矩形の板である。フィルタユニット48が収容部49に圧入されて収容された場合に、フィルタユニット48の上面484Aの前端部が水平板201Aの底面よりも上に位置しないように水平板201Aが設けられている。また、フィルタユニット48が収容部49に圧入されずに収容された場合でも、フィルタユニット48の上面484Aの前端部が浮き上がった時、水平板201Aの底面よりも前端部が上に位置しないように水平板201Aが設けられている。第1位置決め部201は例えば金属板から形成される。
【0051】
ガイド斜面201Bは、水平板201Aの右端部に設けられ重力方向に対して所定角度で右斜め上方に所定幅で傾斜する平面である。所定角度は例えば45度である。図6(B)に示す交換位置P1で、作業者が使用済みのフィルタ480をフィルタケース481ごと取り外し、未使用のフィルタ480を内蔵したフィルタケース481を収容部49に嵌め込んだ後、図6(A)に示す使用位置P2に収容部49は閉じられる。収容部49を閉じるとは、図6(B)に示す交換位置P1から図6(A)に示す使用位置P2へ収容部49が移動することを言う。交換位置P1とは、収容部49が内壁71よりも右方に位置し、収容部49に収容されたフィルタユニット48を取り出せる、および収容部49に別のフィルタユニットを装着できる位置である。使用位置P2とは、収容部49が筐体8の内部に収容され、印刷時の位置である。収容部49を閉じる時に、ガイド斜面201Bはフィルタユニット48の上面484Aの前端部に当接した場合はフィルタユニット48を収容部49の収容位置P3(図11参照)にガイドする。垂直壁201Cはガイド斜面201Bの上端から上方に延びる矩形の壁である。収容部49を閉じる時に、フィルタユニット48が収容部49の収容位置P3に正しく収容されていない場合は、垂直壁201Cはフィルタユニット48のフィルタケース481(図9(A),(B)参照)の側壁481Aに当接する。固定部201Dは水平板201Aの左端部に設けられ上方に所定幅延びる。固定部201Dは印刷装置1の内部の図示略のフレームにネジ止めで固定される。
【0052】
図6に示すように、収容部49は、交換位置P1と使用位置P2とを移動する。図8に示すように、第1位置決め部201は、使用位置P2において、図5(A)に示すように、フィルタ480の収容位置P3の底面498からフィルタ480の高さH1以上離れた位置に設けられている。図7は交換位置P1の状態を図示しているが使用位置P2においても第1位置決め部201の設けられている位置は変わらない。図11(A),(B)に示すように、収容位置P3よりも外側(前側)において、収容位置P3の底面498よりも上方に突出した第2位置決め部202が設けられている。第2位置決め部202は金属板を折り曲げて形成される。第2位置決め部202は、フィルタ480を収容位置P3へとガイドするガイド斜面202Aを有する。ガイド斜面202Aは、例えば上方から後方に向かって、水平方向に対して所定角度で傾斜している平面である。所定角度は例えば45度である。図7に示すように、第1位置決め部201と第2位置決め部202は、フィルタ480を内蔵したフィルタユニット48の高さ方向において、フィルタユニット48(フィルタ480)の高さH1よりも短い距離L1離れている。
【0053】
<フィルタ480の交換>
印刷装置1での印刷枚数が所定枚数になった時に、表示画面16にフィルタ480の交換促す表示が表示される。ミスト回収機構73において、フィルタ480の交換作業を行う場合、プラテン12が筐体8の奥に移動した状態で、作業者は、係合部493を操作する。これにより、被係合部712(図6(B)参照)との係合は解除され、収容部49は蝶番492を中心に回動する。作業者は印刷装置1の前面側からフィルタケース481を掴んで、使用済みのフィルタ480をフィルタケース481ごと取り外し、未使用のフィルタ480を内蔵したフィルタケース481を収容部49に嵌め込んだ後、係合部493を操作する。これにより、収容部49は蝶番492を中心に回動し、図5(A)及び図6(A)に示すように、係合部493は、被係合部712と係合し、本体491が内壁71に対し閉じられる。
【0054】
図4に示すように、ミスト回収機構74は、ミスト回収機構73の内壁71、三つのファン94、及びフィルタユニット48に各々対応する内壁72、三つのファン95(図4では一つのみ図示)、及びフィルタユニット48を備える。ミスト回収機構74の上面には、吸入口713に対応する、前後方向に長いスリット状の吸入口723(図12参照)が形成される。各ファン95が駆動された場合、内壁72の内部の空間を矢印K12(図14参照)で示すように空気が流れる。詳細には、各ファン95が駆動された場合、吸入口723から吸入された空気は、フィルタユニット48のフィルタ480を通過後、ファン95の吸入口955の側から、ファン95の排気口956の側に送られる。
【0055】
図4に示す加湿器86は、ファン94の排気口946の側(ファン94の左側)に配置された供給口75に加湿された空気を供給する。加湿器86は、ファン95の排気口956の側(ファン95の右側)に配置された供給口76に加湿された空気を供給する。配置される位置は特に限られないが、加湿器86は、筐体8の内部、且つ、仕切り板29の下方に設けられる。加湿器86は、貯留部860(図13参照)、加湿駆動部861(図13参照)、吸入口89、チューブ87、88、及びファン862、863(図13参照)を備える。貯留部860は、加湿に用いられる液体(例えば、水)を貯留する。貯留部860には、給水管が接続されてもよく、例えば水道、及び図示しない給水タンク等の外部装置から貯留部860に水が供給されてもよい。
【0056】
吸入口89は、筐体8の右側面に取り付けられ、筐体8の外部から加湿器86内に空気を取り込む。加湿駆動部861は、吸入口89を介し筐体8の外部から加湿器86内に取り込まれた空気を、貯留部860に貯留された液体を使用して加湿する。加湿駆動部861は、蒸気式、気化式、超音波式、及び電気分解式等の任意の方式で空気を加湿してよい。加湿器86は、吸入口89と、貯留部860(図13参照)との間等の加湿前の空気の流路に、空気中の埃等を除去するフィルタを備えてもよい。チューブ87の一端は、加湿器86に接続され、他端は供給口75に接続される。供給口75は、移動範囲Rの左端側に配置されたヘッド30の下方にある。チューブ88の一端は、加湿器86に接続され、他端は供給口76に接続される。供給口76は、移動範囲Rの右端側に配置されたヘッド30の下方にある。
【0057】
図13に示すファン862は、加湿駆動部861により加湿された空気を、図4に示すチューブ87を介して供給口75に供給する。供給口75に供給された加湿空気は、筐体8の内部の内壁71よりも左方、且つ、仕切り板28よりも上方の空間(左側空間)を通って、ヘッド30に向けて送られる。図13に示すファン863は、加湿駆動部861により加湿された空気を、図4に示すチューブ88を介して供給口76に供給する。供給口76から供給された加湿空気は、筐体8の内部の内壁72よりも右方、且つ、仕切り板29よりも上方の空間(右側空間)を通って、筐体8の内部のヘッド30に向けて送られる。印刷装置1は仕切り板28、29、により印刷装置1の内部空間を上下に仕切っているため、加湿器86により供給口75,76に供給された加湿空気は、ヘッド30に向かいやすくなる。
【0058】
<印刷装置1の電気的構成>
図13を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。図13に示すように、印刷装置1の制御部80はCPU81、ROM82、及びRAM83を備える。CPU81はROM82及びRAM83と電気的に接続し、印刷装置1の制御を司る。ROM82は、CPU81が印刷装置1の動作を制御するための制御プログラム、各種プログラムの実行時にCPU81が必要な情報等を記憶する。RAM83は、制御プログラムで用いられる各種データ、印刷媒体に印刷を行うための印刷データ等を一時的に記憶する。なお、これら電気素子の一部は、ヘッド30の右側に設けられた基板ボックス9に設けられる。
【0059】
CPU81には主走査モータ99、副走査モータ26、ヘッド駆動部27、第一メンテナンス駆動部84、第二メンテナンス駆動部85、加湿器86、センサ91~93、96、ファン94、95、及び操作ボタン15が電気的に接続される。主走査モータ99は、駆動することによってキャリッジ6を主走査方向に移動させる。副走査モータ26は、駆動することによってプラテン12を副走査方向に移動させる。これにより、ヘッド30(図2参照)は、プラテン12に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動する。ヘッド駆動部27は圧力素子等で構成され、駆動することによって、ヘッド31、34から白インクを吐出させ、ヘッド32、35から抜染剤を吐出させ、又はヘッド33、36からカラーインクを吐出させる。
【0060】
第一メンテナンス駆動部84は、キャップ支持部47(図2参照)を上下方向に移動できる。第二メンテナンス駆動部85は、ワイパー601~606(図2参照)の位置を接触位置と、非接触位置とに変更できる。センサ91~93は各々、筐体8の内部の温度及び湿度を検出し、検出結果をCPU81に出力する。CPU81はセンサ91~93からの検出結果に基づいて、検出結果が所定の吐出基準を満たすか否かを特定できる。操作ボタン15は、作業者によって操作され、操作に応じた信号をCPU81に出力する。作業者は操作ボタン15を操作することで、例えば印刷を開始するための印刷指示を印刷装置1に入力できる。
【0061】
図4に示すように、センサ91~93は筐体8の内部に設けられ、筐体8の内部の温度及び湿度の何れも検出する。センサ91、92は各々供給口75、76に対応して設けられる。例えば、図2図4に示すように、センサ91は、前シャフト21の左方、且つ、供給口75の上方付近に配置され、センサ92は、前シャフト21の右方、且つ、供給口76の上方付近に配置される。図4に示すように、センサ93は、仕切り板29の下方、且つ、加湿器86の左方に配置され、加湿器86の周囲の雰囲気、即ち、加湿器86により加湿されていない非加湿雰囲気の温度及び湿度を検出する。センサ96は、収容部49に設けられ、収容部49にフィルタユニット48が収容されているかを検知する。
【0062】
上記構成によれば、印刷装置1は、副走査モータ26の駆動によってプラテン12を前後方向(副走査方向)に移動させ、主走査モータ99の駆動によってキャリッジ6を左右方向(主走査方向)に移動させることで、印刷媒体をヘッド30に対して前後方向及び左右方向に搬送する。印刷装置1は、印刷媒体をヘッド30に対して前後方向及び左右方向に搬送しながらヘッド30から各種液体を吐出する。詳細には、印刷装置1は、まず、ヘッド32、35から抜染剤を吐出して印刷媒体から色を抜く。又は、印刷装置1は、まず、ヘッド31、34から白インクを吐出して印刷媒体に下地を形成する。印刷装置1は、印刷媒体の色が抜かれた部分又は形成された下地の上に、ヘッド33、36からカラーインクを吐出してカラー画像を印刷する。なお、印刷装置1は、白インクも抜染剤も吐出してもよい。
【0063】
図14を参照し、印刷装置1のCPU81がファン94、95、及び加湿器86を駆動した場合の筐体8(図1参照)の内部の空気の流れについて説明する。CPU81がファン94、95、及び加湿器86を駆動した場合、筐体8の内部の内壁71の左方において、矢印K1で示す、加湿器86から供給口75に向かう加湿空気と、矢印K2で示す、ファン94の排気口946(図4参照)から排出された空気とが合流する。排気口946から排出された空気と合流した加湿空気は、筐体8の左面と内壁71との間の左側空間を、矢印K3に示すように左上方に移動する。
【0064】
加湿空気は、ガイドシャフト20の上方において、矢印K4で示すように、筐体8の上面に沿って右方に移動する。加湿空気の一部は吸入口713(図4参照)から内壁71の内部に吸い込まれ、残りはプラテン開口13(図1参照)から筐体8の外部に排出される。即ち、供給口75から供給された加湿空気は、ファン94の排気口946(図4参照)から排出される空気と合流し、矢印K3、K4で示すように移動することで、図2に示すヘッド31~36のノズル面を加湿し、ヘッド30に設けられたノズル内部の液体の乾燥を防ぐことができる。また、第一メンテナンス機構4のキャップ41~46の内部に配置された保湿液を含んだスポンジ、及び第二メンテナンス機構5の洗浄液により湿ったフォームワイパー611の乾燥も防ぐことができる。
【0065】
同様に、筐体8の内部の内壁72の右方の右側空間において、矢印K1~K3の各々に対応する矢印K11~K13で示される空気の流れが生る。加湿空気はガイドシャフト20の上方において、矢印K14で示すように、筐体8の上面に沿って左方に移動する。加湿空気の一部は吸入口723(図12参照)から吸い込まれ、残りはプラテン開口13から筐体8の外部に排出される。供給口76から供給された加湿空気は、ファン95の排気口956(図4参照)から排出される空気と合流し、矢印K13、K14で示すように移動することで、ヘッド30の移動範囲Rの右端付近の雰囲気、及びヘッド31~36のノズル面を加湿する。
【0066】
<実施形態の効果>
ガイド部100がインクミストからなる廃インク滴200をフィルタ480にガイドし、フィルタ480は廃インク滴200を回収する。従って、ガイド部100が設けられない印刷装置1よりも、収容部49が廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。また、フィルタ480が廃インク滴200を回収するので、収容部49だけではなくミスト回収機構73内の汚れを軽減できる。
【0067】
ガイド部100は廃インク滴200をフィルタ480に滴下させる形状を有するので、廃インク滴200はガイド部100からフィルタ480に滴下し、フィルタ480が廃インク滴200を回収する。従って、収容部49が廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。
【0068】
ガイド板101は、収容部49の上方に配置された側壁710から垂れる廃インク滴200をフィルタ480にガイドする。従って、収容部49が廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。
【0069】
ガイド板101は、複数個所で上方に露出したフィルタ480に最下端である先端103から廃インク滴200を滴下する。従って、廃インク滴200をフィルタ480が回収して収容部49が廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。
【0070】
ノズル列301に対して第1色の液体と異なる第2色の液体を吐出するノズル列302、303が設けられる。インクミストの発生領域はノズル列301~303の配置領域304である副走査方向に広がる。フィルタ480は、副走査方向に長手方向が一致して配置される。従って、フィルタ480が廃インク滴200を回収して収容部49が廃インク滴で汚れる可能性が低減する。
【0071】
副走査方向において、ノズル列301~303の配置領域304に収容部49の少なくとも一部が配置されるので、ノズル列301~303から発生したインクミストによる廃インク滴200をフィルタ480は回収しやすくなる。従って、収容部が49インクミストによる廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。
【0072】
ファン94,95によりインクミストは吸引され、フィルタ480がインクミストを回収する。従って、印刷装置1内において収容部49以外が汚れる可能性が低減する。
【0073】
第1位置決め部201はフィルタ480を収容部49の収容位置P3に位置決めするので、フィルタ480が収容部49で収容位置P3からずれる可能性が低減する。従って、ガイド部100がガイドする廃インク滴200がフィルタ480からずれる可能性を低減できる。
【0074】
第1位置決め部201と第2位置決め部202とが、フィルタ480の高さ方向において、フィルタ480の高さH1よりも短い距離L1離れている。従って、フィルタ480が収容位置P3からずれて配置されると、図11(A)に示すように、フィルタ480の前端部が第2位置決め部202により持ち上げられる。従って、図7に示すようにフィルタ480の前端部が第1位置決め部201の垂直壁201Cに当接する。従って、収容部49は、交換位置P1から使用位置P2に移動できない。従って、位置がずれて、フィルタ480が収容部49に収容される可能性を低減できる。
【0075】
図8に示すように、ガイド斜面201Bは、フィルタ480の前端部の上面を収容位置P3へとガイドするので、フィルタ480の収容位置P3への位置決めが容易にできる。また、図11(B)に示すように、ガイド斜面202Aはフィルタ480の前端部の下面を収容位置P3へとガイドするので、フィルタ480の収容位置P3への位置決めが容易にできる。
【0076】
上記実施形態において、ヘッド30が本発明の「インクジェットヘッド」の一例である。収容部49が、本発明の「収容部」の一例である。フィルタユニット48又はフィルタ480が本発明の「フィルタ」の一例である。ガイド部100が本発明の「ガイド部」の一例である。ガイド板101が本発明の「ガイド板」の一例である。側壁710が本発明の「側壁」の一例である。延伸部487が本発明の「仕切り」の一例である。先端103が本発明の「最下端となる形状」の一例である。白インク、カラーインク、補助液のいずれかが本発明の「第1色の液体」であり、残りのうちの1つが本発明の「第2色の液体」である。ノズル列301が本発明の「第1ノズル列」の一例である。ノズル列302、303が本発明の「第2ノズル列」の一例である。ノズル列301~303の配置領域304が本発明の「配置領域」又は「発生領域」の一例である。収容位置P3が本発明の「収容位置」の一例である。第1位置決め部201は、本発明の「位置決め部」及び「第1位置決め部」の一例である。第2位置決め部202は、本発明の「位置決め部」及び「第2位置決め部」の一例である。ガイド斜面201B又はガイド斜面202Aは、本発明の「ガイド斜面」の一例である。係止板496Aは、本発明の「位置決め部」の一例である。
【0077】
本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、各々組み合わせ可能である。図9(A)に示すフィルタ480のように延伸部487によって複数個所に仕切られて複数箇所でフィルタ480が上方に露出するものに限られない。図9(B)に示すようにフィルタ480は前後方向に小フィルタ480Aが複数並ぶことによって形成されてもよい。図9(B)では、小フィルタ480Aが4個並んでいるが、4個に限られない。図9(A)に示すフィルタ480と同じ長さになるように複数個小フィルタ480Aが配列されればよい。この場合には、小フィルタ480Aが複数前後方向に並んで、複数個所で上方に露出したフィルタ480に各ガイド板101の最下端である先端103から廃インク滴200が滴下する。従って、廃インク滴200を小フィルタ480Aが回収して収容部49が廃インク滴200で汚れる可能性が低減する。
【0078】
ガイド部100は例えば収容部49の直上にあればよい。ガイド部100は必ずしも廃インク滴200をフィルタ480に滴下させる形状に限られない。ガイド部100は、例えば、ガイド部100を構成するガイド板101がフィルタ480と接触していてもよい。この場合には、ガイド板101は廃インク滴200をフィルタ480までガイドして流すことができる。ガイド部100はガイド板101の先端103から廃インク滴200を滴下させなくてもよい。例えば、ガイド板101のフィルタ480の直上に孔が形成され、孔がフィルタ480に廃インク滴200を滴下してもよい。ガイド板101の傾斜部102は二等辺三角形に限られない。例えば、図8に示す、ガイド部100のガイド板101は、前後方向に4つの傾斜部102を備え、各傾斜部102は、平面視で台形であっても良い。この場合、平行でない2つの辺は左斜め下方に向かうにつれて、互いに近づく方向に延びる。この場合、台形の平行な二辺のうちの下辺が、本発明の先端の一例である。また、フィルタ480に廃インク滴200を案内する最下端を有すればよい。例えば、先端103は尖ってなくてもよい。先端103が円弧状になっていてもよい。この場合には、先端103が尖ってないので、フィルタユニット48が着脱時にガイド板101の先端103に引っかかりにくい。ガイド板101は、例えば1箇所だけ最下端となる先端103を有してもよい。
【0079】
1つの露出したフィルタ480に対するガイド板101の先端103は、例えば複数設けられてもよい。この場合、複数の先端103から1つの露出したフィルタ480に廃インク滴200が案内されるので、効率よく廃インク滴200をフィルタ480に滴下できる。各ガイド板101は例えば左右方向で一体になっていなくてもよい。傾斜部102が例えば各々独立して側壁710に固定されていてもよい。各傾斜部102は例えば必ずしも同一形状でなくてもよい。これらの場合には、各露出したフィルタ480の位置及び大きさに対応して傾斜部102を設けることができる。各ガイド板101の先端103は例えばフィルタケース481の開口部485Aの前後方向の中央に必ずしも対向しなくてもよい。各ガイド板101の先端103は例えばフィルタケース481の開口部485Aの範囲のどこかに対向していればよい。各ガイド板101は、複数の開口部485Aの位置の少なくとも1つで、先端103が最下端となる形状を有していても良い。ガイド板101の傾斜角度は45度に限られない。フィルタケース481の開口部485Aに向けて傾斜していればよい。
【0080】
第1ノズル列、第2ノズル列以外に、例えば、第1ノズル列、第2ノズル列と異なる色のインクを吐出する第3ノズル列が設けられてもよい。この場合には第1ノズル列~第3ノズル列の配置領域に収容部49の少なくとも一部が配置されればよい。この場合には、第1ノズル列~第3ノズル列が配置された場合でも収容部がインクミストによる廃インク滴で汚れる可能性が低減する。第1位置決め部201は、例えば収容部49の前端部に対応して設けられなくてもよい。収容部49の前後方向において前端部から中央部の間に設けられてもよい。第1位置決め部201、第2位置決め部202、及び係止板496Aは金属板に限られず、例えば樹脂製の部材でもよい。
【0081】
収容部49、フィルタユニット48、フィルタ480は、それぞれの長手方向を印刷装置1の前後方向に一致させて配置されているが、例えば印刷装置1の左右方向に一致させて配置されてもよい。また、収容部49は、上述した位置に限られず、例えば、本体10の前面におけるプラテン開口13の右側又は左側に設けられてもよい。この場合、収容部49は印刷装置1の内部から引き出し可能に設けられ、前面側からフィルタ480着脱が可能であってもよいし、前面のパネルを取り外して、前面側からフィルタ480着脱が可能であってもよい。
【0082】
印刷装置1の主走査方向、副走査方向、及び吐出方向は各々、印刷装置1の構成に応じて印刷装置1の任意の方向が適宜変更されてよい。ファン94、95、供給口75、76、及びフィルタ480の形状、数及び配置は各々、適宜変更されてよい。内壁71、72の少なくとも何れかは、省略されてもよいし、構成及び配置が適宜変更されてもよい。例えば、印刷装置1は筐体8の内部に一以上のファンを備えればよく、ファン94、95の何れかは省略されてもよい。ファン94は前後方向に三つ並んでいたが、ファン94は四つ以上でもよいし、二以下でもよい。ファン94の数と、ファン95の数とは互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。内壁71、72の一方のみにファンが設けられてもよい。ファン94、95の少なくとも何れかは、内壁71、72以外(例えば、左側空間、右側空間)に設けられてもよい。ファン94と、ヘッド30との間に、供給口75が設けられてもよい。
【0083】
ガイド斜面201B、202Aの傾斜角度は45度に限られない。ガイドに適した角度に設定されればよい。また、ガイド斜面201B、202Aは平面に限られず、例えば曲面でもよい。また、フィルタ480は、フィルタケース481を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 印刷装置
30 ヘッド
48 フィルタユニット
49 収容部
100 ガイド部
101 ガイド板
102 傾斜部
103 先端
201 第1位置決め部
201B ガイド斜面
202 第2位置決め部
202A ガイド斜面
301 第1ノズル列
302 第2ノズル列
303 配置領域
496A 係止板
480 フィルタ
487 延伸部
710 側壁
P3 収容位置
図1
図2
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図5
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