(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070834
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ロボットナビゲーションシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20220506BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20220506BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174461
(22)【出願日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】17/080,901
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ニール アール.,クロフォード
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート,ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,キャロウェイ
(72)【発明者】
【氏名】デーナ,ウイスニウスキー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボット支援手術のための、装置、システム、および方法を提供する。
【解決手段】外科医が外科用ロボットシステムを使用することによってナビゲートすることが可能なナビゲート可能な器具、およびナビゲーションソフトウェアは、椎体間固定装置または他の外科用装置のナビゲートされる配置を可能にする。
【選択図】
図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットシステムであって、
コンピュータを含むベースと、
前記コンピュータに電子的に結合されたディスプレイと、
前記コンピュータに電子的に結合され、かつ前記コンピュータによって処理されるコマンドに基づいて移動可能であるロボットアームと、
前記ロボットアームに電子的に結合されたエンドエフェクタであって、クイックコネクタを含む、エンドエフェクタと、
1つ以上の追跡マーカを検出するように構成されたカメラと、を備え、
前記1つ以上の追跡マーカが、前記カメラによる光学認識のための反射要素と、撮像システムによる認識のための金属要素と、備える、単体構造物である、ロボットシステム。
【請求項2】
前記撮像システムが、コンピュータ断層撮影撮像スキャナである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の追跡マーカが、円筒状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の追跡マーカが、外側要素と、内側要素と、を有し、前記内側要素が、前記外側要素内に位置付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の追跡マーカが、球体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の追跡マーカが、球体である外側反射部分と、内側金属部分と、を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の追跡マーカが、外側金属シェルおよび内側反射部分を伴って構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
ロボットナビゲーションシステムであって、
ロボットであって、
コンピュータを含むベースと、
前記コンピュータに電子的に結合されたディスプレイと、
前記コンピュータに電子的に結合され、かつ前記コンピュータによって処理されるコマンドに基づいて移動可能であるロボットアームと、
前記ロボットアームに電子的に結合されたエンドエフェクタであって、クイックコネクタを含む、エンドエフェクタと、
1つ以上の追跡マーカを検出するように構成されたカメラと、を備える、ロボットと、
前記カメラによって追跡可能な追跡マーカのアレイを含むナビゲート可能な器具であって、インプラントにアクセスする、それを準備する、および/または配置するように構成されている、ナビゲート可能な器具と、を備え、
前記1つ以上の追跡マーカが、前記カメラによる光学認識のための反射要素と、撮像システムによる認識のための金属要素と、備える、単体構造物である、ロボットナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記撮像システムが、コンピュータ断層撮影撮像スキャナである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の追跡マーカが、円筒状である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の追跡マーカが、外側要素と、内側要素と、を有し、前記内側要素が、前記外側要素内に位置付けられている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の追跡マーカが、球体である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の追跡マーカが、球体である外側反射部分と、内側金属部分と、を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の追跡マーカが、外側金属シェルおよび内側反射部分を伴って構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
ロボットシステムであって、
コンピュータを含むベースと、
前記コンピュータに電子的に結合されたディスプレイと、
前記コンピュータに電子的に結合され、かつ前記コンピュータによって処理されるコマンドに基づいて移動可能であるロボットアームと、
前記ロボットアームに電子的に結合されたエンドエフェクタであって、クイックコネクタを含む、エンドエフェクタと、
1つ以上の追跡マーカを検出するように構成されたカメラと、
前記1つ以上の追跡マーカのうちの少なくとも1つを受容するための上部分および下部分を有するハウジングと、を備え、
前記1つ以上の追跡マーカが、前記カメラによる光学認識のための反射要素と、撮像システムによる認識のための金属要素と、を備える、単体構造物であり、
前記上部分および前記下部分が、スナップ嵌め接続を介して結合される、ロボットシステム。
【請求項16】
前記ハウジングが、近位部分から遠位部分まで延在している貫通孔を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハウジングの前記上部分が、近位端と、遠位端と、を含み、前記上部分の前記遠位端が、複数のスロットを伴って構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ハウジングの前記上部分が、カメラシステムに視認可能であるように構成されたマーキングを有する面取り上面を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記下部分が、アレイ固定具の一部分を受容するためのスロットを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記下部分が、前記上部分の複数の開口部内で受容されるように構成された複数のタブを含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善されたロボット支援手術のためのシステムおよび方法に関し、具体的には、椎体間固定装置のアクセス、準備、および/または配置のためのナビゲートされる外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
位置認識システムは、3次元(3D)における特定の物体の位置を判定するためにおよびその物体を追跡するために使用される。ロボット支援手術では、例えば、外科用器具といった特定の物体を、例えば、その器具がロボットまたは医師によって位置付けられ、動かされる際に、高精度で追跡する必要がある。
【0003】
赤外線信号に基づく位置認識システムは、物体を追跡するために、パッシブおよび/またはアクティブセンサまたはマーカを使用し得る。パッシブセンサまたはマーカにおいて、追跡されるべき物体は、パッシブセンサ、例えば、反射性球体ボールなどを含んでもよく、それらは、追跡されるべき物体上の効果的な場所に位置付けられる。赤外伝送器は信号を伝送し、反射性球体ボールは信号を反射して、3Dにおける物体の位置の判定を助ける。アクティブセンサまたはマーカにおいて、追跡されるべき物体は、アクティブ赤外伝送器、例えば、発光ダイオード(LED)などを含み、このため、3D検出のためにそれら自体の赤外信号を発生する。
【0004】
アクティブまたはパッシブ追跡センサのいずれかを用いて、システムは、次いで、赤外カメラ、デジタル信号、アクティブもしくはパッシブセンサの既知の場所、距離、それが応答信号を受信するためにかかった時間、他の既知の変数、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上からの情報あるいはそれに関する情報に基づいて、アクティブおよび/またはパッシブセンサの3次元位置を幾何学的に解明する。
【0005】
例えば、ロボット支援手術ための改善されたシステムおよび方法、外科用器具の改善されたナビゲーション、ならびに/または椎体間固定装置のアクセス、準備、および/もしくは配置のための改善されたハードウェアおよびソフトウェアを提供する必要性が存在している。異なる種類の光学マーカを利用することによって、追跡の喪失を克服すること、または追跡精度を高めることに対する特定の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
こうした、および他の必要性を満たすために、椎体間固定装置のアクセス、準備、および配置のための装置、システム、および方法を提供する。1つ以上の外科的処置を伴うユーザを支援する外科用ロボットシステムを提供する。ナビゲートすることが可能な器具を含むナビゲート可能な器具、およびナビゲーションソフトウェアは、椎体間固定装置または他の外科用装置のナビゲートされる配置を可能にする。椎体間インプラントナビゲーションは、アクセス器具(例えば、拡張器、リトラクタ、ポート)、椎間板準備器具、トライアル、インサータ器具などのナビゲーションを含み得る。本システムは、切開処置または低侵襲(MIS)処置における解剖学的構造の位置特定、ならびに外科用器具および椎体間固定装置のナビゲーションを可能にする。
【0007】
一実施形態によれば、外科手術ロボットシステムは、コンピュータを含むベースと、コンピュータに電子的に結合されたディスプレイと、コンピュータに電子的に結合され、かつコンピュータによって処理されたコマンドに基づいて移動可能であるロボットアームと、ロボットアームに電子的に結合されたエンドエフェクタであって、クイックコネクタを含むエンドエフェクタと、クイックコネクタによってエンドエフェクタに結合された第1の端部、および第2の端部を有する関節運動アームと、関節運動アームの第2の端部に結合されたアクセス器具と、1つ以上の追跡マーカを検知するように構成されたカメラと、を有するロボットを含む。アクセス器具は、例えば、リトラクタまたはアクセスポートであり得る。
【0008】
外科用ロボットシステムは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。エンドエフェクタは、ロボットアームに取り付けられたときにロボットアームの運動を防止するように構成されたモーションロックエンドエフェクタであり得る。クイックコネクタは、関節運動アームの第1の端部内の雌型部分内で受容可能な雄型部分を含み得る。関節運動アームは、関節運動アームのエンドエフェクタに対する迅速な取り付けおよび取り外しを可能にするように構成された解除ボタンを含み得る。エンドエフェクタは、滅菌アームドレープの上でクランプすることによってロボットアームに接続し得る。関節運動アームの第2の端部は、アクセス器具に取り付けるためのねじ付き取り付けマウントを含み得る。関節運動アームは、ロッキングノブによってロックおよびロック解除されるように構成された複数のジョイントを含むことができる。
【0009】
一実施形態によれば、ロボットナビゲーションシステムは、ロボットと、少なくとも1つのナビゲート可能な器具と、を含む。ロボットは、コンピュータを含むベースと、コンピュータに電子的に結合されたディスプレイと、コンピュータに電子的に結合され、かつコンピュータによって処理されたコマンドに基づいて移動可能であるロボットアームと、ロボットアームに電子的に結合されたエンドエフェクタであって、クイックコネクタを含むエンドエフェクタと、クイックコネクタによってエンドエフェクタに結合された第1の端部、および第2の端部を有する関節運動アームと、関節運動アームの第2の端部に結合されたアクセス器具と、1つ以上の追跡マーカを検知するよう構成されたカメラと、を含み得る。ナビゲート可能な器具は、カメラによって追跡可能な追跡マーカのアレイを含み得る。ナビゲート可能な器具は、椎体間インプラントにアクセスする、それを準備する、および/または配置するように構成され得る。例えば、ナビゲート可能な器具は、トライアル、カップキュレット、リングキュレット、コブ、エレベータ、オステオトーム、ラスプ、レーキ、サイザ、シェーバ、パドルディストラクタ、スクレーパ、拡張器、またはインサータであり得る。
【0010】
一実施形態によれば、ロボットナビゲーションの方法は、コンピュータ、コンピュータに電子的に結合されたディスプレイ、および追跡マーカを検出するように構成されたカメラを備えるロボットからの出力に基づいて、初期拡張器を含む拡張器および複数の追跡マーカを有する追跡アレイをある位置までナビゲートするステップ、追跡アレイを初期拡張器から取り除くステップ、後続の拡張器を挿入して、アクセス空間を準備するステップ、アクセス器具をアクセス空間で配置しながら、追跡アレイを拡張器の1つに再度取り付けて、位置を追跡するステップ、ならびにアクセス器具を、ロボットのアームに装着されたエンドエフェクタに結合された関節運動アームに接続するステップ、のうちの1つ以上を含み得る。この方法では、手術部位に対して、初期拡張器が直接的にナビゲートされ得、アクセス器具が間接的にナビゲートされ得る。
【0011】
別の実施形態によれば、ロボットナビゲーションシステムは、ロボットと、ナビゲート可能なインサータと、を含む。ナビゲート可能なインサータは、長手方向軸を有するスリーブと、スリーブに結合された回転可能な本体と、回転可能な本体に接続された追跡マーカのアレイと、を含み得る。回転可能な本体は、カメラによってアレイが視認可能であるように、長手方向軸を中心に回転するように構成され得る。インサータは、例えば、ねじ付きまたはフォーク状インサータであり得る。ねじ付きインサータは、ねじ付きロッドと、本体およびスリーブを通して位置付け可能なドライバシャフトと、を含み得る。ねじ付きロッドは、インプラントに係合するように構成された遠位ねじ付き先端部によって終端し得る。フォーク状インサータは、本体およびスリーブを通して位置付け可能なフォーク状ロッドを含み得る。フォーク状ロッドは、インプラントに係合するように構成された遠位フォーク状先端部によって終端し得る。
【0012】
インサータは、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。回転可能な本体は、テーパ状キーを含む並進部材を収容する空胴を含み得る。テーパ状キーは、インサータのスリーブ内の1つ以上のキーシートと嵌合するように構成され得る。ばねは、並進部材に沿って位置付けられ得、ばねは、キーシート内でキーを保持するための力を提供し得る。回転可能な本体は、ボタンを含み得る。ボタンが押下されると、ばねが圧縮され、テーパ状キーがキーシートから離れて並進し、それによって、回転可能な本体およびアレイが回転することを可能にする。ボタンが解除されると、キーがキーシートと係合し、それによって、回転可能な本体およびアレイをロックする。アレイは、第1のインデックス位置と、第1のインデックス位置に180度対向した第2のインデックス位置とを有し得る。回転可能な本体は、ロックナットと、長手方向軸と同心の軸方向に位置付けられたばねと、を含み得る。回転可能な本体は、2つのテーパ状面を含み得、スリーブは、2つのテーパ状面が共に嵌合したときに回転可能な本体およびアレイが適所にロックされるように、2つの対応するテーパ状面を含み得る。ロックナットが下降位置にあるときは、テーパ状面が嵌合し、回転可能な本体およびアレイがロックされ、ロックナットが上昇位置にあるときは、テーパ状面が分離し、回転可能な本体およびアレイが自由に回転する。
【0013】
別の実施形態によれば、ロボットナビゲーションの方法は、コンピュータ、コンピュータに電子的に結合されたディスプレイ、および追跡マーカを検出するように構成されたカメラを備えるロボットからの出力に基づいて、長手方向軸、スリーブに結合された回転可能な本体、および回転可能な本体に接続される追跡マーカのアレイを有するスリーブを備えるインサータをある位置までナビゲートすることと、追跡マーカがカメラの視線内にあるように、回転可能な本体およびアレイを回転させることと、を含み得る。例えば、アレイは、互いに180度対向する2つのインデックス位置のうちの1つに、または互いに90度間隔の4つのインデックス位置のうちの1つに移動され得る。
【0014】
別の実施形態によれば、ロボットナビゲーションシステムは、ロボットと、ナビゲート可能な器具と、を含む。ナビゲート可能な器具は、長手方向軸を有するハンドルと、ハンドルに結合された本体と、アレイポストによって本体に接続された追跡マーカのアレイと、外科用機能を行うように構成された取り外し可能なシャフトおよび/または取り外し可能な先端部と、を含み得る。例えば、先端部は、トライアル、カップキュレット、リングキュレット、コブ、エレベータ、オステオトーム、ラスプ、レーキ、サイザ、シェーバ、パドルディストラクタ、またはスクレーパであり得る。
【0015】
ナビゲート可能な器具は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。シャフトは、ハンドル内の孔で受容されるように構成された延長部を含み得、シャフトは、半径方向肩部と、半径方向肩部と延長部との間の移行部と、を含み得る。移行部は、ハンドル内の1つ以上のスロットで受容されるように構成されたクロスピンを含み得る。肩部は、1つ以上のテーパ状面を含み得、ハンドルは、1つ以上の対応するテーパ状面を含み得る。シャフトがハンドルに接続されると、テーパ状面が係合し、それによって、ハンドルに対するシャフトの移動を拘束する。延長部は、凹部を含み得、ハンドルは、凹部内に位置付けられ、それによって、ハンドルをシャフトにロックするように構成されたラッチを含み得る。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、ナビゲート可能なトライアルは、トライアルシャフトと、取り外し可能なトライアルヘッドと、を含む。トライアルシャフトは、ピンを有するその遠位端のフックと、シャフトを通って延在している可動プランジャと、を含む。トライアルヘッドは、可動プランジャを受容するように構成された第1の開口部と、フックのピンを受容するように構成された第2の開口部と、を含む。プランジャがトライアルヘッドの第1の開口部内に位置付けられると、トライアルヘッドが適所にロックされる。トライアルヘッドは、フックおよびプランジャによって回転可能に固定され、これは、トライアルを椎間板腔(disc space)内部で操作することを可能にする。
【0017】
さらに別の実施形態によれば、ナビゲート可能なトライアルは、トライアルシャフトと、拡張可能なトライアルヘッドと、を含む。ナビゲート可能なトライアルは、複数の固定マーカおよび可動マーカが、所定の経路内を摺動して、拡張可能なトライアルヘッドの高さのフィードバックを提供するように構成されている、アレイを含み、可動マーカの並進は、トライアルヘッドの高さに対応し得る。
【0018】
また、ナビゲート可能な拡張器と、ナビゲート可能なアクセスおよびトライアル器具と、ナビゲート可能なインサータと、リトラクタおよびアクセスポートと、様々なタイプおよびサイズのインプラントおよび固定装置と、kワイヤと、処置を行うための他の構成要素と、を含む、キットも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】例示的な実施形態に従う外科用ロボットシステムを例解する。
【
図2】患者に手術を行うように構成された、
図1の外科用ロボットシステムの拡大図を提供する。
【
図3】関節運動アームを外科用ロボットシステムに接続するためのエンドエフェクタである。
【
図4A】
図3のエンドエフェクタを外科用ロボットのロボットアームに結合することを表すステップである。
【
図4B】
図3のエンドエフェクタを外科用ロボットのロボットアームに結合することを表すステップである。
【
図4C】
図3のエンドエフェクタを外科用ロボットのロボットアームに結合することを表すステップである。
【
図5】外科用ロボットのロボットアームとリトラクタまたはアクセスポートなどのアクセス器具との間のリンクとしての役割を果たす、関節運動アームの一実施形態を例解する。
【
図6A】ロボットシステムと共に使用するように構成されたクイック接続特徴を有する、ナビゲート可能な器具およびアレイハンドルアセンブリの一実施形態を示す。
【
図6B】ロボットシステムと共に使用するように構成されたクイック接続特徴を有する、ナビゲート可能な器具およびアレイハンドルアセンブリの一実施形態を示す。
【
図7A】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7B】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7C】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7D】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7E】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7F】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7G】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7H】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7I】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7J】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7K】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図7L】椎間板準備およびトライアル器具を含む複数の異なる器具またはキットを示す。
【
図8A】アレイハンドルアセンブリの代替の実施形態を示す。
【
図8B】アレイハンドルアセンブリの代替の実施形態を示す。
【
図8C】アレイハンドルアセンブリの代替の実施形態を示す。
【
図8D】アレイハンドルアセンブリの代替の実施形態を示す。
【
図8E】アレイハンドルアセンブリの代替の実施形態を示す。
【
図9A】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図9B】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図9C】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図9D】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図9E】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図9F】直線ハンドルおよびT字ハンドルを含む複数の異なるアレイハンドルまたはキットを示す。
【
図10A】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10B】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10C】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10D】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10E】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10F】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図10G】異なるインデックス位置を有する椎体間インサータの実施形態を示す。
【
図11A】異なる器具接続特徴を有する椎体間インサータを含む複数の異なる椎体間インサータ器具またはキットを提供する。
【
図11B】異なる器具接続特徴を有する椎体間インサータを含む複数の異なる椎体間インサータ器具またはキットを提供する。
【
図11C】異なる器具接続特徴を有する椎体間インサータを含む複数の異なる椎体間インサータ器具またはキットを提供する。
【
図11D】異なる器具接続特徴を有する椎体間インサータを含む複数の異なる椎体間インサータ器具またはキットを提供する。
【
図11E】異なる器具接続特徴を有する椎体間インサータを含む複数の異なる椎体間インサータ器具またはキットを提供する。
【
図12A】ねじ付きスタイルのコネクタを有するナビゲート可能なインサータアセンブリの一実施形態を示す。
【
図12B】ねじ付きスタイルのコネクタを有するナビゲート可能なインサータアセンブリの一実施形態を示す。
【
図13A】フォーク状スタイルのコネクタを有するナビゲート可能なインサータアセンブリの一実施形態を示す。
【
図13B】フォーク状スタイルのコネクタを有するナビゲート可能なインサータアセンブリの一実施形態を示す。
【
図14A】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14B】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14C】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14D】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14E】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14F】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図14G】初期拡張器を有するナビゲート可能な拡張器アレイの一実施形態を提供する。
【
図15A】ナビゲート可能な器具を使用前に検証するのに好適なインサータ検証アダプタの実施形態を提供する。
【
図15B】ナビゲート可能な器具を使用前に検証するのに好適なインサータ検証アダプタの実施形態を提供する。
【
図15C】ナビゲート可能な器具を使用前に検証するのに好適なインサータ検証アダプタの実施形態を提供する。
【
図15D】ナビゲート可能な器具を使用前に検証するのに好適なインサータ検証アダプタの実施形態を提供する。
【
図16A】椎体間インサータの検証の実施形態を示す。
【
図16B】椎体間インサータの検証の実施形態を示す。
【
図16C】椎体間インサータの検証の実施形態を示す。
【
図17A】動的参照ベース(DRB)の実施形態を示す。
【
図17B】動的参照ベース(DRB)の実施形態を示す。
【
図18A】ロボット支援手術を計画し、実施する際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図18B】ロボット支援手術を計画し、実施する際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図18C】ロボット支援手術を計画し、実施する際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図18D】ロボット支援手術を計画し、実施する際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図19A】ロボット支援手術を行う際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図19B】ロボット支援手術を行う際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図19C】ロボット支援手術を行う際に使用され得る1つ以上のステップを示す。
【
図20A】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20B】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20C】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20D】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20E】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20F】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図20G】外科的処置の器具計画、設定およびアクセス、ならびに/またはナビゲーション全体に利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例を表す。
【
図21A】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21B】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21C】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21D】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21E】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21F】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21G】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図21H】ナビゲートされる拡張器ホルダの別の実施形態を提供する。
【
図22A】取り外し可能な置換ツールおよび/または器具先端部を有するナビゲート可能な器具の実施形態を表す。
【
図22B】取り外し可能な置換ツールおよび/または器具先端部を有するナビゲート可能な器具の実施形態を表す。
【
図22C】取り外し可能な置換ツールおよび/または器具先端部を有するナビゲート可能な器具の実施形態を表す。
【
図23A】ナビゲートされる器具のためのクイック接続および解除機構の実施形態を表す。
【
図23B】ナビゲートされる器具のためのクイック接続および解除機構の実施形態を表す。
【
図23C】ナビゲートされる器具のためのクイック接続および解除機構の実施形態を表す。
【
図23D】ナビゲートされる器具のためのクイック接続および解除機構の実施形態を表す。
【
図23E】ナビゲートされる器具のためのクイック接続および解除機構の実施形態を表す。
【
図24A】回転位置の間にインデックスを付けて、器具を所望のカメラの場所に整列させるように構成されたアレイを有する、ナビゲートされる器具ハンドルの一実施形態を示す。
【
図24B】回転位置の間にインデックスを付けて、器具を所望のカメラの場所に整列させるように構成されたアレイを有する、ナビゲートされる器具ハンドルの一実施形態を示す。
【
図25A】回転可能なアレイ機構を有するナビゲートされる器具ハンドルの別の実施形態を提供する。
【
図25B】回転可能なアレイ機構を有するナビゲートされる器具ハンドルの別の実施形態を提供する。
【
図25C】回転可能なアレイ機構を有するナビゲートされる器具ハンドルの別の実施形態を提供する。
【
図26A】回転可能なアレイ機構を有するナビゲート可能なインプラントインサータの別の実施形態を示す。
【
図26B】回転可能なアレイ機構を有するナビゲート可能なインプラントインサータの別の実施形態を示す。
【
図26C】回転可能なアレイ機構を有するナビゲート可能なインプラントインサータの別の実施形態を示す。
【
図27A】回転可能なアレイ機構の別の実施形態を提供する。
【
図27B】回転可能なアレイ機構の別の実施形態を提供する。
【
図27C】回転可能なアレイ機構の別の実施形態を提供する。
【
図28A】インラインアレイを使用した器具配向の識別の実施形態を提供する。
【
図28B】インラインアレイを使用した器具配向の識別の実施形態を提供する。
【
図28C】インラインアレイを使用した器具配向の識別の実施形態を提供する。
【
図28D】インラインアレイを使用した器具配向の識別の実施形態を提供する。
【
図29A】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29B】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29C】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29D】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29E】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29F】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図29G】ナビゲート可能なモジュール式トライアルの実施形態を含む。
【
図30A】ナビゲート可能な固定トライアルの一実施形態を示す。
【
図30B】ナビゲート可能な固定トライアルの一実施形態を示す。
【
図31A】ナビゲート可能で拡張可能なトライアルの一実施形態を示す。
【
図31B】ナビゲート可能で拡張可能なトライアルの一実施形態を示す。
【
図32A】ナビゲート可能なオウル先端部タップの実施形態を示す。
【
図32B】ナビゲート可能なオウル先端部タップの実施形態を示す。
【
図33A】好適な追跡可能な椎間板アセンブリの一実施形態を例解する。
【
図33B】好適な追跡可能な椎間板アセンブリの一実施形態を例解する。
【
図34A】追跡可能な椎間板アセンブリの別の実施形態を例解する。
【
図34B】追跡可能な椎間板アセンブリの別の実施形態を例解する。
【
図35】追跡可能なディスクアセンブリのさらに別の好適な実施形態を例解する。
【
図36A】追跡可能な球体アセンブリの一実施形態を例解する。
【
図36B】追跡可能な球体アセンブリの一実施形態を例解する。
【
図37】追跡可能な球体アセンブリのさらに別の実施形態を例解する。
【
図38A】追跡可能なディスクの斜視図を例解する。
【
図38B】追跡可能なディスクの上面図を例解する。
【
図38C】追跡可能なディスクの側面図を例解する。
【
図40】光学カメラシステムおよび撮像装置を使用して椎間板または球体の場所を処理するためのアルゴリズムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、その用途において、本明細書における説明に記載される、または図面において例解される、構成要素の構築および配設の詳細に制限されないことが理解されるものとする。本開示の教示は、他の実施形態において使用および実践されてもよく、種々の方式で実践または実行されてもよい。また、本明細書において使用される専門表現および専門用語が、説明目的のためであり、制限として見なされるべきではないことが理解されるものとする。本明細書における「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」、およびこれらの変化形の使用は、その後に列記される項目、およびそれらの同等物、ならびに追加の項目を包含することが意味される。別途指定または制限されない限り、「装着された(mounted)」、「接続された(connected)」、「支持された(supported)」、および「連結された(coupled)」という用語、ならびにこれらの変化形は、広義に使用され、直接的および間接的双方の装着、接続、支持、および連結を包含する。さらに、「接続された(connected)」および「連結された(coupled)」は、物理的もしくは機械的接続または連結に制限されない。
【0021】
以下の考察は、当業者が本開示の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。例解される実施形態への種々の修正は、当業者に容易に明らかになり、本明細書における原理は、本開示の実施形態から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用され得る。このため、実施形態は、示される実施形態に制限されることを意図しないが、本明細書において開示される原理および特性と一致する最も広い範囲が与えられるものとする。以下の発明を実施するための形態は、異なる図面における同様の要素が同様の参照番号を有する図面を参照して読まれるものとする。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、選択された実施形態を描写し、実施形態の範囲を制限することを意図しない。当業者は、本明細書において提供される実施例が、多くの有用な代替物を有し、実施形態の範囲内にあることを認識するであろう。
【0022】
ここで、図面を参照すると、
図1および2は、例示的な実施形態に従って外科用ロボットシステム10を例解する。外科用ロボットシステム10は、例えば、外科用ロボット12と、1つ以上のロボットアーム14と、ベース16と、ディスプレイまたはモニタ20(および随意の無線タブレット)と、例えば関節運動アーム24を固定するためのエンドエフェクタ22と、1つ以上の追跡マーカ18と、を含み得る。外科用ロボットシステム10は、患者2に(例えば、患者2の骨に)直接固定されるように適合された1つ以上の追跡マーカ18を含む、患者追跡装置26を含み得る。
【0023】
手術ロボットシステム10は、例えば、カメラスタンド32上に位置付けられたカメラ30を利用することもできる。カメラスタンド32は、カメラ30を所望の位置に移動、配向、および支持するために、任意の好適な構成を有することができる。カメラ30は、任意の好適なカメラまたは複数のカメラ、例えば、カメラ30の視点から見ることができる所与の測定量においてアクティブおよびパッシブ追跡マーカ18を識別することができる、例えば、1つ以上の赤外カメラ(例えば、2焦点または立体写真測量カメラ)などを含んでもよい。カメラ30は、所与の測定量をスキャンし、3次元におけるマーカ18の位置を識別および判定するために、マーカ18から来る光を検出し得る。例えば、アクティブマーカ18は、電気信号によって作動される赤外発光マーカ(例えば、赤外発光ダイオード(LED))を含み得、パッシブマーカ18は、例えば、カメラ30または他の好適なデバイス上の照明器によって射出される赤外光を反射する(例えば、入射する赤外線を入射する光の方向に反射する)回帰反射マーカを含み得る。
【0024】
手術ロボット12は、エンドエフェクタ22の並進および配向を制御することができる。ロボット10は、例えば、x軸、y軸、およびz軸に沿ってエンドエフェクタ22を動かすことができる。エンドエフェクタ22は、(エンドエフェクタ22に関連するオイラー角(例えば、ロール、ピッチ、および/またはヨー)のうちの1つ以上を選択的に制御できるように)x軸、y軸、およびz軸、ならびにZフレーム軸のうちの1つ以上を中心に選択的に回転するように構成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、エンドエフェクタ22の並進および配向の選択的制御により、大幅に改善された精度で医療処置を行うことができる。
【0025】
ロボット位置付けシステム12は、外科医が手術中の患者の画像に対する定位器具の位置を計画するのを支援する、1つ以上のコンピュータ制御ロボットアーム14を含む。システム10は、2Dおよび3D撮像ソフトウェアを含み、これは、脊椎、整形、または他の装置を配置するための、動的参照ベース、ナビゲートされる器具、および位置付けカメラ30を通した術前の計画、ナビゲーション、およびガイダンスを可能にする。外科用ロボットおよびナビゲーションシステムのさらなる詳細は、例えば、米国特許出願公開第2019/0021795号および米国特許出願公開第2017/0239007号に見出すことができ、これらは、全ての目的についてそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
図2にさらに注目すると、ロボット12および/または外科医は、エンドエフェクタ22および関節運動アーム24を、リトラクタまたはポートシステムなどの、アクセス器具34を装着するための所望の位置に位置付け得、これにより、外科医は、ナビゲートされる器具を使用して、手術を行うことができる。モーションロックエンドエフェクタ22がアーム14に取り付けられた時点で、ロボットアーム14への動力が遮断され得る。一実施形態では、これは外科医に器具の完全な制御を提供し、システム10は、手術を行わないか、または物理的に案内しない。ナビゲーションカメラ30は、リアルタイムで器具の位置を追跡して、患者の画像と共に、モニタ20に画像を提供して、例えば、外科医にガイダンスを提供する。
【0027】
図3~
図5を参照すると、モーションロックエンドエフェクタ22および関節動作アーム24がより詳細に示されている。モーションロックエンドエフェクタ22および関節運動アーム24は、外科用リトラクタ(
図19Bに示す)またはアクセスポート(
図19Cに示す)などのアクセス器具34に対する堅固な取り付け接続を提供する。あるいは、所望に応じて、標準テーブルを装着した関節運動アーム、リトラクタ、またはポートが使用され得る。モーションロックエンドエフェクタ22は、ロボットアーム14に取り付けられると、ロボットアームの運動を防止する。エンドエフェクタ22は、関節運動アーム24に対する堅固で迅速な接続を提供し、これを使用して、アクセス器具34(例えば、リトラクタまたはアーム装着のポート)を堅固に取り付け、位置付ける。
【0028】
図4A~
図4Cに示すように、エンドエフェクタ22は、滅菌アームドレープ28の上にクランプすることによって、ロボットアーム14に接続する。エンドエフェクタ22は、関節運動アーム24の一方の端部内の雌型部分内で受容可能である、雄型部分23を含む。関節運動アーム24は、解除ボタン36を有するエンドエフェクタ22の雄型部分23に取り付ける。解除ボタン36は、エンドエフェクタ22に対する関節運動アーム24の迅速な取り付けおよび取り外しを可能にする。関節運動アーム24の対向端部への取り付けマウント38は、アクセス器具34(例えば、リトラクタまたはアーム装着のポート)に取り付ける。関節運動アーム24の遠位端は、リトラクタシステムまたはポート34への接続のためのねじ付き取り付けマウント38を有し得る。関節運動アーム24が位置付けられ、アクセス器具34が取り付けられた時点で、ロッキングノブ40を締めて、アセンブリを固定し得る。関節運動アーム24は、ロボットアーム14と外科用リトラクタまたはアクセスポート34との間のリンクとしての役割を果たす。関節運動アーム24は、ロッキングノブ40を締めるまたは緩めることによってロックおよびロック解除されるいくつかのジョイントを有し得、標準テーブル装着のリトラクタアームと同様に、リトラクタ位置の迅速な調整を可能にする。
【0029】
このように、ロボットアーム14は、リトラクタまたはポート34のための堅固な固定点として使用して、脊椎へのアクセスを提供し得る。滅菌ドレープ28がロボット12の上に嵌合された時点で、ロボットアーム14を所定の位置に移動させることができる。エンドエフェクタ22は、滅菌ドレープ28の上でインターフェースプレートを通してロボットアーム14に取り付けられ得る。磁気の支援は、エンドエフェクタ22を位置付けて自己整列させるのを補助し得る。ドレープフレンドリクランプ29は、ドレープ28に損傷を与えることなく、1回の処置において最大3回まで、エンドエフェクタ22を取り外すこと、および再度取り付けることを可能にする。エンドエフェクタ22は、ロボットアーム14から無線で給電される。モーションロックエンドエフェクタ22は、ロボットアーム14に取り付けられると、システム10に信号を送信して、アクセス器具34(例えば、リトラクタブレードまたはアクセスポート)が患者2に使用されて手術が行われている間、全ての運動(例えば、スタビライザおよびロボットアーム14)を制限し、安全特徴として、意図しない移動を防止する。
【0030】
ここで
図6A~
図6Bを参照すると、ナビゲート可能な器具50が示されている。ナビゲートされる器具50としては、拡張器、椎間板準備器具(例えば、キュレット、コブエレベータ、ラスプ、スクレーパなど)、トライアル、およびインサータが挙げられ得る。ナビゲート可能な器具50は、ハンドル部分52と、シャフト部分54と、器具50を追跡するための1つ以上の追跡マーカ18を含むアレイ56と、を含み得る。アレイ56は、アレイポスト64によってハンドル本体52に固定され得る。アレイ56は、ハンドル52の中心軸を中心に回転するように構成され得る。ハンドル部分52は、直線ハンドルおよびT字ハンドルのスタイルを含み得る。シャフト部分54は、1つ以上の機能を行うように構成された先端部58をその遠位端に有し得、ハンドル部分52に対して迅速に接続および接続解除するように構成されたクイックコネクタ60をその近位端に有し得、それによって、ハンドルアセンブリのアレイへの堅固な取り付けを提供する。シャフト54のスロット62は、器具を保持し、ピン63は、配向を制御する。器具50は、位置合わせピン63および溝62を整列させた状態で、完全に着座するまで器具シャフト54をハンドル52に挿入することによって、選択されたアレイハンドル52と共に組み立てられる。完全に挿入されると、可聴のクリック音が聞こえて、器具50がロックされる。
【0031】
図7A~
図7Lに示すように、椎間板準備およびトライアル器具50としては、トライアル(
図7Aおよび
図7Bに示す)、カップキュレット(
図7Cに示す)、リングキュレット(
図7Dに示す)、コブ(
図7Eに示す)、エレベータ(
図7Fに示す)、オステオトーム(
図7Gに示す)、ラスプ(
図7Hに示す)、レーキ(
図7Iに示す)、サイザ/シェーバ(
図7Jに示す)、パドルディストラクタ(
図7Kに示す)、スクレーパ(
図7Lに示す)、および他の好適な器具が挙げられ得る。横方向に使用するための器具50は、長さがより長くなり得、後方に使用するためのものは、長さがより短くなり得る。キットには、様々なサイズの様々な異なる器具50が提供され得る。
【0032】
椎間板準備およびトライアル器具50は、様々なアレイハンドル52と交換可能に使用され得る。ユーザは、使用前に、ソフトウェアにおいて器具をアレイハンドル52に割り当て得る。椎間板準備およびトライアル器具50の代表的なモデルは、ソフトウェアにおいてロードされ、ユーザインターフェースにおいて器具のリストから選択され得る。
【0033】
図8A~
図8Eを参照すると、器具50は、ナビゲーションのための一体化アレイ56を有し得る、取り外し可能なアレイハンドル52と共に使用され得る。器具50はまた、所望に応じて、ナビゲーションを伴わずにフリーハンドでも使用され得る。各器具シャフト54および対応するアレイハンドル52は、使用前に組み立てられる。アレイハンドル52は、例えばユーザ選好に合うように、直線およびT字のスタイルであり得る。各アレイ56は、システム10によって認識される一意のマーカパターンを有する。アレイ56は、反射マーカ18を取り付けるための、1つ以上のポスト66(例えば、4つのポスト66)を有し得る。各アレイ56は、システム10がアレイ56を識別し、それによって、器具50のタイプを識別することを可能にする一意のパターンを有する。アレイハンドル52は、ナビゲーションのために、椎間板準備器具およびトライアルのシャフト54に取り付けられる。ハンドル52は、椎間板準備器具またはトライアルのシャフト54を取り外すための解除ボタン68を含み得る。
図8Dに示すように、アレイハンドル52は、器具および検証ディボット70の使用を通じて検証され得る。アレイポスト64上に位置する検証ディボット70は、例えば器具先端部58をディボット70の中へ配置することによって、他のナビゲートされる器具を検証するために使用され得る。
【0034】
図9A~
図9Fに示す一実施形態によれば、色および/またはエッチングされた数字によってユーザが区別し得る6つの異なるアレイ56が存在する。ハンドル52としては、例えば、赤色のアレイ56を有する直線ハンドル52(
図9Aに示す)、金色のアレイ56を有する直線ハンドル52(
図9Bに示す)、緑色のアレイ56を有する直線ハンドル52(
図9Cに示す)、青色のアレイ56を有する直線ハンドル52(
図9Dに示す)、紫色のアレイ56を有するT字ハンドル52(
図9Eに示す)、および灰色のアレイ56を有するT字ハンドル52(
図9Fに示す)が挙げられ得る。各アレイパターンは、光学カメラ30によって追跡される反射マーカ18を取り付けるための4つのポスト66を含み得る。これらのポスト66の配設は、アレイハンドル52ごとに一意である。アレイプレート56は、各々が一意の色でレーザマーキングされた数字(例えば、赤色の「1」)を有し得る。これらのインジケータは、ユーザが、ソフトウェアにおいて、椎間板準備器具シャフト54を対応するアレイハンドル52に迅速に割り当てる(例えば、赤色1、コブ10mm)ことを可能にする。アレイハンドル52が検証された時点で、処置中に器具50が交換され得る。ナビゲーションのために器具50が正しく表示されるように、新しい器具50を再度割り当てて、アレイの位置を調整しなければならない。処置中に、様々な器具50がナビゲートされ得る。
【0035】
図10A~
図10Bに注目すると、アレイハンドル52は、アレイ56が、ハンドル52の中心軸を中心に回転して、アレイ56がカメラ30の視野内にあることを確実にすること、または患者の解剖学的構造およびアレイ56に対する器具50の配向を変化させることを可能にする。ユーザは、所望に応じて、回転インデックスボタン72を押して、アレイ56を新しいインデックス位置74においてクリック音がするまで回転させ得る。インデックス位置74は、例えば、ハンドル52にインジケータ76がエッチングされ得る。第1のインデックス位置74は、ディボット70の隣の長方形のマーキングと整列された文字A(
図8Aでインジケータ76として示す)によって識別される。
図10Aに示すように、T字ハンドル52は、90°間隔で位置する4つのインデックス位置74(A、B、C、D)に器具50をインデックスし得る。
図10Bに示すように、直線ハンドル52は、180°間隔である2つのインデックス位置74(A、C)に器具50をインデックスし得る。各インデックス位置74は、それぞれのインデックス位置74に対応するインジケータ文字76(それぞれ、A、B、C、D、またはA、C)によって、アレイハンドル52上に示され得る。器具シャフト54およびアレイハンドル52が組み立てられると、インデックス位置74は、ハンドル52上の位置識別子76に示されるように、「A」から始まる。全ての器具50は、検証されて、最初に「A」のインデックス位置74でソフトウェアに表示され得る。次いで、ユーザは、アレイ56を新しいインデックス位置74まで回転させたときに、インデックスの配向をソフトウェアに入力して、表示された器具モデルが、実際の器具50と同じ位置に配向されていることを確実にする。
【0036】
アレイ56は、シャフト54に対して回転させて、アレイ56がカメラ30の視野内にあることを確実にすることができる。ユーザは、インデックスボタン72を押して、インデックス位置74のうちの1つにおいてクリック音がするまで、アレイ56をハンドル52の周りに回転させる。インデックス位置74は、「A」から始まる。インデックス位置74が「B」、「C」、「D」に変更される(または後で「A」に戻される)と、ユーザは、ロボット12のタッチスクリーンモニタ20で位置を入力する。これは、モニタ20が、対応する器具モデルの正確な配向を表示することを可能にする。実施形態には、2つまたは4つのインデックス位置74が示されているが、任意の好適な数および場所のインデックス位置74が使用され得ることが認識されるであろう。
【0037】
全てのアレイハンドル52は、同じクイック接続および解除の取り付け機構を有し得る。これは、任意の椎間板準備またはトライアル器具シャフト54を任意のアレイハンドル52に組み立てることを可能にする。ユーザは、ソフトウェアにおいて、器具50を各ハンドルアレイ56に割り当てる。アレイハンドル52上の解除ボタン68は、押したときに、器具シャフト54を挿入することまたは取り外すことを可能にする。スロット62は、接続機構に組み込まれ得、該接続機構は、全ての嵌合する椎間板準備およびトライアル器具のピンと嵌合して、回転配向を制御する。
【0038】
図10Cを参照すると、ナビゲート可能な椎体間インサータ器具または椎体間インサータ80がさらに説明されている。ナビゲート可能な椎体間インサータ80は、例えば、経椎間孔椎体間固定術(TLIF)、後方椎体間固定術(PLIF)、および側方椎体間固定術(LLIF)で使用される、腰椎椎体間インプラントを設置するように構成され得る。また、インサータ80が他の椎体間装置またはインプラントを設置するように構成され得ることも想到され得る。インプラント設計に応じて、椎体間インサータ80は、椎体間インプラントを保持するためのフォーク状先端部96またはねじ付き先端部98を有し得るか、または別様にインプラントを保持するよう構成され得る。
【0039】
椎体間インサータ80は、アレイプレート82と、シャフトまたはスリーブ84と、回転可能な本体88と、アレイプレート82を本体88に接続するアレイポスト90と、を有し得る。ねじ付きインサータ80について、インサータ80は、ねじ付きロッド100と、インサータ本体88を通して、およびスリーブ84を通して位置付け可能なドライバシャフト102と、を含み得る。ねじ付きロッド100は、インプラントに係合するように構成された遠位ねじ付き先端部98によって終端し得る。フォーク状インサータ80について、インサータ80は、インサータ本体およびスリーブ84を通して位置付け可能なフォーク状ロッド104を含み得、インプラントに係合するように構成された遠位フォーク状先端部96によって終端し得る。
【0040】
一実施形態では、アレイポスト90は、インサータ80の本体88に恒久的に一体化され得、本体88は、インサータ80のシャフトまたはスリーブ84を中心に自由に回転する。アレイプレート82は、光学カメラ30によって追跡される反射マーカ18を取り付けるための、1つ以上のポスト86(例えば、4つのポスト86)を有し得る。アレイパターンは、インサータ80に一意であり得る。例えば、どのインプラントが配置されているかにかかわらず、全てのインサータ80が同じアレイパターンを有し得る。インサータアレイパターンは、他のアレイ器具(例えば、アレイ46、拡張器アレイ114)のパターンとは異なり得る。
【0041】
図10D~
図10Gに注目すると、回転可能な本体88(および取り付けたアレイ82)は、中心軸スリーブ84を中心に回転させて、アレイ82がカメラ30の視野内にあることを確実にすること、または患者の解剖学的構造に対するインサータ80の配向を変化せることを可能にし得る。ユーザは、所望に応じて、回転インデックスボタン94を押して、および/またはノブ92を操作して、新しいインデックス位置74に配向されるまでアレイ82を回転させ得る。インサータ80のアレイ82は、
図10Bに示すように、2つのインデックス位置74(それぞれ、A、C)にインデックスされ得る。インデックス位置74は、器具50に関する説明と同じ様態で、180°間隔で、レーザマーキングによって器具80上で識別され得る。これは、アレイ82を回転させて、例えば、アレイ82がカメラ30の視野内にあることを確認することを可能にする。ユーザは、インデックス位置74の間で切り換えるために、ねじ付きノブ92を緩めて、アレイ82を、例えば対向する場所まで180°回転させ得る。そして、位置を固定するために、ノブ92を締め得る。別の実施形態では、ユーザは、インデックスボタン94を押して、アレイ82を回転させる。
図10Eおよび
図10Gでは、インサータ80は、位置「A」として識別されるインデックス位置74に示されている。
図10Dおよび
図10Fでは、インサータ80のインデックス位置74は、位置「C」に変更されている。インデックス位置74が「C」に変更される(または後で「A」に戻される)と、ユーザは、モニタ20で位置を入力する。これは、モニタ20が、対応する器具モデルの正確な配向を表示することを可能にする。
【0042】
図11A~
図11Eを参照すると、インサータ80のいくつかの実施形態が示されている。
図11Aでは、インサータ80は、静的後方椎体間スペーサを保持するように構成されたフォーク状遠位先端96を含み得る。
図11Bでは、インサータ80は、関節運動する拡張可能なTLIFスペーサを保持するように構成されたねじ付き遠位先端98を含み得る。
図11Cでは、インサータ80は、拡張可能な側方腰椎固定装置を保持するように構成されたフォーク状先端部96を含み得る。
図11Dでは、インサータ80は、拡張可能な腰椎固定インプラントを保持するように構成されたフォーク状先端部96を含み得る。
図11Eでは、インサータ80は、一体的な固定によって、拡張可能な椎体間固定スペーサを保持するように構成されたねじ付き先端部98を含み得る。フォーク状の実施形態96およびねじ付きの実施形態98が示されているが、インサータ80の遠位端は、あらゆる方法で、処置中にインプラントを保持するように構成され得ることが認識されるであろう。選択したインプラントシステムに基づいて、ソフトウェアにおいて、インプラントシステムに対応するインプラントインサータ80が識別される。インプラントインサータ80は、システム10によるナビゲーションのための一体型アレイ82を含み得る。
【0043】
図12A~
図13Bを参照すると、インサータ80は、以下のように組み立てられ得る。
図12A~12Bに注目すると、ねじ付きインサータ80を組み立てるために、スリーブ84がアレイアセンブリに挿入され得、ねじ付きロッド100および駆動シャフト102がインサータ本体88の中へ、スリーブ84を通して挿入され得る。スリーブ84の1つ以上のプロング85は、インサータ本体88と整列させて、その中にスリーブ84が挿入され得る。ノブ89は、時計方向に回転させて、スリーブ84にねじ込んで、アセンブリを固定し得る。
図13A~
図13Bに注目すると、プロング付きインサータ80を組み立てるために、スリーブ84がアレイアセンブリに挿入され得、フォーク状シャフト104がインサータ本体88の中へ、スリーブ84を通して挿入され得る。スリーブ84の1つ以上のプロング85は、インサータ本体88と整列させて、その中にスリーブ84が挿入され得る。ノブ89は、時計方向に回転させて、スリーブ84にねじ込んで、アセンブリを固定し得る。
【0044】
締め付けレンチおよびトルク制限ドライバなどの(拡張可能な装置のインサータのための)ナビゲートされない器具は、特に椎体間インサータ80と協働するように提供され得る。これらの補助器具は、対応するナビゲートされない椎体間インサータと協働する器具と同じ機能を果たす。これらのナビゲートされない器具は、例えば、患者の画像にはレンダリングされず、インサータ80の機械的機能を支持するために使用され得る。
【0045】
ここで
図14A~
図14Gを参照すると、ナビゲート可能な拡張器具または拡張器110が示されている。ナビゲート可能な拡張器110は、ロボットナビゲーションシステム10によって追跡されるように構成された初期拡張器112および拡張器アレイ114を含み得る。拡張器アレイ114は、一意のアレイパターンと、空胴または取り付け窓116と、解除ボタン118と、検証ディボット120と、を含み得る。アレイ56および82と同様に、アレイ114は、追跡マーカ18を取り付けるための、1つ以上のポスト122(例えば、4つのポスト122)を有し得る。アレイ114は、システム10がアレイ114を識別し、それによって、ナビゲーションのために拡張器110を識別することを可能にする、一意のパターンを有する。検証ディボット120は、器具先端部58をディボット120の中へ配置することによって、他のナビゲートされる器具50を検証するために使用され得る。検証ディボット120は、例えば、アレイ114の上に位置し得る。
【0046】
拡張器アレイ114は、初期拡張器112に取り付けられ得る。初期拡張器112としては、2mmカニューレ、絶縁カニューレA、ステンレス鋼カニューレA、または他の好適なカニューレなどのカニューレもしくは拡張器が挙げられ得る。
図14Dに示すように、初期拡張器112および拡張器アレイ114を組み立てるには、解除ボタン118を押して、取り付け窓116を開き得る。拡張器112は、窓116を通してその中へ挿入され得る。
図14Eに示すように、側部ビューウィンドウ124は、拡張器112がアレイ114に完全に挿入されたことを確実にするために確認され得る。
【0047】
図14F~
図14Gに示すように、マーカ18(例えば、使い捨て反射マーカ)は、アレイ114のマーカポスト122の各々に取り付けられ得る。
図14Gに示すように、組み立てるには、マーカ18をポスト122に完全に着座させる。マーカ18は、本明細書で説明する同様のアレイ56、82のポスト66、86に同様に固定され得ることが認識されるであろう。
【0048】
拡張器アレイ114は、システム10によるナビゲーションのために、初期拡張器112に取り付けられ得る。ユーザは、ソフトウェアインターフェース上で、アレイ114と共に使用されるべき特定の初期拡張器112を選択し得る。拡張器112およびアレイ114が組み立てられて、検証されると、軟組織の拡張中に、選択された拡張器110の代表画像が患者の解剖学的画像に重ね合わせられる。拡張器110が配置された時点で、所望に応じて、ナビゲートされないカニューレによって順次拡張が行われ得る。
【0049】
ここで
図15A~
図15Dを参照すると、例えば器具50(例えば、椎間板準備器具またはトライアル)または検証のためのインプラントを有するインサータ80に代わるものとして、検証アダプタ130の実施形態が、検証について記載されている。
図15Cに最も良く見られるように、各アダプタ130は、他のアレイ器具50、110上に位置する検証ディボット70、120に嵌合する、尖頭先端部132(例えば、円錐先端部)を有する。各タイプのインサータ80は、アダプタ130上で識別される、特定の検証アダプタ130と嵌合する。各アダプタ130の近位端は、所与のインサータ80が整合アダプタ130を保持するように構成されるように、対応するインプラント特徴に整合する1つ以上の嵌合特徴134(例えば、突出部、凹部、スロット)を有する。
【0050】
一実施形態では、検証アダプタ130は、アレイハンドル52に取り付けられた器具シャフト54を交換するために使用され得る。この場合、アダプタ130は、検証のために、アレイハンドル52の上へ配置される。検証後に、アダプタ130を取り外し得、その意図する機能のために、器具シャフト54をハンドル52の上へ配置する。検証アダプタ130は、アレイハンドル52の検証ディボット70または検証ディボット70、120を有する任意の器具の内部に容易に嵌合する、円錐先端部132を有し得る。アダプタ130は、湾曲したキュレットまたはオステオトームなどの、検証に好都合な先端部58を有しない器具50を検証するために、オプションとして提供され得る。
【0051】
図15Dに示す別の実施形態では、検証アダプタ130はまた、インサータ80と共に使用され得る。インサータ検証アダプタ130は、インサータ80に固定されるインプラントの代替物として、使用前に椎体間インサータ器具80を検証するために使用され得る。各アダプタ130は、特定のインサータ80およびインプラントタイプに対応する。アダプタ130は、インサータ80の遠位端の上へ配置されて、検証のための尖頭先端部132を提供する。検証後に、アダプタ130を取り外し、ナビゲーションのために、所望のインプラントをインサータ80の上へ配置する。
【0052】
図16A~
図16Cを参照すると、検証手順が説明されている。任意の器具50(例えば、椎間板準備器具またはトライアル)またはインサータ80は、ソフトウェア検証のために、別のアレイハンドル52の検証ディボット70、120、拡張器アレイ114、または他の好適なディボットに配置され得る。
図16Aに注目すると、インサータ80は、検証アダプタ130の先端部132を、別のアレイハンドル52上に位置する検証ディボット70に配置することによって検証され得る。
図16Bでは、インサータ80は、検証アダプタ130の先端部132を拡張器アレイ114上に位置する検証ディボット120に配置することによって、ソフトウェアにおいて検証され得る。ソフトウェア検証は、両方の器具50、80、110が、視認可能であること、カメラ30に面していること、および垂直位置に安定して保持されていることを確実にする。各アレイ56、82、114の中心軸は、検証を完了するために互いに対して平行にするべきである。
【0053】
図16Cに示すように、ポップアップ画面がモニタ20(または他のスクリーン)上に現れて、検証の進捗を示す。ナビゲートされる器具50、80、110は、光学マーカの場所、先端部の場所、および検証ディボットの場所を含む、ソフトウェアに記憶された寸法情報によって事前に較正される。アレイハンドル52に取り付けられた最大6つの器具シャフト54が、一度に検証およびナビゲートされ得る。検証中に、事前に定義した次元情報を使用して、器具の位置を定義する。ユーザは、検証画面へ進む前に、インプラントファミリを選択する。インプラントファミリが選択された時点で、外科用器具50の先端部58の場所がソフトウェアに知らされる。アレイおよび/または一体型器具アレイ56、82、114は、使用前に、ナビゲーションシステム10によって検証される。検証アダプタ130は、必要に応じて、器具ハンドル52またはインサータ80に取り付けられ得る。精度検証(レジストレーション)中に、ユーザは、1つのナビゲートされる器具50またはインサータ80の先端部58、132を、別のアレイハンドル52、拡張器アレイ114、または他の好適な器具の検証ディボット70、120に保持する。アレイ56、82、114のどれも、各器具シャフトの中心軸が互いに平行であるように、カメラ30に視認可能で、かつ垂直位置に安定して保持されなければならない。完了した時点で、検証結果が、成功アイコン(例えば、
図16Cの左側に示される緑色の円)または失敗アイコン(例えば、
図16Cの右側に示される赤色の斜線付き円)として表示される。
【0054】
器具シャフト54をアレイ56に取り付ける場合は、同じ器具名をモニタ30上の対応するアレイに割り当てられなければならない。検証後に、器具50が起動され、モニタ30に表示される。アレイハンドル52およびインサータ80は、1回の手術当たり1回の検証だけを必要とし得る。検証後には、検証アダプタ130を取り外すことができ、所望の器具シャフト54または椎体間スペーサが、それぞれ、アレイハンドル52または椎体間インサータ80に取り付けられ得る。ナビゲートされる器具のデジタル表現が、一般的な器具としてではなく、器具特有の詳細を表す単純化された3D図として、登録された患者画像にレンダリングされる。計画されたインプラント(ナビゲートされ得ない)もまた、インプラント特有の詳細を表す単純化された3D図面として、患者画像にレンダリングされる。ナビゲートされない器具は、患者画像にレンダリングされ得ない。検証の特定の特徴を本明細書で説明しているが、追加的な器具または構成を使用して、外科的処置の構成要素が検証され得ることが認識されるであろう。
【0055】
ここで
図17A~
図17Bを参照すると、動的参照ベース140、142(DRB)の実施形態が示されている。動的参照ベース140、142は、患者2に(例えば、患者2の骨に)直接固定されるように適合された1つ以上の追跡マーカ18を含む、患者追跡装置26である。動的参照ベース140、142は、全てのナビゲーション追跡が参照される、光学空間内の固定参照点を確立するために使用され得る。
図17Aに示される動的参照ベース140の一実施形態は、より長い作動距離に対して、一度に2つの動的参照ベース140、142を使用することを可能にする。
図17Aに示す動的参照ベース140はまた、
図17Bに示される動的参照ベース142の代替物として、唯一の動的参照ベース140としても使用され得る。
【0056】
動的参照ベース140、142は、各々が、アレイ本体144と、クランプ機構146と、を含む。動的参照ベース140、142は、クアトロスパイク、低プロファイルのクアトロスパイク、骨クランプ、ロッドアタッチメントなどの、堅固な患者固定装置138に取り付ける。動的参照ベース140、142は、外科空間に位置付けるように調整され得る。
【0057】
動的参照ベース140、142は、反射マーカ18を取り付けるための、1つ以上のポスト148(例えば、4つのポスト148)を伴うアレイ144を有する。各アレイ144は、一意のパターンを有し、これは、システム10が、アレイ144を識別し、それによって、動的参照ベース140、142を識別することを可能にする。動的参照ベース140は、システム10によって一意的に識別されるように、動的参照ベース142とは異なるアレイパターンを有する。
【0058】
図17Aに示す実施形態では、動的参照ベース140は、患者の固定ポスト138に取り付けられるように構成されたクランプ機構146を含む。動的参照ベース140は、ポスト138にクランプするための摺動機構150を有し、ドライバ(例えば、ヘクサロビュラドライバ)によって締められ得る。
図17Bに示す実施形態では、動的参照ベース142は、固定ロッドの周囲のクラスプを圧縮する蝶ねじ152を伴うクランプ146を有する。動的参照ベース140、142は、非滅菌で提供され、手術で使用する前に滅菌され得る。動的参照ベース140は、単独で、または長い構造物の場合には動的参照ベース142と併せて使用され得る。
【0059】
ここで
図18A~
図18Dを参照すると、ナビゲートされる外科的処置をセットアップするためのステップが示されている。処置を開始する前に、滅菌ドレープ28が、ロボットアーム14、モニタ20、およびベースステーション16の正面部分を覆って配置される。パッシブマーカ18は、全てのナビゲートされる器具のアレイ56、82、114、144および装置50、80、110、140、142に加えられる。
図18Aに示すように、外科医は、計画ソフトウェアを使用して、椎体間インプラントの場所および患者画像20上の器具を決定することができる。計画は、手術前の撮像ワークフローのための画像レジストレーションの前に、または手術中の撮像ワークフローまたは2D撮像ワークフローのための画像レジストレーションの後に行われ得る。器具の計画は、外科医が、画像レジストレーションの後にフットペダルを押すかまたはタッチスクリーンモニタ20で確認することによって、ナビゲートされる器具50、80、110を伴う椎体間装置(またはねじ)を計画することを可能にする。外科医は、タッチスクリーンモニタ20で、ならびに手術前撮像を伴うタブレットで計画することができる。インプラントは、ソフトウェアにおいて選択されて、患者画像上の所望の位置へ移動される。
【0060】
図18Bに示すように、患者2が準備され、外科医の開始準備が整った時点で、患者固定ポスト138が、手術部位に近接した患者の骨の解剖学的構造に固定される。
図18Cに示すように、動的参照ベース140、142は、患者固定ポスト138に取り付けられ得る。加えて、別個の監視マーカ154もまた、手術部位に近接した患者の骨の解剖学的構造に固定され得る。監視マーカ154は、単一の追跡マーカ18を含み得、また、処置中に動的参照ベース140、142が移動しない、といった追加的な検証を提供するために使用され得る。
【0061】
最初に、特定の解剖学的位置を、その場所を追跡するために、既知の座標フレームを参照して患者2に位置合わせする。
図18Dに示すように、これは、CT基準およびパッシブマーカ18の両方を含む、動的参照ベース140、142および手術中のレジストレーション固定具156を、(例えば、手術中CT撮像モダリティに適用可能な)患者取り付け器具138に堅固に取り付けることによって達成され得る。動的参照ベース140、142は、患者取り付け器具138に堅固に固定される。動的参照ベース140、142は、カメラ30によって容易に見ることができる場所に配置される。手術中のレジストレーション固定具156は、枢動アーム158によって患者取り付け器具138のポストにクランプされる。枢動アーム158は、固定具を手術部位の上に直接位置付けることができるように、6自由度を有し得る。
【0062】
ここで
図19A~
図19Cを参照すると、ナビゲートされる外科的処置を行うための1つ以上のステップが示されている。
図19Aに示すように、所望に応じて、拡張器110をナビゲートすることによって、アクセス器具34(例えば、
図19Bに示すリトラクタまたは
図19Cに示すポートシステム)の初期位置および軌道が確立され得る。拡張器アレイ114は、システム10によって検証され得る。初期拡張器112は、アクセス軌道に位置するようにナビゲートされ得る。拡張器アレイ114は、組織拡張のために取り外され得る。例えば、サイズを増大させる拡張器(カニューレ)を使用した順次拡張が外科医によって行われ得る。アクセス器具34は、拡張器の上に位置付けられ得る。関節運動アーム24は、アクセス器具34、およびロボットアーム14に結合されたエンドエフェクタ22に取り付けられ得る。ロッキングノブ40は、関節運動アーム24を固定するために締められ得る。アクセス器具34が位置付けられた時点で、椎体間インプラントを設置するために、ナビゲート可能な器具50およびインサータ80のいずれかが、本明細書で説明するように利用され得る。
【0063】
ここで
図20A~
図20Gを参照すると、外科的処置の器具計画、セットアップおよびアクセスのために、ならびに/またはナビゲーション全体にわたって利用され得る、ソフトウェアユーザインターフェースの実施例が提供されている。器具50、80、110は、椎体間固定装置の準備および配置のために、外科的処置中にフリーハンドでナビゲートされ得る。ねじは、様々なワークフローを使用して、椎体間スペーサの前または後に配置され得る。器具50、80、110の位置は、カメラ30によって追跡される。外科医は、標準的な手術と同様の、椎間板腔の解剖学的構造および外科用器具50、80、110の触感を有する。椎体間スペーサを配置するために、標準的な外科技術に従って、トライアル、カップキュレット、リングキュレット、コブエレベータ、エレベータ、オステオトーム、ラスプ、レーキ、スクレーパ、サイザ/シェーバ、パドルディストラクタ、およびトライアルを含む、器具50が使用され得る。ナビゲート可能な器具50、80、110の位置は、リアルタイムで監視される。外科医は、器具50、80、110を手動で操作して、正確な配置および位置付けを決定する。外科用器具50、80、110は、所望に応じて、取り付けられたアクセス器具34(例えば、リトラクタまたはポート)を通して使用され得る。
【0064】
ロボットソフトウェアユーザインターフェースは、典型的な処置を通して外科医およびスタッフを支援するように構成されている。スクリーン20上のタブは、以下のようなプロセスの各ステップを表し得る。(1)ワークフローステップ162は、ユーザが、インプラントセットおよびインプラント配置の一般的な場所を選択することを可能にする。(2)検証ステップ164は、ユーザが、ナビゲーション器具を検証して、例えば、器具が前回の使用によって損傷していないことを確実にすることを可能にする。(3)画像ステップ166は、ユーザが、患者画像をインポートおよび選択することを可能にする。(4)計画ステップ168は、ユーザが、患者の医療画像へのインプラントの配置を計画することを可能にする。(5)ナビゲートステップ170は、患者の医療画像上の器具およびインプラントの場所を示す。
【0065】
図20Aを参照すると、ワークフローステップ162の器具計画は、脊椎のシミュレーションされた解剖学的図を伴うスクリーンビュー160から開始され得る。ワークフロータブ162では、所望の手術の順序(例えば、椎体間を最初に配置する)で、所望の処置のステージ(例えば、椎体間またはねじの配置)が選択され得る。各ステージについて、撮像モダリティ、椎体間インプラントシステム、および解剖学的モデルに関する所望の椎体間レベルが選択され得る。「ステージを追加(Add Stage)」ボタン172をクリックして事例にステージを追加することによって、ステージがワークフローに追加され得る。例えば、脊髄レベルインジケータの円またはバブル174をダブルクリックして、計画のための脊髄レベルを選択または選択解除にすることによって、脊髄レベルが選択され得る。「器具の検証(Verify Instruments)」ボタン176は、次のタブへ進むために選択され得る。
【0066】
任意のナビゲート可能な器具50、80、110は、器具を計画するために使用することができる。器具計画は、ナビゲートされる器具50、80、110の軌道を所望のインプラント軌道に整列させ、ユーザ入力を通してこの軌道を確認することによって、インプラント計画を作成することを指す。器具計画機能は、ユーザが、インプラント計画が器具50の先端58において作成されるか、またはその軌道に沿ったその先端58からいくらか離れて作成されるか、を選択することを可能にする。ユーザは、患者の解剖学的構造の画像に最良に適合するように、計画されたインプラントのタイプおよび寸法を選択することができる。ユーザは、ソフトウェアにおいて、器具50、80、110を、所望の位置にナビゲートして、患者画像上のインプラントにドロップする。
【0067】
図20Bを参照すると、検証タブ164は、ワークフロータブ162上で選択された器具50、80、110の可視性、場所、および検証状態を含む、ナビゲーションの詳細を表示する。例えば、検証は、取り扱い中に全ての器具50、80、110が損傷していないことを確実にするために使用され得る。アレイ56、82、114を有する全ての器具50、80、110は、適宜、検証アダプタ130、器具50、インプラント、または拡張器110のいずれかと共に使用する前に検証され得る。検証タブ164は、カメラ視野および器具の状態を示し得る。カメラ視野は、カメラ30の視点からのリアルタイムの視野であり、1つ以上の色付き円178が、器具の場所を示す。中実の色付き円178は、器具50、80、110がカメラ30によって視認可能であることを示し得、一方で、中空の円は、該器具が視認不可能であることを示し得る。色付き円178は、器具50、80、110が物理的カメラ30のより近くへ移動するにつれて大きくなり得、該器具がカメラ30からより離れて移動するにつれて小さくなり得る。カメラ30からの理想的な距離は、約2メートルまたは6フィートであるが、該距離が変化し得ることが認識されるであろう。器具の状態は、各器具50、80、110を識別するための対応する色付き円によって、各器具50、80、110、およびその検証状態をリストし得る。検証状態シンボルは、検証の成功を示す緑色マーカと、検証の失敗を示す赤色マーカと、を含み得る。検証タブ164のアイコンは、ワークフロータブ162に戻ること示す逆矢印と、クリックして次の画像タブ166へ進むためのロードスキャンボタンと、を含み得る。
【0068】
図20Cを参照すると、アレイ56、82、114は、取り扱い中、洗浄中、または殺菌中にそれらが損傷していないことを確実にするために、ナビゲーションシステム10によって検証される。カメラ30は、アレイ56、82、114に固定された反射マーカ18の一意のパターンを検出する。各アレイ56、82、114は、器具シャフト54、検証アダプタ130、インプラント(インサータ80用)、または拡張器112(拡張器アレイ114用)をアレイハンドル52またはインサータ80に取り付けて、アセンブリの先端部を、別のアレイハンドル52の検証ディボット70、120または拡張器アレイ114の中へ配置することによって、使用前に検証されなければならない。検証後には、検証アダプタ130を取り外し(使用した場合)、所望の器具シャフト54または椎体間スペーサが、それぞれ、アレイハンドル52またはインサータ80に取り付けられる。器具シャフト54をアレイハンドル52に取り付ける場合は、ソフトウェアにおいて、同じ器具名を、対応するアレイに割り当てられなければならない。この時点で、仮想器具または器具180が起動され、モニタ20に表示される。検証が完了した時点で、検証状態がスクリーン20に示される。誤差が存在する場合、先端部の誤差がmmで表示され得る。
図16Cに示すように、スクリーンビュー160は、検証に失敗したかどうかを示し得(例えば、赤色の斜線付き円が表示され得る)、成功する(例えば、緑色の円が表示され得る)まで、検証が繰り返され得る。全ての器具の検証が成功したときに、「ロードスキャン(Load Scan)」ボタンを選択して、次のタブへ進み得る。
【0069】
図20Dおよび
図20Eを参照すると、計画ステップ168は、椎体間インプラントを配置するための随意の計画を可能にする。計画タブ168は、ユーザが、患者画像のスクリーンビュー160に重ね合わせられた全ての仮想椎体間インプラント182の配置を計画することを可能にする。インプラントは、ワークフロータブ162において行った選択に基づいて、スクリーン160の右パネル上にプレロードされ得る。インプラント計画は、所望のインプラント182を患者画像にドラッグアンドドロップすることによって、または器具50、80、110を所望の位置にナビゲートして、患者画像のその位置にインプラント182をドロップすることによって作成され得る。インプラント位置およびサイズは、計画タブ168上で調整され得る。
【0070】
図20Dでは、所望のインプラント標識は、スクリーン20の右パネル上で選択され、画像上にドラッグされ得る。整列させた時点で、計画されたインプラント182が解除されて、それを画像160上にドロップし得る。アクティブなインプラント182は、計画中に、右パネル上にハイライトされ得る。選択されると、アイコンは、ハンドアイコンへ切り替わり得る。
図20Eでは、スクリーン20の右パネル上の器具計画アイコンを選択して、器具計画が起動され得る。選択されると、アイコンは、視認可能なアイコンへ切り替わり得る。所望のインプラントラベルが、スクリーン20の右パネル上で選択され得る。検証された器具を使用して、所望の軌道が患者画像上にナビゲートされ得る。所望のインプラントの場所を保存するために、フットペダルが押され得るか、または確認軌道ボタンが選択され得る。計画されたインプラント182が画像160上にドロップされた時点で、インプラント計画特徴を使用して、インプラント画像182をタッチスクリーン20上にドラッグすることによって、インプラントの場所が調整され得る。特定のインプラントサイズ(例えば、幅、長さ、高さ、脊柱前湾)が、スクリーン20の右パネル上で選択され得る。青色のアイコンは、クリックしてインプラント182を患者画像160上にドロップすることで、軌道を確認し得る。手のシンボルは、クリックして器具計画モードに移行することで、器具計画アイコンを示し得る。眼のシンボルは、ユーザが器具計画モードにあることを示すための、視認可能なアイコンを示し得る。レベルバブルインジケータ184は、計画されているアクティブインプラントおよび脊髄レベルを示し得る。
【0071】
図20Fおよび
図20Gを参照すると、ナビゲーションタブ170は、椎間板準備、トライアル、および椎体間配置を可能にし得る。ナビゲーション前に、所望に応じて、モーションロックエンドエフェクタ22を使用して、手術のためのアクセス器具34(例えば、リトラクタまたはアクセスポート)を取り付けることができる。ドレープをかけることに続いて、ユーザは、例えば、ブレスレットまたはフットペダルを押すことによって、リストモードでロボットアーム14を移動させることができる。ユーザは、手動でアーム14を、手術部位の近くの手術領域内の所望の位置へ移動させる。次いで、滅菌モーションロックエンドエフェクタ22が、ドレープ28の上でロボットアーム14に取り付けられる。これは、ロボットアーム14の運動をロックする。リトラクタまたはポート34は、関節運動アーム24に取り付けて、処置期間中に、その位置および配向を堅固に固定し得、脊椎へのアクセス通路を提供する。関節運動アーム24およびリトラクタまたはポート34は、モニタ20に表示され得ない。関節運動アーム24は、解除ボタン36を押して、それを取り付けることによって、モーションロックエンドエフェクタ22に固定され得る。リトラクタまたはポート34は、関節運動アーム24の取り付けマウント38に取り付けられ得る。所望に応じて、拡張器アレイ114は、初期拡張器112に取り付けて、リトラクタまたはポート34の初期位置および軌跡にナビゲートされ得る。所望の位置が確立された時点で、所望のリトラクタまたはポート34上の関節運動アーム24が、取り付けマウント38に接続され得る。ロッキングノブ40は、関節運動アーム24をロックするために固定される。関節運動アーム24およびリトラクタまたはポート34が所望の位置にある時点で、外科的処置が行われ得る。
【0072】
図20Fでは、所望の器具50(例えば、椎間板準備器具およびトライアル)をアレイハンドル52に組み立てて、器具検証を行った後に、「アレイ識別子(Array Identifier)」ボタンをクリックすることによって、器具50が所与のアレイ56に割り当てられ得る。正確なインデックス位置74は、「アレイインデックス識別子(Array Index Identifier)」ボタンをクリックすることによって識別され得る。アレイ56が検証された時点で、椎間板準備およびトライアル器具50は、処置の間スイッチがオフにされ得るが、ナビゲーションのために器具50が正しく表示されるように、新しい器具50を再度割り当てて、それに応じて、アレイインデックス位置74を調整しなければならない。器具50が損傷していないこと、および器具の設定が正しく設定されていることをチェックするために、解剖学的標識点チェックが行われ得る。椎間板準備およびトライアルは、スクリーン20に表示されたナビゲートされる器具アセンブリ186を使用して行われ得る。
【0073】
図20Gでは、椎体間インプラントが配置され得る。トライアルは、「アレイ識別子(Array Identifier)」ボタンをクリックすることによってアレイハンドル52に割り当てられ得る。正確なインデックス位置74は、「アレイインデックス識別子(Array Index Identifier)」ボタンをクリックすることによって割り当てられ得る。トライアルは、所望の場所にナビゲートされ得る。トライアルは、椎間板腔に挿入され得る。これは、所望のインプラントサイズが決定されるまで、様々なトライアルについて繰り返され得る。インサータ80は、使用されている椎体間装置に対応して選択され得る。器具検証は、検証アダプタ130またはインプラントを使用して行われ得る。所望の椎体間インプラントは、インサータ80に取り付けられる。インプラントサイズ(例えば、幅、長さ、脊柱前湾)は、スクリーン20の右パネル上で選択され得る。椎体間インプラントは所望の場所にナビゲートされ、仮想インサータおよびインプラント188は、患者画像160に表示される。インプラントは、例えばモニタ20に表示されているナビゲーション情報に基づいて、椎間板腔に挿入される。拡張可能なスペーサについて、装置を拡張するために、対応するトルク制限ドライバが使用され得る。椎体間ソフトウェアモジュールは、椎体間固定装置のアクセス、準備、および/または配置のナビゲーションを提供し得る。
【0074】
ここで
図21A~
図21Hを参照すると、ナビゲート可能な拡張器器具または拡張器210の別の実施形態が、さらに詳細に記載されている。ナビゲート可能な拡張器210は、
図14A~
図14Gに示す拡張器110と同様であり得る。ナビゲート可能な拡張器210は、ロボットナビゲーションシステム10によって追跡されるように構成された、初期拡張器212および拡張器ホルダまたは拡張器アレイ214を含み得る。拡張器アレイ214は、一意のアレイパターンと、空胴または取り付け窓216と、解除ボタン218と、検証参照特徴220と、を含み得る。アレイ114と同様に、アレイ214は、追跡マーカ18を取り付けるための、1つ以上のポスト222(例えば、4つのポスト222)を有し得る。
【0075】
低侵襲脊椎手術では、切開部から、典型的には椎間板腔(intervertebral disc space)である手術標的へのアクセスを得るために、順次拡張が使用され得る。切開部、椎間板腔、およびリトラクタの場所を標的にするために、蛍光透視(X線)が使用され得る。また、椎間板腔にアクセスするために拡張器が所望の軌道に沿って挿入されることを確実にするために、蛍光透視も使用される。複数のX線画像によって軌道を確認しながら、初期拡張器を切開部に挿入して、軟組織を通して横断させる。手術部位は、より大きなカニューレを初期拡張器の上に配置することによって逐次的に拡張され得る。部位が十分に拡張された時点で、リトラクタが挿入され得る。リトラクタは、骨切除術器具、椎間板切除器具、および椎体間器具を椎間板腔に挿入するための作業コリドーを提供する。しかしながら、患者、外科医、および外科スタッフは、この拡張方法に必要とされる蛍光透視の量のため、潜在的に有害な放射線に曝露され得る。加えて、不正確に配置された器具によって、合併症が起こり得る。最終的に、この方法は、時間がかかり得、それが外科の効率および患者の安全性を低減させる。
【0076】
ロボットナビゲーションシステム10によって、手術中の蛍光透視に対する必要性を大幅に低減または排除し得、精度を高め、および/または手術中の効率を高めながら、初期拡張器212がシステム10によってナビゲートされ得る。本システムは、外科用ロボットナビゲーション技術を通した、外科的にナビゲートされる拡張器210の完全な剛体運動を追跡することを可能にする。外科用ロボットナビゲーションによって、器具50、80、110、210が、光学または電磁位置センサ18を通して追跡され得、関連するコンピュータ支援設計(CAD)モデルが解剖学的ランドマークに対して表示され得、および/または器具50、80、110、210が、ロボットシステム10を使用して計画位置まで誘導され得る。
【0077】
外科用ナビゲーションまたはロボットナビゲーションシステムは、光学または電磁マーカ18のアレイ56、82、114、214の互いに対する位置を測定することによって、器具50、80、110、210の完全な剛体運動を追跡し得る。モデルは、これらの被測定マーカの場所にマッピングされ、3D空間において配向され、外科医のための解剖学的画像に対して表示され得る。追跡アレイ56、82、114、214の配向を確実にする1つの方法は、アレイをツールに堅固に装着することである。しかしながら、拡張器110、210については、アレイ114、214をツールに堅固かつ恒久的に装着することが可能でない場合がある。
【0078】
順次拡張は、その後に軟組織に挿入される直径を増加させる拡張器を使用することを含む。標的軌道を維持し、かつ組織の損傷を防止するために、順次拡張は、それぞれのより大きい拡張器を、先に挿入した拡張器の周囲に同心状に配置することによって達成され得る。初期拡張器112、212が、ロボットナビゲーションの支援によって配置され得る。取り外し可能な追跡アレイ114、214が取り外され得る。次いで、後続の拡張器が挿入され得る。リトラクタまたは他のアクセス器具34を配置している間、アレイ114、214が再度取り付けられて、拡張器の位置が追跡され得る。このようにして、取り外し可能なアレイ114、214は、ナビゲートされる拡張器ホルダとして作用する。この方法を通して、初期拡張器112、212が直接的にナビゲートされ得、リトラクタまたは他のアクセス器具34が間接的にナビゲートされ得る。ナビゲーションを通して所望の軌道および深さが決定された時点で、リトラクタまたは他のアクセス器具34を適所に堅固に固定することができ、拡張器および追跡アレイ114、214が取り外され得る。
【0079】
拡張器およびリトラクタの配置に加えて、ナビゲートされる拡張器ホルダまたはアレイ114、214には、他の利点が存在し得る。拡張器のサイズおよびスタイルは、特定のリトラクタシステムに一意であり得る。初期拡張器112、212の様々なサイズおよびスタイルに適合する汎用のナビゲートされる拡張器ホルダ114、214は、設定の複雑さを低減させ、手術中の効率を向上させ、および/または様々な外科医の選好に適合させるための柔軟性を向上させるのを補助し得る。装置114、214はまた、初期拡張器112、212に結合されると、解剖学的構造のランドマークを識別する、深さを測定する、および/または軌道を検証するためのナビゲートされるプローブツールとしての役割も果たし得る。ナビゲートされる拡張器ホルダ114、214の適合性は、器具または器具アダプタに取り付けること、他の器具および器具アレイの追跡精度を検証するための参照アレイとして使用することを可能にし得る。
【0080】
図21A~
図21Cを参照すると、一実施形態は、初期拡張器212に対する迅速な取り付けおよび取り外しが可能な機構によって初期拡張器212に堅固に取り付けられた、ナビゲート可能な拡張器ホルダまたは取り外し可能なアレイ214を含む。ナビゲートされる拡張器ホルダ214は、後続のより大径の拡張器が存在するかどうかにかかわらず、初期拡張器212に対する取り付けおよび取り外しが可能である。加えて、アレイ214は、器具の遠位先端の位置精度を確実にするように、初期拡張器212または他の検証器具に対して繰り返し取り付けおよび取り外しされ得る。検証参照点220は、他のナビゲートされる器具を検証するために使用され得る。初期拡張器212は、所望に応じて、kワイヤを取り付けた状態で配置され得る。ナビゲートされる拡張器ホルダ214は、挿入されたkワイヤとの干渉を回避するために、kワイヤのための孔またはスロット224を含み得る。
【0081】
図21Cに最も良く見られるように、アレイ214の剛体は、初期拡張器212などの軸対称器具を正確に位置させるために、vブロック226および深さ止め228を含み得る。この実施形態では、拡張器212は、ばね荷重機構230を介してアレイ214に対して堅固に位置し得る。初期拡張器212は、vブロック226、深さ止め228、およびばね荷重機構230を含む剛体の空胴216の中へ挿入され得る。アレイ214は、アレイ214を取り付けて、初期拡張器212を正確に位置付けるためのばね荷重クイック解除ボタン218によって、拡張器212に堅固に取り付けられる。ボタン218を押すことなどを通して、ばね荷重機構230が圧縮された場合、空胴216のサイズが増大し、器具212の簡単な挿入および取り外しを可能にする。押しボタン218への力を解除することなどを通して、ばね荷重機構230が圧縮解除されると、空胴216のサイズが減少し、ばね荷重機構230に結合された力印加装置232によって提供された横方向の力を通して、挿入された拡張器212がvブロック226の中央に置かれる。
【0082】
図21D~
図21Hに示す別の実施形態では、横方向の力は、ねじに基づく機構234によって提供される。vブロック226は、アレイ214を取り付けて、初期拡張器212を正確に位置付けるためのねじ234または他の好適な機構によってねじ駆動される。各実施形態では、空胴サイズの可変性およびvブロック226の自動調心性質は、様々な拡張器のサイズおよびスタイルの挿入を可能にする。加えて、各実施形態は、拡張器が取り付けられているかどうかにかかわらず、kワイヤを挿入するためのスロット224を含み得る。深さ止め228はまた、取り付け機構での拡張器212の繰り返し挿入深さも提供し、これは、正確に追跡することを可能にし、後続のより大径の拡張器との干渉を防止する。初期拡張器212は、ロボットナビゲーション方法を通して追跡され得、これは、手術部位を拡張させて、リトラクタまたはアクセス器具34を配置している間の、蛍光透視に対する必要性を低減または排除する。被追跡アレイ214は、迅速にかつ繰り返して拡張器212に取り付けられ得、後続の拡張器または解剖学的構造と干渉することなく、後続の拡張を可能にする。被追跡アレイ214は、様々な初期拡張器サイズおよびスタイルに適合し、これは、設定の複雑さを低減させ得、手術中の効率を向上させ得、および/または様々な外科医の選好に適合させるための柔軟性を向上させ得る。被追跡アレイ214は、他の器具または器具アレイの精度を検証するための参照アレイとして使用され得る。
【0083】
ここで
図22A~
図22Cを参照すると、取り外し可能なシャフト254および/または取り外し可能な先端部258を有する器具250の実施形態が示されている。器具250は、
図6A~
図9Fに示す器具50と同様であり得る。マーカ18が示されていないが、所望に応じて、好適なアレイ56およびマーカ18がこれらの器具250に含まれ得ることが認識されるであろう。医療処置中に、しばしば、器具は、摩耗に、および時には損傷につながる応力を受け得る。摩耗した、または損傷した時点で、ツールを交換する必要があり、また、ツールのワンピースまたはユニボディの構造のため、交換は、高いコストをもたらし、また、交換するツールを含むケースを保管するために手術室内の多くの空間が使用される。したがって、いくつかの実施形態では、器具250は、取り外し可能なシャフト254および/または取り外し可能な先端部258を含み得る。交換可能な先端部258は、各ツールが1つのシャフト254および/または別個の先端部258の供給だけしか必要としないことによって、手術室におけるフルサイズの装置に対する必要性が低くなるので、有利であり得る。
【0084】
取り外し可能なシャフト254および/または取り外し可能な先端部258は、手術室において必要とされる器具およびグラフィックスケースのサイズおよび数の低減を提供し得る。加えて、バックテーブルおよびMayoスタンド上の器具の数およびサイズを減少させることによって、手術室の効率が向上され得る。加えて、取り外し可能なシャフト254および/または取り外し可能な先端部258は、器具全体ではなく摩耗した構成要素(例えば、ツール先端部)の交換を可能にし、これは、保守および修理の費用を減少させる。必要とされるハンドルおよびシャフト構成要素が少なくなるので、各器具セットを製造するコストも減少する。また、モジュラリティは、共通のシャフト-ハンドルアセンブリに嵌合するように単純化されたカスタムツール先端部が作成され得るので、低コストで外科医固有の器具を可能にし得る。
【0085】
図22Bに示す一実施形態では、器具250は、モジュール式ツーピース器具設計を含む。ハンドル252は、一体型先端部258を有する器具シャフト254に嵌合するクイックリリース機構260を含み得る。マルチピース器具250は、数多くの漸増的サイズが器具セット(例えば、サイザ、シェーバ、パドルディストラクタ、トライアルなど)において必要とされる、サイズ設定用途に見出され得る。モジュール式セットは、器具セットのコストおよびサイズを減少させ得る。
【0086】
時間の経過と共に、ツールは、手術中に損傷し得るか、または複数の事例にわたる繰り返しの使用によって摩耗し得る。摩耗または損傷のため、器具の修理が必要である場合は、ワンピースの器具全体を交換しなければならない。ツーピースの器具の場合であっても、シャフト先端部の構造物の交換が必要になり得る。
図22Cに示す一実施形態では、ツール先端部258が交換され得る。例えば、器具250は、ハンドル252と、接続部262においてハンドルに結合されたたシャフト254と、接続部264においてシャフト254に結合された交換可能なツール先端部258と、を含み得る。接続部262は、シャフト254とハンドル252との間の堅固で永続的な接続部であり得、またはモジュール式でもあり得る。
【0087】
図22Cに示すように、接続部264は、ツール先端部258の器具250のシャフト254への繰り返し可能で耐久性のある取り付けを提供し得る。接続部264は、先端部258の一時的な保持、回転の拘束、および/または軸方向の「引き出し」の拘束を可能にし得る。器具シャフト254におけるツール先端部258の一時的な保持は、先端部258を交換するときに先端部258が重力によって偶発的に抜け落ちるのを防止する。回転の拘束は、外科環境における典型的なねじり負荷条件において、ハンドル252に対するツール先端部258の位置を保つ。同様に、軸方向の拘束は、ツール先端部258の軸方向位置を保ち、また、外科環境における典型的な軸方向負荷条件において、ツール先端部258の意図しない解除を防止する。
【0088】
ツール先端部258の一時的な保持は、磁気、摩擦、および/またはクランプ力が挙げられるがそれらに限定されない、1つ以上の機構を通して達成され得る。磁性-強磁性接続部264を有する一実施形態では、ツール先端部258の近位端は、磁石を含み、これは、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構の強磁性特徴に嵌合する。強磁性-磁性接続部264を有する別の実施形態では、ツール先端258の近位端は、強磁性特性を含み得、これは、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構の磁性特徴に嵌合する。磁性-磁性接続部264を有するさらに別の実施形態では、ツール先端部258の近位端は、磁石を含み得、これは、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構の磁性特徴に嵌合する。
【0089】
別の実施形態によれば、ツール先端部258の近位端は、テーパ状の雄型特徴を含み得、これは、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構のテーパ状の雌型特徴に嵌合する。さらに別の実施形態では、ツール先端258の近位端は、テーパ状の雌型特徴を含み得、これは、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構のテーパ状の雄型特徴に嵌合する。テーパ状の特徴としては、円錐面、テーパ状の円筒、およびテーパ状の角柱などのテーパ状の3次元幾何学が挙げられ得るが、それらに限定されない。テーパ状面のこれらの雌雄対の機能は、構成要素が摩擦を介して一時的に締結されるが、十分な軸方向力によって分解することができるように、組み立てられた構成要素の間に締まり嵌めを作成することである。
【0090】
別の実施形態によれば、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構は、嵌合ツール先端部258の近位端が組み立てられたときに押下して、クランプ力を適用する、Oリングまたは他の圧縮可能な撓曲部を含み得る。別の実施形態では、この圧縮可能な撓曲部は、直線ばねであり得る。他の実施形態では、クランプ力は、ラッチフック機構またはボールプランジャおよび戻り止め機構によって提供され得る。
【0091】
別の実施形態によれば、ツール先端部258の回転の拘束は、3次元ねじ駆動特徴またはねじ山が挙げられるが、それらに限定されない、様々な機構を通して達成され得る。ねじ駆動特徴は、雄雌対で機能するねじまたはボルトなどの締結具において回転の拘束を提供するために使用され得る。一実施形態では、雄型特徴は、ツール先端部258の近位端に位置し得、雌型特徴は、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構264に位置し得る。別の実施形態では、雌型特徴は、ツール先端部258の近位端に位置し得、雄型特徴254は、器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構264に位置し得る。ねじ駆動特徴の雌雄対は、正方形、六角形、五角形、溝付き、ヘクサロビュラ、スパナ、クラッチ、交差スロット、またはこれらの幾何学形状の組み合わせなどの、幾何学形状を含み得る。さらに別の実施形態では、回転の拘束は、ねじ付きの雌雄対を通して提供され得る。
【0092】
別の実施形態によれば、ツール先端部258の軸方向拘束は、ねじ付き機構、1/4回転ロック機構、1/2回転ロック機構、およびフックラッチ機構が挙げられるが、それらに限定されない、1つ以上の機構を通して達成され得る。各実施形態では、軸方向拘束は、雌雄対の特徴によって達成され得、これは、雄型特徴がツール先端部258の近位端に位置し、雌型特徴が器具シャフト254の遠位端または内部空洞の解除機構264に位置するか、またはその逆である。ねじ付き機構、1/4回転ロック機構、および/または1/2回転ロック機構は、捻転運動で適用されるねじり力を通して作動され得る。対照的に、フックラッチ機構は、器具シャフト254の解除ボタンを横方向に負荷することを通して作動され得る。
【0093】
従来の手術設定では、大きい器具のいくつかのケースが、手術前に製造され、運搬され、保管され、滅菌され、そして、開梱される。対照的に、器具250は、いくつかの器具の大きいケースの代わりに、一組のより小さいツール先端部258および/またはより少ない共通のハンドル軸構造物を使用することを可能にする。1つの利益は、より小さく、より安価で、かつより効率的なパッケージで様々なツール先端部258が利用できることであり得る。従来のツール先端部の機能は、手術前または手術中の交換を可能にしながら保たれ得る。ツール先端部258の幾何学形状としては、ドリル、タップ、オウル、ねじ回し、カニューレ、カップキュレット、リングキュレット、オステオトーム、コブ、エレベータ、ラスプ、レーキ、パドルディストラクタ、サイザ、シェーバ、スクレーパ、トライアル、およびインプラントインサータが挙げられ得るが、それらに限定されない。
【0094】
外科医は、標準的な従来の器具の提供よりも、特定の機能的、人間工学的、または審美的な要件を満たすために、特殊な器具を好むことがある。医療用装置企業は、外科医固有の器具を特別に製造することによってこれらの必要性に対応することがあり、これは、非常に高コストで時間がかかり得る。器具全体ではなく器具の重要な構成要素(例えば、ツール先端部258)に対する特殊化を分離することにより、時間および/またはコストが節約され得る。カスタムツール先端部258は、共通のハンドルシャフト構造物に取り付けられ得る。このようなツール先端部258は、好適な仕様を満たし、従来のまたは高度な製造方法によって生成されるように、外科医と共同設計され得る。3D印刷またはCNC機械などの高度な製造方法を使用することによって、カスタムツール先端部258は、より高い複雑性を有し、かつより低コストで、オートメーション化された環境で生成され得る。
【0095】
ここで
図23A~
図23Eを参照すると、クイックコネクタ278を有するナビゲート可能な器具270の実施形態が示されている。器具270は、例えば、
図6A~
図9Fに示されている器具50と同様であり得る。ナビゲート可能な器具270は、ハンドル272と、追跡マーカ18を有するアレイ276と、ハンドル272に対する迅速な解除または接続が可能な器具シャフト274と、を含み得る。アレイ276は、アレイポスト280によってハンドル本体272に固定され得る。アレイ276は、ハンドル272に対して適所に固定され得るか、または他の実施形態に記載されているように回転するように構成され得る。直線状のハンドル252が示されているが、T字スタイルのハンドルまたは他の好適なハンドルが使用され得ることが認識されるであろう。
【0096】
外科用ナビゲーションでは、いくつかの被追跡ツール(例えば、ドリル、タップ、またはねじ回し)は、軸方向に対称であり得る。例えば、ドリルの表現は、ドリルビットがどのように回転しても同じに見える。このようなツールのための追跡アレイ276は、ツールの回転位置を監視する必要がないので、その回転座標でツールを中心として移動することができる。したがって、これらの対称のツールを追跡するためのマーカアレイ276は、ツールを中心に自由に回転するスリーブにアレイ276を伴って設計され得る。ユーザは、ツールを使用している間、それを追跡カメラ30に向かって面した状態を保つ必要がある場合、ツールシャフトを中心にアレイ276を再度位置付けることができる。しかしながら、対称ではないツール(例えば、椎体間スペーサのための湾曲キュレットまたは送達装置)を追跡することが必要な場合がある。このような場合、システム10は、解剖学的構造体に重ね合わせられたツールの画像を適切に更新するように、ツールの完全な剛体の位置を追跡し得、例えば、キュレットの曲線または切断面がどの方向に面しているのかを示す。これらのツールでは、様々な特徴を使用して、追跡アレイの配向が回転を含む全ての方向においてツールに対して固定されていることを確実にし得る。加えて、ツール-アレイアセンブリを再度較正することなく、手術中に、追跡アレイに対して異なるツールを取り付ける、および取り外すことが望ましくなり得る。これは、正確かつ繰り返し可能である堅固な接続部を必要とし得る。
【0097】
図23A~
図23Cに示す一実施形態によれば、器具シャフト274は、クイックコネクタ278によって、ハンドル272および追跡アレイ276のアセンブリに取り付けられ得る。クイックコネクタ278は、ツールシャフト274の近位端から突出している延長部282を含み得る。延長部282は、ハンドル272の遠位端内の孔284で受容されるように構成されている。延長部282の先端部286は、テーパ状であり得るか、またはハンドル272の孔284への受容を高めるように別様に構成され得る。
図23Bに最も良く見られるように、ツールシャフト274の頂部は、1つ以上のテーパ状面290を有する半径方向肩部288を含み得、ハンドル272のベースは、1つ以上の対応するテーパ状面292を含み得る。このように、2つの対向するテーパ状面290、292をツールシャフト274およびハンドル272の両方に組み込むことによって、シャフト274がハンドル272および取り付けられたアレイ276に接続され得、よって、テーパ状面290、292が互いに接触し、ツールの3回転および2並進の自由度を同時に拘束する。最後の自由度は、ハンドル272の孔284の中へのツールシャフト274の延長部282によって拘束される。
【0098】
ハンドル272内のボタンまたはラッチ294は、シャフト274の迅速な解除および取り付けを可能にし得る。ラッチ294の底部は、延長部282内に画定されたスロット、溝、または凹部298で受容され得る。延長部282の凹部298内に位置付けられたラッチ294は、器具を保持し、配向を制御する。ラッチ294のベースは、完全に挿入されると、凹部298内で受容されて、器具270がロックされる。ハンドル272は、延長部282をプレロードするためのテーパ状ラッチ296を収容し得る。ラッチ294をハンドル272および追跡アレイ276のアセンブリに組み込むことによって、2つの構成要素が共に予め負荷され得、ツールシャフト274とハンドル272との間のバックラッシュまたは「スロップ」が低減または排除され得る。クイックコネクタ278は、ハンドル272に対して迅速に接続および接続解除することを可能にし、それによって、堅固な取り付けを提供する。
【0099】
図23Dに示すように、クイックコネクタ278の別の実施形態が示されている。クイックコネクタ278は、ハンドル272の1つ以上のスロット302で受容されるように構成された1つ以上のクロスピン300を含み得る。半径方向肩部288と延長部282との間の移行部304としては、テーパ状面、湾曲面、段付き表面、または任意の好適な移行部が挙げられ得る。一実施形態では、移行部304は、雄型円錐テーパ状面304であり、ハンドル272のベースは、中心孔284と連通している対応する雌型円錐テーパ状面308を含み得る。ピン300は、移行領域304から延在し得、また、シャフト274および延長部282の中央長手方向軸に対して横方向(例えば、略垂直)であり得る。クイック接続インターフェースは、シャフト274とハンドル272との間の回転を防止し、かつ堅固な接続を提供するようにクロスピン300と組み合わせられた嵌合円錐テーパ302、304を含み得る。
図23A~
図23Cについて記載されているものと同じまたは類似のラッチ機構294を使用して、接続部を維持し得、および/または構成要素を共にプレロードし得る。
【0100】
図23Eに示すように、クイック接続機構の別の実施形態が示されている。この実施形態では、嵌合インターフェースは、3つの対応する平坦なテーパ状面と嵌合するように構成された3つのテーパ状面308を含み得る。例えば、平坦なテーパ状面は、互いに半径方向に120°間隔で配向され得る。幾何学形状は、ツールの6自由度を拘束し得、それを追跡アレイの軸に沿って中央に置き得、また、1つの回転配向における取り付けを可能にし得る。異なるまたは追加的な嵌合面または特徴は、システム10によって器具270をナビゲートするために、シャフト274をハンドル272およびアレイ276に堅固に結合するように選択され得ることが認識されるであろう。
【0101】
図24A~
図24Bを参照すると、ハンドル312、先端部318を有するシャフト314、および追跡アレイ316を含む器具310が、2つの異なる器具位置で示されている。
図24Aでは、器具310は、第1の位置で示され、
図24Bでは、器具310は、第2の位置で示されている。器具310の先端部318は、2つの異なる方向で配向されているが、アレイ316は、カメラ30に視認可能であり、システム10は、アレイ316を追跡することが可能である。器具310は、本明細書で説明する器具のいずれか、または外科用ナビゲーションのための他の好適な器具を含み得る。
【0102】
外科用ナビゲーションでは、器具310は、光学または電磁位置センサ18を通して追跡され得、関連するコンピュータ支援設計(CAD)モデルが、解剖学的ランドマークに対して表示される。外科用ロボットナビゲーションでは、器具310はまた、ロボットシステム10を使用して追跡され、かつ計画された位置まで案内され得る。外科用ナビゲーションまたはロボットナビゲーションシステムは、光学または電磁マーカ18のアレイ316の位置を互いに対して測定することによって、器具310の完全な剛体運動を追跡し得る。光学追跡システムによって、これは、被追跡ツール310がその視線に入るように手術室内に配置された位置センサ(例えば、カメラ30)を介して達成され得る。CADモデルは、これらの被測定マーカの場所にマッピングされ、3D空間内に配向されて、外科医のための解剖学的画像に対して表示される。追跡アレイ316の配向がツール310全体に対して既知であることを確実にする1つの方法は、アレイ316をツール310に堅固に装着することである。
【0103】
インプラントおよび器具が軸対称である場合は、マーカおよび堅固に固定された器具のアレイを回転させて、カメラ30に向かって配向することができ、解剖学的構造に対する器具およびインプラントの所望の配向が損なわれない。しかしながら、非軸対称である器具およびインプラントインサータの場合、カメラ30と共に視線を維持するための器具の回転は、解剖学的構造に対する器具の望ましくない配向を生じさせる場合があり得る。一実施形態は、器具の軸を中心とした光学マーカ18のアレイ316の回転を可能にすることによって、器具310は、解剖学的構造に対して所望の配向に配置され得、アレイ316は、カメラ30に向かって独立して回転され得る。CADモデルが被測定マーカの場所に正確にマッピングされることを可能にするために、器具の軸に対する器具の配向が既知でなければならない。一実施形態では、インサータの軸に対するアレイの回転位置のインジケータ336がユーザに提供され得、次いで、表示されたCADモデルの対応する回転がスクリーン20に示され得る。
【0104】
図25A~
図25Cを参照すると、回転可能な本体320を有する器具310の一実施形態が示されている。ハンドル312は、回転可能な本体320を含み、アレイポスト322は、アレイ316を回転可能な本体320に結合し得、それによって、アレイ316の回転を提供し得る。アレイ316および本体320は、器具の長手方向軸Aを中心に自由に回転し得る。軸Aは、ハンドル312の長手方向中心軸および/または中央シャフトの長手方向軸314を含み得る。アレイ316は、本体320に堅固に取り付けられ得、これは、ハンドルの軸Aと同心である器具のハンドル312の円筒部分を中心に回転することが可能である。アレイ316は、位置センサによって測定される既知の位置に堅固に固定された1つ以上のマーカ18を含み得る。一実施形態では、アレイ316は、手術室内の予想される器具の配向およびカメラの場所と整列させるために、2つの別個の回転位置でインデックスすることが可能であり得る。別の実施形態では、アレイ316は、90°刻みの4つの位置などの、2つを超える別個の位置まで回転させることが可能であり得る。アレイ316は、任意の好適な位置まで回転させることが可能になり得ることが想定される。
【0105】
図26Aでは、回転可能な本体320を有するインサータ器具330の一実施形態が示されている。インサータ330は、
図10C~
図13Bに示すインサータ80と同様であり得る。インサータ330は、インプラントを保持するためのシャフトまたはスリーブ332と、先端部334(例えば、フォーク状またはねじ付き先端部)と、を含み得る。回転可能な本体320は、アレイ316の回転を提供するように、スリーブ332を中心に自由に回転し得る。アレイ316および本体320は、スリーブ332の長手方向中心軸Aを中心に回転することが可能であり得る。本体320は、回転位置インジケータ336を含み得る。インジケータ336は、ユーザおよび/またはシステム10に、シャフト332および/またはインサータの軸Aに対するアレイ316の回転位置に関する情報を提供し得る。
【0106】
図26Bおよび26Cを参照すると、回転可能な本体320の一実施形態がより詳細に示されている。
図26Bは、断面斜視図を示し、
図26Cは、断面上面図を示す。回転可能な本体320は、アレイポスト322を含む剛体であり得、アレイ316は、締結具338(例えば、ねじ)によってアレイポスト322の自由端部に取り付けられ得る。回転可能な本体320は、並進部材340の一方の端部にテーパ状キー342を含む並進部材340を収容する空胴を含む。テーパ状キー342は、インサータ330のシャフト332内の1つ以上の凹部またはキーシート344と嵌合するように構成されている。
図26Bに示すようにアレイ316が2つのインデックス位置を有する場合は、2つの対向するキーシート344が存在し得る。アレイ316の所望のインデックス付けを達成するために、任意の好適な数および配向のキーシート344が使用され得ることが認識されるであろう。テーパは、テーパ状キー342が、キーシート344の1つに完全に着座し、アセンブリからあらゆるクリアランスを除去するために必要な限り並進することを可能にし、それによって、構成要素間の移動を排除する。ばね346は、キー342の反対側の並進部材340の端部に位置付けられ得る。ばね346は、キー342をキーシート344に保持するための力を提供し、この力には、押しボタン348などのユーザ入力を介して打ち勝つことができる。ボタン348が押下されて、ばね346がユーザによって圧縮されると、テーパ状キー342がキーシート344から離れて並進する。ばね346が圧縮されると、アレイ316は、キー342が次のテーパ状キーシート344に到達するまでインサータシャフト332を中心に回転するのを可能にする。ボタン348は、解除され得、キー342は、次のキーシート344と係合する。2つのキーシート344の場合、アレイ316は、180°間隔である2つのインデックス位置のうちの1つに位置付けられ得る。4つのキーシート344の場合、アレイ316は、90°間隔である4つのインデックス位置のうちの1つに位置付けられ得る。
【0107】
図27A~
図27Cを参照すると、回転可能な本体320の別の実施形態が示されている。この実施形態では、アレイ構成要素316をインサータの軸Aに対して所望の配向に保持するために、ばね付勢機構が使用されるが、ばね350は、器具の軸Aと同心であり、かつばね350によって提供される力が横断方向ではなく軸方向であるように配設されている。1つ以上の嵌合テーパ状面352は、アセンブリからあらゆる遊びを除去するために使用され得、それらの配向は、ばね力の修正された方向と整列させるように変更される。2つのテーパ状面352は、回転可能なアレイ本体320の底端部に位置付けられ得る。テーパ状面352は、器具の中央平面に関して対称であり得る。回転可能なアレイ構成要素320は、インサータ330上の嵌合テーパ352に着座させたときに完全に拘束され、よって、アレイ配向が固定される。アレイ316は、軸方向力を印加することによって、インサータの軸Aを中心に180°回転した位置に設定されて、ばね350を圧縮し、回転可能な本体320のテーパ状面352およびインサータ本体330を分離することができる。これは、1回転自由度を解放して、アレイ316が、その第2の位置に回転することを可能にする。ロックナット354は、所望の位置にあるときに、潜在的にインプラントの挿入中のインサータ330への衝突荷重から生じる得る不用意なばね圧縮(および、アレイの移動)を防止するために用いられ得る。
図27Aは、嵌合面352によって回転可能な本体320とインサータ本体330との間の係合を生じさせ、それによって、アレイ316を所定の位置にロックする、下降位置のロックナット354を示す。
図27Bは、嵌合面352によって分離を生じさせ、それによって、本体320および取り付けたアレイ316が回転することを可能にする、上昇位置に後退させたロックナット354を示す。
【0108】
図28A~
図28Dを参照すると、インラインアレイ360を使用して器具の配向を識別する実施形態が示されている。インラインアレイ360は、アレイプレート362に垂直な両方の方向における追跡カメラ30と器具アレイ360との間の視線の可視性を可能にする。器具軸Aに関して対称でないマーカパターンの場合、カメラ30およびソフトウェアは、アレイプレート362に対する器具先端部364の配向を区別することが可能である。
【0109】
図28Aおよび
図28Bに示す1つのアレイ構成では、反射マーカ18が、アレイプレート362の面を中心に位置付けられたポストに配置されている。この配設は、ポストおよびマーカ18が位置するアレイプレート面に垂直な方向における追跡カメラ30と器具アレイ360との間の視線の可視性を可能にする。アレイプレート362が器具366に堅固に取り付けられ、かつ器具366を追跡カメラ30に対して180度回転させた場合、アレイプレート362によって可視性が遮られ得る。
図28Aでは、アレイ360は、アレイプレートの垂直方向がカメラの視野と整列したときに、追跡カメラ30で視認可能である。
図28Bでは、器具軸Aを中心にアレイを180度回転させたときに、アレイプレート362によって可視性が遮られ得る。いくつかのねじ器具の場合、器具366が器具軸Aを中心に軸対称であり得るので、このアレイ構成で十分である。
【0110】
椎間板準備器具などの非軸対称先端部構成を有する器具366の場合、このアレイ構成は、全ての器具配向においてツール先端部364を追跡することができない場合がある。例えば、カップキュレットが前部および後部エンドプレートを準備するために使用される場合、器具366は、使用中に180度反転させることが必要であり得る。
図28Aおよび
図28Bのアレイ構成の場合、アレイプレート362による遮断のため、器具366を180度回転させたときに可視性が失われ得る。
【0111】
図28Cおよび
図28Dでは、アレイ構成は、アレイプレート362の縁部に位置するマーカ18を含み得る。ポストがアレイプレート面に垂直に位置付けられた状態で、マーカ18をアレイプレート362の面に位置させる代わりに、ポストは、アレイプレート362の面に平行に位置付けられ得る。ポストがアレイプレート362の面に平行に位置付けられた状態で、マーカ18をアレイプレート362の縁部に位置させることによって、マーカ18は、アレイプレート362の正面および背面に垂直な両方の方向から視認可能になり得る。
図28Cでは、アレイプレート362を器具366の本体と整列させた状態の、対称の構成が示されている。
図28Dでは、アレイプレート362を器具366の本体に対してオフセットさせた状態の、非対称の構成が示されている。どちらの場合でも、各アレイ360は、インラインアレイ360であり、ポストがアレイプレート362に平行に位置付けられ、マーカ18がアレイプレート362の縁部に位置されている。
【0112】
非対称のアレイパターンの場合、このアレイ構成は、追跡カメラ30およびソフトウェアが、アレイプレート362および器具366のどちらの側がカメラ30に面しているかを区別することを可能にする。
図28Dに示すように、非対称のアレイ構成は、器具軸Aからオフセットされたパターンを含み得る。他の非対称のパターンが使用され得ることが想定される。例えば、非対称のパターンは、同じ長さであるマーカ18のための3つのポストと、より長いまたはより短い1つのポストと、を含み得る。第4の異なるマーカ18は、アレイ362がツールのどちらの面に位置しているかをカメラ30が決定することに応じて、ツール366の配向を示し得る。このように、ソフトウェアは、使用中に器具366を180度反転させたときに、表示されているCADモデルを自動的に再配向し得る。
【0113】
図29A~
図29Gを参照すると、ナビゲート可能なトライアル370の実施形態が示されている。椎体間固定では、インプラントは、椎間板腔(vertebral disc space)に配置されて、失われた椎間板の高さを復元しようとする。インプラントのサイズが高さを正確に復元することを確実にするために、セット内のインプラントの幾何学形状に整合するトライアルが椎間板腔の中へ配置され得る。トライアルが正確な場所にあることを検証し、どのインプラントサイズを使用するべきかを決定するために、蛍光透視(X線)が使用され得る。しかしながら、患者、外科医、および外科スタッフは、トライアリングに必要とされる蛍光透視の量のため、潜在的に有害な放射線に曝露され得る。加えて、器具が不正確に配置されることにより合併症が起こり得、および/またはトライアリングに時間がかかり得、これは、外科の効率および患者の安全性を低減させる。一実施形態によれば、外科用ロボットナビゲーション技術は、手術中の蛍光透視に対する必要性を大幅に低減または排除し得、精度を高め、および/または手術中の効率を高めながら、ナビゲート可能なトライアル器具370をナビゲートするために使用され得る。
【0114】
ナビゲート可能なトライアル370は、インサータシャフト374に接続可能な取り外し可能なトライアルヘッド372を有する、モジュール式トライアル370を含み得る。堅固なシャフトに溶接されたヘッドを有するのではなく、モジュール式トライアル370のヘッド372は、ナビゲートされる器具シャフト374から取り外し可能である。1つ以上のヘッド372は、各整合インプラントを正確に表すように構成され、また、ナビゲートされるインサータシャフト374に対して容易に取り付けおよび取り外され得る。トライアルヘッド372は、1つ以上のインプラントの外側の幾何学形状と整合するように構成されている。
図29Aおよび
図29Bに最も良く見られるように、トライアルヘッド372は、第1の開口部368を有する接続部分を含む。第1の開口部368は、器具370の長手方向中心軸Aに沿って整列され得る。トライアルヘッド372は、第1の開口部368に対して横方向の第2の開口部376を含み得る。トライアルヘッド372はまた、1つ以上のスロット378も含み得る。スロット378は、トライアルヘッド372の長さに沿って延在し得る。
【0115】
トライアルヘッド372は、インサータシャフト374のフック380に取り付ける。フック380は、シャフト374の遠位端に位置付けられ得る。フック380は、シャフト374に対して横方向に延在している突出部、ピン、またはペグ382を含み得る。ペグ382は、トライアルヘッド372の横方向開口部376内で受容されるように構成され得る。シャフト374は、インサータシャフト374を通って延びる可動プランジャ384を含み得る。プランジャ384は、トライアルヘッド372の開口部368の中へ延在するように構成され得る。プランジャ384がトライアルヘッド372の開口部368内に位置付けられると、トライアルヘッド372が適所にロックされる。トライアルヘッド372は、フック380およびプランジャ384によって回転可能に固定され、これは、トライアル370を椎間板腔内で操作することを可能にする。
【0116】
プランジャ384は、トリガ386によって操作され得る。トリガ386は、インサータシャフト374の外側に位置付けられ得る。
図29Eでは、トリガ386をシャフト374の遠位端に向かって押すことによって、プランジャ384を展開する。
図29Fでは、トリガ386をシャフト374の近位端に向かって引くことによって、プランジャを後退させる。プランジャ384がその露出位置にある場合(
図29Eに示す)、トライアルヘッド372は、インサータシャフト374の上へ配置され得ない。トライアルヘッド372は、プランジャ384を後退させるまで(
図29Fに示す)、インサータシャフト374から取り外され得ない。トリガ386は、ロック388を組み込み得、これは、プランジャ384を移動させるために作動され得る。ロック388は、例えば、押しボタンまたはばね荷重ターンおよび引っ張り機構を含み得る。
【0117】
トライアルインサータ374の背部は、クイックコネクタ278を含み得、これは、ナビゲートされるアレイハンドル50、270の結合に対応し得る。クイックコネクタ278は、本明細書で説明するクイックコネクタと同じまたは類似のものであり得る。これは、ナビゲーションシステム10と共に使用することができる任意の好適なハンドルの迅速な接続を可能にする。ナビゲートされるモジュール式トライアル370は、多数の固定トライアルに対する必要性を排除し得る。長い固定シャフトを有する多数のトライアルヘッドを必要とする代わりに、全てのトライアルヘッド372を特徴とするセットにキャディが含まれ得る。取り外し可能なインサータ374は、各サイズの間で迅速に交換することができる。
【0118】
図30Aおよび
図30Bを参照すると、ナビゲート可能なトライアル370の別の実施形態は、固定トライアル370を含み得る。ナビゲートされる固定トライアル370は、固定トライアルに対するナビゲーション機能を提供する。この実施形態では、器具370の遠位端は、堅固に取り付けられたトライアルヘッド372を含む。近位端は、ナビゲーションアレイを有する任意の好適なハンドルへの取り付けを可能にする、堅固に取り付けられたクイックコネクタ278を含む。ナビゲートされる固定トライアル370は、トライアルプロセスの大部分の間の、蛍光透視画像に対する必要性を低減させることが望ましくなり得る。加えて、ナビゲートされる固定トライアル370は、トライアルのための堅固で、伝統的かつ単純なオプションを提供する。
【0119】
図31Aおよび
図31Bを参照すると、ナビゲート可能な拡張可能なトライアル390の実施形態が示されている。ナビゲートされる拡張可能なトライアル390は、様々なトライアルサイズに対する必要性を排除し得る。長い固定シャフトを有する数多くのトライアルヘッドまたは数多くのモジュール式トライアルヘッドを必要とする代わりに、単一の拡張可能なトライアル390が、全てのトライアルヘッドサイズを包含するセットに含まれ得る。ナビゲート可能な拡張可能なトライアル390は、器具シャフト394の端部に位置付けられた拡張可能なトライアルヘッド392を含み得る。
【0120】
拡張可能なトライアル390は、固定マーカ18Aおよび少なくとも1つの可動マーカ18Bの組み合わせを含む追跡アレイを含み得る。ナビゲーションアレイは、トライアルホルダ器具390に対する既知の場所に位置付けられた少なくとも2つの固定位置マーカ18Aを含み得る。固定マーカ18Aは、器具の幾何学形状に対していかなる配向にも移動させることが不可能であり得、また、器具390が空間内にある場所を画定する際に有用であり得る。少なくとも1つの可動マーカ18Bは、アレイまたは器具自体に取り付けられ得、これは、上で定義したように、固定マーカに対して所定の境界内を移動すること(例えば、摺動すること、回転することなど)が可能である。トライアルが拡張されると、可動マーカ18Bは、ロボットシステム10に対する拡張の程度の指示として作用し得る。可動マーカ18Bは、摺動に関して表されているが、マーカ18Bの回転は、インプラントに関する情報を提供するために有用であり得る。一組の固定マーカ18Aと1つまたは複数の可動マーカ18Bとの間の適所での任意の相対的な変化が使用され得る。対応するソフトウェアは、相反する可動マーカ18Bを、トライアルの特定の位置、配向、または他の属性(拡張可能な椎体間スペーサの高さまたは関節運動椎体間スペーサの角度など)に相関させる。
【0121】
図31Aおよび
図31Bは、拡張可能なトライアル390を画定するために4つの固定マーカ18Aが使用され、かつ第5の可動マーカ18Bが所定の経路内を摺動して、トライアル高さのフィードバックを提供することを可能にする、一実施例を示している。
図31Aは、その初期高さにある拡張可能なトライアルヘッド392を示し、
図31Bは、可動マーカ18Bを異なる位置まで並進させた拡張状態にあるトライアルヘッド392を示している。マーカ18Bの並進は、トライアルヘッド392の高さに対応し得る。2つの位置だけしか示されていないが、移動は、連続関数であり、それによって、任意の所与の展開高さが可動マーカ18Bの特定の位置に相関され得ることが認識されるであろう。
【0122】
一実施形態では、可動マーカ18Bは、連続的に摺動して、位置に基づくトライアルの属性に関するフィードバックを提供する。また、可動マーカ18Bが位置付けられる離散的な位置を可動マーカ18Bが有し得、それが、トライアル属性に関するさらなる情報も提供し得ることも想到される。離散的な位置によって、ソフトウェアは、全てのマーカ18A、18Bの各離散的な構成を決定するように構成され、これは、特定の配向における、または特定の高さでの、インプラントホルダおよび/またはインプラントの特定の幾何学形状に相関する。加えて、可動マーカ18Bの任意の運動は、ナビゲートされるトライアル390の他の変数属性に使用され得る。ナビゲートされる拡張可能なトライアル390は、インプラントの複数のサイズを補償し得る単一のトライアル器具を可能にする。
【0123】
図32Aおよび
図32Bを参照すると、ナビゲート可能なオウル先端部タップ400の実施形態が示されている。ねじが脊椎の解剖学的構造内に配置される脊椎の外科的処置中には、ドリル加工およびタッピングは、ねじを配置する前に生じ得る、処置内のステップである。この実施形態では、タップの端部の鋭利な先端部402は、ねじ孔のタッピング中に支援し得る。オウル先端部402は、ねじ孔の部分的または完全なドリル加工を支援し得る。オウル先端部タップ400のナビゲーションは、タップ400の鋭利な先端部402が解剖学的構造の望ましくない領域を穿孔しないことを確実にするのを補助し得る。
【0124】
外科的処置をできる限り迅速かつ正確に行うことが目的であり得る。これによって、外科医は、可能であれば、インプラントを挿入する前にステップを組み合わせることを好み得る。オウル先端部のタップ400は、外科医が、ドリル加工およびタッピング段階を組み合わせることを可能にし、したがって、ステップを排除し、かついくらかの時間を排除する。タップ400は、ねじまたはねじ付き装置を意図する骨の孔にねじ山を加えるために使用され得る。外科用脊髄処置中に、タップ400は、ねじ山を加えるために骨へのドリル加工後に使用され得、これは、ねじ孔の内部にねじを配置し、据え付けることを可能にする。鋭利な先端部402は、タップ400を骨に据え付けること、および/またはドリル加工が完全には完了していない場合に骨を通してドリル加工することを支援し得る。オウル先端部タップ400は、螺旋フルート404(
図32Aに示す)または直線フルート406(
図32Bに示す)を有し得る。螺旋フルート404は、ねじ切りした材料の細片を、タッピング方向から離れるように、表面まで引き出すのを支援し得る。螺旋フルート404は、使用中に孔から骨の細片を排出するのを補助し得、これは、外科医が処置のドリル加工ステップを排除している場合に有利であり得る。直線状のフルート406は、一般的な目的で使用され得る。ねじ山は、タップ400のシャフトまで延び得、これは、タップ400がエンドエフェクタによってナビゲートおよび拘束されている間に該タップを取り外すのを補助し得る。タップ400の長さに沿ったテーパは、外科医が徐々にゆっくりとねじ山を形成するのを支援し得る。オウル先端部のタップ400は、他の器具に関する説明と同じ様態でナビゲートされ得る。
【0125】
ここで
図33Aおよび
図33Bを参照すると、好適な光学マーカの別の実施形態が示されている。上で論じたように、器具は、概して、器具に取り付けられた球体マーカを使用して追跡されるが、いくつかの場合では、軸外を追跡する場合に再帰反射球体が他の球体を遮断するため、再帰反射球体の追跡が限定され得る。追跡の喪失または追跡精度を克服するために、
図33Aおよび
図33Bは、新規な再帰反射ディスク500の他の実施形態を例解している。
【0126】
図33Aおよび
図33Bは、ツーピースのアセンブリとして構成された再帰反射ディスク500の一実施形態を例解している。ツーピースのアセンブリは、上部分502と、下部分504と、を含む。上部分502は、下部分504に結合される。上部分502は、黒色面取り境界を含み、器具を追跡することを可能にする。他の実施形態では、様々な他の幾何学形状が、カメラシステムによって視覚化することができる黒色の境界として利用され得る。下部分504は、手術野内の他の物体に対する接触または引っ掛かりを低減させるために、アレイ506の頂部にスナップ留めされるように構成され、かつアレイ内部に位置付けられるように構成されている。内側部分504は、近赤外線の(NIR)追跡のための反射表面または可視光を介して追跡するための白色表面を有する上部要素を含む。
図33Bに例解するように、内側部分504は、上部分502内で受容されるように構成されている。上部分502は、下部分504の最大直径よりも大きい外径を含む。上部分502の面取り端部は、黒色境界と共に構成されて、カメラシステムが、再帰反射ディスクを連続的に追跡することを可能にする。別の実施形態では、上部分502および下部分504は、ユーザがアレイ本体に設置するのを容易にするために、超音波溶接またはエポキシなどの方法を使用して恒久的に接合され得る。
【0127】
図34Aおよび
図34Bは、再帰反射ディスク510の別の実施形態を例解している。ディスク510は、上部分512と、下部分514と、を含む。上部分512は、近位端から遠位端へと延在している貫通孔を含む。上部分512は、近位端から遠位端へとテーパ状になっている。上部分512の遠位端は、複数のスロット514を含み、遠位端の可撓性を可能にする。遠位端は、下部分514の上部要素を受容するように構成されている。下部分の上部要素は、カメラシステムがディスク510を追跡することを可能にするために、反射フィルムと共に構成されている。
図34Bは、上部分512および下部分514のアセンブリを例解している。下部分514は、アレイ518の一部分を受容する。ディスク510は、スナップ特徴を使用してアレイ518の本体に取り付けるように構成されており、ディスク510は、アレイ518に押し込まれ得、ディスク510を適所にロックする干渉がディスク510とアレイ518との間に存在することになる。ディスク510をアレイ518から取り外すには、ディスクをアレイ518の背部からアレイ518の外へ押す。
【0128】
他の実施形態では、ディスクは、アレイにねじ込まれ得るか、または磁気を利用して、ディスクをアレイに結合し得る。
【0129】
図35は、再帰反射ディスクアセンブリ520のさらに別の実施形態を例解している。ディスクアセンブリ520は、上部分522と、下部分524と、反射フィルム526と、を含む。上部分522は、近位端と、遠位端と、を含む。貫通孔は、上部分522の近位端から遠位端へと延在している。上部分は、ディスクアセンブリ520の近位端の面取り上面528をさらに含む。上部分の遠位端は、下部分524との結合を可能にするように構成された結合特徴を含む。一実施形態では、上部分522は、複数のスロット528と、開口部530と、を含む。下部分524は、反射フィルム526を受容するための上部平坦面532を含む。反射フィルム526は、平坦面532に接着するように構成されている。下部分524はまた、開口部530内で受容されるように構成された複数の延長部534も含む。延長部534は、ディスクアセンブリ540が組み立てられたときに上部分522の対応する開口部に嵌合する、可撓性タブとして設計されている。下部分524は、アレイからのポストを受容するために中空である、円筒状下端部を含む。他の実施形態では、反射フィルム526は、カメラシステムによって視覚化される任意の色または形状であるように構成され得る。
【0130】
ここで
図36A、
図36B、および
図36Cを参照すると、X線撮影CTボリューム内で画像処理を通して検出することができる、光学的に追跡可能な反射球体の別の実施形態が示されている。
図36Aおよび
図36Bは、CTまたは撮像走査で検出されたときと同じ、光学的に追跡されたときの空間内の場所を共有するように構成された、追跡可能な反射球体540を例解している。好ましい実施形態では、球体540は、CT上で追跡可能かつ検出可能である単体構造物であり、いずれかの座標系(カメラまたはCTボリューム)で共通の中央場所の点を共有する。
図36Aおよび36Bに示す各4つの球体540は、追跡カメラによって個別に追跡可能であり、さらに、画像処理を通してCTボリューム内で検出可能である。アレイの足場は、個々の球体の場所の追跡中にマーカの自動ソートを支援するために、非対称のパターンで4つの球体540を保持している。
【0131】
球体540は、カメラに面している球体の一部分が遮られずに視認されるように、かつ装着ポストのいかなる部分も視野内に伴うことなく、後方かつ下方へ延在しているポストに装着されている。足場は、球体との良好なコントラストのために、黒色または暗色のプラスチックで作製され得る。足場の左側から右側へとわずかな凹状の湾曲が存在して、固定具が、凸状であると予想される胴体の近くに位置付けることを可能にする。
【0132】
球体固定具は、4つの球体を保持するために足場を提供し、この固定具は、空間内の球体の既知のレイアウトを提供する。この既知のレイアウトは、球体検出アルゴリズムによって使用して、検索領域を、足場の形状によって予想される領域に限定することによって処理速度を向上させることができる。
【0133】
一実施形態では、反射球体540は、反射フィルムおよび硫酸バリウムなどの放射線不透過性化学物質でコーティングされている。その結果、球体は、カメラシステムを介して追跡され、CTスキャンで検出可能であり得る。別の実施形態では、追跡球体540は、放射線不透過性液体または放射線不透過性粉末固体を充填した中空球体であり得る。さらに別の実施形態では、球体540は、放射線不透過性であるチタンなどの材料で完全に形成し、次いで、塗装すること、または別様に反射性にするように処理することができる。別の実施形態では、プラスチックなどの適切な材料のシェルが作成され得、その中に金属球体が埋設される。このような複合球体540は、オーバーモールドプロセスを通して、または金属球体の周囲にシェルの半割り部を接着またはスナップ留めすることによって生成され得る。追跡球体540は、追跡システムのために正確な寸法で構成され得、それによって、ロボットコンピュータシステムが、球体540を追跡および監視することを可能にする。
【0134】
他の実施形態では、球体540は、異なる空間を位置合わせするために使用され得る。例えば、一実施形態では、球体540は、ビタミンEまたは他の油を充填した中央などの、MRI上に同じくハイコントラストで現れる埋設材料を有し得、一方でまた、追跡するためにMRIのレジストレーションを可能にするための反射性外側シェルも有し、または追加的/代替的に、MRI、CT、および追跡座標系の共レジストレーションを可能にするための金属シェルを有することができる。
【0135】
球体540は、
図36Aおよび
図36Bに示すように、固定アレイに結合され得、または
図37に示すように、可撓性アレイに結合され得る。このような半剛性または可撓性システムなどを通した患者への取り付けは、CTスキャンを取得する前に、所望の場所へ固定具を容易に位置付けることを可能にする。
【0136】
図36A、
図36B、および
図36Cは、反射ディスク550の別の実施形態を例解している。平坦な円形反射ディスク550は、光学的にかつ撮像モダリティを通して追跡されるように構成されている。
図36A~
図36Cの実施形態による平坦な円形ディスク550は、外科的処置中に器具を追跡するための追加的な精度を提供する。この実施形態は、各カメラがディスク550の面を楕円として検出するように、反射ディスクを提供する。ディスク550の反射領域の縁部を利用し、楕円の検出された形状を視野角と相関させることで、ディスク構成は、より高い精度を可能にする。
【0137】
提供されるディスク550は、X線撮影CTボリューム内での画像処理を通して検出されるように構成されている。ディスク550は、CTで検出されたときと同じ、光学的に追跡されたときの空間内の場所を共有し、ディスク550は、1つのモダリティ内の複数組の検出された点の間の、別のモダリティの対応する点へのより簡単なレジストレーションを可能にする。好ましい実施形態では、ディスク550は、追跡マーカおよび放射線不透過性マーカを単一の本体に提供する。
【0138】
図38A~
図38Cに例解するように、ディスク550の視認可能な面の中央点552は、立体写真測量を通してディスク550を追跡したときに位置推定される3D点であり、ディスク550上の同じ場所は、レジストレーションのために、CTボリュームの画像処理を通して検出されなければならない。
【0139】
光学的被追跡ディスクを生成または製造するには、反射テープまたはフィルムの小片または反射塗料の薄層を使用して、平坦な可視表面をコーティングし、一方で、正確に既知の領域を含み、かつ明確なリップを有する高コントラストの(典型的に黒色の)リング554を、視認可能な領域の周囲に配置する。このようなディスク550を好適な実施形態のディスクに作製するには、反射テープまたは塗料が装着された表面を、放射線不透過性金属で形成することができる。位置推定アルゴリズムは、被追跡ディスクの場所をCTボリューム内で検出された場所と関連付ける際に、反射フィルムの厚さを補償するべきである。
【0140】
ディスク550の被追跡点は、ディスクの中央点の中央点552である。金属である装着ピンなどの、ディスク上の追加的な放射線不透過性の検出可能な特徴が、不可視側を示すために適用され得、レジストレーションのために被追跡ディスクと被検出ディスクとを比較するときに、候補としての不可視のディスク面を排除する。
【0141】
レジストレーションは、各空間(画像または追跡)において定義するために、6自由度が必要である。好ましい実施形態では、共レジストレーション空間のために、3つ以上のディスク540が使用される。
図39に例解するように、固定具560は、5つのディスクがわずかに非対称のパターンで位置付けられることが想到される。レジストレーションには3つのマーカだけが必要であるが、5つのマーカが存在する場合、マーカの増加した数は、より多くのデータポイントを提供することによって、両方の座標系においてより良好な位置推定精度を提供する。ディスク面の中央の場所のパターンは、画像と追跡空間との間で検出された点を整合させる際の曖昧性を排除するために非対称である。
【0142】
固定具560は、患者に堅固に結合され得る、ベース564に結合された細長い棒562を提供し、一方でまた、患者に触れることなく、固定具560を手術部位の上に位置付けることも可能にする。固定具560から外方に延在している4つの球体取り付け点566は、バー562のための異なる可能な取り付け点を提供し、手術部位に対するカメラの設定および患者の取り付け点のための最適な取り付け点562を選択することを可能にする。締め付け可能な係止機構を有するコネクタ568は、位置付けに対する必要性に応じて、固定具の角度を調整することを可能にする。各ディスクは、より良好なカメラ可視性のために、そのハウジング内で30°に角度付けされ得る。
【0143】
ディスクが追跡カメラに向かって面しているときに、ディスクが最も正確に追跡される好適な実施形態では、ディスクは、各ディスクがカメラの予想場所に向かって傾斜している場所に、ある角度で配置されるべきであることが想到される。この実施形態では、角度は、30°に設定される。他の実施形態では、ディスクが固定され得る角度は、0°~90°の範囲にすることができ、または各ディスクを、固定具の足場への取り付け時に独立して旋回させることができる。
【0144】
CT空間内のディスクの中央点の場所を検出する際に、一実施形態では、既知のサイズに近似するが、画像ボリュームの放射線半透過性の領域と対照的な無指定の形状を有する放射線不透過性物体の場所が使用され得る。アルゴリズムは、1つ以上の平坦面を利用し、任意の平坦面の中心を、位置推定された追跡可能な点の候補として位置推定する。
【0145】
光学マーカおよび放射線半透過性のマーカを追跡するための別の実施形態では、CT検出アルゴリズムは、検出されたディスクの既知の形状を使用し得、予想したディスク形状にほぼ整合するボリュームを走査し、次いで、検出された形状の予想した形状への最良の適合を行う。ディスク固定具は、少なくとも5つのディスクを保持するための足場を提供し、この固定具は、空間内のディスクの既知の配置を提供する。次いで、この既知のレイアウトは、好適なアルゴリズムによって利用して、検索領域を固定具上の足場の形状によって予想した領域に限定することによって、処理速度を高め得る。好適なアルゴリズムは、各独立したディスクを追跡する精度を利用して、手術時にディスク面中央のパターンを作成して、CTが検出したディスク面中央に整合させる。別の実施形態では、ディスクの1つ以上が、CT画像ボリューム内で部分的または完全に切り取られ得る。
【0146】
図40は、一実施形態による、ディスク固定具を使用したレジストレーションアルゴリズムのフローチャートである。最初に、570で、複数のディスクを、動的参照ベースまたはICTなどの参照ベースに取り付ける。次に、ICTまたは参照ベースを患者に取り付け、手術部位の上に位置付け、カメラシステムは、追跡可能なディスクを見ることが可能である。追跡可能なディスクまたは球体の場所を取り込み、画像処理アルゴリズムのテンプレートとして使用することができる。次いで、572で、撮像走査を開始し、手術領域およびディスクを含む手術部位の走査を撮像する。574で、ボリュームの画像を処理し、それによって、画像座標系でのディスク面中央の候補場所の検出を完了する。576で、少なくとも3つの候補場所が検出された場合、追跡カメラを使用したカメラ座標系でのディスクの静的な場所を、レジストレーションプロセスに適用する。3つ未満の候補マーカの場所が識別された場合は、572で、新しい撮像走査を開始する。578で、3つの候補マーカの場所を識別した時点で、カメラ座標系でのディスクまたは球体中央の静的な場所を識別する。次に、580で、画像処理による候補マーカ場所およびカメラシステムから受信した追跡場所を処理し、582で、コンピュータシステムが、整合が許容限度内であるかどうかを判定する。撮像走査の場所とマーカのカメラシステムの場所との間の整合が許容限度レベル内であった場合、レジストレーションを完了する。許容限度レベルが許容可能なレベル内でなかった場合、572で、撮像走査を再度開始する。他の実施形態では、ディスクの場所を決定するために、様々な代替的なアルゴリズムが異なる時間に利用され得ることに留意するべきである。
【0147】
本明細書で説明するロボットおよび関連システムは、一般に脊椎用途を参照して説明されるが、ロボットシステムが、限定するものではないが、外傷または他の整形外科用途(髄内釘、プレートなどの配置など)、頭蓋、神経、心臓胸部、血管、結腸直腸、腫瘍、歯科、ならびに他の外科手術および手技を含む、他の外科用途に使用するために構成されることも意図される。
【0148】
本発明のいくつかの実施形態を、前述の明細書において開示してきたが、本発明が関連し、前述の説明および関連する図面において提示される教示の利益を有する、本発明の多くの修正および他の実施形態が着想されようことが理解される。このため、本発明が上で開示される具体的な実施形態に制限されないこと、ならびに多くの修正および他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることが、理解される。一実施形態からの特性が、本明細書に説明される異なる実施形態からの特性と組み合わされてもよくまたは使用されてもよいことがさらに想像される。さらに、本明細書、ならびに以下の特許請求の範囲において、具体的な用語が採用されるが、それらは、一般的かつ説明的意味においてのみ使用され、説明される発明も、以下の特許請求の範囲も制限する目的で使用されない。本明細書において引用される各特許および公開物の全開示は、各かかる特許または公開物が本明細書において参照により個々に組み込まれるかのように、その全体が参照により組み込まれる。本発明の種々の特性および利点は、以下の特許請求の範囲において記載される。