(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070919
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】長方形出口ハニカム構造、微粒子フィルタ、押出ダイ、およびそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20220506BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20220506BHJP
F01N 3/022 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
B01D46/00 302
B01D39/20 D
F01N3/022 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017090
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2018555212の分割
【原出願日】2017-04-24
(31)【優先権主張番号】62/326,384
(32)【優先日】2016-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/452,765
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス モンロー ビール
(72)【発明者】
【氏名】スゥハオ ホー
(72)【発明者】
【氏名】アヒム カール-エリック ハイベル
(72)【発明者】
【氏名】ケネス リチャード ミラー
(72)【発明者】
【氏名】プシュカー タンドン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ジョン トンプソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】圧力損失性能および煤煙負荷の圧力損失性能が優れた微粒子フィルタを提供する。
【解決手段】複数の入口チャネルおよび出口チャネルをそれぞれ画定している入口セルおよび出口セル502’を含む、相互接続された多孔質壁503のマトリクスのハニカム構造500を有する微粒子フィルタであって、出口セルのうちの少なくとも一部が入口セルのいずれかよりも大きく、出口チャネルの少なくともいくつかの断面形状が長方形である微粒子フィルタである。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子フィルタであって、
ハニカム構造であって、該ハニカム構造の入口端と出口端との間に、軸方向に延在している交差多孔質セル壁のマトリクスを含む、ハニカム構造を含み、該マトリクスが、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された、対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、該出口チャネルの少なくとも一部は、いずれの入口チャネルよりも断面積が大きく、
前記マトリクスが、複数の反復構造単位を含み、
前記反復構造単位の各々が、非正方長方形の形状の断面を有するそれぞれの出口チャネルを画定している壁の群と、該それぞれの出口チャネルに当接している入口チャネルを画定している壁の群とを含み、
前記反復構造単位の各々が、出口を画定している一組の壁を有する互いに接続している壁の群と、該出口を画定している一組の壁以外であって、対応する出口セルの角の間の中間位置のT字交点で、該出口を画定している一組の壁のうちの1つと相互接続している少なくとも1つの壁とを含む、微粒子フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2016年4月22日出願の米国仮出願第62/326,384号、および2017年1月31日出願の米国仮出願第62/452,765号の優先権を主張するものであり、これらの内容は、参照に依拠し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、閉塞されたハニカム構造を含むフィルタなどの微粒子フィルタと、例えば、エンジン排気流からなどの流体流から粒子をフィルタリングするために使用される、多孔質セラミック壁からなるハニカム構造と、に関する。
【背景技術】
【0003】
閉塞された多孔質セラミックハニカムフィルタなどのフィルタ、例えばディーゼル微粒子フィルタ(DPF)は、排気後処理システムで使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ハニカム体が、エンジン排気流などの流体流から粒子をフィルタリングするのに使用されるものなどの、多孔質セラミック壁からなるハニカム構造を含む、閉塞されたハニカム構造、または閉塞されたハニカム構造体を含むフィルタなどの微粒子フィルタであるように、栓を含み得るハニカム構造を含む物体、すなわちハニカム構造体もしくはハニカム体に関する。ハニカム構造体のハニカム構造は、互いに対して、セルの複数のサブセットを識別することができる関係で配設された多孔質壁からなるセルのマトリクスを備え、セルの壁は、チャネルを画定しており、選択された閉塞パターンによって閉塞されている場合があるか、または閉塞されており、セルの選択サブセット(単数または複数)は、本明細書で反復構造単位と称される(そうでない場合は、本明細書で反復ブロック、反復単位、または単位ブロックと称される)。セル壁は、2個以上のセルの共有境界壁として機能することができる。セル壁および栓は、セルチャネル、すなわち入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、反復構造単位は、反復セルパターン、すなわち反復構造単位(すなわち、構造壁に焦点を合わせた場合)および/または反復チャネル単位(すなわち、チャネルに焦点を合わせた場合)を含むことを特徴とすることができる。チャネルは、流体バイオメトリック流、栓の存在、微粒子負荷、およびセル壁構造などの所与の適切な条件を所与として、流体流(例えば、ガスおよび微粒子からなり得る排気ガス流)を可能にするように適合されている。
【0005】
したがって、ハニカム構造は、複数の反復単位が壁の単一のアレイから構成されているか否かに関わらず、またはハニカム構造の一部が、セルのより大きいマトリクスもしくはセルの群を形成するように一緒に接合された、より小さい構成要素もしくはセグメントの集合体であるか否かに関わらず、識別可能な複数の反復構造単位(もしくは複数の反復セルパターン)、または複数の反復単位(もしくは複数の反復セルパターン)を含む組み合わせ構造を備える。一組の実施形態では、交差壁は、コーディエライト、コーディエライトマグネシウムチタン酸アルミニウム、ムライト、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、およびこれらの組み合わせなどの多孔質セラミック材料からなる。
【0006】
一態様では、本開示は、入口セルに対する出口セルおよび関連するチャネルの大きい比率を含む一方で、良好な圧力損失性能(きれいな状態と煤煙負荷の両方)のために入口セルまたは入口チャネルと比較して大きい水力直径を有する一部の出口セルまたは出口チャネルも含むハニカム構造からなる微粒子フィルタに関する。微粒子フィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造は、良好なきれいな状態の圧力損失性能および良好な煤煙負荷の圧力損失性能を提供するために、出口チャネルに隣接する入口セル(または入口チャネル)表面の相対的に大きい割合も有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する微粒子フィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造は、良好な灰燼貯蔵と低い圧力損失の両方を提供する。
【0007】
別の態様では、ハニカム構造を提供し、このハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に、軸方向に延在している交差多孔質セル壁のマトリクスを含み、マトリクスが、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された、対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、出口チャネルの少なくとも一部は、いずれの入口チャネルよりも断面積が大きく、出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、長方形の形状の断面を含む。
【0008】
別の態様では、押出ダイを提供する。押出ダイは、部分的溝タイプを含む交差溝のマトリクスを含むダイ本体の出口面を含み、このマトリクスは、ダイ反復単位を画定し、部分的溝タイプは、出口面を完全に横切っては延在せず、ダイ反復単位は、第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピンを含み、第1のダイピンタイプは、断面積が第2のダイピンタイプよりも大きく、かつ長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を有する長方形の形状の断面を含み、Loは、Woよりも長く、部分的溝タイプの溝は、第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点で終端し、第2のダイピンタイプは、長さLoの第1の側部の長さの半分未満の側部長さLiを含む。
【0009】
さらに別の態様では、ハニカム構造を含むハニカム体を製造する方法を提供する。本方法は、押出ダイを提供するステップを含み、押出ダイは、部分的溝タイプを含む交差溝のマトリクスを含むダイ本体の出口面を含み、このマトリクスは、ダイ反復単位を画定し、部分的溝タイプは、出口面を完全に横切っては延在せず、ダイ反復単位は、第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピンを含み、第1のダイピンタイプは、断面積が第2のダイピンタイプよりも大きく、かつ長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を有する長方形の形状の断面を含み、Loは、Woよりも長く、部分的溝タイプの溝は、第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点で終端し、第2のダイピンタイプは、長さLoの第1の側部の長さの半分未満の側部長さLiを含み、本方法はまた交差溝のマトリクスを通して、バッチ混合物を押し出して、素地を形成するステップと、ハニカム構造の入口端と出口端との間に、軸方向に延在している交差多孔質セル壁のマトリクスを含む、ハニカム構造を含む本体を形成するために素地を加熱および焼成するステップを含み、マトリクスは、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された、対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、該出口チャネルの少なくとも一部は、断面積が入口チャネルのいずれかよりも大きく、出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、長方形の形状の断面を含む。
【0010】
追加の特徴および利点は、この後に続く発明を実施するための形態に記載され、この説明から当業者には容易に部分的には明らかになるか、またはこの後に続く発明を実施するための形態を含む、本明細書に記載される実施形態、特許請求の範囲、および添付の図面を実践することにより認められるであろう。
【0011】
前述の説明と、以下の発明を実施するための形態の両方が、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の本質および特質を理解するための概説および枠組みを提供することを意図することを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態の更なる理解を提供するために含め、本明細書内に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本明細書に記載する様々な実施形態を例示し、説明と一緒に、特許請求される主題の原理および操作を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】正方形セルアレイ構造、もしくはマトリクスを有する閉塞パターン、または等しい大きさの入口セルおよび出口セル(出口セルの栓は、陰影をつけて示す)を有する壁のウェブを有する微粒子フィルタの既知のハニカム構造の代表的な部分を図式的に描写および例示する。
【
図2A】正方形セルアレイ構造、もしくはマトリクスを有する既知の閉塞パターンに配設された栓、またはより大きい入口セルおよびより小さい出口セル(出口セルの栓は、陰影をつけて示す)の非対称設計の壁のウェブを有する微粒子フィルタのハニカム構造の代表的な部分を図式的に描写および例示する。
【
図2B】
図2Aの非対称設計のハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図3A】出口セル(陰影をつけて示す)よりも多くの数の入口セルをもたらす閉塞パターンで配設された栓を有する微粒子壁流フィルタの、比較の閉塞されたハニカム構造の代表的な部分を例示する。
【
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の代表的な部分を示す。
【
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による
図4Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図4C】切断線4C-4Cに沿ってとった
図4Aの閉塞されたハニカム構造を含むフィルタの部分的断面側面図であり、本開示の1つ以上の実施形態による閉塞パターンおよび相対的により大きい出口チャネルを例示する。
【
図4D】本開示の1つ以上の実施形態による陰影をつけて示す栓を有する、
図4Bの反復構造単位を含むフィルタの閉塞されたハニカム構造の入口端の概観を例示する。
【
図4E】本開示の1つ以上の実施形態による陰影をつけて示す栓を有する、
図4Bの反復構造単位を含むフィルタの閉塞されたハニカム構造の出口端の概観を例示する。
【
図5A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を示す。
【
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による、
図5Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図5C】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を示す。
【
図5D】本開示の1つ以上の実施形態による
図5Cの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図6A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図6B】本開示の1つ以上の実施形態による
図6Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図6C】本開示の1つ以上の実施形態によるハニカム構造の丸みを帯びた角を例示する。
【
図6D】本開示の1つ以上の実施形態によるハニカム構造の傾斜した角を例示する。
【
図7A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の例示的実施形態の代表的な部分を例示する。
【
図7B】本開示の1つ以上の実施形態による
図7Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図8A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図8B】本開示の1つ以上の実施形態による
図8Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図9A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図9B】本開示の1つ以上の実施形態による
図9Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図10A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図10B】本開示の1つ以上の実施形態による
図10Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図11A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図11B】本開示の1つ以上の実施形態による
図11Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図12A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図12B】本開示の1つ以上の実施形態による
図12Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図13A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図13B】本開示の1つ以上の実施形態による
図13Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図14A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図14B】本開示の1つ以上の実施形態による
図14Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図15A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の例示的実施形態の代表的な部分を例示する。
【
図15B】本開示の1つ以上の実施形態による
図15Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図16A】本開示の1つ以上の実施形態による微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造の実施例の代表的な部分を例示する。
【
図16B】本開示の1つ以上の実施形態による
図16Aの閉塞されたハニカム構造の反復構造単位を例示する。
【
図16C】すべてではないハニカム構造が本開示の1つ以上の実施形態による構造反復単位を含む、微粒子フィルタの閉塞されたハニカム構造を例示する。
【
図16D】すべてではないハニカム構造が本開示の1つ以上の実施形態による構造反復単位を含む、微粒子フィルタの代替実施形態の閉塞されたハニカム構造を例示する。
【
図17A】比較の閉塞されたハニカム構造(17A、設計A)の入口面および出口面の写真を示す。
【
図17B】比較の閉塞されたハニカム構造(17B、設計B)の入口面および出口面の写真を示す。
【
図17C】本明細書に開示する実施形態による閉塞されたハニカム構造(17C、設計C)の入口面および出口面の写真を示し、実施形態17Cの入口面は、煤煙を負荷した後のものが示されている。
【
図18B】
図17A、
図17B、および
図17Cの構造の743標準立方フィート/分(21標準立方メートル/分)での低温流れの煤煙負荷の関数としての、煤煙負荷された状態での圧力損失を図式的に描写する。
【
図18C】20g/リットルの灰燼の灰燼負荷での
図17A、
図17B、および
図17Cの構造の、743標準立方フィート/分(21標準立方メートル/分)での低温流れの煤煙負荷の関数としての、灰燼負荷した圧力損失を図式的に描写する。
【
図19A】300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)の幾何形態、7ミル(約0.18ミリメートル)のセル壁厚さ(「300/7幾何形態」)、および1.7:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図2Aおよび
図2Bに示すものと類似した非対称ハニカム構造を有する比較設計22Aの閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真を示す。
【
図19B】200個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)の幾何形態、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さ(「200/8幾何形態」)、および1:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図1Aおよび
図1Bに示すものに類似した対称ハニカム構造を有する、比較設計22Bの閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真を示す。
【
図19C】400個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)の幾何形態、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さ(「400/8幾何形態」)、および1.8:1の入口断面積に対する出口断面積比を有する、
図5Cおよび
図5Dに示すものと類似したハニカム構造500を有する設計22Cの閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真を示す。
【
図19D】300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)の幾何形態、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さ(「300/8幾何形態」)、および1.9:1の入口断面積に対する出口断面積比を有する、
図5Cおよび
図5Dに示すものと類似したハニカム構造500を有する設計22Dの閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真を示す。
【
図21A】1つ以上の実施形態による
図11Aのハニカム構造を含む微粒子フィルタの実施形態を製造するように構成された、例示的押出ダイの前端の概観を例示する。
【
図21B】1つ以上の実施形態による切断線19B-19Bに沿ってとった
図21Aの押出ダイの実施例の部分的断面側面図を例示する。
【
図21C】1つ以上の実施形態による
図21Aの押出ダイのダイ反復単位の実施例の端の概観を例示する。
【
図22A】1つ以上の実施形態による、同じハニカム構造の近くのセル壁よりも厚い1つ以上のセル壁を含む、閉塞されたハニカム構造の実施例を図式的に例示する。
【
図22B】1つ以上の実施形態による、同じ反復構造単位の近くのセル壁よりも厚い1つ以上のセル壁を含む反復構造単位の実施例を図式的に例示する。
【
図22C】1つ以上の実施形態による、同じハニカム構造の近くのセル壁よりも厚く、かつ2つの直交方向に延在する複数のセル壁を含む閉塞されたハニカム構造の別の実施例を図式的に例示する。
【
図23】1つ以上の実施形態による、ハニカム構造を製造する方法の流れ図を例示する。
【
図24】異なる煤煙負荷の4つの異なるフィルタ(閉塞されているハニカム体)設計のモデル化圧力損失性能を示し、各閉塞されたハニカム構造は、10.5インチ(26.67センチメートル)の直径および7.5インチ(19.05センチメートル)の長さ、350個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度、9.5ミル(約0.24ミリメートル)のハニカムマトリクス壁厚さ、45%の壁気孔率、ならびに14マイクロセンチメートルの壁中央孔直径を有する。
【
図25】異なる煤煙負荷の4つの異なるフィルタ設計のモデルした化圧力損失性能を示し、各閉塞されたハニカム構造は、10.5インチ(26.67センチメートル)の直径および7.5インチ(19.05センチメートル)の長さ、55%の壁気孔率、ならびに12マイクロセンチメートルの壁中央孔直径を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより、微粒子フィルタ、ハニカム構造体、例えば、多孔質セラミックハニカム物品、多孔質セラミック壁流ディーゼル微粒子フィルタ、およびそのハニカム構造の実施形態を詳細に参照し、これらの実施形態を、添付の図面に例示する。できる限り、同じ部分または類似した部分を参照するために、図面を通して、同じ参照番号を使用する。
【0014】
図1Aおよび1Bの既知の構造に見られるように、チャネルは1つおきに、チェッカー盤のパターンで、一方の面で閉塞されており、反対側のチャネルは、他方の面で閉塞されている。そのような構造では、チャネルの50%が入口チャネルであり、各入口チャネルにおいては、入口チャネルを画定する入口セルの4つすべての壁が、隣接する出口チャネルを画定する隣接する出口セルと共有されている。すべての入口チャネルは、出口セルと同じ断面積を有する。したがって、ハニカム構造の代表的な部分における入口壁の100%は、微粒子を直接フィルタリングするように構成された「フィルタリング壁」であるとみなすことができる。当然、フィルタのハニカム構造全体を考えたときには、非多孔質であってもよいか、またはハニカム構造の壁の大部分よりも多孔質でなくてもよい、外周外皮によってもたらされる境界などのすべての壁がフィルタリング壁である必要はない。
【0015】
図2Aおよび
図2Bは、増加した入口体積(例えば、等しい大きさの入口および出口チャネルを有する
図1Aの構造と比較して)をもたらす別の既知の閉塞されたハニカム構造を例示し、ここでは、入口チャネルの大きさは、入口セルのより大きい入り口チャネルにおける灰燼貯蔵の増加をもたらすために、出口チャネルと比較してより大きい。そのような構造は、非対称なセル、または非対称なセルの大きさを有するとしてみなされる。そのような非対称セル設計の水力直径比がより大きくなると、フィルタ浄化間隔の頻度の減少がもたされ得るが、極めて大きい水力直径比は、出口チャネルの大きさ(例えば、出口チャネルの水力直径)が減少するに従い生じる圧力損失の増加をもたらし得る。つまり、入口セルに対する出口セル(すなわち入口チャネルに対する出口チャネル)の大きさの比をかなり増加させる場合、出口チャネルをより小さくすると、圧力損失の非常に大きい不利益につながり得る。さらに、ダイの設計および製造は、出口チャネルの大きさをさらに減少させるに従い、より困難かつ高額になり得る。例えば、小さいピンを使用して、小さい出口チャネルを生成しようとすると、そのような小さいピンは、ダイにうまく固定されない場合があり、押出または取扱中に相対的により折れて取れやすい場合がある。さらに、極めて小さいチャネルは、それらの小ささのために塞ぐのが困難になる場合がある。加えて、1つの壁における一対の入口チャネルおよび出口チャネルを別の入口チャネルおよび出口チャネルから分離する壁の位置は、1行下の近くの対の入口チャネルおよび出口チャネルを分離する壁からよりオフセットされる。そのようなオフセットにより、その方向へのこの構造の負荷容量は、より直線的な壁を有する構造と比較してより小さくなり得る。さらに、そのような非対称セル設計のための押出ダイは、相対的に高価、かつ、例えば、放電加工機(EDM)およびより複雑な電極により製造が複雑になる傾向がある。
【0016】
図3Aおよび
図3Bは、出口チャネルよりも多い数の入り口チャネルを有する閉塞パターンで配設された栓のために、灰燼貯蔵容量の増加がもたらされ得る、別の既知の閉塞されたハニカム構造の代表的な部分を示す。この比較構造は、3:1の入口:出口チャネル数比(入口チャネルの数に対する出口チャネルの数)を有する。入口チャネルを、影をつけずに描写し、出口チャネルを、影をつけて描写している(陰影をつけた)。このハニカム構造では、2種類の入口セルがあり、これらにAおよびBのラベルをつける。Aタイプ入口セルには、隣接する出口セルと共有される2つの壁が存在する(1つの壁が各隣接する出口チャネルと共有される)。Bタイプ入口セルでは、(隣接する出口チャネルの)隣接する出口セルとの1つの共有される壁が存在し、他の3つの壁は、他の隣接する入口セルと共有される。この構造では、各反復構造単位(そうでない場合は、単位ブロック、反復単位、または反復チャネル単位と称される)に、1つのAタイプ入口セルおよび2つのBタイプ入口セルが存在する。したがって、このハニカム構造は、直接的フィルタリングのために平均で入口壁の33%を用いる。この構造は、50%の入口体積(または面積)の増加をもたらし、したがって、灰燼貯蔵容量の大幅な増加をもたらすが、この構造は、すべての出口流が少数の相対的に小さい出口チャネルに制限されるため、圧力損失の不利益を被る。
【0017】
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに例示される設計の両方に関して、出口セルの小さい水力直径、または流れを運ぶのに利用可能な出口チャネルの数の減少のいずれかに起因して、圧力損失の不利益が生じる。これらの両方の場合で、出口チャネルに起因する圧力損失の不利益は、相対的に重大であり得る。
【0018】
図1Aおよび
図1B、
図2Aおよび
図2B、または
図3Aおよび
図3Bによって表される既知のフィルタおよびハニカム構造と対照的に、本明細書に開示するフィルタおよび閉塞されたハニカム構造体は、入口セル(または入口チャネル)と比較して、増加した水力直径の1個以上の出口セル(または出口チャネル)を備えることによりこれらの問題を軽減する助けとなるハニカム構造を備える。例えば、本明細書に開示する様々な実施形態では、正方形のセルと長方形のセルとの組み合わせにより、ハニカム構造の有利な幾何形態が達成され、入口セルおよび入口チャネルは正方形であり、出口セルおよび出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、長方形(すなわち、非正方形)である。本明細書に使用されるとき、「長方形」または「非正方形長方形」は、4つの直角と、他の2つの側部よりも長い長さの2つの側部と、を有する四辺形を意味し、および「長方形」は、非正方形長方形の形状もしくは外形、または4つの直角と、他の2つの側部よりも長い長さの2つの側部と、を有する四辺形の形状もしくは外形を有することを意味する。
【0019】
以下に開示する例示的実施形態では、入口の体積に対する出口の体積比(すなわち断面積比)、および出口セルと共有される入口セル表面の平均割合が、示される。1つ以上の実施形態では、入口の体積に対する出口の体積比と、出口セルと共有される入口セル表面の平均割合の両方が、相対的に高い値になる。入口の体積に対する出口の体積比がより高くなると、灰燼貯蔵容量の増加がもたらされ得る。共有される入口:出口壁のより大きい割合(例えば、比率)は、きれいな状態での圧力損失と、煤煙負荷された状態での圧力損失の両方の圧力損失の増加を軽減するのに役立つ。
【0020】
1つ以上の実施形態では、ハニカム構造は、互いに隣接して配設したとき、ハニカム構造の少なくとも一部を形成する、複数の反復構造単位(例えば、単位ブロック)を備える。この反復構造単位は、隣接する出口セルと共有する2つの壁を有するAタイプ入口セル、隣接する出口セルとの1つの共有壁を有するBタイプ入口セル、または隣接する出口セルとの共有壁を有しないXタイプ入口セル(もしくは入口チャネル)、あるいはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を有することを特徴としてもよい。本明細書に使用されるとき、「隣接するセル」は、別のセルに直接隣接した(当接した)セルを指す。様々な実施形態は、Aタイプ入口セル、Bタイプ入口セル、もしくはXタイプ入口セル、またはこれらの組み合わせを含み得る。図では、入口セルに対応する入口チャネルを、影をつけずに描写し、出口セルに対応する出口チャネルを、陰影を含めて描写している。一組の実施形態では、栓は、チャネルのうちの少なくともいくつか内の、入口端もしくは入口面に、またはその付近に配設され、栓は、チャネルのうちの少なくともいくつか内の入口端に対向する出口端もしくは出口面に、またはその付近に配設されている。
【0021】
本開示の実施形態による微粒子フィルタのハニカム構造体の一部を含むハニカム構造400の第1の実施形態を、
図4Aから
図4Eに示す。このハニカム構造400は、1.5:1の入口に対する出口の体積比を有し、3/1におおよそ等しい入口/出口比を有し、反復構造単位400Uの各入口セル401(
図4Bに示し、
図4Aでは点線で輪郭を描いている)は、平均フィルタリング面積が約50%になるように、その壁のうちの2つを隣接する出口セルと共有している(すなわちすべての入口セル401が、2つの共有出口壁を有する)。A
1およびA
0とラベル付けした入口セル401は、出口セルと共有された2つの対向する壁(A
0とラベル付けした)、または隣接した出口セルと共有された2つの直角壁(A
1とラベル付けした)のいずれかを有する。一組の実施形態、および
図4Aから
図4Eの実施形態では、反復構造単位400U(単位ブロック)は、長方形出口セル402(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル401(および関連する正方形入口チャネル)を含む。
図4Aから
図4Eの実施形態の場合、長方形出口セル402の長い寸法に沿って端壁から端壁までの断面で測定した出口長さLoは、その端壁から端壁で測定した入口長さLiの2倍を超える(例えば、2.01倍超、または2.1倍超、または2.5倍超、または3倍超など)壁厚さであってもよく、いくつかの実施形態では、壁厚さは、端壁から端壁で測定した入口長さLiの2倍以上(twice or more than twice)(例えば、2倍以上(greater than or equal to two times))であってもよい。出口幅Woは、入口長さLiと等しくてもよい。例えば、Loは、約0.075インチ(1.91mm)と約0.125インチ(3.18mm)の間の範囲であってもよく、LiおよびWoは、約0.035インチ(0.89mm)と約0.055インチ(3.18mm)の間の範囲であってもよい。LoおよびLiの他の値を使用することができる。
【0022】
図4Cに示すように、ハニカム構造400は、交差多孔質セル壁403(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル401および出口セル402を備える。入口セル401は、入口端404で閉塞されていなくてもよく、出口端406で、またはその付近で、出口端栓408を用いて閉塞されていてもよい。出口セル402は、入口端404で、またはその付近で、入口端栓407を用いて閉塞されていてもよく、出口端406では閉塞されていなくてもよい。閉塞は、約5mmから20mmの深さであってもよいが、この深さは異なり得る。任意の好適な閉塞セメントを、セル壁403を構成する特定のセラミック材料に使用してもよい。
【0023】
図4Dおよび
図4Eに見ることができるように、反復構造単位400Uは、微粒子フィルタ405のハニカム体のハニカム構造400全体にわたって反復している。本明細書で示すすべての入口および出口の概観では、栓を、陰影をつけて示す。具体的には、いくつかの実施形態では、長方形断面の出口セル402は、ハニカム構造400内で均等に散在していてもよい。ハニカム構造400内には、2種類のセル壁403、具体的には、微粒子フィルタ405のハニカム構造400を完全に横切って(例えば、外皮409のある部分から外皮409の別の部分まで)延在する第1の壁と、ハニカム構造400を完全に横切っては延在しないが、ハニカム構造400を部分的にだけ横切って延在し、ハニカム構造400内で終端する部分的壁403Pが、存在する。この実施形態では、セル壁403Xは、第1のタイプの壁のものであり、これらは、一方の側から他方の側までx方向に微粒子フィルタ405の幅を完全に横切って延在し、部分的壁403Pは、第1の方向xに対して直角の第2の方向(例えば、y方向)に延在する。ハニカム構造400内の部分的壁403Pは、出口セル402の側部の、出口セル402の側壁とのT字交点、すなわち途中で終端する。したがって、
図4Aから
図4Eのこの実施形態では、第1の種類のセル壁403Xは、第1の方向xに延在し、部分的壁403Pは、第2の方向yに延在する。この実施形態では、部分的壁403Pは、2つの隣接した反復構造単位400Uを横切って延在する。
【0024】
交差多孔質セル壁503(いくつかはラベル付けした)のマトリクスにより形成された入口セル501および出口セル502を含むハニカム構造500の別の実施形態を、
図5Aおよび
図5Bに示す。ハニカム構造500は、2:1の入口に対する出口の体積比を有し、おおよそ4/1に等しい入口/出口比を有し、半数の入口セル501(A
0とラベル付けした)が、隣接する出口セル502と2つの壁を共有し、残りの半数の入口セル501(B
2とラベル付けした)が、隣接する出口セルと1つの壁(加えて、2つの共有角)を共有し、そのため、平均フィルタリング面積は約37.5%である。一組の実施形態では、反復構造単位500U(単位ブロック)は、長方形出口セル502(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル501(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態では、反復構造単位500U上、またはそれの下に位置付けられた各隣接した反復構造単位500U’は、反復構造単位500Uの出口セル502が隣接した反復構造単位500U’の出口セル502’と垂直に整列しない、すなわち、示すように、これらが同じ列に整列しないように、行に沿って1つの位置だけずらされているように示されている。この実施形態では、垂直壁503Xおよび水平壁503Yは各々、ハニカム体のハニカム構造500を完全に横切って延在している。この実施形態では、部分的壁503Pは、入口1つ分の幅だけ延在し、出口セル502の側部のT字交点で終端する。
【0025】
図5Cおよび
図5Dは、
図5Aおよび
図5Bの構造が、横向きになった実施形態を開示している。この実施形態では、所与のxの位置のハニカム構造500’’のセル壁503のすべてが相互接続されて、第1の壁の直線を形成し、所与のyの位置の壁の一部分のみが相互接続されて、第2の壁の直線を形成している。この実施形態では、y方向に延在する壁503Y’のすべてが、ハニカム体のハニカム構造500’’を完全に(fully)かつ完全に(entirely)横切って延在してもよい。x方向には、壁503X’のうちのいくつかは、ハニカム構造500’’を完全に横切って延在してもよい一方で、部分的壁503P’は、ハニカム構造500’’を完全に横切って延在しない。この実施形態のすべての他の構造は、
図5Aおよび
図5Bに関しては同じである。
【0026】
交差多孔質セル壁603(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル601および出口セル602を備えるハニカム構造600の別の実施形態を、
図6Aおよび
図6Bに示す。ハニカム構造500は、2:1の入口に対する出口の体積比を有し、半数の入口セル601(A
0とラベル付けした)が、隣接する出口セル602と2つの壁を共有し、残りの半数の入口セル601(B
2とラベル付けした)が、隣接する出口セル602と1つの壁(好ましくは、加えて2つの共有角)を共有し、そのため、平均フィルタリング面積は、37.5%であり、入口/出口比は、約16/4と等しい。一組の実施形態では、反復構造単位600U(例えば、単位ブロック)は、複数の長方形出口セル602(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル601(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態では、反復構造単位600Uは、直接隣接した反復構造単位600U’からずれて(例えば、1つの列だけ)示されている。この実施形態では、すべての壁が、部分的壁603Pである。さらに、この実施形態では、反復構造単位600Uの出口セル602は、異なる配向で配置され、いくつかの場合では、出口セル602の長い寸法は、x方向に沿って垂直に配向され、他の場合では、出口セル602の長い寸法は、y方向に沿って配向されて配向されている。
【0027】
交差多孔質セル壁703(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル701および出口セル702R、出口セル702Sを含む、ハニカム構造700を、
図7Aおよび
図7Bに示す。ハニカム構造700は、2:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約8/3と等しく、入口セル701(A
0またはA
1とラベル付けした)の75%が、隣接する出口セルと2つの壁を共有し、入口セル701(B
1とラベル付けした)の25%が、隣接する出口セル702Rと1つの壁(好ましくは、加えて1つの共有角)を共有し、そのため、平均フィルタリング面積は、43.75%である。一組の実施形態では反復構造単位700U(例えば、単位ブロック)は、1個の長方形出口セル702R、2個の正方形出口セル702Sを有し、入口セル701は、正方形である。描写される実施形態では、反復構造単位700Uは、隣接した反復構造単位700U’上に積み重ねられているが、それからずらされていない。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造700を完全に横切って延在する第1のタイプの壁703Xおよび第1のタイプの壁703Yと、セル2個分の長さである部分的壁703Pと、の組み合わせを含む。さらに、この実施形態では、出口セル702Sのうちのいくつかが、正方形断面形状を含み、いくつかの入口セル702Rが、長方形断面形状を含む。
【0028】
交差多孔質セル壁803(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル801および出口セル802を備える、ハニカム構造800を
図8Aおよび
図8Bに示す。ハニカム構造800は、2.125:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約17/4と等しく、入口セル801(A
0およびA
2とラベル付けした)の約47%が、隣接する出口セルと2つの壁を共有し、約47%が、隣接する出口セル802と1つの壁を共有し、入口セル801(X
4とラベル付けした)の約6%が、隣接する出口セル802との共有壁(好ましくは、4つの共有角)を有さず、そのため、平均フィルタリング面積は、35.3%である。一組の実施形態では、反復構造単位700U(単位ブロック)は、長方形出口セル802(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル801(および関連する正方形入口チャネル)を有する。描写される実施形態では、反復構造単位800Uは、隣接した反復構造単位800U’上に積み重ねられているが、それからずらされていない。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造800をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプの壁803Xおよび第1のタイプの壁803Yと、セル4個分の長さであり、x方向とy方向の両方に部分的に延在する部分的壁803Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁803Pは、出口セル802の側壁のT字交点で終端する。さらに、この実施形態では、反復構造単位800Uの出口セル802は、異なる配向で配置され、いくつかの場合では、出口セル802の長い寸法は、x方向に沿って垂直に配向され、他の場合では、出口セル802の長い寸法は、y方向に沿って配向されて配向されている。
【0029】
交差多孔質セル壁903(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル901および出口セル902を備える、ハニカム構造900を
図9Aおよび
図9Bに示す。ハニカム構造900は、2.5:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約5/1と等しく、入口セル901(Aとラベル付けした)の20%が、隣接する出口セル902と2つの壁を共有し、入口セル901(Bとラベル付けした)の80%が、隣接する出口セル902と1つの壁(加えて1つの共有角)を共有し、そのため、平均フィルタリング面積は、30%である。一組の実施形態では、反復構造単位800U(単位ブロック)は、長方形出口セル902(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル901(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造900をx方向に完全に横切って延在する第1のタイプの壁903Xと、y方向に部分的に延在する異なる長さの部分的壁903Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁903Pは、出口セル902の側壁のT字交点で終端する。
【0030】
交差多孔質セル壁1003(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1001および出口セル1002を備える、ハニカム構造1000を
図10に示す。ハニカム構造1000は、3:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約6/1と等しく、入口セル1001(Aとラベル付けした)の33%は、隣接する出口セル1002と2つの壁を共有し、入口セル1001(Bとラベル付けした)の33%は、隣接する出口セル1002と1つの壁を共有し、入口セル1001(Xとラベル付けした)の33%は、隣接する出口セル1002と共通の壁(好ましくは、加えて2つの共有角)を有さず、そのため、平均フィルタリング面積は、25%である。一組の実施形態では、反復構造単位1000U(例えば、単位ブロック)は、長方形出口セル1002(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1001(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1000をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプの壁1003Xおよび第1のタイプの壁1003Yと、セル1個分の幅であり、y方向に部分的に延在する部分的壁1003Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1003Pは、出口セル1002の側壁のT字交点で終端する。
【0031】
交差多孔質セル壁1103(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1101および出口セル1102を備える、ハニカム構造1100を
図11に示す。ハニカム構造1100は、3:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約6/1と等しく、入口セル1101(Bとラベル付けした)のすべてが、隣接する出口セル1102と1つの壁を共有し、(好ましくは、反復構造単位1100U(単位ブロック)の2個のセル(B
0とラベル付けした)が、1つの共有壁を有するが共有角を有さず、反復構造単位1100Uの4個のセル(B
1とラベル付けした)が、1つの共有壁および1つの共有角を有する)、そのため、平均フィルタリング面積は、25%である。一組の実施形態では、反復構造単位1100U(単位ブロック)は、長方形出口セル1102(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1101(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1100をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプの壁1103Xおよび第1のタイプの壁1103Yと、セル4個分の長さであり、x方向とy方向の両方に部分的に延在する部分的壁1103Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1103Pは、出口セル1102の側壁のT字交点で終端する。
【0032】
交差多孔質セル壁1203(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1201および出口セル1202を備える、ハニカム構造1200を
図12に示す。ハニカム構造1200は、3:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約6/1と等しく、入口セル1201のすべてが、隣接する出口セル1202と1つの壁を共有し、(好ましくは、いくつかの入口セル1201(B
1とラベル付けした)が、1つの壁および1つの角を共有し、他の入口セル1201(B
0とラベル付けした)が、1つの壁を共有し、角は共有しない)、そのため、平均フィルタリング面積は、25%である。一組の実施形態では、反復構造単位1200U(単位ブロック)は、長方形、非正方形出口セル1202(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1201(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1200をx方向とy方向の両方に(1組の壁おきに)完全に横切って延在する第1のタイプの壁1203Xおよび第1のタイプの壁1203Yと、x方向とy方向の両方に部分的に延在する部分的壁1203Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1203Pは、出口セル1202の側壁のT字交点で終端する。さらに、この実施形態では、反復構造単位1200U、反復構造単位1200U’の出口セル1202は、ハニカム構造1200の全体にわたって異なる配向で配置され、いつかの場合では、出口セル1202の長い寸法は、x方向に沿って垂直に配向され、他の場合では、出口セル1202の長い寸法は、y方向に沿って配向されている。
【0033】
交差多孔質セル壁1303(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1301および出口セル1302を備える、ハニカム構造1300を
図13に示す。ハニカム構造1300は、3.5:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約7/1と等しく、入口セル1301(B
0およびB
1とラベル付けした)の86%が、隣接する出口セル1302と1つの壁を共有し、入口セル1301(X
2とラベル付けした)の14%が、隣接する出口セル1302と共通の壁(および2つの共有角)を有さず、そのため、平均フィルタリング面積は、21.4%である。一組の実施形態では、反復構造単位1300U(単位ブロック)は、長方形出口セル1302(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1301(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1300をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプの壁1303Xおよび第1のタイプの壁1303Yと、y方向に部分的に延在する部分的壁1303Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1303Pは、セル2個分の幅であり、出口セル1302の側壁のT字交点で終端する。
【0034】
交差多孔質セル壁1403(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1401および出口セル1402を備えるハニカム構造1400を
図14に示す。ハニカム構造1400は、4:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約8/1と等しく、入口セル1401(B
1またはB
0とラベル付けした)の75%が、隣接する出口セル1402と1つの壁(および1つの共有角、または共有角なしのいずれか)を共有し、入口セル1401(X
1とラベル付けした)の25%が、隣接する出口セル1402と共通の壁(および1つの共有角)を有さず、そのため、平均フィルタリング面積は、18.75%である。一組の実施形態では、反復構造単位1400U(単位ブロック)は、長方形出口セル1402(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1401(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1400をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプのセル壁1403Xおよび第1のタイプのセル壁1403Yと、y方向に部分的に延在する部分的壁1403Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1403Pは、セル4個分の幅であり、出口セル1402の側壁のT字交点で終端する。
【0035】
交差多孔質セル壁1503(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1501および出口セル1502を備えるハニカム構造1500を
図15に示す。ハニカム構造1500は、4.5:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約9/1と等しく、入口セル1501(B
0とラベル付けした)の2/3が、隣接する出口セルと1つの壁を共有し(かつ角は共有せず)、入口セルの1/3が、隣接する出口セルと共通の壁を有さず(1つがX
2とラベル付けした2つの共有角を有し、残りが、X
1とラベル付けした1つの共有角を有する)、そのため、平均フィルタリング面積は、16.7%である。一組の実施形態では、反復構造単位1400U(単位ブロック)は、長方形出口セル1502(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1501(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1400をx方向に完全に横切って延在する第1のタイプの壁1503Xと、y方向に部分的に延在する部分的壁1503Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1503Pは、出口セル1502の側壁のT字交点で終端する。
【0036】
交差多孔質セル壁1603(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスによって形成された入口セル1601および出口セル1602を備えるハニカム構造1600を
図16に示す。ハニカム構造1600は、5:1の入口に対する出口の体積比を有し、入口/出口比は、約10/1と等しく、入口セル1601(B
0とラベル付けした)の60%が、隣接する出口セル1602と1つの壁を共有し(かつ共有角は共有せず)、入口セル1601(X
1とラベル付けした)の40%が、隣接する出口セル1602と共通の壁(および1つの共有角)を有さず、そのため、平均フィルタリング面積は、15%である。一組の実施形態では、反復構造単位1600U(単位ブロック)は、長方形出口セル1602(および関連する長方形出口チャネル)、ならびに正方形入口セル1601(および関連する正方形入口チャネル)を有する。この実施形態は、ハニカム体のハニカム構造1600をx方向とy方向の両方に完全に横切って延在する第1のタイプの壁1603Xおよび第1のタイプの壁1603Yと、y方向に部分的に延在する部分的壁1603Pと、の組み合わせを含み、各部分的壁1603Pは、セル5個分の幅であり、出口セル1602の側壁のT字交点で終端する。
【0037】
したがって、様々な実施形態において、ハニカム構造の入口端(例えば、入口端404)と出口端(例えば、406)の間に軸方向に延在する交差多孔質セル壁(例えば、多孔質セル壁403から多孔質セル壁1600P)のマトリクスを含むハニカム構造(例えば、ハニカム構造400からハニカム構造1600)を含むハニカム体を備え、交差多孔質セル壁(例えば、セル壁403からセル壁1603)のマトリクスは、複数の入口セル(例えば、入口セル401から入口セル1601)および出口セル(例えば、出口セル402から出口セル1602)、およびそれぞれの入口および出口セルによって画定された対応する入口チャネルおよび対応する出口チャネルを画定し、出口チャネルの少なくとも一部は、断面積が入口チャネルのいずれかよりも大きく、出口チャネル(例えば、出口セル402から出口セル1602に対応する)のうちの少なくともいくつかは、長方形である、フィルタ、または微粒子フィルタが本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、出口チャネル(例えば、出口セル402から出口セル1602)の各々は、断面積が入口チャネル(例えば、入口チャネル401から入口チャネル1601)のいずれかよりも大きい。いくつかの実施形態では、出口チャネル(および
図7Aおよび
図7Bの出口セル702S)のうちのいくつかは、入口チャネル(および入口セル701)の断面積と等しい断面積を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、入口チャネルおよび出口チャネルそれぞれのアレイ(「チャネルのアレイ」)を画定する、入口セル(例えば、入口セル401から入口セル1601)および出口セル(例えば、出口セル402から出口セル1602)からなるセルのアレイを含む、相互接続された多孔質壁(例えば、相互接続されたセル壁403から相互接続されたセル壁1603)のマトリクスを含む、ハニカム構造(例えば、ハニカム構造400からハニカム構造1600)を備え、各入口セルまたは入口チャネルが、入口水力直径を有し、各出口セルまたは出口チャネルが、出口水力直径を有し、出口セルまたは出口チャネルの少なくとも一部が、入口セルまたは入口チャネルのいずれかの入口水力直径よりも大きい出口水力直径を有し、出口チャネル(例えば、出口セル402から出口セル1602)の少なくともいくつかが、長方形断面を有する、フィルタ、微粒子フィルタ、またはハニカム体が、本明細書に開示される。長方形の形状は、特定の出口セル402から出口セル1602の交差多孔質壁403の周囲長によって画定されている。いくつかの実施形態では、出口セルまたは出口チャネルの各々が、入口チャネルまたは入口セルのいずれかの入口水力直径よりも大きい出口水力直径を有する。いくつかの実施形態では、出口セルまたは出口チャネルのうちのいくつかが、
図7Aおよび
図7Bに示すものなどの、入口チャネル、または入口セルの入口水力直径と等しい出口水力直径を有する。
【0039】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造の第1の組の実施形態では、セル壁(例えば、セル壁403)は、軸方向(
図4Cに示すz方向)に延在し、壁は、軸方向に対して垂直な平面の断面において、x-y格子構成で配設されており(
図4Aおよび
図4Bを参照されたい)、マトリクスは、x方向に対して平行に整列された壁の第1の群(例えば、セル壁403Xの第1の群)と、y方向に対して平行に整列された平行壁の第2の群(例えば、壁403Yの第2の群)と、を含み、x方向は、y方向に対して直角である。
【0040】
第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、マトリクス内の所与のxの位置の壁のすべてが相互接続されて、ハニカムフィルタ体を完全に横切って延在していてもよい第1の壁の直線を形成し、所与のyの位置の壁の一部分のみが相互接続されて、第1の壁の直線の方向に直角の第2の壁の直線を形成し、すなわち、これらは、部分的壁である。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、少なくとも3個の連続したセルに対応する壁が端と端で相互接続して、第1の複数の壁の直線を形成し、所与のyの位置の壁の一部分のみが相互接続して、第2の複数の壁の直線を形成する。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、所与のxの位置の壁のすべてが相互接続されて、第1の壁の直線を形成し、所与のyの位置の壁の一部分のみが相互接続されて、第2の壁の直線を形成し、すなわち、これらは、部分的壁である。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、マトリクス内の所与のxの位置の複数の壁が相互接続されて、第1の直線を形成している。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、x-y格子内の複数のyの位置において、かつx-y格子内の所与のxの位置に関して、マトリクス内のyの位置の複数の壁が相互接続されて、直線を形成している。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、マトリクス内の選択されたyの位置のx方向に延在するすべての壁が、端と端で直線に配設されているわけではなく、すなわち、これらは、部分的壁である。第1の組の実施形態のうちのいくつかでは、マトリクス内の選択されたyの位置のx方向に延在する壁のうちのいくつかが、端と端で直線に配設されている。
【0041】
開示されるフィルタ、ハニカム体、およびハニカム基材の第2の組の実施形態では、多孔質セル壁のマトリクスは、軸方向に延在し、マトリクスは、平行壁の第1の群と、軸方向に対して垂直の平面において、第1の群の壁に対して直角に配向された平行壁の第2の群と、を含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、第1の群の壁は、ハニカム体の壁のマトリクスの幅全体を連続的に横切って相互接続されており、これらの実施形態のうちのいくつかでは、第2の群の壁は、ハニカム体の壁のマトリクスの幅全体を横切って連続的に相互接続されておらず、すなわち、これらは、部分的壁である。
【0042】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネルおよび出口チャネルは、互いに対して平行に、軸方向に延在している。
【0043】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口セルおよび出口セルは、軸方向への互いに対して平行な構成で延在している。
【0044】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネル(および対応する入口セル)は、軸方向に対して垂直の平面において多角形断面形状を有する。これらの実施形態のうちのいくつかでは、多角形断面形状の少なくとも1つの最高点は、丸みを帯びた部分を含み、他の実施形態では、多角形断面形状の少なくとも1つの最高点は、
図6Cおよび
図6Dに示すように、傾斜部分を含む。いくつかの実施形態では、出口チャネル(または出口セル)は、軸方向に対して垂直の平面において多角形断面形状を有し、これらの実施形態のうちのいくつかでは多角形断面形状の少なくとも1つの最高点は、丸みを帯びた部分(例えば、放射状構造)を含み、他の実施形態では、多角形断面形状の少なくとも1つの最高点は、
図6C図6Dに示すように、傾斜部分(面取りした面)を含む。
【0045】
フィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネル、または入口チャネルの入口セルのうちの少なくともいくつかは、軸方向zに対して垂直の平面において正方形断面形状を有する。フィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、出口チャネル、または出口チャネルの出口セルのうちの少なくともいくつかは、軸方向に対して垂直の平面において、長方形断面形状を有する。
【0046】
本明細書に開示するフィルタおよびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネル、または入口チャネルの入口セルのうちの少なくともいくつかは、軸方向に対して垂直の平面において正方形断面形状を有し、出口チャネルまたは出口チャネルの出口セルのうちの少なくともいくつかは、軸方向に対して垂直の平面において長方形断面形状を有する。例えば、いくつかの反復構造単位(例えば、反復構造単位400U、反復構造単位500U、および反復構造単位900Uから反復構造単位1600U)に関しては、反復構造単位のセルのうちの1個が、長方形断面形状を有する出口セルであってもよく(例えば、出口セル402、出口セル502、および出口セル902から出口セル1602)、3個以上のセルが、正方形断面形状を有する入口セル(3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、および10個の入口セルを含む)であってもよい。
【0047】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、出口チャネル(または出口セル)の3倍以上の数の入口チャネル(または入口セル)が存在し、すなわち、I/O比は、4/1以上、5/1以上、6/1以上、7/1以上、8/1以上、さらには9/1以上を含む、3/1以上である。
【0048】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、ハニカム構造の入口開放前面面積(OFAin)は、軸方向に対して垂直の平面における入口チャネルの面積の和を含み、ハニカム構造の出口開放前面面積(OFAout)は、軸方向に対して垂直の平面における出口チャネルの面積の和を含み、OFAinは、OFAoutよりも大きい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、OFAin:OFAoutの比は、1.5と5.0の間である。いくつかの実施形態では、OFAin:OFAout比と、出口セルまたは出口チャネルと壁を共有している入口セルまたは入口チャネルの周囲長の平均割合との積は、少なくとも0.67であるが、1.0未満である。
【0049】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のうちのいくつかまたはすべての実施形態では、マトリクス内の多孔質セル壁(例えば、多孔質セル403から多孔質セル1603)のすべてが、同じ厚さを有する。壁厚さは、例えば、約0.10mmから約0.41mmの範囲であってもよい。他の壁厚さも可能である。
【0050】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のうちのいくつかまたはすべての実施形態では、マトリクス内の多孔質セル壁(例えば、セル壁403からセル壁1603)のすべてが、同じ平均厚さを有する。
【0051】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、1つ以上の入口チャネルは、マトリクス内の任意の2つの出口チャネル間に配設され、いくつかの実施形態では、各出口チャネルは、入口チャネル1つ以上分だけ、任意の他の出口チャネルから離間されている。
【0052】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、セル壁は、複数の第1の壁および複数の第2の壁を含み、第1の壁は、第1の平均厚さを有し、第2の壁は、第2の平均厚さを有し、第2の平均厚さは、第1の平均厚さよりも厚い(
図20Aから
図20Cを参照されたい)。第2の平均厚さは、第1の平均厚さよりも、例えば、20%、さらには20%超厚くてもよい。
【0053】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、マトリクスは、複数の反復単位ブロックを含み、各単位ブロックは、少なくとも1つの出口チャネルと、その反復単位ブロックの少なくとも1つの出口チャネルに隣接および当接した、複数の囲繞している入口チャネルと、を画定するセルの群を含む。
【0054】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、ハニカム構造は、複数の反復構造単位(例えば、反復構造単位400Uから反復構造単位1600U)を備え、各単位が、それぞれの出口セルまたは出口チャネルと、それぞれの出口チャネルまたは出口セルに隣接した複数の囲繞している、もしくは当接している入口セル、または囲繞しているかもしくは当接している入口チャネルと、を画定する相互接続された壁の群を含む。いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、第1の複数の第1の反復構造単位を含む部分と、反復構造単位を含まないか、複数の第2の反復構造単位を含むかのいずれかである別の部分と、を含み、第1の反復構造単位および第2の反復構造単位は、異なる。いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、正方形セルからなる部分を備えてもよく、いくつかの実施形態では、そのような部分は、互いに大きさが同じかまたは実質的に類似した大きさの正方形セルからなる。例えば、
これらの実施形態のうちのいくつかでは、各反復構造単位は、軸方向(z方向)に延在する壁を含み、これらの壁は、第1の方向に対して平行に整列された側壁の第1の群と、第2の方向に対して平行に整列された側壁の第2の群と、からなり、第1の方向は、第2の方向に対して直角であり、第1の方向および第2の方向は各々、軸方向(例えば、方向z)に対して直角である。いくつかの実施形態では、各反復構造単位(例えば、反復構造単位400Uから反復構造単位1600U)は、反復構造単位において対応する出口チャネル、または出口セルを総じて画定するための、第2の組の第2の群の壁と相互接続された第1の組の第1の群の壁からなる、出口を画定している一組の壁であって、出口セルまたは出口チャネルは、複数の角を有する、出口を画定している一組の壁と、対応する出口チャネルまたはセルの角間の中間位置(例えば、半ば)のT字交点で、出口を画定している一組の壁のうちの1つと相互接続している、出口を画定している一組の壁以外の少なくとも1つの壁と、を含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、各反復構造単位(例えば、反復構造単位400Uから反復構造単位1600U)は、反復構造単位において対応する出口チャネル、または出口セルを総じて画定するための、第2の組の第2の群の壁と相互接続された第1の組の第1の群の壁からなる出口を画定している一組の壁であって、出口セルまたは出口チャネルは、複数の角を有する、出口を画定している一組の壁と、対応する出口チャネルまたは出口セルの角から離間された位置で、出口を画定している一組の壁のうちの1つと相互接続している、出口を画定している一組の壁以外の少なくとも1つの壁と、を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、反復構造単位(例えば、反復構造単位400Uから反復構造単位1600U)は、複数の入口チャネルまたは入口セルを含む。いくつかの実施形態では、反復構造単位における壁のうちの少なくとも1つは、その反復構造単位における入口セルのうちの1個および出口セルのうちの1個によって共有されている。いくつかの実施形態では、反復構造単位における複数の壁は、少なくとも1個の入口セルおよび少なくとも1個の出口セルによって共有されている。これらの実施形態のうちのいくつかでは、入口チャネルのうちの少なくとも1つが、出口を画定している一組の壁のうちの1つを対応する出口チャネルまたは出口セルと共有している。いくつかの実施形態では、複数の入口セルまたは入口チャネルの各々が、出口を画定している一組の壁のうちの1つを対応する出口セルまたは出口チャネルと共有している。
【0056】
いくつかの実施形態では、反復構造単位(例えば、反復構造単位600Uから反復構造単位800U)は、複数の出口チャネルまたはセルを含み、これらの実施形態のうちのいくつかでは(例えば、反復構造単位700U)、反復構造単位は、異なる断面積または水力直径を有する、少なくとも2個の出口セルまたは出口チャネルを含む。いくつかの実施形態では、第1の群の側壁の1つは、第2の群の側壁1つと相互接続している。いくつかの実施形態では、第1の群の側壁(複数)は、第2の群の側壁の1つと相互接続している。
【0057】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、壁は、軸方向(z方向)に対して垂直の平面においてx-y格子構成で配設され、壁のアレイは、x方向に対して平行に整列された壁(例えば、403Xから1603X)の第1の群と、y方向に対して平行に整列された平行壁(例えば、403Yから1603Y)の第2の群とを含み、x方向は、y方向に対して直角である。
【0058】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、マトリクスは、複数の反復チャネル単位を含み、各チャネル単位は、それぞれの出口チャネルと、それぞれの出口チャネルに隣接した複数の囲繞している、または当接している入口チャネルと、を含む。いくつかの実施形態では、複数の囲繞している、または当接している入口チャネルは、複数の共有側壁入口セルによって画定されている。いくつかの実施形態では、複数の囲繞している、または当接している入口チャネルは、複数の共有角部分入口セルによって画定されている。いくつかの実施形態では、複数の囲繞している、または当接している入口チャネルは、複数の共有側壁入口セル、もしくは複数の共有角部分入口セル、またはそれらの両方によって画定されている。いくつかの実施形態では、セル壁のうちのそれぞれ1つは、各共有側壁入口セルと、それぞれの隣接した出口セルとの間に配設されている。いくつかの実施形態では、入口セルの各々は、そのそれぞれの反復単位内のそれぞれの出口セルを囲繞し、反復単位のそれぞれの共有壁は、出口セルと、入口セルの各々との間に配設されている。
【0059】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、出口セルまたは出口チャネルの各々は、入口セルまたは入口チャネルによって完全に囲繞されている。
【0060】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、マトリクス内のいずれの出口チャネルも別の出口チャネルに隣接していない。
【0061】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、セルのアレイ内のいずれの出口セルも、別の出口セルに隣接していない。
【0062】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの反復構造単位内の入口チャネルの各々が、等しい断面形状および大きさのものである。本明細書に開示するフィルタおよびハニカム構造のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの反復構造単位内の入口セルの各々が、等しい断面形状および/または大きさのものである。
【0063】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネルのすべてが、(外皮と交差している部分的チャネルを除いて)等しい断面形状および/または大きさのものである。本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口セルの各々が、(外皮と交差している部分的チャネルを除いて)等しい断面形状および/または大きさのものである。
【0064】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの反復構造単位内の入口チャネルのすべてが、等しい断面形状および/または大きさのものである。
【0065】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、壁は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に軸方向に延在している。
【0066】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、マトリクス内の壁のすべてが、入口端と出口端との間に配設された軸方向位置において、同じ厚さを有する。
【0067】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、入口チャネルの少なくとも大部分が、出口端で、または出口端付近で閉塞されている。
【0068】
本明細書に開示するフィルタ、ハニカム体、およびハニカム構造のいくつかの実施形態では、出口チャネルの少なくとも大部分が、入口端で、または入口端付近で閉塞されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、反復構造単位を含む1つ以上の部分、および反復構造単位を含まない1つ以上の部分を備え、特定の実施形態では、反復構造単位を含まない1つ以上の部分が、非正方形長方形セルを含む。例えば、
図16Cおよび
図16Dに部分図で示すように、反復構造単位1600Uの存在の性質ではない場合があるいくつかの部分が、入口チャネルおよび出口チャネル、または閉鎖されたチャネルを含んでもよく、これらは、ハニカム構造中の1つ以上の位置、例えば、外周に、もしくは外周付近に、または中心線に、あるいはハニカム構造全体にわたる他の選択位置に存在してもよい。例えば、反復構造単位1600Uを含まない1つ以上の部分は、
図16Cに示すように、外皮1609に隣接した外周に位置する、反復構造単位1600Uの形状の一部を有する不完全な単位1600Iであってもよい。
図16Dでは、反復構造単位1600Uを含まない1つ以上の部分は、ハニカム構造1600B内に位置する閉鎖されたセル1600N(例えば、出口および/および入口セル)の群であってもよいが、反復構造単位1600Uと同じ閉塞パターンを有しない。閉鎖されたセル1600Nのそのような群は、外周または外周付近に、または中心線に、あるいはハニカム体の他の選択位置に位置していてもよい。いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、2つ以上の別個のそのような群を備える。いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、第1の反復構造単位を含む1つ以上の部分と、第2の反復構造単位を含む1つ以上の部分と、を備え、第1の反復構造単位および第2の反復構造単位は、互いに異なる。
【0070】
本明細書に開示する一組の実施形態では、微粒子壁流フィルタ(例えば、ディーゼル微粒子壁流フィルタおよび/またはガス微粒子壁流フィルタ)は、OFAinがOFAoutよりも大きく、1.5と5.0の間(1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、および5.0を含む)のOFAin:OFAout比、入口セルまたは入口チャネルの面積に対する、出口セルまたは出口チャネルの面積の比を含むハニカム構造を有するハニカム体を含む。いくつかの実施形態では、OFAin:OFAout比は、2よりも大きく、さらには3よりも大きく、すべての入口セルおよびそれらの入口チャネルは、等しい断面形状および大きさのものであってもよい。いくつかの実施形態では、出口セルおよびそれらのチャネルのうちの少なくともいくつかは、入口セルまたは入口チャネルのいずれかよりも大きい水力直径を有する。いくつかの実施形態では、OFAin:OFAout比と、出口セルと壁を共有している入口セルの周囲長の平均割合との積は、少なくとも0.67であるが、1.0未満である。いくつかの実施形態では、ハニカム構造は、入口セルが正方形入口チャネルを画定し、出口セルが長方形出口チャネルを画定するように配設された壁からなる。いくつかの実施形態では、ハニカム構造の特定の反復構造単位に関して、出口セルのうちの少なくとも1つの断面積は、入口セルのうちの少なくとも1個の断面積の2倍である。いくつかの実施形態では、出口セルのいずれかの断面積は、入口セルのいずれかの断面積の2倍である。いくつかの実施形態では、チャネルを画定する、ハニカム構造のウェブ厚さ、すなわち壁の厚さは、一定の厚さであるか、または実質的に一定の壁厚さであり、他の実施形態では、ハニカム構造は、例えば、改善された平衡強度を提供するために、等しくないウェブ厚さ(または壁厚さ)を含む。
【0071】
場合によっては、本開示のハニカム構造400からハニカム構造1600の例示的実施形態は、相対的に高いレベルの総開放気孔率および総通気孔率を含んでもよい。例えば、水銀ポロシメトリーで決定して、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、さらには少なくとも60%の総気孔率P%を含むハニカム構造400からハニカム構造1600を、提供してもよい。
【0072】
相対的に高い総気孔率に加えて、本開示のハニカム構造400からハニカム構造1600は、少なくとも8μmの孔、少なくとも10μmの孔、さらには少なくとも12μmの孔の中央孔直径d50も含み得る。さらに、孔の中央孔直径d50は、30μmを超えない場合があり、25μmを超えない場合があり、いくつかの実施形態では、20μmを超えない場合がある。さらに別の実施形態では、孔の中央孔直径d50は、8μmから30μm、10μmから25μm、12μmから20μm、さらには12μmから18μmの範囲であってもよい。
【0073】
相対的に高い総気孔率および規定のメジアン孔径に加えて、本開示のハニカム構造400からハニカム構造1600は、相対的に細かい孔および/または相対的に粗い孔の割合の最小化によって明示されるように、相対的に狭い孔径分布も含み得る。このため、孔径分布は、孔の割合で表される場合がある。例えば、量d50は、孔体積に基づくメジアン孔径で表され、セラミック構造の開放気孔率の50%に水銀が浸入する孔径である。量d90は、孔体積の90%が、孔径がd90の値よりも小さい孔からなる孔径であり、したがって、d90は、セラミック構造の開放気孔率の10体積%に水銀が浸入する孔径とも等しい。なおもさらに、量d10は、孔体積の10%が、孔径がd10の値よりも小さい孔からなる孔径であり、したがって、d10は、セラミック構造の開放気孔率の90体積%に水銀が浸入する孔径と等しい。d10およびd90の値を、マイクロセンチメートルの単位で表す。
【0074】
一実施形態では、ハニカム構造400からハニカム構造1600の例示的実施形態の相対的に狭い孔径分布は、孔の割合としてさらに定量化されるメジアン孔径d50よりも細かい孔径の分布幅によって明示され得る。本明細書に使用されるとき、メジアン孔径d50よりも細かい孔径の分布幅は、量(d50-d10)/d50を表す「dfactor」値または「df」値によって表される。このため、本開示のセラミックハニカム構造は、0.50未満、0.40未満、0.35未満、さらには0.30未満のdf値を含み得る。いくつかの実施形態では、開示するハニカム構造のdf値は、0.25未満、さらには0.20未満である。このため、dfの相対的に低い値は、細孔の低い割合を示し、dfの低い値は、ハニカム構造400からハニカム構造1600が、ディーゼル微粒子フィルタまたはガス微粒子フィルタなどのフィルタリング用途で利用されるとき、低煤煙負荷での圧力損失を改善するのに有益であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、開示するハニカム構造400からハニカム構造1600の相対的に狭い孔径分布は、任意でまたは追加的に、孔割合としてさらに定量化されるメジアン孔径d50よりも細かいかまたは粗い孔径の分布幅によって明示され得る。本明細書に使用されるとき、メジアン孔径d50よりも細かいかまたは粗い孔径の分布幅は、量(d90-d10)/d50を表す「dBreadth」値または「dB」値によって表される。このため、いくつかの実施形態における本開示のハニカム構造400からハニカム構造1600は、1.50未満、1.25未満、1.10未満、さらには1.00未満であるdB値を含み得る。いくつかの例示的実施形態では、dBの値は、0.8未満、0.7未満、さらには0.6未満である。dBの相対的に低い値によって、ディーゼル燃焼エンジンおよび/またはガス燃焼エンジンの排気流から微粒子をフィルタリングするために使用されるハニカム構造における、相対的により高いフィルタリング効率、ならびにより高い強度がもたらされ得る。
【0076】
このため、前述の気孔率値、中央孔直径値、およびdfまたはdBのいずれかを組み合わせることは、本開示のセラミックハニカム体をディーゼル排気のフィルタリング用途またはガス排気のフィルタリング用途に使用する際、有用なフィルタリング効率を維持しながら、きれいな状態での低い圧力損失および煤煙負荷された状態での低い圧力損失をもたらすのに役立ち得る。
【0077】
さらに、本明細書に開示するハニカム構造400からハニカム構造1600の1つ以上の実施形態は、優れた熱衝撃抵抗性(TSR)をもたらす低い熱膨張係数を呈し得る。理解されるように、TSRは、熱膨張係数(CTE)に反比例する。つまり、低熱膨張のハニカム構造は、典型的に、より高い熱衝撃抵抗性を有し、例えば、ディーゼル排気のフィルタリング用途またはガス排気のフィルタリング用途で遭遇する広い温度変動を乗り切ることができる。したがって、1つ以上の実施形態では、ハニカム構造400からハニカム構造1600は、少なくとも一方向において、かつ膨張率測定で測定して、25℃から1000℃の温度範囲にわたって、約25.0×10-7/℃以下、20.0×10-7/℃以下、15.0×10-7/℃以下、10.0×10-7/℃以下、さらには、8.0×10-7/℃以下の相対的に低い熱膨張係数(CTE)を有することを特徴とし得る。
【0078】
なおもさらに、上述のハニカム構造400からハニカム構造1600の実施形態は、前述の特性の任意の望ましい組み合わせを呈し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、CTE(25℃から1000℃)は、12×10
-7/℃以下(さらには10×10
-7/℃以下)であり、気孔率P%は、少なくとも40%、さらには少なくとも45%であり、中央孔直径は、少なくとも10μm(または少なくとも12μm)であり、d
fの値は、0.35未満(さらには0.30未満)である。いくつかの実施形態では、d
Bは、1.0未満、0.85未満、さらには0.75未満であってもよい。本開示のハニカム体は、円形などの、特定の用途に好適な任意の形状または幾何形態を有してもよい(
図4Dおよび
図4Eを参照されたい)。楕円形、レーストラック型、正方形、長方形、三角形、八角形、六角形などの他の外周形状を、使用することができる。ハニカム構造400からハニカム構造1600は、約70個のセル/in
2(10.9個のセル/cm
2)から約400個のセル/in
2(62個のセル/cm
2)のセル密度をさらに有してもよい。他のセル密度を使用してもよい。ハニカム体の長さは、その用途に好適な任意の長さであってもよい。いくつかの実施形態では、ハニカム構造1600で構成されているハニカム体は、外側断面形状が、長方形または六角形であってもよく、好適なセメント混合物などで一緒に接着されて、より大きいハニカム体(いわゆるセグメント化構造)を形成してもよい。
【0079】
本明細書に開示するいくつかの実施形態では、本明細書に開示するハニカム構造を含む微粒子壁流フィルタは、車両の寿命にわたって実際にメンテナンスを必要としない微粒子壁流フィルタの使用のための極めて大きい灰燼貯蔵体積を提供し、他の既知の設計と比較して、圧力損失の低減をもたらす。
【0080】
好ましくは、微粒子壁流フィルタのための様々なハニカム構造およびハニカム体を製造するために使用される押出ダイは、最低限のプランジEDM製造プロセス、さらにはプランジなしのEDMステップ(例えば、ワイヤEDM技術によってもたらされる)で製造することができ、それにより、押出ダイ製造費用を大幅に削減することができる。いくつかの実施形態では、ディボットまたはプレナムを、このタイプのダイ設計上のピンのうちのいくつか、大部分、またはすべてに加えてもよい。
【0081】
本明細書に開示するいくつかの実施形態では、多孔質セラミック壁流微粒子フィルタは、セラミックで主に構成され、壁流ハニカムフィルタ体の入口端から出口端に延在する複数のセルチャネルを画定している複数の長手方向セル壁を有する、閉塞された壁流ハニカムフィルタ体を含み、セルチャネルのうちの少なくともいくつかは、例えば入口端、もしくは出口端、入口と出口端との間、またはそれらの組み合わせにおいて閉塞されている。多孔質セラミックフィルタは、押出ダイから押出されて、ハニカム構造などの交差壁のマトリクスからなる素地を形成する好適なセラミックを形成するバッチ混合物から形成されてもよく、この素地を乾燥させて、焼成してセラミック構造を形成する。いくつかの実施形態では、セラミックは、コーディエライト結晶相からなってもよいか、またはコーディエライトから主になり、任意で他の微量の結晶相を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セラミック壁流微粒子フィルタは、例えば、各端面において本明細書に記載するパターンで閉塞されて示される、一方の端(例えば、入口端)のチャネルのうちの少なくともいくつか、または対向する端(例えば、出口端)のチャネルのうちの少なくともいくつかに配設された栓を用いて形成されている。セラミック壁流微粒子フィルタを、例えばウォッシュコートで被覆するように設計してもよいが、代替的には、露出した(被覆されていない)フィルタとして利用してもよい。いくつかの実施形態では、壁流ハニカムフィルタ体およびハニカム構造(例えば、ハニカム構造400からハニカム構造1600)は、コーディエライト、コーディエライトマグネシウムチタン酸アルミニウム、ムライト、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナ、または開放通気孔を呈する他の好適なセラミック材料から主になっていてもよい。本明細書に開示するいくつかの実施形態では、多孔質セラミック壁流微粒子フィルタおよびハニカム体は、入口端と出口端との間に軸方向に延在する平行チャネルを画定している複数の交差壁を含むハニカム構造を含む。
【0082】
本開示の実施形態を、ディーゼル燃焼エンジンまたはガス燃焼エンジンから生じる排気流をフィルタリングするための、例えば、ディーゼル微粒子フィルタまたはガス微粒子フィルタとして使用することができる。
【0083】
本明細書に記載する1つ以上の実施形態による微粒子壁流フィルタで使用するための、セラミック体の入口側面図および出口側面図を、
図17Cにそれぞれ描写する。示すハニカム体のハニカム構造500は、本明細書で
図5Aおよび
図5Bに記載するものと同じである。しかしながら、本明細書に記載する他のハニカム構造(例えば、ハニカム構造400およびハニカム構造600からハニカム構造1600)のいずれかを、代わりに使ってもよい。セラミック体は、入口端と出口端との間に軸方向(例えば、z方向)に延在する平行チャネルを画定する交差セル壁503のマトリクスを備えるハニカム構造500を一般的に有し得、上述のものなどの任意の好適なセラミック材料を含み得る。
【実施例0084】
様々なハニカム構造を含む様々なハニカム体(例えば、閉塞されたハニカム構造体)を製作し、具体的には、本明細書に開示する設計の圧力損失に対する、比較設計の圧力損失を比較するために、2インチ(5.08センチメートル)の直径×6インチ(15.24センチメートル)の軸長部分を、多孔質チタン酸アルミニウムから生成し、試験した。
図17A)300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、7ミル(約0.18ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(別名「300/7幾何形態」)、および1.7:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図2Aおよび
図2Bに示すものと類似した非対称ハニカム構造と、
図17B)400個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、7ミル(約0.18ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(別名「400/7幾何形態」)、および2.2:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図2Aおよび
図2Bに示すものと類似した非対称ハニカム構造と、
図17C)400個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(別名「400/8幾何形態」)、および2.2:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、5Aおよび5Bに示すものと類似したハニカム構造500と、の3つの異なるハニカム構造を評価した。
【0085】
図17Aから
図17Cは、3つの設計(A、B、C)の代表的な部分の閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真をそれぞれ示し、設計Aを
図17Aに示し、設計Bを
図17Bに示し、設計C(ここに開示する設計)を
図17Cに示す。設計A、B、およびCの閉塞されているハニカム部分を、流量の関数としての低温圧力損失に関して試験し(
図18Aを参照されたい)次いで、それらにprintex煤煙を負荷し、最大約5g/lの様々なレベルで煤煙負荷された状態での圧力損失を再試験した(
図18Bを参照されたい)。煤煙負荷された状態での圧力損失値を記録した後、煤煙を焼き尽くし、これらの部分に、トラックから取り出したフィルタから得た、20g/lのレベルの灰燼物質を負荷した。圧力損失試験を、煤煙負荷の関数として再度行い、それらの結果を
図19Cに示す。
【0086】
図面に例示する圧力損失試験から見ることができるように、本明細書に開示する設計Cのハニカム構造は、所与の灰燼貯蔵容量の圧力損失性能に関して、例えば、設計Aおよび設計Bよりも明白な利点をもたらす。設計Aおよび設計Bの高灰燼貯蔵容量は、出口チャネルの相対的に小さい水力直径のため、圧力損失において不利である。したがって、本明細書に開示する実施形態は、きれいな状態および煤煙を負荷した状態で、既知の設計よりも圧力損失の利点をもたらすことができる。
【0087】
ハニカム体(閉塞されたハニカム構造体)の様々な実施形態を製作し、例えば10.5インチ(26.67センチメートル)の直径×7.5インチ(19.05センチメートル)の軸長のハニカム体は、多孔質コーディエライトでできており、このハニカム体を試験して、圧力損失性能を評価した。例えば、4つのハニカム構造を評価し、
図22A)は、300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、7ミル(約0.18ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(「300/7幾何形態」)、および1.7:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図2Aおよび
図2Bに示すものと類似した非対称ハニカム構造を有する試料22Aを示し、
図22B)は、200個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(「200/8幾何形態」)、および1:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図1Aおよび
図1Bに示すものと類似した対称なハニカム構造を有する試料22Bを示し、
図22C)は、400個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(「400/8幾何形態」)、および1.8:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する、
図5Cおよび
図5Dに示すものと類似したハニカム構造500を有する試料22Cを示し、
図22D)は、300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)、8ミル(約0.20ミリメートル)のセル壁厚さの幾何形態(「300/8幾何形態」)、および1.9:1の入口の断面積に対する出口の断面積比を有する
図5Cおよび
図5Dに示すものと類似したハニカム構造500を有する試料22Dを示す。
【0088】
図22Aから
図22Dは、4つの設計(A、B、C、D)の代表的な部分の閉塞されている入口端(上方写真)および出口端(下方写真)の写真をそれぞれ示し、設計22Aを
図22Aに示し、設計22Bを
図22Bに示し、設計22C(ここに開示する設計)を
図22Cに示し、設計22Dを
図22Dに示す。設計22A、設計22B、設計22C、および設計22Dの閉塞されているハニカム部分を、煤煙を生成するために使用するディーゼル燃焼バーナ、ならびに試験するハニカム部分に入る温度および流れを制御するための空気を供給する送風機を装備した試験装置で、煤煙負荷の関数としての圧力損失に関して試験し、結果を
図23にグラフで示す。最大約5g/lの様々なレベルで煤煙負荷された状態での圧力損失を決定するために、これらの部分に上述の試験装置から生成した煤煙を負荷した。
【0089】
図23に見られるように、本明細書に開示する設計22Cおよび設計22Dのハニカム構造は、例えば、設計22Bよりも、改善された煤煙負荷された状態での圧力損失性能をもたらした。設計22Cおよび設計22Dの入口の断面積に対する出口の断面積の比がより大きくなると、灰燼貯蔵容量も、例えば、設計Aおよび設計Bよりも大きくなり、設計22Cおよび設計22Dの寿命末期の灰燼負荷は、例えば、設計22Aおよび設計22Bよりも優れた煤煙負荷された状態での圧力損失の利点をもたらすであろう。設計22Aおよび設計22Bなどの設計の高灰燼貯蔵容量は、出口チャネルの相対的に小さい水力直径のために、より高い圧力損失をもたらし得ることに留意されたい。したがって、本明細書に開示する実施形態は、既知の設計よりも煤煙負荷状態および灰燼負荷状態における圧力損失の改善をもたらすことができる。
【0090】
図23は、設計22Dの煤煙負荷に対する圧力損失データの傾斜が、設計22Cおよび設計22Aのものよりも大きいという点での、設計22Cと設計22Dの間の違いも例示する。煤煙負荷に対する圧力損失のより大きい傾斜は、圧力損失に基づくフィルタ煤煙負荷評価を評価する能力の改善をもたらし、圧力損失に基づく微粒子フィルタ診断の改善をもたらし得る。試験した4つの設計の中でも、設計22Bは、煤煙負荷に対する圧力損失の最も大きい傾斜を提供するが、設計22A、設計22C、および設計22Dと比較して、灰燼貯蔵容量に欠ける。設計22Dは、設計Cと比較して、セル密度がより低い(300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)に対して400個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル))ために、煤煙負荷に対する圧力損失のより大きい傾斜を提供するが、両方の設計が、
図5Cおよび
図5Dに示すものと類似したハニカム構造500を有する。
【0091】
図24は、10.5インチ(26.67センチメートル)の直径および7.5インチ(19.05センチメートル)の長さ、350個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度、9.5ミル(約0.24ミリメートル)のハニカムマトリクス壁厚さ、45%の壁気孔率(平均気孔率)、ならびに14マイクロセンチメートル(マイクロメートル)の壁中央孔直径を有する4つの異なるフィルタ(閉塞されているハニカム体)設計のモデル化した圧力損失性能を示す。煤煙粒子がフィルタ壁内に入るのを防ぐ役割を果たし、その結果、煤煙はチャネル内にのみ存在し、深層フィルタリングは圧力損失に寄与しないことになる、フィルタに存在することが推測される薄い灰燼層を、圧力損失モデル化に組み込んだ。1250m
3/時間の排気流量、および200℃のガス温度に関して、0g/Lおよび6g/L、ならびにそれらの間での圧力損失を、煤煙負荷でモデル化した。
図1Aおよび
図1Bに示す既知のハニカム構造を有するフィルタ体の設計24Aに関しては、圧力損失は、0.798kPa/(g/Lの煤煙)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における2.36kPaから、6g/Lにおける7.15kPaに上昇した。
図2Aおよび
図2Bに示す非対称設計を有するハニカム構造を有するフィルタ体の設計24Bに関しては、圧力損失は、0.601kPa/(g/Lの煤煙)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における3.06kPaから、6g/Lにおける6.67kPaに上昇した。、
図5Aおよび
図5Bに示す2:1の出口の断面積に対する入口の断面積比を有する非対称設計を有するハニカム構造有する本明細書に開示するフィルタ体の設計24Cに関しては、圧力損失は、0.671kPa/(g/Lの煤煙)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における1.41kPaから6g/Lにおける5.44kPaに上昇した。
図10Aおよび
図10Bに示す非対称設計を有し、3:1の出口の断面積に対する入口の断面積比を有するハニカム構造を有するフィルタ体の設計24Dに関しては、圧力損失は、0.786kPa/(g/Lの煤煙)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における1.69kPaから6g/Lにおける6.41kPaに上昇した。圧力損失性能は、本明細書に開示する非対称設計フィルタのきれいな状態での圧力損失(0g/Lの煤煙負荷の場合に対応する)に対する、類似したCPSI、壁厚さ、直径、長さ、および壁ミクロ構造を有する対称なフィルタのきれいな状態での圧力損失の比である、規定のパラメータΩと、本明細書に開示する非対称設計フィルタの圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対する、類似したCPSI、壁厚さ、直径、長さ、および壁ミクロ構造を有する対称なフィルタのきれいな状態での圧力損失の比としてのパラメータΘ と、によって定量化することができる。2:1の出口の断面積に対する入口の断面積比を有する、本明細書に開示する非対称設計に関しては、パラメータΩおよびΘを、0.597および0.84とそれぞれ計算した。2:1の出口の断面積に対する入口の断面積比を有する、本明細書に開示する非対称設計に関しては、パラメータΩおよびΘを、0.716および0.98とそれぞれ計算した。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する非対称設計フィルタは、0.85未満のΩおよび1未満のΘを有する。他の実施形態では、本明細書に開示する非対称設計フィルタは、0.75未満のΩおよび1未満のΘを有する。さらに他の実施形態では、本明細書に開示する非対称設計フィルタは、0.65未満のΩおよび1未満のΘを有する。さらに他の実施形態では、本明細書に開示する非対称設計フィルタは、0.65未満のΩおよび0.9未満のΘを有する。他の実施形態では、本明細書に開示する非対称設計フィルタは、0.6未満のΩおよび0.85未満のΘを有する。
図25は、10.5インチ(26.67センチメートル)の直径および7.5インチ(19.05センチメートル)の長さ、55%の(平均)壁気孔率および12マイクロセンチメートル(マイクロメートル)の壁中央孔直径を有する4つの異なるフィルタ設計のモデル化した圧力損失性能を示す。1250m
3/時間の排気流量、および200Cのガス温度に関して、0g/Lおよび6g/L、ならびにそれらの間での圧力損失を、煤煙負荷でモデル化した。
図1Aおよび
図1Bに示し、200個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度および8ミル(約0.20ミリメートル)のハニカムマトリクス壁厚さを有する既知のハニカム構造を有するフィルタ体の設計25Aに関しては、圧力損失は、1.139kPa/(g/Lの煤煙負荷)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における1.197kPaから、6g/Lにおける8.03kPaに上昇した。この実施例のかさ密度は、約296g/Lであった。
図2Aおよび
図2Bに示し、300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度および7ミル(約0.18ミリメートル)の壁厚さを有する非対称ハニカム構造を有するフィルタ体の設計25Bに関しては、圧力損失は、0.6kPa/(g/Lの煤煙負荷)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における2.1kPaから、6g/Lにおける5.71kPaに上昇した。この実施例のかさ密度は、約297g/Lであった。
図2Aおよび
図2Bに示し、300個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度および9ミル(約0.23ミリメートル)の壁厚さを有する非対称ハニカム構造を有するフィルタ体の設計25Cに関しては、圧力損失は、0.66kPa/(g/Lの煤煙負荷)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における2.43kPaから、6g/Lにおける6.37kPaに上昇した。この実施例のかさ密度は、約361g/Lであった。
図5Aおよび
図5B(2:1の入口の断面積に対する出口の断面積を有する)に示し、350個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度および9.5ミル(約0.24ミリメートル)の壁厚さを有する非対称ハニカム構造を有するフィルタ体の本明細書に開示する設計25Dに関しては、圧力損失は、0.686kPa/(g/Lの煤煙負荷)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における1.46kPaから、6g/Lにおける5.58kPaに上昇した。この実施例のかさ密度は、約412g/Lであった。フィルタ体が
図10Aおよび
図10B(3:1の出口の断面積に対する入口の断面積を有する)に示し、350個のセル/平方インチ(約6.5平方センチメートル)のセル密度および9.5ミル(約0.24ミリメートル)の壁厚さを有する非対称ハニカム構造を有する、本明細書に開示する設計25Eに関しては、圧力損失は、0.801kPa/(g/Lの煤煙負荷)の圧力損失に対する煤煙負荷傾斜に対応する、0g/Lの煤煙負荷における1.76kPaから、6g/Lにおける6.57kPaに上昇した。この実施例のかさ密度は、約412g/Lであった。いくつかの実施形態では、フィルタは、より高いかさ密度を有し、かさ密度がより高くなると、フィルタの再生中の温度逸脱がより小さく成り得るため、きれいな状態での低い圧力損失および煤煙負荷された状態での低い圧力損失を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示するフィルタのかさ密度は、対称なハニカムフィルタ(
図1Aおよび
図1Bに示すものなど)のかさ密度よりも10%以上高くなり得ると同時に、類似したきれいな状態でのフィルタ圧力損失(0g/Lの煤煙負荷に対応する)を有する。他の実施形態では、本明細書に開示するフィルタのかさ密度は、類似したきれいな状態でのフィルタ圧力損失を有する対称なハニカムフィルタのかさ密度よりも、20%以上高くなることができる。さらに他の実施形態では、本明細書に開示するフィルタのかさ密度は、類似したきれいな状態でのフィルタ圧力損失を有する対称なハニカムフィルタのかさ密度よりも、30%以上高くなることができる。さらに他の実施形態では、本明細書に開示するフィルタのかさ密度は、類似したきれいな状態でのフィルタ圧力損失を有する対称なハニカムフィルタのかさ密度よりも、20%以上高くなることができる。
【0092】
圧力損失の利点に加えて、様々な本明細書に開示する実施形態は、例えば、既知の非対称設計と比較して、例えば、類似したセル密度と比較して、それらの実施形態の押出ダイ製造の費用を大幅に削減するのに役立つ。例えば、本明細書に開示する様々な実施形態では、ハニカム構造400からハニカム構造1600の多くは、「直線壁」からなり、そのため、押出によって本明細書に開示するハニカム構造を形成するのに使用される押出ダイの大部分は、例えば、黒鉛電極を備えたプランジEDMに主にまたは排他的に依存するよりも、より安価なワイヤEDMまたは切断ホイール(例えば、研削ホイール溝削り)で切断することができる。したがって、相対的に高価かつ時間のかかり得るプランジEDMなどの技法の使用を、最低限に抑えることができる。
【0093】
例えば、押出ダイ1920の実施形態を、
図21Aから
図21Cに開示する。この実施例を使用して、押出ダイ1920を通して、無機構成成分および有機構成成分と、液体ビヒクルとのバッチ混合物を押出することによる押出プロセスによって、素地を製造することができる。続いて、素地構造体を、乾燥させ、焼成して、ハニカム構造を生成してもよい。示す押出ダイ1920は、
図11のハニカム構造1100を製造するために使用されるが、本明細書に開示する一般ダイ構造を、本明細書に記載する他のハニカム構造400からハニカム構造1000、ハニカム構造1200からハニカム構造1600に容易に適用することができる。再度
図21Aから
図21Cを参照すると、ハニカム構造を、押出ダイ1920を通して、例えば、米国特許第3,885,977号、同第5,332,703号、同第6,391,813号、同第7,017,278号、同第8,974,724号、国際公開第2014/046912号、および同第2008/066765号のいずれか1つに記載される押出可能なバッチ混合物を押出して、素地を生成することによって形成することができる。一般的には、素地は、押出可能な混合物から形成された実質的に自己で支持する構造を含み、1種以上のセラミックを形成する材料、もしくは1種以上のセラミック材料、またはセラミック材料とセラミックを形成する材料の両方からなる。次いで、素地を、乾燥させ、かつ/または加熱して、素地を乾燥させるか、焼結させるか、焼き戻すか、さもなければ焼成して、多孔質セラミック材料を含む構造を形成することができる。素地を、例えば、米国特許第9,038,284号、同第9,335,093号、同第7,596,885号、または同第6,259,078号に記載されるように乾燥させてもよい。素地を、本明細書に記載する幾何形態を含むように、米国特許第9,452,578号、同第9,446,560号、同第9,005,517号、同第8,974,724号、同第6,541,407号、および同第6,221,308号のいずれか1つに記載されるように焼成して、ハニカム構造400からハニカム構造1600を形成することができる。ハニカム押出ダイ1920は、ダイ本体1922(
図21B)と、バッチ混合物を受容するように構成されたダイ入口面1924と、生のハニカム構造を有する素地の形態で可塑化バッチを排出するように構成された、ダイ入口面1924とは反対側にあるダイ出口面1926と、を含む。ダイ本体は、部分的溝タイプ1932P、および場合により1つ以上の他の溝タイプを含む交差溝1932のマトリクスを含む。交差溝1932のマトリクスは、ダイ反復単位1940、すなわち押出ダイ1920全体にわたって反復しているダイ構造単位を画定している。
【0094】
ハニカム押出ダイ1920は、ダイ入口面1924からダイ本体1922内に延在し、また、ダイ出口面1926からダイ本体1922内に延在し、かつ複数の送り孔1930と接続する交差溝1932(いくつかはラベル付けしている)のマトリクスと交差している複数の送り孔1930(いくつかはラベル付けしている)を含む。ダイは、押出されるバッチ混合物材料を受け入れる、ラム押出機、または2軸押出機などの軸押出機などの押出機システムに組み込まれていてもよい。バッチ混合物を、複数の送り孔1930を通して、交差溝1932のマトリクス内に押し込む。溝1932の交差アレイは、ダイ出口面1926を完全には横切って延在しない部分的溝タイプ1932Pの少なくとも溝を含む。この実施形態では、ダイ出口面1926を完全に横切って(例えば、示すように垂直に)延在していてもよい第1の溝1932X(いくつかはラベル付けしている)、および同様に、ダイ出口面1926を完全に横切って(例えば、示すように水平に)延在していてもよい第2の溝1932Y(第1の溝1932Xに対して直角)などの他の溝タイプが、設けられていている場合がある。ダイ出口面1926を完全には横切って延在しない部分的溝1932Pは、特に、示すように、例えば、第1の溝1932XとのT字交点を形成する。溝(例えば、溝1932X、溝1932Y、および/または溝1932P)は、一緒になって、ダイ出口面1926の少なくともいくつかにわたって反復するダイ反復単位1940のアレイに対応する。ダイ反復単位1940は、示されるように、例えば、水平方向においては、ずれて側部と側部が当接する関係で、かつ垂直方向においては互いの上に積み重なって、配置され得る。ダイ反復単位1940の部分的溝1932Pは、第1の溝1932Xなどの他の溝のうちの1つと、T字交点で交差する。
【0095】
ハニカム押出ダイ1920は、例えば、押出法の間に押出された素地ハニカムのハニカム構造またはマトリクス上に押出された外皮を形成するための外皮形成送り孔1930Sと接続している外皮形成マスク1950(例えば、マスクリング)を含む、外皮形成部分1920を含み得る。マスクリングは、示すように、円形の内周形状を有し得るが、押出物または素地の他の外周形状に対応する他の形状が、本明細書に提供されるように、可能である。
【0096】
ダイ反復単位1940は、第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピンを含む。第1のダイピンタイプの断面積(軸方向または押出方向zに対して直角な平面における)は、第2のダイピンタイプよりも大きく、断面において長方形の形状を含む。第1のダイピンタイプは、長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を含み、Loは、Woよりも長く、部分的溝1932Pは、長さLoの第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点で終端する。第2のダイピンタイプは、長さLoの第1の側部の長さの半分未満の、長さLoに平行な側部長さLiを含む。
【0097】
描写される実施形態では、ダイ反復単位1940の各々が、ダイピンP1からダイピンP7を含む。ダイ反復単位1940の構造のダイピン(P1からP7)の一部を形成する第1の溝1932Xおよび第2の溝1932Yの各々は、例えば、ワイヤEDMまたは研削切断ホイールプロセスで形成することができる。部分的溝1932Pは、プランジEDMプロセスで形成することができ、さらにこの場合には、EDM電極は、断面に単純な長方形の形状を有する。したがって、押出ダイの総費用を、劇的に削減することができる。いくつかの実施形態では、部分的溝1932Pを、研削切断ホイールを使用して開始し、次いで、T字交点の部分的溝の端を、プランジEDMを使用してきれいにしてもよい。
【0098】
図21Cに見ることができるように、ダイ反復単位1940は、第2のタイプのダイピン(例えば、ダイピンP1からダイピンP3およびダイピンP5からダイピンP7)のうちのいくつかの断面が正方形の形状を含み得、第1のタイプ(例えば、ダイピンP4)のうちの少なくとも1つのダイピンの断面が長方形の形状を含む構造を含み得る。断面に長方形の形状を含む少なくとも1つのダイピン(例えば、ダイピンP4)は、第2のタイプのピン(例えば、ピンP1からピンP3およびピンP5からピンP7)よりも相対的に大きい断面積も含む。この描写される実施形態では、ダイ反復単位1940は、長方形の外周形状を有する。しかしながら、ダイ反復単位は、本明細書に記載される他のハニカム構造400およびハニカム構造600からハニカム構造1600の反復構造単位の外周形状を含み得る。
【0099】
ダイ反復単位1940は、第1の溝1932Xと第2の溝1932Yとの交点に存在する交差交点1946よりもむしろ、部分的溝1932Pが第1のタイプの長い側部に隣接した別の溝と交差して(例えば、ダイピンP4が第1の溝1932Xと交差して)、T字交点1944である接合部を形成する構造を含む。
【0100】
押出ダイ1920は、異なる送り孔パターン(
図21Cに点線の丸で示される送り孔1930)を含み得る。例えば、第1の実施形態では、送り孔1930は、溝1932X、溝1932Y、溝1932Sのすべての交点に配設されていてもよい。送り孔位置の他の送り孔設計が、使用されてもよい。したがって、本明細書に記載するハニカム構造400からハニカム構造1600を製造するように適合された各ダイ設計に関しては、ダイ反復単位は、押出された素地を乾燥させ、焼成した後に部分的溝1932Pが生成されるハニカム構造400からハニカム構造1600の出口セル402から出口セル1602に対応する第1のタイプのピン(例えば、ピンP4)の側部のT字交点1944で、第1の溝1932Xおよび/または第2の溝1932Yのうちの1つと交差する構造を含む。そのため、部分的溝1932Pは、出口セルを形成するように構成された相対的に大きいピンで、すなわち、他のピンのうちの少なくともいくつかと比較して、相対的により大きい断面積を含むピンで、終端する。いくつかの実施形態では、ダイ反復単位は、長方形外周形状を含む(
図5Aおよび
図5B、
図7Aおよび
図7B、
図8Aおよび
図8B、
図10Aから
図13B、ならびに
図16Aおよび
図16Bを参照されたい)。他の実施形態では、外周形状は、5つ以上の側部を含み得る。
【0101】
本明細書に開示するいくつかの実施形態では、1つ以上の強化特徴部を、ハニカム構造に組み込んでもよい。例えば、
図22Aおよび
図22Bに示すように、相互接続された多孔質壁のマトリクス内の1個以上のセル壁に、近くのセル壁または囲繞しているセル壁と比較して、増加したセル壁厚さ(より太い線により示す)を設けることができる。厚さは、例えば、20%以上より厚くてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、より厚いセル壁厚さまたはウェブ厚さを、複数のセル(例えば、y方向に)を連続して横切って、あるいはハニカム体のハニカム構造全体さえ横切って延在するセル壁2003Yで増加させてもよい。他の実施形態では、x方向に延在する壁2003Xの壁厚さを、
図22Cに示すようにより厚くしてもよい。いくつかの実施形態では、x方向およびy方向におけるより厚い壁の組み合わせを、特に、複数の反復構造単位2000U’を横切って、さらにはハニカム体のハニカム構造2000’全体を横切って延在する壁に設けてもよい(
図22Cを参照されたい)。
【0102】
図23は、ハニカム構造(例えば、ハニカム構造400からハニカム構造1600およびハニカム構造2000、ハニカム構造2000’)を製造する方法のフローチャートを例示している。方法2100は、押出ダイを通してセラミックまたはセラミックを形成するバッチ混合物を押出して(2102)、自立型生素地を形成することと、生素地を乾燥させる(2104)ことと、生素地を焼成して(2106)、多孔質セラミック物品を形成することと、を含む。押出ダイ(例えば、押出ダイ1920)は、部分的溝タイプ(例えば、溝タイプ1932P)を含む交差溝(例えば、溝1932)を画定しているピンのマトリクスを含むダイ本体(ダイ本体1922)の出口面(例えば、出口面1926)を含んでもよく、マトリクスは、ダイ反復単位(例えば、ダイ反復単位1940)を画定しており、部分的溝タイプは、出口面を完全に横切っては延在していない。
例えば、ダイ反復単位は、第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピン(例えば、ダイピンP1からダイピンP7)を含むことができる。第1のダイピンタイプは、断面積が第2のダイピンタイプよりも大きく、長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を有する、長方形の形状の断面を含み、LoはWoよりも長く、かつ第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点(例えば、T字交点1944)で終端する部分的溝タイプの溝を含む。
【0103】
第2のダイピンタイプは、長さLoの第1の側部の長さの半分未満の側部長さLiを含んでもよい。第2のダイピンタイプ(例えば、P1からP3およびP5からP7)の断面は、押出方向に対して直角の平面において、正方形であり得る。方法2100は、交差溝のそのようなマトリクスを通してバッチ混合物を押出して、素地を形成することを含み得る。素地は、大部分が最終焼成済みハニカム物品の幾何学的構造であるハニカム構造を含むが、典型的には、生素地は、焼成して最終セラミック物品にする際に収縮する傾向がある。
【0104】
方法2100は、素地を焼成して、ハニカム構造(例えば、ハニカム構造400からハニカム構造1600およびハニカム構造2000、ハニカム構造2000’)を含むセラミック体を形成することを含む。ハニカム構造は、ハニカム構造の入口端と出口端との間に軸方向に延在する交差多孔質セル壁(例えば、セル壁403からセル壁2003、セル壁2003’)のマトリクスを含み、マトリクスは、複数の入口セル(例えば、入口セル401から入口セル2001)および出口セル(例えば、出口セル402から出口セル2002)、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、出口チャネルのうちの少なくとも一部分は、断面積が入口チャネルのいずれかよりも大きく、出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、断面が長方形の形状を含む。
【0105】
特許請求する主題の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する実施形態に様々な変更および変形を加えることができることが当業者には明らかになるであろう。したがって、本明細書は、本明細書に記載する様々な実施形態の変更および変形を含むが、但し、そのような変更および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にあることを条件とすることが意図される。
【0106】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0107】
実施形態1
微粒子フィルタであって、
ハニカム構造であって、当該ハニカム構造の入口端と出口端との間に、軸方向に延在している交差多孔質セル壁のマトリクスを含む、ハニカム構造を含み、当該マトリクスが、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された、対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、当該出口チャネルの少なくとも一部は、断面積が当該入口チャネルのいずれかよりも大きく、当該出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、長方形の形状の断面を含む、微粒子フィルタ。
【0108】
実施形態2
前記出口チャネルの各々が、断面積が前記入口チャネルのいずれかよりも大きい、実施形態1記載のフィルタ。
【0109】
実施形態3
前記出口チャネルのいくつかが、入口チャネルの断面積と等しい断面積を有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0110】
実施形態4
前記出口チャネルのうちのいくつかが、入口チャネルの前記断面積の2倍以上の断面積を有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0111】
実施形態5
前記交差多孔質セル壁のマトリクスが、前記軸方向に対して垂直な平面の断面において、x-y格子構成で配設されており、当該マトリクスが、x方向に対して平行に整列された平行壁の第1の群と、y方向に対して平行に整列された平行壁の第2の群と、を含み、当該x方向が、当該y方向に対して直角である、実施形態1記載のフィルタ。
【0112】
実施形態6
前記マトリクスにおける所与のxの位置にある前記壁のすべてが相互接続されて、第1の壁の直線を形成し、所与のyの位置にある前記壁の一部分のみが相互接続されて、当該第1の壁の直線方向に対して直角の方向の第2の壁の直線を形成している、実施形態5記載のフィルタ。
【0113】
実施形態7
少なくとも3個の連続したセルに対応する前記壁が端と端で相互接続して、第1の複数の壁の直線を形成し、所与のyの位置にある前記壁の一部分のみが相互接続して、第2の複数の壁の直線を形成している、実施形態5記載のフィルタ。
【0114】
実施形態8
所与のxの位置にある前記壁のすべてが相互接続されて、第1の壁の直線を形成し、所与のyの位置にある前記壁の一部分のみが相互接続されて、第2の壁の直線を形成している、実施形態5記載のフィルタ。
【0115】
実施形態9
前記マトリクスにおける所与のxの位置にある複数の前記壁が相互接続されて、第1の直線を形成している、実施形態5記載のフィルタ。
【0116】
実施形態10
前記x-y格子の複数のyの位置において、かつ当該x-y格子の所与のxの位置に関して、前記マトリクスにおける当該yの位置にある複数の前記壁が相互接続されて、直線を形成している、実施形態5記載のフィルタ。
【0117】
実施形態11
前記マトリクスにおける選択されたyの位置にある、前記x方向に延在するすべての前記壁が、端と端で直線に配設されているわけではない、実施形態5記載のフィルタ。
【0118】
実施形態12
前記マトリクスにおける選択されたyの位置にある、前記x方向に延在する前記壁のうちのいくつかが、端と端で直線に配設されている、実施形態5記載のフィルタ。
【0119】
実施形態13
前記マトリクスが、平行壁の第1の群と、前記軸方向に対して垂直な平面において当該第1の群の壁に対して直角に配向された平行壁の第2の群と、を含む、実施形態1記載のフィルタ。
【0120】
実施形態14
前記第1の群の前記壁が、交差壁の前記マトリクスの幅全体にわたって連続的に相互接続されている、実施形態13記載のフィルタ。
【0121】
実施形態15
前記第2の群の前記壁が、交差壁の前記マトリクスの前記幅全体にわたって連続的に相互接続されていない、実施形態14記載のフィルタ。
【0122】
実施形態16
前記入口チャネルおよび前記出口チャネルが、互いに対して平行に、軸方向に延在している、実施形態1記載のフィルタ。
【0123】
実施形態17
前記入口チャネルが、前記軸方向に対して垂直な平面において、多角形断面形状を有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0124】
実施形態18
前記多角形断面形状の少なくとも1つの最高点が、丸みを帯びた部分を含む、実施形態17記載のフィルタ。
【0125】
実施形態19
前記多角形断面形状の少なくとも1つの最高点が、傾斜部分を含む、実施形態17記載のフィルタ。
【0126】
実施形態20
前記長方形の形状が、前記軸方向に対して垂直な平面における、入口チャネルにわたる入口長さLiの2倍よりも長い出口長さLoを含む、実施形態1記載のフィルタ。
【0127】
実施形態21
前記長方形の形状の少なくとも1つの最高点が、丸みを帯びた部分を含む、実施形態20記載のフィルタ。
【0128】
実施形態22
前記長方形の形状の少なくとも1つの最高点が、傾斜部分を含む、実施形態20記載のフィルタ。
【0129】
実施形態23
前記入口チャネルのうちの少なくともいくつかが、前記軸方向に対して垂直な平面における、正方形断面形状および入口長さLiを有し、当該入口長さLiは、当該軸方向に対して垂直な平面における、前記出口チャネルのうちの少なくともいくつかの出口幅Woに等しい、実施形態1記載のフィルタ。
【0130】
実施形態24
前記入口チャネルが、前記軸方向に対して垂直な平面における、正方形断面形状および入口長さLiを有し、前記出口チャネルの出口長さLoが、当該入口チャネルの当該入口長さLiの2倍よりも長い、実施形態1記載のフィルタ。
【0131】
実施形態25
出口チャネルの3倍以上の数の入口チャネルが存在する、実施形態1記載のフィルタ。
【0132】
実施形態26
出口チャネルの3倍と10倍の間の数の入口チャネルが存在する、実施形態1記載のフィルタ。
【0133】
実施形態27
前記ハニカム構造の入口開放前面面積OFAinが、前記軸方向に対して垂直な平面における前記入口チャネルの面積の和を含み、当該ハニカム構造の出口開放前面面積OFAoutが、当該軸方向に対して垂直な平面における前記出口チャネルの面積の和を含み、OFAinは、OFAoutよりも大きい、実施形態1記載のフィルタ。
【0134】
実施形態28
OFAin:OFAoutの比は、1.5と5.0の間である、実施形態27記載のフィルタ。
【0135】
実施形態29
前記比OFAin:OFAoutと、出口チャネルと壁を共有している入口チャネルの周囲長の平均割合との積が、少なくとも0.67であるが、1.0未満である、実施形態27記載のフィルタ。
【0136】
実施形態30
前記マトリクスにおける前記多孔質セル壁のすべてが、同じ厚さを有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0137】
実施形態31
前記マトリクスにおける前記多孔質セル壁のすべてが、同じ平均厚さを有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0138】
実施形態32
1つ以上の入口チャネルが、前記マトリクスにおける任意の2つの出口チャネル間に配設されている、実施形態1記載のフィルタ。
【0139】
実施形態33
前記壁が、複数の第1の壁および複数の第2の壁を含み、当該第1の壁は、第1の平均厚さを有し、当該第2の壁は、第2の平均厚さを有し、当該第2の平均厚さが、当該第1の平均厚さよりも厚い、実施形態1記載のフィルタ。
【0140】
実施形態34
前記マトリクスが、複数の反復構造単位を含み、各単位が、それぞれの出口チャネル、および当該それぞれの出口チャネルに隣接した複数の囲繞している、または当接している入口チャネルを画定している壁の群を含む、実施形態1記載のフィルタ。
【0141】
実施形態35
各反復構造単位が、軸方向(z方向)に延在している壁を含み、当該壁が、第1の方向に対して平行に整列された側壁の第1の群と、第2の方向に対して平行に整列された側壁の第2の群と、からなり、当該第1の方向が、当該第2の方向に対して直角であり、当該第1の方向および当該第2の方向が各々、当該軸方向に対して直角である、実施形態34記載のフィルタ。
【0142】
実施形態36
各反復構造単位が、
前記反復構造単位において、対応する出口セルを総じて画定するように、第2の組の前記第2の群の前記壁と相互接続されている、第1の組の前記第1の群の前記壁からなる、出口を画定している一組の壁であって、当該出口セルが、複数の角を有する、出口を画定している一組の壁と、当該対応する出口セルの角の間の中間位置のT字交点で、当該出口を画定している一組の壁のうちの1つと相互接続している、当該出口を画定している一組の壁以外の少なくとも1つの壁と、を含む、実施形態35記載のフィルタ。
【0143】
実施形態37
前記反復構造単位が、複数の入口セルを含む、実施形態35記載のフィルタ。
【0144】
実施形態38
前記反復構造単位が、複数の出口セルを含む、実施形態35記載のフィルタ。
【0145】
実施形態39
前記反復構造単位が、異なる断面積を有する少なくとも2個の出口セルを含む、実施形態38記載のフィルタ。
【0146】
実施形態40
前記第1の群の1つの側壁が、前記第2の群の1つの側壁と相互接続している、実施形態35記載のフィルタ。
【0147】
実施形態41
前記第1の群の複数の側壁が、前記第2の群の1つの側壁と相互接続している、実施形態35記載のフィルタ。
【0148】
実施形態42
各反復構造単位が、
前記反復構造単位において、対応する出口セルを総じて画定するように、第2の組の前記第2の群の前記壁と相互接続されている、第1の組の前記第1の群の前記壁からなる、出口を画定している一組の壁であって、当該出口セルが、複数の角を有する、出口を画定している一組の壁と、
当該対応する出口セルの前記角から離間した位置にあるT字交点で、当該出口を画定している一組の壁のうちの1つと相互接続している、当該出口を画定している一組の壁以外の少なくとも1つの壁と、を含む、実施形態35記載のフィルタ。
【0149】
実施形態43
前記入口セルのうちの少なくとも1個が、出口セルと、前記出口を画定している一組の壁のうちの1つを共有している、実施形態38記載のフィルタ。
【0150】
実施形態44
複数の前記入口セルの各々が、出口セルと、前記出口を画定している一組の壁のうちの1つを共有している、実施形態38記載のフィルタ。
【0151】
実施形態45
前記壁が、前記軸方向に対して垂直な平面においてx-y格子構成で配設され、交差壁の前記マトリクスが、前記x方向に対して平行に整列された壁の第1の群と、前記y方向に対して平行に整列された平行壁の第2の群と、を含み、当該x方向が、当該y方向に対して直角である、実施形態1記載のフィルタ。
【0152】
実施形態46
前記マトリクスが、複数の反復構造単位を含み、各反復構造単位がそれぞれの出口チャネルと、当該それぞれの出口チャネルに隣接した複数の囲繞している、または当接している入口チャネルと、を含む、実施形態1記載のフィルタ。
【0153】
実施形態47
前記複数の囲繞している、または当接している入口チャネルが、複数の共有側壁入口セルによって画定されている、実施形態46記載のフィルタ。
【0154】
実施形態48
前記複数の囲繞している、または当接している入口チャネルが、複数の共有角部分入口セルによって画定されている、実施形態46記載のフィルタ。
【0155】
実施形態49
前記複数の囲繞している、または当接している入口チャネルが、複数の共有側壁入口セル、もしくは複数の共有角部分入口セル、またはこれらの両方によって画定されている、実施形態46記載のフィルタ。
【0156】
実施形態50
前記セル壁のそれぞれ1つが、各共有側壁入口セルと、それぞれの隣接した出口セルとの間に配設されている、実施形態46記載のフィルタ。
【0157】
実施形態51
前記入口セルの各々が、前記フィルタのそれぞれの反復構造単位において、それぞれの出口セルを囲繞し、当該反復構造単位の前記それぞれの共有壁が、当該出口セルと当該入口セルの各々との間に配設されている、実施形態46記載のフィルタ。
【0158】
実施形態52
前記出口セルの各々が、入口セルによって完全に囲繞されている、実施形態1記載のフィルタ。
【0159】
実施形態53
前記マトリクス内の出口セルのいずれも、別の出口セルに隣接していない、実施形態1記載のフィルタ。
【0160】
実施形態54
少なくとも1つの反復構造単位における前記入口セルの各々の断面形状および/または大きさが等しい、実施形態1記載のフィルタ。
【0161】
実施形態55
前記入口セルのすべての断面形状および/または大きさが等しい、実施形態1記載のフィルタ。
【0162】
実施形態56
少なくとも1つの反復構造単位における前記入口チャネルのすべての断面形状および/または大きさが等しい、実施形態1記載のフィルタ。
【0163】
実施形態57
前記マトリクス内の前記壁のすべてが、前記入口端と前記出口端との間に配設された軸方向位置において、同じ厚さを有する、実施形態1記載のフィルタ。
【0164】
実施形態58
前記入口チャネルの少なくとも過半数が、前記出口端で、またはその付近で閉塞されている、実施形態1記載のフィルタ。
【0165】
実施形態59
前記出口チャネルの少なくとも過半数が、前記入口端で、またはその付近で閉塞されている、実施形態1記載のフィルタ。
【0166】
実施形態60
前記ハニカム構造が、第1の反復構造単位を含む1つ以上の部分と、第2の反復構造単位を含む1つ以上の部分と、を含み、当該第1の反復構造単位および第2の反復構造単位が、互いに異なる、実施形態1記載のフィルタ。
【0167】
実施形態61
前記反復構造単位における前記壁のうちの少なくとも1つが、当該反復構造単位における前記入口セルのうちの1個および前記出口セルのうちの1個によって共有されている、実施形態60
記載のフィルタ。
【0168】
実施形態62
前記反復構造単位における複数の前記壁が、少なくとも1個の入口セルおよび少なくとも1個の出口セルによって共有されている、実施形態60記載のフィルタ。
【0169】
実施形態63
ハニカム構造体であって、
当該ハニカム構造の入口端と出口端との間に、軸方向に延在している交差多孔質セル壁のマトリクスを含み、当該マトリクスが、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された、対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、当該出口チャネルの少なくとも一部は、断面積が当該入口チャネルのいずれかよりも大きく、当該出口チャネルのうちの少なくともいくつかは、長方形の形状の断面を含む、ハニカム構造体。
【0170】
実施形態64
押出ダイであって、
部分的溝タイプを含む交差溝のマトリクスを含むダイ本体の出口面を含み、当該マトリクスは、ダイ反復単位を画定し、当該部分的溝タイプは、当該出口面を完全に横切っては延在せず、当該ダイ反復単位は、
第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピンを含み、当該第1のダイピンタイプは、断面積が当該第2のダイピンタイプよりも大きく、かつ長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を有する長方形の形状の断面を含み、Loは、Woよりも長く、当該部分的溝タイプの溝は、当該第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点で終端し、当該第2のダイピンタイプは、長さLoの当該第1の側部の長さの半分未満の側部長さLiを含む、押出ダイ。
【0171】
実施形態65
ハニカム構造体を製造する方法であって、
押出ダイの交差溝のマトリクスを通してバッチ混合物を押出して、ハニカム構造を含む素地を形成することを含み、当該押出ダイは、
部分的溝タイプを含む交差溝を画定するピンのマトリクスからなる出口面を含むダイ本体を含み、当該マトリクスは、ダイ反復単位を含み、当該部分的溝タイプは、当該出口面を完全には横切って延在せず、当該ダイ反復単位は、
第1のダイピンタイプおよび第2のダイピンタイプで構成されている4つの以上ダイピンを含み、当該第1のダイピンタイプは、断面積が当該第2のダイピンタイプよりも大きく、かつ長さLoの2つの第1の側部および幅Woの2つの第2の側部を有する長方形の形状の断面を含み、Loは、Woよりも長く、当該部分的溝タイプの溝は、当該第1の側部のうちの少なくとも1つ上のT字交点で終端し、当該第2のダイピンタイプは、長さLoの当該第1の側部の長さの半分未満の側部長さLiを含む、方法。
【0172】
実施形態66
前記素地の前記ハニカム構造が、当該ハニカム構造の入口端と出口端との間に軸方向に延在する交差セル壁のマトリクスを含み、当該マトリクスは、複数の入口セルおよび出口セル、ならびにそれぞれの入口セルおよびそれぞれの出口セルによって画定された対応する入口チャネルおよび出口チャネルを画定し、当該出口チャネルの少なくとも一部分は、面積が、当該入口チャネルのいずれかよりも大きく、当該出口チャネルうちの少なくともいくつかは、長方形の形状の断面を含む、実施形態65記載の方法。
【0173】
実施形態67
前記素地を乾燥させることをさらに含む、実施形態65記載の方法。
【0174】
実施形態68
前記素地を焼成することをさらに含む、実施形態65または66記載の方法。
【0175】
実施形態69
前記ハニカム構造中の前記多孔質セル壁が前記素地よりも多孔質になることを引き起こすように、当該素地を焼成することをさらに含む、実施形態65記載の方法。