IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロレアルの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070964
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】ヘアトリートメント組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20220506BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20220506BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20220506BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20220506BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/365
A61K8/41
A61Q5/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022020688
(22)【出願日】2022-02-14
(62)【分割の表示】P 2019553190の分割
【原出願日】2018-03-30
(31)【優先権主張番号】62/479,834
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルガニ, ロナク
(72)【発明者】
【氏名】ポタン, アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ドリロン, ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】トゥー, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラヴァー, ヴァレリー
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】アップルバウム, マラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】毛髪を損傷から修復し、強化し、保護するために特に有用なヘアトリートメント組成物を提供する。
【解決手段】ヘアトリートメント組成物は、0.5~10重量%の量で存在する、タウリン:クエン酸及びその塩の総量が1~8重量%である、クエン酸、その塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの非ポリマー性カルボン酸;カチオン性界面活性剤の総量が0.1~10重量%である、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤;及び水を含むヘアコンディショナー組成物とする。モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、それらの塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の非ポリマー性カルボン酸を含んでもよく、追加の非ポリマー性カルボン酸の総量が、0.5~10重量%である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも0.5重量%の少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはこれらの塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、
- 1種以上の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非タウレート界面活性剤、ならびに
- 水
を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のアミノ酸またはアミノスルホン酸が、タウリン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、プロリン、チロシン、フェニルアラニン、カルニチン、これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはこれらの塩が、タウリンおよび/またはその塩である、請求項2または請求項2に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
少なくとも0.5重量%から約10重量%の少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはこれらの塩を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩が、トリカルボン酸および/またはその塩である、請求項1から5のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項7】
トリカルボン酸および/またはその塩が、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、トリメシン酸、これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
トリカルボン酸および/またはその塩が、クエン酸および/またはその塩である、請求項7に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項9】
少なくとも0.5から約10重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項10】
- 1種以上の脂肪族化合物
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項11】
1種以上の脂肪族化合物が、油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステルなど)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項12】
約1~約25重量%の1種以上の脂肪族化合物を含む、請求項10または請求項11に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項13】
- 1種以上のシリコーン
をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項14】
1種以上のシリコーンが、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルカリルシロキサン、ポリエステルシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項15】
約0.1から約20重量%の1種以上のシリコーンを含む、請求項13または請求項14に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項16】
- 1種以上のカチオン性ポリマー
を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項17】
1種以上のカチオン性ポリマーが、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩およびそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項18】
1種以上のカチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性グアー誘導体、およびこれらの混合物を含む、請求項16または請求項17に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項19】
約0.01から約10重量%の1種以上のカチオン性ポリマーを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項20】
1種以上のカチオン性界面活性剤を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項21】
セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤を含む、請求項20に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項22】
約1から約15重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤を含む、請求項20または請求項21に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項23】
1種以上のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項24】
アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のアニオン性界面活性剤を含み、これら全ての化合物のアルキル基およびアシル基が、6~24個の炭素原子を含む、請求項23に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項25】
約5から約25重量%の1種以上のアニオン性界面活性剤を含む、請求項23または請求項24に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項26】
本質的にアニオン性サルフェート界面活性剤を含まない、請求項1から22のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項27】
1種以上のアニオン性界面活性剤が、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物からなる群から選択され、これら全ての化合物のアルキル基およびアシル基が、6~24個の炭素原子を含む、請求項21から25に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項28】
1種以上の両性界面活性剤を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項29】
ベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の両性界面活性剤を含む、請求項28に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項30】
アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のベタインを含む、請求項28または請求項29に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項31】
コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、およびこれらの混合物を含む、請求項30に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項32】
シャンプー、コンディショナー、リンスアウトマスク、またはリーブイン製品である、請求項1から31のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項33】
請求項32に記載のシャンプーを毛髪に適用し、毛髪からシャンプーをすすぎ落とすことを含む、毛髪の洗浄方法。
【請求項34】
請求項32に記載のコンディショナーまたはリンスアウトマスクを毛髪に適用し、毛髪からコンディショナーまたはリンスアウトマスクをすすぎ落とすことを含む、毛髪のコンディショニング方法。
【請求項35】
請求項32に記載のリーブイン製品を毛髪に適用することを含む、毛髪のスタイリング方法。
【請求項36】
請求項1から29のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物を毛髪に適用することを含む、毛髪の再構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、毛髪を損傷から修復し、強化し、保護するために特に有用なヘアトリートメント組成物に関する。ヘアトリートメント組成物は、毛髪繊維を再構築して、改善された滑らかさ、艶、櫛通り、および弾力性を示す毛髪をもたらす成分を含む。
【背景技術】
【0002】
一般消費者は、健康かつ強力な毛髪を望んでおり、健康に見える毛髪は、一般に、良好な健康状態および良好なヘアケア習慣のしるしである。それにもかかわらず、栄養、環境の影響、および化学的な毛髪処置は、毛髪の損傷を招き得、毛髪を経時的に相当弱らせ、くすませてしまう。艶および水分のバランスに悪影響を与え、毛髪の櫛通りおよびスタイリングをより困難にする。さらに、脆弱または損傷し、パサついた毛髪は、破損および「枝毛」の形成の傾向もある。
【0003】
栄養は、毛髪の健康において重要な役割を果たすが、最適な毛髪の質を妨害するさまざまな種類の物理的、化学的および環境被害を補うには栄養のみでは不十分である。物理的な毛髪損傷は、多くの場合、髪形を繰り返し操作した結果である。例えば、ポニーテール、おだんご、および三つ編みなどのヘアスタイルは素早くでき、容易であるが、頻度が多く、きつ過ぎると、毛髪の端部に負担を与え、髪の生え際を後退させる可能性がある。また、絡んだ髪をほぐし、スタイリングする間、毛髪は物理的に損傷を受けるようにもなる。絡んだ髪を過剰にほぐすと、枝毛や破損につながり得る。
【0004】
毛髪の外観を変化させるために多くの化学的処置が利用可能である。例えば、毛髪の色を薄くしたり、脱色したりすることができ、酸化染料を使用して毛髪の色を変化させることができる。パーマにより毛髪をストレートまたはカールにするための化学的処置も一般的である。化学的処置は、効果が長続きし、劇的であり得るため、人気がある。それにもかかわらず、化学的処置の最大の欠点は、毛髪に生じる負担および損傷である。これは、化学的処置が、毛髪の化学的および物理的構造を恒久的に変化させることに起因する。化学的な毛髪損傷の別の原因は熱である。フラットアイロンおよびヘアドライヤーなどの加熱器具を繰り返し使用することにより、毛小皮の表面から水分が除去され、結果として、より切れ毛に弱くなる脆性のパサついた髪になる。
【0005】
また、環境も毛髪の健康状態に影響を与える。硬水を有する領域は、毛髪の容貌、感触および光沢に影響し得る。これは、硬水が鉱質沈着物を残し、毛髪上に経時的に蓄積され、最終的には毛髪中への水分の取り込みを防止する。毛髪は、パサつき、縮れ、絡みやすくなる。強い直射日光、風、寒気、極端な温度変化および空気湿度の変化などの環境因子も、毛髪を損傷し得る。静電気のある乾燥した冬の空気は、水分の損失の一因である。屋外の低温から暖かい屋内への急変は、毛髪の毛小皮層から雰囲気中へ急速に水分を損失させ得る。しかし、毛髪への環境影響は、完全に回避することができない。したがって、毛髪への損傷を低減または防止する機構、および毛髪に栄養分を与えて強化できる製品は、毛髪損傷の抑制に努める上で有用である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ヘアトリートメント組成物、例えば、毛髪を強化し、環境応力および美容トリートメント(例えば、繰り返される洗浄、乾燥、加熱、化学処理など)に起因する損傷などの毛髪への損傷を最小限に抑える、かつ/または補うためのヘアトリートメント組成物に関する。ヘアトリートメント組成物は、有効量の少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはその塩と、有効量の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはその塩とを含む。具体的には、本開示によるヘアトリートメント組成物は、
- 少なくとも0.5重量%の少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはその塩、
- 1種以上の界面活性剤、ならびに
- 水
を含んでもよい。
【0007】
カチオン性、アニオン性、両性/両性イオン性、非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物をヘアトリートメント組成物中に含めてもよい。ヘアトリートメント組成物に含まれる界面活性剤の種類は、ヘアトリートメント組成物の目的によってさまざまであり得る。例えば、シャンプーは少なくとも1種以上のアニオン性界面活性剤を含むことが多く、1種以上の両性界面活性剤も含み得る。コンディショナーは、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含むことが多い。ヘアトリートメント組成物に含まれる界面活性剤の種類は、少なくとも1種の非タウレート界面活性剤であってもよい。
【0008】
ヘアトリートメント組成物は、追加の成分を含んでもよく、該成分は、その成分が取り込まれるヘアトリートメント組成物の種類によってさまざまであり得る。追加の成分の非限定的な例としては、カチオン性ポリマー、脂肪族化合物、シリコーン、ポリマー、増粘剤、防腐剤、水溶性溶媒などが挙げられる。
【0009】
本開示はまた、毛髪の処置方法にも関する。例としては、ヘアトリートメント組成物がシャンプーの場合、洗髪方法においてシャンプーを使用することができる。ヘアトリートメント組成物がコンディショナーまたはリンスアウトマスクの場合、毛髪のコンディショニングおよび/またはケアの方法においてコンディショナーまたはリンスアウトマスクを使用することができる。さらに、ヘアトリートメント組成物がリーブイン製品である場合、毛髪をスタイリングする方法においてリーブイン製品を使用することができる。組成物が、シャンプー、コンディショナー、またはリンスアウトマスクのとき、方法は、典型的には、十分な量の組成物を毛髪に塗布した後、典型的に水で、毛髪から組成物を洗い流すことを要する。毛髪をスタイリングするためのリーブイン製品に関しては、方法は、典型的には、十分な量のリーブイン製品を毛髪(濡れている、湿っている、または乾燥している毛髪)に塗布し、任意選択により毛髪をスタイリングすることを要する。
【0010】
最後に、前述したように、ヘアトリートメント組成物は、毛髪を損傷から修復、ケア、コンディショニング、および保護する、または毛髪への損傷を低減/最小限にする、または例えば視覚的/審美的外観(例えば、健康な見かけ、艶、枝毛の減少)、毛髪の感触(例えば、滑らかな感触、やわらかい感触、コンディショニングされた感触)、および毛髪の扱いやすさ(例えば、縮れが無いまたは少ない、スタイリング性/形状性、コーミング、髪の絡みのほぐし、所望のボリューム)に関する毛髪の状態および質を改善する能力が独特である。これに応じて、ヘアトリートメント組成物は、毛髪の修復、ケア、および保護の方法において有用である。このような方法には、単回トリートメントおよび複数のトリートメント(例えば、1週間、2週間、1カ月、またはそれより長期間、組成物で毛髪を繰り返し処置する)が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、ヘアトリートメント組成物に関する。「ヘアトリートメント」との関連における用語「トリートメント」は、毛髪を再構築するトリートメントを含めた多種類のヘアトリートメントを包含する。用語「毛髪の再構築」は、毛髪の修復、毛髪の強化、および/または毛髪への損傷(例えば、環境応力および/または美容トリートメント(例えば、繰り返される洗浄、乾燥、加熱、および化学処理)による損傷)の相殺に関連する。したがって、毛髪の再構築は、毛髪の強化および/または修復を要する。再構築された毛髪繊維は、例えば、改善された滑らかさ、光沢、コーミングのし易さ、強度、および弾性などの所望の美容特性を示す。
【0012】
一態様において、本開示によるヘアトリートメント組成物は、
- 少なくとも0.5重量%の少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはその塩、
- 1種以上の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種の非タウレート界面活性剤、ならびに
- 水
を含む。
【0013】
アミノ酸は、カルボン酸基(-COOH)およびアミノ基(-NH)の両方を含む単純な有機化合物である。アミノスルホン酸は、スルホン酸基(-SOOH)およびアミノ基(-NH)の両方を含む単純な有機化合物である。これに応じて、アミノ酸およびアミノスルホン酸は、式(I)の化合物および式(II)の化合物から選択してよい。
(式中、Rは、水素原子、直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のC~Cアルキル基を表し、前記アルキル基は、ヒドロキシル、-C(O)-OH、-S(O)-OH、-C(O)-OおよびM、ならびにS(O)-OおよびM(Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウムなどのカチオン性対イオンを表す)から選択される少なくとも1つの群で置換されていてもよく、nは0または1である)。これらを含むヘアトリートメント組成物中、アミノ酸およびアミノスルホン酸は、非イオン化型(I)および(II)またはイオン化もしくはベタイン型(I’)および(II’)であってもよい。
(式中、「R」および「n」は、上記の通りである)。1種以上のアミノ酸および/またはアミノスルホン酸はまた、コンジュゲート塩基型(Ib)および(IIb)であってもよい。
(式中、「R」および「n」は、上記の通りである)。
【0014】
周知のアミノ酸には、生存生物のタンパク質を形成する20個のアミノ酸(標準のタンパク質を構成するアミノ酸):アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。しかし、本開示のアミノ酸は、標準のタンパク質を構成するアミノ酸に限定されない。
【0015】
アミノスルホン酸の非限定的な例としては、アミノメタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸(タウリン)、アミノプロパンスルホン酸、アミノブタンスルホン酸、アミノヘキサンスルホン酸、アミノイソプロピルスルホン酸、アミノドデシルスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸、アミノトルエンスルホン酸、スルファニル酸、クロロスルファニル酸、ジアミノベンゼンスルホン酸、アミノフェノールスルホン酸、アミノプロピルベンゼンスルホン酸、アミノヘキシルベンゼンスルホン酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0016】
いくつかの場合では、荷電アミノ酸を使用してもよい。荷電アミノ酸の非限定的な例としては、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸が挙げられる。場合よっては、極性アミノ酸が有用である。極性アミノ酸の非限定的な例としては、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、およびトリプトファンが挙げられる。
【0017】
いくつかの場合では、疎水性アミノ酸を用いてもよい。疎水性アミノ酸の非限定的な例としては、アラニン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、バリン、プロリン、およびグリシンが挙げられる。
【0018】
ある例では、ヘアトリートメント組成物は、グリシン、アラニン、セリン、β-アラニン、タウリン、グリシン酸ナトリウム、アラニンナトリウム、セリンナトリウム、リチウムβ-アラニン、タウリンナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸、および/またはその塩を含む。
【0019】
いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、アミノ酸および/もしくはその塩のみ、スルホン酸および/もしくはその塩のみ、またはアミノ酸およびスルホン酸の両方の混合物および/もしくはそれらの塩、例えば、1種以上のアミノ酸および1種以上のアミノスルホン酸および/またはそれらの塩、例えば、アルパラギン酸、システイン、グリシン、リジン、メチオニン、プロリン、チロシン、フェニルアラニン、カルニチン、タウリン、その塩、およびその混合物からなる群から選択されるものを含む。
【0020】
いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、少なくともタウリン(2-アミノエタンスルホン酸)および/またはその塩を含む。
【0021】
少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはこれらの塩の総量は、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%である。例えば、少なくとも1種のアミノ酸もしくはアミノスルホン酸および/またはこれらの塩の総量は、少なくとも0.5重量%から約50重量%、少なくとも0.5重量%から約40重量%、少なくとも0.5重量%から約30重量%、少なくとも0.5重量%から約20重量%、少なくとも0.5重量%から約10重量%、少なくとも0.5重量%から約5重量%、約1重量%から約50重量%、約重量%から約40重量%、約1重量%から約30重量%、約1重量%から約20重量%、約1重量%から約10重量%、または約1重量%から約5重量%であってもよい。いくつかの場合では、1種以上のアミノ酸および/もしくはアミノスルホン酸ならびに/またはこれらの塩の総量は、約2から約10重量%、約2から約8重量%、約2から6重量%、または約2から5重量%である。
【0022】
ヘアトリートメント組成物は、任意選択により、少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩を、典型的にはヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の量で含む。いくつかの場合では、少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩を含むことが望ましいが、他の場合には、少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩を含むことは必要でない。
【0023】
非高分子モノ、ジおよび/またはトリカルボン酸は、1つの(モノ)、2つの(ジ)または3つの(トリ)カルボン酸基(-COOH)を有する有機化合物である。非高分子モノ、ジおよびトリカルボン酸ならびに/またはこれらの塩は、典型的には、約500g/mol未満、約400g/mol未満、または約300g/mol未満の分子量を有する。
【0024】
モノカルボン酸またはそれらの塩の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、乳酸、これらの塩、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、少なくとも乳酸および/またはその塩を含む。
【0025】
ジカルボン酸および/またはこれらの塩の非限定的な例としては、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、グルタル酸、シトラコン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、これらの塩、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、これらの塩、またはこれらの混合物を含む。
【0026】
トリカルボン酸および/またはこれらの塩の非限定的な例としては、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、これらの塩、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの例では、ヘアトリートメント組成物は、少なくともクエン酸および/またはその塩を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1種の非高分子トリカルボン酸、および/またはその塩(例えば、クエン酸および/またはその塩)ならびに少なくとも1種の非高分子ジカルボン酸、および/またはその塩(例えば、マレイン酸および/またはその塩)を含有する。
【0028】
少なくとも1種の非高分子モノ、ジ、またはトリカルボン酸、および/またはこれらの塩の総量は、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%である。いくつかの場合では、少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩の総量は、少なくとも0.6、0.7、0.8、0.9、または1重量%から最大約15、20、25または30重量%である。さらに、少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩の総量は、少なくとも0.5重量%から約50重量%、少なくとも0.5重量%から約40重量%、少なくとも0.5重量%から約30重量%、少なくとも0.5重量%から約20重量%、少なくとも0.5重量%から約10重量%、少なくとも0.5重量%から約5重量%、少なくとも0.8重量%から約50重量%、少なくとも0.8重量%から約40重量%、少なくとも0.8重量%から約30重量%、約0.8重量%から約20重量%、約0.8重量%から約10重量%、約0.8重量%から約5重量%、約1重量%から約50重量%、約重量%から約40重量%、約1重量%から約30重量%、約1重量%から約20重量%、約1重量%から約10重量%、約1重量%から約5重量%、約2重量%から約50重量%、約2重量%から約40重量%、約2重量%から約30重量%、約2重量%から約20重量%、約2重量%から約10重量%、または約2重量%から約5重量%であってもよい。
【0029】
カチオン性、アニオン性、両性/両性イオン性、および非イオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物をヘアトリートメント組成物中に使用してもよい。例えば、いくつかの場合では、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤の組み合わせが、特にシャンプーなどの洗浄組成物において有用である。いくつかの場合では、カチオン性界面活性剤が、特にコンディショナーなどのコンディショニング組成物において有用である。
【0030】
ヘアトリートメント組成物中に含まれる1種以上の界面活性剤の総量は、特にそれらが含まれるヘアトリートメント組成物の種類によってさまざまであり得る。1種以上の界面活性剤の総量は、典型的には、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約0.1から約40重量%(これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲を含む)である。いくつかの場合では、1種以上の界面活性剤の総量は、約0.1から約35重量%、約0.1から約30重量%、約0.1から約25重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約0.5から約40重量%、約0.5から約35重量%、約0.5から約30重量%、約0.5から約25重量%、約0.5から約20重量%、約0.5から約15重量%、約0.5から約10重量%、約0.5から約5重量%、約1重量%から約40重量%、約1重量%から約30重量%、約1重量%から約20重量%、約1重量%から約15重量%、約1重量%から約10重量%、または約1重量%から約5重量%である。
【0031】
ヘアトリートメント組成物は、1種以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物が挙げられ、これらの全ての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24個の炭素原子を含む。いくつかの場合では、アニオン性サルフェート界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤から除外してもよい。このような場合、1種以上のアニオン性界面活性剤は、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物からなる群から選択してもよく、これらの全ての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24個の炭素原子を含む。ヘアトリートメント組成物中に含まれ得るアニオン性界面活性剤のより網羅されたリストを、「アニオン性界面活性剤」の表題で後述する。
【0032】
1種以上のアニオン性界面活性剤の総量は、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約1から約40重量%(これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲を含む)であってもよい。さらに、1種以上のアニオン性界面活性剤の総量は、約1から約35重量%、約1から約30重量%、約5重量%から約40重量%、約5重量%から約25重量%、約5重量%から約30重量%、約10重量%から約40重量%、約10重量%から約35重量%、または約15重量%から約40重量%であってもよい。
【0033】
前述したように、1種以上の両性界面活性剤をヘアトリートメント組成物中に含めてもよい。両性界面活性剤の非限定的な例としては、ベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、1種以上のベタイン、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物を含む。ヘアトリートメント組成物中に含まれ得る両性界面活性剤のより網羅されたリストを、「両性界面活性剤」の表題で後述する。
【0034】
1種以上の両性界面活性剤がヘアトリートメント組成物中に含まれるとき、1種以上の両性界面活性剤の総量は、典型的には、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約0.1から約20重量%(これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲を含む)である。加えて、1種以上の両性界面活性剤の総量は、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約0.1から約3重量%、約0.5から約15重量%、約0.5から約10重量%、約0.5から約5重量%、約0.5から約3重量%、約1重量%から約15重量%、約1重量%から約10重量%、約1重量%から約5重量%であってもよい。
【0035】
いくつかの例では、1種以上のカチオン性界面活性剤をヘアトリートメント組成物中に含んでもよい。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物が挙げられる。ヘアトリートメント組成物中に含まれ得るカチオン性界面活性剤のより網羅されたリストを、「カチオン性界面活性剤」の表題で後述する。
【0036】
1種以上のカチオン性界面活性剤がヘアトリートメント組成物中に含まれるとき、1種以上のカチオン性界面活性剤の総量は、典型的には、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約0.1から約20重量%(これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲を含む)である。加えて、1種以上のカチオン性界面活性剤の総量は、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約0.1から約3重量%、約0.5から約15重量%、約0.5から約10重量%、約0.5から約5重量%、約0.5から約3重量%、約1重量%から約15重量%、約1重量%から約10重量%、約1重量%から約5重量%であってもよい。
【0037】
ヘアトリートメント組成物中の水の総量は、組成物の種類および所望の粘稠性、粘度などによってさまざまであり得る。いくつかの場合では、水の総量は、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約50から95重量%(これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲を含む)である。水の総量は、約50から約90重量%、約50から約85重量%、約60から約95重量%、約60から約90重量%、約60から約85重量%、60超から約95重量%、60超から約90重量%、60超から約85重量%、約65から約95重量%、約65から約90重量%、約65から約85重量%、約70から約95重量%、約70から約90重量%であってもよい。いくつかの例では、特にヘアトリートメント組成物がシャンプーである場合、水の総量は60重量%超である。例えば、水の総量は、少なくとも61、62、63、64、65、66、67、68、
69、または70重量%から最大約90または約95重量%であってもよい。同様に、水の総量は、少なくとも61、62、63、64、65、66、67、68、69、もしくは70重量%から約95重量%、61、62、63、64、65、66、67、68、69、もしくは70重量%から約90重量%、または約70重量%から約90重量%であってもよい。
【0038】
1種以上の脂肪族化合物をヘアトリートメント組成物中に含めてもよい。脂肪族化合物の非限定的な例としては、油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステルなど)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が挙げられる。例としては、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0039】
脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、および脂肪酸誘導体の非限定的な例は、その全内容が本明細書に参照により援用される、International Cosmetic Ingredient Dictionary、第16編、2016年に記載されている。
【0040】
本明細書において有用な脂肪アルコールには、約10~約30個の炭素原子、約12~約22個の炭素原子、および約16~約22個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪アルコールは、直鎖または分枝鎖アルコールであってもよく、飽和でも不飽和でもよい。脂肪アルコールの非限定的な例としては、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシル、ミリスチル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、コレステロール、シス4-t-ブチルシクロヘキサノール、ミリシルアルコール、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0041】
本明細書において有用な脂肪酸には、約10~約30個の炭素原子、約12~約22個の炭素原子、および約16~約22個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸は、直鎖または分枝鎖の酸であってもよく、飽和でも不飽和でもよい。また、二酸、三酸、および本明細書における炭素数要件を満たす他の多価酸も挙げられる。また、本明細書では、これらの脂肪酸の塩も挙げられる。脂肪酸の非限定的な例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、セバシン酸、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0042】
脂肪アルコール誘導体としては、脂肪アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコールのアルキルエーテル、脂肪アルコールのエステル、およびこれらの混合物が挙げられる。脂肪アルコール誘導体の非限定的な例としては、メチルステアリルエーテル、2-エチルヘキシルドデシルエーテル;ステアリルアセテート;セチルプロピオネート;セテスアルコールのエチレングリコールエーテルである、セテス-1からセテス-45(数字表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す)などのセテス系化合物;ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルである、ステアレス-1から10(数字表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す)などのステアレス系化合物;セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテルである、セテアレス-1からセテアレス-10(数字表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す)、すなわち、主にセチルを含む脂肪アルコールとステアリルアルコールの混合物;前述のセテス、ステアレスおよびセテアレス化合物のC1~C30アルキルエーテル;オクチルドデシルアルコール、ドデシルペンタデシルアルコール、ヘキシルデシルアルコールおよびイソステアリルアルコールなどの分枝状アルコールのポリオキシエチレンエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;PPG-9-ステアレス-3、PPG-11ステアリルエーテル、PPG8-セテス-1およびPPG-10セチルエーテルなどのPPGエーテル;ならびに前述の全化合物の混合物などの材料が挙げられる。
【0043】
非限定的な脂肪酸のポリグリセロールエステルとしては、次式:
のものが挙げられ、式中、nの平均値は約3であり、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、脂肪酸部分または水素であってもよいが、但し、R、RおよびRの少なくとも1つは脂肪酸部分である。例としては、R、RおよびRは、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状であってもよく、C~C40、C~C30、C~C25、C~C20、C~C16またはC~C10の長さを有する。例えば、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノ(オリーブ油脂肪酸)のグリセリルエステル、ジオレイン酸グリセリルおよびジステアリン酸グリセリルが挙げられる。加えて、非限定的な脂肪酸の非イオン性ポリグリセロールエステルとしては、4カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル、10カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル、4カプリン酸ポリグリセリル、10カプリン酸ポリグリセリル、4ラウリン酸ポリグリセリル、5ラウリン酸ポリグリセリル、6ラウリン酸ポリグリセリル、10ラウリン酸ポリグリセリル、10ヤシ脂肪酸ポリグリセリル、10ミリスチン酸ポリグリセリル、10オレイン酸ポリグリセリル、10ステアリン酸ポリグリセリル、およびこれらの混合物。
【0044】
脂肪酸誘導体は、本明細書では、上記の脂肪アルコールの脂肪酸エステル、上記の脂肪アルコール誘導体の脂肪酸エステル(該脂肪アルコール誘導体がエステル化可能なヒドロキシル基を有する場合)、上記の脂肪アルコール以外のアルコールおよび脂肪アルコール誘導体の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、およびこれらの混合物を含むと定義される。脂肪酸誘導体の非限定的な例としては、リシノール酸、モノステアリン酸グリセロール、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸エチル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセテアリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール(ジステアリン酸グリコール)、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸トリメチロールプロパン、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ポリグリセリル、セバシン酸ジメチル、ヤシ脂肪酸PEG-15、ステアリン酸PPG-15、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、ラウリン酸PEG-8、イソステアリン酸PPG-2、ラウリン酸PPG-9、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
1種以上の脂肪族化合物がヘアトリートメント組成物中に含まれる場合、1種以上の脂肪族化合物の総量は、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて、約0.1から約40重量%であってもよく、この数値間の全ての範囲および部分的な範囲が含まれる。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物の総量は、約0.1から約30重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約10重量%、約1重量%から約40重量%、約1重量%から約30重量%、約1重量%から約20重量%、または約1重量%から約10重量%であってもよい。
【0046】
ヘアトリートメント組成物は、1種以上のシリコーンも含み得る。シリコーンの非限定的な例としては、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルカリルシロキサン、ポリエステルシロキサン、およびこれらの混合物が挙げられる。特に、シリコーンの好適な例としては、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルシロキシシリケート、およびこれらの混合物が挙げられる。ヘアトリートメント組成物中に含まれ得るシリコーンのより網羅されたリストを、「シリコーン」の表題で後述する。
【0047】
1種以上のシリコーンの総量はさまざまであり得るが、典型的には、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約0.1から約40重量%であり、これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲が含まれる。いくつかの場合では、1種以上のシリコーンの総量は、約0.1から約30重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約1から約30重量%、約1から約20重量%、約1から約15重量%、約1から約10重量%、または約1から約5重量%であってもよい。
【0048】
ヘアトリートメント組成物は、1種以上のアルキルアミンおよび/またはアルカノールアミンも含み得る。アルキルアミンおよびアルカノールアミンの非限定的な例としては、次式:
NR
のものが挙げられ、式中、R、RおよびRは、独立して、H、C~C40アルキル、C~C40モノヒドロキシアルキルまたはC~C40ポリヒドロキシアルキルであるが、但しR、RおよびRの少なくとも1つは、アルキルまたはモノもしくはポリヒドロキシアルキルである。さらに、R、RおよびRは、独立して、H、C~C20アルキル、C~C20モノヒドロキシアルキルまたはC~C20ポリヒドロキシアルキルであってもよいが、但しR、RおよびRの少なくとも1つは、アルキルまたはモノもしくはポリヒドロキシアルキルである。また、R、RおよびRは、独立して、H、C~C10アルキル、C~C10モノヒドロキシアルキルまたはC~C10ポリヒドロキシアルキルであってもよいが、但しR、RおよびRの少なくとも1つは、アルキルまたはモノもしくはポリヒドロキシアルキルである。
【0049】
いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、1種以上のアルカノールアミンを含む。非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルアミノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオールおよびトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンが挙げられる。
【0050】
1種以上のアルキルアミンおよび/またはアルカノールアミンの総量はさまざまであり得るが、典型的には、ヘアトリートメント組成物の総重量に基づいて約0.1から約20重量%であり、これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲が含まれる。1種以上のアルキルアミンおよび/またはアルカノールアミンの総量は、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、または約0.1から約5重量%であってもよい。
【0051】
いくつかの例では、ヘアトリートメント組成物は、1種以上のカチオン性ポリマーを含む。カチオン性ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、ポリマージメチルジアリルアンモニウム塩ならびにアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとその共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの例では、1種以上のカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性グアー誘導体、およびこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0052】
カチオン性ポリマーは、モノアルキル四級アミン、例えばステアリルトリモニウムクロリド、ソイトリモニウムクロリド、またはココ-エチルジモニウムエトサルフェートであってもよい。その他の好適なカチオン性ポリマーとしては、これらに限定されないが、ベヘントリモニウムクロリド、ジアルキル四級アミン、例えばジセチルジモニウムクロリド、ジココジメチルアンモニウムクロリドまたはジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、およびポリクオタニウム化合物、例えばポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-22またはポリクオタニウム-5が挙げられる。
【0053】
例えば、カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-10(四級化ポリヒドロキシエチルセルロースとも呼ばれる)、セトリモニウムクロリド(セチルトリメチルアンモニウムクロリド、CTACとも呼ばれる)、ベヘントリモニウムクロリド(ドコシルトリメチルアンモニウムクロリドとしても知られる)、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ココトリモニウムメトサルフェート、オレアルコニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ババスアミドプロパルコニウムクロリド、ブラシカアミドプロピルジメチルアミン、クオタニウム-91、サリケア/PQ-37、クオタニウム-22、クオタニウム-87、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-67、アモジメチコン、ラウリルベタイン、ポリアクリレート-1クロスポリマー、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル小麦タンパク質加水分解物、ベヘナミドプロピルPG-ジモニウムクロリド、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル大豆タンパク質加水分解物、アミノプロピルジメチコン、クオタニウム-8、およびジリノールアミドプロピルジメチルアミンジメチコンPEG-7ホスフェートから選択することができる。
【0054】
いくつかの例では、カチオン性ポリマーは、カチオン性コンディショニングポリマーである。使用できるカチオン性コンディショニングポリマーの例としては、これらに限定されないが、カチオン性セルロース、カチオン性タンパク質、およびカチオン性ポリマーが挙げられる。カチオン性ポリマーは、アミノおよび/または四級アンモニウムモノマーのビニル基骨格を有することができる。カチオン性アミノおよび四級アンモニウムモノマーとしては、これらに限定されないが、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリロールオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩、ジアルキルアミノアルキルアクリレートで置換されたビニル化合物、およびピリジニウム、イミダゾリウム、または四級化ピロリジンなどの環状カチオン性窒素含有環を有するビニル四級アンモニウムモノマーが挙げられる。使用できるカチオン性コンディショニングポリマーのその他の例としては、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルトリモニウムハチミツ、ココジモニウムシルクアミノ酸、ココジモニウムヒドロキシプロピル小麦またはシルクタンパク質加水分解物、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-14、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-10、およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。
【0055】
いくつかの場合では、四級化高分子カチオン性ポリマーが特に有用である。特に好ましいのは、ジアルキルジアリルアンモニウム塩またはアルキル基が1~約18個の炭素原子を含み、より好ましくはアルキル基がメチルまたはエチルであるその共重合体の重合によって調製される四級窒素ポリマーである。これらのポリマーの調製に関する詳細は、本明細書に参照により援用される、米国特許第3,288,770号、同第3,412,019号および同第4,772,462号で閲覧できる。例えば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドのカチオン性ホモポリマーおよび共重合体は、Merck & Co.(Pittsburgh,Pa)の子会社であるCalgon Corporationによって商品名MERQUATで販売されている水性組成物中で利用可能である。ポリクオタニウム-6と呼ばれるホモポリマーは、商品名MERQUAT-100で販売されており、約100,000の重量平均分子量を有すると記載されている。ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドモノマーとの共重合反応生成物は、ポリクオタニウム-7と呼ばれ、約500,000の重量平均分子量を有すると記載されており、商品名MERQUAT-500で販売されている。ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との別の共重合反応生成物は、約50,000から約10,000,000の重量平均分子量を有し、ポリクオタニウム-22の名称を有し、商品名MERQUAT-280で販売されている。ポリクオタニウム-6が特に好ましい。
【0056】
その他の高分子コンディショナーとしては、3つのコモノマー比、すなわち95/5、50/50および30/70の塩化メチルビニルイミダゾリウム/ポリビニルピロリドン比の、BASF(西ドイツ、Aktiengesellschaft)により商品名LUVIQUATで市販されている、塩化メチルビニルイミダゾリウムおよびビニルピロリドンのカチオン性共重合体が挙げられる。これらの3つの全てのコモノマー比の共重合体は、ポリクオタニウム-16の名称を有する。高分子コンディショナーはまた、Union Carbide Corporation(Danbury,Conn)により、種々の粘度等級および分子サイズにて商品名POLYMER JRで販売されている、エピクロルヒドリンと反応し、トリメチルアミンで四級化されたヒドロキシエチルセルロースのカチオン性セルロース性ポリマーも含む。これらのポリマーのシリーズは、ポリクオタニウム-10と呼ばれる。また、National Starch and Chemical Corporation(Bridgewater,N.J.)より商品名CELQUATで、種々の分子量にて販売されている、ポリクオタニウム-4の名称を有する、ヒドロキシエチルセルロースとジメチルジメチルアンモニウムクロリドとの四級化共重合体も有用である。
【0057】
低分子のカチオン性非高分子コンディショニング剤も本明細書で利用できる。例示的な低分子コンディショニング剤としては、単官能性または二官能性四級アンモニウム化合物(ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジメチルジ(水素化獣脂)アンモニウムクロリドなど)を挙げることができる。非高分子コンディショニング剤としては、また、グルコンアミド誘導体の四級アンモニウム塩、例えばγ-グルコンアミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリドおよびミンカミドプロピルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリドも挙げることができ、それぞれ、クオタニウム-22およびクオタニウム-26の名称によって識別される。これらの材料の調製物についての詳細は、米国特許第3,766,267号および同第4,012,398号のそれぞれに記載されており、これらの材料は、Van Dyk & Co.(Belleville,N.J.)により商品名CERAPHYLで販売されている。また、二量体であるビス-四級アンモニウム化合物、例えばヒドロキシプロピルビスステアリルジモニウムクロリドの名称で指定される2-ヒドロキシプロピレン-ビス-1,3-(ジメチルステアリルアンモニウムクロリドも有用である。これらのおよびその他のビス-四級材料は、米国特許第4,734,277号に記載されており、このような材料は、Jordan Chemical Company(Folcroft,Pa)により商品名JORDAQUAT DIMERで販売されている。
【0058】
プロトン化したときに四級化されるようになる第三級アミノ窒素基を有する例示的な非四級化ポリマーは、水溶性タンパク性四級アンモニウム化合物を含むことができる。例えば、ココジモニウム動物タンパク質加水分解物は、少なくとも1つの脂肪族アルキル基中に約12~約18個の炭素を有し、約2500~約12,000の重量平均分子量、および約9.5~約11.5の範囲の等イオン点を有する、コラーゲンタンパク質加水分解物の化学的に修飾された四級アンモニウム誘導体の名称である。この材料および構造的に関連する材料は、Croda,Inc.(New York,N.Y.)により商品名CROQUATおよびCROTEINで販売されている。
【0059】
ヘアトリートメント組成物中に含まれるときの1種以上のカチオン性ポリマーの総量は、典型的には、組成物の総重量に基づいて約0.01~約15重量%であり、これらの数値間の全ての範囲および部分的な範囲が含まれる。1種以上のカチオン性ポリマーの総量は、約0.01~約8重量%、約0.01~約6重量%、約0.01~約5重量%、約0.05~約8重量%、約0.05~約6重量%、約0.05~約5重量%、約0.1~約10重量%、約0.1~約8重量%、約0.1~約6重量%、または約0.1~約5重量%であってもよい。
【0060】
用語「水溶性溶媒」は、用語「水混和性溶媒」と区別なく使用でき、25℃および大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味し、これらの条件下の水中で少なくとも50%の溶解度を有する。本開示のヘアトリートメント組成物は、1種以上の水溶性溶媒を含んでもよい。
【0061】
水溶性溶媒としては、例えば、グリセリン、C1~4アルコール、有機溶媒、脂肪アルコール、脂肪エーテル、脂肪エステル、ポリオール、グリコール、植物油、鉱油、リポソーム、層状脂肪性物質、または任意のこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒の例としては、これらに限定されないが、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールなどのモノアルコールおよびポリオール、またはグリコールもしくはグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテル、またはこれらのエーテル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル、ならびにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルを挙げることができる。有機溶媒のその他の好適な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、およびグリセリンである。有機溶媒は、揮発性化合物でも不揮発性化合物であってもよい。
【0062】
使用できる水溶性溶媒のさらなる非限定的な例としては、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(カプリリルグリコール)、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、および4-メチル-1,2-ペンタンジオールなどのアルカンジオール(多価アルコール);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、およびイソプロパノールなどの1~4個の炭素原子を有するアルキルアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、およびジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテルなどのグリコールエーテル;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビトール、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
いくつかの場合では、水溶性溶媒は、1種以上のグリコール、C1~4アルコール、グルセリン、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、ヘキシレングリコール、プロプレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
多価アルコールが有用である。多価アルコールの例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
ポリオール化合物も使用してもよい。非限定的な例としては、脂肪族ジオール、例えば2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオール、および2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
水溶性溶媒(組成物中の水とは別のもの)の総量はさまざまであり得るが、いくつかの場合では、組成物の総重量に基づいて約0.01から約50重量%である。水溶性溶媒(組成物中の水とは別のもの)の総量は、約0.01から約40重量%、約0.01から約30重量%、約0.01から約20重量%、約0.01から約10重量%、約0.01から約5重量%、約0.1から約40重量%、約0.1から約30重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約10重量%、または約0.1から約5重量%である。
【0067】
ヘアトリートメント組成物は、1種以上の増粘剤(濃化剤または粘度調整剤とも呼ばれる)を含有してもよい。このような助剤のクラスとしては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコールなどの粘稠液、半合成セルロース誘導体などの半合成ポリマー、合成ポリマー、例えばカルボマー、ポロキサマー、およびアクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体、アクリレート共重合体、ポリエチレンイミン(例えば、PEI-10)、天然に存在するポリマー、例えばアカシア、トラガカント、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、カラギナン、キサンタンガムなどの植物ガム、ワセリン、ワックス、粒状会合コロイド、例えばベントナイト、コロイド状二酸化ケイ素、および微結晶性セルロース、PPG-2ヒドロキシエチルココ/イソステアラミドなどの界面活性剤、ジステアレス-75 IPDIなどの乳化剤、および塩化ナトリウムなどの塩、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、ジャガイモデンプン(修飾または非修飾)などのデンプン、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース、ヒドロキシプロピルグアーなどのグアー、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0068】
いくつかの場合では、増粘剤には、1種以上の会合濃化ポリマー、例えばアニオン性会合ポリマー、両性会合ポリマー、カチオン性会合ポリマー、非イオン性会合ポリマー、およびこれらの混合物を挙げることができる。両性会合ポリマーの非限定的な例としては、商品名NOVETHIX L-10(Lubrizol)で販売されているアクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体がある。アニオン性会合ポリマーの非限定的な例としては、商品名CARBOPOL Aqua SF-1(Lubrizol)で販売されているINCI名:アクリレート共重合体、商品名CARBOPOL Aqua SF-2(Lubrizol)で販売されているINCI名:アクリレートクロスポリマー-4、およびこれらの混合物が挙げられる。会合濃化ポリマー、例としては、アクリレート共重合体および/またはアクリレートクロスポリマー-4は、ポリマーをヘアトリートメント組成物中に添加する前に、水または水溶液中で中和剤によって中和してもよい。いくつかの場合では、会合濃化ポリマーは、アニオン性界面活性剤を含まないヘアトリートメント組成物、特にアニオン性界面活性剤を含まないコンディショニングシャンプーにおいて有用であり得る。例えば、アニオン性界面活性剤を含まないコンディショニングシャンプーは、1種以上のアニオン性会合ポリマーを含んでもよい。
【0069】
1種以上の増粘剤の総量はさまざまであり得るが、いくつかの場合では、組成物の総重量に基づいて約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約8重量%、約0.1から約6重量%、約0.1から約5重量%、約0.5から約10重量%、約0.5から約8重量%、約0.5から約重量%、約0.5から約5重量%、約1から約10重量%、約1から約8重量%、約1から約6重量%、または約1から約5重量%である。
【0070】
1種以上の防腐剤が、毛髪を処置するための本明細書に記載のヘアトリートメント組成物中に含まれていてもよい。好適な防腐剤としては、これらに限定されないが、グリセリン含有化合物(例えば、グリセリンまたはエチルヘキシルグリセリンまたはフェノキシエタノール)、ベンジルアルコール、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベンなど)、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ジグルコン酸クロルヘキシジン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビン酸カリウム、および/またはグレープフルーツ種子抽出物、またはこれらの混合物が挙げられる。その他の防腐剤は、化粧業界において公知であり、サリチル酸、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド、クロルフェニシン(chlorphenism)、トリクロサン、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ソルビン酸、メチルイソチアゾリノン、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、クオタニウム-15、ステアラルコニウムクロリド、亜鉛ピリチオン、メタ重亜硫酸ナトリウム、2-ブロモ-2-ニトロプロパン、ジグルコン酸クロルヘキシジン、ポリアミノプロピルビグアニド、ベンザルコニウムクロリド、亜硫酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、クエン酸、ニーム油、精油(種々)、乳酸、ビタミンE(トコフェロール)、およびこれらの混合物を含む。いくつかの場合では、ヘアトリートメント組成物は、安息香酸ナトリウム、安息香酸、ジグルコン酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、サリチル酸、フェノキシエタノール、メチルパラベン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の防腐剤を含んでもよい。
【0071】
存在する場合、1種以上の防腐剤の総量はさまざまであり得る。いくつかの場合では、1種以上の防腐剤の総量は、組成物の総重量に基づいて、約0.01から約5重量%、約0.01から約4重量%、約0.15から約1重量%、または約1から約3重量%である。
【0072】
本開示のヘアトリートメント組成物は、タウレート界面活性剤またはその塩を含まなくてよい、または本質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、次式:
CO-NR-CHCHSO
のタウレート界面活性剤またはその塩を含まなくてよく、または本質的に含まなくてもよく、式中、Rは、炭素原子の平均数が7~19個の飽和または不飽和炭化水素基を示し、Rは、水素または炭素原子の平均数が1~3個のアルキル基を示し、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、または有機アミンまたは誘導体を示す。具体例としては、N-メチルココイルタウレートおよびココイルタウリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0073】
本開示の組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはその誘導体を含まなくてもよく、または本質的に含まなくてもよく、プロピレングリコール(PPG)および/またはその誘導体を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、分子量が200~10,000のポリエチレングリコール、または分子量が200~1,000のポリエチレングリコールを含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。さらに、PEG化界面活性剤を、ヘアトリートメント組成物から除外してもよい。PEG化界面活性剤の非限定的な例としては、エトキシル化脂肪酸エステルが挙げられる。
【0074】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、製剤2、3、4および5として、実施例1で提示したものなどのシャンプーに関する。このようなシャンプーは、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸、および/またはその塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸、および/またはその塩、
- 約1~約30重量%、好ましくは約1~約25重量%、またはより好ましくは約5~約25重量%の1種以上の非タウレートアニオン性界面活性剤、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、より好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.1~約10重量%、好ましくは約0.1~約8重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のシリコーン、ならびに
- 水
を含んでもよい。
【0075】
非タウレートアニオン性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物が含まれ得、これら全ての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24個の炭素原子を含む。いくつかの場合では、1種以上のアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、およびこれらの混合物、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウムが好ましい。
【0076】
1種以上の脂肪族化合物に関して、シャンプーには、例えば、1種以上の油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。例としては、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、少なくとも1種の脂肪族化合物は、アルキルエーテルの脂肪酸エステル、例えば、ジステアリン酸グリコールである。
【0077】
1種以上のカチオン性ポリマーに関して、シャンプーには、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1つ以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が特に有用であり得る。
【0078】
1種以上のシリコーンに関して、シャンプーには、例えば、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルカリルシロキサン、ポリエステルシロキサン、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、およびこれらの混合物が好ましい。特に、少なくともジメチコンを含むことが有用であり得る。
【0079】
より具体的には、シャンプーには、以下:
- 約1~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはその塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約5~約25重量%のラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウム、
- 約1~約10重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、好ましくはジステアリン酸グリコール、
- 約0.1~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、ならびに
- 約0.1~約5重量%の、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、PEG/PPG-17/18ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のシリコーン、ならびに
- 水
が含まれ得る。
【0080】
製剤2、3、4、および5で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、シャンプー中に含めてもよい。また、シャンプーは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。
【0081】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、製剤1および6として、実施例1に提示するものなどのシャンプーに関する。このようなシャンプーには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはその塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約1~約30重量%、好ましくは約1~約25重量%、またはより好ましくは約5~約25重量%の1種以上の非タウレートアニオン性界面活性剤、
- 約0.1~約15重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上の両性界面活性剤、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれ得る。
【0082】
非タウレートアニオン性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物が含まれ得、これらの全ての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24個の炭素原子を含む。いくつかの場合では、1種以上のアルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、およびこれらの混合物、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウムが好ましい。
【0083】
両性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、シャンプーには、1種以上のベタイン、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの例では、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が特に有用であり得る。
【0084】
1種以上のカチオン性ポリマーに関して、シャンプーには、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1種以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0085】
水溶性溶媒に関して、シャンプーには、例えば、アルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物のうちの1つ以上が含まれ得る。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0086】
より具体的には、シャンプーには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約5~約25重量%のラウリル硫酸ナトリウムおよび/またはラウレス硫酸ナトリウム、
- 約0.1~約5重量%の1種以上のベタイン、例えばコカミドプロピルベタインおよび/またはココベタイン、
- 約0.01~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、好ましくは、少なくともポリクオタニウム-10、
- 約0.01~約5重量%の1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、グリセリン、およびこれらの混合物、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0087】
製剤1および6で開示および記載される追加の成分からなる群からの任意の1種以上の追加の成分も、任意選択により、シャンプー中に含めてもよい。また、シャンプーは、タウリン界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。
【0088】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、サルフェートを含まないシャンプー、例えば製剤7として実施例2に提示したものに関する。このようなシャンプーには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約1~約30重量%、好ましくは約1~約25重量%、またはより好ましくは約5~約25重量%の1種以上の、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される非サルフェートアニオン性界面活性剤であって、これらの全ての化合物のアシル基が6~24個の炭素原子を含む、非サルフェートアニオン性界面活性剤、
- 約0.1~約15重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、より好ましくは約1~約10重量%の1種以上の両性界面活性剤、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の脂肪族化合物、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0089】
非サルフェートアニオン性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレスニナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が含まれ得る。
【0090】
両性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、シャンプーには、1種以上のベタイン、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの例では、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が特に有用であり得る。
【0091】
1種以上のカチオン性ポリマーに関して、シャンプーには、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1種以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0092】
1種以上の脂肪族化合物に関して、シャンプーには、例えば、1種以上の油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。例としては、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。いくつかの場合では、ジステアリン酸グリコールおよび/またはオレイン酸PEG-55プロピレングリコールが、特に有用であり得る。
【0093】
より具体的には、シャンプーには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約5~約25重量%の1種以上の、アシルイセチオネート、アシルグリシネート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される非サルフェートアニオン性界面活性剤であって、これらの全ての化合物のアシル基が6~24個の炭素原子を含む、非サルフェートアニオン性界面活性剤、
- 約0.1~約10重量%の1種以上のベタイン、例えばコカミドプロピルベタインおよび/またはココベタイン、
- 約0.1~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約5重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはジステアリン酸グリコール、PEG-55プロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0094】
製剤7で開示および記載される追加の成分からなる群からの任意の1種以上の追加の成分も、任意選択により、シャンプー中に含めてもよい。また、シャンプーは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。
【0095】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、アニオン性界面活性剤を含まないコンディショニングシャンプー、例えば製剤8および9として実施例3に提示したものなどに関する。このようなシャンプーには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.1~約15重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上の両性界面活性剤、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.1~約20重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 任意選択の1種以上の増粘剤、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0096】
1種以上のカチオン性ポリマーに関して、シャンプーには、例えば、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラクダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性界面活性剤が含まれ得る。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0097】
両性界面活性剤に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、シャンプーには、1種以上のベタイン、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの例では、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0098】
水溶性溶媒に関して、シャンプーには、例えば、1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0099】
1種以上の脂肪族化合物に関して、シャンプーには、例えば、1種以上の油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0100】
より具体的には、シャンプーには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約1~約8重量%の、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、好ましくは、少なくともベヘントリモニウムクロリド、
- 約1~約10重量%のコカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の両性界面活性剤、
- 約0.01~約5重量%の、ヘキシレングリコール、プロプレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物、好ましくはカプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒、
- 約1~約10重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはセテアリルアルコール、大豆油、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、
- 任意選択の、デンプン増粘剤(例えば、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート)などの1種以上の増粘剤、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0101】
製剤8および9で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、シャンプー中に含めてもよい。また、シャンプーは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、シャンプーは、アニオン性界面活性剤を含まない、または本質的に含まない。
【0102】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、コンディショナー、例えば製剤10~16として実施例4に提示したものに関する。このようなシャンプーには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、およびこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.1~約20重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0103】
1種以上のカチオン性界面活性剤に関して、コンディショナーには、例えば、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラクダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性界面活性剤が含まれ得る。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0104】
1種以上の脂肪族化合物に関して、コンディショナーには、例えば、1種以上の油、鉱油、脂肪アルコール、アルカン、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0105】
水溶性溶媒に関して、コンディショナーには、例えば、1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0106】
より具体的には、コンディショナーには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約1~約8重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約00.1~約10重量%の、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約1~約10重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはセチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約5重量%の、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0107】
製剤10~16で開示および記載される追加の成分からなる群からの任意の1種以上の追加の成分も、任意選択により、コンディショナー中に含めてもよい。また、コンディショナーは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、コンディショナーは、アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。
【0108】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、リンスオフマスク、例えば製剤17および18として実施例5に提示したものに関する。このようなリンスオフマスクには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.1~約20重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0109】
カチオン性界面活性剤を任意選択によりリンスオフマスク中に含めてもよい。例えば、カチオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0110】
1種以上の脂肪族化合物に関して、リンスオフマスクには、例えば、1種以上の油、鉱油、脂肪アルコール、アルカン、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0111】
水溶性溶媒に関して、リンスオフマスクには、例えば、1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0112】
より具体的には、リンスオフマスクには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、約0.5~約8重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約1~約20重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはセチルエステル、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、セテアリルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約5重量%の、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0113】
製剤17および18で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、リンスオフマスク中に含めてもよい。また、リンスオフマスクは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、リンスオフマスクは、アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。
【0114】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、リーブイン組成物、例えば製剤19として実施例6に提示したものに関する。このような組成物には、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、またはより好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約12重量%、より好ましくは約1~約10重量%の1種以上のシリコーン、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0115】
1種以上のカチオン性界面活性剤に関して、リーブイン組成物には、例えば、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性界面活性剤が含まれ得る。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0116】
1種以上のカチオン性ポリマーに関して、リーブイン組成物には、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1種以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0117】
1種以上のシリコーンに関して、リーブイン組成物には、例えば、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルカリルシロキサン、ポリエステルシロキサン、およびこれらの混合物が含まれ得る。特に、好適なシリコーンには、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルシロキシシリケート、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの場合では、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、PEG/PPG-17/18ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物が好ましい。特に、少なくともジメチコンを含めることが有用であり得る。
【0118】
より具体的には、リーブイン組成物には、以下:
- 少なくとも0.5~約8重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはその塩、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.01~約5重量%の、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約1~10重量%の、ジメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、PEG/PPG-17/18ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のシリコーン、
- 約0.01~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0119】
製剤19で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、リーブイン組成物中に含めてもよい。また、リーブイン組成物は、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、リーブイン組成物は、アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。
【0120】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、コンディショニングリンス、例えば製剤20として実施例7に提示したものに関する。このようなコンディショニングリンスには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/またはマロン酸、ならびに/またはこれらの塩、
- 約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.1~約20重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0121】
1種以上のカチオン性界面活性剤に関して、コンディショニングリンスには、例えば、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性界面活性剤が含まれ得る。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0122】
1種以上の脂肪族化合物に関して、コンディショニングリンスには、例えば、1種以上の油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0123】
カチオン性ポリマーに関して、コンディショニングリンスには、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1種以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0124】
水溶性溶媒に関して、コンディショニングリンスには、例えば、1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0125】
より具体的には、コンディショニングリンスには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/もしくはマロン酸ならびに/またはこれらの塩、
- 約0.1~約5重量%の、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約1~約10重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはセテアリルアルコール、鉱油、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約10重量%の、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物、好ましくはカプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒、
- 水
が含まれていてもよい。
【0126】
製剤20で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、コンディショニングリンス中に含めてもよい。また、コンディショニングリンスは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、コンディショニングリンスは、アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。
【0127】
一態様において、本開示のヘアトリートメント組成物は、コンディショニングリンス、例えば製剤21~24として実施例8に提示したものに関する。このようなコンディショニングリンスには、
- 少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約2~約5重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%、好ましくは約1~約8重量%、またはより好ましくは約1~約5重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/もしくはマレイン酸、ならびに/またはこれらの塩、
- 任意選択の、約0.1~約20重量%、好ましくは約0.1~約10重量%、またはより好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.1~約20重量%、またはより好ましくは約1~約10重量%の1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約10重量%、好ましくは約0.01~約5重量%、より好ましくは約0.1~約5重量%の1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約20重量%、好ましくは約0.01~約10重量%、またはより好ましくは約0.01~約5重量%の1種以上の水溶性溶媒、
- 任意選択の、約0.1~約15重量%、約0.1~約10重量%、もしくは約0.1~約5重量%の1種以上の両性界面活性剤、および/または約0.1~約15重量%、約0.1~約10重量%、もしくは約0.1~約5重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0128】
存在する場合、1種以上のカチオン性界面活性剤に関して、コンディショニングリンスには、例えば、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリド、アラキドトリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性界面活性剤が含まれ得る。いくつかの場合では、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0129】
1種以上の脂肪族化合物に関して、コンディショニングリンスには、例えば、1種以上の油、鉱油、アルカン、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体(アルコキシル化脂肪酸または脂肪酸のポリエチレングリコールエステルまたは脂肪酸のプロピレングリコールエステルまたは脂肪酸のブチレングリコールエステルまたはネオペンチルグリコールおよび脂肪酸のエステルまたは脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステルまたはエチレングリコールおよび脂肪酸のグリコールジエステルもしくはジエステルまたは脂肪酸および脂肪アルコールのエステル、短鎖アルコールおよび脂肪酸のエステル)、脂肪アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、1種以上の脂肪族化合物は、ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、大豆油、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、セテアリルアルコール、ババス油、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、鉱油、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0130】
カチオン性ポリマーに関して、コンディショニングリンスには、例えば、ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン化ハチミツ、カチオン性グアー誘導体、高分子ジメチルジアリルアンモニウム塩ならびにそれとアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとの共重合体、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体との共重合体、ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリド共重合体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、以下のカチオン性ポリマー:ポリクオタニウム-37、四級化セルロース誘導体、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、カチオン性アルキルポリグリコシド、カチオン性グアー誘導体、四級化ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-17、ポリクオタニウム-18、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、およびこれらの混合物のうちの1種以上が好ましい。いくつかの場合では、1種以上のカチオン性グアーおよび/またはポリクオタニウムを使用してもよい。例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0131】
水溶性溶媒に関して、コンディショニングリンスには、例えば、1種以上のアルカンジオール(多価アルコール)、グリコール、C1~4アルコール、グリセリン、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、C1~4アルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、プロパンジオール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0132】
両性界面活性剤に関して、コンディショニングリンスには、例えば、1種以上のベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの場合では、シャンプーには、1種以上のベタイン、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、およびこれらの混合物が含まれ得る。いくつかの例では、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が、特に有用であり得る。
【0133】
非イオン性界面活性剤に関して、コンディショニングリンスには、例えば、エトキシル化脂肪アルコール(またはC8~C30アルコール)が含まれ得、例えば、エチレンオキシドとラウリルアルコールとの付加物、特に9~50個のオキシエチレン基を含むもの、より特定すると10~25個のオキシエチレン基を含むもの(ラウレス-10~ラウレス-25);エチレンオキシドとベヘニルアルコールとの付加物、特に9~50個のオキシエチレン基を含むもの(ベヘネス-9~ベヘネス-50);エチレンオキシドとセテアリルアルコールとの付加物(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)、特に10~30個のオキシエチレン基を含むもの(セテアレス-10~セテアレス-30);エチレンオキシドとセチルアルコールとの付加物、特に10~30個のオキシエチレン基を含むもの(セテス-10~セテス-30);エチレンオキシドとステアリルアルコールとの付加物、特に10~30個のオキシエチレン基を含むもの(ステアレス-10~ステアレス-30);エチレンオキシドとイソステアリルアルコールとの付加物、特に10~50個のオキシエチレン基を含むもの(イソステアレス-10~イソステアレス-50);およびこれらの混合物を使用することができる。
【0134】
より具体的には、コンディショニングリンスには、以下:
- 少なくとも0.5~約10重量%のタウリンおよび/またはその塩、
- 任意選択の、少なくとも0.5~約10重量%の少なくとも1種の非高分子モノ、ジもしくはトリカルボン酸および/またはこれらの塩、好ましくはクエン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、これらの塩、またはこれらの混合物、より好ましくはクエン酸および/もしくはマロン酸ならびに/またはこれらの塩、
- 約0.1~約10重量%の、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、クオタニウム-91、ステアラミドプロピルジメチルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性界面活性剤、
- 約1~約10重量%の、油(大豆油、鉱油、および/またはババス油など)ジステアリン酸グリコール、オレイン酸PEG-55プロピレングリコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロプレングリコール、セチルアルコール、ウンデカン、トリデカン、2-オレアミド-1,3-オクタデカンジオール(セラミド)、およびこれらの混合物、好ましくはセテアリルアルコール、鉱油、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族化合物、
- 約0.01~約5重量%の、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-37、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のカチオン性ポリマー、
- 約0.01~約5重量%の、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物、好ましくはカプリリルグリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される1種以上の水溶性溶媒、
- 任意選択の、約0.1~約5重量%の1種以上の両性界面活性剤(例えば、ベタイン)および/または約0.1~約5重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪アルコール)、ならびに
- 水
が含まれていてもよい。
【0135】
製剤21~24で開示および記載した追加の成分からなる群からの1種以上の任意の追加の成分も、任意選択により、コンディショニングリンス中に含めてもよい。また、コンディショニングリンスは、タウレート界面活性剤を含まなくてもよく、もしくは本質的に含まなくてもよく、かつ/またはポリエチレングリコールおよびその誘導体を含まなくてもよい、もしくは本質的に含まなくてもよい。その上、コンディショニングリンスは、アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい、または本質的に含まなくてもよい。
【0136】
本開示は、毛髪を処置する方法に関する。例として、ヘアトリートメント組成物がシャンプーの場合、毛髪を洗浄する方法においてシャンプーを使用することができる。ヘアトリートメント組成物がコンディショナー(もしくはコンディショニングリンス)またはリンスアウトマスクの場合、毛髪をコンディショニングまたはケアする方法においてコンディショナー(もしくはコンディショニングリンス)またはリンスアウトマスクを使用することができる。ヘアトリートメント組成物がリーブイン製品である場合、毛髪をスタイリングする方法においてリーブイン製品を使用することができる。組成物が、シャンプー、コンディショナー(もしくはコンディショニングリンス)またはリンスアウトマスクである場合、方法は、典型的には、十分な量の組成物を毛髪に適用した後、水で組成物を毛髪からすすぎ落とすことを要する。毛髪をスタイリングするためのリーブイン製品に関して、方法は、典型的には、リーブイン製品を毛髪(濡れた、湿った、または乾燥した毛髪)に適用し、後続して毛髪をスタイリングすることを要する。最後に、ヘアトリートメント組成物は、毛髪を修復、強化、および保護する(「毛髪を再構築する」)方法において有用である。このような方法は、単回トリートメントおよび複数のトリートメント、例えば、1週間、2週間、1カ月、またはそれより長期間、毛髪を組成物で繰り返し処置することを含む。
【0137】
本開示のヘアトリートメント組成物は、さまざまな形態であってもよい。例えば、多くの例では、ヘアトリートメント組成物は、液体、ゲル、ローション、および/またはスプレーの形態であり、いくつかの例では、ヘアトリートメント組成物は、固体またはペーストの形態ではない。したがって、組成物は、40℃未満、35℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満、または10℃未満の融点を有する。これとの関連において、組成物は、例えば、アニオン性界面活性剤を含まないまたは本質的に含まないシャンプー、サルフェート界面活性剤を含まないまたは本質的に含まないシャンプー、およびコンディショニングシャンプーを含めたシャンプー;コンディショナー;リンスアウトマスク;リーブインヘア製品;ならびに一般のヘアケア製品などの製品に配合してもよい。
【0138】
ヘアトリートメント組成物は、例えばすぐに使える容器など、多種多様な容器に包装できる。有用な包装の非限定的な例としては、管、瓶、キャップ、単位用量包装容器、およびボトル(絞り出し可能なチューブおよびボトルを含む)が挙げられる。包装は、シャワーまたはバスタブの壁を含めた浴室の壁などの壁に取り付けることができるように構成され得る。例えば、包装は、壁に取り付けられるように構成された容器であってもよく、この容器に圧力を加えたとき、その中に含まれる組成物が、容器の底部の1つ以上の開口部から吐き出される。このタイプのパッキングおよび構成は、消費者にとって好都合である。
【0139】
本明細書で開示されるヘアトリートメント組成物において有用な成分のより網羅的だが非限定的なリストを以下に列挙する。
【0140】
界面活性剤
カチオン性界面活性剤
用語「カチオン性界面活性剤」は、本開示による組成物中に含まれるとき、正電荷を持つ界面活性剤を意味する。この界面活性剤は、1つ以上の永久正電荷を持ち得る、または本開示による組成物中でカチオン化できる官能基を1つ以上含み得る。
【0141】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘナルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ラウラルコニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムブロマイド、セトリモニウムクロリド、セチルアミンヒドロフルオライド(cethylamine hydrofluoride)、クロラリルメテンアミンクロリド(クオタニウム-15)、ジステアリルジモニウムクロリド(クオタニウム-5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(クオタニウム-14)、クオタニウム-22、クオタニウム-26、クオタニウム-18ヘクトライト、ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩、システイン塩酸塩、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレチルエーテルホスフェート、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテルホスフェート、獣脂アルコニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、ステアラルコニウムクロリド、臭化ドミフェン、安息香酸デナトニウム、ミリスタルコニウムクロリド、ラウリルトリモニウムクロリド、ニ塩酸エチレンジアミン、グアニジン塩酸塩、塩酸ピリドキシン、イオフェタミン塩酸塩、メグルミン塩酸塩、メチルベンゼトニウムクロリド、ミリトリモニウムブロマイド、オレイルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-1、塩酸プロカイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオライド、獣脂トリモニウムクロリド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロリドが挙げられる。
【0142】
カチオン性界面活性剤は、任意選択によりポリオキシアルキレン化された一級、二級もしくは三級脂肪アミン、またはこれらの塩、および四級アンモニウム塩、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0143】
脂肪アミンは、一般的に、少なくとも1つのC~C30炭化水素系鎖を含む。
【0144】
特に挙げることができる四級アンモニウム塩の例としては、以下の一般式(III)に対応するもの:
式中、基R~R11は、同一であっても異なっていてもよく、1~30個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状の飽和または不飽和脂肪族基、またはアリールもしくはアルキルアリールなどの芳香族基を表し、基R~R11の少なくとも1つは、8~30個の炭素原子、好ましくは12~24個の炭素原子を含む基を示す。脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄およびハロゲンなどのヘテロ原子を含んでもよい。脂肪族基は、例えば、C~C30アルキル、C~C30アルケニル、C~C30アルコキシ、ポリオキシ(C~C)アルキレン、C~C30アルキルアミド、(C12~C22)アルキルアミド(C~C)アルキル、酢酸(C12~C22)アルキル、およびC~C30ヒドロキシアルキル基から選択され、Xは、ハロゲン化合物、ホスフェート、アセテート、ラクテート、(C~C)アルキルサルフェート、および(C~C)アルキルまたは(C~C)アルキルアリールスルホネートから選択される。
【0145】
一方、式(III)の四級アンモニウム塩の中でも、テトラアルキルアンモニウム塩、例としては、アルキル基が約12~22個の炭素原子を含むジアルキルジメチルアンモニウム塩またはアルキルトリメチルアンモニウム塩、特にベヘニルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、もしくはベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、または他方でオレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩およびステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩が好ましい。
【0146】
いくつかの場合では、以下の化合物の塩化物塩などの塩を使用することが有用である:
【0147】
A. イミダゾリンの四級アンモニウム塩、例えば、次式(IV)のものなど:
式中、R12は、例えば獣脂脂肪酸に由来する、8~30個の炭素原子を含むアルケニル基またはアルキル基を表し、R13は、水素原子、8~30個の炭素原子を含むC~Cアルキル基またはアルキル基もしくはアルケニル基を表し、R14は、C~Cアルキル基を表し、R15は、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、Xは、アルキル基およびアリール基が好ましくは、それぞれ、1~20個の炭素原子および6~30個の炭素原子を含む、ハロゲン化合物、ホスフェート、アセテート、ラクテート、アルキルサルフェート、アルキルまたはアルキルアリールスルホネートの群から選択されるアニオンである。R12およびR13は、好ましくは、例えば獣脂脂肪酸に由来する、12~21個の炭素原子を含むアルケニル基またはアルキル基の混合物を示し、R14は、好ましくはメチル基を示し、R15は、好ましくは水素原子を示す。このような生成物は、例えば、Evonik社により名称REWOQUAT W75で販売されている。
【0148】
B. 特に式(V)の四級ジアンモニウム塩またはトリアンモニウム塩:
式中、R16は、任意選択によりヒドロキシル化され、かつ/または1つ以上の酸素原子で中断される、約16~30個の炭素原子を含むアルキルラジカルを示し、R17は、水素または1~4個の炭素原子もしくは基(R16a)(R17a)(R18a)N-(CHを含むアルキルラジカルから選択され、R16a、R17a、R18a、R19、R20およびR21は、同一であっても異なっていてもよく、水素および1~4個の炭素原子を含むアルキルラジカルから選択され、Xは、ハロゲン化合物、アセテート、ホスフェート、ニトレート、およびメチルサルフェートの群から選択されるアニオンである。このような化合物は、例えば、Innospec社により販売されているFINQUAT CT-P(クオタニウム-89)およびInnospec社により販売されているFINQUAT CT(クオタニウム-75)である。
【0149】
C. 次式(VI)のものなどの、少なくとも1つのエステル官能基を含む四級アンモニウム塩:
式中、
22は、C~Cアルキル基およびC~Cヒドロキシアルキル基またはジヒドロキシアルキル基から選択され、
23は、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C~C22炭化水素系基であるR27
および水素原子から選択され、
25は、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C~C炭化水素系基であるR29
および水素原子から選択され、
24、R26およびR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C~C21炭化水素系基から選択され、
r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2~6の範囲の整数であり、
yは、1~10の範囲の整数であり、
xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、0~10の範囲の整数であり、
は、単純または複雑な有機または無機アニオンであり、
但し、x+y+zの合計が1~15であり、xが0の場合、RはR27を示し、xが0の場合、R25はR29を示す。
【0150】
アルキル基R22は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、より特定すると直鎖状である。いくつかの場合では、R22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチルまたはジヒドロキシプロピル基を示し、より特定するとメチル基またはエチル基である。有利には、x+y+zの合計は、1~10である。
【0151】
23が炭化水素系基R27である場合、これは長鎖で12~20個の炭素原子を含み得る、または短鎖で1~3個の炭素原子を含み得る。R25が炭化水素系基R29である場合、好ましくは1~3個の炭素原子を含む。有利には、R24、R26およびR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C11~C21炭化水素系基から、より特定すると直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C11~C21アルキル基およびアルケニル基から選択される。
【0152】
いくつかの場合では、xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、0または1の値を有する。同様に、いくつかの場合では、yは1に等しい。いくつかの場合では、r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2または3に等しく、さらにより特定すると2に等しい。
【0153】
アニオンXは、ハロゲン化合物(塩化物、臭化物もしくはヨウ化物)またはアルキルサルフェート、より特定するとアルキルサルフェートであってもよい。しかし、メタンスルホネート、ホスフェート、ニトレート、トシレート、有機酸に由来するアニオン(アセテートもしくはラクテートなど)、またはエステル官能基を含むアンモニウムに適合する他の任意のアニオンを使用してもよい。
【0154】
アニオンXは、さらにより特定すると塩化物またはメチルスルホネートである。
【0155】
より特定すると、本発明による組成物中、式(VI)のアンモニウム塩が使用され、式中、R22は、メチル基またはエチル基であり、xおよびyは1に等しく、zは0または1に等しく、r、sおよびtは2に等しく、R23は、
、メチル、エチルまたはC14~C22炭化水素系基および水素原子から選択され、R25は、
および水素原子から選択され、
24、R26およびR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C13~C17炭化水素系基から、好ましくは直鎖状または分枝状の飽和または不飽和C13~C17アルキル基およびアルケニル基から選択される。炭化水素系基は、有利には、直鎖状である。
【0156】
例えば、式(VI)の化合物、例えばジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム塩、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム塩およびモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウム塩(特に塩化物またはメチルサルフェート)、およびこれらの混合物を挙げることができる。アシル基は、好ましくは、14~18個の炭素原子を含み、より特定すると、パーム油またはヒマワリ油などの植物油から得られる。化合物がいくつかのアシル基を含む場合、これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
【0157】
これらの生成物は、例えば、C10~C30脂肪酸でまたは植物もしくは動物起源のC10~C30脂肪酸の混合物で任意選択によりオキシアルキレン化された、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミンまたはアルキルジイソプロパノールアミンを直接エステル化することによって、あるいはそのメチルエステルのエステル交換によって得られる。このエステル化に後続して、ハロゲン化アルキル(好ましくはメチルもしくはエチル)、ジアルキル(好ましくはメチルもしくはエチル)サルフェート、メチルメタンスルホネート、メチルパラ-トルエンスルホネート、グリコールクロロヒドリンまたはグリセロールクロロヒドリンなどのアルキル化剤を使用して四級化する。このような化合物は、例えば、BASF社により名称DEHYQUARTで、Stepan社によりSTEPANQUATで、Ceca社によりNOXAMIUMまたはEvonik社によりREWOQUAT WE18で販売されている。
【0158】
本発明による組成物は、例えば、四級アンモニウムモノエステル、ジエステルおよびトリエステル塩の混合物(重量の大部分はジエステル塩が占める)を含有してもよい。
【0159】
アニオン性界面活性剤
用語「アニオン性界面活性剤」は、イオン基またはイオン化基として、アニオン基のみを含む界面活性剤を意味する。これらのアニオン基は、好ましくは、COH、CO 、SOH、SO 、OSOH、OSO 、OPOH、OPOHおよびOPO 2-基から選択される。
【0160】
使用可能なアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アシルサルコシネート、アシルグルタメート、アルキルスルホスクシナメート、アシルイセチオネートおよびN-アシルタウレート、アルキルモノエステルおよびポリグリコシド-ポリカルボン酸の塩、アシルアクチレート、D-ガラクトシドウロン酸の塩、アルキルエーテルカルボン酸の塩、アルキルアリールエーテルカルボン酸の塩、およびアルキルアミドエーテルカルボン酸の塩;またはこれら全ての化合物の非塩化形態であってもよく、これら全ての化合物のアルキル基およびアシル基は、6~24個の炭素原子を含み、アリール基はフェニル基を示す。これらの化合物のいくつかは、オキシエチレン化されてよく、次いで好ましくは1~50個のエチレンオキシド単位を含む。
【0161】
ポリグリコシド-ポリカルボン酸のC~C24アルキルモノエステルの塩は、C~C24アルキルポリグリコシドシトレート、C~C24アルキルポリグリコシド-タウレートおよびC~C24アルキルポリグリコシド-スルホスクシネートから選択してもよい。
【0162】
アニオン性界面活性剤が塩の形態である場合、特にナトリウム塩またはカリウム塩、好ましくはナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、特にアミノアルコール塩などのアルカリ金属塩、またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩から選択してもよい。
【0163】
特に挙げることができるアミノアルコール塩の例としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩およびトリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩またはトリイソプロパノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩ならびにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩が挙げられる。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩またはマグネシウム塩を使用してよい。
【0164】
また、任意選択によりエトキシル化され、2~50個のエチレンオキシド単位を含む、(C~C24)アルキルサルフェート、(C~C24)アルキルエーテルサルフェート、およびこれらの混合物も、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアミノアルコール塩の形態で使用される。より優先的には、アニオン性界面活性剤は、(C10~C20)アルキルエーテルサルフェート、特にラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される。
【0165】
両性界面活性剤
本明細書で開示するヘアトリートメント組成物中で有用な両性界面活性剤は、ベタイン、スルタイン、アンホアセテート、アンホプロピオネート、およびこれらの混合物から選択することができる。より典型的には、ベタインおよびアンホプロピオネートが使用され、最も典型的にはベタインが使用される。現在の組成物中に使用することができるベタインには、次式のものが挙げられる。
(式中、
10は、8~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、
nは、1~3の整数である)
【0166】
特に有用なベタインとしては、例えば、ココベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ベヘニルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ステアリルベタイン、およびこれらの混合物が挙げられる。典型的には、少なくとも1種のベタイン化合物が、ココベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、およびこれらの混合物、より典型的にはココベタインおよび/またはココアミドプロピルベタインからなる群から選択される。
【0167】
本発明の組成物中で有用なヒドロキシスルタインには、以下が挙げられる。
(式中、
Rは、8~18個の炭素原子を有するアルキル基である)
【0168】
有用なアルキルアンホアセテートとしては、次式を有するものが挙げられる。
(式中、
Rは、8~18個の炭素原子を有するアルキル基である)
【0169】
有用なアルキルアンホジアセテートとしては、次式を有するものが挙げられる。
(式中、
Rは、8~18個の炭素原子を有するアルキル基である)
【0170】
本開示の両性界面活性剤は、脂肪族基が、8~22個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である、任意選択により四級化された二級または三級脂肪族アミン誘導体であってもよく、前記アミン誘導体は、少なくとも1つのアニオン基、例えばカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェートまたはホスホネート基を含む。
【0171】
特に(C~C20)アルキルベタイン、(C~C20)アルキルアミド(C~C)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C~C20)アルキルスルホベタイン、(C~C20)アルキルアミド(C~C)アルキルスルホベタイン、(C~C20)アルキルアンホアセテート、(C~C20)アルキルアンホジアセテート、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0172】
使用可能な任意選択により四級化された二級または三級脂肪族アミン誘導体の中では、以下の各構造(A1)および(A2)の生成物も挙げることができる。
【0173】
(A1)Ra-CON(Z)CH-(CH)m-N+(Rb)(Rc)(CHCOO
(式中、
Raは、好ましくは加水分解されたヤシ油中に存在する酸Ra-COOHに由来するC10~C30アルキル基もしくはアルケニル基、ヘプチル基、ノニル基またはウンデシル基を表し、
Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
Rcは、カルボキシメチル基を表し、
mは、0、1または2に等しく、
Zは、水素原子またはヒドロキシエチル基もしくはカルボキシメチル基を表す)
【0174】
(A2)Ra’-CON(Z)CH-(CH)m’-N(B)(B’)
(式中、
Bは、-CHCHOX’を表し、式中、X’は、-CH-COOH、CH-COOZ’、CHCH-COOH、-CHCH-COOZ’または水素原子を表し、
B’は、-(CH)z-Y’を表し、式中、z=1または2であり、Y’は、COOH、COOZ’、CH-CHOH-SOHまたは-CH-CHOH-SOZ’を表し、
m’は、0、1または2に等しく、
Zは、水素原子またはヒドロキシエチル基もしくはカルボキシメチル基を表し、
Z’は、ナトリウム、カリウムもしくはマグネシウムなどのアルカリもしくはアルカリ土類金属から得られるイオン;アンモニウムイオン;または有機アミン、特にモノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミンもしくはトリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどのアミノアルコールから得られるイオンを表し、
Ra’は、好ましくは加水分解された亜麻仁油またはヤシ油中に存在する酸Ra’COOHのC10~C30アルキル基またはアルケニル基、アルキル基、特にC17アルキル基、およびそのイソ型、または不飽和C17基を表す)
【0175】
式(A2)に対応する化合物(式中、X’は水素原子を表す)の中では、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、カプロアンホ酢酸ナトリウムおよびカプリロアンホ酢酸ナトリウムの名称の化合物を挙げることができる。
【0176】
その他の式(A2)に対応する化合物は、ココアンホジ酢酸ニナトリウム、ラウロアンホジ酢酸ニナトリウム、カプロアンホジ酢酸ニナトリウム、カプリロアンホジ酢酸ニナトリウム、ココアンホジプロピオン酸ニナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸ニナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸ニナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸ニナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸およびココアンホジプロピオン酸である。
【0177】
挙げることができる例としては、Rhodia社により商品名Miranol(登録商標)C2M濃縮物で販売されているココアンホジアセテート、商品名Miranol Ultra C32で販売されているココアンホ酢酸ナトリウムおよび商品名CHIMEXANE HAでChimex社により販売されている製品が挙げられる。
【0178】
式(A3)の化合物:
(A3) Ra”-NH-CH(Y”)-(CH)n-C(O)-NH-(CH)n’-N(Rd)(Re)
も挙げることができる。
(式中、
- Ra”は、好ましくは加水分解された亜麻仁油またはヤシ油中に存在する酸Ra”-C(O)OHのC10~C30アルキル基またはアルケニル基を表し、
- Y”は、基-C(O)OH、-C(O)OZ”、-CH-CH(OH)-SOHまたは基CH-CH(OH)-SO-Z”を表し、Z”は、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンまたは有機アミンから得られるイオンなど、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から得られるカチオン対イオンを表し、
- RdおよびReは、互いに独立して、C~Cアルキル基またはヒドロキシアルキルラジカルを表し、
- nおよびn’は、互いに独立して、1~3の範囲の整数を示す)
【0179】
式(A3)に対応する化合物の中では、特にジエチルアミノプロピルココアスパルトアミドナトリウムの名称の化合物を挙げることができる。
【0180】
好ましくは、両性界面活性剤は、(C~C20)アルキルベタイン、(C~C20)アルキルアミド(C~C)アルキルベタイン、(C~C20)アルキルアンボアセテートおよび(C~C20)アルキルアンホジアセテート、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0181】
いくつかの場合では、少なくとも1種の両性界面活性剤は、(C~C20)アルキルベタイン、(C~C20)アルキルアミド(C~C)アルキルベタイン、(C~C20)アルキルアンホアセテート、(C~C20)アルキルアンホジアセテート、およびこれらの塩、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの場合では、少なくとも1種の両性界面活性剤は、ココベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジ酢酸ニナトリウム、およびこれらの混合物から選択される。
【0182】
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤は、それら自体で周知の化合物である(例えば、この件については、その全内容が本明細書に参照により援用される、M.R.Porter著の「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son pulishers(Glasgow and London)、1991年、116~178頁)。
【0183】
非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノールおよび脂肪酸エステルであってもよく、これらの化合物は、エトキシル化、プロポキシル化またはグリセロール化され、例えば8~18個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基の数が2~50個の範囲、グリセロール基の数が1~30個の範囲である可能性がある。マルトース誘導体も挙げることができる。非限定的に、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと脂肪アルコールの共重合体;エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと脂肪アルコールの縮合物;例えば2~30モルのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5~5個(1.5~4個など)のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2~30モルのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物起源のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C~C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノまたはジエステル;N-(C~C24)アルキルグルカミン誘導体、(C10~C14)アルキルアミンオキシドまたはN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリノオキシドなどのアミンオキシド;ならびにこれらの混合物も挙げることができる。
【0184】
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ポリオキシアルキレン化またはポリグリセロール化非イオン性界面活性剤から選択されてよい。オキシアルキレン単位は、より特定すると、オキシエチレン単位またはオキシプロピレン単位、またはこれらの混合物であり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0185】
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤の例としては、[0115]オキシアルキレン化(C~C24)アルキルフェノール、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状オキシアルキレン化C~C30アルコール、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状オキシアルキレン化C~C30アミド、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC~C30酸およびポリエチレングリコールのエステル、飽和または不飽和の直鎖状または分枝状のC~C30酸およびソルビトールのポリオキシアルキレン化エステル、飽和または不飽和のオキシアルキレン化植物油、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの縮合物、特に単体または混合物が挙げられる。
【0186】
界面活性剤は、好ましくは、2~100、最も好ましくは2~50のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドのモル数を含む。有利には、非イオン性界面活性剤は、オキシプロピレン単位を一切含まない。
【0187】
本発明の好ましい一実施形態によれば、オキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン化C~C30アルコールから選択される。
【0188】
挙げることができるエトキシル化脂肪アルコール(またはC~C30アルコール)の例としては、エチレンオキシドとラウリルアルコールの付加物、具体的には9~50個のオキシエチレン基を含むもの、より特定すると10~25個のオキシエチレン基を含むもの(ラウレス-10からラウレス-25);エチレンオキシドとべへニルアルコールの付加物、具体的には9~50個のオキシエチレン基を含むもの(ベヘネス-9からベヘネス-50);エチレンオキシドとセテアリルアルコールの付加物(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)、具体的には10~30個のオキシエチレン基を含むもの(セテアレス-10からセテアレス-30);エチレンオキシドとセチルアルコールの付加物、具体的には10~30個のオキシエチレン基を含むもの(セテス-10からセテス-30);エチレンオキシドとステアリルアルコールの付加物、具体的には10~30個のオキシエチレン基を含むもの(ステアレス-10からステアレス-30);エチレンオキシドとイソステアリルアルコールの付加物、具体的には10~50個のオキシエチレン基を含むもの(イソステアレス-10からイソステアレス-50);およびこれらの混合物が挙げられる。
【0189】
ポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、ポリグリセロール化C~C40アルコールを使用することが好ましい。
【0190】
特に、ポリグリセロール化C~C40アルコールは、次式に対応する。
RO-[CH-CH(CHOH)-O]-HまたはRO-[CH(CHOH)-CHO]-H
(式中、Rは、直鎖状または分枝状C~C40、好ましくはC~C30アルキルまたはアルケニルラジカルを表し、mは、1~30、好ましくは1.5~10の範囲の数を表す)
【0191】
本発明との関連において好適な化合物の例として、4モルのグリセロールを含むラウリルアルコール(ICNI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含むラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含むオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含むセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含むオレオセチルアルコール、および6モルのグリセロールを含むオクタデカノールを挙げることができる。
【0192】
アルコールは、mの値が統計値を表し、市販製品において、いくつかの種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存し得ることを意味するのと同様のアルコール混合物を表し得る。
【0193】
本発明による実施形態の1つによれば、非イオン性界面活性剤は、ポリオールと例えば8~24個の炭素原子、好ましくは12~22個の炭素原子を含む飽和または不飽和鎖を有する脂肪酸のエステル、ならびに好ましくは10~200、より好ましくは10~100のアルキレンオキシド数を有するそれらのアルコキシル化誘導体、例えば好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸または酸のグリセリルエステルおよびこれらのアルコキシル化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸または酸のポリエチレングリコールエステルおよびこれらのアルコキシル化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸または酸のソルビトールエステルおよびこれらのアルコキシル化誘導体;好ましくはアルキレンオキシドの数が10~200、より好ましくは10~100の、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸または酸の糖(スクロース、グルコース、アルキルグリコース)エステルおよびこれらのアルコキシル化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;糖およびC~C24、好ましくはC12~C22脂肪アルコールまたはアルコールのエーテル;ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0194】
挙げることができるエトキシル化脂肪エステルの例としては、エチレンオキシドとラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸のエステルの付加物、およびその混合物、特に9~100個のオキシエチレン基を含むもの、例えばラウリン酸PEG-9からPEG-50;パルミチン酸PEG-9からPEG-50;ステアリン酸PEG-9からPEG-50;パルミトステアリン酸PEG-9からPEG-50;ベヘン酸PEG-9からPEG-50;モノステアリン酸ポリエチレングリコール100EO;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
脂肪酸のグリセリルエステルとして、ステアリン酸グリセリル(モノ、ジおよび/またはトリステアリン酸グリセリル)(ステアリン酸グリセリル)またはリシノール酸グリセリルおよびこれらの混合物を特に列挙することができる。
【0196】
~C24アルコキシル化脂肪酸のグリセリルエステルとして、例えば、ステアリン酸ポリエトキシル化グリセリル(モノ、ジおよび/またはトリステアリン酸グリセリル)、例えばステアリン酸PEG-20グリセリルを列挙することができる。
【0197】
これらの界面活性剤の混合物、例えば、Crodaにより名称ARLACEL 165で市販されている、ステアリン酸グリセリルおよびステアリン酸PEG-100を含む製品、ならびにステアリン酸グリセリル(モノおよびジステアリン酸グリセリル)およびステアリン酸カリウムを含む製品なども使用することができる。
【0198】
~C24脂肪酸のソルビトールエステルおよびそのアルコキシル化誘導体は、パルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンならびに脂肪酸および例えば20~100個のEOを含むアルコキシル化ソルビタンのエステル、例えば、トリオレイン酸ポリエチレンソルビタン(ポリソルベート85)またはCrodaより商品名Tween20またはTween60で市販されている化合物などから選択することができる。
【0199】
脂肪酸およびグルコースまたはアルキルグルコースのエステルとして、特にパルミチン酸グルコース、セスキステアリン酸メチルグルコースなどのセスキステアリン酸アルキルグルコース、パルミチン酸メチルグルコースまたはパルミチン酸エチルグルコースなどのパルミチン酸アルキルグルコース、メチルグルコシド脂肪エステル、より具体的にはメチルグルコシドとオレイン酸のジエステル(ジオレイン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドの混合エステルと混合オレイン酸/ヒドロキシステアリン酸(ジオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドのエステルとイソステアリン酸(イソステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドのエステルとラウリン酸(ラウリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドのモノエステルおよびジステルとイソステアリン酸の混合物(セスキイソステアリン酸メチルグルコース)、メチルグルコシドのモノエステルおよびジエステルとステアリン酸の混合物(セスキステアリン酸メチルグルコース)、特にLubrizolより名称Glucate SSで市販されている製品、ならびにこれらの混合物を列挙することができる。
【0200】
脂肪酸およびグルコースまたはアルキルグルコースのエトキシル化エーテルとして、脂肪酸およびメチルグルコースのエトキシル化エーテル、特にメチルグルコースおよび約20モルのエチレンオキシドを有するステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(ジステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、例えばLubrizolより名称GLUCAM E-20 DISTEARATEで市販されている製品、メチルグルコースおよび約20モルのエチレンオキシドを有するステアリン酸のモノエステルおよびジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース)、特にLubrizolより名称GLUCAMATE SSE-20で市販されている製品、ならびにこれらの混合物を列挙することができる。
【0201】
スクロースエステルとして、例えば、ショ糖パルミトステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルおよびショ糖モノラウリン酸エステルを列挙することができる。
【0202】
糖エーテルとして、アルキルポリグルコシドを使用することができ、例えば、デシルグルコシド、例えばKao Chemicalsより名称MYDOL 10で市販されている製品、BASFより名称PLATAREN2000で市販されている製品、およびSeppicより名称ORAMIX NS10で市販されている製品、カプリリル/カプリルグルコシド、例えばSeppicにより名称ORAMIX CG110で市販されている製品またはBASFにより名称LUTENSOL GD70で市販されている製品、ラウリルグルコシド、例えばBASFにより名称PLANTAREN 1200NおよびPLANTACARE 1200で市販されている製品、ココグルコシド、例えばBASFにより名称PLANTACARE 818/UPで市販されている製品、例えばSeppicにより名称MONTANOV68で、Evonikにより名称TEGO-CARE CG90で市販されている、場合によりセトステアリルアルコールと混合したセトステアリルグルコシド、例えばアラキジルおよびベヘニルアルコールの混合物の形態のアラキジルグルコシドおよびSeppicにより名称MONTANOV202で市販されているアラキジルグルコシド、Seppicにより名称MONTANOV82で市販されている、例えばセチルおよびステアリルアルコールの混合物(35/65)の形態のココイルエチルグルコシド、ならびにこれらの混合物を特に列挙することができる。
【0203】
アルコキシル化植物油のグリセリドの混合物、例えばエトキシル化(200EO)ヤシおよびコプラ(7EO)グリセリドの混合物も列挙することができる。
【0204】
非イオン性界面活性剤は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコシド、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ジオレイン酸PG-5、ジイソステアリン酸PG-4、イソステアリン酸PG-10、イソステアリン酸PEG-8、およびPEG-60硬化ヒマシ油からなる群から選択されることが好ましい。
【0205】
これらの脂肪アルコールおよび脂肪エステルのオキシエチレン化誘導体の混合物も使用することができる。
【0206】
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、HLBが18.0以下、例えば4.0~18.0、より好ましくは6.0~15.0、さらに好ましくは9.0~13.0の非イオン性界面活性剤であってもよい。HLBは、分子中の親水性部分と疎水性部分の比である。この用語HLBは当業者に周知であり、「The HLB system. A time-saving guide to emulsifier selection」(ICI Americas Inc.より発行、1984)に記載されている。
【0207】
いくつかの場合では、非イオン性界面活性剤は、脂肪アルカノールアミドである。使用可能な脂肪アルカノールアミドの非限定的な例としては、コカミドMEA、コカミドDEA、ソイアミドDEA、ラウラミドDEA、オレアミドMIPA、ステアラミドMEA、ミリスタミドDEA、ステアラミドDEA、オレイルアミドDEA、タロウアミドDEA、ラウラミドMIPA、タロウアミドMEA、イソステアラミドDEA、イソステアラミドMEA、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0208】
シリコーン
例示的なシリコーンとしては、これらに限定されないが、環状シリコーン、例えば環状主鎖(例えば、シロキサン)中に3~6または3~4または3~5個(または3、4、5もしくは6個のいずれか)のSi-O基を有するものが挙げられる。いくつかの場合では、環状シリコーンは、揮発性シリコーンである。いくつかの場合では、環状シリコーンは、低粘度シリコーンである。例示的な環状シリコーンとしては、これらに限定されないが、シクロメチコン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン(例えば、シクロメチコン5-NF)、シクロヘキサシロキサンならびにシクロヘキサシロキサンとシクロペンタシロキサンとの混合物(例えば、DOW CORNING 246流体(d6+d5))が挙げられる。その他のシリコーンの非限定的な例は、側基または側鎖を有するシリコーンである。いくつかの場合では、側基は疎水性である。いくつかの場合では、側基は直鎖状であるが、他の実施形態では、側基は分枝状である。例示的な側鎖は、1~6または2~6または3~6または3~6または5~6個の炭素またはヘテロ原子(例えば、O、SまたはN)(またはこれらの混合物)を有するものを含む。例示的な直鎖状側鎖には、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。例示的な分枝状側鎖には、これらに限定されないが、イソプロピル、イソブチルおよびtert-ブチルが挙げられる。非限定的な一実施形態において、分枝状側鎖は-O-Si(CHである。分枝状側鎖を有するシリコーンの非限定的な例は、ステアリルジメチコンおよびフェニルトリメチコン、セチルジメチコン、カプリリルメチコン、PEG/PPG 18/18ジメチコンであり、これらの構造は以下の通りである。
【0209】
上式中、m、n、xおよびyは、独立して、1~100、1~80、1~60、1~50、1~40、1~30、1~20または1~10の整数であってもよい。いくつかの場合では、側鎖は環状である。環状側鎖には、脂肪族側鎖および芳香族側鎖が挙げられる。環状側鎖の非限定的な例は、フェニルである。
【0210】
先述の疎水性または極性基を有するシリコーンに関して、油の疎水性鎖に関して反発性のシリコーンは、油の疎水性-疎水性相互作用を阻害しないため、より安定性の泡を生成すると考えられる。例示的な親水性または極性基としては、カルボニル基、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、カルボキシル基などの、1つ以上のメチル基を置換する酸素含有基が挙げられる。親水性/極性基は、シリコーンの主鎖または側鎖中に代替的に存在する。親水性基を有するシリコーンの非限定的な例は、PEG/PPG 18/18ジメチコンおよびジメチコノールであり、これらの構造は、以下の通りである。
(X、y、mおよびnは、上記の通りであり、RはC~C10アルキルである)
【0211】
別のタイプの特定の非限定的な揮発性シリコーンは、揮発性短鎖直鎖状アルキルメチルシリコーン流体である。揮発性短鎖直鎖状アルキルメチルシリコーン流体は、次式を有する。
【0212】
上式中、nで表す整数は、5~12の値を有する。好ましくは、nは5~8の値を有する。化合物としては、例えば、3-ヘキシル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサンおよび3-オクチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサンが挙げられる。
【0213】
本発明によるさらに別のタイプの揮発性シリコーンは、揮発性短鎖直鎖状フェニルメチルシリコーン流体である。揮発性短鎖直鎖状フェニルメチルシリコーン流体は、次式を有する。
【0214】
この化合物は、3-フェニル-1,1,1,3,4,4,4-ヘプタメチルトリシロキサンである。本明細書に記載の組成物中で有用なさらなる揮発性シリコーン流体としては、これらに限定されないが、約370の分子量、1.40の屈折率、および式[(Me)SiO]を有するデカメチルシクロペンタシロキサン(DMCPS);約306の分子量および1.41の屈折率を有する化合物3-ヘキシル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン(HHMTS);ならびに約298の分子量および1.45の屈折率を有する化合物3-フェニル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン(PHMTS)が挙げられる。
【0215】
本開示の範囲中で使用可能なアミノシリコーンとして、以下を列挙することができる。
a)式(A)に対応するポリシロキサン:
(式中、x’およびy’は、重量平均分子量(Mw)が約5000~500,000を占めるような整数である)
b)式(B)に対応するアミノシリコーン:
R’3-a-Si(OSiG)n-(OSiGbR’2-b)m-O-SiG3-a-R’ (B)
(式中、
- Gは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはフェニル、OHもしくはC~Cアルキル基、例えばメチル、もしくはC~Cアルコキシ、例えばメトキシを示し、
- aは、同一であっても異なっていてもよく、数0または1~3の整数、特に0を示し、
- bは、0または1、特に1を示し、
- mおよびnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲であり、nが0~1999、特に49~149の範囲を示し、mが1~2000、特に1~10の範囲を示す可能性があるような数であり、
- R’は、同一であっても異なっていてもよく、式-CqHqLを有する一価のラジカルを示し、式中、qは2~8の範囲の数であり、Lは、以下の基から選択される任意選択により四級化されたアミノ基である:
-NR”-Q-N(R”)
-N(R”)
-N+(R”)A-
-N+H(R”)A-
-N+H(R”)A-
-N(R”)-Q-N+R”HA-
-NR”-Q-N+(R”)HA-
-NR”-Q-N+(R”)A-
(式中、R”は、同一であっても異なっていてもよく、水素、フェニル、ベンジル、または飽和一価炭化水素系ラジカル、例えばC~C20アルキルラジカルを示し、Qは、直鎖状または分枝状CrH2r基を示し、rは、2~6、好ましくは2~4の範囲の整数であり、A-は、美容上許容されるイオン、特にフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物などのハロゲン化合物を表す)。
【0216】
この定義(B)に対応するアミノシリコーンの群は、式(C)を有する「トリメチルシリルアモジメチコン」と称するシリコーンによって表される:
(式中、nおよびmは、式B中の上記と同じ意味を有する)。
【0217】
別の群のこの定義に対応するアミノシリコーンは、次式(D)または(E)を有するシリコーンによって表される:
(式中、
- mおよびnは、合計(n+m)が1~1000、特に50~250、より特定すると100~200の範囲であってもよく、nが0~999、特に49~249、より特定すると125~175の数を示し、mが1~1000、特に1~10、より特定すると1~5の数を示す可能性があるような数であり、
- R、R、Rは、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシ基またはC~Cアルコキシラジカルを表し、ここで、ラジカルR~Rの少なくとも1つはアルコキシラジカルを表す)。
【0218】
アルコキシラジカルは、好ましくは、メトキシラジカルである。
【0219】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは0.2:1~0.4:1、好ましくは0.25:1~0.35:1の範囲であり、より特定すると0.3:1に等しい。
【0220】
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2000~1,000,000、より特定すると3500~200,000の範囲である。
【0221】
(式中、
- pおよびqは、合計(p+q)が1~1000、特に50~350、より特定すると150~250を範囲とし、pが0~999、特に49~349、より特定すると159~239の数を示し、qが1~1000、特に1~10、より特定すると1~5の数を示す可能性があるような数であり、
- R、Rは、異なっており、ヒドロキシラジカルまたはC~Cアルコキシラジカルを表し、ラジカルRまたはRの少なくとも片方がアルコキシラジカルを示す)。
【0222】
アルコキシラジカルは、好ましくは、メトキシラジカルである。
【0223】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般的に1:0.8~1:1.1、好ましくは1:0.9~1:1の範囲であり、より特定すると1:0.95に等しい。
【0224】
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2000~200,000、さらにより特定すると5000~100,000、より特定すると10,000~50,000の範囲である。
【0225】
構造(D)または(E)を有するこれらのシリコーンに対応する市販製品は、構造が式(D)または(E)とは異なる1つ以上の他のアミノシリコーンをそれらの組成中に含み得る。
【0226】
構造(D)を有するアミノシリコーンを含有する製品は、Wackerにより名称Belsil(登録商標)ADM652で販売されている。
【0227】
構造(E)を有するアミノシリコーンを含有する製品は、Wackerにより名称Fluid WR 1300(登録商標)で販売されている。
【0228】
これらのアミノシリコーンを使用する場合、特に有利な一実施形態は、水中油型エマルジョンの形態で使用するものである。水中油型エマルジョンは、1種以上の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤の性質は任意であるが、好ましくはカチオン性および/または非イオン性である。エマルジョン中のシリコーン粒子の数平均サイズは、一般的に、3nm~500ナノメートルの範囲である。好ましくは、特に式(E)を有するアミノシリコーンとして、平均粒径が5nm~60ナノメートル(両端値を含む)、より好ましくは10nm~50ナノメートル(両端値を含む)のマイクロエマルジョンが使用される。これに応じて、本発明によれば、WackerによりFinish CT96E(登録商標)またはSLM28020(登録商標)で販売されている、式(E)を有するアミノシリコーンのマイクロエマルジョンを使用することができる。
【0229】
別の群のこの定義に対応するアミノシリコーンは、次式(F)によって表される:
(式中、
- mおよびnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲であり、nが0~1999、特に49~149の数を示し、mが1~2000、特に1~10の数を示す可能性があるような数であり、
- Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレンラジカルを示す。このラジカルは、好ましくは直鎖状である。)
【0230】
これらのアミノシリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2000~1,000,000、さらにより特定すると3500~200,000の範囲である。
【0231】
式(F)の好ましいシリコーンは、Dow Corningにより商品名XIAMETER(登録商標)MEM-8299カチオン性エマルジョンで販売されているアモジメチコン(INCI名)である。
【0232】
別の群のこの定義に対応するアミノシリコーンは、次式(G)によって表される:
(式中、
- mおよびnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲であり、nが0~1999、特に49~149の数を示し、mが1~2000、特に1~10の数を示す可能性があるような数であり、
- Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレンラジカルを示す。このラジカルは、好ましくは分枝状である。)。
【0233】
これらのアミノシリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500~1,000,000、さらにより特定すると1000~200,000の範囲である。
【0234】
この式を有するシリコーンは、例えば、Dow Corning製のDC2-8566アミノ流体である。
【0235】
c)式(H)に対応するアミノシリコーン:
(式中、
- Rは、1~18個の炭素原子を含む1価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキルラジカルまたはC~C18アルケニルラジカル、例えばメチルを表し、
- Rは、2価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキレンラジカルまたは2価のC~C18、例えばC~Cアルキレンオキシラジカル(SiC結合を介してSiに結合している)を表し、
- Q-は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物などのアニオン、または有機酸塩(例えば、アセテート)であり、
- rは、2~20、特に2~8の平均統計値を表し、
- sは、20~200、特に20~50の平均統計値を表す)。
【0236】
このようなアミノシリコーンは、より特定的に米国特許第4,185,087号に記載されている。
【0237】
d)式(I)を有する四級アンモニウムシリコーン:
(式中、
- Rは、同一であっても異なっていてもよく、1~18個の炭素原子を含む一価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキルラジカル、C~C18アルケニルラジカルまたは5もしくは6個の炭素原子を含む環、例えばメチルを表し、
- Rは、2価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキレンラジカルまたは2価のC~C18、例えばC~Cアルキレンオキシラジカル(SiC結合を介してSiに結合されている)を表し、
- Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1~18個の炭素原子を含む1価の炭化水素系ラジカル、特にC~C18アルキルラジカル、C~C18アルケニルラジカルまたは-R-NHCORラジカルを表し、
- X-は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物などのアニオン、または有機酸塩(例えば、アセテート)であり、
- rは、2~100、特に5~100の平均統計値を表す)。
このようなシリコーンは、例えばEP出願第0,530,974号に記載されている。
【0238】
e)式(J)を有するアミノシリコーン:
(式中、
- R、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、C~Cアルキルラジカルまたはフェニル基を示し、
- Rは、C~Cアルキルラジカルまたはヒドロキシル基を示し、
- nは、1~5の範囲の整数であり、
- mは、1~5の範囲の整数であり、
xは、0.01~1meq/gのアミン数になるように選択される)。
【0239】
f)タイプ(AB)nのマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン(Aは、ポリシロキサンブロックであり、Bは、少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレン化ブロックである)。
【0240】
前記シリコーンは、好ましくは、以下の一般式を有する反復単位で構成される:
[-(SiMeO)SiMe-R-N(R”)-R’-O(CO)(CO)-R’-N(H)-R-]
あるいは
[-(SiMeO)SiMe-R-N(R”)-R’-O(CO)(CO)-]
(式中、
- aは、1以上、好ましくは5~200の範囲、より特定すると10~100の範囲の整数であり、
- bは、0~200、好ましくは4~100、より特定すると5~30の範囲を占める整数であり、
- xは、1~10,000、より特定すると10~5000の範囲の整数であり、
- R”は、水素原子またはメチルであり、
- Rは、同一であっても異なっていてもよく、任意選択により酸素などのヘテロ原子を1個以上含む、2価の直鎖状または分枝状C~C12炭化水素系ラジカルを表し、好ましくは、Rは、エチレンラジカル、直鎖状もしくは分枝状プロピレンラジカル、直鎖状もしくは分枝状ブチレンラジカル、またはCHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し、優先的には、Rは、CHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し、
- R’は、同一であっても異なっていてもよく、任意選択により酸素などのヘテロ原子を1個以上含む、2価の直鎖状または分枝状C~C12炭化水素系ラジカルを表し、好ましくは、R’は、エチレンラジカル、直鎖状もしくは分枝状プロピレンラジカル、直鎖状もしくは分枝状ブチレンラジカル、またはCHCHCHOCH(OH)CH-ラジカルを示し、優先的には、R’は、-CH(CH)-CH-を示す)。
【0241】
シロキサンブロックは、好ましくはシリコーンの総重量の50~95モル%、より特定すると70~85モル%を表す。
【0242】
アミン含有量は、好ましくは、30%ジプロピレングリコール溶液中の共重合体の0.02~0.5meq/g、より特定すると0.05~0.2である。
【0243】
シリコーンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000~1,000,000、より特定すると10,000~200,000を占める。
【0244】
具体的には、Momentiveにより名称Silsoft(商標)A-843またはSilsoft(商標)A+で販売されているシリコーンを挙げることができる。
【0245】
g)次式(K)に対応するアルキルアミノシリコーン:
(式中、
- xおよびyは、1~5000の範囲の数であり、好ましくは、xは10~2000、特に100~1000を範囲とし、yは1~100を範囲とし、
- RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の飽和または不飽和アルキルラジカルであり、
- Aは、2~8個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状アルキレンラジカルであり、
好ましくは、Aは、3~6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み、好ましくは、Aは分枝状である。具体的には、以下の2価のラジカル:-CHCHCHおよび-CHCH(CH)CH-を挙げることができる)。
【0246】
好ましくは、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む飽和直鎖状アルキルラジカルであり、特にドデシルラジカル、テトラデシルラジカル、ペンタデシルラジカル、ヘキサデシルラジカル、ヘプタデシルラジカル、オクタデシルラジカル、ノナデシルラジカルおよびエイコシルラジカルを挙げることができ、優先的には、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)ラジカルおよびオクタデシル(ステアリル)ラジカルから選択される。
【0247】
優先的には、シリコーンは、式(K)で表され、
- xは、10~2000、特に100~1000を範囲とし、
- yは、1~100を範囲とし、
- Aは、3~6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み、
好ましくは、Aは分枝状であり、より特定するとAは、以下の2価のラジカル:CHCHCHおよび-CHCH(CH)CH-から選択され、
- RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む直鎖状の飽和アルキルラジカルであり、特にドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシルラジカルから選択され、優先的には、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)ラジカルおよびオクタデシル(ステアリル)ラジカルから選択される。
【0248】
式(K)の好ましいシリコーンは、ビス-セテアリルアモジメチコン(INCI名)である。
【0249】
具体的には、Momentiveにより名称Silsoft(商標)AXで販売されているシリコーンを挙げることができる。
【0250】
好ましくは、本発明によるアミノシリコーンは、式(F)のアミノシリコーンから選択される。式(F)の好ましいシリコーンは、Dow Corningにより商品名XIAMETER(登録商標)MEM-8299カチオン性エマルジョンで販売されているアモジメチコン(INCI名)である。
【0251】
本開示は、以下の実施例によって実行される。これらの実施例は、本質的に制限せずに技術を例示する役割を果たす。
【実施例0252】
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
【0257】
【0258】
【0259】
実施例4-4(繊維耐久性試験)
繊維耐久性試験(破壊までのサイクル(CTB))を、Dia-Stron繰り返し疲労引張試験機(CFTT)を使用して実施した。より高いCTBは、より耐久性のある繊維を示す。以下の3つの群の毛髪見本を試験した。
(1)天然の毛髪見本
(2)標準のサルフェート系シャンプーで10回シャンプーした毛髪
(3)標準のサルフェート系シャンプーでシャンプーした後、実施例4-1の製剤Aに対応するコンディショナーでトリートメントした毛髪見本。これを10回繰り返した。
【0260】
各見本の毛髪サンプルのサイズは、一サンプル当たり約50個の繊維であった。繊維の長さは28mmだった。実験は、約23℃、45%の相対湿度、および所定の速度で指定領域全体にわたって一定の応力にて実施した。
【0261】
CTBの結果は、標準のサルフェート系シャンプーでシャンプーし、実施例4-1の製剤Aに対応するコンディショナーで処置した毛髪見本が、破壊に至るために最も多くのサイクルを要した(最も強力だった)ことを示した。標準のサルフェート系シャンプーで10回シャンプーした毛髪見本は、破壊に至るために天然の毛髪見本(対照)より多くのサイクルを要したが、それは、水の吸収およびシャンプー中の1種以上の成分による潜在的な可塑化効果に起因する可能性がある。平均CTBを以下の表に記録する。3つの異なる群の毛髪見本それぞれについての平均CTBの差は、統計的に有意だった。
【0262】
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
実施例9(シャンプーおよびコンディショニングの特性)
実施例1の製剤1のシャンプーを、プラセボシャンプーと比較した。プラセボシャンプーは、3重量%のタウリンも3重量%のクエン酸も含まなかった以外は製剤1のシャンプーと同一だった。1グラムの脱色した毛髪見本を水で10秒間濡らし、0.3グラムのシャンプー(製剤1のシャンプーまたはプラセボシャンプーのいずれか)を毛髪全体に30秒間、泡立てた。次いで毛髪見本を水で30秒間洗い流し、空気乾燥した。乾燥したら、専門家の一団によって見本を評価した。
【0267】
製剤1で処置した毛髪見本は、プラセボシャンプーで処置した毛髪見本と比べて、より被覆され、より強力な繊維の感触を持ち、より統制がとれており、よりしなやかだった。プラセボシャンプーで処置した毛髪見本は、製剤1で処置した毛髪見本と比べて、よりやわらかく、よりコシがなく、より滑らかだった。
【0268】
実施例4の製剤12のコンディショナーを、プラセボコンディショナーと比較した。プラセボコンディショナーは、タウリンもクエン酸も含まなかった以外は製剤12のコンディショナーと同一だった。1gの脱色した毛髪見本を水で10秒間濡らした。次いで0.3グラムのコンディショナー(製剤12のコンディショナーまたはプラセボコンディショナーのいずれか)を毛髪見本に適用し、毛髪見本上に5分間保持させた。次いで毛髪見本を水で10秒間洗い流し、空気乾燥させた。
【0269】
製剤12で処置した毛髪見本は、プラセボコンディショナーで処置した毛髪見本と比べて、より被覆され、より強力な繊維の感触を持ち、より統制がとれており、よりしなやかであり、終端がより閉口しており、よりコンパクトであり、より明確なカールを示していた。プラセボコンディショナーで処置した毛髪見本は、製剤12で処置した毛髪見本と比べて、よりザラつく感触を有し、より多くの縮れを示した。
【0270】
実施例9(消費者試験)
白色人種系およびヒスパニック系/ラテン系の年齢18~50歳の消費者が、2週間の盲検定性的モナディック家庭調査に参加した。消費者らは、以下の7つの特質(粗い/ザラつく、縮れている、パサつく、乾燥により変色している、脆弱である、ツヤがない、または張りがない/コシがない)のうち少なくとも3つを有するとして自分たちの毛髪を説明した。消費者は全員、毎週少なくとも3回、シャンプーおよびコンディショニングを厳格な管理下で実施した。
【0271】
2週間の間、消費者は、彼らが常用していたシャンプーおよびコンディショニングを止め、代わりに実施例1の製剤4のシャンプーおよび実施例4の製剤11のコンディショナーを使用するようにした。消費者らは、これらの製剤による自分たちの毛髪のシャンプーおよびコンディショニングを毎週少なくとも3回継続するように指示された。
【0272】
一部の消費者は、この習慣を開始した際に、毛髪の初期のパサつきに不平を漏らした。しかし、使用を継続してから1週間後、消費者は、自分たちの毛髪が強化されたことと、開始前より健康になったことを報告した。使用から2週間後、消費者は、破壊に対する保護が向上したことを報告した。
【0273】
先の記述は、本開示を例示し、説明している。加えて、本開示は、好ましい実施形態のみを示し、説明しているが、前述の通り、さまざまなその他の組み合わせ、修正、および環境において使用することができ、本明細書において表される本発明の概念の範囲内で、上記の教示および/または関連技術の技能もしくは知見に相応の変更または修正が可能であることを理解されたい。上記の本明細書に記載の実施形態は、さらに、本出願人に知られる最良の様式を説明し、他の当業者が、該実施形態またはその他の実施形態において、特定の応用例またはその使用に必要とされる種々の修正を加えて、本開示を利用できるようにすることを目的とする。これに応じて、本記述は、本発明を、本明細書で開示する形態に限定されることを意図しない。また、添付の特許請求の範囲に代替の実施形態が含まれると解釈されることを意図する。
【0274】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」および「含めた(including)」(または「含む(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」)は、自由かつ非限定的な意味で使用される。
【0275】
用語「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、複数形および単数形を包含すると理解される。
【0276】
したがって、用語「その混合物」は、「これらの混合物」にも関連する。本開示を通して、用語「その混合物」は、文字A~Fが要素を表す場合に、以下の例に示すような要素のリストに後続して使用される(例:「A、B、C、D、E、Fおよびその混合物からなる群から選択される1つ以上の要素」)。用語「その混合物」は、混合物が、必ずしもA、B、C、D、EおよびFのすべてを含んでいなくてもよい(しかし、A、B、C、D、EおよびFのすべてが含まれていてもよい)。正確に言えば、A、B、C、D、EおよびFのうちの2つ以上の混合物を含むことができることを示す。言い換えれば、これは、語句「A、B、C、D、E、F、ならびにA、B、C、D、EおよびFのうちの任意の2つ以上の混合物からなる群から選択される1つ以上の要素」に相当する。
【0277】
同様に、用語「その塩」は、「これらの塩」にも関連する。したがって、本開示が、「A、B、C、D、E、F、その塩、およびその混合物」と言及する場合、A、B、C、DおよびFの1つ以上が含まれ得る、Aの塩、Bの塩、Cの塩、Dの塩、Eの塩、およびFの塩の1つ以上が含まれ得る、またはA、B、C、D、E、F、Aの塩、Bの塩、Cの塩、Dの塩、Eの塩、およびFの塩のうちの任意の2つの混合物が含まれ得る。
【0278】
本開示を通して言及される塩、例えば、アミノ酸の塩、アミノスルホン酸の塩、ならびに非高分子モノ、ジおよび/またはトリカルボン酸の塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはアンモニウム対イオンなどの対イオンを有する塩を含んでもよい。しかし、この対イオンのリストは、非限定的である。
【0279】
「1つ以上」という表現は、「少なくとも1つ」を意味し、したがって、個々の構成要素ならびに混合物/組み合わせを含む。
【0280】
実施例以外に、または別途指示がある場合、成分および/または反応条件の量を表す全ての数は、いずれの場合も、用語「約」で修正されると理解され、指定の数の±5%の範囲内にあることを意味する。
【0281】
本明細書における全てのパーセンテージ、部、および比は、別途指示がない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。
【0282】
「ケラチン基質」は、本明細書で使用する場合、これらに限定されないが、ヒトの頭の毛髪および/または頭皮などのケラチン繊維を含む。
【0283】
「コンディショニング」は、本明細書で使用する場合、櫛通り、水分保持力、ツヤ、光沢、およびやわらかさから選択される少なくとも1つの特性を、1本以上の毛髪繊維に付与することを意味する。コンディショニングの状態は、例えば、測定と、処置した毛髪および未処置の毛髪の櫛通りし易さのコーミング作業(gm-in)の面での比較と、消費者知覚などの当該技術分野で公知の任意の手段によって評価することができる。
【0284】
用語「処置」(およびその文法的変異)は、本明細書で使用する場合、毛髪などのケラチン基質の表面上への本開示の組成物の適用を指す。用語「処置」(およびその文法的変異)はまた、本明細書で使用する場合、毛髪などのケラチン基質を本開示の組成物と接触させることも指す。
【0285】
「リンスオフ」製品は、ケラチン基質上への組成物の適用の後またはその間、および前記ケラチン基質の乾燥および/またはスタイリングの前のいずれかにおいて、水ですすぎ落とされる、かつ/または洗浄されるヘアトリートメント組成物などの組成物を指す。少なくとも一部、典型的には大部分の組成物が、すすぎおよび/または洗浄の間にケラチン基質から除去される。
【0286】
用語「安定性」は、本明細書で使用する場合、組成物が、ある一定の期間、例えば少なくとも1日(24時間)、1週間、1カ月間、または1年間の間、相分離および/または結晶化を示さないことを意味する。
【0287】
「揮発性」は、本明細書で使用する場合、約100℃未満の引火点を有することを意味する。
【0288】
「不揮発性」は、本明細書で使用する場合、約100℃超の引火点を有することを意味する。
【0289】
本明細書で使用する場合、記載される全ての範囲は、その所定の範囲内に含まれる全ての具体的な範囲、およびその所定の範囲の間の部分的な範囲の組み合わせを含むことを意味する。したがって、1~5の範囲は、具体的には、1、2、3、4および5、ならびに2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの部分的な範囲を含む。
【0290】
用語「実質的に含まない」または「本質的に含まない」は、本明細書で使用する場合、組成物の総重量に基づき、組成物に添加された特定物質が約5重量%未満しかないことを意味する。それにもかかわらず、組成物は、特定物質を、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満しか含まない、または全く含まない可能性がある。
【0291】
本明細書で開示する全ての範囲および値は、包含的かつ組み合わせ可能である。例えば、本明細書に記載の範囲内に含まれる、本明細書に記載の任意の値または点は、部分的な範囲などを引き出すための最小値または最大値として役立つことができる。
【0292】
本明細書中で引用される全ての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が、特定的にかつ個別に、参照により援用されるように指示されるかのように、参照により、またいずれかの目的および全ての目的のために、本明細書に援用される。本開示と参照により本明細書に援用される任意の刊行物または特許出願との間の矛盾の事象において、本開示がコントロールする。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 0.5~10重量%の量で存在する、タウリン:
- クエン酸及びその塩の総量が1~8重量%である、クエン酸、その塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの非ポリマー性カルボン酸;
- カチオン性界面活性剤の総量が0.1~10重量%である、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤;及び
- 水
を含むヘアコンディショナー組成物。
【請求項2】
- 2~5重量%のタウリン:
- 1~5重量%のクエン酸;
- 0.1~5重量%のカチオン性界面活性剤;及び
- 水
を含む、請求項1に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項3】
モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、それらの塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の非ポリマー性カルボン酸を含み、追加の非ポリマー性カルボン酸の総量が、0.5~10重量%である、請求項1又は2に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項4】
ジカルボン酸、その塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの追加の非ポリマー性カルボン酸を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの脂肪族化合物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項6】
油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、脂肪アルコールのエステル、ワックス、トリグリセリド化合物、ラノリン、セラミド、又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの脂肪族化合物を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項7】
脂肪族化合物の総量が1~25重量%である、請求項5又は6に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの脂肪アルコールを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのシリコーンを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項10】
少なくとも1つのシリコーンを含み、シリコーンの総量が、0.1~10重量%である、請求項1~9のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項11】
少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項12】
少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含み、カチオン性ポリマーの総量が、0.01~5重量%である、請求項1~11のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項14】
- 2~5重量%のタウリン:
- クエン酸、その塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの非ポリマー性カルボン酸;
- カチオン性界面活性剤の総量が0.1~5重量%である、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤;
- シリコーンの総量が0.1~5重量%である、少なくとも1つのシリコーン;
- 脂肪アルコール、脂肪酸エステル、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの脂肪族化合物;
-少なくとも1つの水溶性溶媒;及び
- 水
を含むヘアコンディショナー組成物。
【請求項15】
少なくとも1つのカチオン性界面活性剤が、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムクロリド、セトリモニウムメトサルフェート、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項14に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの脂肪族化合物が、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルエステル、イソプロピルミリステート、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項14又は15に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項17】
3%のタウリンを含む、請求項14~16のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載のヘアコンディショナー組成物を毛髪に適用することと、毛髪を洗い流すこととを含む、毛髪をコンディショニングするための方法。
【外国語明細書】