IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-トイレシステム 図1
  • 特開-トイレシステム 図2
  • 特開-トイレシステム 図3
  • 特開-トイレシステム 図4
  • 特開-トイレシステム 図5
  • 特開-トイレシステム 図6
  • 特開-トイレシステム 図7
  • 特開-トイレシステム 図8
  • 特開-トイレシステム 図9
  • 特開-トイレシステム 図10
  • 特開-トイレシステム 図11
  • 特開-トイレシステム 図12
  • 特開-トイレシステム 図13
  • 特開-トイレシステム 図14
  • 特開-トイレシステム 図15
  • 特開-トイレシステム 図16
  • 特開-トイレシステム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071096
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】トイレシステム
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20220506BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031566
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2017060763の分割
【原出願日】2017-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲葛▼山 英樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 信之
(72)【発明者】
【氏名】宇惠 晴香
(72)【発明者】
【氏名】大川 卓
(72)【発明者】
【氏名】行武 陽平
(72)【発明者】
【氏名】河野 嘉孝
(57)【要約】
【課題】より詳細なトイレの使用状態を知らせることができるトイレシステムを提供する。
【解決手段】トイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部(ドアロックセンサ21、着座センサ22、回転センサ23、便器洗浄スイッチ24等)と、検知部の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、又は使用中の状態であることを判定するとともに、使用中の状態においてトイレ個室10が使用開始直後の状態であること、又はトイレ個室10が使用終了直前の状態であることの少なくとも一方の判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ個室内の状況を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記トイレ個室が空きの状態、又は使用中の状態であることを判定するとともに、前記使用中の状態において前記トイレ個室が使用開始直後の状態であること、又は前記トイレ個室が使用終了直前の状態であることの少なくとも一方の判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部と、
を備えることを特徴とするトイレシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知部の検知結果の変化に基づいて、前記トイレ個室が使用開始直後の状態から使用中の状態に変化したとの判定、又は前記トイレ個室が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したとの判定の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であるという判定を行う場合には、所定の複数の条件を満たした場合においてのみ、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であるという判定を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のトイレシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であると判定した後に前記検知部が所定の状況を検知すると、使用中の状態に変化したと判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトイレシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来のトイレシステムを開示している。このトイレシステムは、検知部としてのカメラ又は超音波センサと、制御部とを備えている。トイレシステムは、カメラ又は超音波センサによりトイレの状況を検知し、これに基づいて、制御部によりトイレの使用状態の判定を行って判定結果が出力される。制御部から出力された判定結果は表示器に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5631648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、トイレの使用状態として、「使用している」、「使用していない」、の2種類の状態の判定を行ってそれを表示する。しかし、使用中のトイレであっても、使用開始されたばかりで空くまでに時間がかかるのか、まもなく使用終了されてすぐに空くのかは外部からは不明である。このため、より詳細な使用状態が分かるトイレシステムが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができるトイレシステムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のトイレシステムは、
トイレ個室内の状況を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記トイレ個室が空きの状態、及び使用中の状態であることを判定するとともに、前記使用中の状態において前記トイレ個室が使用開始直後の状態であること、又は前記トイレ個室が使用終了直前の状態であることの少なくとも一方の判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
このトイレシステムは、トイレ個室内の状況を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態、又は使用終了直前の状態であることの少なくとも一方を判定し、その判定結果を含む信号を出力する。このように、本発明のトイレシステムは、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0008】
したがって、本発明のトイレシステムは、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0009】
なお、上記「判定結果を含む信号を出力する」とは、表示板やスマートフォン、ディスプレイ等の表示器や、スピーカー等の音声出力装置など、判定結果を報知する報知手段に報知させるための信号(情報信号)を出力することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例に係るトイレシステムを模式的に示す図である。
図2】実施例1に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図3】実施例1に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャートである。
図4】実施例2に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】実施例2に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャート(その1)である。
図6】実施例2に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャート(その2)である。
図7】実施例3に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図8】実施例3に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャートである。
図9】実施例4に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図10】実施例4に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャートである。
図11】実施例5に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図12】実施例5に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャートである。
図13】実施例6に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図14】実施例6に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャートである。
図15】実施例7に係るトイレシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
図16】実施例7に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャート(その1)である。
図17】実施例7に係るトイレシステムの検知信号と報知内容の関係を示すタイムチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0012】
本発明のトイレシステムにおいて、前記制御部は、前記検知部の検知結果の変化に基づいて、前記トイレ個室が使用開始直後の状態から使用中の状態に変化したとの判定、又は前記トイレ個室が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したとの判定の少なくとも一方を行い得る。この場合、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0013】
本発明のトイレシステムにおいて、前記制御部は、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であるという判定を行う場合には、所定の複数の条件を満たした場合においてのみ、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であるという判定を行い得る。この場合、例えば、トイレ個室が使用され始めてから10秒間は使用終了直前の状態であるという判定を行わない、等の通常ではあり得ない判定がなされるのを予め排除する複数の条件を設定することにより、誤判定の防止を図ることができる。その結果、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0014】
本発明のトイレシステムにおいて、前記制御部は、前記トイレ個室が使用終了直前の状態であると判定した後に前記検知部が所定の状況を検知すると、使用中の状態に変化したと判定し得る。この場合、使用終了直前の状態であることを報知した後においてもトイレ個室内の状況を監視し、その状況に応じて報知内容を使用中に戻すことができる。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0015】
次に、本発明のトイレシステムを具体化した実施例1~7について、図面を参照しつつ説明する。実施例1~7のトイレシステムは、図1に示すトイレ設備1に備えられている。トイレ設備1は、出入り口のドア2と、このドア2の内側の共用スペース3と、共用スペース3内に配置された洗面台4と、共用スペース3とは仕切られて設けられた複数(図1中3つ)のトイレ個室10と、を備えている。
【0016】
各トイレ個室10には、ドア11、便器装置12、ペーパーホルダー13、及びリモコン14が夫々設けられている。ドア11は各トイレ個室10への出入りのためのドアである。便器装置12は温水洗浄機能を有する便座装置付きの便器装置である。ペーパーホルダー13はロールペーパーを回転自在に保持する。リモコン14は、便座、便蓋の開閉や、局部洗浄、便器洗浄等、便器装置12の操作を行うための各種スイッチが設けられている。
【0017】
また、各トイレ個室10には、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21、着座センサ22、回転センサ23及び便器洗浄スイッチ24が設けられている。ドアロックセンサ21はドア11が施錠されているか否かを検知する。着座センサ22は、便器装置12の便座に使用者が着座しているか否かを検知する。回転センサ23はロールペーパーが回転しているか否かを検知する。便器洗浄スイッチ24は便器洗浄を行うためのスイッチであり、リモコン14に設けられている。これらドアロックセンサ21、着座センサ22、回転センサ23、及び便器洗浄スイッチ24は制御部30に接続されており、制御部30により制御される。また、ドアロックセンサ21、着座センサ22、回転センサ23、及び便器洗浄スイッチ24による検知結果は制御部30に送信される。制御部30は、これらの検知結果に基づいてトイレ個室10の使用状態の判定を行う。制御部30による判定結果は報知部40により報知される。報知部40は、制御部30の判定結果を文字や図形で表示する表示器である。報知部40はトイレ設備1の外壁に配置されている。報知部40は、トイレ個室10毎の使用状態に関する情報を報知する。
【0018】
トイレ個室10の使用者は、排便を目的とした通常の使用では、排便に付帯する動作として、施錠、脱衣、着座、局部洗浄、ロールペーパー巻き取り、局部拭き取り、脱座、便器洗浄、着衣、開錠等の動作を行うことが想定される。これらの動作のうち、施錠及び開錠は、トイレ個室10の使用開始時(入室時)及び使用終了時(退室時)に夫々行われる動作である。このため、実施例1~7のトイレシステムでは、ドアロックセンサ21による施錠と開錠の検知によって、トイレ個室10が使用されていない状態である「空き」の状態、及びトイレ個室10が使用されている状態である「使用中」の状態を判定する。
【0019】
また、上述の動作のうちのいくつかは、使用者に応じて、排便に前後して順不同で行われる。一方、例えば、施錠、脱衣、着座等は排便前の動作であり、局部洗浄、局部拭き取り、便器洗浄、脱座、着衣、開錠等は排便後の動作である。そして、排便前の動作はトイレ個室に入室後の比較的早い段階で他の動作に先んじて行われる動作であり、排便後の動作はトイレ個室に入室してから退室前の比較的遅い段階で行われる動作である。実施例1~7では、これら排便前及び排便後の各動作の1つ又は2つ以上に夫々着目する。そして、これらの動作をトイレ個室内の状況として直接的又は間接的に検知することにより、トイレ個室が使用中の状態において、間もなく退室する状態である使用終了直前の状態、又は入室して間もない状態である使用開始直後の状態を判定する。
【0020】
<実施例1>
実施例1のトイレシステムは、検知部としてのドアロックセンサ21及び着座センサ22と、制御部30とを備えて構成されている。このトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無、及び着座センサ22による着座の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。制御部30は、これらの検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定する。また、制御部30は、この判定結果を含む信号を出力する。本実施例の場合、出力された信号は報知部40に送信される。報知部40は、出力された信号を受信することにより、制御部30による判定結果を報知する。
【0021】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図2のフローチャート及び図3のタイミングチャートを用いて説明する。最初に、図2に示すように、ステップS101において、ドア11が施錠されているか否かを判断する。ドア11が施錠されたか否かの判断はドアロックセンサ21によりなされる。
【0022】
ステップS101において、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が使用中の状態であると判定し(ステップS102)、報知部40はその旨を報知する(ステップS103)。すなわち、図3に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用中」に切り替えられる。
【0023】
なお、トイレ個室10が空きの状態であることは、ドア11が施錠されていないことが検知された状態にあること、すなわち、ドアロックセンサ21がオフ状態にあることにより判定している。この「空き」の状態は、トイレ個室10に使用者のいない状態である。一方、トイレ個室10が使用中の状態であることは、ドア11が施錠されていることが検知された状態にあること、すなわち、ドアロックセンサ21がオン状態にあることにより判定している。この「使用中」の状態は、トイレ個室10に使用者が入室している状態である。
【0024】
次に、ステップS104では、トイレ個室10の使用者が便器装置12の便座に着座したか否かを判断する。着座したか否かの判断は、着座センサ22によりなされる。すなわち、着座センサ22がオンである場合には着座していると判断し、オフである場合には、着座していないと判断する。着座センサ22がオンであることにより着座したと判断された場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、トイレ個室10の使用者が便器装置12から脱座したか否か、すなわち、オン状態の着座センサ22がオフになったか否かを判断する。実施例1のトイレシステムでは、制御部30は、脱座したと判断した場合にトイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定する。すなわち、実施例1における「使用終了直前」の判定は、脱座したとの判断によってなされる。
【0025】
ステップS105にて脱座した(着座センサ22がオフ)と判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定する(ステップS106)。判定結果は報知部40に出力される。そして、報知部40は、制御部30の判定結果として、「使用終了直前」である旨を報知する(ステップS107)。すなわち、図3に示すように、着座センサ22がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「使用終了直前」に切り替えられる。このように、制御部30は、検知部としての着座センサ22のオンの状態からオフの状態への検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したと判定する。
【0026】
そして、ステップS108では、ドア11を開錠したか否かを判断する。開錠した(ドアロックセンサ21がオフ)と判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が空きの状態であると判定し(ステップS109)、報知部40はその旨を報知する(ステップS110)。すなわち、図3に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用終了直前」から「空き」に切り替えられる。
【0027】
一方、ドア11を開錠していない(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、ステップS111に進み、トイレ個室10の使用者が便器装置12の便座に再び着座したか否かを判断する。これは、トイレ個室10の使用者が開錠前に再度便意を催すなどして再び着座してしまう場合を想定している。この場合、トイレ個室10が間もなく空く状態でなくなったとして、報知内容の「使用終了直前」を再び「使用中」に戻す。具体的には、ステップS111にて着座した(着座センサ22がオン)と再度判断された場合には、制御部30は、ステップS112にて使用中の状態であると判定する。この場合、報知部40はステップS113にて「使用中」を再度報知し、ステップS105に戻る。このように、実施例1のトイレシステムでは、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定した後に、検知部としての着座センサ22が所定の状況としての着座を検知した場合には、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態から使用中の状態に変化したとの判定を行う。
【0028】
なお、ステップS104における着座の検知がなされることなく開錠された場合には、使用終了直前の状態であることの判定は行われず、開錠の動作の検知によって「使用中」の報知から「空き」の報知に直接切り替えられる。すなわち、実施例1のトイレシステムは、所定の複数の条件としての施錠及び施錠後の着座が検知された場合においてのみ、以降の処理においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。
【0029】
以上より、実施例1のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況としての施錠の有無及び着座の有無を夫々検知する検知部としてのドアロックセンサ21及び着座センサ22と、ドアロックセンサ21及び着座センサ22の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、及び使用中の状態であることを判定するとともに、使用中の状態においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0030】
実施例1のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無及び着座センサ22による着座の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用終了直前の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、実施例1のトイレシステムは、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0031】
したがって、トイレシステムは、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0032】
また、制御部30は、検知部としての着座センサ22の検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したとの判定を行う。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0033】
また、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う場合には、所定の複数の条件としての施錠及び施錠後の着座を検知した場合においてのみ、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。これにより、誤判定の防止を図ることができる。その結果、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0034】
また、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定した後に、検知部としての着座センサ22が、所定の状況としての着座を検知すると、使用中の状態に変化したと判定する。これにより、使用終了直前の状態であることを報知した後においてもトイレ個室内の状況を監視し、その状況に応じて報知内容を使用中に戻すことができる。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0035】
<実施例2>
次に、実施例2に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例2において、上記実施例1の便座装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0036】
実施例2のトイレシステムは、検知部として、実施例1のドアロックセンサ21及び着座センサ22に加えて便器洗浄スイッチ24を有している点で実施例1と相違する。すなわち、実施例2のトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無、着座センサ22による着座の有無の検知、及び便器洗浄スイッチ24の操作の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。制御部30は、これらの検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定し、この判定結果を含む信号を出力する。なお、制御部30から出力された信号は報知部40に送信される。信号を受信した報知部40は制御部30による判定結果を報知する。
【0037】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図4のフローチャートと、図5及び図6のタイミングチャートを用いて説明する。図4に示すように、実施例2のトイレシステムの制御処理では、ステップS201においてドア11の施錠の有無を検知し、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30によりトイレ個室10が「使用中」であると判定し(ステップS202)、報知部40により報知する(ステップS203)。すなわち、図5及び図6に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替えられることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用中」に切り替えられる。これらステップS201~S203は実施例1のステップS101~S103と同様である。しかし、実施例2のトイレシステムの制御処理では、制御部30による使用終了直前の状態であることの判定は、着座センサ22により脱座したことが検知され、且つ便器洗浄スイッチ24を操作したことが検知された場合に行う点で実施例1の制御処理と相違する。
【0038】
具体的には、ステップS204にて、トイレ個室10の使用者が便器装置12の便座に着座したか否かを判断し、着座した(着座センサ22がオン)と判断された場合には、その後の脱座の有無の検知(ステップS205,S210)及び便器洗浄の有無の検知(ステップS206,S209)を行う。実施例2のトイレシステムは、実施例1と同様に、所定の複数の条件を満たした場合としての施錠及び施錠後の着座を検知した場合においてのみ、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定は、脱座の有無及び便器洗浄の有無の検知により行われる。
【0039】
ステップS205では脱座の有無の検知を行う。ステップS205にて脱座した(着座センサ22がオフ)と判断された場合には、今度は、ステップS206において、便器洗浄したか否かを判断、すなわち、便器洗浄スイッチ24の操作の有無を検知する。すなわち、ステップS206における便器洗浄したか否かの判断は脱座後に行われる判断である。このようにして脱座(着座センサ22がオフ)及び便器洗浄(便器洗浄スイッチ24がオン)の両方がなされたと判断されたら、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定する(ステップS207)。判定結果は報知部40に出力される。そして、報知部40は、制御部30の判定結果として、「使用終了直前」を報知する(ステップS208)。すなわち、図5に示すように、着座センサ22がオンからオフに先に切り替わり、その後、便器洗浄スイッチ24が操作される場合には、便器洗浄スイッチ24が操作された時に報知部40の報知内容が、「使用中」から「使用終了直前」に切り替えられる。
【0040】
一方、ステップS205において脱座していない(着座センサ22がオン)と判断された場合には、ステップS209に進む。ステップS209では、ステップS206と同様に便器洗浄したか否かを判断するが、この時の使用者は着座した状態(脱座する前の状態)である。ステップS209にて便器洗浄した(便器洗浄スイッチ24がオン)と判断された場合にはステップS210に進み、便器洗浄したと判断されなかった場合にはステップS205に戻る。ステップS209において便器洗浄したと判断された場合には、ステップS210にて脱座したか否かを判断する。脱座したと判断された場合にはステップS207に進む。このように、便器洗浄(便器洗浄スイッチ24がオン)及び脱座(着座センサ22がオフ)の両方がなされたと判断されたら、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定する(ステップS207)。そして、報知部40は、制御部30の判定結果として、「使用終了直前」を報知する(ステップS208)。
【0041】
すなわち、図6に示すように、着座センサ22がオンの状態の間に便器洗浄スイッチ24が操作される場合には、便器洗浄スイッチ24が操作された後に着座センサ22がオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「使用終了直前」に切り替えられる。このとき、制御部30は、検知部としての着座センサ22のオンからオフへの検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したと判定する。
【0042】
このように、実施例2の制御処理では、着座及び便器洗浄の2つの動作の有無を検知する2つの検知部の検知結果に基づいた判断を行うので、トイレ個室10の使用者が脱座した状態で便器洗浄を行う場合と、脱座していない状態で便器洗浄を行う場合の2パターンを想定した処理を行う。また、制御部30は、検知部としての着座センサ22のオンの状態からオフの状態への検知結果の変化、及び便器洗浄スイッチ24のオフの状態からオンの状態への検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したと判定する。
【0043】
ステップS211以降の制御処理は実施例1のステップS108以降の処理と同様である。すなわち、ステップS211では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定し(ステップS212)、その旨を報知する(ステップS213)。ドア11が開錠していないと判断された場合には、再び着座の有無を判断し(ステップS214)、着座が再度確認された場合には、「使用中」であると判定するとともに(ステップS215)、「使用中」を再度報知する(ステップS216)。すなわち、図5及び図6に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用終了直前」から「空き」に切り替えられる。
【0044】
以上より、実施例2のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21、着座センサ22及び便器洗浄スイッチ24と、ドアロックセンサ21、着座センサ22及び便器洗浄スイッチ24の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、及び使用中の状態であることを判定するとともに、使用中の状態においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0045】
実施例2のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無、着座センサ22による着座の有無、及び便器洗浄スイッチ24の操作の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用終了直前の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、実施例2のトイレシステムは、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0046】
したがって、実施例2のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0047】
また、制御部30は、検知部としての着座センサ22及び便器洗浄スイッチ24の検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したとの判定を行う。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0048】
また、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う場合には、所定の複数の条件としての施錠及び施錠後の着座を検知した場合においてのみ、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。これにより、誤判定の防止を図ることができる。その結果、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0049】
また、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定した後に、検知部としての着座センサ22が、所定の状況としての着座を検知すると、使用中の状態に変化したと判定する。これにより、使用終了直前の状態であることを報知した後においてもトイレ個室内の状況を監視し、その状況に応じて報知内容を使用中に戻すことができる。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0050】
また、制御部30は、検知部としての着座センサ22及び便器洗浄スイッチ24の2つの検知部の検知結果に基づいて、使用中の状態においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であることを判定する。このため、実施例1のように1つの検知部の検知結果に基づいて判定する場合と比較して、より精緻且つ正確に、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報を外部に知らせることができる。
【0051】
<実施例3>
次に、実施例3に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例3において、上記各実施例のトイレシステムと略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0052】
実施例3のトイレシステムは、検知部として、実施例1の着座センサ22に替えて回転センサ23を有している点で実施例1と相違する。すなわち、実施例3のトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無、及び回転センサ23によるロールペーパーの回転の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。制御部30は、これらの検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定し、この判定結果を含む信号を出力する。なお、制御部30から出力された信号は報知部40に送信される。信号を受信した報知部40は制御部30による判定結果を報知する。
【0053】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図7のフローチャート及び図8のタイミングチャートを用いて説明する。図7に示すように、実施例3のトイレシステムの制御処理では、ステップS301においてドア11の施錠の有無をドアロックセンサ21により検知し、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30によりトイレ個室10が「使用中」であると判定し(ステップS302)、報知部40により報知する(ステップS303)。すなわち、図8に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用中」に切り替えられる。これらステップS301~S303は実施例1のステップS101~S103と同様である。しかし、実施例3のトイレシステムの制御処理では、制御部30による使用終了直前の状態であることの判定は、トイレ個室10の使用者がロールペーパーを巻き取り中であるか否かの判断に基づいて行われる。具体的には、回転センサ23によるロールペーパーの巻き取りにより生じる回転の有無を検知し、巻き取りを検知したらタイマーを起動させ、所定時間が経過した後に使用終了直前の状態であるとの判定を行う。
【0054】
詳細には、ステップS304にて、トイレ個室10の使用者がロールペーパーを巻き取り中であるか否かを判断し、巻き取り中である(回転センサ23がオン)と判断された場合には、所定時間T1のタイマーをスタートさせる(ステップS305)。タイマーをスタートさせたら、ステップS306では、巻き取り停止中か否かを判断する。ステップS306にて巻き取り停止中である(回転センサ23がオフ)と判断された場合にはステップS307に進み、タイマーによる秒読みの終了を待機する。このタイマーによる秒読みが継続している間は、ステップS306に戻り、ロールペーパーの巻き取りの有無の検知を継続して行う。
【0055】
タイマーによる秒読みの間に、ステップS306にて巻き取り停止中でない(回転センサ23がオン)と判断された場合には、ステップS305に戻り、タイマーをリセットして再度起動させる。これは、1回の排便においてロールペーパーの巻き取りが複数回行われることを想定したものである。このため、図8に示すように、タイマーによる秒読み中にロールペーパーの巻き取りが再度行われたことを検知した場合には、その前の巻き取りの検知によるタイマーの秒読みが無効となり、再び所定時間T1からタイマーがスタートする。
【0056】
そして、ステップS307においてタイマーの秒読みが終了したと判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であると判定する(ステップS308)。判定結果は報知部40に出力される。そして、報知部40は、制御部30の判定結果として、「使用終了直前」を報知する(ステップS309)。すなわち、図8に示すように、タイマーの秒読みが終了することにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「使用終了直前」に切り替えられる。このように、制御部30は、検知部としての回転センサ23のオンの状態からオフの状態への検知結果の変化に基づいてタイマーを起動させ、このタイマーの秒読みが終了することにより、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したと判定する。
【0057】
そして、ステップS310では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定し(ステップS311)、その旨を報知する(ステップS312)。すなわち、図8に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用終了直前」から「空き」に切り替えられる。
【0058】
以上より、実施例3のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21及び回転センサ23と、ドアロックセンサ21及び回転センサ23の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、及び使用中の状態であることを判定するとともに、使用中の状態においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0059】
実施例3のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無及び回転センサ23によるロールペーパーの巻き取りの有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用終了直前の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、実施例3のトイレシステムは、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0060】
したがって、実施例3のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0061】
また、制御部30は、検知部としての回転センサ23の検知結果の変化に基づいてタイマーを起動させ、このタイマーが秒読み終了することによって、トイレ個室10が使用中の状態から使用終了直前の状態に変化したとの判定を行う。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0062】
<実施例4>
次に、実施例4に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例4において、上記各実施例の便座装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0063】
実施例4のトイレシステムは、検知部として、実施例3のドアロックセンサ21及び回転センサ23に加えて便器洗浄スイッチ24を有している。すなわち、実施例4のトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無、回転センサ23によるロールペーパーの回転の有無、及び便器洗浄スイッチ24の操作の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。具体的には、制御部30は、これらの検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定し、この判定結果を含む信号を出力する。なお、制御部30から出力された信号は報知部40に送信される。信号を受信した報知部40は制御部30による判定結果を報知する。
【0064】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図9のフローチャート及び図10のタイミングチャートを用いて説明する。図9に示すように、実施例4のトイレシステムの制御処理では、ステップS401においてドア11の施錠の有無をドアロックセンサ21により検知し、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30によりトイレ個室10が「使用中」であると判定し(ステップS402)、報知部40により報知する(ステップS403)。すなわち、図10に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用中」に切り替えられる。これらステップS401~S403は実施例1のステップS101~S103と同様である。
【0065】
ステップS404では、トイレ個室10の使用者がロールペーパーを巻き取り中であるか否かを判断し、巻き取り中である(回転センサ23がオン)と判断された場合には、所定時間T1のタイマーをスタートさせる(ステップS405)。そして、タイマーをスタートさせたら、巻き取り停止中か否かを判断する(ステップS406)。ステップS406にて巻き取り停止中である(回転センサ23がオフ)と判断された場合にはステップS407に進み、タイマーによる秒読みの終了を待機する。また、このタイマーによる秒読みが継続している間は、ステップS406に戻り、ロールペーパーの巻き取りの有無の検知を継続して行う。タイマーによる秒読みの間にステップS406にて巻き取り停止中でない(回転センサ23がオン)と判断された場合には、ステップS405に戻り、タイマーをリセットして再度起動させる。これらステップS404~S407もまた、実施例3のステップS304~S307と同様である。
【0066】
次に、ステップS408では、便器洗浄したか否かを判断、すなわち、便器洗浄スイッチ24の操作の有無を検知する。便器洗浄したと判断された場合には、「使用終了直前」の判定を行い(ステップS409)、判定結果を報知部40に出力する。そして、報知部40は「使用終了直前」を報知する(ステップS410)。このように、実施例4のトイレシステムの制御処理では、制御部30による使用終了直前の状態であることの判定は、便器洗浄スイッチ24が操作されること、すなわち、便器洗浄スイッチ24のオンが検知されることによって行われる。しかし、図10に示すように、回転センサ23によって起動するタイマーの秒読みが継続している間は、便器洗浄スイッチ24のオンが検知されても使用終了直前の状態であることの判定を行わない。すなわち、実施例4のトイレシステムにおいて、制御部30は、検知部としての便器洗浄スイッチ24のオフからオンへの検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。また、制御部30は、所定の複数の条件を満たした場合としての巻き取り中であることの検知及び巻き取りが検知されることにより起動するタイマーの秒読みが終了した場合においてのみ、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。
【0067】
そして、ステップS411では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定し(ステップS412)、その旨を報知する(ステップS413)。すなわち、図10に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用終了直前」から「空き」に切り替えられる。
【0068】
以上より、実施例4のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21、回転センサ23、及び便器洗浄スイッチ24と、ドアロックセンサ21、回転センサ23及び便器洗浄スイッチ24の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、及び使用中の状態であることを判定するとともに、使用中の状態においてトイレ個室10が使用終了直前の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0069】
実施例4のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無、回転センサ23によるロールペーパーの巻き取りの有無、及び便器洗浄スイッチ24の操作の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用終了直前の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、実施例4のトイレシステムは、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0070】
したがって、実施例4のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0071】
また、制御部30は、検知部としての便器洗浄スイッチ24のオフからオンへの検知結果の変化に基づいて、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。このため、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0072】
また、制御部30は、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う場合には、所定の複数の条件を満たした場合としての巻き取り中(巻き取り開始)の検知及び巻き取りが検知されることにより起動するタイマーの秒読みが終了した場合においてのみ、トイレ個室10が使用終了直前の状態であるという判定を行う。これにより、誤判定の防止を図ることができる。その結果、トイレ個室が間もなく空くか否かという情報をより正確に外部に知らせることができる。
【0073】
<実施例5>
次に、実施例5に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例5において、上記各実施例の便座装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0074】
実施例5のトイレシステムは、制御部30が、検知部の検知結果に基づいて、使用中のトイレ個室10が使用開始直後の状態であることを判定する点において実施例1~4と異なる。実施例5のトイレシステムは、検知部としてドアロックセンサ21を有している。実施例5のトイレシステムにおいて、制御部30は、検知部の検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定し、この判定結果を出力する。なお、制御部30から出力された信号は報知部40に送信される。信号を受信した報知部40は制御部30による判定結果を報知する。
【0075】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図11のフローチャート及び図12のタイミングチャートを用いて説明する。図11に示すように、実施例5のトイレシステムの制御処理では、ステップS501においてドア11の施錠の有無をドアロックセンサ21により検知する。そして、ステップS502においてドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が使用開始直後の状態であると判定する(ステップS502)。すなわち、ドアロックセンサ21のオンが検知されることにより、制御部30は、トイレ個室10が使用中の状態における使用開始直後の状態であると判定する。判定結果は報知部40に出力される。そして、報知部40は制御部30による判定結果を報知する(ステップS503)。図12に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用開始直後」に切り替えられる。
【0076】
ステップS504では、所定時間T2のタイマーをスタートさせる。そして、ステップS505において、タイマーによる秒読みの終了を待機する。タイマーによる秒読みが完了したら、制御部30は、トイレ個室10が使用開始直後の状態から使用中の状態に変化したと判定し(ステップS506)、「使用中」を報知する(ステップS507)。すなわち、制御部30は、トイレ個室10が使用開始直後であるという判定を行ってから所定時間T2が経過した場合に、トイレ個室10が使用中の状態であると判定する。
【0077】
ステップS508~S510の処理は、実施例3のステップS310~S312と同様である。すなわち、ステップS508では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定する(ステップS509)。報知部40は「空き」を報知する(ステップS510)。すなわち、図12に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「空き」に切り替えられる。
【0078】
以上より、実施例5のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21と、このドアロックセンサ21の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0079】
実施例5のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、実施例5のトイレシステムは、トイレ個室が使用開始されてから間もないことを知らせることができるので、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0080】
したがって、実施例5のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0081】
また、実施例5のトイレシステムは、検知部として、ドア11の施錠の有無を検知するドアロックセンサ21のみを有しているので、簡易な構成とすることができる。
【0082】
<実施例6>
次に、実施例6に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例6において、上記各実施例の便座装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0083】
実施例6のトイレシステムは、実施例5と同様に、制御部30は、検知部の検知結果に基づいて、使用中のトイレ個室10が使用開始直後の状態であることを判定するが、検知部として、ドアロックセンサ21に加えて着座センサ22を有している点において実施例5と異なる。実施例6のトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無の検知と、着座センサ22による着座の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。制御部30は、これら検知部の検知結果に基づいてトイレ個室10の使用状態を判定し、この判定結果を出力する。
【0084】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図13のフローチャート及び図14のタイミングチャートを用いて説明する。図13に示すように、実施例6のトイレシステムの制御処理では、ステップS601においてドア11の施錠を検知し、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30によりトイレ個室10が「使用開始直後」であると判定し(ステップS602)、その判定結果を報知部40に出力し、報知部40により報知する(ステップS603)。すなわち、図14に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用開始直後」に切り替えられる。
【0085】
ステップS604では、トイレ個室10の使用者が便器装置12の便座に着座したか否かを判断する。着座した(着座センサ22がオン)と判断された場合には、制御部30は、トイレ個室10が「使用中」であると判定し(ステップS605)、報知部40は、トイレ個室10が「使用中」であることを報知する(ステップS606)。すなわち、図14に示すように、着座センサ22がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用開始直後」から「使用中」に切り替えられる。このように、実施例6のトイレシステムでは、ドア11の施錠を検知することによりトイレ個室10が使用開始直後の状態であると判定し、使用者の着座を検知することにより使用中の状態に変化したと判定する。
【0086】
ステップS607~S609の処理は、実施例5のステップS508~S510と同様である。すなわち、ステップS607では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定する(ステップS608)。報知部40は「空き」を報知する(ステップS609)。すなわち、図14に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「空き」に切り替えられる。
【0087】
以上より、実施例6のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21及び着座センサ22と、これらドアロックセンサ21及び着座センサ22の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることの判定を行い、この判定結果を含む信号を出力する制御部30とを備えている。
【0088】
実施例6のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無及び着座センサ22による着座の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、このように、実施例6のトイレシステムは、トイレ個室が使用開始されてから間もないことを知らせることができるので、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0089】
したがって、実施例6のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0090】
<実施例7>
次に、実施例7に係るトイレシステムについて説明する。なお、実施例7において、上記各実施例の便座装置と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0091】
実施例7のトイレシステムは、検知部として、実施例6と同様に、ドアロックセンサ21及び着座センサ22を有している。実施例7のトイレシステムは、ドアロックセンサ21による施錠の有無の検知と、着座センサ22による着座の有無の検知によってトイレ個室10内の状況を検知する。制御部30は、検知部の検知結果に基づいて、トイレ個室10の使用状態を判定するが、この判定を行う際の処理の点で実施例6と異なる。具体的には、実施例7のトイレシステムにおいて、使用開始直後の状態が使用中の状態に変化したとの判定は、施錠を検知することにより起動するタイマーの秒読みの終了又は着座の検知のどちらか早いほうによりなされる。
【0092】
上記構成のトイレシステムの制御処理について、図15のフローチャートと、図16及び図17のタイミングチャートを用いて説明する。図15に示すように、実施例7のトイレシステムの制御処理では、ステップS701においてドア11の施錠を検知し、ドア11を施錠した(ドアロックセンサ21がオン)と判断された場合には、制御部30によりトイレ個室10が「使用開始直後」であると判定し(ステップS702)、判定結果を報知部40に出力し、報知部40により報知する(ステップS703)。すなわち、図16及び図17に示すように、ドアロックセンサ21がオフからオンに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「空き」から「使用開始直後」に切り替えられる。
【0093】
ステップS704では、所定時間T2のタイマーをスタートさせる。そして、ステップS705にてタイマーによる秒読みが終了したか否かを判断する。終了したと判断されない場合には、ステップS706に進み、着座センサ22による着座の有無の検知を行う。ステップS705にてタイマーの秒読みが終了したと判断された場合、又はステップS706にて着座した(着座センサ22がオン)と判断された場合には、ステップS707において、制御部30により使用中の状態であると判定し、ステップS708において報知部40がこれを報知する。すなわち、図16に示すように、タイマーの秒読みが終了する前に着座センサ22がオフからオンに切り替わる、又は図17に示すように、着座センサ22がオフからオンに切り替わる前にタイマーの秒読みが終了することにより、報知部40の報知内容が「使用開始直後」から「使用中」に切り替えられる。
【0094】
ステップS709~S711の処理は、実施例5のステップS508~S510と同様である。すなわち、ステップS709では、ドア11の開錠の有無を判断し、開錠したと判断された場合には、トイレ個室10が「空き」であると判定する(ステップS710)。報知部40は「空き」を報知する(ステップS711)。すなわち、図16及び図17に示すように、ドアロックセンサ21がオンからオフに切り替わることにより、報知部40の報知内容が、「使用中」から「空き」に切り替えられる。
【0095】
以上より、実施例7のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知する検知部としてのドアロックセンサ21及び着座センサ22と、これらドアロックセンサ21及び着座センサ22の検知結果に基づいて、トイレ個室10が空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることの判定を行い、これら判定した結果を含む信号を出力する制御部30と、を備えている。
【0096】
実施例7のトイレシステムは、トイレ個室10内の状況を検知するにあたり、ドアロックセンサ21による施錠の有無及び着座センサ22による着座の有無を検知して、空きの状態、使用中の状態の2種類の状態の他の状態として、使用開始直後の状態であることを判定し、この判定結果を含む信号を出力する。このように、このように、実施例5のトイレシステムは、トイレ個室が使用開始されてから間もないことを知らせることができるので、トイレ個室が間もなく空くか否かを外部に知らせることができる。
【0097】
したがって、実施例7のトイレシステムもまた、より詳細なトイレの使用状態を知らせることができる。
【0098】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1~7では、3つのトイレ個室が設けられたトイレ設備を例示したが、トイレ個室の数は特に限定されない。
(2)実施例1~7では、複数のトイレ個室の使用の状態を報知する1つの報知部を備える形態を例示したが、複数のトイレ個室の個々に対応する複数の報知部を備える形態であってもよい。
(3)実施例1~7では、報知部の報知形態として、表示器により文字や図形等を表示する形態を例示したが、単に色を表示するなどの簡易な表示を行う形態であってもよい。また、報知形態としては、トイレ個室毎の使用状態に関する情報を報知する形態に限定されず、例えば、トイレ設備全体で、「空き」や「使用中」等のトイレ個室の数を報知する等、他の報知形態であってもよい。
(4)実施例1~7では、報知部としてトイレ設備の外壁に設けられた表示器を例示したが、共用スペース内に設けられていてもよい。また、報知部は、トイレ設備から離隔した場所に設けられたディスプレイやスマートフォン等の携帯端末等により、トイレ設備の遠隔で表示する形態であってもよい。
(5)実施例1~7では、報知部として表示器を例示したが、音声等により報知する形態の報知部であってもよい。
(6)実施例1~7では、検知部として、ドアロックセンサ、着座センサ、回転センサ、便器洗浄スイッチ等を有する形態を例示したが、検知部はこれらに限定されるものではなく、例えば、便座(幼児用補助便座)や便蓋の開閉、おむつ交換台の使用の有無、幼児用チェアの着座の有無、局部洗浄、排便による便鉢内の水位変化、便器洗浄や局部洗浄をしたことによる給水管内の水流の変化、着衣や脱衣、入退室等の他の動作を検知するものであってもよい。また、検知部による検知方法や検知手段も特に限定されない。
(7)実施例1~7では、トイレ個室の使用状態として、空きの状態及び使用中の状態の他に、使用終了直前の状態又は使用開始直後の状態のどちらか一方について判定する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、上述の実施例1~4のいずれかと実施例5~7のいずれかを組み合わせた形態等、使用開始終了直前の状態及び使用開始直後の状態の両方について判定する形態であってもよい。また、使用終了直前の状態及び使用開始直後の状態以外の状態、又はこれらに加えて他の状態について判定する形態としてもよい。
(8)実施例3及び4では、回転センサによるロールペーパーの巻き取りにより生じる回転の有無を検知してタイマーを起動させ、このタイマーの秒読みが終了したときに使用終了直前の状態であるとの判定を行う形態を例示したが、回転センサによる回転の有無の検知のみによって、使用終了直前の状態であるとの判定を行ってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…トイレ設備
2…トイレ設備のドア
3…共用スペース
4…洗面台
10…トイレ個室
11…トイレ個室のドア
12…便器装置
13…ペーパーホルダー
14…リモコン
21…ドアロックセンサ
22…着座センサ
23…回転センサ
24…便器洗浄スイッチ
30…制御部
40…報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17