(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071128
(43)【公開日】2022-05-13
(54)【発明の名称】性能を向上させたウエハレベルパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220506BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20220506BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L21/56 R
H01L25/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022032477
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2019507768の分割
【原出願日】2017-08-14
(31)【優先権主張番号】62/374,318
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/374,332
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/374,439
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517090646
【氏名又は名称】コーボ ユーエス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】コスタ,ジュリオ・シー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダミア・ジャン,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド,ジョナサン・ヘイル
(72)【発明者】
【氏名】ハッチャー,メリル・アルバート,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】チャドウィック,ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウエハレベルパッケージの熱的及び電気的性能を向上させるパッケージング方法を提供する。
【解決手段】性能を向上させたウエハレベルパッケージ76は、第1の素子層20、多層再配線構造52、第1のモールドコンパウンド42及び第2のモールドコンパウンド74を有する第1の薄膜ダイ14Tを含む。多層再配線構造は、多層再配線構造の底面にパッケージ接点50と、第1の素子層をパッケージ接点に接続する再配線相互接続部46と、を含む。第1のモールドコンパウンドは、多層再配線構造を覆い、第1の薄膜ダイの周囲に存在し、第1の薄膜ダイの上面を超えて延びて、第1のモールドコンパウンド内に第1の薄膜ダイを覆うキャビティ66を画定する。第2のモールドコンパウンドは、キャビティを埋め、第1の薄膜ダイの上面の、第1の素子層を保護するエッチングストップとして機能する第1の誘電体層22と接触する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のダイと第1のモールドコンパウンドとを有するモールドウエハを提供することであって、
前記第1のダイは、第1の素子層と、前記第1の素子層を覆う第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層を覆う第1のシリコン基板とを含み、前記第1の素子層は、前記第1の素子層の底面に複数の第1のダイ接点を含み、
前記第1のダイの上面は、前記第1のシリコン基板の上面であり、前記第1のダイの底面は、前記第1の素子層の前記底面であり、
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第1のダイの側面と前記上面とを封止し、前記第1の素子層の前記底面は露出される、
前記モールドウエハを提供することと、
前記モールドウエハの下に多層再配線構造を形成することであって、
前記多層再配線構造は、前記多層再配線構造の底面に複数のパッケージ接点と、前記複数のパッケージ接点を前記複数の第1のダイ接点のうちの一定のダイ接点に接続する再配線相互接続部とを含み、
前記複数のパッケージ接点の各々は、分離しており、連続した空隙によって囲まれ、前記連続した空隙は、前記第1のダイの下に延在し、
前記再配線相互接続部と前記複数の第1のダイ接点との間の接続には、はんだが使用されていない、
前記多層再配線構造を形成することと、
前記連続した空隙を埋める誘電体層であって、平坦な底面を有する前記誘電体層を形成することと、
前記第1のモールドコンパウンドを薄くして、前記第1のシリコン基板の前記上面を露出させることと、
前記第1のダイの前記第1のシリコン基板を実質的に除去して、第1の薄膜ダイを提供し、前記第1のモールドコンパウンド内に前記第1の薄膜ダイを覆うキャビティを形成することであって、前記第1の薄膜ダイは前記キャビティの底に露出された上面を有する、前記第1のシリコン基板を実質的に除去することと、
前記キャビティを実質的に埋め、前記第1の薄膜ダイの前記上面に直接、接触するように、第2のモールドコンパウンドを塗布することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のダイは、微小電気機械システム(MEMS)部品を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のダイは、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造から形成され、前記第1のダイの前記第1の素子層は、前記SOI構造のシリコンエピタキシ層から形成され、前記第1のダイの前記第1の誘電体層は、前記SOI構造の埋め込み酸化層であり、前記第1のダイの前記第1のシリコン基板は、前記SOI構造のシリコン基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モールドウエハは、第2の完全な状態のダイをさらに含み、前記第2の完全な状態のダイは、第2の素子層と、前記第2の素子層を覆う第2のシリコン基板とを含み、
前記第2のダイの上面は、前記第2のシリコン基板の上面であり、前記第2のダイの底面は、前記第2の素子層の前記底面であり、
前記第1のダイは、前記第2のダイより高さが高く、
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2のダイの側面と前記上面を封止し、前記第2の素子層の前記底面は露出される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のダイは、MEMS部品を提供し、前記第2の完全な状態のダイは、前記MEMS部品を制御する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラを提供する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のモールドコンパウンドは、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のモールドコンパウンドは、1×10
6
Ohm・cmより大きい電気抵抗率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2のモールドコンパウンドと同じ材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のモールドコンパウンドと前記第2のモールドコンパウンドは、異なる材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記キャビティの前記底に露出された前記第1の薄膜ダイの前記上面は、前記第1の誘電体層の上面である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記多層再配線構造は、ガラス繊維が使われてない、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のモールドコンパウンドを塗布する前に、前記誘電体層の前記平坦な底面を剛性キャリアに接着剤によって接着することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後に、前記剛性キャリアを前記誘電体層から取り外すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々を封止する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後に、前記誘電体層を除去して、前記複数のパッケージ接点を露出させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の側面を封止し、前記誘電体層の前記平坦な底面と前記複数のパッケージ接点の各々の底面とは、同じ平面にある、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面を直接、覆うバンプを形成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後、前記誘電体層の少なくとも一部を除去することをさらに含み、それによって、前記複数のパッケージ接点の各々の前記側面の少なくとも一部を露出させる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の前記側面を封止し、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面を超えて垂直方向に延びる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記誘電体層は、前記第1のダイの少なくとも70%の下に延在する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
複数の外部接点を形成することをさらに含み、前記複数の外部接点の各々は、対応するパッケージ接点と前記誘電体層を通して接触し、前記誘電体層の下に延在する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月12日出願の仮特許出願第62/374,318号、2016年8月12日出願の仮特許出願第62/374,332号、及び、2016年8月12日出願の仮特許出願第62/374,439号の利益を主張し、その開示内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、パッケージング工程に関し、より詳細には、熱的及び電気的性能を向上させたウエハレベルパッケージを提供するパッケージング工程に関する。
【背景技術】
【0003】
セルラー及び無線のデバイスの幅広い利用は、無線周波数(RF)技術の急速な発展を推進している。RF素子が製造される基板は、RF技術の高レベルな性能を達成するのに重要な役割を果たす。従来のシリコン基板上でのRF素子の製造は、低コストのシリコン材料、大規模能力のウエハ製造、確立された半導体設計ツール、及び、確立された半導体製造技術の恩恵を受け得る。
【0004】
RF素子製造に従来のシリコン基板を使用する利点にも関わらず、従来のシリコン基板は、RF素子に関して望ましくない2つの特性を有し得ることは、業界ではよく知られている。すなわち、高調波ひずみと低い抵抗値である。高調波ひずみは、シリコン基板上に構築されるRF素子が高レベルの線形性を達成する上で大きな障害となる。さらに、シリコン基板の低い抵抗率は、微小電気機械システム(MEMS)または他の受動部品の高周波での品質係数(Q)を低下させる場合がある。
【0005】
さらに、高速、高性能のトランジスタは、より多くの電力を伝える必要があると同時に、RF素子に密に集積される。結果として、RF素子が生成する熱量は、トランジスタを通る大量の電力、RF素子に集積された多数のトランジスタ、及び、トランジスタの高速の動作速度により、大きく増加することになる。従って、より熱放散の良い構成でRF素子をパッケージングするのが望ましい。
【0006】
ウエハレベルファンアウト(WLFO)パッケージング技術及び埋め込みウエハレベルボールグリッドアレイ(EWLB)技術が、現在、ポータブルRF用途において、大きな注目を集めている。WLFO技術及びEWLB技術は、部品である半導体チップのサイズを大きくせずに、高密度の入力/出力ポート(I/O)を提供するように、また、パッケージ側面の高さを低くするように設計される。チップ上のI/Oパッドのサイズは、小さいままで、ダイのサイズを最小限に保つ。この機能は、1つのウエハ内にRF素子を密にパッケージングすることを可能にする。
【0007】
RF素子の熱生成の増加に応えるために、RF素子の有害な高調波ひずみを低減するために、また、WLFO/EWLBパッケージング技術の長所を利用するために、本開示の目的は、熱的及び電気的性能を向上させたウエハレベルパッケージのパッケージング工程を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、熱的及び電気的性能を向上させたウエハレベルパッケージを提供するパッケージング工程に関する。例示の工程によると、第1のダイと第1のモールドコンパウンドとを有するモールドウエハが提供される。ここで、第1のダイは、第1の素子層と、第1の素子層を覆う第1の誘電体層と、第1の誘電体層を覆う第1のシリコン基板とを含む。第1の素子層は、第1の素子層の底面に複数の第1のダイ接点を含む。第1のダイの上面は、第1のシリコン基板の上面であり、第1のダイの底面は、第1の素子層の底面である。第1のモールドコンパウンドは、第1の素子層の底面が露出されるように、第1のダイの側面と上面とを封止する。次に、多層再配線構造が、モールドウエハの下に形成される。多層再配線構造は、多層再配線構造の底面に複数のパッケージ接点と、パッケージ接点を第1のダイ接点のうちの一定のダイ接点に接続する再配線相互接続部とを含む。各パッケージ接点は、分離されており、第1のダイの下に延在する連続した空隙によって囲まれる。再配線相互接続部と第1のダイ接点との間の接続には、はんだが使われていない。次に、平坦な底面を有する誘電体層が形成されて、連続した空隙を埋める。誘電体層が形成された後、第1のモールドコンパウンドが薄くされて、第1のシリコン基板の上面が露出される。次に、第1のダイの第1のシリコン基板が実質的に除去されて、第1の薄膜ダイを提供し、第1のモールドコンパウンド内に第1の薄膜ダイを覆ってキャビティが形成される。第1の薄膜ダイの上面は、キャビティの底に露出される。最後に、キャビティを実質的に埋め、第1の薄膜ダイの上面に直接、接するように、第2のモールドコンパウンドが塗布される。
【0009】
例示の工程の一実施形態において、第1のダイは、微小電気機械システム(MEMS)部品を提供する。
【0010】
例示の工程の一実施形態において、第1のダイは、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造から形成される。第1のダイの第1の素子層は、SOI構造のシリコンエピタキシ層から形成され、第1のダイの第1の誘電体層は、SOI構造の埋め込み酸化層であり、第1のダイの第1のシリコン基板は、SOI構造のシリコン基板である。
【0011】
例示の工程の一実施形態において、モールドウエハは、第2の完全な状態のダイをさらに含み、第2の完全な状態のダイは、第2の素子層と、第2の素子層を覆う第2のシリコン基板とを含む。ここで、第2のダイの上面は、第2のシリコン基板の上面であり、第2のダイの底面は、第2の素子層の底面である。第1のダイは、第2のダイより高さが高い。第1のモールドコンパウンドは、第2の素子層の底面が露出されるように、第2のダイの側面と上面とを封止する。
【0012】
例示の工程の一実施形態において、第1のダイは、MEMS部品を提供し、第2の完全な状態のダイは、MEMS部品を制御する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラを提供する。
【0013】
例示の工程の一実施形態において、第2のモールドコンパウンドは、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する。
【0014】
例示の工程の一実施形態において、第2のモールドコンパウンドは、1×10
6
Ohm・cmより大きい電気抵抗率を有する。
【0015】
例示の工程の一実施形態において、第1のモールドコンパウンドは、第2のモールドコンパウンドと同じ材料から形成される。
【0016】
例示の工程の一実施形態において、第1のモールドコンパウンドと第2のモールドコンパウンドは、異なる材料から形成される。
【0017】
例示の工程の一実施形態において、キャビティの底に露出された第1の薄膜ダイの上面は、第1の誘電体層の上面である。
【0018】
例示の工程の一実施形態において、多層再配線構造には、ガラス繊維は使われていない。
【0019】
他の実施形態によると、例示の工程は、第2のモールドコンパウンドを塗布する前に、誘電体層の底面を剛性キャリアに接着剤を用いて接着することと、第2のモールドコンパウンドを塗布した後、剛性キャリアを誘電体層から取り外すことをさらに含む。
【0020】
例示の工程の一実施形態において、誘電体層は、各パッケージ接点を封止し、例示の工程は、第2のモールドコンパウンドを塗布した後に、誘電体層を除去してパッケージ接点を露出させることをさらに含む。
【0021】
例示の工程の一実施形態において、誘電体層は、各パッケージ接点の側面を封止し、誘電体層の底面と各パッケージ接点の底面とは、同じ平面にある。例示の工程は、第2のモールドコンパウンドを塗布した後、各パッケージ接点の底面を直接、覆うバンプを形成することをさらに含む。あるいは、例示の工程は、第2のモールドコンパウンドを塗布した後、各パッケージ接点の側面の少なくとも一部が露出されるように、誘電体層の少なくとも一部を除去することをさらに含む。
【0022】
例示の工程の一実施形態において、誘電体層は、各パッケージ接点の側面を封止し、各パッケージ接点の底面を超えて垂直に延びる。ここで、誘電体層は、第1のダイの少なくとも70%の下に延在する。例示の工程は、複数の外部接点を形成することをさらに含む。各外部接点は、対応するパッケージ接点と誘電体層を通して接触し、誘電体層の下に延在する。
【0023】
例示の工程の一実施形態において、モールドウエハは、キャリアを覆って接着剤層を塗布することによって提供される。次に、第1のダイが、接着剤層に接着されて、第1の素子層の底面にある第1のダイ接点が接着剤層でカバーされる。第1のモールドコンパウンドが、次に、接着剤層を覆って塗布されて、第1のダイを封止する。最後に、キャリアと接着剤層が除去されて、第1の素子層の底面を露出させる。
【0024】
添付図面に関連付けて、好ましい実施形態の以下の詳細な記載を読むと、当業者は、本開示の範囲を理解し、本開示の追加の態様を認識するであろう。
【0025】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、開示の幾つかの態様を示し、その記載と共に、開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図2】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図4】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図6】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図7】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図8】本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。
【
図9】
図8に示すプリカーサーパッケージから高性能のウエハレベルパッケージを提供する例示の工程を示すフロー図である。
【
図11】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図12】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図13】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図14】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図15】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図17】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図18】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図19】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【
図20】
図9の工程に関連付けられたステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図を明瞭にするために、
図1~
図20は、縮尺通りに描かれていないことがあることは理解されよう。
【0028】
以下に記載の実施形態は、当業者が実施形態を実践することができるように必要な情報を表し、実施形態を実践する最良の形態を示す。添付図面に照らして以下の記載を読むと、当業者は、開示の概念を理解し、これらの概念の本明細書では詳細に取り扱っていない適用例を認識するであろう。これらの概念及び適用例は、開示と添付の請求項の範囲内にあることを理解すべきである。
【0029】
本明細書において、様々な要素を記述するために、第1、第2等の用語を使用する場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定すべきでないことは理解されよう。これらの用語は、ある要素を他の要素と区別するためにのみ使用される。本開示の範囲を逸脱することなく、例えば、第1の要素は、第2の要素と呼ばれてもよく、同様に、第2の要素は、第1の要素と呼ばれてもよい。本明細書において、「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。
【0030】
層、領域、または、基板等の要素が、他の要素の「上」にある、または、「上に」延在するという時、他の要素の上に直接ある、もしくは、直接延在してもよく、または、介在する要素が存在してもよいことは理解されよう。対照的に、要素が他の要素の「上に直接」ある、または、「の上に直接」延在している時、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または、基板等の要素が他の要素「を覆う」または他の要素「を覆って」延在している時、他の要素を直接、覆ってよい、もしくは、他の要素を直接、覆って延在してよい、または、介在する要素が存在してもよいことは理解されよう。対照的に、要素が、他の要素を「直接、覆う」または、「直接、覆って」延在している時、介在する要素は存在しない。要素が他の要素に「接続」または「結合」している時、他の要素に直接、接続もしくは結合されてもよく、または、介在する要素が存在してよいことも理解されよう。対照的に、要素が他の要素に「直接、接続」または「直接、結合」している時、介在する要素は存在しない。
【0031】
「下に」または「上に」または「上部」または「下部」または「水平」または「垂直」等の相対語は、本明細書では、図に示すように、ある要素、層、または、領域と、他の要素、層、または、領域との関係を記述するために使用されてよい。これらの用語と前述の用語は、図に示す向きに加えて、素子の異なる向きを含むことを意図していることは理解されよう。
【0032】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態の記述のみを目的としており、開示を限定する意図はない。本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別の意味を指示しない限り、単数形「a」「an」及び「the」は、複数形も含むものとする。用語「含む(comprises)」「含む(comprising)」「含む(includes)」、及び/または、「含む(including)」は、本明細書で使用する場合、記載の特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/または、部品の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、部品、及び/または、それらのグループの存在または追加を除外しないこともさらに理解されよう。
【0033】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される(技術用語及び科学用語を含む)全ての用語は、本開示が属する技術分野の当業者が通常、理解するのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の内容の意味と矛盾しない意味を有すると解釈すべきであり、本明細書に明示の規定の無い限り、理想的またはあまりに形式張った意味に解釈しないこともさらに理解されよう。
【0034】
本開示は、熱的及び電気的性能を向上させたウエハレベルパッケージを提供するパッケージング工程に関する。
図1~8は、本開示の一実施形態による、プリカーサーパッケージを提供する例示のステップを示す。例示のステップは、連続して示されているが、例示のステップは、必ずしも、順序に依存しない。一部のステップは、提示したのとは異なる順序で行われてよい。さらに、本開示の範囲内の工程は、
図1~
図8に示す工程より少ないステップまたは多いステップを含んでよい。
【0035】
最初に、
図1に示すように、接着剤層10が、キャリア12の上面に塗布される。次に、シリコンオンインシュレータ(SOI)ダイ14、微小電気機械システム(MEMS)ダイ16、及び、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラダイ18が、
図2に示すように、接着剤層10に接着される。異なる適用例においては、接着剤層10に接着されるダイはより少なくてもよく、多くてもよい。例えば、ある適用例においては、SOIダイ14のみが接着剤層10に接着されてよく、ある適用例においては、MEMSダイ16とCMOSコントローラダイ18のみが接着剤層10に接着されてよく、ある適用例においては、MEMS/SOIダイ以外に、薄膜集積受動素子ダイ(図示せず)が接着剤層10に接着されてよい。
【0036】
SOIダイ14は、第1の素子層20と、第1の素子層20の上面を覆う第1の誘電体層22と、第1の誘電体層22を覆う第1のシリコン基板24とを含む。従って、第1の素子層20の底面は、SOIダイ14の底面であり、第1のシリコン基板24の裏面は、SOIダイ14の上面である。第1の素子層20は、第1の素子層20の底面に複数の第1のダイ接点26を含む。ここで、SOIダイ14は、SOI構造から形成され、SOI構造とは、シリコン基板と、シリコンエピタキシ層と、シリコン基板とシリコンエピタキシ層との間に挟まれた埋め込み酸化層とを含む構造を指す。SOIダイ14の第1の素子層20は、SOI構造のシリコンエピタキシ層内、または、シリコンエピタキシ層上に電子部品(図示せず)を集積することによって形成される。SOIダイ14の第1の誘電体層22は、SOI構造の埋め込み酸化層である。SOIダイ14の第1のシリコン基板24は、SOI構造のシリコン基板である。第1の素子層20は、0.1μm~50μmの厚さを有し、第1の誘電体層22は、10nm~2000nmの厚さを有する。さらに、SOIダイ14は、25μm~250μm、または、10μm~750μmの厚さを有し、第1のシリコン基板24は、25μm~250μm、または、10μm~750μmの厚さをそれぞれ有する。
【0037】
MEMSダイ16は、第2の素子層28と、第2の素子層28の上面を覆う第2の誘電体層30と、第2の誘電体層30を覆う第2のシリコン基板32とを含む。従って、第2の素子層28の底面は、MEMSダイ16の底面であり、第2のシリコン基板32の裏面は、MEMSダイ16の上面である。第2の素子層28は、典型的にはスイッチであるMEMS部品(図示せず)と、第2の素子層28の底面に複数の第2のダイ接点34とを含む。ビア構造(図示せず)を使用して、MEMS部品を第2のダイ接点34に接続してよい。第2の素子層28は、0.5μm~100μmの厚さを有し、誘導体層と金属層(酸化シリコン、窒化シリコン、アルミニウム、チタン、銅等)との組み合わせから形成されてよい。第2の誘電体層30は、10nm~10000nmの厚さを有し、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、または、窒化アルミニウムから形成されてよい。さらに、MEMSダイ16は、25μm~300μm、または、10μm~800μmの厚さを有し、第2のシリコン基板32は、25μm~300μm間、または、10μm~800μmの厚さをそれぞれ有する。
【0038】
CMOSコントローラダイ18は、第3の素子層36と、第3の素子層36を覆う第3のシリコン基板38とを含む。第3の素子層36の底面は、CMOSコントローラダイ18の底面であり、第3のシリコン基板38の裏面は、CMOSコントローラダイ18の上面である。第3の素子層36は、薄膜MEMSダイ14内のMEMS部品を制御するCMOSコントローラ(図示せず)と、第3の素子層36の底面に複数の第3のダイ接点40とを含んでよい。ビア構造(図示せず)を使用して、CMOSコントローラを第3のダイ接点40に接続してよい。第3の素子層36は、0.1μm~50μmの厚さを有し、誘導体層と金属層(酸化シリコン、窒化シリコン、アルミニウム、チタン、銅等)の組み合わせから形成されてよい。さらに、CMOSコントローラダイ18は、25μm~250μm、または、10μm~750μmの厚さを有し、第3のシリコン基板38は、25μm~250μm、または、10μm~750μmの厚さをそれぞれ有する。この実施形態において、CMOSコントローラダイ18は、SOIダイ14及びMEMSダイ16より低くてよい。異なる適用例においては、CMOSコントローラダイ18は、SOIダイ14またはMEMSダイ16と同じ高さであってよい、または、CMOSコントローラダイ18は、SOIダイ14及びMEMSダイ16より高くてよい。
【0039】
次に、
図3に示すように、第1のモールドコンパウンド42が、接着剤層10を覆って塗布されて、SOIダイ14、MEMSダイ16、及び、CMOSコントローラダイ18を封止する。第1のモールドコンパウンド42は、有機エポキシ樹脂系等であってよく、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、及び、アセチルコリン(ACH)等のエッチング化学物質に対してSOIダイ14、MEMSダイ16、及び、CMOSコントローラダイ18を保護するエッチャントバリアとして使用できる。第1のモールドコンパウンド42は、シート成形、オーバーモールド、圧縮成形、トランスファーモールド、ダムフィル封止、または、スクリーン印刷封止等、様々な手順で塗布されてよい。典型的な圧縮成形において、第1のモールドコンパウンド42の塗布に使用される成形圧は、100psi~1000psiである。SOIダイ14、MEMSダイ16、及び、CMOSコントローラダイ18は、相対的に厚く、SOIダイ14と、MEMSダイ16と、CMOSコントローラダイ18との底面が基本的に平らなので、この成形ステップ中、SOIダイ14、MEMSダイ16、CMOSコントローラダイ18に垂直ひずみは生じ得ない。
【0040】
次に、硬化工程(図示せず)を使用して、第1のモールドコンパウンド42を硬化する。硬化温度は、第1のモールドコンパウンド42としてどの材料を使用するかに応じて、100℃~320℃である。次に、
図4に示すように、接着剤層10及びキャリア12が除去されて、第1の素子層20の底面、第2の素子層28の底面、及び、第3の素子層36の底面が露出される。接着剤層10及びキャリア12の除去は、接着剤層10を加熱することによって、または、接着剤層10に紫外線光もしくはレーザ光を当てることによって、行われてよい。
【0041】
図5~
図8を参照して、本開示の一実施形態による、再配線工程を提供する。
図5に示すように、最初に、第1の誘電体パターン44が、SOIダイ14、MEMSダイ16、及び、CMOSコントローラダイ18の下に形成される。従って、SOIダイ14の第1の素子層20、MEMSダイ16の第2の素子層28、及び、CMOSコントローラダイ18の第3の素子層36は、第1の誘電体パターン44と接する。さらに、第1の素子層20の底面の第1のダイ接点26、第2の素子層28の底面の第2のダイ接点34、及び、第3の素子層36の底面の第3のダイ接点40は、第1の誘電体パターン44を通して露出される。
【0042】
次に、複数の再配線相互接続部46が、
図6に示すように形成される。この例示の目的のために、再配線相互接続部46は、5つの第1の再配線相互接続部46(1)と1つの第2の再配線相互接続部46(2)とを含む。異なる適用例においては、再配線相互接続部46は、より少ないまたは多い第1の再配線相互接続部46(1)/第2の再配線相互接続部46(2)を含んでよい。各第1の再配線相互接続部46(1)は、第1のダイ接点26、第2のダイ接点34、及び、第3のダイ接点40のうちの1つの対応するダイ接点に第1の誘電体パターン44を通して電気的に結合され、第1の誘電体パターン44の下に延在する。第2の再配線相互接続部46(2)を使用して1つの第2のダイ接点34を対応する第3のダイ接点40に接続し、それによって、CMOSコントローラダイ18内のCMOSコントローラは、薄膜MEMSダイ16内のMEMS部品に電気的に接続する。第2の再配線相互接続部46(2)も、第1の誘電体パターン44の下に延在してよい。再配線相互接続部46と、第1のダイ接点26、第2のダイ接点34、及び、第3のダイ接点40との接続には、はんだは使われない。
【0043】
図7に示すように、第2の誘電体パターン48が、第1の誘電体パターン44の下に形成されて、各第1の再配線相互接続部46(1)を部分的に封止する。従って、各第1の再配線相互接続部46(1)の一部分が、第2の誘電体パターン48を通して露出される。さらに、第2の誘電体パターン48は、第2の再配線相互接続部46(2)を完全に封止する。従って、第2の再配線相互接続部46(2)は、どの部分も第2の誘電体パターン48を通して露出されない。異なる適用例においては、第2の誘電体パターン48を通して再配線相互接続部46に電気的に結合された追加の再配線相互接続部(図示せず)と、第2の誘電体パターン48の下に形成されて、追加の各再配線相互接続部を部分的に封止する追加の誘電体パターン(図示せず)とがあってよい。
【0044】
最後に、
図8に示すように、複数のパッケージ接点50が形成されて、多層再配線構造52が完成し、プリカーサーパッケージ54を提供する。各パッケージ接点50は、多層再配線構造52の底面にあり、対応する第1の再配線相互接続部46(1)の露出された部分に第2の誘電体パターン48を通して電気的に結合される。結果として、第1の再配線相互接続部46(1)は、パッケージ接点50を第1のダイ接点26、第2のダイ接点34、及び、第3のダイ接点40の一定のダイ接点に接続する。さらに、パッケージ接点50は、互いに離れており、第2の誘電体パターン48の下に延在し、それによって、連続した空隙56が各パッケージ接点50を取り囲むように同時に形成される。空隙56は、SOIダイ14の下、及び/または、MEMSダイ16の下に延在してよい。
【0045】
多層再配線構造52には、ガラス繊維が使われなくてよい、または、ガラスフリーであってよい。ここで、ガラス繊維とは、捩じられてより大きいグループになる個々のガラスストランドを指す。これらのガラスストランドは、次に、繊維に織られてよい。第1の誘電体パターン44及び第2の誘電体パターン48は、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリイミド、または、他の誘電材料で形成されてよい。再配線相互接続部46は、銅または他の適切な金属で形成されてよい。パッケージ接点50は、銅、金、ニッケル、及び、パラジウムのうちの少なくとも1つで形成されてよい。多層再配線構造52は、2μm~300μmの厚さを有する。
【0046】
図9は、
図8に示すプリカーサーパッケージ54から、性能を向上させたウエハレベルパッケージを提供する例示の工程を示すフロー図である。
図10A~
図20は、
図9の工程に関連付けられたステップを示す。フロー図と関連するステップとは、連続して示されているが、必ずしも順序に依存しない。一部のステップは、提示のステップと異なる順序で行われてよい。さらに、本開示の範囲内の工程は、
図9に示すステップより少ないまたは多いステップを含んでよい。
【0047】
最初に、第3の誘電体層58は、
図10A~
図10D(ステップ100)に示すように、多層再配線構造52の底面に形成される。ある適用例においては、第3の誘電体層58は、最終的なウエハレベルパッケージには残らなくてよい。従って、
図10Aに示すように、パッケージ接点50は、第3の誘電体層58を通して露出される必要はない。第3の誘電体層58は、各パッケージ接点50を取り囲んでいる空隙56を完全に埋め、各パッケージ接点50を封止し、また、基本的に平坦な底面を提供する。第3の誘電体層58は、誘電体をスピンオン、積層、成膜、または、成形することによって形成されて、各パッケージ接点50を封止してよく、その後、研磨が行われて、基本的に平坦な表面を実現し得る。
【0048】
後の処理ステップ(以下により詳細に記載する)で第3の誘電体層58を簡単に除去できるように、
図10Bに示すように、パッシベーション層60が、多層再配線構造52と第3の誘電体層58との間に形成されてよい。パッシベーション層60は、第2の誘電体パターン48の少なくとも露出された底面部分をカバーして、第3の誘電体層58を後に除去する時に、第1の誘電体パターン44と第2の誘電体パターン48を保護する。一実施形態において、パッシベーション層60は、第3の誘電体層58を塗布する前に、窒化シリコン、窒化アルミニウム、または、他の金属もしくは誘電体膜を成膜することによって形成されてよく、これは、空隙56内の第2の誘電体パターン48の露出された底面部分に第3の誘電体層58とは異なるようにエッチングする。パッシベーション層60は、垂直方向にパッケージ接点50を超えず、5nm~5000nmの厚さを有する。他の実施形態においては、パッシベーション層60は、パッケージ接点50のシード層であってよく、シード層は、パッケージ接点50の前に形成され、(第2の誘電体パターン48の底面から突き出ているパッケージ接点50の厚さの10分の1より薄いが)、パッケージ接点50と同じ材料または異なる材料で形成されてよい。ここで、パッシベーション層60は、第2の誘電体パターン48の底面全体を覆って延在してよく、第2の誘電体パターン48とパッケージ接点50との間に挟まれてよい(図示せず)。
【0049】
ある適用例においては、第3の誘電体層58の少なくとも一部が、最終的なウエハレベルパッケージに残ってよい。従って、各パッケージ接点50は、第3の誘電体層58を通して露出される必要がある。ここで、10Cに示すように、第3の誘電体層58は、空隙56を完全に埋め、各パッケージ接点50の側面を封止する。第3の誘電体層58の底面と各パッケージ接点50の底面とは、同じ平面にある。第3の誘電体層58は、誘電体をスピンオン、積層、成膜、または、成形することによって形成されて、各パッケージ接点50を封止してよく、その後、薄化ステップ(化学機械平坦化またはエッチング技術等)の後、各パッケージ接点50の底面を露出する。
【0050】
さらに、10Dに示すように、空隙56がSOIダイ14の少なくとも70%の下に延在する時、及び/または、MEMSダイ16の少なくとも70%の下に延在する時、第3の誘電体層58は、各パッケージ接点50の側面を封止し、空隙56を完全に埋め、また、各パッケージ接点50の底面を超えて垂直に延びてよい。第3の誘電体層58が、各パッケージ接点50の底面を超えて垂直に延びてよいので、複数の異なる空気開口部62は、同時に、各パッケージ接点50の下に垂直に形成される。各パッケージ接点50は、同じサイズまたは異なるサイズであってよく、正方形、長方形、三角形、及び、円形等、同じまたは異なる形状を有してよい。結果として、各空気開口部62は、同じまたは異なるサイズを有してよく、正方形、長方形、三角形、及び、円形等、同じまたは異なる形状を有してよい。SOIダイ14とMEMSダイ16の垂直方向下にパッケージ接点50が無い場合、SOIダイ14とMEMSダイ16の垂直方向下に空気開口部62は無い。各空気開口部62は、25μmx25μm~400μmx400μmのサイズを有し、空隙56と比較してずっと小さい。各空気開口部62の深さは、できるだけゼロに近付くように最小化される。ここで、第3の誘電体層58は、基本的に平坦な底面を有し、各パッケージ接点50は、第3の誘電体層58を通して露出される。第3の誘電体層58は、誘電体をスピンオン、積層、成膜、または、成形することによって形成されてよく、次に、研磨の後、基本的に平坦な表面を実現してよい。
図10A~
図10Dに関して、第3の誘電体層58は、BCB、ポリイミド、または、他の誘電材料(UV感受性材料等)で形成されてよい。第3の誘電体層58は、第2の誘電体パターン48と同じまたは異なる材料で形成されてよい。
【0051】
第3の誘電体層58が形成された後、
図11に示すように、第1のモールドコンパウンド42が薄くされて、SOIダイ14の第1のシリコン基板24とMEMSダイ16の第2のシリコン基板32とを露出する(ステップ102)。ここで、
図11は、
図10Aに由来しており、同じ薄化手順が、
図10B~
図10Dにも(簡単にするために図示せず)適用されてよい。薄化手順は、機械的研削工程を用いて行われてよい。ここで、CMOSコントローラダイ18は、MEMSダイ16及びSOIダイ14の両方より高さが低く、よって、CMOSコントローラダイ18のシリコン基板38は、露出されず、第1のモールドコンパウンド42に封止されたままである。
【0052】
次に、
図12に示すように、第1のシリコン基板24及び第2のシリコン基板32が、実質的に除去されて、エッチングされたプリカーサーパッケージ64が与えられる(ステップ104)。SOIダイ14からの第1のシリコン基板24の除去により、薄膜SOIダイ14Tが提供され、第1のモールドコンパウンド42内に薄膜SOIダイ14Tを覆う第1のキャビティ66が形成される。MEMSダイ16から第2のシリコン基板32の除去により、薄膜MEMSダイ16Tが提供され、第1のモールドコンパウンド42内に薄膜MEMSダイ16Tを覆う第2のキャビティ68が形成される。ここで、シリコン基板を実質的に除去するとは、シリコン基板全体の少なくとも95%を除去して、最大2μmのシリコン基板を残すことを指す。望ましい場合には、第1のシリコン基板24及び第2のシリコン基板32を完全に除去し、それによって、薄膜SOIダイ14Tの第1の誘電体層22が、第1のキャビティ66の底に露出し、薄膜MEMSダイ16Tの第2の誘電体層30が、第2のキャビティ68の底に露出する。
【0053】
第1のシリコン基板24及び第2のシリコン基板32の実質的な除去は、TMAH、KOH、ACH、NaOH等であってよいウエット/ドライエッチャント化学物質を用いたエッチング工程によって行われてよい。第1の誘電体層22は、薄膜SOIダイ14Tの第1の素子層20を保護するエッチングストップとして機能し、第2の誘電体層30は、薄膜MEMSダイ16Tの第2の素子層28を保護するエッチングストップとして機能する。第1のモールドコンパウンド42は、CMOSコントローラダイ18を封止し、ウエット/ドライエッチャント化学物質から保護する。ある適用例においては、保護層(図示せず)が、第3の誘電体層58の底面に置かれて、第3の誘電体層58、及び/または、(
図10C及び
図10Dに示すように、パッケージ接点50が第3の誘電体層58を通って露出される場合)パッケージ接点50をエッチャント化学物質から保護してよい。保護層は、エッチング工程の前に塗布されて、エッチング工程の後、除去される。さらに、CMOSコントローラダイ18のシリコン基板38が、第1のモールドコンパウンド42によって封止されていない場合(ある適用例においては、CMOSコントローラダイ18は、SOIダイ14及びMEMSダイ16と同じ高さ、または、それらより高い場合、CMOSコントローラダイ18のシリコン基板38は、薄化工程中、露出される)、シリコン基板38を覆うように配置されて、CMOSコントローラダイ18をウエット/ドライエッチャント化学物質から保護する追加の保護層(図示せず)があってよい。追加の保護層は、エッチング工程の前に塗布され、エッチング工程の後で除去される。
【0054】
エッチングされたプリカーサーパッケージ64は、
図13に示すように、接着剤72を介して剛性キャリア70に接着されてよい(ステップ106)。剛性キャリア70は、光透過性であってよく、石英、溶融シリカ、または、サファイヤから形成されてよい。接着剤72は、UV感受性の接着テープまたはフィルムであってよい。(
図10A、10B、及び10Dに示すように)第3の誘電体層58がパッケージ接点50を封止する、または、各パッケージ接点50の底面を超えて垂直に延びる場合、第3の誘電体層58の平坦な底面は、接着剤72と接触する。第3の誘電体層58の底面と各パッケージ接点50の底面とが(
図10Cに示すように)同じ平面にある場合、第3の誘電体層58とパッケージ接点50との両方が、接着剤72(図示せず)と接触する。剛性キャリア70は、エッチングされたプリカーサーパッケージ64を機械的に支持して助けてもよい。ある適用例においては、エッチングされたプリカーサーパッケージ64は、剛性キャリア70に接着されなくてもよく、剛性キャリア70は、以下の製造ステップで使用されない。
【0055】
次に、
図14に示すように、第2のモールドコンパウンド74が塗布されて、第1のキャビティ66及び第2のキャビティ68を実質的に埋める(ステップ108)。ここで、キャビティを実質的に埋めるというのは、キャビティ全体の少なくとも75%を埋めることを指す。第2のモールドコンパウンド74は、薄膜SOIダイ14Tの上面と、薄膜MEMSダイ16Tの上面とを直接、覆って存在する。第1のキャビティ66に第1のシリコン基板24が残っておらず、第2のキャビティ68に第2のシリコン基板32が残っていない場合、第2のモールドコンパウンド74は、第1の誘電体層22と第2の誘電体層30とを直接、覆って存在する。ある場合には、第2のモールドコンパウンド74の一部分が、第1のモールドコンパウンド42を覆ってさらに存在してよい。第2のモールドコンパウンド74は、第1のモールドコンパウンド42によってCMOSコントローラダイ18から分離される。CMOSコントローラダイ18の上面は、第1のモールドコンパウンド42と接している。
【0056】
第2のモールドコンパウンド74は、2W/m・Kより大きい、または、10W/m・Kより大きい熱伝導率を有し、1×10
6
Ohm・cmより大きい電気抵抗率を有する。一般に、第2のモールドコンパウンド74の熱伝導率が高ければ高いほど、薄膜SOIダイ14T及び薄膜MEMSダイ16Tの熱性能は良くなる。さらに、第2のモールドコンパウンド74の高い電気抵抗率は、薄膜MEMSダイ16TのMEMS部品の高周波数での品質係数(Q)を向上し得る、また、薄膜SOIダイ14Tの損失を低減し得る。
【0057】
第2のモールドコンパウンド74は、PPS(ポリフェニルスルフィド)、窒化ホウ素もしくはアルミナ熱添加剤をドープしたオーバーモールドエポキシ樹脂等、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性材料から形成されてよい。ある適用例においては、エッチングされたプリカーサーパッケージ64は、MEMSダイ16及びCMOSコントローラダイ18のみを含んでよい。第2のモールドコンパウンド74も、2W/m・K未満の熱伝導率を有する有機エポキシ樹脂系から形成されてよい。第2のモールドコンパウンド74は、第1のモールドコンパウンド42と同じまたは異なる材料で形成されてよい。しかしながら、第2のモールドコンパウンド74とは異なり、第1のモールドコンパウンド42は、熱伝導率要件または電気抵抗率要件を有さない。ある適用例においては、第1のモールドコンパウンド42と第2のモールドコンパウンド74の両方が、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する。ある適用例においては、第1のモールドコンパウンド42は、2W/m・K未満の熱伝導率を有し、第2のモールドコンパウンド74は、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する。ある適用例においては、第1のモールドコンパウンド42は、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有し、第2のモールドコンパウンド74は、10W/m・Kより大きい熱伝導率を有する。
【0058】
第2のモールドコンパウンド74は、シート成形、オーバーモールド、圧縮成形、トランスファーモールド、ダムフィル封止、及び、スクリーン印刷封止等、様々な手順で塗布されてよい。第2のモールドコンパウンド74の成形工程中、液化と成形圧とは、エッチングされたプリカーサーパッケージ64全体にわたって均一でない場合がある。薄膜SOIダイ14Tと薄膜ガラスベースダイ14Tの真下の多層再配線構造52の第1の部分との第1の組み合わせと、薄膜MEMSダイ16Tと薄膜MEMSダイ16Tの真下の多層再配線構造52の第2の部分との第2の組み合わせは、エッチングされたプリカーサーパッケージ64の他の部分よりも大きい成形圧を受ける場合がある。典型的な圧縮成形においては、第2のモールドコンパウンド74が高い熱伝導率の材料(>=2W/m・K)で形成される場合、第2のモールドコンパウンド74の塗布に使用される成形圧と温度は、それぞれ、250psi~1000psi、100℃~350℃である。
【0059】
薄膜SOIダイ14Tが、0.1μm~50μmの厚さを有すること、薄膜MEMSダイ16Tが、0.5μm~100μmの厚さを有すること、及び、多層再配線構造52が、2μm~300μmの厚さを有することに注意されたい。従って、薄膜SOIダイ14Tと多層再配線構造52の第1の部分との第1の組み合わせ、または、薄膜MEMSダイ16Tと多層再配線構造52の第2の部分との第2の組み合わせとは、厚さが、数μmほどに薄くなり得る。空隙56、特に、薄膜SOIダイ14Tの垂直方向下、及び/または、薄膜MEMSダイ16Tの垂直方向下の空隙56の部分を埋める第3の誘電体層58が無い場合、第1の組み合わせの垂直ひずみ、及び/または、第2の組み合わせの垂直ひずみが、成形ステップ中に生じる場合がある。薄膜SOIダイ14T垂直方向下、及び/または、薄膜MEMSダイ16T垂直方向下の空隙56の部分に追加の支持が無いと、第1の組み合わせ及び第2の組み合わせは、高い垂直成形圧に耐えられない場合がある。
【0060】
一実施形態において、(
図10A及び10Bに示すように)第3の誘電体層58が空隙56を完全に埋め、各パッケージ接点50を封止し、且つ、平坦な底面を提供する時、多層再配線構造52の下に空隙はない。従って、第3の誘電体層58は、剛性キャリア70と組み合わされて、薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tとに高い成形圧に耐える十分な機械的支持を与え得る。薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tとの垂直ひずみは、許容できるレベルまで低減され得る。
【0061】
他の実施形態においては、(
図10Cに示すように)第3の誘電体層58が完全に空隙56を埋め、各パッケージ接点50の側面を封止し、且つ、各パッケージ接点50の底面と同じ平らな面に底面を有する時、多層再配線構造52の下に空隙は無い。従って、第3の誘電体層58は、剛性キャリア70(図示せず)と組み合わされて、薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tとに高い成形圧に耐える十分な機械的支持を提供し得る。薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tとの垂直ひずみは、許容できるレベルまで低減され得る。
【0062】
さらに、(
図10Dに示すように)第3の誘電体層58が、空隙56を完全に埋め、各パッケージ接点50の側面を封止し、且つ、各パッケージ接点50の底面を超えて垂直に延びる時、各パッケージ接点50の下に垂直に複数の空気開口部62が形成される。各空気開口部62は、空隙56に比べてずっと小さく、薄膜SOIダイ14T及び薄膜MEMSダイ16Tの垂直方向下にない場合があるので、空気開口部62は、埋められていない空隙56より、薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tの垂直ひずみは大幅に小さくなり得る。(空隙56が、薄膜SOIダイ14Tの少なくとも70%の下に延在する、及び/または、薄膜MEMSダイ16Tの少なくとも70%の下に延在する、及び、第3の誘電体層58が空隙56を完全に埋めるので)、第3の誘電体層58は、薄膜SOIダイ14Tの少なくとも70%の下に延在する、及び/または、薄膜MEMSダイ16Tの少なくとも70%の下に延在する。従って、第3の誘電体層58は、剛性キャリア70(図示せず)と組み合わされて、薄膜SOIダイ14Tと薄膜MEMSダイ16Tに高い成形圧に耐える十分な機械的支持を提供し得る。さらに、第1のモールドコンパウンド42の垂直方向下、及び/または、CMOSコントローラダイ16垂直方向下に、一部の空気開口部62があってよい。第1のモールドコンパウンド42及びCMOSコントローラダイ16は比較的厚く、空気開口部62は、小さいサイズ(400μmx400μm以下)なので、第1のモールドコンパウンド42及び/またはCMOSコントローラダイ16は、高い成形圧に耐えるほど十分に剛性である。
【0063】
硬化工程(図示せず)が続いて、第2のモールドコンパウンド74を硬くする(ステップ110)。硬化温度は、第2のモールドコンパウンド74としてどの材料を使用するかに応じて、100℃~320℃である。次に、第2のモールドコンパウンド74の上面が、
図15に示すように、平坦化される(ステップ112)。第2のモールドコンパウンド74が第1のモールドコンパウンド42の上面をカバーしない場合、第2のモールドコンパウンド74及び/または第1のモールドコンパウンド42の上面が、平坦化されて同一平面にされる(図示せず)。平坦化には機械的研削工程を使用してよい。
【0064】
図16A~
図16D(ステップ114)は、剛性キャリア70を取り外した後、第3の誘電体層58が露出されているのを示す。
図16A~
図16Dは、それぞれ、
図10A~
図10Dに由来している。剛性キャリア70が光透過性の剛性キャリアで、接着剤72がUV感受性のフィルムまたはテープの場合、剛性キャリア70をUV環境に露出して、取り外し工程を達成する。
【0065】
取り外し工程の後、パッケージ接点50は、(
図16A及び16Bに示す)第3の誘電体層58によって完全に封止されてよい。性能を向上させたウエハレベルパッケージ76を完成させるために、
図17に示すように、第3の層58と(存在する場合)パッシベーション層60とが、除去される(ステップ116)。ウェットエッチングを使用して、第3の誘電体層58を多層再配線構造52から除去してよい。第3の誘電体層58と第2の誘電体パターン48との間にパッシベーション層が無い場合、第3の誘電体層58と第2の誘電体パターン48は、異なるエッチング特性を有する異なる材料で形成されてよい。例えば、第3の誘電体層58と第2の誘電体パターン48は、異なるエッチング特性を有する2つの異なるポリイミド材料で形成される。従って、第2の誘電体パターン48を攻撃せずに、第3の誘電体層58が選択的にエッチングされてよい。パッシベーション層60が、第3の誘電体層58と第2の誘電体パターン48との間に挟まれている場合、第3の誘電体層58及び第2の誘電体パターン48は、同じまたは異なるエッチング特性を有する材料で形成されてよい。パッシベーション層60は、第2の誘電体パターン48を保護するエッチングストップである。ウエットまたはドライエッチングを使用して、パッシベーション層60を除去してよい。パッシベーション層60と第2の誘電体パターン48が異なるエッチング特性を有する異なる材料で形成されるので、第2の誘電体パターン48を攻撃せずに、パッシベーション層60が選択的にエッチングされてよい。さらに、パッシベーション層60のエッチングの間、パッケージ接点50を保護するために、リソグラフィ技術を使用してよい。パッシベーション層60が、パッケージ接点50のシード層である場合、パッシベーション層60は、リソグラフィ技術を使わずにエッチングされてよい。パッケージ接点50は、攻撃され得るが、パッシベーション層60と各パッケージ接点50の第2の誘電体パターン48の底面から突き出る部分との厚さの違いが大きい(10倍を超える)ので、大きく変化することはない。
【0066】
他の実施形態においては、取り外し工程の後、各パッケージ接点50の底面は、露出されてよく、(
図16Cに示す)第3の誘電体層58の底面と同じ平面にあってよい。性能が向上されたウエハレベルパッケージ76’を完成させるために、第3の誘電体層58の少なくとも一部分が、
図18に示すように除去されてよい(ステップ116)。エッチング技術を使用して、第3の誘電体層58の少なくとも一部分を除去して、各パッケージ接点50の側面の少なくとも一部分を露出させてよい。ここで、第3の誘電体層58と第2の誘電体パターン48は、異なるエッチング特性を有する異なる材料で形成されてよい。さらに、第3の層58を除去する代わりに、
図19に示すように、バンプ78を各パッケージ接点50の底面を直接、覆うように形成して、性能を向上させたウエハレベルパッケージ76”を完成させてよい(ステップ116)。結果として、各バンプ78は、第1のダイ接点26、第2のダイ接点34、及び、第3のダイ接点40のうちの対応するダイ接点に電気的に結合される。各バンプ78は、標準的なバンピング技術によって、スズまたはスズ合金等のはんだ合金から形成されてよい。
【0067】
さらに、取り外し工程の後、各パッケージ接点50の底面は、(
図16Dに示す)各パッケージ接点50の底面を垂直方向に超える第3の誘電体層58を通して露出されてよい。ウエハレベルパッケージ76”’は、
図20に示すように、複数の外部接点80を形成することによって完成されてよい(ステップ116)。各外部接点80は、第3の誘電体層58を通して対応するパッケージ接点50と接触し、第3の誘電体層58の下に延在する。結果として、各外部接点80は、第1のダイ接点26、第2のダイ接点34、及び、第3のダイ接点40のうちの対応するダイ接点に電気的に結合される。外部接点80は、銅、ニッケル、金、はんだ、及び、他のはんだ付け可能な金属のうちの少なくとも1つで形成されてよい。
【0068】
最後に、ウエハレベルパッケージ76/76’/76”/76”’は、マーキング、ダイシング、及び、個々の部品に個片化されてよい(ステップ118)。
【0069】
当業者は、本開示の好ましい実施形態への改良及び修正を認識するであろう。そのような全ての改良及び修正は、本明細書に開示の概念と以下の特許請求の範囲内にあるとみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の素子層と当該第1の素子層を覆う第1の誘電体層とを備える第1の薄膜ダイであって、当該第1の素子層が当該第1の素子層の底面に複数の第1のダイ接点を備える、第1の薄膜ダイと、
第1の誘電体パターンと、再配線相互接続部と、第2の誘電体パターンと、複数のパッケージ接点とを備える多層再配線構造であって、
前記第1の誘電体パターンは前記第1の薄膜ダイの下に形成され、前記複数の第1のダイ接点は当該第1の誘電体パターンを通して露出され、
前記再配線相互接続部は、前記第1の誘電体パターンを通して前記複数の第1のダイ接点に電気的に結合されて当該第1の誘電体パターンの下に延在し、当該再配線相互接続部と当該複数の第1のダイ接点との間の接続にははんだが使用されておらず、
前記第2の誘電体パターンは前記第1の誘電体パターンの下に形成されて各前記再配線相互接続部を部分的に封止し、
前記複数のパッケージ接点の各々は分離しており前記多層再配線構造の底面にあり、前記再配線相互接続部は前記複数の第1のダイ接点を前記複数のパッケージ接点のうちの一定のダイ接点に接続し、
多層再配線構造と、
前記複数のパッケージ接点の各々を囲む連続した空隙を覆って延在する支持誘電体層であって、当該複数のパッケージ接点の各々の各側面の少なくとも一部が当該支持誘電体層によって覆われ、当該複数のパッケージ接点の各々の底面が当該支持誘電体層によって覆われていない、支持誘電体層と、
前記多層再配線構造を覆い前記第1の薄膜ダイの周囲に存在する第1のモールドコンパウンドであって、当該第1の薄膜ダイの上面を超えて延びて当該第1のモールドコンパウンド内に当該第1の薄膜ダイを覆う開口部を画定し、当該第1の薄膜ダイの当該上面が当該開口部の底で露出される、第1のモールドコンパウンドと、
前記開口部を埋め、前記第1の薄膜ダイの前記上面に接触する第2のモールドコンパウンドと、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記支持誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の各側面を封止し、
前記支持誘電体層の底面、及び、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面は、同じ平面の中にある、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
複数のバンプを更に備え、
前記複数のバンプの各々は、前記複数のパッケージ接点の対応するパッケージ接点の前記底面に直接結合される、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記支持誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の各側面の一部を覆い、その結果、当該複数のパッケージ接点の各々の各側面の他の部分は露出される、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記支持誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の各側面を封止し、
前記支持誘電体層の底面は、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面を垂直方向に超える、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
複数の外部接点を更に備え、
前記複数の外部接点の各々は、前記複数のパッケージ接点の中の対応するパッケージ接点の前記底面に前記支持誘電体層を通して直接結合される、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、
前記第1の誘電体層の上面は、前記第1の薄膜ダイの上面であり、その結果、前記第2のモールドコンパウンドは、当該第1の誘電体層の前記上面に接触する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、
前記支持誘電体層は、平坦な底面を有する、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記第1の薄膜ダイは、微小電気機械システム(MEMS)部品を提供する、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、
前記第1の薄膜ダイは、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造から形成され、
前記第1の薄膜ダイの前記第1の素子層は、前記SOI構造のシリコンエピタキシ層から形成され、
前記第1の薄膜ダイの前記第1の誘電体層は、前記SOI構造の埋め込み酸化層である、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、
第2の完全な状態のダイを更に備え、
前記第2の完全な状態のダイは、前記多層再配線構造を覆う第2の機器層、及び、当該第2の機器層を覆う完全な状態のシリコン基板を含み、
前記多層再配線構造を覆う前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2の完全な状態のダイを封止する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記第1の薄膜ダイは、MEMS部品を提供し、
前記第2の完全な状態のダイは、前記MEMS部品を制御する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラを提供する、装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、
前記第2のモールドコンパウンドは、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、
前記第2のモールドコンパウンドは、1×106Ohm・cmより大きい電気抵抗率を有する、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2のモールドコンパウンドと同じ材料から形成される、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、
前記第1のモールドコンパウンドと前記第2のモールドコンパウンドは、異なる材料から形成される、装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、
前記多層再配線構造は、ガラス繊維が使われてない、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
当業者は、本開示の好ましい実施形態への改良及び修正を認識するであろう。そのような全ての改良及び修正は、本明細書に開示の概念と以下の特許請求の範囲内にあるとみなされる。
〔態様1〕
第1のダイと第1のモールドコンパウンドとを有するモールドウエハを提供することであって、
前記第1のダイは、第1の素子層と、前記第1の素子層を覆う第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層を覆う第1のシリコン基板とを含み、前記第1の素子層は、前記第1の素子層の底面に複数の第1のダイ接点を含み、
前記第1のダイの上面は、前記第1のシリコン基板の上面であり、前記第1のダイの底面は、前記第1の素子層の前記底面であり、
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第1のダイの側面と前記上面とを封止し、前記第1の素子層の前記底面は露出される、
前記モールドウエハを提供することと、
前記モールドウエハの下に多層再配線構造を形成することであって、
前記多層再配線構造は、前記多層再配線構造の底面に複数のパッケージ接点と、前記複数のパッケージ接点を前記複数の第1のダイ接点のうちの一定のダイ接点に接続する再配線相互接続部とを含み、
前記複数のパッケージ接点の各々は、分離しており、連続した空隙によって囲まれ、前記連続した空隙は、前記第1のダイの下に延在し、
前記再配線相互接続部と前記複数の第1のダイ接点との間の接続には、はんだが使用されていない、
前記多層再配線構造を形成することと、
前記連続した空隙を埋める誘電体層であって、平坦な底面を有する前記誘電体層を形成することと、
前記第1のモールドコンパウンドを薄くして、前記第1のシリコン基板の前記上面を露出させることと、
前記第1のダイの前記第1のシリコン基板を実質的に除去して、第1の薄膜ダイを提供し、前記第1のモールドコンパウンド内に前記第1の薄膜ダイを覆うキャビティを形成することであって、前記第1の薄膜ダイは前記キャビティの底に露出された上面を有する、前記第1のシリコン基板を実質的に除去することと、
前記キャビティを実質的に埋め、前記第1の薄膜ダイの前記上面に直接、接触するように、第2のモールドコンパウンドを塗布することと、
を含む、方法。
〔態様2〕
前記第1のダイは、微小電気機械システム(MEMS)部品を提供する、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記第1のダイは、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造から形成され、前記第1のダイの前記第1の素子層は、前記SOI構造のシリコンエピタキシ層から形成され、前記第1のダイの前記第1の誘電体層は、前記SOI構造の埋め込み酸化層であり、前記第1のダイの前記第1のシリコン基板は、前記SOI構造のシリコン基板である、態様1に記載の方法。
〔態様4〕
前記モールドウエハは、第2の完全な状態のダイをさらに含み、前記第2の完全な状態のダイは、第2の素子層と、前記第2の素子層を覆う第2のシリコン基板とを含み、
前記第2のダイの上面は、前記第2のシリコン基板の上面であり、前記第2のダイの底面は、前記第2の素子層の前記底面であり、
前記第1のダイは、前記第2のダイより高さが高く、
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2のダイの側面と前記上面を封止し、前記第2の素子層の前記底面は露出される、態様1に記載の方法。
〔態様5〕
前記第1のダイは、MEMS部品を提供し、前記第2の完全な状態のダイは、前記MEMS部品を制御する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)コントローラを提供する、態様4に記載の方法。
〔態様6〕
前記第2のモールドコンパウンドは、2W/m・Kより大きい熱伝導率を有する、態様1に記載の方法。
〔態様7〕
前記第2のモールドコンパウンドは、1×10
6
Ohm・cmより大きい電気抵抗率を有する、態様1に記載の方法。
〔態様8〕
前記第1のモールドコンパウンドは、前記第2のモールドコンパウンドと同じ材料から形成される、態様1に記載の方法。
〔態様9〕
前記第1のモールドコンパウンドと前記第2のモールドコンパウンドは、異なる材料から形成される、態様1に記載の方法。
〔態様10〕
前記キャビティの前記底に露出された前記第1の薄膜ダイの前記上面は、前記第1の誘電体層の上面である、態様1に記載の方法。
〔態様11〕
前記多層再配線構造は、ガラス繊維が使われてない、態様1に記載の方法。
〔態様12〕
前記第2のモールドコンパウンドを塗布する前に、前記誘電体層の前記平坦な底面を剛性キャリアに接着剤によって接着することをさらに含む、態様1に記載の方法。
〔態様13〕
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後に、前記剛性キャリアを前記誘電体層から取り外すことをさらに含む、態様12に記載の方法。
〔態様14〕
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々を封止する、態様1に記載の方法。
〔態様15〕
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後に、前記誘電体層を除去して、前記複数のパッケージ接点を露出させることをさらに含む、態様14に記載の方法。
〔態様16〕
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の側面を封止し、前記誘電体層の前記平坦な底面と前記複数のパッケージ接点の各々の底面とは、同じ平面にある、態様1に記載の方法。
〔態様17〕
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面を直接、覆うバンプを形成することをさらに含む、態様16に記載の方法。
〔態様18〕
前記第2のモールドコンパウンドを塗布した後、前記誘電体層の少なくとも一部を除去することをさらに含み、それによって、前記複数のパッケージ接点の各々の前記側面の少なくとも一部を露出させる、態様16に記載の方法。
〔態様19〕
前記誘電体層は、前記複数のパッケージ接点の各々の前記側面を封止し、前記複数のパッケージ接点の各々の前記底面を超えて垂直方向に延びる、態様1に記載の方法。
〔態様20〕
前記誘電体層は、前記第1のダイの少なくとも70%の下に延在する、態様19に記載の方法。
〔態様21〕
複数の外部接点を形成することをさらに含み、前記複数の外部接点の各々は、対応するパッケージ接点と前記誘電体層を通して接触し、前記誘電体層の下に延在する、態様19に記載の方法。
【外国語明細書】