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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007123
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】育毛剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20220105BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20220105BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20220105BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220105BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20220105BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20220105BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/60
A61K8/44
A61K8/34
A61Q7/00
A61K8/49
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109869
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】代田 亜衣梨
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD201
4C083AD202
4C083BB32
4C083BB53
4C083CC37
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE22
(57)【要約】
【課題】優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れる育毛剤組成物の提供。
【解決手段】(A)育毛有効成分と、(B)フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類と、(C)アミノ酸又はその塩と、(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、(E)エタノールと、を含有する育毛剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)育毛有効成分と、
(B)フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類と、
(C)アミノ酸又はその塩と、
(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、
(E)エタノールと、
を含有することを特徴とする育毛剤組成物。
【請求項2】
(D)成分の含有量(質量%)に対する、(B)成分の含有量(質量%)及び(C)成分の含有量(質量%)の和の質量比[(B+C)/(D)]が、0.4~10である請求項1に記載の育毛剤組成物。
【請求項3】
(A)成分が、6-ベンジルアミノプリン及びペンタデカン酸グリセリドから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の育毛剤組成物。
【請求項4】
(B)成分をハチミツとして配合する請求項1から3のいずれかに記載の育毛剤組成物。
【請求項5】
(A)成分の含有量が、0.1質量%~3.0質量%であり、
(B)成分の含有量が、0.01質量%~1.0質量%であり、
(C)成分の含有量が、0.1質量%~0.6質量%であり、
(D)成分の含有量が、0.1質量%~0.5質量%であり、
(E)成分の含有量が、65質量%~80質量%である請求項1から4のいずれかに記載の育毛剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抜け毛抑制効果及び発毛促進効果には育毛剤の継続使用が必要であり、そのために好ましい使用感が求められている。育毛剤の好ましい使用感には、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感などが挙げられる。
【0003】
例えば、毛髪に使用し得る化粧料組成物に糖類又は糖類抽出物を1種以上配合し、頭髪にハリやツヤを与え、保湿効果を改善するなどの使用感を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。また、毛髪化粧料にアミノ酸又はその塩と他の特定成分とを配合し、毛髪にハリコシ感を付与し、パサツキ及び枝毛・切れ毛を抑制することが提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
一方、育毛剤には、通常、有効成分の安定化のために高濃度のエタノールが配合されている。しかしながら、前記提案の糖類やアミノ酸の多くは水溶性であるため、高濃度のエタノール製剤中に安定に配合することが困難であり、育毛剤の使用感の向上のために配合できる成分は、エタノール中に溶解又は分散できる成分に限られるという課題があった。
【0005】
したがって、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ、育毛有効成分を含む高濃度のエタノール製剤であっても、製剤の安定性に優れる育毛剤組成物は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-203628号公報
【特許文献2】特開2009-7283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れる育毛剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行い、(A)育毛有効成分と、(B)フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類と、(C)アミノ酸又はその塩と、(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、(E)エタノールと、を含有する育毛剤組成物が、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)育毛有効成分と、
(B)フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類と、
(C)アミノ酸又はその塩と、
(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、
(E)エタノールと、
を含有することを特徴とする育毛剤組成物である。
<2> (D)成分の含有量(質量%)に対する、(B)成分の含有量(質量%)及び(C)成分の含有量(質量%)の和の質量比[(B+C)/(D)]が、0.4~10である前記<1>に記載の育毛剤組成物である。
<3> (A)成分が、6-ベンジルアミノプリン及びペンタデカン酸グリセリドから選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の育毛剤組成物である。
<4> (B)成分をハチミツとして配合する前記<1>から<3>のいずれかに記載の育毛剤組成物である。
<5> (A)成分の含有量が、0.1質量%~3.0質量%であり、
(B)成分の含有量が、0.01質量%~1.0質量%であり、
(C)成分の含有量が、0.1質量%~0.6質量%であり、
(D)成分の含有量が、0.1質量%~0.5質量%であり、
(E)成分の含有量が、65質量%~80質量%である前記<1>から<4>のいずれかに記載の育毛剤組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れる育毛剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(育毛剤組成物)
本発明の育毛剤組成物は、(A)育毛有効成分と、(B)フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類と、(C)アミノ酸又はその塩と、(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、(E)エタノールと、を含有し、必要に応じて更にその他の成分を含有する。
【0012】
<(A)育毛有効成分>
前記(A)成分としての育毛有効成分は、主に抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を向上させるために含有される。
【0013】
前記(A)成分の育毛有効成分は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、6-ベンジルアミノプリン、ペンタデカン酸グリセリドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記(A)成分の育毛有効成分は、頭皮のべたつきのなさ及び毛髪のふんわりとした仕上がり感の点から、6-ベンジルアミノプリンが好ましい。
【0014】
前記(A)成分の育毛有効成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(A)成分の育毛有効成分の市販品としては、例えば、商品名で、CTP(6-ベンジルアミノプリン、三省製薬株式会社製)、PDG(ペンタデカン酸グリセリド、ライオン株式会社製)などが挙げられる。
【0015】
前記(A)成分の育毛有効成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、前記育毛剤組成物全量に対して、0.01質量%以上、0.1質量%以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、5.0質量%以下、3.0質量%以下などが挙げられるが、抜け毛抑制効果、発毛促進効果、頭皮のべたつきのなさ、及び製剤の安定性の点から、前記育毛剤組成物全量に対して、0.01質量%~5.0質量%が好ましく、0.1質量%~3.0質量%がより好ましい。前記(A)成分の育毛有効成分の含有量が、0.01質量%以上であると抜け毛抑制効果及び発毛促進効果が良好であり、5.0質量%以下であると頭皮のべたつきのなさ及び製剤の安定性が良好である。
【0016】
<(B)糖類>
前記(B)成分としてのフルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類は、主に毛髪のパサつきのなさを向上させるために含有される。
【0017】
前記(B)成分の糖類は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、前記育毛剤組成物は、前記(B)成分として、フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類を含むハチミツ等の天然物を配合してもよく、フルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類を含む限り、前記天然物の抽出物や精製物を配合してもよい。
これらの中でも、前記育毛剤組成物は、前記(B)成分をハチミツとして配合することが好ましい。
【0018】
前記(B)成分の糖類の相対立体配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、L-体であってもよく、D-体であってもよく、その両方を任意の比率で混合したものであってもよい。
また、前記(B)成分の糖類の旋光性としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、左旋性(-)であってもよく、右旋性(+)であってもよく、ラセミ体であってもよい。
【0019】
前記(B)成分の糖類の市販品としては、例えば、商品名で、D(-)-フルクトース(純正化学株式会社製)、D(+)-グルコース(純正化学株式会社製)、マルトース一水和物(純正化学株式会社製)、スクロース(純正化学株式会社製)などが挙げられる。
【0020】
前記ハチミツは、天然から採取したものであってもよいし、天然から採取したものを精製したもの(精製ハチミツ)であってもよいし、市販品を使用してもよい。
ハチミツとは、蜂が植物から集めた蜜を主原料として作り出し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質である。前記ハチミツの原料となる蜜を有する植物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マヌカ、レンゲ、クローバー、アカシア、レモン、オレンジ、みかん、ラズベリー、ヒルガオ、コーヒー、さくらんぼ、ローズマリー、ヒマワリ、とち、菩提樹、りんご、ナタネ、甘露、ラベンダー、たんぽぽ、石楠花、そば、はぜ、もみの木などが挙げられる。これらの植物から得られたハチミツは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ハチミツの市販品としては、例えば、商品名で、精製ハチミツ(アピ株式会社製)、コスメティックハニー No.2(株式会社加藤美蜂園本舗製)などが挙げられる。
【0021】
前記ハチミツ中のフルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類の含有量は、糖分析用カラムを用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)法で測定することができる。
【0022】
前記(B)成分の糖類の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、前記育毛剤組成物全量に対して、0.0007質量%以上、0.01質量%以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、2.5質量%以下、1.0質量%以下などが挙げられるが、毛髪のパサつきのなさ及び頭皮のべたつきのなさの点から、前記育毛剤組成物全量に対して、0.0007質量%~2.5質量%が好ましく、0.01質量%~1.0質量%がより好ましい。前記(B)成分の糖類の含有量が、0.0007質量%以上であると毛髪のパサつきのなさが良好であり、2.5質量%以下であると頭皮のべたつきのなさが良好である。
【0023】
前記育毛剤組成物に前記ハチミツを配合する場合の該ハチミツの含有量としては、特に制限はなく、前記ハチミツ中に含まれるフルクトース、グルコース、マルトース、及びスクロースから選択される少なくとも1種の糖類の含有量に応じて適宜選択することができる。
【0024】
<(C)アミノ酸又はその塩>
前記(C)成分としてのアミノ酸又はその塩は、主に頭皮の保湿効果を向上させるために含有される。
【0025】
前記(C)成分のアミノ酸又はその塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、L-アルギニン、L-グルタミン酸、グリシン、又はこれらの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製剤の安定性の点から、グリシン又はその塩が好ましい。
【0026】
前記(C)成分のアミノ酸の塩としては、薬学上許容される塩であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
【0027】
前記(C)成分のアミノ酸又はその塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分のアミノ酸又はその塩の市販品としては、例えば、グリシン(純正化学株式会社製)、L-アルギニン(純正化学株式会社)、L-グルタミン酸(味の素株式会社製)などが挙げられる。
【0028】
前記(C)成分のアミノ酸又はその塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、前記育毛剤組成物全量に対して、0.01質量%以上、0.1質量%以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、1.0質量%以下、0.6質量%以下などが挙げられるが、頭皮の保湿効果及び頭皮のべたつきのなさの点から、前記育毛剤組成物全量に対して、0.01質量%~1.0質量%が好ましく、0.1質量%~0.6質量%がより好ましい。前記(C)成分のアミノ酸又はその塩の含有量が、0.01質量%以上であると頭皮の保湿効果が良好であり、1.0質量%以下であると頭皮のべたつきのなさが良好である。
【0029】
<(D)ポリマー>
前記(D)成分としてのカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーは、主に製剤の安定性及び毛髪のふんわりとした仕上がり感を向上させるために含有される。
【0030】
前記(D)成分のポリマーは、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、製剤の安定性及び毛髪のふんわりとした仕上がり感の点から、カルボキシビニルポリマーが好ましい。
【0031】
前記(D)成分のポリマーは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(D)成分のカルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名で、カーボポール(登録商標)981(日本ルーブリゾール株式会社製)、カーボポール(登録商標)ETD2050(日本ルーブリゾール株式会社製)、カーボポール980(日本ルーブリゾール株式会社製)、Ultrez10(日本ルーブリゾール株式会社製)などが挙げられる。
前記(D)成分のアルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品としては、例えば、商品名で、カーボポール(登録商標)1382(日本ルーブリゾール株式会社製)、カーボポール(登録商標)ETD2020(日本ルーブリゾール株式会社製)などが挙げられる。
【0032】
前記(D)成分のポリマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、前記育毛剤組成物全量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、1.0質量%以下、0.5質量%以下などが挙げられるが、製剤の安定性、毛髪のふんわりとした仕上がり感、及び毛髪のきしみのなさの点から、前記育毛剤組成物全量に対して、0.05質量%~1.0質量%が好ましく、0.1質量%~0.5質量%がより好ましい。前記(D)成分のポリマーの含有量が、0.05質量%以上であると製剤の安定性及び毛髪のふんわりとした仕上がり感が良好であり、1.0質量%以下であると毛髪のきしみのなさが良好である。
【0033】
<(E)エタノール>
前記(E)成分としてのエタノールは、主に製剤の安定性及び頭皮のべたつきのなさを向上させるために含有される。
【0034】
前記(E)成分のエタノールは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(E)成分のエタノールの市販品としては、例えば、商品名で、トレーサブル95 1級(日本アルコール産業株式会社製)などが挙げられる。
【0035】
前記(E)成分のエタノールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、前記育毛剤組成物全量に対して、55質量%以上、65質量%以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、85質量%以下、80質量%以下などが挙げられるが、製剤の安定性、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感、及び頭皮の保湿効果の点から、前記育毛剤組成物全量に対して、55質量%~85質量%が好ましく、65質量%~80質量%がより好ましい。前記(E)成分のエタノールの含有量が、55質量%以上であると製剤の安定性、頭皮のべたつきのなさ、及び毛髪のふんわりとした仕上がり感が良好であり、80質量%以下であると頭皮の保湿効果が良好である。
【0036】
<質量比[(B+C)/(D)]>
前記(D)成分の含有量(質量%)に対する、前記(B)成分の含有量(質量%)及び前記(C)成分の含有量(質量%)の和の質量比[(B+C)/(D)]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限値としては、例えば、0.3以上、0.4以上などが挙げられ、またその上限値としては、例えば、15以下、10以下などが挙げられるが、毛髪のきしみのなさ、製剤の安定性、及び頭皮のべたつきのなさの点から、0.3~15が好ましく、0.4~10がより好ましい。前記質量比[(B+C)/(D)]が、0.3以上であると毛髪のきしみのなさが良好であり、15以下であると製剤の安定性及び頭皮のべたつきのなさが良好である。
【0037】
<その他の成分>
本発明の育毛剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、及び前記(E)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、育毛剤組成物等に通常用いられる成分をその他の成分として配合することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノニオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;前記(B)成分以外の糖類;前記(D)成分以外のポリマー;多価アルコール類;有機塩類;保湿剤;トニック剤;可溶化剤;ジブチルヒドロキシトルエン、α-トコフェロール等の酸化防止剤;トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤;脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;タンパク誘導体;動植物抽出液;ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等のフケ防止剤;グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤;安息香酸又はその塩、パラベン類、ケーソンCG等の防腐剤;pH調整剤;エチレングリコールジ脂肪酸エステル等のパール化剤;乳濁剤;ビタミン類;揮発性油分;疎水性溶媒;希釈性溶媒;エキス類;色素;香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
<<pH調整剤>>
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、硫酸、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0039】
-pH-
前記育毛剤組成物のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃の環境下において3以上8以下が好ましい。
前記pHは、例えば、pHメーター(装置名:HM-30G、東亜ディーケーケー株式会社製)により、25℃の環境下において測定することができる。
【0040】
-製造方法-
前記育毛剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(E)成分及び精製水を、スリーワンモータ、傾斜パドルなどを用いて、室温で均一に混合し、混合液Aを得る。次に、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、及び必要に応じて精製水以外の前記その他の成分を、前記混合液Aの中にゆっくりと滴下し、均一に混合することにより、前記育毛剤組成物を得ることができる。
【0041】
-容器-
前記育毛剤組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チューブ容器、機械的又は差圧によるディスペンサー容器又はスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器などが挙げられる。
【0042】
前記チューブ容器としては、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミニウムチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブなどが挙げられる。
前記アルミニウムラミネートチューブとしては、ラミネートフィルムを有することが好ましい。
【0043】
前記ラミネートフィルム容器のラミネートフィルムの材質としては、例えば、合成樹脂、紙、アルミニウム蒸着プラスチックなどが挙げられる。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、二軸延伸ポリプロピレン樹脂、無延伸ポリプロピレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
前記ラミネートフィルムの層としては、強度、柔軟性、及び耐候性などの点から、2層以上5層以下が好ましい。
【0044】
前記ボトル容器の材質としては、例えば、合成樹脂、ガラスなどが挙げられる。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、二軸延伸ポリプロピレン樹脂、無延伸ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記ボトル容器は、前記材質の層を、単層で使用してもよいし、2層以上を組み合せてもよい。
【0045】
-用途-
前記育毛剤組成物は、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れるため、例えば、育毛剤、養毛剤、血行促進剤、抜け毛抑制剤などに好適に用いることができる。
前記育毛剤としては、例えば、育毛トニック、頭皮用エッセンス、育毛スプレー、育毛ヘアジェルなどの形態により、頭皮の外用に好適に用いることができる。
【実施例0046】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は全て純分換算した値である。ただし、(E)成分については、95度発酵アルコール(トレーサブル95 1級、日本アルコール産業株式会社製)を使用し、無水エタノール換算値(無水エタノールに換算した含有量(質量%))を記載した。
【0047】
(実施例1~12及び16~32、並びに比較例1~5)
下記表1~表5に示す組成及び含有量(質量%)の通り、実施例1~12及び16~32、並びに比較例1~5の育毛剤組成物を、以下の製造方法に基づいて調製した。
【0048】
-育毛剤組成物の調製-
(E)成分及び精製水を、スリーワンモータ(商品名:HEIDEN FBLHEIDEN1200、新東科学株式会社製)及び4枚並びの傾斜パドルを用いて、室温(25℃)で均一に混合し、混合液Aを得た。次に、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を、前記混合液Aの中にゆっくりと滴下し、均一に混合することにより、実施例1~12及び16~32、並びに比較例1~5の育毛剤組成物を得た。
【0049】
(実施例13~15)
下記表2に示す組成及び含有量(質量%)の通り、実施例13~15の育毛剤組成物を、以下の製造方法に基づいて調製した。
【0050】
-育毛剤組成物の調製-
(E)成分及び精製水を、スリーワンモータ(商品名:HEIDEN FBLHEIDEN1200、新東科学株式会社製)及び4枚並びの傾斜パドルを用いて、室温(25℃)で均一に混合し、混合液Aを得た。
(A)成分、(B)成分としてのハチミツ、(C)成分、及び(D)成分を、前記混合液Aの中にゆっくりと滴下し、均一に混合することにより、実施例13~15の育毛剤組成物を得た。
なお、ハチミツは、実施例13では精製ハチミツ(アピ株式会社製)を育毛剤組成物全量に対して1質量%配合し、実施例14ではコスメティックハニー No.2(株式会社加藤美蜂園本舗製)を育毛剤組成物全量に対して1質量%配合し、実施例15ではマヌカハチミツの精製品を育毛剤組成物全量に対して1質量%配合した。
【0051】
-ハチミツ中の各糖類含有量の分析-
実施例13~15で使用した(B)成分としてのハチミツ中に含まれる各糖類の含有量を、以下のようにして高速液体クロマトグラフ(HPLC)法により、絶対検量線法(外部標準法)で測定した。
[HPLC分析条件]
・ 装置:HPLCシステム(株式会社島津製作所製)
・ カラム:糖分析用カラム Asahipak NH2P-50 4E(粒径5μm、内径4.6mm×長さ250mm)(昭和電工株式会社製)
・ カラム温度:30℃
・ 移動相:アセトニトリル:水=75:25(体積比)の混液
・ 注入量:10μL
・ 流速:0.6mL/分間
・ 検出器:フォトダイオードアレイUV-VIS検出器 SPD-M20A(島津製作所製)
【0052】
HPLCによる分析の結果は以下の通りであった。
実施例13で使用した精製ハチミツ(アピ株式会社製)1質量%中のフルクトースの含有量は0.39質量%、グルコースの含有量は0.37質量%であった。マルトース及びスクロースの含有量はいずれも検出限界以下であった。
実施例14で使用したコスメティックハニー No.2(株式会社加藤美蜂園本舗製)1質量%中のフルクトースの含有量は0.41質量%、グルコースの含有量は0.32質量%、スクロースの含有量は0.03質量%であった。マルトースの含有量は検出限界以下であった。
実施例15で使用したマヌカハチミツの精製品1質量%中のフルクトースの含有量は0.37質量%、グルコースの含有量は0.38質量%、スクロースの含有量は0.05質量%であった。マルトースの含有量は検出限界以下であった。
【0053】
得られた実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物について、下記評価方法に基づき、「抜け毛抑制効果」、「発毛促進効果」、「毛髪のパサつきのなさ」、「頭皮の保湿効果」、「頭皮のべたつきのなさ」、「毛髪のきしみのなさ」、「毛髪のふんわりとした仕上がり感」及び「製剤の安定性」について評価した。評価結果は、下記表1~表5に示した。
なお、比較例5の育毛剤組成物は、製剤化できなかったため評価しなかった。表5にて「N.D.」として示す。
【0054】
<抜け毛抑制効果>
50歳代~60歳代の一般人女性40人に対して、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を1日2回、頭皮全体に1回あたり1.5mL塗布し、1ヶ月間継続使用した。継続使用後の抜け毛の本数を観察し、育毛剤組成物の使用前と比較して「抜け毛が減少した」と判断した人数により、下記評価基準に基づいて「抜け毛抑制効果」を評価した。
-「抜け毛抑制効果」の評価基準-
◎:「抜け毛が減少した」と回答した人が、36人以上40人以下である
○:「抜け毛が減少した」と回答した人が、28人以上35人以下である
△:「抜け毛が減少した」と回答した人が、20人以上27人以下である
×:「抜け毛が減少した」と回答した人が、19人以下である
【0055】
<発毛促進効果>
50歳代~60歳代の一般人女性40人に対して、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を1日2回、頭皮全体に1回あたり1.5mL塗布し、1ヶ月間継続使用した。継続使用後の髪の毛の量を観察し、育毛剤組成物の使用前と比較して「髪の毛が増えた感じがある」と判断した人数により、下記評価基準に基づいて「発毛促進効果」を評価した。
-「発毛促進効果」の評価基準-
◎:「髪の毛が増えた感じがある」と回答した人が、36人以上40人以下である
○:「髪の毛が増えた感じがある」と回答した人が、28人以上35人以下である
△:「髪の毛が増えた感じがある」と回答した人が、20人以上27人以下である
×:「髪の毛が増えた感じがある」と回答した人が、19人以下である
【0056】
<毛髪のパサつきのなさ>
専門パネラー10名に対して、温度25℃、相対湿度40%の条件下において、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を、頭皮全体に1.5mL塗布し、製剤を指でなじませた。5分間後の毛髪のパサつきのなさについて、下記判断基準に基づいて点数化した。前記点数の平均値により、下記評価基準に基づいて「毛髪のパサつきのなさ」を評価した。
-「毛髪のパサつきのなさ」の判断基準-
5点:パサつきを感じない
4点:パサつきをほとんど感じない
3点:わずかにパサつきを感じる
2点:パサつきを感じる
1点:パサつきを強く感じる
-「毛髪のパサつきのなさ」の評価基準-
◎:前記点数の平均値が、4.0点以上5.0点以下である
○:前記点数の平均値が、3.0点以上4.0点未満である
△:前記点数の平均値が、2.0点以上3.0点未満である
×:前記点数の平均値が、2.0点未満である
【0057】
<頭皮の保湿効果>
専門パネラー10名に対して、温度25℃、相対湿度40%の条件下において、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を、頭皮全体に1.5mL塗布し、製剤を指でなじませた。5分間後の頭皮の保湿効果について、下記判断基準に基づいて点数化した。前記点数の平均値により、下記評価基準に基づいて「頭皮の保湿効果」を評価した。
-「頭皮の保湿効果」の判断基準-
5点:非常に保湿されている感じがする
4点:保湿されている感じがする
3点:わずかに保湿されている感じがする
2点:ほとんど保湿されている感じがしない
1点:全く保湿されている感じがしない
-「頭皮の保湿効果」の評価基準-
◎:前記点数の平均値が、4.0点以上5.0点以下である
○:前記点数の平均値が、3.0点以上4.0点未満である
△:前記点数の平均値が、2.0点以上3.0点未満である
×:前記点数の平均値が、2.0点未満である
【0058】
<頭皮のべたつきのなさ>
専門パネラー10名に対して、温度25℃、相対湿度40%の条件下において、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を、頭皮全体に1.5mL塗布し、製剤を指でなじませた。5分間後の頭皮のべたつきのなさについて、下記判断基準に基づいて点数化した。前記点数の平均値により、下記評価基準に基づいて「頭皮のべたつきのなさ」を評価した。
-「頭皮のべたつきのなさ」の判断基準-
5点:べたつきを感じない
4点:べたつきをほとんど感じない
3点:わずかにべたつきを感じる
2点:べたつきを感じる
1点:べたつきを強く感じる
-「頭皮のべたつきのなさ」の評価基準-
◎:前記点数の平均値が、4.0点以上5.0点以下である
○:前記点数の平均値が、3.0点以上4.0点未満である
△:前記点数の平均値が、2.0点以上3.0点未満である
×:前記点数の平均値が、2.0点未満である
【0059】
<毛髪のきしみのなさ>
専門パネラー10名に対して、温度25℃、相対湿度40%の条件下において、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を、頭皮全体に1.5mL塗布し、製剤を指でなじませた。5分間後の毛髪のきしみのなさについて、下記判断基準に基づいて点数化した。前記点数の平均値により、下記評価基準に基づいて「毛髪のきしみのなさ」を評価した。
-「毛髪のきしみのなさ」の判断基準-
5点:きしみを感じない
4点:きしみをほとんど感じない
3点:わずかにきしみを感じる
2点:きしみを感じる
1点:きしみを強く感じる
-「毛髪のきしみのなさ」の評価基準-
◎:前記点数の平均値が、4.0点以上5.0点以下である
○:前記点数の平均値が、3.0点以上4.0点未満である
△:前記点数の平均値が、2.0点以上3.0点未満である
×:前記点数の平均値が、2.0点未満である
【0060】
<毛髪のふんわりとした仕上がり感>
温度25℃、相対湿度40%の条件下において、20cm/2gに切り揃えた毛束(商品名:BS-B4-3、株式会社ビューラックス製)の根元2cm部分を固定し、前記毛束を直立させた際の、毛束の根元から最も高い部分の垂直方向の長さを測定し、「初期距離h」(mm)とした。次に、実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物0.3gを塗布し、1分間コーミングを行った後、同様にして毛束の根元から最も高い部分の垂直方向の長さを測定し、「塗布後距離h’」(mm)とした。前記塗布後距離h’から、前記初期距離hを差し引いて、毛髪の立ち上がり距離の差(h’-h)を算出し、以下の評価基準に基づき「毛髪のふんわりとした仕上がり感」を評価した。
-「毛髪のふんわりとした仕上がり感」の評価基準-
◎:毛髪の立ち上がり距離の差(h’-h)が、1mm以上である
○:毛髪の立ち上がり距離の差(h’-h)が、-2mm以上1mm未満である
×:毛髪の立ち上がり距離の差(h’-h)が、-2mm未満である
【0061】
<製剤の安定性>
実施例1~32及び比較例1~4の育毛剤組成物を、容量50gのガラスバイアル瓶(商品名:SV-50A113、日電化硝子株式会社製)に充填し、温度25℃にて1ヶ月間静置して保管後の外観を、専門パネラー1名が目視にて観察し、下記評価基準に基づいて「製剤の安定性」を評価した。
-「製剤の安定性」の評価基準-
◎:析出物は認められない
○:分散粒子が確認できるが、析出物は認められない
×:析出物が認められる
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
実施例1~32及び比較例1~5で使用した育毛剤組成物の使用原料は、下記表6に示す通りである。
【0068】
【表6】
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の育毛剤組成物は、優れた抜け毛抑制効果及び発毛促進効果を有し、毛髪のパサつきのなさ、頭皮の保湿効果、頭皮のべたつきのなさ、毛髪のきしみのなさ、毛髪のふんわりとした仕上がり感等の使用感に優れ、かつ製剤の安定性に優れるため、例えば、育毛剤(育毛トニック、頭皮用エッセンス、育毛スプレー、育毛ヘアジェル等)、養毛剤、血行促進剤、抜け毛抑制剤などに好適に利用可能である。