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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071231
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】仕切り具及び包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20220509BHJP
   B65D 5/49 20060101ALI20220509BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B65D5/50 101A
B65D5/49 110
B65D81/05 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180058
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
(72)【発明者】
【氏名】米丸 武
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060CC12
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC19
3E060CC43
3E060CC44
3E060DA23
3E060EA13
3E066AA72
3E066BA06
3E066CA04
3E066FA06
3E066HA04
3E066JA03
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】小箱付き物品の側方から小箱が外れにくい仕切り具及び包装箱を提供する。
【解決手段】この仕切り具10は、複数の側板4,5が折目線を介して左右方向に連設された角筒状の胴部3及び底板2からなる包装箱1の内部に配置され、小箱を底板2から浮いた状態で側方に付設した小箱付き物品を包装箱1の内部で区分けして収納するものである。また、この仕切り具10は、上下方向に沿って延びると共に、折目線を介して左右方向に連設された複数の板部21,27からなり、少なくとも一部の板部が包装箱1に係止される仕切り具本体20と、板部の下縁部から、緩衝折目線41を介して底板2に対して斜めに延出した緩衝板40とを有しており、緩衝板40は、その上面が小箱の底部側を支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる複数の側板が折目線を介して左右方向に連設されることにより形成された角筒状の胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底板からなる包装箱の内部に配置され、
小箱を前記底板から浮いた状態で側方に付設した小箱付き物品を前記包装箱の内部で区分けして収納する仕切り具であって、
上下方向に沿って延びると共に、折目線を介して左右方向に連設された複数の板部からなり、少なくとも一部の前記板部が前記包装箱に係止される仕切り具本体と、
前記板部の下縁部から、緩衝折目線を介して前記底板に対して斜めに延出した緩衝板とを有しており、
前記緩衝板は、その上面が前記小箱の底部側を支持することを特徴とする仕切り具。
【請求項2】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
前記仕切り具本体は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第1側板に沿って延びる第2板部とからなり、
前記第1板部は、一対の板が上端部で折目線を介して連設されて重なり合う二重板状をなしており、
前記第2板部は、前記第1板部の各板の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、
前記緩衝板は、前記第1板部の各板の下縁部から、互いに離間する方向にそれぞれ延出している請求項1記載の仕切り具。
【請求項3】
前記緩衝折目線は、前記小箱の底部に一致するように設けられている請求項1又は2記載の仕切り具。
【請求項4】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
一対の仕切り具本体を有しており、
各仕切り具本体は、前記第2側板に沿って延びる第1板部と、前記第1側板に沿って延びる一対の第2板部とからなり、
前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されており、
一対の仕切り具本体は、前記第2板部の延出方向の先端部どうしが対向するように、前記包装箱の内部に配置されており、
前記緩衝板は、各第1板部の下縁部から、対向する仕切り具本体に向けて延出している請求項1記載の仕切り具。
【請求項5】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
前記仕切り具本体は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びるか、又は、前記第2側板に沿って延びる第1板部と、前記一対の第1側板に沿って延びる少なくとも一対の第2板部とからなり、
前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されており、
前記緩衝板は、各第2板部の下縁部から、対向する第2板部に向けて延出している請求項1記載の仕切り具。
【請求項6】
前記第1板部は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びるものである請求項5記載の仕切り具。
【請求項7】
一対の仕切り具本体を有しており、
各仕切り具本体は、前記第2側板に沿って延びる第1板部を有しており、
一対の仕切り具本体は、前記第2板部の延出方向の先端部どうしが対向するように、前記包装箱の内部に配置される請求項5記載の仕切り具。
【請求項8】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる第2板部とからなり、
前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、
前記緩衝板は、各第2板部の下縁部から、前記第2側板に近接する方向に延出するか、又は、前記第2側板に対して離間する方向に延出する請求項1記載の仕切り具。
【請求項9】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる第2板部とからなり、
前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、
前記仕切り具本体を平面方向から見たときに、前記緩衝板は、前記第2板部の下縁部から、前記2側板に近接する方向及び前記第2側板から離間する方向に交互に延出している請求項1記載の仕切り具。
【請求項10】
前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、
前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる一対の第2板部とからなり、
前記第1板部は、一対の板が上端部で折目線を介して連設されて重なり合う二重板状をなしており、
前記第2板部は、前記第1板部の各板の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、
前記緩衝板は、前記第1板部の各板の下縁部から、互いに離間する方向にそれぞれ延出している請求項1記載の仕切り具。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つの仕切り具を内部に収納することを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱内に配置される仕切り具及び包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミ缶入り飲料の6本パックの側部に対して、販促品として景品が入った小箱を貼付することがある。
【0003】
しかしながら、このような小箱付きパックを段ボール製の包装箱に入れて輸送する場合、衝撃で小箱がパックから外れてしまうことがある。
【0004】
この点、下記特許文献1には、四角筒状の胴部、該胴部の底部側に配置される一対の底部内フラップ、該底部内フラップの外側に重合する一対の底部外フラップを有する、箱本体と、この箱本体内に配置される仕切り板とを備える、仕切り付き包装箱が記載されている。この仕切り付き包装箱によれば、輸送時の衝撃で小箱付きパック同士が衝突して小箱が外れることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-326600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の仕切り付き包装箱であっても、底部側から衝撃を受けた場合、揺動した小箱付きパックの小箱が底部にぶつかって、その衝撃で小箱がパックから外れてしまうことがあった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、小箱付き物品の側方から小箱が外れにくい仕切り具及び包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、上下方向に延びる複数の側板が折目線を介して左右方向に連設されることにより形成された角筒状の胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底板からなる包装箱の内部に配置され、小箱を前記底板から浮いた状態で側方に付設した小箱付き物品を前記包装箱の内部で区分けして収納する仕切り具であって、上下方向に沿って延びると共に、折目線を介して左右方向に連設された複数の板部からなり、少なくとも一部の前記板部が前記包装箱に係止される仕切り具本体と、前記板部の下縁部から、緩衝折目線を介して前記底板に対して斜めに延出した緩衝板とを有しており、前記緩衝板は、その上面が前記小箱の底部側を支持することを特徴とする。
【0009】
上記発明によれば、仕切り具本体を構成する板部の下縁部から、緩衝折目線を介して底板に対して斜めに延出した緩衝板は、その上面が小箱の底部側を支持するので、小箱付き物品の輸送時に、包装箱の底板の下方側から衝撃力を受けると、緩衝板が衝撃力を吸収するため、小箱に伝わる衝撃力を小さくして、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0010】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、前記仕切り具本体は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第1側板に沿って延びる第2板部とからなり、前記第1板部は、一対の板が上端部で折目線を介して連設されて重なり合う二重板状をなしており、前記第2板部は、前記第1板部の各板の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、前記緩衝板は、前記第1板部の各板の下縁部から、互いに離間する方向にそれぞれ延出していることが好ましい。
【0011】
上記態様によれば、一枚板を折り曲げるだけで、緩衝効果を有する仕切り具を形成することができる。また、第1板部は、第2側板に対して離反し且つ第1側板に対して交差して延びるので、包装箱内において、第1板部を挟んで2つの内部空間を画成できると共に、各内部空間に緩衝板がそれぞれ配置されるため、各内部空間に配置された小箱付き物品の、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0012】
本発明に係る仕切り具においては、前記緩衝折目線は、前記小箱の底部に一致するように設けられていることが好ましい。
【0013】
上記態様によれば、緩衝折目線は、前記小箱の底部に一致するように設けられているので、緩衝折目線を含む緩衝板の上面で、小箱の底部側を確実に支持することができ、小箱を物品側方から外れにくくすることができる。
【0014】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、一対の仕切り具本体を有しており、各仕切り具本体は、前記第2側板に沿って延びる第1板部と、前記第1側板に沿って延びる一対の第2板部とからなり、前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されており、一対の仕切り具本体は、前記第2板部の延出方向の先端部どうしが対向するように、前記包装箱の内部に配置されており、前記緩衝板は、各第1板部の下縁部から、対向する仕切り具本体に向けて延出していることが好ましい。
【0015】
上記態様によれば、一対の仕切り具本体は、平面視で略コ字状をなし、各各仕切り具本体の第1板部を、包装箱の各第2側板に寄せた状態で配置されるため、包装箱の内部空間を大きく確保することができ、サイズの大きな小箱付き物品や、複数の小箱付き物品を収納して、それらの物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0016】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、前記仕切り具本体は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びるか、又は、前記第2側板に沿って延びる第1板部と、前記一対の第1側板に沿って延びる少なくとも一対の第2板部とからなり、前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されており、前記緩衝板は、各第2板部の下縁部から、対向する第2板部に向けて延出していることが好ましい。
【0017】
上記態様によれば、包装箱内において、一対の第1側板の内側に、一対の緩衝板を対向して配置することができ、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0018】
本発明に係る仕切り具においては、前記第1板部は、前記第2側板に対して離間し且つ前記第1側板に対して交差して延びるものであることが好ましい。
【0019】
上記態様によれば、第1板部は、第2側板に対して離反し且つ第1側板に対して交差して延びるので、包装箱内において、第1板部を挟んで2つの内部空間を画成できると共に、各内部空間に、一対の緩衝板が対向して配置されるため、各内部空間に配置された小箱付き物品の、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0020】
本発明に係る仕切り具においては、一対の仕切り具本体を有しており、各仕切り具本体は、前記第2側板に沿って延びる第1板部を有しており、一対の仕切り具本体は、前記第2板部の延出方向の先端部どうしが対向するように、前記包装箱の内部に配置されることが好ましい。
【0021】
上記態様によれば、一対の仕切り具本体は、平面視で略コ字状をなし、各各仕切り具本体の第1板部を、包装箱の各第2側板に寄せた状態で配置されるため、包装箱の内部空間を大きく確保することができると共に、一対の緩衝板が対向して配置されるため、サイズの大きな小箱付き物品や、複数の小箱付き物品を収納して、それらの物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0022】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる第2板部とからなり、前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、前記緩衝板は、各第2板部の下縁部から、前記第2側板に近接する方向に延出するか、又は、前記第2側板に対して離間する方向に延出することが好ましい。
【0023】
上記態様によれば、緩衝板は、各第2板部の下縁部から、第2側板に近接する方向に延出するか、又は、第2側板に対して離間する方向に延出するので、包装箱内の所定スペース又は内部空間に、緩衝板を配置することができる。その結果、包装箱内における、緩衝板を配置した内部空間又は所定スペースに、小箱付き物品を収容して、物品側方から小箱を外れにくくすることができると共に、包装箱内における、緩衝板がない内部空間又は所定スペースには、小箱付きではない物品を収容して、内部空間又は所定スペースを有効活用することができる。
【0024】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる第2板部とからなり、前記第2板部は、前記第1板部の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、前記仕切り具本体を平面方向から見たときに、前記緩衝板は、前記第2板部の下縁部から、前記2側板に近接する方向及び前記第2側板から離間する方向に交互に延出していることが好ましい。
【0025】
上記態様によれば、緩衝板は、第2板部の下縁部から、第2側板に近接する方向及び第2側板から離間する方向に交互に延出しているので、包装箱内の所定スペース及び内部空間に、緩衝板をそれぞれ配置することができる。その結果、包装箱内における、緩衝板を配置した内部空間及び所定スペースに、小箱付き物品をそれぞれ収容して、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【0026】
本発明に係る仕切り具においては、前記胴部は、対向して配置された一対の第1側板と、該一対の第1側板に対して交差して配置された一対の第2側板とからなる四角筒状をなしており、前記仕切り具本体は、前記第1側板に対して離間し且つ前記第2側板に対して交差して延びる第1板部と、前記第2側板に対して所定のスペースを介して延びる一対の第2板部とからなり、前記第1板部は、一対の板が上端部で折目線を介して連設されて重なり合う二重板状をなしており、前記第2板部は、前記第1板部の各板の左右端からそれぞれ折目線を介して連設され、前記緩衝板は、前記第1板部の各板の下縁部から、互いに離間する方向にそれぞれ延出していることが好ましい。
【0027】
上記態様によれば、一枚板を折り曲げるだけで、緩衝効果を有する仕切り具を形成することができる。また、第1板部は、第1側板に対して離反し且つ第2側板に対して交差して延びるので、包装箱内において、第1板部を挟んで2つの内部空間を画成できると共に、各内部空間に緩衝板がそれぞれ配置されるため、各内部空間に配置された小箱付き物品の、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。更に、包装箱内の所定スペースには、小箱付きではない物品を収容して、同スペースを有効活用することができる。
【0028】
また、本発明に係る包装箱は、上記構成の仕切り具を内部に収納することを特徴とする。
【0029】
上記発明によれば、仕切り具本体が包装箱内に収納された状態で、仕切り具本体を構成する板部の下縁から、緩衝折目線を介して底板に対して斜めに延出した緩衝板は、その上面が小箱の底部側を支持するので、小箱付き物品の輸送時に、包装箱の底板の下方側から衝撃力を受けると、緩衝板が衝撃力を吸収するため、小箱に伝わる衝撃力を小さくして、物品側方から小箱を外れにくくすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、小箱付き物品の輸送時に、包装箱の底板の下方側から衝撃力を受けたときに、小箱に伝わる衝撃力を小さくして、物品の側方から小箱を外れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に係る仕切り具の、第1実施形態を示す斜視図である。
図2】同仕切り具の展開図である。
図3】同仕切り具の平面図である。
図4】同仕切り具の要部拡大断面図である。
図5】本発明に係る仕切り具の、第2実施形態を示す平面図である。
図6】本発明に係る仕切り具の、第3実施形態を示す平面図である。
図7】本発明に係る仕切り具の、第4実施形態を示す平面図である。
図8】本発明に係る仕切り具の、第5実施形態を示す平面図である。
図9】本発明に係る仕切り具の、第6実施形態を示す平面図である。
図10】本発明に係る仕切り具の、第7実施形態を示す平面図である。
図11】本発明に係る仕切り具の、第8実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、図1~4を参照して、本発明に係る仕切り具の、第1実施形態について説明する。
【0033】
図1に示すように、第1実施形態の仕切り具10は、物品110の側方に、物品110の底面111から浮いた状態で小箱120を付設した(図4参照)、小箱付き物品100を収容する包装箱1の内部に配置されて、前記物品100を包装箱1の内部で区分けして収容するものであり、仕切り具本体20と、緩衝板40とを有している。
【0034】
前記包装箱1は、上下方向に延びる複数の側板4,5が折目線を介して左右方向に連設されることにより形成された角筒状の胴部3、及び、胴部3の下端を閉塞する底板2からなる、有底筒状をなしている。この第1実施形態の場合、前記底板2は四角形の板状をなしている。なお、上記の左右方向とは奥行方向も含む意味である。
【0035】
前記胴部3は、対向して配置された一対の第1側板4,4と、該一対の側板4,4に対して交差して配置された一対の第2側板5,5とからなる。より具体的には、前記底板2の所定の一対の側縁から、互いに平行となるように立設した、一対の第1側板4,4と、前記底板2の他の一対の側縁から、互いに平行となるように立設し、かつ、前記一対の側板4,4に対して直交して配置された、一対の第2側板5,5とからなる、略四角筒状をなしている。
【0036】
また、各側板4,5の上縁部からは、折目線6aを介してフラップ6が連設されており、包装箱1の上方開口を閉塞可能となっている。
【0037】
なお、包装箱1としては、上記のような所定深さを有する包装箱以外にも、それよりも深さが浅い、浅底のトレーを含むものである(胴部の高さが低い有底筒状をなす)。
【0038】
なお、前記物品110としては、例えば、ビールやハイボール等のアルコール飲料、清涼飲料水、等が充填されたアルミ缶入り飲料を、複数個まとめて、肉厚の紙や段ボールの包装材で包装されてなる、いわゆるマルチパックである。ただし、物品としては、例えば、菓子を包装した包装箱やアルミ缶等であってもよく、特に限定はされない。
【0039】
前記小箱120は、上記物品110よりも小さく形成されたものであり、かつ、物品110の側方に、物品110の底面111から浮いた状態(物品110の底面111よりも、小箱120の底部121が上方に位置した状態)で、両面テープや接着剤等で貼付されて付設される。また、上記の小箱120の内部には、例えば、グラスや、ポーラー、キーホルダーの景品が収納されるが、景品としては、これらに限定されものではなく、更に、小箱内に景品を収納しなくてもよい(空箱でもよい)。
【0040】
なお、小箱120を物品110の側面に付設する際には、例えば、物品110の側面から、差し込み爪を切り起こして形成する一方、小箱120の側面にスリットを形成しておき、物品110側の差し込み爪を、小箱120側のスリットに差し込んで係止させることで、物品110の側方に小箱120を付設してもよい。すなわち、物品110の側方に、物品110の底面111から浮いた状態で、小箱120を付設可能であれば、物品側方に対する小箱の付設手段は特に限定されない。
【0041】
次に、仕切り具本体20について説明する。
【0042】
この仕切り具本体20は、上下方向に沿って延びると共に、折目線29を介して左右方向に連設された複数の板部21,27からなり、板部27が包装箱1の側板4及び底板2に係止されるようになっている。
【0043】
図1及び図3に示すように、この第1実施形態の仕切り具本体20は、包装箱1の第2側板5に対して離間し且つ第1側板4に対して交差して延びる第1板部21と、包装箱1の第1側板4に沿って延びる第2板部27とからなる。
【0044】
図2を併せて参照すると、仕切り具10は、組立て前の展開した状態(第1板部21や第2板部27が折曲されていない状態)で、所定方向に長く延びた板状をなしている。この展開状態の仕切り具10の長手方向をXとし、この長手方向Xに直交する方向を幅方向Yとする。
【0045】
図3に示すように、この第1実施形態における第1板部21は、包装箱1の第1側板4に対して直交して延びると共に、一対の板25,25が、上端部25a,25aで折目線23を介して連設されて重なり合う二重板状をなしている(図4参照)。
【0046】
より具体的に説明すると、図2に示すように、この第1実施形態の第1板部21は、長手方向Xに沿って所定長さで延びる長板状をなしており、その幅方向Yの中央には、長手方向Xに沿って折目線23が形成されており、この折目線23を介して、長板状をなした一対の板25,25が連設されている。すなわち、各板25の、長手方向Xに沿った上端部25aどうしが、折目線23を介して互いに連結されているともいえる。そして、第1板部21は、折目線23を介して、一対の板25,25を互いに近接する方向に山折りすることで、一対の板25,25の内面どうしが重なり合うように構成されている(図4参照)。
【0047】
また、第1板部21の長手方向Xの左右両端部には、折目線29を介して第2板部27が連設されている。この第1実施形態では、第1板部21を構成する各板25の長手方向X(左右方向)の両端部25b,25bに、折目線29を介して第2板部27,27が連設されている。すなわち、この実施形態における仕切り具本体20は、4つの第2板部27を有しており、また、各第2板部27は、包装箱1の第1側板4に沿って延びるものとなっている。
【0048】
各第2板部27は、長手方向Xに沿って長く延びる長板状をなしている。なお、各第2板部27は、すべて同じ長さで延びている。また、各第2板部27は、長手方向Xの一方の端部27aが、折目線29を介して、板25の端部25bに連結されている。なお、幅方向Yに隣接配置された一対の第2板部27,27の、上縁部27b,27bどうしは切離しており、折目線29を介して、板25に対して谷折りすることで、第2板部27,27が互いに離間するように広がるようになっている(図1及び図3参照)。
【0049】
その結果、図3に示すように、仕切り具本体20を平面的に見たときに、この第1実施形態の仕切り具本体20は、包装箱1の第1側板4に対して直交し、かつ、第1側板4の長手方向中央に位置するように延びる第1板部21と、第1板部21の長手方向一端部から、第1板部21に対して直交し、かつ、一方の第1側板4に沿って延びる、左右一対の第2板部27,27と、第1板部21の長手方向他端部から、第1板部21に対して直交し、かつ、他方の第1側板4に沿って延びる、左右一対の第2板部27,27とからなる、全体として横向きの略「H」字状をなすように構成されている。
【0050】
また、図2に示すように、各第2板部27の下縁部27cは、第1板部21を構成する板25の下縁部25cよりも、外方に向けて突出している。図1に示すように、この第2板部27の下縁部27cが、包装箱1の底板2に係止されるようになっている。また、第2板部27の、長手方向Xの他方の端部27dが、包装箱1の第1側板4の内面に係止するようになっている(図1参照)。すなわち、この第1実施形態では、複数の板部21,27のうち、第2板部27が、包装箱1の第1側板4及び底板2に係止されるようになっている。
【0051】
更に図2に示すように、各第2板部27の下縁部27cであって、左右方向の端部27a側には、同端部27aよりも外方に突出する、突部31が設けられている。また、各突部31の、上縁部27b側には、テーパ部31aが形成されている。なお、図示はしないが、上述したように、幅方向Yに隣接配置された一対の第2板部27,27が互いに離反するように広がったときに(図3参照)、上記の突部31,31どうしが重なり合って係合し、一対の第2板部27,27を広がった状態に維持するための一助となっている。
【0052】
次に、緩衝板40について説明する。
【0053】
この緩衝板40は、仕切り具本体20構成する板部の下縁部から、緩衝折目線41を介して底板2に向けて斜めに延出している。
【0054】
この第1実施形態では、包装箱1の底板2に係止される第2板部27以外の板部である、第1板部21を構成する、一対の板25,25の下縁部25c,25cから、緩衝折目線41,41を介して、底板2に向けて斜めに且つ互いに離間する方向に、緩衝板40,40がそれぞれ延出している。なお、緩衝折目線41は緩衝板40に含まれる。
【0055】
図2に示すように、各緩衝板40は、長手方向Xに沿って所定長さで延びる長板状をなしている。また、各緩衝板40は、長手方向Xに沿った上縁部43が、緩衝折目線41を介して、第1板部21の各板25の下縁部25cに連結されている。更に図2に示すように、仕切り具10が展開した状態、すなわち、第1板部21の面方向に沿って緩衝板40が延びた状態で、緩衝板40の下縁部45(延出方向の先端部)は、包装箱1の底板2に係止される第2板部27の下縁部27cよりも長く延びている。
【0056】
また、図2に示すように、各緩衝板40の上縁部43側であって、長手方向Xに沿った左右の両側縁部47には、上縁部43側から下縁部45に向けて、緩衝板40を次第に幅狭とするテーパ部47aがそれぞれ形成されている。各緩衝板40は、これらのテーパ部47a,47aを介して、上縁部43側が幅広に形成されると共に、テーパ部47aよりも下縁部45側が、上縁部43側よりも幅狭で且つ一定幅で延出している。
【0057】
また、緩衝板40は、その上面が、前記小箱120の底部121側を支持するようになっている。更に図4に示すように、緩衝板40を、板部の下縁部から延出させる緩衝折目線41は、小箱120の底部121に一致するように設けられている。
【0058】
この第1実施形態では、第1板部21を構成する各板25の下縁部25cの緩衝折目線41が、小箱120の底部121に一致する位置に設けれられている(図4参照)。そして、緩衝折目線41を含む緩衝板40の上面によって、小箱120の底部121側が支持されるようになっている。なお、緩衝折目線41は、小箱120の底部121よりも低い位置となるように設けててもよい。また、図4に示すように、この実施形態における緩衝板40は、その下縁部45が包装箱1の底板2に当接した状態で、包装箱1の底板2と小箱120の底部121との隙間Cに配置されるようになっている。
【0059】
なお、小箱は、例えば、合成樹脂製や紙製の袋に収容されている場合には、小箱120の底部121の形状が不定形となるが、この場合は、小箱120の最大限下方に変形する部分を底部121とする。
【0060】
また、この第1実施形態における緩衝板40は、その下縁部45が、包装箱1の底板2に当接して係止しているが(図4参照)、緩衝板40の下縁部45は、包装箱1の底板2から離反した状態(浮いた状態)で、包装箱1の底板2と小箱120の底部121との隙間Cに配置されるようになっていてもよい。
【0061】
次に、上記構成からなる仕切り具10の作用効果について説明する。
【0062】
まず、図1に示すように、包装箱1を組立てておき、フラップ6を開いて、上方開口を開口した状態とする。
【0063】
一方、仕切り具10は、以下のようにして、緩衝板40以外を折曲して仮組みしておく。すなわち、第1板部21の一対の板25,25を、折目線23を介して山折りして重ね合わせると共に、幅方向Yに隣接配置された一対の第2板部27,27を、折目線29を介して板25に対して谷折りして、一対の第2板部27,27をが互いに離間させて、仕切り具本体20を平面視で横向きの略「H」字状をなすように仮組する。このように、この第1実施形態においては、一枚の板を適宜折り曲げるだけで、緩衝効果を有する仕切り具10を形成することができる。
【0064】
なお、仕切り具10の仮組み工程は、各第2板部27を、折目線29を介して、第1板部21の各板25に対して谷折りして外方に広げておき、その後、第1板部21の一対の板25,25どうしを、折目線23を介して山折りして重ね合わせることにより行ってもよい。
【0065】
上記状態で、緩衝板40を下方に向けると共に、包装箱1の一対の第1側板4,4に沿うように、仕切り具本体20の複数の第2板部27を位置合わせする。その後、包装箱1の上方開口から仕切り具10を挿入していき、緩衝板40の下縁部45が、包装箱1の底板2に当接するまで、仕切り具10を押込む。
【0066】
このとき、この第1実施形態では、第1板部21の面方向に沿って緩衝板40が延びた状態で、緩衝板40の下縁部45は、包装箱1の底板2に係止される第2板部27の下縁部27cよりも長く延びている(図2参照)。
【0067】
そのため、上記のように、包装箱1内に仕切り具10を挿入していくと、包装箱1の底板2に係止される第2板部27の下縁部27cが、包装箱1の底板2に係止される前に、包装箱1の底板2に、緩衝板40の下縁部45が当接して押圧されるので、緩衝折目線41を介して、緩衝板40を自動的に斜めに折曲させることができ(図4参照)、仕切り具10の組立て作業性を向上させることができる。
【0068】
また、図3に示すように、包装箱1内に仕切り具10を挿入した状態では、第1板部21が、包装箱1の一対の第2側板5,5から離間し且つ一対の第1側板4,4に対して直交して配置されると共に、複数の第2板部27が、一対の第1側板4,4に沿って、その内側に配置される。なお、第1板部21は、一対の第1側板4,4の長手方向中央に直交して配置される。その結果、図3に示すように、包装箱1及び仕切り具10を平面方向から見たときに、包装箱1内において、左右方向で同一体積とされた、2つの内部空間S1,S1が画成されるようになっている。更に図3に示すように、第1板部21を構成する一対の板25,25の下縁部25c,25cから、互いに離反する方向に延出した一対の緩衝板40,40は、包装箱1内の2つの内部空間S1,S1内にそれぞれ配置される。
【0069】
また、包装箱1内に仕切り具10が配置された状態では、仕切り具本体20の第2板部27が、包装箱1の第1側板4及び底板2に係止されて、仕切り具本体20を構成する板部21,27が、包装箱1の底板2に対して立設した状態となるように、包装箱1に仕切り具10が保持されるようになっている。
【0070】
上記のように、包装箱1内に仕切り具10を挿入して配置した状態で、包装箱1の上方開口から、小箱付き物品100を収容する。この際には、小箱120を緩衝板40に位置合わせした後、小箱付き物品100を包装箱1内に挿入していく。その結果、図4に示すように、包装箱1の底板2に、物品110の底面111が当接して載置されると共に、包装箱1の第2側板5の内面に、物品110の一側面が当接して支持される。なお、この第1実施形態では、各内部空間S1に、小箱付き物品100が2つずつ収納されるようになっている。更に、各小箱120は、その一側面が第1板部21の板25の外面に当接して支持されると共に、緩衝折目線41に小箱120の底部121が一致するように(ここでは底部121の角部が緩衝折目線41と一致する)、緩衝板40の上面によって、小箱120の底部121が支持される。その後、フラップ6を閉じて、包装箱1の上方開口を閉塞する。また、仕切り具10を包装箱1内に挿入した状態で、緩衝板40は、包装箱1の底板2と小箱120の底部121との隙間Cに配置される。
【0071】
この状態で、包装箱1ごと、小箱付き物品100を輸送するときに、図4に示すように、包装箱1の底板2の下方側から衝撃力Fを受けると、緩衝板40に衝撃力が作用して、同緩衝板40が、緩衝折目線41を介して小箱120の底部121に近接する方向に変形することで、その衝撃力を吸収するため、小箱120に伝わる衝撃力を小さくして、物品110の側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0072】
また、緩衝板40は、仕切り具本体20の第1板部21を構成する各板25の下縁部25cから緩衝折目線41を介して延出しているので、別途、緩衝材を用意する場合に比べて、部品点数を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
【0073】
更に、緩衝板40は、仕切り具自体に設けられているので、小箱付き物品100の形状や大きさ等に応じて、緩衝板40の形状や大きさ等を変えるだけで、柔軟に対応することができ(包装箱1の形状や大きさ等を変更する必要はない)、汎用性を高めることができる。
【0074】
また、この第1実施形態においては、図3に示すように、第1板部21は、第2側板5に対して離反し且つ第1側板4に対して交差して延びるので、包装箱1内において、第1板部25を挟んで、2つの内部空間S1,S1を画成できると共に、各内部空間S1に緩衝板40がそれぞれ配置されるため、各内部空間S1に配置された小箱付き物品100の、物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0075】
更に、この実施形態においては、図4に示すように、緩衝折目線41は、小箱120の底部121に一致するように設けられているので、緩衝折目線41を含む緩衝板40の上面で、小箱120の底部121側を確実に支持することができ、小箱120を物品側方から外れにくくすることができる。
【0076】
[第2実施形態]
図5を参照して、本発明に係る仕切り具の、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0077】
図5に示すように、包装箱1及び第2実施形態の仕切り具10Aを平面方向から見たときに、第2実施形態の仕切り具本体20Aは、包装箱1の一対の第2側板5,5に対して離間し且つ第1側板4に対して交差して延びる第1板部21と、一対の第2側板5,5に沿って延びる少なくとも一対の第2板部27,27とを有しており(図5において上下方向に配置される第2板部27,27を意味する)、第2板部27は、第1板部21の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されている。また、緩衝板40は、各第2板部27の下縁部27cから、対向する相手側の第2板部27に向けて延出している。
【0078】
より具体的には、仕切り具本体20Aは、第1実施形態の仕切り具本体20と同様に、第1側板4に対して直交する第1板部21と、該第1板部21の長手方向両端部から、第1側板4に沿って左右方向にそれぞれ延びる4つの第2板部27とからなる。また、緩衝板40は、各第2板27部の下縁部から、対向する相手側の第2板部27に向けてそれぞれ延出しており、合計で4つの緩衝板40を有している。
【0079】
そして、この第2実施形態においては、図5に示すように、第1板部21は、第2側板5に対して離反し且つ第1側板4に対して交差して延びるので、包装箱1内において、第1板部21を挟んで2つの内部空間S1,S1を画成できると共に、各内部空間S1に、一対の緩衝板40,40が対向して配置されるため、各内部空間S1に配置された小箱付き物品100の、物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0080】
[第3実施形態]
図6を参照して、本発明に係る仕切り具の、第3実施形態について説明する。なお、上記の第1又は第2の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0081】
図6に示すように、包装箱1及び第2実施形態の仕切り具10Aを平面方向から見たときに、第3実施形態の仕切り具本体20Bは、第1側板4に対して離反し且つ第2側板5に対して交差して延びる第1板部21と、第2側板5に対して所定のスペースS2を介して延びる第2板部27とからなり、第2板部27は、第1板部21の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されている。ここでは、第2側板5に対して直交し、かつ、第2側板5の長手方向中央に位置するように延びる第1板部21と、第1板部21の長手方向一端部から、第1板部21に対して直交し、かつ、一方の第2側板5に対して所定のスペースS2を介して延びる、上下一対の第2板部27,27と、第1板部21の長手方向他端部から、第1板部21に対して直交し、かつ、他方の第2側板5に対して所定のスペースS2を介して延びる、上下一対の第2板部27,27とからなる、略「H」字状をなすように構成されている。
【0082】
また、緩衝板40は、各第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に近接する方向に延出しており、合計で4つの緩衝板40を有している。なお、各緩衝板40は、前記スペースS2にそれぞれ配置されるようになっている。
【0083】
そして、この第3実施形態においては、図6に示すように、緩衝板40は、各第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に近接する方向に延出するので、包装箱1内の所定のスペースS2間に、緩衝板40を配置することができる。その結果、包装箱1内における、緩衝板40を配置した所定のスペースS2,S2に、小箱付き物品100を収容して、物品側方から小箱120を外れにくくすることができると共に、包装箱1内における、緩衝板40がない内部空間S1,S1には、小箱付きではない物品を収容して、内部空間S1を有効活用することができる。
【0084】
[第4実施形態]
図7を参照して、本発明に係る仕切り具の、第4実施形態について説明する。なお、上記の第1~第3の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0085】
図7に示すように、この第4実施形態の仕切り具10Cは、仕切り具本体20Cにおける緩衝板40の延出箇所が、前記第3実施形態と異なっており、他の部分は第3実施形態と同様の構造となっている。
【0086】
すなわち、この第4実施形態では、緩衝板40は、各第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に対して離反する方向に延出しており、合計で4つの緩衝板40を有しており、各緩衝板40は、前記内部空間S1にそれぞれ配置されるようになっている。
【0087】
そして、この第4実施形態においては、図7に示すように、緩衝板40は、第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に対して離反する方向に延出するので、包装箱1内の内部空間S1,S1に、緩衝板40を配置することができる。その結果、包装箱1内における、緩衝板40を配置した内部空間S1,S1に、小箱付き物品100を収容して、小箱120を各物品110の側方から外れにくくすることができると共に、包装箱1内における、緩衝板40がない所定のスペースS2には、小箱付きではない物品を収容して、同スペースS2を有効活用することができる。
【0088】
[第5実施形態]
図8を参照して、本発明に係る仕切り具の、第5実施形態について説明する。なお、上記の第1~第4の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0089】
この第5実施形態の仕切り具10Dは、一対の仕切り具本体20D,20Dを有している。
【0090】
各仕切り具本体20Dは、包装箱1の第2側板5に沿って延びる第1板部21と、この第1板部21の左右方向の両端部から、第1板部21に対して直交し、かつ、第1側板4に沿って延びる一対の第2板部27,27とからなり、仕切り具10Dを平面方向から見たときに、略「コ」字状をなしている。なお、第2板部27は、第1板部21の左右端からそれぞれ折目線を介して連設されている。
【0091】
そして、図8に示すように、一対の仕切り具本体20D,20Dは、各第2板部27の延出方向の先端部27eどうしが対向するように、包装箱1内に配置されている。この第5実施形態では、各第1側板4の内側に配置された左右一対の第2板部27,27の、延出方向の先端部27e,27eどうしを突き合わせた状態で、包装箱1内に一対の仕切り具本体20D,20Dが配置されている。
【0092】
ただし、一対の仕切り具本体20D,20Dは、左右一対の第2板部27,27の、延出方向の先端部27e,27eを、離間させた状態で対向配置してもよい。
【0093】
また、緩衝板40は、各仕切り具本体20Dの、各第1板部21の下縁部から、対向する相手側の仕切り具本体20Dに向けて延出している。
【0094】
そして、この第5実施形態においては、一対の仕切り具本体20D,20Dは、平面視で略コ字状をなし、各各仕切り具本体20Dの第1板部21を、包装箱1の各第2側板5に寄せた状態で配置されるため、包装箱1の内部空間S1を大きく確保することができ、サイズの大きな小箱付き物品100や、複数の小箱付き物品100を収納して、それらの物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0095】
[第6実施形態]
図9を参照して、本発明に係る仕切り具の、第6実施形態について説明する。なお、上記の第1~第5の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0096】
この第6実施形態の仕切り具10Eは、仕切り具本体20Eにおける緩衝板40の延出箇所が、前記第5実施形態(図8参照)と異なっており、他の部分は同第5実施形態と同様の構造となっている。すなわち、この第6実施形態では、緩衝板40は、各第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に対して離反する方向に延出しており、合計で4つの緩衝板40を有している。
【0097】
そして、この第6実施形態においては、一対の仕切り具本体20E,20Eは、平面視で略コ字状をなし、各各仕切り具本体20Eの第1板部21を、包装箱1の各第2側板5に寄せた状態で配置されるため、包装箱1の内部空間S1を大きく確保することができると共に、一対の緩衝板40,40が対向して配置されるため、サイズの大きな小箱付き物品100や、複数の小箱付き物品100を収納して、それらの物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0098】
[第7実施形態]
図10を参照して、本発明に係る仕切り具の、第7実施形態について説明する。なお、上記の第1~第6の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0099】
図10に示すように、この第7実施形態の仕切り具10Fは、仕切り具本体20Fにおける緩衝板40の延出箇所が、第3実施形態(図6参照)及び第4実施形態(図7参照)と異なっており、他の部分は第3実施形態及び第4実施形態と同様の構造となっている。
【0100】
すなわち、この第7実施形態では、仕切り具本体20Fを平面方向から見たときに、緩衝板40は、第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に近接する方向及び第2側板5から離間する方向に交互に延出しており、各緩衝板40は、前記内部空間S1及び前記スペースS2にそれぞれ配置されている。なお、図10に示すように、包装箱1及び仕切り具10Fを平面方向から見たときに、一方のスペースS2に配置される緩衝板40は、他方のスペースS2に配置さえる緩衝板40に対して、第2側板5の延出方向において整合する位置に設けられており、内部空間S1に配置される左右一対の緩衝板40,40も、第2側板5の延出方向において整合する位置に設けられている。
【0101】
そして、この第7実施形態においては、緩衝板40は、第2板部27の下縁部27cから、第2側板5に近接する方向及び第2側板5から離反する方向に交互に延出しているので、包装箱1内の、所定のスペースS2、及び、内部空間S1に、緩衝板を配置することができる。その結果、包装箱1内における、緩衝板40を配置した内部空間S1及び所定のスペースS2に、小箱付き物品100をそれぞれ収容して、物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【0102】
[第9実施形態]
図11を参照して、本発明に係る仕切り具の、第8実施形態について説明する。なお、上記の第1~第7の実施形態と実質的に同一部分には同符号を付して、その説明を省略することにする。
【0103】
図11に示すように、この第8実施形態の仕切り具10Gは、仕切り具本体20Gにおける第1板部21の構造及び緩衝板40の延出箇所が、第3実施形態(図6参照)、第4実施形態(図7参照)、第7実施形態(図10参照)と異なっており、他の部分は第3実施形態、第4実施形態、第7実施形態と同様の構造となっている。
【0104】
すなわち、この第8実施形態における第1板部21は、包装箱1の第1側板4に対して直交して延びると共に、一対の板25,25が上端部で折目線を介して連設されて重なり合う二重板状をなしている。緩衝板40は、第1板部21の各板25,25の下縁部から、互いに離間する方向にそれぞれ延出しており、包装箱1内の、内部空間S1,S1に配置されるようになっている。
【0105】
そして、この第8実施形態においては、一枚の板を適宜折り曲げるだけで、緩衝効果を有する仕切り具10Gを形成することができる。また、第1板部21は、第1側板4に対して離反し且つ第2側板5に対して交差して延びるので、包装箱1内において、第1板部21を挟んで2つの内部空間S1,S1を画成できると共に、各内部空間S1に緩衝板40がそれぞれ配置されるため、各内部空間S1に配置された小箱付き物品100の、物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。更に、包装箱1内の所定のスペースS2,S2には、小箱付きではない物品を収容して、同スペースS2を有効活用することができる。
【0106】
[その他の変形例]
上記の第1~第8実施形態では、包装箱1の底板2は四角形状をなしているが、底板としては、例えば、三角形や、五角形、更には、六角形以上の矩形状等であってもよい。また、第1~第8実施形態の胴部3は、底板2の四角形状に対応して四角筒状をなしているが、胴部としては、例えば、三角筒状や、方形筒状、五角筒状、更には、六角筒状以上の角筒状であってもよい。
【0107】
更に第1~第8実施形態では、仕切り具本体の、第1板部21又は第2板部27の長手方向側縁部が、包装箱1の側板4,5の内面に摩擦力でもって係止されるようになっているが、各板部21,27を、接着剤や接着テープ着剤等を介して、包装箱1の側板4,5に支持させてもよい。
【0108】
また、第1~第8実施形態における緩衝板40は、全て所定長さで延びる長板状をなしているが、緩衝板としては、幅狭の小片状としたり、延出方向先端部に向けて次第に幅狭となる略台形板状等としたりしてもよく、その形状は特に限定はされない。
【0109】
更に、第1実施形態(図1~4参照)や、第5実施形態(図8参照)、第8実施形態(図11参照)では、第1板部21の長手方向ほぼ全域に亘って、一つの緩衝板40が延設されているが、第1板部21の長手方向の範囲内に、複数の緩衝板40を延設させてもよい。また、第2板部の下縁部から延出される緩衝板についても、延出個数に特に限定はされない。
【0110】
また、第1~第8実施形態では、仕切り具本体の、第1板部21や第2板部27は、包装箱1の側板4,5に対して直交しているが、側板4,5に対して所定角度で斜めに延びていてもよい。
【0111】
更に、仕切り具本体としては、例えば、(1)包装箱1の所定の一対の対角線上に延びる一つの板部(包装箱1の対角線上に位置する斜めに対向する隅部どうしに、架設されるように斜めに延びる板部)と、この板体に連設した板部とからなる構造としたり、(2)包装箱1の所定の一対の対角線上に延びる一つの板部と、包装箱1のもう一対の対角線上に延び、前記板部に対してX字状に交差するもう一つの板部とからなる構造としたり、(3)平面方向から見て、略L字状、略T字状、略V字状をなすような複数の板部から構成したりしてもよく、特に限定はされない。
【0112】
また、第1実施形態(図1~4参照)及び第8実施形態(図11参照)では、第1板部21が一対の板25,25を重合してなる二重板状をなしているが、第2板部側を二重板状にしてもよく、更に第1板部及び第2板部を、3枚以上の板を重ね合わせる構造としてもよい。
【0113】
更に、第5実施形態(図8参照)及び第6実施形態(図9参照)では、一対の仕切り具本体を有し、それ以外の実施形態では、展開状態で一枚板とされた板体を適宜折曲してなる仕切り具本体を有しているが、例えば、第1実施形態等において、一つの仕切り具本体で画成された包装箱1の内部空間S1に、更に別の仕切り具本体を配置したり、第5実施形態等において、一対の仕切り具本体の間に、更に別の仕切り具本体を配置したりしてもよい。
【0114】
[包装箱]
また、本発明に係る包装箱1は、上記のような仕切り具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10Gを、内部に収納することで構成されたものである。
【0115】
そして、上記の包装箱1においては、仕切り具10~10Gが包装箱1内に収納された状態で、仕切り具本体を構成する板部の下縁部から、緩衝折目線41を介して底板2に対して斜めに延出した緩衝板40は、その上面が小箱120の底部121側を支持するので、小箱付き物品100の輸送時に、包装箱1の底板2の下方側から衝撃力を受けると、緩衝板40が衝撃力を吸収するため、小箱120に伝わる衝撃力を小さくして、物品側方から小箱120を外れにくくすることができる。
【符号の説明】
【0116】
1 包装箱
2 底板
3 胴部
4 第1側板
5 第2側板
6 フラップ
6a 折目線
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G 仕切り具
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G 仕切り具本体
21 第1板部
23 折目線
25 板
25a 上端部
25b 左右方向の端部
25c 下縁部
27 第2板部
27a,27d 側縁部
27b 上縁部
27c 下縁部
27e 先端部
29 折目線
31 突部
31a テーパ部
40 緩衝板
41 緩衝折目線
43 上縁部
45 下縁部
47 側縁部
47a テーパ部
100 小箱付き物品
110 物品
111 底面
120 小箱
121 底部
C 隙間
S1 内部空間
S2 スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11