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特開2022-71248シート後処理装置、及びこれを備えた画像形成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071248
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】シート後処理装置、及びこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/36 20060101AFI20220509BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
B65H31/36
B65H37/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180092
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【テーマコード(参考)】
3F054
3F108
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AB01
3F054BA02
3F054BE02
3F054BE04
3F054BE09
3F054BG11
3F054BH03
3F054BH07
3F054BH14
3F054CA04
3F054CA21
3F054DA01
3F054DA11
3F108GA02
3F108HA02
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】本発明は、シートを排出手段からシートを搬出する際、シート汚れや整合不良がないシート束搬送装置の提供をその課題としている。
【解決手段】本発明は、排出手段より排出されたシートを積載する積載手段と、シート端の排出方向下流側を規制する規制手段と、シートを排出方向下流側に搬送する搬送手段と、シートの排出方向と直交する方向に整合する整合手段を設け、シートサイズによって整合手段の停止位置を変更することで排出手段から排出されたシート先端を搬送手段に送り込む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出手段によって排出されたシートと
前記排出手段から排出された前記シートを積載する積載手段と、
前記排出手段から排出された前記シート端の排出方向下流側を規制する規制手段と、
前記排出手段と前記規制手段との間に設けられ、前記シートを排出方向下流側に搬送する搬送手段と、
前記排出手段から排出された前記シートの前記排出方向と直交する方向を整合する整合手段と、
前記整合手段を前記排出方向と直交する方向に移動する整合移動手段と、
前記規制手段より前記排出方向下流側に位置し前記シート端に綴じ処理を施す綴じ手段と、
前記シートのシートサイズを検出するシート検出手段と、
前記シート検出手段によって検出されたシートサイズによって、前記整合手段の停止位置を制御する制御手段と、
を備えた、シート後処理装置。
【請求項2】
排出手段から排出されたシートと、
前記排出手段から排出されたシートを積載する積載手段と、
前記排出手段から排出されたシート端の排出方向下流側を規制する第一の規制手段と、
前記第一の規制手段より前記排出方向上流側に位置し前記排出ローラから排出されたシート端の排出方向下流側を規制する第二の規制手段と、
前記第一の規制手段より前記排出方向下流側に位置し前記シート端に綴じ処理を施す綴じ手段と、
前記綴じ処理を行う場合は前記第一の規制手段を前記綴じ処理を行わない場合は前記第二の規制手段で規制するよう選択する選択手段と、
を備えた請求項1に記載のシート後処理装置。
【請求項3】
排出手段から排出されたシートと、
前記排出手段から排出されたシートを積載する積載手段と、
前記排出手段から排出された前記シート端の排出方向下流側を規制する規制手段と、
前記規制手段の前記排出方向と直交する方向に前記シートを整合する第一の整合手段と、
前記第一の整合手段より下流側に位置し前記規制手段の前記排出方向と直交する方向に前記シートを整合する第二の整合手段と、
前記第一の整合手段及び前記第二の整合手段を前記排出方向と直交する方向に移動する移動手段と、
前記シートのシートサイズを検出するシート検出手段と、
前記シート検出手段によって検出されたシートサイズによって、前記整合手段の停止位置を制御する制御手段と、
を備えた請求項1記載のシート後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート後処理装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特に画像形成装置本体からシート積載手段に排出されたシートを、整合性を保ったまま取り出すための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シートに画像を形成する画像形成装置においては、技術の進歩により画像形成の高速化が図られており、このような画像形成の高速化に伴い画像形成装置本体から排出されるシートの排出速度も高速化している。そして、このように高速で排出されるシートを大量に整列、積載するため、従来の画像形成装置においては、シート積載装置として、例えば大容量スタッカ装置を備えたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
図7は、このような従来の大容量スタッカ装置の構成を示す図であり、不図示の画像形成装置本体よりシートが排出されると、シートは、まず入口ローラ501に搬入される。ここで、このシートは、第1切換部材502の切り換えにより上方のパスに搬送された場合には、この後、第2切換部材521の切り換えにより、スタッカ上部のサンプルトレイ509、又は搬送パス503を通過して下流の不図示のシート処理装置に搬送される。
【0004】
また、第1切換部材502によって下方のパスに搬送された場合には、シートは、排紙ローラ505により、積載トレイ506上に水平に排出、積載される。ここで、シート積載部である積載トレイ506は不図示の駆動装置により上下動可能な構成となっており、紙面検知レバー510により、常に積載シートの上面高さが一定となるように高さ制御されている。
【0005】
ところで、シートを積載トレイ506に水平に積載する際、シートが、特に薄紙のようなコシの小さいシートの場合、シートの搬送方向先端が下方に垂れてしまい、積載トレイ上の既積載のシートPと接触する。そして、このようにシートが既積載のシートPと接触すると、シートはダメージを受ける、あるいは座屈による積載不良等が発生する。
【0006】
そこで、従来は、排紙ローラ505の下流に、シートの先端部を把持して積載トレイ506の上方を、シート搬送方向下流に移動するグリッパ507a,507bを設けるようにしている。なお、このグリッパ507a,507bは、矢印方向に回転可能な無端状ベルト508に取り付けられている。
【0007】
そして、排紙ローラ505によって排出されたシートの先端部をグリッパ507a,507bにより一枚毎に把持すると共に、この状態で無端状ベルト508を回転させることにより、シートは無端状ベルト508と一体的に移動する。
【0008】
なお、積載トレイ506の上方には先端ストッパ514が設けられており、このようにグリッパ507a,507bにより把持された状態で積載トレイ上を搬送(移送)されると、シートは、やがて先端ストッパ514に突き当たる。そして、このように先端ストッパ514にシート先端(シート搬送方向下流側端)が突き当たると、グリッパ507a,507bの把持が解除され、シートが積載トレイ上に積載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-124052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような従来のシート積載装置(スタッカ装置)及び画像形成装置において、積載トレイ上に積載されたシート印字直後のシートと既積載シートをこすり合わせる事により、シートに汚れが発生することや、印字部の摩擦係数が高い事に起因する整合不良が発生してしまう。本発明は、シートを排出手段からシートを搬出する際、シート汚れや整合不良がないシート後処理装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、排出手段より排出されたシートを積載する積載手段と、シート端の排出方向下流側を規制する規制手段と、シートを排出方向下流側に搬送する搬送手段と、シートの排出方向と直行する方向に整合する整合手段を設け、シートサイズによって整合手段の停止位置を変更することで排出手段から排出されたシート先端を搬送手段に送り込む。
【発明の効果】
【0012】
上記の様に、シートサイズに合わせ搬送ローラを使い分けることで、シートサイズによらず用紙先端が既積載シートに接触してからシート後端が既積載シートに接触することが可能となる。これにより、印字直後のシート後端が出来るだけ時間を経て既積載シートに接触することとなり、シートの汚れや整合不良等の軽減効果が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係るシート積載装置及びこれを備えた画像形成装置の構成を示す図。
図2】上記画像形成装置に設けられた制御部の制御ブロック図。
図3】上記画像形成装置の画像形成装置本体に接続されたスタッカの構成を示す図。
図4】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する断面図。
図5-1】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する図。
図5-2】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する図。
図5-3】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する図。
図5-4】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する図。
図6】上記スタッカの各モードの積載動作を説明する上面図。
図7】上記スタッカのローラ受渡しを説明する上面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るシート積載装置及びこれを備えた画像形成装置の構成を示す図である。
【0016】
[画像形成装置]
図1において、900は画像形成装置、901は画像形成装置本体である。画像形成装置本体901には、スキャナユニット955及びイメージセンサ954を備えた画像読取装置951、シートに画像を形成する画像形成部902、両面装置953、プラテンガラス952等が設けられている。また、画像形成装置本体901の上面には、原稿をプラテンガラス952に給送する原稿給送装置950が設けられている。
【0017】
画像形成部902には、円筒状の感光体ドラム906、帯電器907、現像器909、クリーニング装置913等がそれぞれ備えられており、さらに画像形成部902の下流側には定着装置912、排出ローラ対914等が配設されている。また、この画像形成装置本体901には、画像形成装置本体901から、画像形成後、排出される画像形成済みのシートを積載するシート積載装置であるスタッカ100が接続されている。なお、960は画像形成装置本体901及びスタッカ100の制御を司る制御部である。
【0018】
次に、このような構成の画像形成装置本体901の画像形成動作について説明する。
【0019】
制御部960から画像形成信号が出力されると、まず原稿給送装置950によりプラテンガラス952上に原稿が載置され、この原稿画像が画像読取装置951により読み取られ、読み取られたデジタルデータは露光手段908に入力される。そして、露光手段908により、このデジタルデータに応じた光が感光体ドラム906に照射される。
【0020】
このとき、感光体ドラム906の表面は帯電器907により一様に帯電されており、このように光が照射されると、感光体ドラム表面に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像器909により現像することにより、感光体ドラム表面にトナー像が形成される。
【0021】
一方、制御部960から給紙信号が出力されると、まずカセット902a~902eにセットされたシートPが給紙ローラ903a~903e、搬送ローラ対904によってレジストローラ910まで搬送される。
【0022】
次に、シートPは、レジストローラ910によってシート先端と感光体ドラム906のトナー像の先端を合わせるようなタイミングで帯電器905を備えた転写部まで搬送される。そして、この転写部において、シートPに転写バイアスが帯電器905により印加されることにより、感光体ドラム906上のトナー像がシート側に転写される。
【0023】
次に、トナー像が転写されたシートPは、搬送ベルト911によって定着装置912まで搬送された後、定着装置912の加熱ローラと加圧ローラに挟持搬送される際に、トナー像が熱定着される。この時、感光体ドラム906上ではシートに転写されずに付着している残存トナー等の異物がクリーニング装置913のブレードにより掻き落とされており、この結果、感光体ドラム906の表面がクリアーとなり、次の画像形成に備えることができる。
【0024】
定着されたシートは、そのまま排出ローラ対914によりシート積載装置であるスタッカ100に搬送されるか、切換部材915により両面装置953に搬送され、画像形成される面を反転して再度画像形成が行われることになる。
【0025】
図2は、制御部960の構成を示すブロック図である。制御部960は、CPU回路部206を有し、CPU回路部206は、不図示のCPU、ROM207、RAM208を内蔵している。そして、ROM207に格納されている制御プログラムにより、原稿給送制御部202、操作部209、イメージリーダ制御部203、画像信号制御部204、プリンタ制御部205、スタッカ制御部210を総括的に制御する。
【0026】
なお、図2において、201は画像形成装置900と外部のコンピュータ200とのインタフェースである外部I/Fであり、コンピュータ200からのプリントデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部204へ出力する。
【0027】
RAM208は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。原稿給送制御部202は、原稿給送装置950をCPU回路部206からの指示に基づき駆動制御するものである。イメージリーダ制御部203は、画像読取装置951に設けられたスキャナユニット955及びイメージセンサ954等に対する駆動制御を行い、イメージセンサ954から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部204に転送するものである。
【0028】
画像信号制御部204は、イメージセンサ954からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部205に出力するものである。また、コンピュータ200から外部I/F201を介して入力されたデジタル画像信号に対して各種処理を施すと共に、デジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部205に出力するものである。なお、この画像信号制御部204による処理動作は、CPU回路部206により制御される。
【0029】
プリンタ制御部205は、入力されたビデオ信号に基づいての不図示の露光制御部を介して露光手段908を駆動するものである。操作部209は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部などを有している。そして、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部206に出力すると共に、CPU回路部206からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示するものである。
【0030】
スタッカ制御部210はスタッカ100に搭載され、CPU回路部206と情報のやり取りを行うことにより、後述する引込ベルト駆動モータM1、引込ベルト退避モータM2の駆動等、スタッカ全体の駆動制御を行う。この制御内容については後述する。なお、スタッカ制御部210を画像形成装置本体901側のCPU回路部206に一体的に組み込み、画像形成装置本体901から直接スタッカ100を制御するようにしてもよい。
【0031】
[スタッカ]
図3は、画像形成装置本体901に接続されたスタッカ100の構成を示す図である。図3において、501,502、503は搬送ローラ対であり、この搬送ローラ対上流501、搬送ローラ対下流502、搬送ローラ対中503は、駆動プーリ11と従動プーリ12に懸架され、不図示のベルトモータの駆動により回転する。
【0032】
排紙ローラ5から排出されたシートを積載トレイ上(シート積載部上)の所定位置に移送する移送手段は、シートを搬送ローラである搬送ローラ対上流501、搬送ローラ対下流502、搬送ローラ対中503により構成される。
【0033】
14はシートの先端(シート移送方向下流側端)と突き当たり、シートのシート移送方向の位置決めを行う突当て部である先端ストッパである。また当接面14に突き当たったシートを移送方向に引き込む、引込みベルト16を備えている。
【0034】
[整合による搬送]
引き込みベルト16によって当接面14に引き込まれたシートを移送方向と直行する方向に整合するサイド規制部材対上流20とサイド規制部材対下流30を備えている。
【0035】
図4図5-1~図5-4はサイド規制部材対上流20とサイド規制部材対下流30の整合方向の位置によるシートの搬送方法を変えた説明図である。
【0036】
図4(a)の様に、サイド規制部材対上流20は断面から見ると階段状の形状となっている。また図4(b)の様に、サイド規制部材対下流30は断面から見るとL字形状となっている。
【0037】
[綴じモードハーフサイズ]
次に、搬送ローラ対上流501と搬送ローラ対下流502と搬送ローラ対中503のシート受渡しについて説明する。A3やLDRサイズ等(後述のラージサイズ)の半分のサイズとなるA4やLTRサイズのシート(以後、ハーフサイズ)を搬送する場合、搬送ローラ対上流501と搬送ローラ対下流502とのローラピッチ間にシートを受け渡す用のガイド等が無いためシート先端が垂れる等の影響で搬送ローラ対下流502側に届かない状態となる。この場合、図4(a)の様にサイド規制部材対上流20を移動させ、サイド規制部材上流手前・搬送時21a付近をシート材が通るようにする。
【0038】
すると、図5-1のa)の様に、シート先端がサイド規制部材上流手前・搬送時21a付近を通過し、搬送ローラ対503に送られ、その後搬送ローラ対下流502に送られる。その後、シート先端が当接面14に突き当たるまで送られステイプル500によって綴じ処理を行う。
【0039】
[綴じモードラージサイズ]
次にA3やLDRなどのラージサイズ搬送について説明する。ラージサイズシートはシートサイズが長いため搬送ローラ対下流502を必要とせず、図4(a)の様にサイド規制部材上流20を移動させ、サイド規制部材上流手前・搬送時21b付近をシート材が通るようにする。
【0040】
すると、図5-1のb)の様に、シート先端がサイド規制部材上流手前・搬送時21b付近を通過し搬送ローラ対下流502の下方に潜りこみ図4(b)の様に、サイド規制部材下流手前・搬送時21a付近を通過し当接面14に突き当たるまで送られステイプル500によって綴じ処理を行う。尚、本実施例におけるステイプル500はシート後処理装置に一般的に用いられる、針を使って綴じるステープラを想定しているが、この綴じ手段は、例えば一対の綴じ歯でシートを圧着して綴じる圧着綴じや、接着剤を使う綴じ処理等、種々の綴じ装置も採用可能であり、置き換えが可能である。
【0041】
[綴じモードラージとハーフ間サイズ]
次にLGLなどのラージサイズとハーフサイズの中間のサイズについて説明する。LGLなどのサイズは搬送ローラ対上流501のみでは当接面14まで搬送が届かず、搬送ローラ対下流502を使用すると当接面14に届きすぎてしまいシートが座屈してしまう。そこで図5-4のg)の様に、搬送ローラ対上流501と搬送ローラ対中503のみを使用し、シート先端が搬送ローラ対中503を超えたあたりでサイド規制材上流20を退避することで、搬送ローラ対下流502を使用せず搬送が可能となり、搬送されたシートは当接面14に届かないこともなく送りすぎてしまう事も回避できる。
【0042】
[シフトモードハーフサイズ]
次に、ハーフサイズのシフトモードについて説明する。ハーフサイズシートの場合、綴じモードと同様にサイド規制部材上流20を移動させ、サイド規制部材上流手前・搬送時21a付近をシート材が通るようにする。その後先端がサイド規制部材上流手前・搬送時21a付近を通過し搬送ローラ対下流502に送られる。その後、シート先端が図5-2のc)の様にシフトモード位置まで移動した当接面14に突き当たるまで送られる。シフトモード位置が移送方向上流側に移動した位置(図5-2のc)と下流側に移動した位置(図5-2のd))によってシフト(仕分け)状態を実現可能とする。
【0043】
[シフトモードラージサイズ]
次に、ラージサイズのシフトモードについて説明する。綴じモードと同様にラージサイズシートはシートサイズが長いため搬送ローラ対下流502を必要とせず、図4(a)の様にサイド規制部材上流20を移動させ、サイド規制部材上流手前・搬送時21b付近をシート材が通るようにする。その後シート先端がサイド規制部材上流手前・搬送時21b付近を通過し搬送ローラ対下流502の下方に潜りこみ図4(b)の様に、サイド規制部材下流手前・搬送時21a付近を通過しシート先端が図5-3のe)の様にシフトモード位置まで移動した当接面14に突き当たるまで送られる。シフトモード位置が移送方向上流側に移動した位置(図5-3のe))と下流側に移動下位置(図5-3のf))によってシフト(仕分け)状態を実現可能とする。
【0044】
なお、本実施の形態においては、ジョブの終了後、もしくはジョブの途中で積載トレイ6の取り出し動作が選択された場合、積載トレイ6が下降を開始する前に、サイド規制部材20と30が、図4の(a)に示す位置から(b)に示す位置に移動する。そして、このようにサイド規制部材20と30が移動することにより、既積載シート束上部がサイド規制部材20と30により挟み込まれ、シート束上部の整合性が保たれる。
【0045】
一方、移送されたシートのシート移送方向の整合性は、引込みベルト16により保たれる。ここで、この引込みベルト16は、図5-1のa)に示すように、駆動ローラ対16aと、従動ローラ16b及び接触部材であるレバー16cに巻き付けられている。なお、駆動ローラ対16aは、既述した図2に示す引込ベルト駆動モータM1により回転し、引込みベルト16を、シートを引き込む方向に回転させる。
【0046】
また、先端ストッパ側に位置し、引込みベルト16の内周面を押圧するレバー16cは、上端を支点として図2に示す引込ベルト退避モータM2により回動するホルダ17に保持されている。そして、積載トレイ6の取り出し動作が選択されたときには、積載トレイ6の取り出し動作が開始される前に引込ベルト退避モータM2が回転し、これによりホルダ17が先端ストッパ側に回動し、これに伴いレバー16cも先端ストッパ側に移動する。
【0047】
ところで、レバー16cが移動する前は、引込みベルト16は、既述したようにシートの先端を先端ストッパ14の当接部14bに突き当てることにより、シート先端の位置決めを行っている。なお、このようにシートを先端ストッパ14に突き当てる際、引込みベルト16は、図5-1のb)に示すように、先端ストッパ14側(規制手段側)に引っ張られた状態で弾性変形している。
【0048】
このような状態のとき、レバー16cが先端ストッパ14側に移動すると、引込みベルト16はシートPを先端ストッパ14側へさらに引込みながら、図5-2のc)に示すように、シートPと非接触状態となるまで引っ張られる。この動作によってシートPは、先端ストッパ14側へさらに引込まれる力を受けるが、シートPの先端は先端ストッパ14によって規制されているため整合性が保たれ、引込みベルト16がシートPの上面でスリップしながら移動する。
【0049】
なお、本実施の形態においては、このように、引込みベルト16を変形させてシートPから離間させる離間手段を引込ベルト退避モータM2と、ホルダ17に回転自在に保持されているレバー16cとにより構成している。
【0050】
そして、このように引込みベルト16を、積載トレイ6の取り出し動作が開始される前に先端ストッパ側へ弾性変形を解消しつつシートから離間させることにより、この後、積載トレイ6が下降しても弾性変形の戻りによるシートの移動を防止することができる。
【0051】
次に、このような引込みベルト16を備えたスタッカ100のシート取り出しの際の動作について説明する。
【0052】
まず、制御部960は、操作部209からの信号に基づき画像形成装置本体901からのシートをスタックするか、即ち積載トレイ上に積載するかを判断する(S100)。そして、シートをスタックする場合は(S100のY)、シートをグリッパ7a,7bにより把持した状態で積載トレイ上を移送する。
【0053】
[パンチモード]
本発明の構成では綴じ処理などの後処理はシート先端で行う必要がある。本スタッカの上流側にパンチユニットを設置する場合も同様にシート先端側に穿孔処理を行う必要がある。本構成ではシート先端が搬送されシートが搬送ローラ対上流301に侵入時搬送ローラ対上流301の搬送を停止させる、シート自体は画像形成装置のローラによって搬送が続けられるため、シートがループする。
【0054】
シート先端が停止している状態でパンチユニットによる穿孔を実施することで、生産性に与える影響を減らしつつ穿孔処理を行う事が可能となる。
【0055】
また、本装置のステイプル500の綴じ位置には、操作者が手動で差し込んだシートに対して綴じ処理を施す上部手差し開口部510が設けられており、ステイプル500の下方の重複する位置にはステイプル500と異なる綴じ処理が可能な第2綴じ手段(針無し綴じ512)とともに、下部手差し開口部511が設けられており、装置の設置面積を増加させることなく、種々の手差し綴じ処理が可能となっている。
【符号の説明】
【0056】
6 積載トレイ
14 先端ストッパ
16 引込みベルト
20 サイド規制部材上流
21 サイド規制部材上流手前
21a サイド規制部材上流手前・搬送時
21b サイド規制部材上流手前・綴じ時
21c サイド規制部材上流手前・シフト時
22 サイド規制部材上流奥
30 サイド規制部材下流
31 サイド規制部材下流手前
31a サイド規制部材下流手前・搬送、綴じ時
31b サイド規制部材下流手前・シフト時
32 サイド規制部材下流奥
100 スタッカ
900 画像形成装置
901 画像形成装置本体
902 画像形成部
P シート
500 ステイプラ
501 搬送ローラ対上流
502 搬送ローラ対下流
503 搬送ローラ対 中
510 上部手差し開口部
511 下部手差し開口部
512 針なし綴じユニット
513 パンチユニット
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6
図7