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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071316
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】空気清浄装置及び開口部装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20220509BHJP
   A61L 9/015 20060101ALI20220509BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20220509BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220509BHJP
【FI】
A61L9/20
A61L9/015
A61L9/16 Z
F24F7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180207
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】302018503
【氏名又は名称】サティスボンバー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】大城 守康
(72)【発明者】
【氏名】福井 隆浩
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA01
4C180DD03
4C180DD08
4C180EA17X
4C180HH02
4C180HH05
4C180HH17
4C180HH19
(57)【要約】
【課題】空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図る。
【解決手段】紫外線光源2と、空気の流通経路Rを形成する流路部材4と、流路部材4による流通経路R内に空気を流通させる送風手段5とを備え、流路部材4は、紫外線を透過し、平面又は曲面に沿って流通経路Rを展開する構成となっている。
空気の流通経路Rが平面又は曲面に沿って展開されていると、紫外線光源2からの紫外線光を複数箇所又は広範囲に照射することが容易となり、流通経路R内を通る空気に対して、殺菌能力又はウィルスの不活性化能力が向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線光源と、
空気の流通経路を形成する流路部材と、
前記流路部材による前記流通経路内に空気を流通させる送風手段とを備え、
前記流路部材は、紫外線を透過し、平面又は曲面に沿って前記流通経路を展開することを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】
前記流路部材は、平面に沿って前記流通経路を展開し、
前記紫外線光源は、前記流路部材を透過するように、前記平面に沿って紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記流通経路は、複数の線状部を有し、
前記複数の線状部は、積層状態に並んで配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
複数の前記流路部材を備え、
前記紫外線光源の周囲に複数の前記流路部材を配置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記流通経路は、前記紫外線光源の周囲を通過する螺旋状であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記流路部材と前記紫外線光源とを格納し、紫外線を遮蔽する筐体を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記筐体は、紫外線を反射する反射面により紫外線を遮蔽することを特徴とする請求項6に記載の空気清浄装置。
【請求項8】
前記流通経路の終端部が前記筐体の内部で開放されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の空気清浄装置。
【請求項9】
装置外に排出される空気からオゾンを除去するオゾン除去部を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の空気清浄装置。
【請求項10】
装置内に取り込まれた空気にオゾンを供給するオゾン発生装置を備えることを特徴とする請求項9に記載の空気清浄装置。
【請求項11】
装置内に取り込まれた空気を加熱する加熱装置を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の空気清浄装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の空気清浄装置を備える開口部装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の清浄化を図る空気清浄装置及び開口部装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、殺菌やウィルスの不活性化のために紫外線が活用されている。例えば、従来の空気清浄装置は、筒状の筐体内に紫外線ランプを設け、ファンによって筐体内に吸入した空気に紫外線光を照射して殺菌を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-57466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紫外線の照射により空気中の細菌やウィルスを効果的に除去するためには、空気に対する紫外線光の照射量がなるべく多くなることが好ましい。
しかしながら、上記従来の空気清浄装置は、紫外線光を十分に照射する構造を有しておらず、空気中の細菌やウィルスの除去能力を十分に向上させることが難しかった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する問題を解決し、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、空気清浄装置において、
紫外線光源と、
空気の流通経路を形成する流路部材と、
前記流路部材による前記流通経路内に空気を流通させる送風手段とを備え、
前記流路部材は、紫外線を透過し、平面又は曲面に沿って前記流通経路を展開することを特徴とする。
また、本発明は、開口部装置において、上記空気清浄装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上記構成により、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図2】筐体内に形成される空気の流通経路を模式的に示した説明図である。
図3】第2実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図4】流路部材によって形成される空気の流通経路に対する紫外線光の照射方向を模式的に示した説明図である。
図5】第3実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図6図5の流路部材及び紫外線光源の左側面図である。
図7】第4実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図8】第5実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図9】第6実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図10】第7実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図11】第8実施形態である空気清浄装置の概略構成を示した正面視の断面図である。
図12】第9実施形態である空気清浄システムの概略構成を示した平面図である。
図13図12の空気清浄システムの制御例を示す平面図である。
図14】第10実施形態である開口部装置の屋内側の内観を示す正面図である。
図15図14におけるA-A線に沿った開口部装置の縦断面図である。
図16図14におけるB-B線に沿った開口部装置の横断面図である。
図17】第11実施形態である開口部装置の屋内側の内観を示す正面図である。
図18図17におけるC-C線に沿った開口部装置の縦断面図である。
図19図17におけるD-D線に沿った開口部装置の横断面図である。
図20】開口部装置において左側のたて枠の蓋部材内に空気清浄装置を格納装備した例を示す水平方向に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
図1は本発明の第1実施形態である空気清浄装置1の概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第1実施形態では、便宜的に、図1における左右方向を空気清浄装置1の左右方向、図1における上下方向を空気清浄装置1の上下方向、図1における紙面垂直(奥行き)方向を空気清浄装置1の前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1の向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1の左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0010】
図示のように、空気清浄装置1は、紫外線光源2と、当該紫外線光源2を格納して紫外線を外部に漏らさないように遮蔽する筐体3と、筐体3の内部に空気の流通経路R(図2参照)を形成する流路部材4と、流路部材4による流通経路R内に空気を流通させる送風手段としての送気ファン5とを備えている。
【0011】
[紫外線光源]
紫外線光源2は、殺菌やウィルス不活性化の効果が得られる波長250~300[nm]のいわゆるUVCを含む帯域の紫外線を出射する。
ここでは、紫外線光源2として、紫外線光を出力する複数のLEDが基板上に一列に並べられたものを例示する。
この紫外線光源2において、複数のLEDはいずれも光軸(指向角の中心軸)が同一の方向(図1における上方)に向けられている。図1における白い矢印は、紫外線光源2から主に出射される紫外線光Uの光軸方向を示している。
なお、紫外線光源2は、LEDを有するものに限定されず、周囲に紫外線を照射するタイプ、例えば、紫外線ランプ等を利用しても良い。紫外線ランプを利用する場合には、紫外線ランプの中心軸を左右方向に向けた状態(横向き)で紫外線光源2と同じ配置で設けることが好ましい。
また、本実施形態では紫外線光源2が筐体3内の底面に配置されているが、後述する筐体3の内面が紫外線を反射する材料からなる場合、例えば底面を紫外線光源2から出射される紫外線光Uの反射面とすることができる。この場合、底面によって紫外線光Uが上方に反射されるので、紫外線光源2の配置が底面に限定されることがない。
【0012】
[筐体]
筐体3は、その形状については特に限定はないが、ここでは、直方体形状を例示する。筐体3は、内部中空であって気密性を有する箱体である。図1に示すように、筐体3は、正面視長方形であり、長辺が左右方向、短辺が上下方向に沿っている。また、筐体3の前後方向(図1の紙面垂直方向)の幅は、特に制限はなく、空気清浄装置1を設置する環境に応じて適宜設定可能である。例えば、隙間のような領域に空気清浄装置1を設置する場合には、前後方向の幅を薄くしてもよい。
【0013】
筐体3の上下左右前後の全ての内面は、少なくとも紫外線を透過しない材料からなり、少なくとも、その内面が紫外線を良好に反射する材料からなることがより好ましい。
筐体3の右側壁33の下端部には、筐体3外の空気を内部に引き込む流入口31が形成されている。また、筐体3の右側壁33の上端部には、筐体3外の空気を外部に排出する排出口32が形成されている。流入口31及び排出口32は、無数の貫通孔やスリットから構成されている。また、内部の紫外線が漏れ出ないように、筐体3の表面に対して斜めに貫通するスリットや鎧戸構造を設けてもよい。
なお、流入口31及び排出口32の配置は、内部の流通経路Rの形状、構造に応じて適宜変更可能である。
【0014】
[流路部材]
図2は筐体3内に形成される空気の流通経路Rを模式的に示した説明図である。
筐体3の内側には、流路部材4によって平面Pに沿って展開された空気の流通経路Rが形成されている。流路部材4は、水平(前後方向及び左右方向に平行)な三枚の平板状の隔壁41~43を有する。これらの隔壁41~43により、筐体3の内部には、いずれも左右方向に平行な四つの直線状の線状部S1~S4が積層状態で上下に並び、これらが連結されて蛇行した空気の流通経路Rが形成されている。なお、本願における線状部とは、筐体3内に引き込まれた空気が流通する空間のことであり、本実施形態では左右方向に連続した長方体状の空間である。
【0015】
具体的には、四つの線状部S1~S4は、三枚の平板状の隔壁41~43により、各線状部S1~S4が上下方向(各線状部S1~S4に交差する方向)に並んで配置されている。
そして、下から一番目の線状部S1は、その右端部が流通経路Rの開始端部である流入口31に連通されている。一方、下から一番目の隔壁41は、筐体3の右側壁33から左方に向かって左側壁34の手前近傍まで延出されている。従って、一番目の線状部S1の左端部は、上方に位置する下から二番目の線状部S2の左端部に連結されている。
【0016】
さらに、下から二番目の隔壁42は、筐体3の左側壁34から右方に向かって右側壁33の手前近傍まで延出されている。従って、下から二番目の線状部S2は、その右端部が上方に位置する下から三番目の線状部S3の右端部に連結されている。
さらに、下から三番目(一番上)の隔壁43は、筐体3の右側壁33から左方に向かって左側壁34の手前近傍まで延出されている。従って、下から三番目の線状部S3は、その左端部が上方に位置する下から四番目(一番上)の線状部S4の左端部に連結されている。
そして、一番上の線状部S4は、その右端部が流通経路Rの終了端部である排出口32に連通されている。
【0017】
筐体3内における流通経路Rの開始端部には、当該流通経路Rの下流側に向けて空気を送る送気ファン5が設けられている。これにより、流入口31から筐体3の内部に空気を取り込み、四つの線状部S1~S4を蛇行する流通経路Rに沿って空気が流通し、排出口32から筐体3の外部に排出される。
なお、送気ファン5は、図1の二点鎖線で示す流通経路Rの終了端部に設けてもよい。この場合も、流入口31から流入し、流通経路Rを介して排出口32から排出されるまでの空気の流通を促すことが出来る。また、流通経路Rの終了端部に送気ファン5を設ける場合には、定期的または任意の間隔でファンの回転方向を逆転し、筐体3内に引き込まれた塵芥等の異物の残留を排出することができる。
また、送気ファン5は、流通経路Rの開始端部と終了端部の両方に設けてもよい。
【0018】
筐体3内において、紫外線光源2は、筐体3内の底面から、紫外線光Uを上方に向かって出射するように配置されている。
そして、それぞれの隔壁41~43は、いずれも紫外線を良好に透過する材料(フッ素樹脂、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)からなる。各隔壁41~43は、紫外線光源2の光軸に対して交差するように配置されている。従って、図2に示すように、紫外線光源2からの紫外線光Uは、流通経路Rが展開された平面Pに沿って、流路部材4を構成する各隔壁41~43を透過するよう照射される。このため、流通経路Rの全ての線状部S1~S4を貫通するように紫外線を照射することができる。なお、本願における平面Pとは、流通経路Rの配置を規定する面を示し、当該流通経路Rが展開される面を示す。即ち、流通経路Rは、逸脱しないように一つの平面P上に配置される。なお、流通経路Rが展開される面は、平面に限定されず、後述する他の実施形態に示されるように、曲面であっても良い。
これにより、筐体3内の流通経路Rを流通する空気は、それぞれの線状部S1~S4を通過する度に紫外線が照射され、効果的に殺菌及びウィルスの不活性化が図られる。
【0019】
なお、上記流通経路Rは、上記形状に限定されない。
流通経路Rは、一定方向にのみ延出された形状でなければ良く、平面Pに沿って展開されており、各部で屈曲又は湾曲し、各々が異なる方向を向いた部分を有する形状であることが好ましい。
【0020】
[第1実施形態における技術的効果]
以上のように、空気清浄装置1は、流路部材4が平面P上に流通経路Rを展開している。このため、流入口31から排出口32まで積層状態に形成された流通経路Rを通過している間、流通経路Rの全体又は複数箇所に対して紫外線光Uを照射することができ、流通する空気に対して効果的に紫外線光Uを照射することによって、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【0021】
また、紫外線光源2が流路部材4の各隔壁41~43を透過するように平面Pに沿って紫外線光Uを照射することにより、一定方向に進行する紫外線光Uが流通経路R内の複数箇所を通過することとなり、流通する空気に対して効果的に紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【0022】
特に、空気清浄装置1では、流通経路Rが複数の線状部S1~S4を有し、これらの線状部S1~S4が上下方向に並んで配置されている。これにより、空気清浄装置1のサイズに比してより長い空気の流通経路Rを内部に設けることが可能となる。
さらに、上記形状の流通経路Rは、一定方向に進行する紫外線光Uにより一度に複数の線状部S1~S4を貫通するように照射させることができる。従って、流通する空気に対して効率的、効果的に紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力及びウィルスの不活性化能力のさらなる向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では流路部材4の隔壁は三枚であるが、それ以上でも良く、枚数が多くなると、線状部の数が増えて流通経路Rが上下方向に延長され、その分紫外線が照射される回数が増える。
【0023】
また、空気清浄装置1は、流路部材4と紫外線光源2とを格納し、紫外線を遮蔽する筐体3を備えているので、筐体3の外部への紫外線光の影響を効果的に抑制することが可能となる。
さらに、筐体3は、内面全体が紫外線を反射する反射面となっているので、これによりにより紫外線を遮蔽することができる。さらに、紫外線光源2から出射された紫外線光Uは、上面に当たり反射され屈折を繰り返すことにより筐体3の内面に反射され、流通経路R内を流通する空気に対して何度も紫外線光Uの反射光が照射されることとなり、より効率的に紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0024】
[第2実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第2実施形態について、図面を参照して説明する。図3は本発明の第2実施形態である空気清浄装置1Aの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第2実施形態では、便宜的に、図3における左右方向を空気清浄装置1Aの左右方向、図3における上下方向を空気清浄装置1Aの上下方向、図3における紙面垂直方向を空気清浄装置1Aの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Aの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Aの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0025】
なお、第2実施形態である空気清浄装置1Aについては、空気清浄装置1と異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1と実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
【0026】
この空気清浄装置1Aは、紫外線光源2と異なる紫外線光源2Aを有する点と、流路部材4Aが流通経路R1(図4参照)に沿った管状体からなる点とが空気清浄装置1と異なっている。
【0027】
流路部材4Aは、紫外線光Uを透過する材料(前述した隔壁41と同一材料)からなる管状体であり、流路部材4Aの形状がそのまま流通経路R1の形状となる。なお、流路部材4Aは、紫外線光Uを透過する材料からなるチューブから構成しても良い。
流路部材4Aは、いずれも左右方向に沿った三つの直線状の線状部S11~S13が積層状態で並び、蛇行した空気の流通経路R1が形成されている。流通経路R1は、平面P1(図4参照)に沿って展開される。
【0028】
そして、上から一番目の線状部S11は、その右端部が筐体3の右側壁33の上部に形成された流入口31に連通されている。また、線状部S11の左端部は、下側に湾曲して、上から二番目の線状部S12の左端部に連結されている。
上から二番目の線状部S12の右端部は、下側に湾曲して、上から三番目(一番下)の線状部S13の右端部に連結されている。
上から三番目の線状部S13の左端部は、筐体3の左側壁34の下部に形成された排出口32に連通されている。
【0029】
なお、流路部材4Aは、その内側にのみ空気を流通させる構造である。従って、筐体3の内側であって流路部材4Aの外側となる空間には、筐体3の外部から取り込んだ空気を流通させない構造となっている。
【0030】
なお、筐体3の流入口31と線状部S11の右端部との間には、空気室が設けられており、その内部には、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5が設けられている。
また、筐体3の排出口32と線状部S13の左端部との間にも、空気室が設けられている。図3の二点鎖線で示すように、流入口31側の空気室に替えて又は流入口31側の空気室と共に、排出口32側の空気室に、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5を設けても良い。
【0031】
紫外線光源2Aは、円柱状の紫外線ランプである。紫外線ランプからなる紫外線光源2Aは、その中心軸回りの周囲360°に放射状に紫外線光Uを出射する。
紫外線光源2Aは、筐体3内において、流路部材4Aの後側(図3の紙面奥側)であって流路部材4Aと筐体3の後側壁との間において、中心軸を左右方向に流路部材4Aに対して平行に向けて配置されている。
【0032】
なお、紫外線ランプは、一般的には、紫外線透過材料からなる管状体の内部に希ガスを封入し、内部の電極に高電圧を印加して放電させることで紫外線を周囲に照射するものを示す。しかし、本願明細書中で、「紫外線ランプ」という場合には、紫外線透過材料からなる管状体の内部にその中心軸回りの周囲の複数方向に紫外線光を放射状に出射するように複数の紫外線用のLEDを設けた紫外線ランプ型の発光装置も含む意味とする。
【0033】
図4は流路部材4Aによって形成される空気の流通経路に対する紫外線光の照射方向を模式的に示した説明図である。
前述したように、流路部材4Aは、平面P1に沿って流通経路R1を展開する。紫外線光源2Aは、平面P1に対向して配置され、平面P1のすぐ後側で左右方向に沿った軸回りに放射状に紫外線光Uを出射するので、上下に並んだ三本の線状部S11~S13の各々に対して効果的に紫外線光Uを照射することができる。
【0034】
上記空気清浄装置1Aの場合も、流路部材4Aが平面P1に沿って流通経路R1を展開している。このため、流入口31から排出口32を結ぶ最短経路ではなく、幾重にも折り返された形状の流通経路R1を通過している間、流通経路R1の全体又は複数箇所に対して紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【0035】
また、流路部材4Aが平面P1に沿って流通経路R1を展開しているので、紫外線光Uを放射状に出射する紫外線光源2Aであっても、平面P1に対向するように紫外線光源2Aを配置することにより、流通経路R1に対して広範囲に効果的に紫外線光Uの照射を行うことが可能である。
なお、流路部材4Aは、一部が紫外線光Uを良好に透過しない材料であっても良い。例えば、流路部材4Aの各線状部S11~S13の間に位置する湾曲部は形成が容易な材料或いはゴムのような変形性を有する材料を使用しても良い。但し、紫外線光Uを良好に透過しない材料の比率は少ない程良い。
【0036】
なお、上記流通経路R1は、上記形状に限定されない。
流通経路R1は、一定方向にのみ延出された形状でなければ良く、平面Pに沿って展開されており、各部で屈曲又は湾曲する等、異なる方向を向いた部分を有する形状であることが好ましい。
【0037】
[第3実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第3実施形態について、図面を参照して説明する。図5は本発明の第3実施形態である空気清浄装置1Bの概略構成を示した正面視の断面図、図6は後述する流路部材4B及び紫外線光源2Aの左側面図である。
なお、第3実施形態では、便宜的に、図5における左右方向を空気清浄装置1Bの左右方向、図5における上下方向を空気清浄装置1Bの上下方向、図5における紙面垂直方向を空気清浄装置1Bの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Bの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Bの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0038】
なお、第3実施形態である空気清浄装置1Bの場合も、既に説明した空気清浄装置1,1Aと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1,1Aと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
【0039】
この空気清浄装置1Bは、紫外線光源2Aを有し、その周りに複数の流路部材4Bを放射状に配置する点が空気清浄装置1,1Aと異なっている。
【0040】
個々の流路部材4Bは、直方体のケースの内部に前述した複数の隔壁41~43と同じ構造の隔壁41B~44Bを設けている。従って、各流路部材4Bは、空気清浄装置1の流通経路Rのように、平行となる複数の直線状の線状部S21~S25を積層状態で配置している。さらに、各流路部材4Bは、各線状部S21~S25の端部同士が連結されて平面に沿って展開された蛇行した流通経路R2を内部に有している。なお、線状部S21~S25の積層数は、一又は複数に増減させてもよい。
また、流路部材4Bは、外側のケース及び内部の隔壁41B~44Bを含む全体が、紫外線を良好に透過する材料から形成されている。
【0041】
紫外線光源2Aは、前後方向に沿って配置され、各流路部材4Bは、紫外線光源2Aを中心として、その周囲に放射状に配置される。なお、ここでは、紫外線光源2Aに対して四つの流路部材4Bを配置した例を示すが、個数は増減可能である。
また、各流路部材4Bは、内部の線状部S21~S25が前後方向に平行となる向きに配置される。さらに、各流路部材4Bは、内部の線状部S21~S25の積層方向が紫外線光源2Aを中心とする半径方向に並ぶように、紫外線光源2Aに対して近接配置される。
【0042】
前述したように、各流路部材4Bは、全体が紫外線を良好に透過する材料から形成されている。従って、紫外線光源2Aから放射状に出射される紫外線光Uは、各流路部材4Bの積層状態に並んだ複数の線状部S21~S25を一度に貫通するように通過する。
これにより、各流路部材4B内を流通する空気は、内部の流通経路R2のほぼ全域を通過する間、常に紫外線光Uが照射される。
【0043】
空気清浄装置1Bの場合も、筐体3の流入口31の内側に空気室が設けられ、その内部には、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5が設けられている。また、筐体3の排出口32の内側に空気室が設けられている。図5の二点鎖線で示すように、流入口31側の空気室に替えて又は流入口31側の空気室と共に、排出口32側の空気室に、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5を設けても良い。
【0044】
そして、筐体3の流入口31側の空気室は、一つ目の流路部材4Bの流通経路R2の開始端部に設けられた入口に配管又はチューブで接続されている。
さらに、一つ目の流路部材4Bの流通経路R2の終了端部に設けられた出口は、配管又はチューブを介して、二つ目の流路部材4Bの入口に接続されている。同様に、二つ目の流路部材の出口と三つの流路部材入口及び三つ目の流路部材の出口と四つ目の流路部材の入口とが配管又はチューブを介して接続されている。
そして、四つ目の流路部材4Bの出口は、配管又はチューブを介して、筐体3の排出口32側の空気室に接続されている。
【0045】
これにより、空気清浄装置1Bには、筐体3の流入口31から排出口32までの間に、四つの流路部材4B内の流通経路R2を全て通過する長大な流通経路が形成されている。
そして、四つある流路部材4Bは、紫外線光源2Aに対する上述の配置によって、各流路部材4B内の流通経路R2のほぼ全域にわたって紫外線光Uが照射される。
従って、空気清浄装置1Bでは、流入口31から排出口32までの距離に比してより長大な流通経路を内部に設けることが可能となる。
さらに、空気清浄装置1Bの流通経路は、内部のほぼ全域に紫外線光Uを照射出来るので、流通する空気に対して効率的、効果的に紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力及びウィルスの不活性化能力のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0046】
[第4実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第4実施形態について、図面を参照して説明する。図7は本発明の第4実施形態である空気清浄装置1Cの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第4実施形態では、便宜的に、図7における左右方向を空気清浄装置1Cの左右方向、図7における上下方向を空気清浄装置1Cの上下方向、図7における紙面垂直方向を空気清浄装置1Cの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Cの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Cの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0047】
なお、第4実施形態である空気清浄装置1Cについては、空気清浄装置1~1Bと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1~1Bと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
この空気清浄装置1Cは、紫外線光源2Aの周囲に流路部材4Cが配置された点が空気清浄装置1~1Bと異なっている。
【0048】
流路部材4Cは、紫外線光Uを透過する材料(前述した隔壁41と同一材料)からなる管状体である。流路部材4Cは螺旋状であって、当該流路部材4Cの形状がそのまま流通経路の形状となっている。なお、流路部材4Cは、紫外線光Uを透過する材料からなるチューブから構成しても良い。
紫外線光源2Aは、左右方向に沿った状態で配置され、流路部材4Cは、その中心軸が紫外線光源2Aの中心軸とほぼ同一線上となるように、紫外線光源2Aの周囲に配置されている。
流路部材4Cは、螺旋状であることから、紫外線光源2Aを中心とする円筒の外周面に沿った曲面(周面)上に流通経路が展開される。
【0049】
そして、流路部材4Cは、その右端部が筐体3の右側壁33の上部に形成された流入口31の内側に設けられた空気室に連通されている。また、流路部材4Cの左端部は、筐体3の左側壁34の下部に形成された排出口32の内側に設けられた空気室に連通されている。
【0050】
なお、流路部材4Cは、その内側にのみ空気を流通させる構造である。従って、筐体3の内側であって流路部材4Cの外側となる空間には、筐体3の外部から取り込んだ空気を流通させない構造となっている。
【0051】
なお、筐体3の流入口31の空気室の内側には、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5が設けられている。
また、筐体3の排出口32の内側にも、空気室が設けられている。図7の二点鎖線で示すように、流入口31側の空気室に替えて又は流入口31側の空気室と共に、排出口32側の空気室に、排出口32側(流通方向下流側)に空気を流通させる送気ファン5を設けても良い。
【0052】
流路部材4Cは、紫外線光源2Aを中心とする周面に沿って螺旋状に流通経路を展開する。従って、紫外線光源2Aの周囲を何周も周回する流通経路が形成され、当該流通経路のほぼ全域に渡って紫外線光源2Aに近い位置で紫外線光Uを照射することができる。
このため、流入口31から排出口32までの距離に比して、十分に長大な流通経路を通過している間、流通経路のほぼ全域において高い照射濃度で紫外線光Uを照射することができ、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【0053】
[第5実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第5実施形態について、図面を参照して説明する。図8は本発明の第5実施形態である空気清浄装置1Dの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第5実施形態では、便宜的に、図8における左右方向を空気清浄装置1Dの左右方向、図8における上下方向を空気清浄装置1Dの上下方向、図8における紙面垂直方向を空気清浄装置1Dの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Dの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Dの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0054】
なお、第5実施形態である空気清浄装置1Dについては、空気清浄装置1~1Cと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1~1Cと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
この空気清浄装置1Dは、流路部材4Cの終端部(下流側端部)が筐体3内で開放されている点が空気清浄装置1Cと異なっており、その他の構成は空気清浄装置1Cと同一である。
【0055】
図8に示すように、流路部材4Cの終端部が筐体3の内側で開放されると、筐体3の内部がバッファとなって、流路部材4Cを通過してきた空気は筐体3の内部で一旦拡散状態となる。一方、紫外線光源2Aは、筐体3内で周囲に紫外線光Uを照射しているので、拡散された空気は再び紫外線光Uが照射される。そして、その後、排出口32から筐体3の外部に排出される。
なお、この空気清浄装置1Dでは、流路部材4Cの終端部を通過した空気が筐体3の内部で一旦拡散されるように、筐体3の排出口32は、流路部材4Cの終端部から離れた配置となっている。
【0056】
なお、空気清浄装置1Dの場合も、送気ファン5は、流入口31側と排出口32側のいずれか一方又は両方に設けてもよい。
【0057】
空気清浄装置1Dは、上記のように、流路部材4Cの終端部を通過した空気が筐体3の内部で一旦拡散されるので、装置内に取り込んだ空気に紫外線光Uをより効果的に照射することができる。
このため、空気清浄装置1Dは、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力の向上を図ることが可能となる。
【0058】
[第6実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第6実施形態について、図面を参照して説明する。図9は本発明の第6実施形態である空気清浄装置1Eの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第6実施形態では、便宜的に、図9における左右方向を空気清浄装置1Eの左右方向、図9における上下方向を空気清浄装置1Eの上下方向、図9における紙面垂直方向を空気清浄装置1Eの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Eの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Eの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0059】
なお、第6実施形態である空気清浄装置1Eについては、空気清浄装置1~1Dと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1~1Dと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
この空気清浄装置1Eは、流路部材4Cの終端部(下流側端部)が接続された排出口32側の空気室内に、オゾン除去部として、オゾン分解触媒からなるフィルター61Eを設けた点が空気清浄装置1Cと異なっており、その他の構成は空気清浄装置1Cと同一である。
【0060】
空気に紫外線を照射すると、空気中の酸素分子が解離し、他の酸素分子と結合してオゾンが発生する。オゾンは、殺菌、ウィルスの不活性化能力を有するが、空気中の濃度が一定量を超えると人体にも影響が生じる。このため、空気清浄装置1Eの排出口32から排出される空気を全て、オゾン分解触媒からなるフィルター61Eを通すことでオゾンの外部への放出を低減又は抑制している。
オゾン分解触媒としては、マグネシウムが挙げられる。空気清浄装置1Eでは、マグネシウムを材料とするハニカム構造のフィルター61Eを排出口32側の空気室に設け、オゾンの低減、除去を行っている。
【0061】
なお、オゾン除去部としては、上記フィルター61Eに限らず、活性炭を用いた吸着分解、高温加熱によるオゾンの分解、シリカ、アルミナ、酸化第二鉄による接触分解を利用しても良い。
【0062】
このように、空気清浄装置1Eでは、フィルター61Eを備えているので、空気に対する紫外線照射からオゾンが発生した場合であっても、装置外部への放出を低減、抑制することが出来、オゾンの影響を効果的に抑制することを可能としている。
なお、上記フィルター61Eは、既に述べた他の全ての空気清浄装置1~1Dにも設けてもよい。
また、空気清浄装置1Eの場合も、送気ファン5は、流入口31側と排出口32側のいずれか一方又は両方に設けてもよい。
【0063】
[第7実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第7実施形態について、図面を参照して説明する。図10は本発明の第7実施形態である空気清浄装置1Fの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第7実施形態では、便宜的に、図10における左右方向を空気清浄装置1Fの左右方向、図10における上下方向を空気清浄装置1Fの上下方向、図10における紙面垂直方向を空気清浄装置1Fの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Fの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Fの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0064】
なお、第7実施形態である空気清浄装置1Fについては、空気清浄装置1~1Eと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1~1Eと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
この空気清浄装置1Fは、排出口32側の空気室内にオゾン分解触媒からなるフィルター61Eを設けた点と、流入口31側の空気室内にオゾン発生装置62Fを設けた点が空気清浄装置1Dと異なっており、その他の構成は空気清浄装置1Dと同一である。
【0065】
前述したように、オゾンは、殺菌、ウィルスの不活性化能力を有する。従って、空気清浄装置1Fでは、オゾン発生装置62Fにより積極的にオゾンを生じせしめ、取り込んだ空気に添加することにより、紫外線との相和的な効果により空気の殺菌、ウィルスの不活性化を図っている。
オゾン発生装置62Fとしては、無声放電装置、コロナ放電装置等が挙げられる。無声放電装置は、板状の誘電体と金属又は誘電体と誘電体とを一定の間隔で配置し、その間に交流電圧を印加して空気中で放電を起こさせることでオゾンを発生させる。また、コロナ放電装置は、針状の電極を備え、当該電極に高電圧を印加して気中放電を起こさせることでオゾンを発生させる。
【0066】
空気清浄装置1Fは、このように、流入口31から取り込まれた空気に対して、オゾン発生装置62Fで発生したオゾンを添加し、流路部材4C内で紫外線によって殺菌、ウィルスの不活性化を行うと共に筐体3内でオゾンを空気中に十分に拡散させて、さらなる殺菌、ウィルスの不活性化を行った後に、フィルター61Eでオゾンを低減、除去して排出する。
なお、オゾン発生装置62Fは、流入口31側の空気室ではなく、筐体3内の流路部材4Cを通過して空気が拡散されるエリア内に設けてもよい。
【0067】
このように、空気清浄装置1Fでは、オゾン発生装置62Fを設け、積極的に生じさせたオゾンを空気に添加するので、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力のさらなる向上を図ることが可能となる。
なお、上記オゾン発生装置62Fは、既に述べた他の全ての空気清浄装置1~1Eにも設けてもよい。但し、排出口32側にフィルター61Eも設けることが好ましい。
また、空気清浄装置1Fの場合も、送気ファン5は、流入口31側と排出口32側のいずれか一方又は両方に設けてもよい。
【0068】
[第8実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第8実施形態について、図面を参照して説明する。図11は本発明の第8実施形態である空気清浄装置1Gの概略構成を示した正面視の断面図である。
なお、第8実施形態では、便宜的に、図11における左右方向を空気清浄装置1Gの左右方向、図11における上下方向を空気清浄装置1Gの上下方向、図11における紙面垂直方向を空気清浄装置1Gの前後方向(紙面手前側が前)として以下の説明を行う。但し、使用時における空気清浄装置1Gの向きは任意に変更可能である。また、空気清浄装置1Gの左右方向、上下方向、前後方向における各部の寸法又はそれらの比率は適宜変更可能である。
【0069】
なお、第8実施形態である空気清浄装置1Gについては、空気清浄装置1~1Fと異なる点を主に説明し、前述した空気清浄装置1~1Fと実質的又は作用・機能的に同一となる構成については同符号を付して、重複する説明は省略する。
この空気清浄装置1Gは、排出口32側の空気室内にオゾン分解触媒からなるフィルター61Eを設けた点と、流入口31側の空気室内に加熱装置63Gを設けた点が空気清浄装置1Dと異なっており、その他の構成は空気清浄装置1Dと同一である。
【0070】
一般に細菌やウィルスは、高温加熱によって死滅、不活性化させることが可能である。従って、空気清浄装置1Gでは、加熱装置63Gにより取り込んだ空気を高温に加熱して、空気の殺菌、ウィルスの不活性化を図っている。
加熱装置63Gとしては、金属加熱ヒータ、赤外線加熱ヒータ等が挙げられる。
【0071】
空気清浄装置1Gは、このように、流入口31から取り込まれた空気を加熱装置63Gにより所定の高温となるように加熱することで、殺菌、ウィルスの不活性化を行い、さらに紫外線によって殺菌、ウィルスの不活性化を行う。
【0072】
このように、空気清浄装置1Gでは、加熱装置63Gを設け、加熱と紫外線の併用によって殺菌、ウィルスの不活性化を行っているので、空気中の殺菌能力又はウィルスの不活性化能力のさらなる向上を図ることが可能となる。
なお、上記加熱装置63Gは、既に述べた他の全ての空気清浄装置1~1Fにも設けてもよい。
また、空気清浄装置1Gの場合も、送気ファン5は、流入口31側と排出口32側のいずれか一方又は両方に設けてもよい。
【0073】
[第9実施形態]
本発明に係る空気清浄装置の第9実施形態について、図面を参照して説明する。図12は本発明の第9実施形態である空気清浄システム100Hの概略構成を示した平面図である。
この空気清浄システム100Hは、複数の空気清浄装置1Hを備えている。空気清浄装置1Hは、前述した空気清浄装置1~1Gのいずれかと同一の構成からなる。空気清浄装置1Hは、前述した空気清浄装置1~1Gのいずれであってもよいが、これらの構成については全て説明済なので、本実施形態では説明を省略する。
例えば、図12のように、平面視で長方形状の部屋Fにおいて、部屋Fの角部ごとに空気清浄装置1Hを設置する。そして、各空気清浄装置1Hは、時計方向における上流側で隣となる空気清浄装置1H側に空気の流入口31を向け、時計方向における下流側で隣となる空気清浄装置1H側に空気の排出口32を向けて配置する。これにより、各空気清浄装置1Hは、時計方向における上流側で隣となる空気清浄装置1Hから排出された空気を取り込んで除菌、ウィルスの不活性化を行って時計方向における下流側で隣となる空気清浄装置1H側に空気を排出する。従って、各空気清浄装置1Hによって、部屋F内の空気が時計方向に循環されながら、常に、除菌、ウィルスの不活性化を図ることができ、清浄状態を維持することが可能である。なお、空気の循環方向は、反時計方向としてもよい。
また、各空気清浄装置1Hの吸入口と排出口にフィルターを設けても良い。この場合、吸入口のフィルターは、ごみ、ホコリ等の除去を行うもので目の粗いものが望ましい。排出口のフィルターは、紫外線で殺菌又は不活性化出来なかった細菌及びウィルスを塞き止める事が出来る目の細かいものを用いる事が望ましい。フィルターに残ったウィルスや細菌は、内部からの紫外線により殺菌または、不活性化される。また。これらのフィルターは、既に述べた他の全ての空気清浄装置1~1Gにも設けてもよい。
また、空気の排出力が送気ファン5では不充分で、隣の空気清浄装置1Hまで届かないような場合には、各空気清浄装置1Hの排出口32の外側にサーキュレータを設けてもよい。
【0074】
また、図12の例では、部屋Fの中央部で空気が滞留し、その部分だけ、除菌、ウィルスの不活性化が不充分となるおそれがある。
この場合、各空気清浄装置1Hの送気ファン5又はサーキュレータの送風方向を可変とするアクチュエーターを設け、各空気清浄装置1Hのアクチュエーターを統括的に制御する制御装置によって、定期的又は周期的に送気ファン5又はサーキュレータの送風方向を変更する制御を行っても良い。
【0075】
この場合、図13に示すように、対角に位置する一対の空気清浄装置1Hの一方と、対角に位置する他の一対の空気清浄装置1Hの一方とをそれぞれ、対角に位置する空気清浄装置1Hに向かって送風するように、アクチュエーターを制御する。また、残る二つの空気清浄装置1Hは、空気の流れが循環する方向で時計方向又は反時計方向の隣となる空気清浄装置1Hに向かって送風を行うようにアクチュエーターを制御する。
上記制御装置が、図12の送風状態と図13の送風状態とを交互に切り替えるように制御することにより、周期的に部屋Fの中央部にも送風が行われ、部屋全体の空気の除菌、ウィルスの不活性化を図ることが可能となる。
【0076】
なお、対角に位置する一対の空気清浄装置1Hの一方と、対角に位置する他の一対の空気清浄装置1Hの一方とをそれぞれ、対角に位置する空気清浄装置1Hに向かって送風すると、送風方向が交差して、互いの送風の妨げとなるおそれがある。
従って、対角に位置する一対の空気清浄装置1Hと、対角に位置する他の一対の空気清浄装置1Hとについては、異なる高さに配置することが好ましい。
或いは、4つの空気清浄装置1Hの高さを等しくして、部屋Fの中央部で送風される空気をあえて交差させることで部屋Fの空気を撹拌させてもよい。
【0077】
[第10実施形態]
本発明に係る空気清浄装置を備える開口部装置の第10実施形態について、図面を参照して説明する。
開口部装置200Iは、建物の躯体に形成された矩形の開口部に設置されるものであり、本実施形態では枠にガラス板等の面材が収容されたFIX窓となっている。
図14は単窓の開口部装置200Iの屋内側の内観を示す正面図、図15図14におけるA-A線に沿った開口部装置200Iの縦断面図、図16図14におけるB-B線に沿った開口部装置200Iの横断面図である。
【0078】
上記開口部装置200Iにおいて、その幅方向を左右方向(見付け方向、面内方向という場合もある)、高さ方向を上下方向(見付け方向という場合もある)、図14における紙面垂直方向(図15における紙面左右方向)を前後方向(見込み方向、面外方向という場合もある)と定義して説明する。なお、この開口部装置200Iに組み込まれる空気清浄装置1については、図1で定義した左右方向、上下方向、前後方向は、上記開口部装置200Iにおける左右方向、上下方向、前後方向とは一致しない。
また、開口部装置200Iについては、屋内側から見た場合の上下左右を開口部装置200Iの上下左右と定義する。さらに、開口部装置200Iについては、屋内側を前、屋外側を後と定義する。
なお、本実施の形態では、特に断りがない場合には、開口部装置200Iの上下が鉛直上下方向に平行となり、開口部装置200Iの前後左右が水平方向に平行となるように建物に設置されている前提で各部の方向について説明する。
【0079】
開口部装置200Iは、左右のたて枠210、上枠220及び下枠230を備えている。
空気清浄装置1は、開口部装置200Iの下枠230に設けられている。空気清浄装置1の構成については説明済なので、詳しい説明を省略するが、本実施形態では後述する蓋部材250の湾曲部252が反射面となっており、紫外線光源2から出射された紫外線光U(図示なし)は、湾曲部252によって上方に反射される。この場合、反射光は湾曲部252の湾曲面に沿って上方に反射されるので、紫外線光Uの角度は実施形態1の垂直ではなく傾斜した角度となるが、殺菌能力等は同じである。
なお、開口部装置200Iには、前述した空気清浄装置1に替えて空気清浄装置1A~1Gのいずれかを搭載してもよい。
【0080】
たて枠210は、開口部装置200Iの左右の枠を構成するもので、図16に示したように、ガラス板等の面材240の左右の一端を収容する面材収容溝部211と、蓋部材250を組み込むための組込スペース部212とを備えている。
【0081】
組込スペース部212は、蓋部材250の一端部を係止する受片213と、他端部を係止する受溝214とを備えている。
また、組込スペース部212内には、蓋部材250を組み込んだときに、そのスペーサとなる弾性部材251が設けられている。
【0082】
上枠220は、図15に示したように、開口部装置200Iの上側の枠を構成するもので、たて枠210とほぼ同一の構造を有する。上枠220は、ガラス板等の面材240の上端を収容する面材収容溝部221と、蓋部材250を組み込むための組込スペース部222とを備えている。
なお、蓋部材250は、図示の断面形状で一定方向に沿って延在する内部中空の部材である。後述する一部の蓋部材250は、内部に空気清浄装置1を格納する。また、空気清浄装置1を格納しない蓋部材250については、中空構造ではなく、組込スペース部222を閉塞する板状の部材で構成しても良い。
【0083】
組込スペース部222は、受片223、受溝224を備えている。これらは、前述した、たて枠210の受片213、受溝214と同一の構造である。
また、組込スペース部222には、蓋部材250と共に弾性部材251が設けられる点もたて枠210と同様である。
【0084】
下枠230は、開口部装置200Iの下側の枠を構成するもので、図15に示したように、本体231と、この本体231から取外し可能で、ガラス板等の面材240の組入れ、組外し等の際に、分離される押縁232とからなる。そして、下枠230は、後部上側に面材収容溝部233が設けられ、前部上側に蓋部材250を組み込むための組込スペース部234が設けられている。
【0085】
組込スペース部234は、受片235、受溝236を備えている。これらは、前述した、たて枠210の受片213、受溝214と同一の構造である。
また、組込スペース部234には、蓋部材250と共に弾性部材251が設けられる点もたて枠210と同様である。
【0086】
下枠230に組み込まれた蓋部材250内には、空気清浄装置1が格納されている。空気清浄装置1は、筐体3として機能する蓋部材250の内部に流通経路を形成すると共に、紫外線光源2、送気ファン5等が格納装備されている。また、蓋部材250の上面を貫通して、上面左端部近傍に流入口31、右端部近傍に排出口32がいずれも上向きで設けられている。なお、流入口31と排出口32は、左右方向について逆の配置でも良い。
また、蓋部材250の内部に、空気清浄装置1の筐体3を構成しても良いし、蓋部材250に替えて、下枠230の枠材壁面が空気清浄装置1の筐体を構成しても良い。
また、図15における紫外線光源2、送気ファン5の形状や配置は一例であり、空気清浄装置1~1Gのいずれかを搭載するかに応じて、適宜変更可能である。
また、送気ファン5の動力をバッテリーにしても良く、この場合、躯体から下枠に配線を設ける必要がなく施工性に優れている。
【0087】
図14の矢印は空気清浄装置1による空気の流れを示している。図14に示すように、開口部装置200Iは、下枠230の上面左側の流入口31から空気を取り込み、内部を通過する過程で取り込んだ空気の殺菌及びウィルスの不活性化を図り、下枠230の上面右側の排出口32から上方に排出する。
【0088】
上記のように、開口部装置200Iは、下枠230において、空気清浄装置1の流入口31及び排出口32がガラス板等の面材240よりも屋内側に配置されているので、開口部装置200Iを建物に設置することにより、建物の屋内の空気中の細菌の殺菌及びウィルスの不活性化を実現することができる。また、空気清浄装置1は、下枠230の内部空間に設けられるので、効果的な省スペース化を実現することが可能である。
【0089】
[第11実施形態]
本発明に係る空気清浄装置を備える開口部装置の第11実施形態について、図面を参照して説明する。
開口部装置200Jは、建物の躯体に形成された矩形の開口部に設置されるものであり、本実施形態もFIX窓となっている。
図17は連段窓の開口部装置200Jの屋内側の内観を示す正面図、図18図17におけるC-C線に沿った開口部装置200Jの縦断面図、図19図17におけるD-D線に沿った開口部装置200Jの横断面図である。
また、開口部装置200Jにおける左右方向、上下方向、前後方向の定義は、前述した開口部装置200Iと同じである。
また、開口部装置200Jの構成において前述した開口部装置200Iと同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。
【0090】
開口部装置200Jは、たて枠210、上枠220、下枠230、方立260及び無目270を備えている。なお、たて枠210、上枠220、下枠230、無目270は、方立260を挟んで左右両側に設けられている。
また、開口部装置200Jは、無目270の上側であって方立260の左右にガラス板等からなる上側の面材280を備え、無目270の下側であって方立260の左右にガラス板等からなる下側の面材290を備えている。
空気清浄装置1は、開口部装置200Jの下枠230、上枠220及び無目270に個別に設けられている。
なお、開口部装置200Jの場合も、前述した空気清浄装置1に替えて空気清浄装置1A~1Gのいずれかを搭載してもよい。
【0091】
たて枠210、上枠220、下枠230については、開口部装置200Iと同一の構成である。
【0092】
方立260は、図19に図示したように、左側方立部材261と右側方立部材262からなり、それぞれ上側及び下側の面材280,290の一端を収容する面材収容溝部263を有している。また、左側方立部材261と右側方立部材262は、結合部264,265により結合され、さらに、ネジで締結されている。
左側方立部材261と右側方立部材262は、凹状に形成され、蓋部材250を組み込むための組込スペース部266を備えている。
組込スペース部266は、蓋部材250の一端部を係止する受片267と、他端部を係止する受溝268とを備えている。これらは、前述した、たて枠210の受片213、受溝214と同一の構造である。
また、組込スペース部266には、蓋部材250と共に弾性部材251が設けられる点もたて枠210と同様である。
【0093】
無目270は、開口に用いられる横枠を構成するもので、図18に示したように、本体271と、この本体271から取外し可能で、上側の面材280の組入れ、組外し等の際に、分離される押縁272とからなる。また、無目270の後部における上側及び下側には、上側及び下側の面材280,290の一端を収容する面材収容溝部273、274が設けられている。さらに、無目270の前部下側には、蓋部材250を組み込むための組込スペース部275が設けられている。
【0094】
組込スペース部275は、受片276、受溝277を備えている。これらは、前述した、たて枠210の受片213、受溝214と同一の構造である。
また、組込スペース部275には、蓋部材250と共に弾性部材251が設けられる点もたて枠210と同様である。
【0095】
無目270に組み込まれた蓋部材250内には、空気清浄装置1が格納されている。空気清浄装置1は、筐体3として機能する蓋部材250の内部に流通経路を形成すると共に、紫外線光源2、送気ファン5等が格納装備されている。また、蓋部材250の下面を貫通して、下面左端部近傍に流入口31、右端部近傍に排出口32がいずれも下向きで設けられている。なお、流入口31と排出口32は、左右方向について逆の配置でも良い。
また、蓋部材250の内部に、空気清浄装置1の筐体3を構成しても良いし、蓋部材250に替えて、無目270の枠材壁面が空気清浄装置1の筐体を構成しても良い。
【0096】
なお、無目270は、下側にのみ組込スペース部275を形成しているが、上側にも組込スペース部275を形成してもよい。この場合、組込スペース部275に組み込まれる蓋部材250内には空気清浄装置1を格納装備しても良い。
【0097】
また、開口部装置200Jでは、上枠220に組み込まれた蓋部材250内にも空気清浄装置1が格納されている。
上枠220には、蓋部材250の下面を貫通して、下面左端部近傍に流入口31、右端部近傍に排出口32がいずれも下向きで設けられている。なお、流入口31と排出口32は、左右方向について逆の配置でも良い。
また、上枠220の場合も、蓋部材250の内部に、空気清浄装置1の筐体3を構成しても良いし、蓋部材250に替えて、上枠220の枠材壁面が空気清浄装置1の筐体を構成しても良い。
【0098】
図17の矢印は空気清浄装置1による空気の流れを示している。図17に示すように、開口部装置200Jは、下枠230の上面左側の流入口31から空気を取り込み、内部を通過する過程で取り込んだ空気の殺菌及びウィルスの不活性化を図り、下枠230の上面右側の排出口32から排出する。
また、上枠220及び無目270の下面左側の流入口31から空気を取り込み、内部を通過する過程で取り込んだ空気の殺菌及びウィルスの不活性化を図り、上枠220及び無目270の下面右側の排出口32から排出する。
【0099】
上記開口部装置200Jは、上枠220、下枠230及び無目270において、空気清浄装置1の流入口31及び排出口32が上側の面材280及び下側の面材290よりも屋内側に配置されているので、開口部装置200Jを建物に設置することにより、建物の屋内の空気中の細菌の殺菌及びウィルスの不活性化を実現することができる。
【0100】
また、上記開口部装置200Jは、下枠230だけでなく、上枠220及び無目270にも、蓋部材250内に空気清浄装置1を設けているので、建物の屋内の空気中の細菌の殺菌及びウィルスの不活性化をより効果的に行うことが可能である。また、この場合、空気清浄装置1が下枠230だけでなく、上枠220及び無目270の蓋部材250の内部空間に設けられるので、空気清浄装置1の機体数を増やしながら、効果的な省スペース化を実現することが可能である。
【0101】
また、開口部装置200I、200Jは、たて枠210、方立260の蓋部材250又は組込スペース部212,266の内側に空気清浄装置1(1A~1Gでも良い)を格納装備しても良い。
図20は、左側のたて枠210の蓋部材250内に空気清浄装置1を格納装備した例を示す水平方向に沿った部分断面図である。
【0102】
たて枠210には、蓋部材250の右面(右側のたて枠210の場合には左面)を貫通して、右面上端部近傍に流入口31、右面下端部近傍に排出口32がいずれも右向きで設けられている。なお、流入口31と排出口32は、上下方向について逆の配置でも良い。
たて枠210の場合も、蓋部材250の内部に、空気清浄装置1の筐体3を構成しても良いし、蓋部材250に替えて、たて枠210の枠材壁面が空気清浄装置1の筐体を構成しても良い。
この場合、たて枠210の右面上側の流入口31から空気を取り込み、内部を通過する過程で取り込んだ空気の殺菌及びウィルスの不活性化を図り、右面下側の排出口32から排出する。
また、方立260の左右の組込スペース部266,266の場合も、たて枠210と同様に空気清浄装置1を設けることが可能である。
【0103】
なお、前述した開口部装置200I、200Jは、枠に面材を収容したFIX窓で説明したが、開口形式はこれに限定されることはなく、引違い窓や開き窓等でも良い。この場合、空気清浄装置1は、枠に建て込まれた障子に格納される。
また、開口部装置200I、200Jは、建物の外壁として構成されたカーテンウォールであっても良い。
【符号の説明】
【0104】
1~1H 空気清浄装置
2,2A 紫外線光源
3 筐体
31 流入口
32 排出口
4~4C 流路部材
5 送気ファン(送風手段)
41~43 隔壁
41B~44B 隔壁
61E フィルター(オゾン除去部)
62F オゾン発生装置
63G 加熱装置
100H 空気清浄システム
200I、200J 開口部装置
250 蓋部材
P,P1 平面
R,R1,R2 流通経路
S1~S4,S11~S13,S21~S25 線状部
U 紫外線光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
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図19
図20