(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007136
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】鉄道車両用雨除け部材
(51)【国際特許分類】
B61D 25/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B61D25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109884
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】314014184
【氏名又は名称】DNP田村プラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 智亮
(72)【発明者】
【氏名】大野 正勝
(57)【要約】
【課題】雨水の鉄道車両車内への侵入を防ぎ、鉄道車両の窓を開放可能とする鉄道車両用雨除け部材を提供する。
【解決手段】鉄道車両用雨除け部材1は、鉄道車両Tの側構Taに設けられた窓枠2内の窓開口部3に開閉可能な下降窓4を備え、下降窓4を動かすことで窓開口部3に車内空間と車外とを連通する開放部5を形成可能な鉄道車両に取付けられ、鉄道車両Tに取付部材8a,8b及び両面テープ9を介して取付可能な鍔部6と、鍔部6に連設された庇部7とを備え、庇部7は、開放部5による車内空間と車外との連通を維持した状態で、開放部5を覆う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側構に設けられた窓枠内の窓開口部に開閉可能な可動窓を備え、前記可動窓を動かすことで前記窓開口部に車内空間と車外とを連通する開放部を形成可能な鉄道車両に取付ける鉄道車両用雨除け部材であって、
前記鉄道車両に取付手段を介して取付可能な鍔部と、前記鍔部に連設された庇部とを備え、
前記庇部は、前記開放部による車内空間と車外との連通を維持した状態で、前記開放部を覆うことを特徴とする鉄道車両用雨除け部材。
【請求項2】
前記開放部を前記車体の外側から覆うことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用雨除け部材。
【請求項3】
前記開放部を前記車内空間側から覆うことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用雨除け部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に取り付けられる鉄道車両用雨除け部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄道車両の構体側壁には、車内換気等を目的に、開放可能な窓が設けられることがある。開放可能な窓として、例えば、特許文献1に開示されるような下降窓等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述したような鉄道車両では、例えば、停電による停車時等は、車両に備えられた空調機器が作動しないため、窓を開放して車内空間と車外とを連通させ、車内換気を行う必要があるが、雨天時には、雨水が車内に浸入するため、乗客が濡れる等の不具合が生じる可能性があった。そのため、窓を開放することができず、車内換気を行うことができなかった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、窓開放部から雨水が車内に浸入することを防ぎ、雨天時であっても、車内換気を可能とする鉄道車両用雨除け部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車体の側構に設けられた窓枠内の窓開口部に開閉可能な可動窓を備え、可動窓を動かすことで窓開口部に車内空間と車外とを連通する開放部を形成可能な鉄道車両に取付ける鉄道車両用雨除け部材であって、鉄道車両に取付手段を介して取付可能な鍔部と、鍔部に連設された庇部とを備え、庇部は、開放部による車内空間と車外との連通を維持した状態で、開放部を覆うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記構成において、開放部を車体の外側から覆うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記構成において、開放部を車内空間側から覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1,2及び3に記載の発明によれば、庇部が開放部を覆うため、雨天時に、開放部による車内空間と車外との連通を維持した状態で、庇部により雨水の車内への侵入を防止できる。従って、雨天時であっても、車内換気を行う事ができる。特に、雨天時に、停電による停車時等で空調機器が作動しない環境が生じても、車内換気を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】下降窓を備える鉄道車両の外側面を示す説明図である。
【
図2】(a)は本発明の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、(b)は(a)のA-A線端面図であって、丸枠A内を拡大した説明図である。
【
図3】(a)は
図2(a)のB-B線端面図であって、丸枠B内を拡大した説明図、(b)は他の取付部材を用いた例を示す説明図である。
【
図4】(a)は変形例1の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、(b)は(a)のC-C線端面図であって、丸枠C内を拡大した説明図、(c)は(a)のD-D線端面図であって、丸枠D内を拡大した説明図である。
【
図5】横引き窓を備える鉄道車両の外側面を示す説明図である。
【
図6】(a)は変形例2の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、(b)は(a)のE-E線端面図である。
【
図7】(a)は変形例3の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、(b)は(a)のF-F線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、下降窓を備える鉄道車両の外側面を示す説明図である。
鉄道車両Tは、
図1に示すように、車体の側構Ta(側面)に窓枠2が設けられ、窓枠2に囲われた窓開口部3を備える。窓開口部3は、
図1に矢印で示すように、上下に移動自在な下降窓4を備える。下降窓4は、窓開口部3を閉塞し、鉄道車両Tの車内空間と車外とを隔てる閉塞位置から下方へ移動し、窓開口部3に車内空間と車外とを連通する開放部5を形成する。
図1において、後方側に示す下降窓4が、閉塞位置にあるものである。
なお、窓開口部3には、開放部5を形成することのない固定窓を、下降窓4と組み合わせて設けても良い。鉄道車両Tには、走行のために必要な各種設備や、人員等の乗降車用のドア等が適宜設けられている。
【0010】
図2(a)は、本発明の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、
図2(b)は、
図2(a)のA-A線端面図であって、丸枠A内を拡大した説明図である。
図3(a)は、
図2(a)のB-B線端面図であって、丸枠B内を拡大した説明図、
図3(b)は、他の取付部材を用いた例を示す説明図である。なお、以下、各図において、斜線で示す部分が鉄道車両用雨除け部材にあたる。
鉄道車両用雨除け部材1は、透明な略板状の部材であって、鉄道車両Tの側構Taに外側から取り付けられるものである。鉄道車両用雨除け部材1は、
図2(a)に示すように、下方に向けて開口する倒コ字形状の鍔部6と、鍔部6に連設され、鍔部6に囲われて設けられる略四角形状の庇部7とを備える。庇部7は、鉄道車両用雨除け部材1が鉄道車両Tに取り付けられた状態で、少なくとも開放部5を完全に覆うように形成される。また、庇部7は、鉄道車両用雨除け部材1が鉄道車両Tに取り付けられた状態で、前後方向及び上下方向において、下降窓4の窓ガラス4aに対して略平行となるように形成される。
鍔部6及び庇部7は、一体成形されることが望ましいが、それぞれ別体として用意したものを一体化手段によって一体化したものであっても良い。
また、鍔部6及び庇部7の材質は、ステンレス等の金属材料でも良いし、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びスチレン系樹脂等の合成樹脂材料であっても良いし、それらの組み合わせであっても良い。特に、庇部7を透過率が低い、又は不透明な材質によって形成することで、遮光機能を付与できる。
【0011】
続いて、鉄道車両用雨除け部材1の鉄道車両Tへの取付方法を説明する。
まず、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、鍔部6の上部である上鍔部61及び近傍の庇部7の少なくとも何れかの所定箇所に、ビス、リベット等による固定若しくは接着等の任意の取付方法を用いて、板状に形成された取付手段としての取付部材8aを所定の個数取り付ける。
図2(a),(b)に示すように、鍔部6の前部である前鍔部62及び近傍の庇部7の少なくとも何れかと、鍔部6の後部である後鍔部63及び近傍の庇部7の少なくとも何れかとの所定箇所に、ビス、リベット等の固定手段10aを用いて、板状に形成された取付手段としての取付部材8bを所定の個数取り付ける。なお、取付部材8a,8bは、板状以外にも、柱状体等の任意の形状で設計可能であり、取付部材8a,8bの取付箇所及びその数は限定されない。取付部材8a,8bの材質は、金属及び合成樹脂材料等、任意に材質を選択可能である。
また、取付部材8aの上鍔部61及び近傍の庇部7の少なくとも何れかへの取り付けに固定手段10aを適用しても良い。
また、取付部材8bの前鍔部62及び近傍の庇部7の少なくとも何れかと、後鍔部63及び近傍の庇部7の少なくとも何れかとへの取り付けは、接着等の他の固定手段を適用しても良い。
次に、鍔部6の内面に取付手段としての両面テープ9の一方の面を貼着する。その後、
図2(b)及び
図3(a)に示すように、両面テープ9の他方の面を窓枠2の外面に貼着する。
次に、取付部材8aをビス、リベット等の固定手段10bを用いて鉄道車両Tの側構Taに固定すると共に、取付部材8bを窓枠2に差し込んで固定することで、鉄道車両用雨除け部材1は、鉄道車両Tの側構Taに取り付けられる。なお、取付部材8a,8bの鉄道車両Tへの固定は、取付部材8a,8bの形状等に依って、嵌合、挟持等によって固定されても良い。
【0012】
上述のように、鉄道車両用雨除け部材1を取り付けた鉄道車両Tは、下降窓4を閉塞位置から移動させ開放部5を形成しても、庇部7によって開放部5が覆われるため、車外から雨水が車内空間へ浸入することを防止できる。従って、庇部7によって、開放部5が覆われても連通部5aによる車内空間と車外との連通状態が維持されるため、
図3(a)に矢印で示すように、連通部5aを介して、車内換気が可能となる。
なお、取付部材8aは、
図3(b)に示すように、鉄道車両Tの車内空間に入り込むような形状であっても良く、その場合、固定手段10bによって、鉄道車両Tの内壁Tbに固定される。また、取付部材8aの内壁Tbへの固定は、固定手段10bによる固定以外に、取付部材8aを車体の任意の隙間等に差し込むことで固定する等しても良い。
【0013】
上記形態の鉄道車両用雨除け部材1は、鉄道車両Tの側構Taに設けられた窓枠2内の窓開口部3に開閉可能な下降窓4を備え、下降窓4を動かすことで窓開口部3に車内空間と車外とを連通する開放部5を形成可能な鉄道車両に取付けられ、鉄道車両Tに取付部材8a,8b及び両面テープ9を介して取付可能な鍔部6と、鍔部6に連設された庇部7とを備え、庇部7は、開放部5による車内空間と車外との連通を維持した状態で、開放部5を覆う。
このようにして構成される鉄道車両用雨除け部材1によれば、庇部7が開放部5を覆うため、雨天時に、開放部5による車内空間と車外との連通を維持した状態で、庇部7により雨水の車内への侵入を防止できる。従って、雨天時であっても、車内換気を行う事ができる。
【0014】
図4(a)は、変形例1の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、
図4(b)は、
図4(a)のC-C線端面図であって、丸枠C内を拡大した説明図、
図4(c)は、
図4(a)のD-D線端面図であって、丸枠D内を拡大した説明図である。
鉄道車両用雨除け部材1aは、鉄道車両Tの窓枠2に車内空間側から取り付けられるものである。鉄道車両用雨除け部材1aは、
図4(a)に示すように、鉄道車両用雨除け部材1aの前端及び後端にそれぞれ設けられる前鍔部62及び後鍔部63と、前鍔部62及び後鍔部63の間に設けられる略四角形状の庇部7とを備える。また、鉄道車両用雨除け部材1aは、一部又は全部が、車両内面に対する脱着、可倒及び摺動等によって、下降窓4の開閉動作の妨げにならない位置へ退避する退避手段を備える。鉄道車両用雨除け部材1aが鉄道車両Tに取り付けられた状態で、庇部7は、少なくとも開放部5を完全に覆うように形成される。また、鉄道車両用雨除け部材1aには、
図4(a)及び
図4(c)に示すように、庇部7の窓枠2側(外側)の下端縁の前後全域に渡って、合成ゴム製の止水手段11が、下降窓4の取手4b及び窓ガラス4aの少なくとも何れかと密着するように設けられる。なお、止水手段11の材質は、合成ゴムに限定されず、軟質の合成樹脂を選択しても良いし、上述の退避手段と組み合わせても良い。また、止水手段11は、鉄道車両用雨除け部材1aに設けられるものと、下降窓4の任意の位置に設けられる別体の止水手段とを含んでいても良い。その場合、鉄道車両用雨除け部材1に設けられる止水手段11は、下降窓4の取手4b、窓ガラス4a及び下降窓4の任意の位置に設けられる別体の止水手段の少なくとも何れかと密着する。
【0015】
続いて、鉄道車両用雨除け部材1aの鉄道車両Tへの取付方法を説明する。
まず、前鍔部62及び近傍の庇部7の少なくとも何れかと、後鍔部63及び近傍の庇部7の少なくとも何れかとの所定箇所に、ビス、リベット等の固定手段10aを用いて、板状に形成された取付手段としての取付部材8bを所定の個数取り付ける。なお、取付部材8bの前鍔部62及び近傍の庇部7の少なくとも何れかと、後鍔部63及び近傍の庇部7の少なくとも何れかとへの取り付けは、接着等の他の固定手段を適用しても良い。前鍔部62及び後鍔部63の内面に取付手段としての両面テープ9の一方の面を貼着する。その後、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、両面テープ9の他方の面を窓枠2の車内側の面に貼着する。
次に、取付部材8bを窓枠2に差し込んで固定することで、鉄道車両用雨除け部材1aは、鉄道車両Tの窓枠2に取り付けられる。
【0016】
上述のように、鉄道車両用雨除け部材1aを取り付けた鉄道車両Tは、下降窓4を閉塞位置から移動させ開放部5を形成しても、庇部7によって開放部5が覆われるため、車外から雨水が車内空間へ浸入することを防止できる。従って、庇部7によって、開放部5が覆われても連通部5bによる車内空間と車外との連通状態が維持されるため、、
図4(c)に矢印で示すように、連通部5bを介して、車内換気が可能となる。また、止水手段11が下降窓4の取手4b及び窓ガラス4aの少なくとも何れかと密着するため、庇部7の外面を流れ落ちる雨水が車内空間に侵入することを防止できる。
【0017】
続いて、鉄道車両が備える可動窓が横引き窓である場合について説明する。
図5は、横引き窓を備える鉄道車両の外側面を示す説明図である。
鉄道車両T1の窓開口部3は、
図5に矢印で示すように、前後に移動自在な横引き窓12を備える。横引き窓12は、窓開口部3を閉塞し、鉄道車両T1の車内空間と車外とを隔てる閉塞位置から後方へ移動し、窓開口部3に車内空間と車外とを連通する開放部5を形成する。なお、鉄道車両T1における横引き窓12の位置によって、閉塞位置から前方へ移動することで開放部5を形成する場合もある。
【0018】
図6(a)は、変形例2の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、
図6(b)は、
図6(a)のE-E線端面図である。
鉄道車両用雨除け部材1bは、横引き窓12が窓開口部3の上下全域に渡って開放部5を形成することに合わせて、上述した鉄道車両用雨除け部材1を、窓開口部3の上下全域に渡る大きさに拡張したものである。
また、鉄道車両用雨除け部材1bの鉄道車両T1への取付方法は、鉄道車両用雨除け部材1の鉄道車両Tへの取付方法に準ずる。
【0019】
従って、庇部7によって、開放部5が覆われても連通部5aによる車内空間と車外との連通状態が維持されるため、
図6(b)に矢印で示すように、連通部5aを介して、車内換気を行う事ができる。
【0020】
図7(a)は、変形例3の鉄道車両用雨除け部材の取付状態を示す説明図、
図7(b)は、
図7(a)のF-F線端面図である。
鉄道車両用雨除け部材1cは、鉄道車両Tの窓枠2に車内空間側から取り付けられるものであって、
図7(a),(b)に示すように、上方に向けて開口する倒コ字形状の鍔部6と、鍔部6に連設され、鍔部6に囲われて設けられる略四角形状の庇部7とを備える。また、鉄道車両用雨除け部材1cは、一部又は全部が、車両内面に対する脱着、可倒及び摺動等によって、横引き窓12の開閉動作の妨げにならない位置へ退避する退避手段を備える。
また、鉄道車両用雨除け部材1cの鉄道車両T1への取付方法は、鍔部6の下鍔部64を両面テープ9を用いて窓枠2に貼着することを除いて、鉄道車両用雨除け部材1aの鉄道車両Tへの取付方法に準ずる。
【0021】
鉄道車両用雨除け部材1cを取り付けた鉄道車両T1は、横引き窓12を閉塞位置から移動させ開放部5を形成しても、庇部7によって開放部5が覆われるため、車外から雨水が車内空間へ浸入することを防止できる。従って、庇部7によって、開放部5が覆われても連通部5bによる車内空間と車外との連通状態が維持されるため、
図7(b)に矢印で示すように、連通部5bを介して、車内換気が可能となる。
また、窓枠2の下辺と下鍔部64とを両面テープ9によって貼着するため、両面テープ9が止水手段としても機能し、庇部7の外面を流れ落ちる雨水が車内空間に侵入することを防止できる。なお、窓枠2の下辺と下鍔部64との間は、両面テープ9の代わりに合成ゴム等の止水手段を設けても良いし、上述の退避手段と組み合わせても良い。
【0022】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その技術範囲はこれに限定されるものではない。例えば、鍔部は、鉄道車両及び窓枠の少なくとも何れかに取付手段を介して取付可能であれば、庇部のどの位置に設けられていても良く、設ける位置及び設ける数も限定されない。
また、鍔部は、上述のように鉄道車両の外面又は内面に取り付ける以外にも、窓枠の隙間に差し込んで取り付けるものであってもよい。
また、庇部の形状は、開放部を完全に覆う形状であれば任意に設定可能であり、例えば、側面視形状が、台形状、半楕円形状及び門型状等であっても良いし、任意の位置での横断面形状の一部又は全部が、凹状又は凸状に湾曲又は屈曲した形状であっても良い。さらに、庇部の下端縁が、前後方向に傾斜状、波状、凹状及び凸状等に形成されても良い。加えて、スリット状、格子状又はメッシュ状等の通気孔を形成しても良い。
また、鍔部と庇部との境界が明確でない場合は、庇部の外縁において、鉄道車両と接する部分を鍔部として良い。
また、鍔部及び庇部には、空力効果の付加等を目的に、フィン状及び板状等の形状をした突条を設けても良い。さらに、強度向上等を目的にリブ等の補強構造を設けても良い。
また、取付手段は、取付部材及び両面テープ等の接着部材の何れかの少なくとも何れかであれば良く、鉄道車両用雨除け部材が脱落しないものであれば、その他の取付手段を用いても良い。
また、連通部には、虫等の侵入防止を目的に、網状部材を設けても良い。
【符号の説明】
【0023】
1・・鉄道車両用雨除け部材、2・・窓枠、3・・窓開口部、4・・下降窓(可動窓)、5・・開放部、6・・鍔部、7・・庇部、8a,8b・・取付部材(取付手段)、9・・両面テープ(取付手段)、12・・横引き窓(可動窓)、T,T1・・鉄道車両、Ta・・側構。