(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071376
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/32 20200101AFI20220509BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20220509BHJP
【FI】
H05B45/32
H05B47/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180286
(22)【出願日】2020-10-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.DALI
(71)【出願人】
【識別番号】591112027
【氏名又は名称】大光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】三木 崇史
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA28
3K273CA02
3K273EA06
3K273EA10
3K273EA26
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA14
3K273FA41
3K273GA03
3K273GA12
(57)【要約】
【課題】電力損失を抑制しながら、位相制御装置が導通状態から非導通状態に、または非導通状態から導通状態に遷移するタイミングを高精度に検出することができ、位相制御装置が正位相方式か逆位相方式かを判別する機能も不要な電源装置等を提供する。
【解決手段】交流電源2の位相を制御して出力電力を調整する位相制御装置4を介して交流電源に接続される電源装置13である。位相制御装置4の漏れ電圧を吸収するインピーダンス低下回路18と、位相制御装置が導通状態から非導通状態に遷移するとき、または非導通状態から導通状態に遷移するときに、インピーダンス低下回路が動作しないように設定された第1の動作モードと、動作するように設定された第2の動作モードとが混在した状態で、インピーダンス低下回路18を動作させる制御手段14を備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線により制御装置からの制御信号を受信して制御信号に応じた動作を行う照明装置であって、
前記制御装置による制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別する判別手段を備え、
前記判別手段により判別された制御方式による制御信号に応じた動作を行うことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記制御信号の電圧値、信号の間隔、信号の個数または周波数のうちの少なくとも一つに基づいて、制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記判別手段による判別のタイミングが、商用電源を接続したタイミングである請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
商用電源投入時にPWM方式で動作し、判別手段で制御方式がDALI方式であると判別された場合、以後はDALI方式で動作する請求項1~3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
商用電源投入時には点灯状態となり、前記判別手段により制御方式が判別された場合、以後は判別された制御方式で動作する請求項1~3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
照明装置からのDALI信号送信回路に電流制限保護手段が搭載されている請求項1~5のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調光等を制御する制御装置からの制御信号を信号線により受信して制御信号に応じた動作を行う照明装置に関し、特に制御装置による制御方式がPWM方式、DALI方式のいずれであっても対応可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
信号線により照明装置を制御する上記のような制御装置による制御方式として、PWM(pulse width modulation)方式、DMX方式、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)方式等、各種存在している。それぞれ特徴があるが主照明の有線での信号伝達方式は PWM方 式とDALI方式となる。いずれに於いても極性なしの2線式である。日本においてはPWM方式が多くDALI方式はまだ普及は少ない。しかし、国際規格である DALI方式はヨーロッパで普及が進み、日本に於いても今後普及が見込まれている。
【0003】
PWM方式はlKHzのDuty信号に対し、DALI方式は1200bit/secの半2重方式双方向であり、同じ2線式ではあるがシステムは異なっている。DALI方式の信号をPWM信号に変換したり、逆に変換したりする照明制御装置は存在する。更に特許文献1のように、照明装置がどちらの制御方式を採用しているかを事前確認し、対応する制御方式で信号を送信する照明制御装置も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらはいずれも照明装置がどちらの制御方式でも対応できる機能を有していない為、別途制御装置側で対応する必要があったものであり、効率的ではなかった。PWM信号でもDALI信号でもどちらでも受信可能な照明器具があると、制御装置はPWM方式でもDALI方式でもどちらでも良くなり、効率化が図られる。
【0006】
この発明は、このような背景に鑑みてなされたものであって、制御装置による制御方式がPWM方式、DALI方式のいずれであっても対応可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1)信号線により制御装置からの制御信号を受信して制御信号に応じた動作を行う照明装置であって、前記制御装置による制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別する判別手段を備え、前記判別手段により判別された制御方式による制御信号に応じた動作を行うことを特徴とする照明装置。
(2)前記判別手段は、前記制御信号の電圧値、信号の間隔、信号の個数または周波数のうちの少なくとも一つに基づいて、制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別する前項1に記載の照明装置。
(3)前記判別手段による判別のタイミングが、商用電源を接続したタイミングである前項1または2に記載の照明装置。
(4)商用電源投入時にPWM方式で動作し、判別手段で制御方式がDALI方式であると判別された場合、以後はDALI方式で動作する前項1~3のいずれかに記載の照明装置。
(5)商用電源投入時には点灯状態となり、前記判別手段により制御方式が判別された場合、以後は判別された制御方式で動作する前項1~3のいずれかに記載の照明装置。
(6)照明装置からのDALI信号送信回路に電流制限保護手段が搭載されている前項1~5のいずれかに記載の照明装置。
【発明の効果】
【0008】
前項(1)に記載の発明によれば、制御装置による制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別し、判別された制御方式による制御信号に応じた動作を行うから、制御装置による制御方式がPWM方式、DALI方式のいずれであっても対応可能な照明装置となる。
【0009】
前項(2)に記載の発明によれば、制御信号の電圧値、信号の間隔、信号の個数または周波数のうちの少なくとも一つに基づいて、制御方式がPWM方式かDALI方式かを確実に判別することができる。
【0010】
前項(3)に記載の発明によれば、商用電源を接続したタイミングでPWM方式かDALI方式かが判別されるから、商用電源を接続後に早期に制御装置による制御に応じた動作が可能となり、商用電源の接続直後に例えば本来の明るさにならなかったり、あるいは点灯するのに時間がかかるといった事態の発生を防止できる。
【0011】
前項(4)に記載の発明によれば、商用電源投入時にPWM方式で動作し、制御方式がDALI方式であると判別された場合、以後はDALI方式で動作するから、制御装置がPWM方式であれば、少なくとも商用電源投入時から制御装置による制御に応じた動作が可能となる。
【0012】
前項(5)に記載の発明によれば、商用電源投入時には自装置を点灯状態にし、制御方式が判別された場合、以後は判別された制御方式で動作するから、判別に時間がかかる場合であっても、点灯状態を維持することができる。
【0013】
前項(6)に記載の発明によれば、照明装置からのDALI信号送信回路に電流制限保護手段が搭載されているから、制御装置がPWM方式である場合に、誤動作等によりDALI信号送信回路が作動しても、電流制限回路によりDALI信号送信回路の電流が制限され、異常電流による制御装置の定電圧源が破損するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の一実施形態に係る照明装置が用いられた照明システムの構成図である。
【
図4】(a)はPWM信号の波形図、(b)はDALI信号の波形図である。
【
図5】照明制御装置の制御方式がPWM方式かDALI方式かを、制御部が判別する際の判別処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】制御信号電圧の相違を検出するために追加する電圧検出回路の一例を示す図である。
【
図7】この発明の他の実施形態を示すものであり、送信部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1はこの発明の一実施形態に係る照明装置1が用いられた照明システムの構成図である。この照明システムは、商用電源2に並列に接続された例えばスポットライト等の複数の照明装置1と、各照明装置1の例えば調光等を制御するための1つの照明制御装置4と、電源2と各照明装置1との間に介在され、各照明装置1を一括で点灯、消灯するためのスイッチ3を備えている。
【0017】
照明制御装置4と各照明装置1とは2線の信号線5で接続されている。照明制御装置4は壁等に設置されたダイヤルスイッチ(図示せず)等の調整具を備えており、ユーザーがスイッチ3をオンにした後、調整具を操作すると、これに応じた調光信号等の制御信号が信号線5を通じて照明装置1へと送信されるようになっている。
【0018】
なお、複数の照明装置1の調光等を1つの照明制御装置4で制御する構成としたが、各照明装置1に対応する1つの照明制御装置4をそれぞれ備えていても良い。また、スイッチ3も照明装置1毎に設けられても良い。
【0019】
【0020】
照明装置1は、商用電源2を整流する整流回路11と、整流回路11による整流後の電力から安定化電源を生成する安定化電源、及び負荷である光源13を駆動する安定化電源・駆動部12と、安定化電源・駆動部12からの電流で駆動されるLED等の光源13と、安定化電源・駆動部12を制御して光源13の調光等を行う制御部14と、照明制御装置4から信号線5を通じて送信される制御信号を検出する検出部15と、を備えている。
【0021】
制御部14は、CPU14aと、ROM14bと、RAM14cを備え、検出部15で検出した制御信号に基づいて、制御信号に応じた調光等の制御量になるように、安定化電源・駆動部12を制御するものである。また、照明制御装置4による制御方式がDALI方式の場合は、信号は双方向であるため、制御部14から検出部15へ送信信号も送信できるようになっている。
【0022】
図3は、検出部15の一例を示す回路図である。検出部15は、照明制御装置4からの制御信号を整流するダイオードブリッジ151と、ダイオードブリッジ151の正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間に介挿された、ツェナーダイオード152、抵抗153及びフォトカプラにおけるフォトダイオード154の直列接続回路と、フォトダイオード154が発光したときの光を受光するフォトカプラにおけるフォトトランジスタ155と、フォトトランジスタ155のコレクタと直流電源Vcc間に配置された抵抗156を備え、フォトトランジスタ155のコレクタの電圧が制御部14の受信端子(C)に入力されるようになっている。
【0023】
さらに、DALI方式においては制御部14から照明制御装置4に信号を送信する必要があるために、送信部16を備えている。送信部16は、制御部14の送信端子(D)とアース間に直列に接続された抵抗161とフォトカプラにおけるフォトダイオード162と、ダイオードブリッジの正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間に直列に接続されたフォトカプラにおけるフォトトランジスタ163と抵抗164と、同じく正側入力端子(A)にコレクタが負側入力端子(B)にエミッタが接続されたトランジスタ165と、フォトトランジスタ163のエミッタとトランジスタ165のベース間に接続された抵抗166を備えている。
【0024】
図3の検出部15の動作を説明すると、照明制御装置4から制御信号のオン信号が出力されると、このオン信号はダイオードブリッジ151を通過して、正側入力端子(A)からツェナーダイオード152を通って抵抗153及びフォトダイオード154を負側入力端子(B)へと流れる。この電流によってフォトダイオード154が発光し、オフ信号のの時は発光しない。フォトダイオード154が発光しているときは、フォトトランジスタ155は受光してオンとなり、制御部14の受信端子(C)はLレベルとなる。フォトダイオード154が非発光のときは、フォトトランジスタ155はオフとなり、制御部14の受信端子(C)は電源Vccと同じレベルのHレベルとなる。つまり、制御部14の受信端子(C)には、照明制御装置4の制御信号のオンオフに対応する信号が生じ、この信号を制御部14が受信端子(C)を介して受信解析し、安定化電源・駆動部12を介して光源13を制御することで、照明制御装置4からの制御信号に応じて調光等を調整する。
【0025】
一方、送信部16は前述のようにDALI方式の場合にのみ作動する。制御部14が送信端子(D)から返信信号を送出すると、返信信号がオン時にはフォトダイオード162に電流が流れてフォトダイオード162は発光し、返信信号がオフ時にはフォトダイオード162は非発光となる。
【0026】
フォトダイオード162が発光すると、フォトトランジスタ163が受光してオンとなり、トランジスタ165がバイアスされてトランジスタ165はオンとなる。後述するように、照明制御装置4がDALI方式の場合、制御信号が出力されていないときは照明制御装置4の出力はHレベルに維持されているから、正側入力端子(A)も常時はHレベル、負側入力端子(B)はLレベルとなっている。この状態でトランジスタ165がオンになると、正側入力端子(A)はLレベルとなる。一方、返信信号がオフ時にはフォトダイオード162は発光しないから、フォトトランジスタ163及びトランジスタ165ともにオフであり、正側入力端子(A)はHレベルのままである。この信号変化が、ブリッジダイオード151を介して照明制御装置4へと送信されることで、照明装置1側からの返信が行われる。
【0027】
ところで、照明制御装置4には、照明装置1に対する調光等の制御方式として、前述のようにPWM方式とDALI方式があり、いずれかの方式で設計されている。一方、この実施形態では、照明装置1は照明制御装置4の制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別できるようになっている。
【0028】
PWM方式かDALI方式には種々の相違がある。例えば信号の形態が相違する。PWM方式におけるPWM信号は、
図4(a)に示すように、周波数が1kHz(周期は1ms)で電圧は例えば12Vである。また、信号は連続している。一方、DALI方式におけるDALI信号は、
図4(b)に示すように、例えば1200bps(1ビットあたり833μs)で電圧は例えば16Vである。また、19bitで1フレームが構成され、信号の伝達時のみ信号が発生し、無信号時は16VのHレベルが連続している。
【0029】
この実施形態では、このような信号形態の相違を利用して、照明装置1の制御部14が、照明制御装置4の制御方式がPWM方式かDALI方式かを判別する。
【0030】
図5は、照明制御装置4の制御方式がPWM方式かDALI方式かを、制御部14が判別する際の判別処理の一例を示すフローチャートである。この判別処理は、ユーザーによる電源スイッチ3が投入され、照明装置1が商用電源2と接続されたタイミングで行われるのが、早期に照明制御装置4による制御に応じた動作が可能となり、商用電源2の接続直後に例えば本来の明るさにならなかつたり、あるいは点灯するのに時間がかかるといった事態の発生を防止できる点で望ましい。
【0031】
ステップS01では、照明制御装置4からの制御信号から、PWM方式とDALI方式の判別のための検出対象、例えば信号電圧、周期、信号の個数等を検出する。
【0032】
次いで、ステップS02で、検出結果に基づいてPWM方式とDALI方式かを判定した後、ステップS03でPWM方式かどうかを判断する。PWM方式であれば(ステップS03でYES)、ステップS04でPWM方式で制御信号を受信したのち、ステップS06に進む。PWM方式でなければ(ステップS03でNO)、ステップS05で、DALI方式で制御信号を受信したのち、ステップS06に進む。ステップS06では、制御信号に応じた調光等の動作を実行する。
【0033】
次に、
図5のフローチャートにおけるステップS01の検出対象の検出処理、及びステップS02の判別処理の具体例を説明する。
[信号電圧の検出による判別]
前述したように、PWM方式によるPWM信号とDALI方式によるDALI信号とは、オン時のHレベルの電圧が相違している。そこで、この信号電圧の相違を検出して、PWM方式かDALI方式かを判別する。
【0034】
制御信号電圧の相違を検出するために、
図3に示した正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間に、
図6に示すような電圧検出回路を追加する。
【0035】
この電圧検出回路は、正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間に直列に接続された分圧抵抗171、172と、分圧抵抗171、172の接続点の電圧と基準電圧Vsを比較する比較器173と、比較器173の出力に接続されたフォトカプラのフォトダイオード174と、フォトダイオード174の光を受光するフォトカプラのフォトトランジスタ175と、フォトトランジスタ175のコレクタと電源Vcc間に接続された抵抗176を備え、フォトトランジスタ175のコレクタが制御部14の受信端子(C)に接続されている。
【0036】
図6に示す電圧検出回路では、照明制御装置4の正側入力端子(A)にHレベルの信号が印加されると、その電圧は分圧抵抗171及び172で分圧される。比較器173は分圧された電圧と基準電圧Vsを比較し、分圧された電圧が基準電圧Vsよりも大きいと、出力がHレベルとなって、フォトダイオード174に電流を流す。基準電圧Vsは、DALI信号のHレベルの電圧(16V)が印加されたときは分圧後の電圧が基準電圧Vsよりも大きくなり、PWM信号のHレベルの電圧(12V)が印加されたときは分圧後の電圧が基準電圧Vsよりも小さくなるように設定されており、従って、DALI信号のHレベルの電圧(16V)が印加されたときにのみ、フォトダイオード174に電流が流れて発光し、この発光した光をフォトトランジスタ175が受光してフォトトランジスタ175がオンとなり、制御部14の受信端子(C)はLレベルとなる。
【0037】
一方、PWM信号のHレベルの電圧が印加されたときは、比較器173の出力はLレベルであり、フォトダイオード174に電流は流れない。このため、フォトトランジスタ175はオフであり、制御部14の受信端子(C)は電源Vccの電圧つまりHレベルとなる。
【0038】
制御部14は、受信端子(C)がHレベルかLレベルかを監視し、HレベルであればDALI信号であるからDALI方式、LレベルであればPWM信号であるからPWM方式と判別する。
【0039】
なお、制御信号の電圧検出により制御方式を判別する場合、確実に判別を行うことができる利点があるが、
図6のような電圧検出回路の追加が必要で、回路が複雑になる欠点がある。
[信号の間隔、個数、周波数等による判別]
信号の間隔については、制御部14は、例えば制御信号の立ち上がりと次の信号の立ち上がりまでの時間を調べ、その時間(信号の間隔)が833μsであればDALI信号でありDALI方式と判別し、1msであればPWM信号でありPWM方式と判別する。あるいは信号のオン期間やオフ期間を調べて判別しても良い。
【0040】
信号の個数については、制御部14は、一定時間内の信号の個数を調べ、100ms内に100個の信号があればPWM信号でありPWM方式と判別する。100ms内に100個の信号がなければDALI信号であるからDALI方式と判別する。
【0041】
信号の周波数については、制御部14は、1kHzであればPWM信号でありPWM方式と判別し、1.2kHzであればDALI信号であるからDALI方式と判別する。
【0042】
なお、制御部14は、検出対象を1回のみ検出して判別するのではなく、複数回検出して判別しても良い。また、制御信号の電圧、信号の間隔、個数、周波数のうちのいずれか1個のみを検出して判別するのではなく、複数の検出対象を組み合わせて総合的に判別しても良い。
【0043】
また、前述したように、制御方式の判別のタイミングは電源スイッチ3のオンにより商用電源2を接続したタイミングとするのが良いが、検出対象の検出の仕方によっては、商用電源2の投入時に判別が難しい場合がある。DALI信号はノーマルHレベルであり、PWM信号もデューティ比が最大の時はHレベルの信号が持続することもある。このため、制御信号の電圧の検出以外の信号の間隔、個数、周波数の検出方法では、制御方式の判別が困難となる。
【0044】
そこで、商用電源2の投入時に制御方式の判別ができず、その後に判別が可能となるまで照明装置1が不安定な状態となるのを防止する措置として、制御部14は商用電源2の投入時に、制御方式が判別されるまではPWM方式で動作し、制御方式がDALI方式であると判別された場合、以後はDALI方式で動作する構成としても良い。これによって、照明制御装置4の制御方式がPWM方式である場合、商用電源2の投入時から照明装置1を正常に動作させることができる。
【0045】
また、制御部14は商用電源2の投入時に、自装置を点灯状態とし、制御方式が判別された場合、以後は判別された制御方式で動作する構成としても良い。この場合は、商用電源2の投入時に制御方式の判別ができなくても自装置を点灯させることができるから、ユーザーが故障等と勘違いする恐れがなくなる。
【0046】
図7はこの発明の他の実施形態を示すものであり、送信部16の回路図である。
【0047】
照明制御装置4がPWM方式の場合には、
図3の送信部16は使用されないが、誤動作等によりトランジスタ165がオンになり、正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間が短絡してしまうことが考えられる。しかし、PWM方式の照明制御装置4の制御信号源は定電圧源であることから、正側入力端子(A)と負側入力端子(B)間が短絡されると、Hレベルの時に過剰な電流が流れて照明制御装置4が破損する恐れがある。
【0048】
そこで、誤動作等によりトランジスタ165がオンになった場合あっても、PWM方式の照明制御装置4が破損しないように、
図7に示すように、トランジスタ165のエミッタと負側入力端子(B)間に保護回路として電流制限回路17を搭載し、破損から保護するのが望ましい。
【0049】
図7に示す電流制限回路17は、トランジスタ165のエミッタにコレクタが接続されたトランジスタ171と、トランジスタ171のエミッタと負側入力端子(B)の間に接続された抵抗172と、トランジスタ171のコレクタ・ベース間に接続されたダイオード173と、トランジスタ171のベースと負側入力端子(B)の間に接続されたツェナーダイオード174とからなる。
【0050】
この電流制限回路17は、トランジスタ165がオンになると、トランジスタ171のベースと負側入力端子(B)の間は、ツェナーダイオード174により一定のツェナー電圧にバイアスされ、トランジスタ171及び抵抗172には定電流が流れる。従って、照明制御装置4側の過剰な電流を抑制でき、破損を防止できる。
【0051】
電流制限回路17は上記構成に限定されることはなく、トランジスタ165のエミッタと負側入力端子(B)間に他の定電流素子を接続しても良い。
【0052】
なお、照明制御装置4の制御方式がDALI方式の場合は、DALI方式は信号源が定電流源であるため、誤動作により送信回路16のトランジスタ165がオンになっても、照明制御装置4は故障する恐れはない。
【符号の説明】
【0053】
1 照明装置
2 商用電源
3 スイッチ
4 照明制御装置
11 整流回路
12 安定化電源・駆動部
13 光源
14 制御部
15 検出部
16 送信部
17 電流制限回路