(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071408
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】編集処理プログラム及び編集処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220509BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G06F3/12 356
B41J3/36 T
G06F3/12 308
G06F3/12 351
G06F3/12 353
G06F3/12 378
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180353
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 英明
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
(57)【要約】
【課題】ユーザが所望する外観色の印字ラベル体をどの種類の媒体収納体で実現できるかを容易に知る。
【解決手段】厚さ方向に重ね貼りされることで重ね貼りラベルLABを構築する複数の印字ラベルLA,LBをラベルプリンタ3で作成するために、操作端末2のCPU11に対し、重ね貼りラベルLABに備えられる複数の領域それぞれへの色分け設定を受け付けるS20と、S20で受け付けた色分け設定に対応する重ね貼りラベルLABでの色分けを実現するための、複数の印字ラベルLA,LBそれぞれにおける色設定を決定するS25~S35と、決定した複数の印字ラベルLA,LBにおける色設定を操作端末2の表示部14に表示するS35と、を実行させる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体を収納した媒体収納体を装着可能な装着手段と、互いに異なる種類の前記印字媒体を用いて所望の印字をそれぞれ行う印字手段と、を備える印刷装置に接続可能な端末装置に実行させる編集処理プログラムであって、厚さ方向に重ね貼りされることで印字ラベル体を構築する複数の印字ラベルを前記印刷装置で作成するために、前記端末装置の制御部に対し、
前記印字ラベル体に備えられる複数の領域それぞれへの色分け設定を受け付ける受付手順と、
前記受付手順で受け付けた前記色分け設定に対応する前記印字ラベル体での色分けを実現するための、前記複数の印字ラベルそれぞれにおける色設定を決定する決定手順と、
前記決定手順で決定した前記複数の印字ラベルにおける前記色設定を前記端末装置の表示部に表示する表示手順と、
を実行させるための編集処理プログラム。
【請求項2】
前記決定手順では、さらに、
複数の印字ラベルの重ね順序を決定し、
前記表示手順では、さらに、
前記決定手順で決定した前記複数の印字ラベルの重ね順序を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1記載の編集処理プログラム。
【請求項3】
前記決定手順では、
前記色設定及び前記重ね順序の組合せを複数パターン決定し、
前記表示手順では、
前記決定手順で決定された前記複数パターンを一覧可能に前記表示部に表示し、
前記制御部に対し、さらに
前記一覧可能に表示された前記複数パターンのうちいずれか1つの指定を受け付ける組合せ受付手順を実行させる
ことを特徴とする請求項2記載の編集処理プログラム。
【請求項4】
前記決定手順では、
予め記憶された互いに異なる種類の前記印字媒体をそれぞれ収納した複数種類の前記媒体収納体の中から重ね合わされる前記印字ラベルの数と同数の前記媒体収納体を決定することで、前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の編集処理プログラム。
【請求項5】
前記決定手順では、
市場で入手可能な媒体収納体として予め記憶されている前記媒体収納体の全種類の中から前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項4記載の編集処理プログラム。
【請求項6】
前記決定手順では、
ユーザ識別情報と関連付けられて予め記憶されている若しくは前記印刷装置と関連付けられて予め記憶されている前記媒体収納体の種類の中から前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項4記載の編集処理プログラム。
【請求項7】
前記印字媒体は、
被印字テープと、前記被印字テープに対し前記印字手段が印字を行うときに使用されるインクリボンと、
を有し、
前記色分け設定は、
前記被印字テープのテープ色設定と、
前記インクリボンによる印字色設定と、
を含み、
前記受付手順では、
前記テープ色設定及び前記印字色設定のうち少なくとも一方を受け付ける
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の編集処理プログラム。
【請求項8】
前記決定手順では、
前記受付手順で受け付けた前記色分け設定を、重ね合わされる複数の前記印字ラベルそれぞれのテープ色同士の混色及び印字色同士の混色の少なくとも一方で実現するように、前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項7記載の編集処理プログラム。
【請求項9】
前記制御部に対し、さらに、
前記複数の印字ラベルのうち1つの前記テープ色の指定を受け付けるテープ色受付手順を実行させ、
前記決定手順では、
前記テープ色受付手順での受付結果に応じて前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項8記載の編集処理プログラム。
【請求項10】
前記制御部は、さらに、
1つの色種類と、別の1つの色種類と、それら2つの色種類を混色した結果生じる色種類と、を互いに対応付けた混色相関を参照する相関参照手順を実行し、
前記決定手順では、
前記相関参照手順での前記混色相関の参照結果に基づき、前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の編集処理プログラム。
【請求項11】
前記受付手順で受け付けた前記色分け設定は、
前記印字ラベル体の第1領域における第1色分け設定と第2領域における第2色分け設定とを含み、
前記決定手順では、
前記受付手順で受け付けた前記色分け設定を、前記第1領域に対応する第1印字ラベルの第3領域における第1色分け設定と前記第2領域に対応する第2印字ラベルの第4領域における第2色分け設定とによって実現するように、前記色設定及び前記重ね順序を決定する
ことを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれか1項記載の編集処理プログラム。
【請求項12】
印字媒体を収納した媒体収納体を装着し互いに異なる種類の前記印字媒体を用いて所望の印字を行う印刷装置に接続可能な端末装置により実行され、前記印刷装置により作成された複数の印字ラベルを厚さ方向に重ね貼りした印字ラベル体を構築する編集処理方法であって、
前記印字ラベル体に備えられる複数の領域それぞれへの色分け設定を受け付ける受付手順と、
前記受付手順で受け付けた前記色分け設定に対応する前記印字ラベル体での色分けを実現するための、前記複数の印字ラベルそれぞれにおける色設定を決定する決定手順と、
前記決定手順で決定した前記複数の印字ラベルにおける前記色設定を前記端末装置の表示部に表示する表示手順と、
を有することを特徴とする編集処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に接続された端末装置が実行する編集処理プログラム及び編集処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、互いに異なる種類の印刷用テープそれぞれに対し印字を行うことで、重ね貼りされて使用される複数の印字ラベルを作成する技術が開示されている。
【0003】
この従来技術では、印刷装置にカートリッジが装着されると、カートリッジから供給されるテープに対し所望の印字が行われた後、印字後のテープが所定長さに切断されることで、印字ラベルが作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、複数の印字ラベルの作成の際に、事前に、端末装置の画面上において、各印字ラベルにおける印字色及びテープ色を所望に設定することができる。またそれらの設定に基づく複数の印字ラベルを重ね貼りしたときの外観上の姿を、前述の各印字ラベルにおける色の設定の結果として端末装置の画面上において表示させることができる。
【0006】
しかしながら、例えばユーザが、重ね貼りされた状態の複数の印字ラベルの外観上の色を先に決めておき、その外観色を実現するために適宜の複数のカートリッジを順次用いて印字ラベルを作成したい場合がある。上記従来技術においてはこのような点に配慮されていない。そのため、ユーザは、上記のように決めた重ね貼りされた状態の複数の印字ラベルの外観上の色を、例えば手持ちのカートリッジ種類だけを用いて実現できるのか、できない場合は外観色をどう変えれば実現できるのか等を判断することが難しく、不便であった。
【0007】
本発明の目的は、ユーザが所望する外観色の印字ラベル体をどの種類の媒体収納体で実現できるかを容易に知ることができる、編集処理プログラム及び編集処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は、印字媒体を収納した媒体収納体を装着可能な装着手段と、互いに異なる種類の前記印字媒体を用いて所望の印字をそれぞれ行う印字手段と、を備える印刷装置に接続可能な端末装置に実行させる編集処理プログラムであって、厚さ方向に重ね貼りされることで印字ラベル体を構築する複数の印字ラベルを前記印刷装置で作成するために、前記端末装置の制御部に対し、前記印字ラベル体に備えられる複数の領域それぞれへの色分け設定を受け付ける受付手順と、前記受付手順で受け付けた前記色分け設定に対応する前記印字ラベル体での色分けを実現するための、前記複数の印字ラベルそれぞれにおける色設定を決定する決定手順と、前記決定手順で決定した前記複数の印字ラベルにおける前記色設定を前記端末装置の表示部に表示する表示手順と、を実行させる。
【0009】
本願発明においては、編集処理プログラムが端末装置で実行された状態で、ユーザが印字ラベル体において実現したい所望の複数の領域への色分け設定を行うことで、その設定が受付手順で受け付けられる。その後の決定手順において、その受け付けた色分け設定に対応する印字ラベル体での色分けを実現するための、各印字ラベルでの色設定が決定される。その後、決定されたそれら色設定は、表示手順において端末装置の表示部に表示される。
【0010】
これにより、ユーザは、自らが望む最終的な印字ラベル体の外観色を構築できる複数の印字ラベルそれぞれの外観色の組合せを、少なくとも1種類知ることができる。この結果、ユーザは、所望する外観色の印字ラベル体をどの種類の媒体収納体で実現できるか、具体的には、例えば手持ちの媒体収納体の種類だけで上記外観色の印字ラベル体を実現できるのか、できない場合は外観色をどう変えれば手持ちの媒体収納体種類だけで実現できるのか、等を知ることができる。この結果、ユーザにとっての利便性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザが所望する外観色の印字ラベル体をどの種類の媒体収納体で実現できるかを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態に係わる印刷システムの全体構成を模式的に表すシステム構成図である。
【
図2】操作端末及びラベルプリンタの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【
図3】カートリッジ内部の構成を表す模式図である。
【
図4】上ラベルの印字色が透過性なしの場合で、2つの印字ラベルを重ね合わせて1つの重ね貼りラベルとする例を表す説明図である。
【
図5】上ラベルの印字色が透過性ありの場合で、2つの印字ラベルを重ね合わせて1つの重ね貼りラベルとする例を表す説明図である。
【
図6】上ラベルの印字色が透過性切り換え可能な場合の重ねパターンの例を表す説明図である。
【
図7】上ラベルの印字色が透過性ありの場合の配色パターン分解の例を表す説明図である。
【
図8】色分解テーブルの例を模式的に表した図である。
【
図9】カートリッジ管理テーブルの例を模式的に表した図である。
【
図10】操作端末の表示部において重ね貼りラベルの配色パターンを編集操作するための表示例を表した図である。
【
図11】使用するカートリッジの組合せが1通りしかない場合の使用カートリッジ組合せの表示画面の例を表した図である。
【
図12】使用するカートリッジの組合せが2通りある場合の使用カートリッジ組合せの表示画面の例を表した図である。
【
図13】CPUが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。
【
図14】混色させずに単なる領域仕分けで色分け設定を実現する場合の配色パターン分解の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<システム全体構成>
本実施形態に係わる、印刷システム全体の構成を
図1に示す。
図1において、印刷システム1は、例えば汎用パーソナルコンピュータで構成される操作端末2と、操作端末2に接続されたラベルプリンタ3と、を有している。操作端末2は、ラベルプリンタ3と相互に情報送受可能に接続されている。ラベルプリンタ3は、操作端末2でのユーザの操作に基づき、印字ラベルLを作成する。なお、ラベルプリンタ3が印刷装置の一例であり、操作端末2が端末装置の一例である。
【0015】
<操作端末>
操作端末2は、
図2に示すように、CPU11と、例えばRAMやROM等からなるメモリ12と、操作器13と、表示部14と、通信制御部15と、大容量記憶装置16と、を備えている。 なお、CPU11が制御部の一例である。
【0016】
操作器13は、ユーザからの指示や情報が入力される例えばマウスおよびキーボード等により構成される。表示部14は、各種情報やメッセージを表示する。通信制御部15は、ラベルプリンタ3との信号の授受の制御を行う。大容量記憶装置16は、各種のプログラムや情報を記憶する。CPU11は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置16に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理やラベルプリンタ3との間で各種の信号の送受を行う。
【0017】
<ラベルプリンタ>
ラベルプリンタ3は、
図2に示すように、制御回路21と、カートリッジ101を着脱可能なカートリッジホルダ22と、通信制御部23と、を有する。カートリッジホルダ22はカートリッジ101を着脱可能に構成されている。なお、カートリッジ101が媒体収納体の一例であり、カートリッジホルダ22が装着手段の一例である。ラベルプリンタ3は、制御回路21が、通信制御部23を介して操作端末2の上記通信制御部15に接続されることにより、操作端末2と情報の送受が可能となっている。
【0018】
<カートリッジ及びカートリッジホルダ>
カートリッジ101及びカートリッジホルダ22近傍の詳細構造を
図3に示す。カートリッジ101は、筐体101Aと、この筐体101A内に配置され帯状の基材テープ102が巻回された第1ロール103と、上記基材テープ102と同じ幅である透明なカバーフィルム104が巻回された第2ロール105と、インクリボン106を繰り出すリボン供給側ロール107と、印字後のインクリボン106を巻取るリボン巻取りローラ108と、カートリッジ101のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ109とを有する。なお、カバーフィルム104と基材テープ102とインクリボン106をまとめたものが印字媒体の一例であり、そのうちの基材テープ102が被印字テープの一例である。但しカバーフィルム104が受熱により所定の色に発色可能な感熱テープである場合は、インクリボン106は不要である。なお、第1ロール103と第2ロール105とは実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す。
【0019】
第1ロール103は、リール部材103Aの周りに上記基材テープ102を巻回している。基材テープ102は、例えば、第1ロール103の内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、貼り合わせ用の粘着剤層、基材層、貼り付け用の粘着剤層、剥離材層の順序で積層され構成されている。第2ロール105は、リール部材105Aの周りに上記カバーフィルム104を巻回している。テープ送りローラ109は、上記基材テープ102と上記カバーフィルム104とを押圧し接着させ印字ラベル用テープ110としつつ、テープ送りを行う。
【0020】
カートリッジホルダ22には、カートリッジ101内の使用済みの上記インクリボン106を巻き取るためのリボン巻取りローラ駆動軸27と、上記印字ラベル用テープ110を搬送するためのテープ送りローラ駆動軸28とが設けられている。前述のリボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109は、図示しない搬送ローラ用モータの駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸27及び上記テープ送りローラ駆動軸28に伝達されることによって、連動して回転駆動される。またカートリッジホルダ22には、搬送されるカバーフィルム104に所望の印字を形成する印字ヘッド29が設けられている。なお、この印字ヘッド29が印字手段の一例である。
【0021】
印字ラベル用テープ110の搬送経路に沿ってテープ送りローラ109及び圧着ローラ24の下流側には、固定刃25と、固定刃25との協働により印字ラベル用テープ110を厚さ方向に切断する可動刃26と、が設けられている。
【0022】
<ラベルプリンタ動作概略>
上記構成のラベルプリンタ3において、カートリッジ101が上記カートリッジホルダ22に装着されると、カバーフィルム104及びインクリボン106が印字ヘッド29とこれに対向するプラテンローラ30との間に狭持される。基材テープ102及びカバーフィルム104は、テープ送りローラ109とこれに対向する圧着ローラ24との間に狭持される。リボン巻取りローラ108及びテープ送りローラ109が
図3中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動されることにより、圧着ローラ24、及びプラテンローラ30が回転する。第1ロール103からは基材テープ102が繰り出され、テープ送りローラ109へ供給される。第2ロール105からはカバーフィルム104が繰り出されるとともに、図示しない印刷駆動回路により印字ヘッド29の複数の発熱素子が通電されることにより、カバーフィルム104に印字が印刷される。カバーフィルム104への印字が終了したインクリボン106は、リボン巻取りローラ駆動軸27の駆動によりリボン巻取りローラ108に巻取られる。
【0023】
上記基材テープ102と上記印刷が終了したカバーフィルム104とが上記テープ送りローラ109及び圧着ローラ24により接着されて一体化されることにより、印字ラベル用テープ110が形成され、カートリッジ101外へと搬出される。カートリッジ101外へ搬出された印字ラベル用テープ110は、固定刃25及び可動刃26の協働によって切断され、印字ラベルLが生成される。
【0024】
<重ね貼りラベルと配色パターン>
本実施形態においては、所定の印字条件でラベルプリンタ3により作成された2つの印字ラベルL,Lが互いに重ね合わされて貼り合わされ、さらにその状態で貼り付け対象に貼り付けられる。そのような印字ラベルLとその印字条件に基づく色表現の違いについて
図4~
図6に示す例により説明する。
【0025】
図4は、印字条件として上ラベルの印字色に透過性がない場合を表している。
図4(a)は、上ラベルと下ラベルそれぞれの印字例と、それら2つの印字ラベルを重ね貼りした重ね貼りラベルでの配色パターンを表している。
図4(b)は、重ね張りラベルの厚さ方向断面で見たテープ色と印字色の全ての重ねパターンを表している。
【0026】
図4(a)の左方に示す下ラベルLBは、重ね貼りする際に後述する上ラベルLAの裏面側、つまり下側に貼り合わされる印字ラベルLである。この下ラベルLBは、後述するように透明も含めた多様な色種類から自動選択されたテープ色にある基材テープ102を用いて、その表面にまた別途自動選択された印字色で所定の印字パターンが形成されたカバーフィルム104が接着されている。図示する下ラベルLBの例では、テープ色が黄色である基材テープ102の表面に、赤色の印字色で図中の左寄りの位置に矩形の印字パターンPb1が形成されたカバーフィルム104が接着されている。
【0027】
また
図4(b)の中央に示す上ラベルLAは、重ね貼りする際に上記下ラベルLBの表面側、つまり上側に貼り合わされる印字ラベルLである。この上ラベルLAは、後述するように必ず透明のテープ色にある基材テープ102を用いて、その表面に自動選択された印字色で所定の印字パターンが形成されたカバーフィルム104が接着されている。図示する上ラベルLAの例では、テープ色が透明の基材テープ102の表面に、青色の印字色で図中の右寄りの位置に矩形の印字パターンPa1が形成されたカバーフィルム104が接着されている。
【0028】
ここで、本発明の例においては、どの種類のインクリボン106を用いてカバーフィルム104に形成する印字の印字色においても、上記印字ヘッド29における任意の通電制御等によって光を透過させる透過性の有無を切り換えることができるものとする。ただし、基材テープ102のテープ色に対しては透過性の有無を切り換えることはできない。
【0029】
このような重ね貼りする印字ラベルLの枚数や、各印字ラベルLそれぞれの印字色に対する透過性の有無は、あらかじめユーザによって任意の印字条件として設定される。そして
図4~
図6に示す例においては、共通して2枚の印字ラベルLA,LBを重ね貼りすることを前提としている。そして説明の理解を容易にするために、
図4~
図6で共通して下ラベルLBのテープ色を透明ではなく有色とするとともに、下ラベルLBの印字色については全て非透過性で印字するものとし、特にこの
図4に示す例においては上ラベルLAの印字色も全て非透過性で印字することを印字条件としている。
【0030】
このような印字条件でそれぞれの印字色を印字した
図4(a)の下ラベルLBと上ラベルLAを重ね貼りすると、
図4(a)の右方に示す配色パターンの色表現で重ね貼りラベルLABが作成される。この重ね貼りラベルLABでは、上ラベルLAの矩形印字パターンPa1のうちの左側半分で下ラベルLBの矩形印字パターンPb1上に直接重複し、残りの右側半分で下ラベルLBの基材テープ102と重複している。上述したように印字条件が上ラベルLAの印字色を非透過としていることから、一番表面側に位置する上ラベルLAの矩形印字パターンPa1の全体がもともとの印字色である青色で表れる。また上ラベルLAの矩形印字パターンPa1と重複しない部分で、下ラベルLBの矩形印字パターンPb1が印字色である赤色で表れる。また、上ラベルLAと下ラベルLBの各矩形印字パターンPa1,Pb1のいずれにも重複しない部分で、下ラベルLBの基材テープ102がテープ色である黄色で表れる。なお、この重ね貼りラベルLABが印字ラベル体の一例である。
【0031】
このように下ラベルLBと上ラベルLAの両方の印字色を一律に非透過性とする印字条件の場合、重ね貼りラベルLABにおいて成し得る全ての色の重ねパターンは
図4(b)に示す4種類となる。この
図4(b)に示す各重ねパターンは、それぞれ重ね貼りラベルLABの厚さ方向の断面で見た色の重ね合わせ順の組合せを示すものであり、下側から昇順に下ラベルLBのテープ色、下ラベルLBの印字色、上ラベルLAの印字色を並べて示している。そして上記
図3に示したカートリッジ101の構成の都合から、下ラベルLBのテープ色は常に同じ色で存在し、下ラベルLBの印字色と上ラベルLAの印字色はそれぞれ同じ色で印字の有無が切り替わる。なお、図示を簡略化するため、テープ色が透明である上ラベルLAの基材テープ102の図示は省略している。なお、これらの重ねパターンが示す下ラベルLBと上ラベルLAの区別が、複数の印字ラベルの重ね順序の一例である。
【0032】
重ねパターンJ-Iは、下ラベルLBの基材テープ102の表面に上ラベルLAと下ラベルLBそれぞれの印字のいずれも重複していない領域に対応している。この重ねパターンJ-Iに対応する領域では、下ラベルLBの基材テープ102のテープ色がそのまま純色Aとして表れる。
【0033】
重ねパターンJ-IIは、下ラベルLBの基材テープ102の表面に上ラベルLAの印字だけが重複する領域に対応している。この重ねパターンJ-IIに対応する領域では、上ラベルLAの印字色がそのまま純色Bとして表れる。
【0034】
重ねパターンJ-IIIは、下ラベルLBの基材テープ102の表面に下ラベルLBの印字だけが重複する領域に対応している。この重ねパターンJ-IIIに対応する領域では、下ラベルLBの印字色がそのまま純色Cとして表れる。
【0035】
重ねパターンJ-IVは、下ラベルLBの基材テープ102の表面に上ラベルLAの印字と下ラベルLBの印字の両方が重複する領域に対応している。この重ねパターンJ-IVに対応する領域では、上記の重ねパターンJ-IIと同じく上ラベルLAの印字色がそのまま純色Bとして表れる。
【0036】
以上のように、下ラベルLBと上ラベルLAの両方の印字色を一律に非透過性とする印字条件の場合には、重ね貼りラベルLABにおいて表現できる色の数が純色A,B,Cの最大3色となる。
【0037】
次に下ラベルLBの印字色を一律に非透過性とし、上ラベルLAの印字色を一律に透過性とする印字条件の場合について
図5を参照しつつ説明する。
【0038】
図5(a)は上記
図4(a)に対応する図であり、下ラベルLBと上ラベルLAそれぞれのテープ色、印字色、及び印字パターンがいずれも同じ設定となっているが、
図5(a)においては上ラベルLAの印字色だけが透過性を有している点で
図4(a)と相違している。このため、それら2つの印字ラベルLA,LBを重ね貼りした重ね貼りラベルLABでの配色パターンの色表現が上記
図4(a)と異なっている。具体的には、下ラベルLBの矩形印字パターンPb1のうち、下ラベルLBの矩形印字パターンPb1と重複していない領域では、重ね貼りラベルLABにおいてそのまま赤色の矩形Pa1で表れる。また、上ラベルLAの矩形印字パターンPa1のうち、下ラベルLBの矩形印字パターンPb1と重複している領域では、重ね貼りラベルLABにおいて赤色と青色を混色した紫色の矩形Pab2で表れる。また、上ラベルLAの矩形印字パターンPa1のうち、下ラベルLBの基材テープ102と直接重複している領域では、重ね貼りラベルLABにおいて黄色と青色を混色した緑色の矩形Pab3で表れる。
【0039】
つまり
図5(b)の重ねパターンで示すように、上ラベルLAの印字が重複しない重ねパターンJ-I、J-IIのそれぞれにおいては、上記
図4(b)と同様にそれぞれ対応する純色A,Cで表れる。しかしながら、下ラベルLBの基材テープ102に上ラベルLAの印字が直接重複する重ねパターンK-IIでは、それらの印字色とテープ色を混色した混色Dで表れる。また、下ラベルLBの印字に上ラベルLAの印字が直接重複する重ねパターンK-IVでは、それら2つの印字色を混色した混色Eで表れる。以上のように、下ラベルLBの印字色を一律に非透過性とし、上ラベルLAの印字色を一律に透過性とする印字条件の場合には、重ね貼りラベルLABにおいて表現できる色の数が純色A,Cと混色D,Eの最大4色となる。
【0040】
すなわち、印字条件の内容次第で重ね貼りラベルLABにおける最大表現色数が変化する。なお、上記印字ヘッド29がカバーフィルム104に形成する印字のドット単位で透過性の切り換え制御が可能な場合には、さらに最大表現色数が多くなる。例えば、下ラベルLBの印字色を一律に非透過性とし、上ラベルLAの印字色に対して透過性の有無を切り換え可能とする印字条件の場合には、
図6に示す重ねパターンのように、重ねパターンJ-I、J-II、J-III、J-IVのそれぞれで表れる純色A,B,Cの3色に加え、重ねパターンK-III、K-IVのそれぞれで表れる混色D,Eの2色を合わせて合計5色の最大表現色数が得られる。
【0041】
なお、特に図示しないが、下ラベルLBの印字色に対しても透過性を持たせたり、または3枚以上の印字ラベルLを重ね貼りしたりする場合などの他の印字条件でもさらに多くの最大表現色数が得られる。ただし、透明以外の有色のテープ色にある基材テープ102を有するのは最も下方側の下ラベルLBだけであり、またN色以上での混色は表面側の(N-1)色分の印字色がいずれも透過性を有する重ねパターンに限られる。また、特に図示しないが、下ラベルLBのテープ色も透明とした場合には、最大表現色数が減少する。
【0042】
<実施形態の特徴>
上記構成の本実施形態において、その特徴は、ユーザが印字条件と重ね貼りラベルLAB上の配色パターンを設定した場合に、その印字条件を満たしつつ配色パターンを実現できる各印字ラベルLのテープ色、印字色、印字パターンを自動的に設定するときの処理にある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0043】
<重ね貼りラベルからの配色パターン分解>
上述したように、印字ラベルLの印字条件があらかじめ設定されていれば、それに対応して重ね貼りラベルLABの最大表現色数を決定できる。これは逆に、最大表現色数以下の色数で重ね貼りラベルLABにおける配色パターンの色分け設定ができていれば、対応する印字条件を満たして当該重ね貼りラベルLABの配色パターンを実現できる各印字ラベルLのテープ色、印字色、印字パターンを自動的に設定することができる。以下において、このような各印字ラベルLの各種設定処理を配色パターン分解という。
【0044】
例えば、2枚の印字ラベルLA,LBを重ね貼りして1つの重ね貼りラベルLABを作成するとし、下ラベルLBのテープ色を有色とし、上ラベルLAの印字色だけが一律に透過性を有するとした印字条件の場合、
図7(a)~(c)に示すような例の配色パターン分解が可能となる。
【0045】
図7(a)に示す例では、重ね貼りラベルLABにおいて黄色のテープ色上に紫色の印字色で「A」の印字テキストTab1が形成された配色パターンが示されている。この場合、テープ色が黄色であって赤色の印字色で「A」の印字テキストTb1が形成される下ラベルLBと、透過性を有する青色の印字色で同じ「A」の印字テキストTa1が形成される上ラベルLAとに配色パターン分解できる。なおこの場合には、印字色が青色の下ラベルLBと、印字色が透過性を有する赤色の上ラベルLAとの組合せで配色パターン分解することもできる(特に図示せず)。
【0046】
また
図7(b)に示す例では、重ね貼りラベルLABにおいて黄色のテープ色上に左から赤色の矩形Pab4と紫色の矩形Pab5と緑色の矩形Pab6が順に密接に並んで形成され、紫色の矩形Pab5中に赤色の星型マークMab1が形成された配色パターンが示されている。この場合、テープ色が黄色であって上記の赤色の矩形Pab4と紫の矩形Pab5の両領域に渡って赤色の印字色で矩形Pb2が形成された下ラベルLBと、上記の紫の矩形Pab5と緑色の矩形Pab6の両領域に渡って透過性を有する青色の印字色で矩形Pa2が形成され、上記星型マークMab1の領域だけ透明の星型マークMa1で印字が抜かれた下ラベルLBとに配色パターン分解できる。
【0047】
また
図7(c)に示す例では、重ね貼りラベルLABにおいて黄色のテープ色上に赤色の矩形Pab7が形成され、この赤色の矩形Pab7中に紫色の星型マークMab2が形成された配色パターンが示されている。この場合、テープ色が黄色であって赤色の印字色で矩形Pb3が形成された下ラベルLBと、透過性を有する青色の印字色で上記星型マークMa2が形成された下ラベルLBとに配色パターン分解できる。
【0048】
以上のような配色パターン分解の処理を実行するためには、
図8に示すような色分解テーブルと、
図9に示すようなカートリッジ管理テーブルが必要となる。
図8に示す例の色分解テーブルは、あらゆる色種類の混色についてそれぞれ分解した2つの純色の組合せを記録したテーブルであり、あらかじめ操作端末2の大容量記憶装置16などに記録されている。なお、この場合の純色の色種類は、市場で入手可能な全てのカートリッジ101に備えられているインクリボン106の全ての色種類である。言い換えると、当該色分解テーブルに記載されている混色の色種類は、同色の組合せを除いたあらゆる2種類のインクリボン106の色種類の組合せで再現できる全ての混色の色種類となる。基本的に純色1と純色2との間では互換性があるものとし、すなわちいずれか一方が透過性を有し、他方に重ね合わせることで同じ混色が得られるものとする。また、この
図8に示す例では、2つの純色の混色だけに対応した内容を示している。なお、上記の色分解テーブルが混色相間の一例であり、純色1と純色2の一方が1つの色種類の一例であり、他方が別の1つの色種類の一例であり、混色が2つの色種類を混色した結果生じる色種類の一例である。
【0049】
図9に示すカートリッジ管理テーブルは、市場で入手可能な全種類のカートリッジ101の型番についてそれぞれ備えている基材テープ102のテープ色とインクリボン106の印字色の組合せを記録したテーブルであり、あらかじめ操作端末2の大容量記憶装置16などに記録されている。また図示する例では、各型番に対応してユーザがその時点で当該型番のカートリッジ101を保有しているか否かを示すユーザ保有の情報も記録している。このユーザ保有の情報は、ユーザ自身により逐次記録を更新する。なおこのカートリッジ管理テーブルにおけるユーザ保有の情報は、ユーザIDなどのユーザ識別情報と関連付けられて記憶してもよい。もしくは、ユーザ保有の情報がプリンタIDなどのラベルプリンタ3の個体の識別情報と関連付けられて記憶してもよい。これらの場合、あらかじめ別途入力されたユーザIDやプリンタIDに関連付けられたユーザ保有の情報が参照される。
【0050】
本実施形態の印刷システム1においては、先にユーザが操作端末2を操作して印字条件と重ね貼りラベルLABの配色パターンを設定する。そして操作端末2が、上記の色分解テーブルとカートリッジ管理テーブルを参照して配色パターン分解の処理を実行することにより、上記印字条件を満たしつつ設定された配色パターンを実現可能な各印字ラベルLA,LBのテープ色、印字色、印字パターンを自動的に設定する。
【0051】
具体的には、設定された印字条件に基づいて適用され得る全ての重ねパターンJ-I~IV、K―II,IVを抽出するとともに、混色が設定されている場合には色分解テーブルを参照して各混色に適用され得る全ての純色の組合せも抽出する。そして、それら抽出された重ねパターンと、抽出された純色の組合せとを全ての配色領域で満たす2つのカートリッジ101の型番の組合せを、カートリッジ管理テーブルで探索する。この探索は、異なる2つのカートリッジ101の型番の総当たりの組合せから抽出すればよい。
【0052】
<重ね貼りラベルの編集操作>
操作端末2の表示部14において重ね貼りラベルLABの配色パターンを編集操作するための表示例を
図10に示す。なお、この
図10に示す例では、2枚の印字ラベルLA,LBを重ね貼りして1つの重ね貼りラベルLABを作成するとし、下ラベルLBのテープ色を有色とし、上ラベルLAの印字色だけが一律に透過性を有するとした印字条件が設定されていることを前提とする。
図10に示すように、上記表示部14は、重ね貼りラベルLABの配色パターンを編集し設定可能な編集モニタ43と、この重ね貼りラベルLABを構成する2つの印字ラベルLA,LBをそれぞれ表示するレイヤーモニタ40が備えられている。この例では、レイヤーモニタ40は、上ラベルLAに対応する第1レイヤーモニタ41と、下ラベルLBに対応する第2レイヤーモニタ42と、が設けられている。
【0053】
編集モニタ43は、編集操作が可能な編集画面であることを示す太枠線WLで囲まれるよう表示され、後述する印字オブジェクトの削除、追加、及び印字色やテープ色の色分け設定などの編集操作が可能となる。この編集モニタ43の左上方の角部においては、表示している対象である「重ね貼りラベル」と印字条件の内容である「(上ラベル印字色透過)」が記載されたタブ54が表示されている。またこの編集モニタ43の下方部においては、印字条件に基づいて決定された最大表現色数を示すメッセージと、色パレット56が表示されている。最大表現色数については、この例では4色であるとして「色分け設定最大4色」と表示されている。色パレット56は、表現可能な全ての純色と混色がそれぞれ四角枠で囲まれて並列に表示されている。
【0054】
上記重ね貼りラベルLABの配色パターンを編集する際には、ユーザによる表示部14の操作ボタン50の適宜の操作により、編集モニタ43において、重ね貼りラベルLABを表すテープイメージTab内に、各種の印字オブジェクトが配置される。図示する例では、上記
図7(b)に示した印字オブジェクトが配置されている。これにより、重ね貼りラベルLABのテープイメージTab内において基材テープ102及び印字オブジェクトごとに色分け設定できる領域が設定され、各領域ごとにどの色種類で表現するかの色分けの設定操作を行う。
【0055】
この色分けの設定操作は、例えば操作器13を介したユーザによるカーソルCUの操作により、適用する色種類の色パレット56の指定操作と、その指定した色種類を適用する領域の指定操作を連続して行う。このとき、指定された色パレット56が小さい太線枠CL1で囲まれて表示されるとともに、テープイメージTab内の指定された領域が指定された色種類で表示される。なお、指定操作できる色パレット56の数は最大表現色数を上限としており、過去に指定済みとなっている色パレット56には大枠の太線枠CL2で囲まれて表示される。特に図示しない適宜の操作により、過去の色パレット56の指定を削除または変更した場合には、それに対応するテープイメージTab内の領域の色種類の表示も削除または変更する。以上の編集モニタ43内での編集操作により、重ね貼りラベルLABにおける配色パターンが編集される。
【0056】
また、第1レイヤーモニタ41と第2レイヤーモニタ42には、それぞれ左上方の角部において対応する印字ラベルLA,LBの区別、すなわち図示する例の「上ラベル1」、「下ラベル0」がそれぞれ記載されたタブ53が表示されている。なお、図示する例では下ラベルLBに対して重ね貼りする上ラベルLAが1枚だけの場合で示しているが、下ラベルLBに対して複数枚の上ラベルLAを重ね貼りする場合には3つ以上のレイヤーモニタを例えばスクロール表示などにより切り替えて表示してもよい(特に図示せず)。このため上記のタブ53での表記例では、下ラベルLBを特に「下ラベル0」と表記し、上ラベルLAを「上ラベル1」と表示している。複数枚の上ラベルLAを重ね貼りする場合には、順次「上ラベル2」、「上ラベル3」などのタブ53が表示された他のレイヤーモニタが切り替え表示される。なお、各レイヤーモニタ41,42には太枠線WLが表示されず、それぞれには対応するテープイメージTa,Tbが表示されるもののそれらに対して直接的に修正や再設定などの編集操作はできない。そして各レイヤーモニタ41,42においては、編集モニタ43における重ね貼りラベルLABの配色パターンが変更される度に配色パターン分解の処理に応じてそれぞれ対応するテープイメージTa,Tb内の印字パターンPb2,Pa2,Mb1の表示が自動的に切り換えられる。
【0057】
また、本実施形態では、各レイヤーモニタ41,42の下部にテープ色表示部51と印字色表示部52とカートリッジ型番表示部57が設けられている。この例の上記印字条件により、上ラベルLAに対応する第1レイヤーモニタ41では、テープ色表示部51が固定的に透明を表示しており、これに対応してテープイメージTaにおける基材テープ102の部分は画面中において透明に対応する色彩、例えば背景色のない色彩で表示されている。第1レイヤーモニタ41の印字色表示部52と、第2レイヤーモニタ42のテープ色表示部51と印字色表示部52のそれぞれにおける色設定は、編集モニタ43における重ね貼りラベルLABの配色パターンが変更される度に自動的に色種類の表示が切り換えられる。このとき、第1レイヤーモニタ41の印字色表示部52では印字条件に応じて「(透過性)」も併せて表示する。また、各レイヤーモニタ41,42のカートリッジ型番表示部57も、編集モニタ43における重ね貼りラベルLABの配色パターンが変更される度に自動的に型番の表示が切り換えられる。
【0058】
なお、上記
図7(a)に示したように複数の組合せの色設定や重ねパターンで配色パターン分解が可能な場合には、各組合せにそれぞれ対応した各レイヤーモニタ41,42を例えばスクロール表示などにより切り替えて表示してもよい(特に図示せず)。この場合に上記タブ53,54の表記例は、下ラベルLBを「下ラベル1-0」と表記し、対応する上ラベルLAを「上ラベル1-1」と表記するとよい。他の組合せでは、例えば「下ラベル2-0」、「上ラベル2-1」と表記するとよい。
【0059】
そして、ユーザが操作器13を介して印刷ボタン55を押下する操作を行うことにより編集作業が終了し、各印字ラベルLA,LBそれぞれに対応した印字データが生成される。
【0060】
<使用するカートリッジの型番の表示>
編集作業が終了した際には、例えば
図11又は
図12に示す使用カートリッジ組合せの表示画面が表示部14に表示される。
図11は、例えば上記
図7(b)に示した配色パターン分解のように、上ラベルLAと下ラベルLBのそれぞれの印字で使用する2つのカートリッジ101の組合せが1通りしかない場合の表示画面を示している。この
図11では、上ラベルLAと下ラベルLBのそれぞれで使用する2つのカートリッジ101の型番が1組だけ表示される。このとき、上記カートリッジ管理テーブルにおけるユーザ保有の情報の記録内容に基づいて、各型番のカートリッジ101をユーザが現在保有中であるか否かの情報もそれぞれ対応させて表示する。いずれか1つでもカートリッジ101を保有していない場合には、図示するように新たに購入する必要がある旨のメッセージを表示し、OKボタン61への押下操作が行われるまで待機する。OKボタン61への押下操作が行われた場合には、各印字ラベルLA,LBそれぞれに対応して生成された印字データをラベルプリンタ3へ送信するなどの適宜の処理が行われる。
【0061】
また、例えば上記
図7(a)に示した配色パターン分解のように、上ラベルLAと下ラベルLBのそれぞれの印字で使用する2つのカートリッジ101の組合せが2通以上ある場合には、
図12の表示画面が表示部14に表示される。この
図12に示す例では、上ラベルLAと下ラベルLBのそれぞれで使用する2つのカートリッジ101の型番の組合せとして2組表示されている。現在ユーザが両方の型番のカートリッジ101を保有している組合せに対しては、すぐに作成できる旨のメッセージを表示する。また、いずれか1つでもカートリッジ101を保有していない組合せに対しては、新たに購入する必要がある旨のメッセージを表示する。そしてそれぞれの組合せに対応した2つのボタン62,63のいずれかをユーザが選択して押下操作した際には、その選択した組合せでの2つのカートリッジ101に対応してそれぞれ生成された印字データをラベルプリンタ3へ送信するなどの適宜の処理が行われる。
【0062】
<制御手順>
上記の手法を実現するために、CPU11が実行する制御手順の一例を、
図13のフローチャートにより説明する。この制御手順は、上記ROMや大容量記憶装置16に記憶された複数のプログラムに含まれる、本実施形態による編集処理プログラムにより実行され、その実行によって本実施形態による以下の編集処理方法が実現される。
【0063】
まずS5で、特に図示しない設定画面において、操作器13を介したユーザからの印字条件の設定操作が受け付けられる。
【0064】
その後S10で、上記S5で設定された印字条件の基づき最大表現色数を決定する。
【0065】
その後S15で、上記
図10で示した編集操作画面を表示部14に表示する。
【0066】
そしてS20で、編集モニタ43における重ね貼りラベルLABの配色パターンの編集操作を受け付ける。なお、このS20が受付手順の一例である。
【0067】
その後S25で、印字条件に対応して抽出した複数の重ねパターンと、上記色分解テーブルに基づいて、重ね貼りラベルLABの配色パターンにおける各領域の色分解を行う。なお、このS25が相間参照手順の一例である。
【0068】
その後S30では、上記S25での処理結果と上記カートリッジ管理テーブルに基づいて、各印字ラベルLA,LBのテープ色、印字色、及び対応するカートリッジ101の型番を決定し、それぞれ対応するレイヤーモニタ41,42のテープ色表示部51、印字色表示部52、及びカートリッジ型番表示部57にそれぞれ表示する。
【0069】
その後S35で、上記S20~S30での処理結果に基づいて、各印字ラベルLA,LBの印字パターンを生成し、各レイヤーモニタ41,42に表示する。なお、これらS25~S35が決定手順の一例である。
【0070】
その後S40で、上記印刷ボタン55が押下されて編集を終了する操作が行われたか否かが判定される。操作されていなければNO判定され、上記S20に戻る。操作されていればYES判定されS45に移行する。
【0071】
S45では、上記カートリッジ管理テーブルに基づいて、上記
図11又は
図12に示した使用カートリッジ組合せ画面を表示部14に表示する。なお、上記のS30とこのS45が表示手順の一例であり、カートリッジ101の組合せを複数表示してユーザに選択させる
図12を表示する場合のこのS45が、組合せ受付手順の一例である。
【0072】
その後S50で、使用カートリッジ組合せ画面で表示されているボタンへの操作が行われるまでループ待機する。ボタンが操作された際には、S55へ移行する。
【0073】
S55では、上記S35で生成された各印字ラベルLA,LBの印字パターンに基づく印字データを、通信制御部15を介しラベルプリンタ3へ送信する。これにより、その印字データに基づき、ラベルプリンタ3において上ラベルLA及び下ラベルLBの印刷が行われる。その後、このフローを終了する。
【0074】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、上記S5~S55の編集処理プログラムが操作端末2で実行された状態で、ユーザが重ね貼りラベルLABにおいて実現したい所望の配色パターンにおける複数の領域への色分け設定を行うことで、その設定がS20で受け付けられる。その後のS25~S35において、その受け付けた色分け設定に対応する重ね貼りラベルLABでの配色パターンの色分けを実現するための、各印字ラベルLA,LBでの色設定が決定される。その後、決定された色設定は、S30において操作端末2の表示部14に表示される。
【0075】
これにより、ユーザは、自らが望む最終的な重ね貼りラベルLABの外観色の配色パターンを構築できる複数の印字ラベルLA,LBそれぞれの外観色の組合せを、少なくとも1種類知ることができる。この結果、ユーザは、所望する外観色の配色パターンにある重ね貼りラベルLABをどの種類のカートリッジ101で実現できるか、具体的には、例えば手持ちのカートリッジ101の種類だけで上記外観色の配色パターンにある重ね貼りラベルLABを実現できるのか、できない場合は外観色をどう変えれば手持ちのカートリッジ101の種類だけで実現できるのか、等を知ることができる。この結果、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0076】
また、本実施形態では特に、複数の印字ラベルLA,LBを重ね合わせる際、例えばいずれかの印字ラベルLA,LBの色に透過性がなかった場合には、各印字ラベルLA,LBを重ねる順番が異なると、重ね貼りラベルLABの最終的な外観色の配色パターンが異なる場合があり得る。
【0077】
そこで、本実施形態においては、上記S25~S35で、複数の印字ラベルLA,LBそれぞれにおける色設定のみならず下ラベルLBと上ラベルLAの区別も決定し、S45でその区別も表示される。これにより、ユーザが望む最終的な重ね貼りラベルLABの外観色の配色パターンを構築できる複数の印字ラベルLA,LBの外観色の組合せを精度よく決定し報知することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、S25~S35で、各印字ラベルLA,LBでの色設定と、下ラベルLBと上ラベルLAの区別との組合せが複数パターン決定され、S30でそれらが一覧可能に表示部14に表示される。ユーザがその一覧表示された中から1つのパターンを指定することで、その指定がS45で受け付けられる。これにより、ユーザは、表示部14に一覧表示された複数のパターンの中から1つのパターンを選ぶだけで、自らが望む最終的な重ね貼りラベルLABの外観色の配色パターンを簡単に構築することができる。
【0079】
また、本実施形態では特に、予め、互いに異なる種類の基材テープ102やインクリボン106をそれぞれ収納した複数種類のカートリッジ101の例えば型番などの識別情報がカートリッジ管理テーブルに記憶されている。そして、S25~S35では、その記憶された複数種類のカートリッジ101の型番の中から、重ね合わされる印字ラベルLの数と同数のカートリッジ101の型番を決定することで、色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。すなわち、ラベルプリンタ3が互いに異なる種類の基材テープ102やインクリボン106をそれぞれ備えた複数のカートリッジ101をカートリッジホルダ22に順次装着して種々の印字ラベルLを作成する場合、装着されるカートリッジ101の種類とできあがる印字ラベルLの色設定とは1対1に対応する。これにより、S25~S35においてどのカートリッジ101を使うかを決定することで色設定を決定することができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、市場で入手可能な全種類のカートリッジ101の型番が予めカートリッジ管理テーブルに記憶されており、S25~S35ではその全種類の中から重ね貼りラベルLABのために使用するカートリッジ101を決定することで、上記色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。これにより、ユーザは、世の中で販売されているすべてのカートリッジ101のうちどれとどれを使用すれば自らの望む外観色の配色パターンにある重ね貼りラベルLABを作成できるか、を知ることができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、例えばユーザが所持している種類又は入手予定の種類のカートリッジ101が、ユーザIDに関連付けられる形で予めカートリッジ管理テーブルに記憶されている。そして、S25~S35では、その記憶されているカートリッジ101の種類の中から重ね貼りラベルLABのために使用するカートリッジ101を決定することで、上記色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。これにより、ユーザは、上記所持している又は入手予定のカートリッジ101のうちどれとどれを使用すれば自らの望む外観色の配色パターンの重ね貼りラベルLABを作成できるか、を知ることができる。
【0082】
なお、本実施形態では、上記
図10の各レイヤーモニタ41,42におけるテープ色表示部51と印字色表示部52のそれぞれの設定内容は、配色パターン分解の処理によって自動的に切り換え表示されていたが、これに限られない。例えば上ラベルLAの第1レイヤーモニタ41における印字色表示部52と、下ラベルLBの第2レイヤーモニタ42におけるテープ色表示部51と印字色表示部52とについては、それぞれ操作器13を介したユーザからの指定操作によって任意に設定されてもよい。
【0083】
ラベルプリンタ3では、カートリッジ101に備えられている基材テープ102とインクリボン106とが用いられ、印字ヘッド29はインクリボン106を用いて基材テープ102に貼り合われるカバーフィルム104に対して印字を行う。そしてこれに対応し、上記のようなユーザによるテープ色表示部51と印字色表示部52の任意の指定操作を受け付ける場合、操作端末2のCPU11が実行するS20では、重ね貼りラベルLABにおける色分け設定として、基材テープ102のテープ色設定とインクリボン106による印字色設定とが受け付けられる。これにより、ユーザは、重ね貼りラベルLABの各領域において、何色の基材テープ102上に何色の印字が形成されている外観としたいか、を指定することができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、S20で受け付けられた色分け設定が、重ね合わされる各印字ラベルLA,LBのテープ色同士又は印字色同士が混じることで実現されるように、S25~S35での色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。これにより、複数の印字ラベルLA,LBが重ね貼りされて重ね貼りラベルLABが構築される際、その重ね貼りラベルLABの外観における最終的なテープ色又は印字色を、各印字ラベルLA,LBのテープ色同士又は印字色同士の混色によって発現することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、上記
図10の第2レイヤーモニタ42におけるテープ色表示部51の設定内容は、配色パターン分解の処理によって自動的に切り換え表示されていたが、これに限られない。例えば下ラベルLBの第2レイヤーモニタ42におけるテープ色表示部51については、それぞれ操作器13を介したユーザからの指定操作によって任意に設定されてもよい。
【0086】
この場合、S20においてユーザによる下ラベルLBのテープ色の指定が受け付けられ、S25~S35では、その受け付け結果に対応して色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。なお、この場合のS20がテープ色受付手順の一例である。これにより、複数の印字ラベルLA,LBのテープ色又は印字色同士を混色させる際に、1つの印字ラベルLのテープ色をユーザの所望する1つの色に限定しつつそれ以外を適宜に調整し、重ね貼りラベルLABでのテープ色又は印字色を発現させることができる。
【0087】
また、本実施形態では特に、1つの色種類である純色1、別の1つの色種類である純色2、それらを混色した結果生じる色種類の混色、が互いに混色相関として対応付けられており、その混色相関が色分解テーブルに記憶されている。そしてCPU11が実行するS25において上記色分解テーブルの混色相関が参照され、S30及びS35ではその参照結果に基づいて色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別が決定される。このように、混色前の純色1,2と混色後の混色とが予め対応付けられて記憶されていることにより、混色による色分け設定の実現を前提としたS25~S35での色設定及び下ラベルLBと上ラベルLAの区別の決定を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0088】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0089】
(1)混色させずに単なる領域仕分けで色分け設定を実現する場合
本変形例では、各印字ラベルLA,LBの印字色で透過性を持たせる印字制御ができない場合、すなわち混色ができない場合などに対して、可能な限り多くの表現色数を確保するための色分け設定の手法について説明する。
【0090】
そのような本変形例の手法を上記
図4に対応する
図14により説明する。
図14(a)は、本変形例の手法により、1つの重ね貼りラベルLABの配色パターンから2つの印字ラベルLA,LBの印字パターンに配色パターン分解する一例を表している。
図14(b)は、上記
図14(a)の配色パターン分解において適用し得る全ての重ねパターンを表している。
【0091】
図14(a)に示す例では、重ね貼りラベルLABの配色パターンにおいて、黄色のテープ色上に左から赤色の矩形Pab8と青色の矩形Pab9が順に密接に並んで形成されている。青色の矩形Pab9は、テープ長さ方向に対して赤色の矩形Pab8の2倍の長さ寸法で形成されている。赤色の矩形Pab8中には青色の星型マークMab3が形成され、青色の矩形Pab9中には左から赤色の星型マークMab4と黄色の2つの星型マークMab5が並んで形成されている。このような配色パターンの場合、表現色数は3つであり、混色せずとも例えば図示するように下ラベルLBの黄色のテープ色と赤色の印字色、及び上ラベルLAの青色の印字色の色分け設定で配色パターン分解できる。
【0092】
具体的には、下ラベルLBにおいてテープ色を黄色とし、星型マークMb1が抜かれた赤色の印字色の矩形Pb4と赤色の印字色の星型マークMb2の印字パターンを形成する。また、上ラベルLAにおいてテープ色が透明であり、青色の印字色で左側に位置する星型マークMa3と、2つの星型マークMa4,Ma5が抜かれた長い寸法で青色の印字色の矩形Pa3の印字パターンを形成する。この場合、下ラベルLBと上ラベルLAでそれぞれの印字色の印字パターンを相互に入れ替えても同様の重ね貼りラベルLABの配色パターンを実現できる。
【0093】
このように下ラベルLBと上ラベルLAとの間で印字色と印字パターンの互換性を有することができるのは、2つの印字を重複させる上記
図4(b)中の重ねパターンJ-IVを排除しているためである。つまり本変形例による色分け設定では、
図4(b)に示すように重ねパターンJ-I,J-II、J-IIIだけを適用し、各領域ごとに1つの印字色だけを分担させるよう色分け設定している。
【0094】
なお、上記の配色パターン分解の例における重ね貼りラベルLABでの赤色の印字色の印字パターンの領域が第1領域の一例であり、この赤色の設定が第1色分け設定の一例であり、重ね貼りラベルLABでの青色の印字色の印字パターンの領域が第2領域の一例であり、この青色の設定が第2色分け設定の一例である。また、下ラベルLBが第1印字ラベルの一例であり、下ラベルLBの印字パターンの領域が第3領域の一例であり、上ラベルLAが第2印字ラベルの一例であり、上ラベルLAの印字パターンの領域が第4領域の一例である。
【0095】
<変形例の効果>
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
【0096】
また上記に加え、本変形例においては特に、例えば重ね貼りラベルLABの赤色の印字色の領域及び青色の印字色の領域に対する色分け設定が上記S20で受け付けられた場合、赤色の印字色の領域の色の発現は下ラベルLBに振り分けられ、青色の印字色の領域の色の発現は上ラベルLAに振り分けられる。すなわち、下ラベルLBのうち上記赤色の印字色の領域に対応する印字パターンの領域に対し赤色の印字色の色分け設定がなされることで、当該下ラベルLBにおいて重ね貼りラベルLABの赤色の印字色の領域への色分け設定と同等の色の発現が行われる。同様に、上ラベルLAのうち上記青色の印字色の領域に対応する印字パターンの領域に対し青色の印字色の色分け設定がなされることで、当該上ラベルLAにおいて重ね貼りラベルLABの青色の印字色の領域への色分け設定と同等の色の発現が行われる。これにより、S20で受け付けられた色分け設定を、各印字ラベルLA,LBのテープ色又は印字色の混色ではなく、重ね貼りラベルLABの複数の領域それぞれの色に対応した複数の印字ラベルLA,LBそれぞれにおける色分担によって実現することができる。
【0097】
(2)その他
また、以上においては、基材テープ102とは別のカバーフィルム104に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0098】
また、
図13に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0099】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0100】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0101】
2 操作端末(端末装置の一例)
3 ラベルプリンタ(印刷装置の一例)
11 CPU(制御部の一例)
14 表示部
22 カートリッジホルダ(装着手段の一例)
29 印字ヘッド(印字手段の一例)
101 カートリッジ(媒体収納体の一例)
104 カバーフィルム(印字媒体の一例)
L 印字ラベル
LA 上ラベル(印字ラベルの一例)
LB 下ラベル(印字ラベルの一例)
LAB 重ね貼りラベル(印字ラベル体の一例)