(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071530
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】仮想空間提供装置、仮想空間提供方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
A63F 13/63 20140101AFI20220509BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220509BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20220509BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20220509BHJP
【FI】
A63F13/63
G06F13/00 650R
A63F13/533
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180555
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】505457994
【氏名又は名称】学校法人東京医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】520422083
【氏名又は名称】株式会社JSMG
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】梅津 知宏
(72)【発明者】
【氏名】大野 慎一郎
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AB06
5B084BA03
5B084BB14
5B084CA12
5B084CF12
5E555AA27
5E555AA71
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC08
5E555BE17
5E555DB32
5E555DD07
5E555DD11
5E555EA04
5E555EA05
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 非意識的なユーザの情報に基づきアバターを設定できる、新たな仮想空間の提供装置を提供する。
【解決手段】 本発明の仮想空間提供装置は、記憶手段、オリジナル情報取得手段、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定手段を含み、前記記憶手段は、少なくとも一つの特定遺伝子の遺伝子関連情報を含み、前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられており、前記オリジナル情報取得手段は、オリジナルに関する特定遺伝子のバリアント情報を取得し、前記アバター設定手段は、意識非依存型選択手段を含み、前記意識非依存型選択手段は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段、オリジナル情報取得手段、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定手段を含み、
前記記憶手段は、
少なくとも一つの特定遺伝子の遺伝子関連情報を含み、
前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられており、
前記オリジナル情報取得手段は、
オリジナルに関する特定遺伝子のバリアント情報を取得し、
前記アバター設定手段は、
意識非依存型手段を含み、
前記意識非依存型手段は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する、
ことを特徴とする仮想空間提供装置。
【請求項2】
前記記憶手段において、前記遺伝子関連情報は、複数の特定遺伝子の情報を含む、請求項1記載の仮想空間提供装置。
【請求項3】
前記遺伝子関連情報における特定情報が、性格、嗜好、習慣および体型からなる群から選択された少なくとも一つのである、請求項1または2に記載の仮想空間提供装置。
【請求項4】
前記遺伝子関連情報は、前記候補バリアント情報に依存する特徴情報に、重みづけ情報が紐づけられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の仮想空間提供装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、さらに、アバターの設定候補情報を含み、
前記アバターの設定候補情報は、画像、性格、知識、趣味、興味、長所、短所、および目標からなる群から選択された少なくとも一つの項目に関する複数の候補情報を含み、
前記アバター設定手段は、
さらに、意識依存型手段を含み、
前記意識依存型手段は、前記アバターの設定候補情報に関するオリジナルによる選択情報を、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の仮想空間提供装置。
【請求項6】
前記設定候補情報は、前記候補情報に、重みづけ情報が紐づけられている、請求項5に記載の仮想空間提供装置。
【請求項7】
さらに、出力手段を含み、
前記出力手段は、設定された特徴情報に基づくアバターを仮想空間に出力する、請求項1から6のいずれか一項に記載の仮想空間提供装置。
【請求項8】
オリジナル情報取得工程、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定工程を含み、
記憶手段を使用し、
前記記憶手段は、
少なくとも一つの特定遺伝子の遺伝子関連情報を含み、
前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられており、
前記オリジナル情報取得工程は、
オリジナルに関する特定遺伝子のバリアント情報を取得し、
前記アバター設定工程は、
意識非依存型選択工程を含み、
前記意識非依存型選択工程は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する、
ことを特徴とする仮想空間提供方法。
【請求項9】
前記記憶手段において、前記遺伝子関連情報は、複数の特定遺伝子の情報を含む、請求項8に記載の仮想空間提供方法。
【請求項10】
前記遺伝子関連情報における特定情報が、性格、嗜好、習慣および体型からなる群から選択された少なくとも一つのである、請求項8または9に記載の仮想空間提供方法。
【請求項11】
前記遺伝子関連情報は、前記候補バリアント情報に依存する特徴情報に、重みづけ情報が紐づけられている、請求項8から10のいずれか一項に記載の仮想空間提供方法。
【請求項12】
前記記憶手段は、さらに、アバターの設定候補情報を含み、
前記アバターの設定候補情報は、画像、性格、知識、趣味、興味、長所、短所、および目標からなる群から選択された少なくとも一つの項目に関する複数の候補情報を含み、
前記アバター設定工程は、
さらに、意識依存型工程を含み、
前記意識依存型工程は、前記アバターの設定候補情報に関するユーザによる選択情報を、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する、請求項8から10のいずれか一項に記載の仮想空間提供方法。
【請求項13】
前記設定候補情報は、前記候補情報に、重みづけ情報が紐づけられている、請求項12に記載の仮想空間提供方法。
【請求項14】
さらに、出力工程を含み、
前記出力工程は、設定された特徴情報に基づくアバターを仮想空間に出力する、請求項8から13のいずれか一項に記載の仮想空間提供方法。
【請求項15】
請求項8から14のいずれか一項に記載の仮想空間提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間提供装置、仮想空間提供方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの化身となるアバターを仮想空間に登場させ、前記仮想空間内で、町や村等での生活環境を構築したり、他のユーザのアバターと交流するゲームが、広く普及されている。このようなゲームでは、通常、ユーザが、アバターの候補画像から好みの画像を選択し、さらに、性格、嗜好、長所、短所等のキャラクターを特徴づける項目を選択し、ユーザ自らの希望に沿ったアバターが設定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなアバターの設計方法によると、ユーザ自らが望むキャラクターとして仮想空間内でそのアバターを行動させることができる。しかしながら、そのアバターは、ユーザが設定しているものの、現実世界のユーザ自身が強く反映されたアバターとは限らない。また、ユーザ自らの選択で設定されたアバターであるため、仮想空間でのアバターの行動もユーザの想定範囲となる。
【0004】
一方、仮想空間におけるアバターが、ユーザが現実世界で意識できていないユーザの特徴を反映できれば、仮想空間におけるアバターの行動によって、ユーザが自身についての新たな気付きを得られる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、非意識的なユーザの情報に基づきアバターを設定できる、新たな仮想空間の提供装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の仮想空間提供装置は、
記憶手段、オリジナル情報取得手段、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定手段を含み、
前記記憶手段は、
少なくとも一つの特定遺伝子の遺伝子関連情報を含み、
前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられており、
前記オリジナル情報取得手段は、
オリジナルに関する特定遺伝子のバリアント情報を取得し、
前記アバター設定手段は、
意識非依存型選択手段を含み、
前記意識非依存型選択手段は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定することを特徴とする。
【0007】
本発明の仮想空間提供方法は、オリジナル情報取得工程、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定工程を含み、記憶手段を使用し、
前記記憶手段は、
少なくとも一つの特定遺伝子の遺伝子関連情報を含み、
前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられており、
前記オリジナル情報取得工程は、
オリジナルに関する特定遺伝子のバリアント情報を取得し、
前記アバター設定工程は、
意識非依存型選択工程を含み、
前記意識非依存型選択工程は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定することを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、前記本発明の仮想空間提供方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現実空間のユーザ(オリジナル)の遺伝子のバリアント情報に基づく特徴をアバターに設定できるため、ユーザが意識的に設定する以外の特徴を、アバターに付与することができる。このため、例えば、仮想空間におけるアバターの行動から、ユーザ自身に対して、ユーザの性格や好み等について新たな気付きを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の仮想空間提供装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の仮想空間提供装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
[実施形態1]
本発明の仮想空間提供装置および仮想空間提供方法の一例について、図を用いて説明する。なお、本発明は、仮想空間に登場するアバターを設定できることから、例えば、仮想空間におけるアバターの製造装置およびアバターの製造方法ともいえる。
【0014】
図1は、本実施形態の仮想空間提供装置の一例の構成を示すブロック図である。顔認証装置10は、記憶手段11、オリジナル情報取得手段12、およびアバター設定手段13を含み、さらに、例えば、任意で出力手段14を含む。仮想空間提供装置10は、例えば、仮想空間提供システムともいう。
【0015】
仮想空間提供装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。仮想空間提供装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)、端末でもよい。前記端末は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話等があげられる。
【0016】
図2に、
図1の仮想空間提供装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。仮想空間提供装置10は、例えば、プロセッサの一例としてCPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、入力装置104、ディスプレイ105、通信デバイス106、記憶装置107等を有する。
【0017】
仮想空間提供装置10の各部は、例えば、それぞれのインターフェース(I/F)により、バス103を介して、相互に接続されている。前記I/Fは、例えば、外部機器とも接続できる。仮想空間提供装置10は、例えば、前記I/Fに接続された通信デバイス106により、通信回線網20に接続でき、通信回線網20を介して、前記外部機器と接続することもできる。前記外部機器は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット、携帯電話等の端末があげられる。
【0018】
CPU101は、仮想空間提供装置10の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。仮想空間提供装置10において、CPU101により、例えば、本発明のプログラム等のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、オリジナル情報取得手段12、アバター設定手段13、出力手段14等として機能する。
【0019】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)を含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置107に記憶されている本発明のプログラム等の種々のプログラム108を、メモリ102が読み込み、CPU101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラム108を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0020】
記憶装置107は、例えば、前記メインメモリに対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置107には、前述のように、本発明のプログラムを含むプログラム108および記憶部11が格納されている。記憶装置107は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置107は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。
【0021】
仮想空間提供装置10は、例えば、さらに、入力装置104、およびディスプレイ105を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。ディスプレイ105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。仮想空間提供装置10は、例えば、ディスプレイ105を有する場合、設定されたアバターを、出力手段15によりディスプレイ105に出力し、ディスプレイ105で表示してもよいし、出力手段15により通信デバイス106を介して、前記外部機器等に出力してもよい。
【0022】
本発明において、「オリジナル」とは、仮想空間にアバターとして参加する現実空間の参加者である。前記参加者は、例えば、ユーザである。前記参加者は、例えば、ユーザの他に、ユーザのペット等でもよい。本実施形態においては、オリジナルをユーザとして説明する。
【0023】
仮想空間提供装置10において、記憶手段11は、アバター設定情報111を含む。アバター設定情報111は、前記遺伝子関連情報を含む。
【0024】
前記遺伝子関連情報は、前記特定遺伝子の複数の候補バリアント情報と、前記各候補バリアント情報に依存する特徴情報とが、紐づけられた情報である。前記遺伝子関連情報は、アバターを特徴づけるための情報であるが、例えば、ユーザが意識的に選択するものではないことから、意識非依存的なアバター設定情報ともいう。前記遺伝子関連情報は、例えば、複数の特定遺伝子の情報を含む。
【0025】
人をはじめとする動物の遺伝子には、例えば、性格、嗜好、習慣、体型等の特徴項目に関連する遺伝子があり、その遺伝子のバリアントごとに特徴項目の傾向を分類できる。そこで、例えば、このような各特定遺伝子に関して、複数のバリアント情報(候補バリアント情報)と、各候補バリアントに依存する特徴情報とを紐づけることで、前記遺伝子関連情報として、記憶手段11に格納することができる。
【0026】
記憶手段11は、アバター設定情報111として、例えば、さらに、設定候補情報を含む。前記設定候補情報は、アバターを特徴づけるための、ユーザが意識的に選択できる情報であるたま、意識依存的なアバター設定情報ともいう。前記設定候補情報は、例えば、画像、性格、知識、趣味、興味、長所、短所、および目標からなる群から選択された少なくとも一つの項目に関する複数の候補情報を含む。前記画像は、例えば、アバターの顔、髪型、体型、服装等が選択可能に含まれている。
【0027】
前記遺伝子関連情報は、例えば、前記候補バリアント情報に依存する特徴情報に、重みづけ情報が紐づけられており、前記設定候補情報は、例えば、前記候補情報に、重みづけ情報が紐づけられている。本実施形態においては、後述するように、例えば、前記遺伝子関連情報に基づく特徴として性格が設定され、一方、ユーザの意識的な選択により前記設定候補情報からも性格が設定される。この際、前記遺伝子関連情報および前記設定候補情報のそれぞれに相対的な重みづけ情報を紐づけておくことによって、例えば、意識非依存的な性格を優先させたり、意識依存的な性格を優先させることができる。
【0028】
仮想空間提供装置10において、オリジナル情報取得手段12は、ユーザ(オリジナル)に関する特定遺伝子のバリアント情報を取得する。前記ユーザのバリアント情報は、例えば、入力装置104または通信デバイス106を介した入力により、オリジナル情報取得手段12により取得できる。
【0029】
ユーザのバリアント情報は、例えば、遺伝子解析機関等で解析された情報であり、ユーザによって入力されてもよい。また、例えば、ユーザに対して本発明を提供する提供者が、ユーザから遺伝子解析用の試料を提供してもらい、遺伝子解析機関等で解析を行い、その解析情報を、前記提供者によって入力されてもよい。前記入力されたバリアント情報は、例えば、後述するように、ユーザ情報112として記憶手段11に格納してもよい。
【0030】
仮想空間提供装置10において、アバター設定手段13は、意識非依存型選択手段と、任意で意識依存型選択手段とを含む。
【0031】
前記意識非依存型選択手段は、前記ユーザのバリアント情報から、記憶手段11の前記遺伝子関連情報において紐づけられた特徴情報を選択し、前記ユーザに対するアバターの特徴情報として設定する。これによって、前記ユーザのアバターは、前記ユーザが意識していない遺伝子ベースの特徴が付与される。前記ユーザのバリアント情報および前記バリアント情報によって設定される特徴情報は、例えば、記憶手段11において、ユーザ情報112として格納されてもよい。ユーザ情報112は、例えば、氏名、ハンドルネーム、ID、パスワード等のユーザを特定する情報等を含み、ユーザごとに各情報が紐づけられる。
【0032】
前記意識依存型選択手段は、前記アバターの設定候補情報に関するユーザによる選択情報を、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する。仮想空間提供装置10は、例えば、出力手段14を介してディスプレイ105に前記設定候補情報を出力し、出力された前記設定候補情報からユーザが選択した前記選択情報を、入力装置104を介して入力することができる。前記ユーザの選択情報は、例えば、記憶手段11において、ユーザ情報112として格納できる。
【0033】
出力手段14は、例えば、設定された特徴情報に基づくアバターを仮想空間に出力する。出力されたアバターは、例えば、ディスプレイ105において、前記仮想空間内に表示できる。
【0034】
仮想空間提供装置10において、記憶装置107内のプログラム108は、アバターを設定する本発明のプログラムの他に、例えば、ゲームのストーリに応じたプログラムを含む。仮想空間提供装置10は、仮想空間内に、設定されたアバターを登場させ、前記ゲームのプログラムに基づいて、ゲームを進めることができる。本発明において、ゲームの内容は、何ら制限されない。
【0035】
つぎに、本実施形態の仮想空間提供方法について説明する。本実施形態の仮想空間提供方法は、例えば、
図1および
図2に示す仮想空間提供装置10を用いて実施できるが、仮想空間提供装置10の使用には限定されない。
【0036】
本実施形態の仮想空間提供方法は、前述のように、オリジナル情報取得工程、およびオリジナルに対する仮想空間のアバター設定工程を含み、記憶手段を使用する。前記記憶手段は、例えば、記憶手段11の記載を援用できる。
【0037】
前記オリジナル情報取得工程は、ユーザ(オリジナル)に関する特定遺伝子のバリアント情報を取得する工程であり、例えば、仮想空間提供装置10のオリジナル情報取得手段12により実行できる。
【0038】
前記アバター設定工程は、意識非依存型選択工程を含み、前記意識非依存型選択工程は、前記オリジナルのバリアント情報から、前記記憶手段において紐づけられた特徴情報を選択し、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する。この工程は、例えば、仮想空間提供装置10のアバター設定手段13(前記意識非依存型手段)により実行できる。
【0039】
前記アバター設定工程は、さらに、意識依存型工程を含み、前記意識依存型工程は、前記アバターの設定候補情報に関するユーザによる選択情報を、前記オリジナルに対するアバターの特徴情報として設定する。この工程は、例えば、仮想空間提供装置10のアバター設定手段(意識依存型手段)により実行できる。
【0040】
本実施形態の仮想空間提供方法は、例えば、さらに、出力工程を含む。前記出力工程は、例えば、設定された特徴情報に基づくアバターを仮想空間に出力する。前記工程は、例えば、仮想空間提供装置10の出力手段14により実行できる。
【0041】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、前記本発明の仮想空間提供方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。本実施形態のプログラムは、例えば、プロセッサおよびメモリを備えたコンピュータによって実行させるプログラムであって、プログラムは、前記プロセッサに、前記本発明の仮想空間提供方法を実行させる。また、本実施形態のプログラムは、例えば、通信可能な端末にダウンロード可能なアプリケーションプログラムである。
【0042】
または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述のような記憶媒体等があげられる。
【0043】
(応用例1)
アイドルグループのメンバーのアバターが登場する仮想空間に、ユーザが自らのアバターを参加させることで、メンバーのアバターと交流できるゲームを想定する。この場合、ユーザは、現実世界において、アイドルグループの中でもいずれかのメンバーを自らのお気に入りとして応援しているのが一般的である。このため、ユーザ自ら設定したアバターも、設定時の情報から、仮想空間でも、お気に入りのメンバーを好む行動を示すことになる。
【0044】
一方、このようなゲームに、本発明を適用した場合、アイドルグループのメンバーについても、メンバー自身が意識的に選択した特徴情報の他、遺伝子のバリアント情報に紐づけられた特徴情報に基づいて、アバターが設定できる。そして、その仮想空間に参加するユーザについても、ユーザ自身が意識的に選択した特徴情報の他、遺伝子のバリアント情報に紐づけられた特徴情報に基づいて、アバターが設定できる。このように遺伝子ベースの情報を加味して設定された各アバターが、仮想空間において行動するため、例えば、各メンバーのアバターは、現実空間からはユーザが想像しなかった行動をとる場合がある。ユーザは、そのようなメンバーのアバターの行動を仮想空間を通じて観ることによって、お気に入りのメンバーに新たな興味をもったり、注目していなかったメンバーに対して新たな興味をもつ可能性がある。また、ユーザ自身のアバターも、現実空間からは想像しなかった行動をとる場合がある。ユーザは、そのような自身のアバターの行動を仮想空間を通じて観ることによって、自らの性格や好みについて新たな気付きを得る可能性がある。また、例えば、ユーザ自身のアバターが、仮想空間において、お気に入りメンバーではなく、他のメンバーのアバターとの交流をより積極的に行う行動をとると、遺伝子ベースでの自らの好みに気づきを得る可能性がある。このように、ユーザのアバターおよびメンバーのアバターが、現実空間からは想像できない行動を示すことで、例えば、ユーザに、自身への新たな気付きを得てもらったり、他のメンバーへの興味を持ってもらうことが可能になる。
【0045】
この応用例は、例えば、アイドルグループには限定されず、俳優群、劇団、スポーツチーム、アスリート群等が登場する仮想空間等に応用できる。
【0046】
(応用例2)
ユーザのペットのアバターを仮想空間に参加させたり、さらにユーザが自身のアバターを同じ仮想空間に参加させて、ペットのアバターと交流するゲームを想定する。この場合、ユーザ自身が、現実空間におけるペットの行動等から意識的に選択した特徴情報により、ペットのアバターを設定するのが一般的である。
【0047】
一方、このようなゲームに、本発明を適用した場合、ペットおよびユーザ自身について、ユーザ自身が意識的に選択した特徴情報の他、遺伝子のバリアント情報に紐づけられた特徴情報に基づいて、それぞれアバターが設定される。このように遺伝子ベースの情報を加味して設定されたた各アバターが、仮想空間において行動するため、例えば、ペットのアバターとユーザのアバターは、現実空間からはユーザが想像しなかった行動をとる場合がある。このように、ユーザのアバターおよびペットのアバターが、現実空間からは想像できない行動を示すことで、例えば、ユーザに、自身とペットへの新たな気付きを得てもらうことが可能になる。
【0048】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、現実空間のユーザ(オリジナル)の遺伝子のバリアント情報に基づく特徴をアバターに設定できるため、ユーザが意識的に設定する以外の特徴を、アバターに付与することができる。このため、例えば、仮想空間におけるアバターの行動から、ユーザ自身に対して、ユーザの性格や好み等について新たな気付きを与えることができる。
【符号の説明】
【0050】
10 仮想空間提供装置
11 記憶手段
12 オリジナル情報取得手段
13 アバター設定手段
14 出力手段