(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071538
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】距離画像撮像素子及び距離画像撮像装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220509BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20220509BHJP
G01S 7/4863 20200101ALI20220509BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
G01S7/481 A
G01S7/4863
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180563
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大久保 優
(72)【発明者】
【氏名】中込 友洋
【テーマコード(参考)】
4M118
5J084
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA14
4M118CA04
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA38
4M118GA02
4M118GD03
4M118GD04
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA20
5J084BA36
5J084BB01
5J084CA03
5J084CA65
(57)【要約】
【課題】光電変換素子から電荷蓄積部に電荷を転送する転送トランジスタの特性を同様とし、光電変換素子が発生した電荷を同様の転送効率で電荷蓄積部に転送し、電荷蓄積部に蓄積される電荷から求まる距離の精度を向上させる距離画像撮像素子を提供する。
【解決手段】本発明は、入射光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、電荷を蓄積する電荷蓄積部と、電荷を電荷蓄積部に転送する転送MOSトランジスタ(以下、TR)と、光電変換素子から電荷を排出する電荷排出TRとを備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であり、光電変換素子の形状が長方形であり、転送TRが2M(Mは整数であり、M≧2)個、電荷排出TRが2N(Mは整数であり、N≧1)個設けられ、光電変換素子の長辺に平行で、光電変換素子の中心を通るx軸に対して線対称に、当該長辺の各々にM個の転送TRが対向して形成され、電荷排出TRが短辺に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた転送MOSトランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出MOSトランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であり、
前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、
前記転送MOSトランジスタが2M(Mは整数であり、M≧2)個、前記電荷排出MOSトランジスタが2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、
前記光電変換素子の長辺に平行で、当該光電変換素子の中心を通るx軸に対して線対称の位置に、当該長辺の各々にM個の前記転送MOSトランジスタがそれぞれ対向して形成され、前記電荷排出MOSトランジスタが前記光電変換素子の短辺に設けられている
ことを特徴とする距離画像撮像素子。
【請求項2】
前記転送MOSトランジスタが、前記短辺に平行で、前記光電変換素子の中心を通るy軸に対して線対称の位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の距離画像撮像素子。
【請求項3】
前記電荷蓄積部が、前記x軸に対して線対称に形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の距離画像撮像素子。
【請求項4】
前記画素回路の前記光が入射される面側にマイクロレンズが形成されており、当該マイクロレンズの光軸が、前記光電変換素子の入射面に垂直で、かつ当該入射面の中心を貫通する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の距離画像撮像素子。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の距離画像撮像素子が備えられた受光部と、
前記距離画像撮像素子が撮像した距離画像から、当該距離画像撮像素子から被写体までの距離を求める距離画像処理部と
を備えることを特徴とする距離画像撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離画像撮像素子及び距離画像撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光の速度が既知であることを利用し、空間(測定空間)における光の飛行時間に基づいて測定器と対象物との距離を測定する、タイム・オブ・フライト(Time of Flight、以下「TOF」という)方式の距離画像センサが実現されている。TOF方式の距離画像センサでは、測定対象に光(例えば、近赤外光など)パルスを照射し、光パルスを照射した時間と、測定空間における対象物によって反射した光パルス(反射光)が戻ってくる時間との差、つまり、測定器と対象物との間における光の飛行時間に基づいて、測定器と対象物との距離を測定している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような距離画像撮像装置を用いて、所定の距離にある物体までの距離を精度良く測定しようとする場合、上記画素から被写体からの反射光により発生した電荷量を、複数のゲートにより振り替えて精度良く読み出す必要がある。
TOF方式の距離画像センサは、光電変換素子が入射される光の光量を電荷に変換し、変換した電荷を電荷蓄積部に蓄積し、AD変換器により蓄積された電荷の電荷量に対応したアナログ電圧をデジタル値に変換している。
また、TOF方式の距離画像センサは、電荷量に対応したアナログ電圧や、デジタル値に含まれる、測定器と対象物との間における光の飛行時間の情報により、測定器と対象物との距離を求めている。
【0004】
ここで、距離画像撮像装置においては、光パルスを照射した時点から、被写体で反射した光パルスが戻ってくるまでの遅延時間を、光電変換素子が発生した電荷を、所定の周期毎に電荷蓄積部の各々に蓄積し、それぞれの電荷蓄積部に蓄積された電荷量によって求めている。そして、上記遅延時間と光速とを用いて、距離撮像画像装置から被写体までの距離を求めている。
そのため、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送するため、光電変換素子と電荷蓄積部の各々とには電荷を転送する転送ゲート(トランジスタ)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光電変換素子と電荷蓄積部との間に設けられる転送ゲートの転送特性が、レイアウトに起因して異なる場合、正確な距離の測定が行えない。
すなわち、転送ゲートの転送特性にばらつきが存在する場合、光電変換素子が同一の電荷量の電荷を発生しても、それぞれの転送ゲートから各電荷蓄積部に振り替える際、電荷蓄積部の各々に蓄積される電荷量が異なってしまう。
これにより、転送ゲートの各々の転送特性にばらつきが存在することにより、光電変換素子に発生した電荷が同様の転送効率により電荷蓄積部の各々に転送されず、測定される距離の精度が低減してしまう。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、光電変換素子から電荷蓄積部の各々に電荷を転送する転送ゲートの転送特性を同様とし、光電変換素子が発生した電荷を同様の転送効率により電荷蓄積部に転送し、電荷蓄積部に蓄積される電荷から測定される距離の精度を向上させる離画像撮像素子及び距離画像撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の距離画像撮像素子は、測定対象の空間から入射した光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部と、前記光電変換素子から前記電荷を前記電荷蓄積部に転送する転送経路上に設けられた転送MOSトランジスタと、前記光電変換素子から前記電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出MOSトランジスタとを少なくとも備える画素回路が半導体基板上に形成された距離画像撮像素子であり、前記光電変換素子の表面における平面視の形状が長方形であり、前記転送MOSトランジスタが2M(Mは整数であり、M≧2)個、前記電荷排出MOSトランジスタが2N(Nは整数であり、N≧1)個設けられ、前記光電変換素子の長辺に平行で、当該光電変換素子の中心を通るx軸に対して線対称の位置に、当該長辺の各々にM個の前記転送MOSトランジスタがそれぞれ対向して形成され、前記電荷排出MOSトランジスタが前記光電変換素子の短辺に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の距離画像撮像素子は、前記転送MOSトランジスタが、前記短辺に平行で、前記光電変換素子の中心を通るy軸に対して線対称の位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の距離画像撮像素子は、前記電荷蓄積部が、前記x軸に対して線対称に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の距離画像撮像素子は、前記画素回路の前記光が入射される面側にマイクロレンズが形成されており、当該マイクロレンズの光軸が、前記光電変換素子の入射面に垂直で、かつ当該入射面の中心を貫通することを特徴とする。
【0012】
本発明の距離画像撮像装置は、上記距離画像撮像素子のいずれかの距離画像撮像素子が備えられた受光部と、前記距離画像撮像素子が撮像した距離画像から、当該距離画像撮像素子から被写体までの距離を求める距離画像処理部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、光電変換素子から電荷蓄積部の各々に電荷を転送する転送ゲートの転送特性を同様とし、光電変換素子が発生した電荷を同様の転送効率により電荷蓄積部に転送し、電荷蓄積部に蓄積される電荷から測定される距離の精度を向上させる距離画像撮像素子及び距離画像撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本
図1は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置の概略構成を示したブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の概略構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる個体撮像素子である距離画像センサ32(距離画像撮像素子)の受光領域320内に配置された画素回路321の構成の一例を示した回路図である。
【
図4】第1の実施形態における画素回路321の各トランジスタの配置(レイアウトパターン)の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態における
図4における光電変換素子PDと転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDとの配置関係の一例を示す図である。
【
図6】転送トランジスタGによる光電変換素子PDからフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送について説明する図である。
【
図7】ドレインゲートトランジスタGDによる光電変換素子PDから電源VDDへの電荷の排出について説明する図である。
【
図8】第2の実施形態における画素回路321における、光電変換素子PDと転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDとの配置関係の一例を示す図である。
【
図9】第3の実施形態における画素回路321のフォトダイオードPDとマイクロレンズMLとの位置関係を示す図である。
【
図10】複数の画素回路321が配置された受光領域320の一部分におけるレンズアレイを示す平面図である。
【
図11】
図10におけるマイクロレンズMLが設けられた画素回路321のレンズアレイの断面図である。
【
図12】
図10におけるマイクロレンズMLが設けられた画素回路321のレンズアレイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示した構成の距離画像撮像装置1は、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とを備える。なお、
図1には、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象物である被写体Sも併せて示している。距離画像撮像素子は、例えば、受光部3における距離画像センサ32(後述)である。
【0016】
光源部2は、距離画像処理部4からの制御に従って、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体Sが存在する撮影対象の空間に光パルスPOを照射する。光源部2は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光型の半導体レーザーモジュールである。光源部2は、光源装置21と、拡散板22とを備える。
【0017】
光源装置21は、被写体Sに照射する光パルスPOとなる近赤外の波長帯域(例えば、波長が850nm~940nmの波長帯域)のレーザー光を発光する光源である。光源装置21は、例えば、半導体レーザー発光素子である。光源装置21は、タイミング制御部41からの制御に応じて、パルス状のレーザー光を発光する。
拡散板22は、光源装置21が発光した近赤外の波長帯域のレーザー光を、被写体Sに照射する面の広さに拡散する光学部品である。拡散板22が拡散したパルス状のレーザー光が、光パルスPOとして出射され、被写体Sに照射される。
【0018】
受光部3は、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体Sによって反射された光パルスPOの反射光RLを受光し、受光した反射光RLに応じた画素信号を出力する。受光部3は、レンズ31と、距離画像センサ32とを備える。
レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32に導く光学レンズである。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32側に出射して、距離画像センサ32の受光領域に備えた画素回路に受光(入射)させる。
【0019】
距離画像センサ32は、距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子である。距離画像センサ32は、二次元の受光領域に複数の画素を備える。距離画像センサ32のそれぞれの画素回路(画素回路321)の中に、1つの光電変換素子と、この1つの光電変換素子に対応する複数の電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に電荷を振り分ける構成要素とが設けられる。
【0020】
距離画像センサ32は、タイミング制御部41からの制御に応じて、光電変換素子が発生した電荷をそれぞれの電荷蓄積部に振り分ける。また、距離画像センサ32は、電荷蓄積部に振り分けられた電荷量に応じた画素信号を出力する。距離画像センサ32には、複数の画素回路が二次元の行列状に配置されており、それぞれの画素回路の対応する1フレーム分の画素信号を出力する。
【0021】
距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1を制御し、被写体Sまでの距離を演算する。
距離画像処理部4は、タイミング制御部41と、距離演算部42とを備える。
タイミング制御部41は、距離の測定に要する様々な制御信号を出力するタイミングを制御する。ここでの様々な制御信号とは、例えば、光パルスPOの照射を制御する信号や、反射光RLを複数の電荷蓄積部に振り分ける信号、1フレームあたりの振り分け回数を制御する信号などである。振り分け回数とは、電荷蓄積部CS(
図3参照)に電荷を振り分ける処理を繰返す回数である。
【0022】
距離演算部42は、距離画像センサ32から出力された画素信号に基づいて、被写体Sまでの距離を演算した距離情報を出力する。距離演算部42は、複数の電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量に基づいて、光パルスPOを照射してから反射光RLを受光するまでの遅延時間Tdを算出する。距離演算部42は、算出した遅延時間Tdに応じて、距離画像撮像装置1から被写体Sまでの距離を演算する。
【0023】
このような構成によって、距離画像撮像装置1では、光源部2が被写体Sに照射した近赤外の波長帯域の光パルスPOが被写体Sによって反射された反射光RLを受光部3が受光し、距離画像処理部4が、被写体Sと距離画像撮像装置1との距離を測定した距離情報を出力する。
なお、
図1においては、距離画像処理部4を内部に備えた構成の距離画像撮像装置1を示しているが、距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1の外部に備える構成要素であってもよい。
【0024】
次に、距離画像撮像装置1において撮像素子として用いられる距離画像センサ32の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の概略構成を示したブロック図である。
図2に示すように、距離画像センサ32は、例えば、複数の画素回路321が配置された受光領域320と、制御回路322と、振り分け動作を有した垂直走査回路323と、水平走査回路324と、画素信号処理回路325とを備える。
【0025】
受光領域320は、複数の画素回路321が配置された領域であって、
図2では、8行8列に二次元の行列状に配置された例を示している。画素回路321は、受光した光量に相当する電荷を蓄積する。制御回路322は、例えば、距離画像処理部4のタイミング制御部41からの指示に応じて、距離画像センサ32の構成要素の動作を制御する。
【0026】
垂直走査回路323は、制御回路322からの制御に応じて、受光領域320に配置された画素回路321を行ごとに制御する回路である。垂直走査回路323は、画素回路321の電荷蓄積部CSそれぞれに蓄積された電荷量に応じた電圧信号を画素信号処理回路325に出力させる。
【0027】
画素信号処理回路325は、制御回路322からの制御に応じて、それぞれの列の画素回路321から出力された電圧信号に対して、予め定めた信号処理(例えば、ノイズ抑圧処理やA/D変換処理など)を行う。
水平走査回路324は、制御回路322からの制御に応じて、画素信号処理回路325から出力される信号を、順次、時系列に出力させる回路である。これにより、1フレーム分蓄積された電荷量に相当する画素信号が、距離画像処理部4に順次出力される。以下の説明においては、画素信号処理回路325がA/D変換処理を行い、画素信号がデジタル信号であるものとして説明する。
【0028】
ここで、距離画像センサ32に備える受光領域320内に配置された画素回路321の構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる個体撮像素子である距離画像センサ32(距離画像撮像素子)の受光領域320内に配置された画素回路321の構成の一例を示した回路図である。
図3の画素回路321は、4つの画素信号読み出し部を備えた構成例である。
【0029】
画素回路321は、1つの光電変換素子PDと、電荷排出トランジスタGD(後述するGD1、GD2)と、対応する出力端子Oから電圧信号を出力する4つの画素信号読み出し部RU(RU1からRU4)とを備える。画素信号読み出し部RUのそれぞれは、転送トランジスタGと、フローティングディフュージョンFDと、電荷蓄積容量Cと、リセットトランジスタRTと、ソースフォロアトランジスタSFと、選択トランジスタSLとを備える。フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとは、電荷蓄積部CSを構成している。
【0030】
図3に示した画素回路321において、出力端子O1から電圧信号を出力する画素信号読み出し部RU1は、転送トランジスタG1(転送MOSトランジスタ)と、フローティングディフュージョンFD1と、電荷蓄積容量C1と、リセットトランジスタRT1と、ソースフォロアトランジスタSF1と、選択トランジスタSL1とを備える。画素信号読み出し部RU1では、フローティングディフュージョンFD1と電荷蓄積容量C1とによって電荷蓄積部CS1が構成されている。画素信号読み出し部RU2、RU3及びRU4も同様の構成である。
【0031】
光電変換素子PDは、入射した光を光電変換して、入射した光(入射光)に応じた電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する埋め込み型のフォトダイオードである。本実施形態においては、入射光は測定対象の空間から入射される。
画素回路321では、光電変換素子PDが入射光を光電変換して発生させた電荷を4つの電荷蓄積部CS(CS1からCS4)のそれぞれに振り分け、振り分けられた電荷の電荷量に応じたそれぞれの電圧信号を、画素信号処理回路325に出力する。
また、距離画像センサ32に配置される画素回路の構成は、
図3に示したような、4つの画素信号読み出し部RU(RU1からRU4)を備えた構成に限定されるものではなく、画素信号読み出し部RUが2M(Mは整数であり、M≧2)個以上の複数の画素信号読み出し部RUを備えた構成の画素回路でもよい。すなわち、2M(Mは整数であり、M≧2)個以上の転送トランジスタGが備えられた構成の画素回路でもよい。
【0032】
上記距離画像撮像装置1の画素回路321の駆動において、光パルスPOが照射時間Toで照射され、遅延時間Td遅れて反射光RLが距離画像センサ32に受光される。垂直走査回路323は、光パルスPOの照射に同期させて、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の順に、光電変換素子PDに発生する電荷を振り替えて、それぞれに蓄積させる。
このとき、垂直走査回路323は、光電変換素子PDから電荷を電荷蓄積部CS1に転送する転送経路上に設けられた転送トランジスタG1をオン状態にする。これにより、光電変換素子PDにより光電変換された電荷が、転送トランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に蓄積される。その後、垂直走査回路323は、転送トランジスタG1をオフ状態にする。これにより、電荷蓄積部CS1への電荷の転送が停止される。このようにして、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CS1に電荷を蓄積させる。他の電荷蓄積部CS2、CS3及びCS4においても同様である。
【0033】
このとき、電荷蓄積部CSに電荷の振り分けを行なう電荷蓄積期間において、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、TX4の各々が、転送トランジスタG1、G2、G3、G4それぞれに供給される蓄積周期が繰返される。
そして、転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々を介して、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3、CS4それぞれに、光電変換素子PDから入射光に対応した電荷が転送される。電荷蓄積期間に複数の蓄積周期が繰返される。
これにより、電荷蓄積期間における電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の各々の蓄積周期毎に、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3、CS4それぞれに電荷が蓄積される。
【0034】
また、垂直走査回路323は、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の各々の蓄積周期を繰返す際、電荷蓄積部CS4に対する電荷の転送(振替)が終了した後、光電変換素子PDから電荷を排出する排出経路上に設けられた電荷排出トランジスタGDをオンさせる。
これにより、電荷排出トランジスタGDは、電荷蓄積部CS1に対する蓄積周期が開始される前に、直前の電荷蓄積部CS4の蓄積周期の後に光電変換素子PDに発生した電荷を破棄する(すなわち、光電変換素子PDをリセットさせる)。
【0035】
そして、垂直走査回路323は、受光画素部320内に配置された全ての画素回路321の各々から、それぞれ電圧信号を画素信号処理回路325に、画素回路321の行(横方向の配列)単位で順次出力させる。
そして、画素信号処理回路325は、入力される電圧信号の各々に対してA/D変換処理などの信号処理を行ない、水平走査回路324に対して出力する。
水平走査回路324は、信号処理を行った後の電圧信号を、受光画素部320の列の順番に、順次、距離算出部42出力させる。
【0036】
上述したような、垂直走査回路323による電荷蓄積部CSへ電荷の蓄積と光電変換素子PDが光電変換した電荷の破棄とが、1フレームに渡って繰り返し行われる。これにより、所定の時間区間に距離画像撮像装置1に受光された光量に相当する電荷が、電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積される。水平走査回路324は、電荷蓄積部CSのそれぞれに蓄積された、1フレーム分の電荷量に相当する電気信号を、距離演算部42に出力する。
【0037】
光パルスPOを照射するタイミングと、電荷蓄積部CS(CS1からCS4)のそれぞれに電荷を蓄積させるタイミングとの関係から、電荷蓄積部CS1には、光パルスPOを照射する前の背景光などの外光成分に相当する電荷量が保持される。また、電荷蓄積部CS2、CS3及びCS4には、反射光RL、及び外光成分に相当する電荷量が振り分けられて保持される。電荷蓄積部CS2及びCS3、あるいは電荷蓄積部CS3及びCS4に振り分けられる電荷量の配分(振り分け比率)は、光パルスPOが被写体Sに反射して距離画像撮像装置1に入射されるまでの遅延時間Tdに応じた比率となる。
【0038】
距離演算部42は、この原理を利用して、以下の(1)あるいは(2)式により、遅延時間Tdを算出する。
Td=To×(Q3-Q1)/(Q2+Q3-2×Q1) …(1)
Td=To+To×(Q4-Q1)/(Q3+Q4-2×Q1) …(2)
ここで、Toは光パルスPOが照射された期間、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q2は電荷蓄積部CS2に蓄積された電荷量、Q3は電荷蓄積部CS3に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量を示す。距離演算部42は、例えば、Q4=Q1である場合、(1)式で遅延時間Tdを算出し、一方、Q2=Q1である場合、(2)式で遅延時間Tdを算出する。
【0039】
(1)式においては、電荷蓄積部CS2及びCS3には反射光により発生された電荷が蓄積されるが、電荷蓄積部CS4には蓄積されない。一方、(2)式においては、電荷蓄積部CS3及びCS4には反射光により発生された電荷が蓄積されるが、電荷蓄積部CS2には蓄積されない。
なお、(1)式あるいは(2)式では、電荷蓄積部CS2、CS3及びCS4に蓄積される電荷量のうち、外光成分に相当する成分が、電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量と同量であることを前提とする。
【0040】
距離演算部42は、(1)式あるいは(2)式で求めた遅延時間に、光速(速度)を乗算させることにより、被写体Sまでの往復の距離を算出する。
そして、距離演算部42は、上記で算出した往復の距離を1/2とすることにより、被写体Sまでの距離を求める。
【0041】
図4は、本実施形態における画素回路321の各トランジスタの配置(レイアウトパターン)の一例を示す図である。
この
図4のレイアウトパターンは、
図3の画素回路321(すなわち、
図2の画素回路321)のレイアウトパターンを示している。
また、
図4においては、 転送トランジスタG1、G2、G3及びG4と、ソースフォロアトランジスタSF1、SF2、SF3及びSF4と、選択トランジスタSL1、SL2、SL3及びSL4と、リセットトランジスタRT1、RT2、RT3及びRT4と、電荷排出トランジスタGD1及びGD2と、光電変換素子PDとの各々のパターンの配置が示されている。上述したトランジスタの各々は、すべて、p型の半導体基板上に形成されたnチャネル型のMOSトランジスタである。
【0042】
例えば、リセットトランジスタRT1は、p型の半導体基板上において、ドレインRT1_D(n拡散層(n型不純物の拡散層))と、ソースRT1_S(n拡散層)とゲートRT1_Gとの各々で構成されている。
また。コンタクトRT1_Cは、リセットトランジスタRT1のドレインRT1_D(n拡散層)と、ソースRT1_S(n拡散層)との各々の拡散層に設けられた、不図示の配線と接続するコンタクトを示すパターンである。他の転送トランジスタG1からG4、ソースフォロアトランジスタSF1からSF4、選択トランジスタSL1からSL4、リセットトランジスタRT2からRT4、電荷排出トランジスタGD1及びGD2も同様の構成をしている。
【0043】
光電変換素子PDは、長方形の形状で形成されており、長辺PDL1と、長辺PDL1に平行に対向するPDL2と、短辺PDS1と、短辺PDS1に平行に対向するPDS2とから成る。
また、特に、転送トランジスタG1からG4と、電荷排出トランジスタGD1及びGD2との構成については後述する。
【0044】
また、転送トランジスタG1は、ドレインとしてのフローティングディフュージョンF1と、ゲートG1_Gと、ソース(光電変換素子PDのn拡散層)とから形成されている。ここで、フローティングディフュージョンFD1は、転送トランジスタG1のドレインとしての拡散層(n拡散層)であり、光電変換素子PDからの電荷を蓄積する。
また、ドレインG1_Dは、コンタクトG1_Cにより不図示の配線を介して、ソースフォロアトランジスタSF1のゲートSF1_G、及びリセットトランジスタRT1のソースRT1_Sの各々に接続されている。他の転送トランジスタG2、G3及びG4の各々も転送トランジスタG1と同様の構成である。
図4においては、画素回路321の半導体基板上における各トランジスタの各々の配置を示すものであり、配線パターン及び電荷蓄積容量(C1からC4)の各々は省いて示されている。したがって、電荷蓄積部CS1、CS2、CS3及びCS4の各々は、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4それぞれの位置に配置されている。
【0045】
ここで、フローティングディフュージョンFD1及びFD2の各々は、フローティングディフュージョンFD3、FD4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
上記x軸は、光電変換素子PDの長方形のパターンにおいて、当該長方形の短辺PDS1(及びPDS2)に対して直交し(すなわち、長方形の長辺PDL1、PDL2に平行であり)、長方形の中心Oを通る軸である。また、y軸は、x軸に直交し、すなわち長方形の長辺PDL1(及びPDL2)に直交し(長方形の短辺PDS1、PDS2に平行であり)、長方形の中心Oを通る軸である。
また、リセットトランジスタRT1及びRT2の各々は、リセットトランジスタRT3、RT4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、ソースフォロアトランジスタSF1及びSF2の各々は、ソースフォロアトランジスタSF3及びSF4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、選択トランジスタSL1及びSL2の各々は、選択トランジスタSL3及びSL4それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
【0046】
図5は、
図4における光電変換素子PDと転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDとの配置関係の一例を示す図である。
この
図5は、光電変換素子PDに対する転送トランジスタG1、G2、G3及びG4と、電荷排出トランジスタGD1及びGD2との配置の位置関係を示している。
転送トランジスタG1及びG2の各々は、光電変換素子PDの長辺PDL1側において、フローティングディフュージョンFD1、FD2それぞれをドレインとし、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
また、転送トランジスタG3及びG4の各々は、光電変換素子PDの長辺PDL2側において、フローティングディフュージョンFD3、FD4それぞれをドレインとし、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
【0047】
ここで、転送トランジスタG1及びG3は、x軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG1及びG3の各々のゲートは、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。
同様に、転送トランジスタG2及びG4は、x軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG2及びG4の各々のゲートは、x軸に対して、線対称の位置に配置されている。
【0048】
また、転送トランジスタG1及びG2は、y軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG1及びG2の各々のゲートは、上記y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
同様に、転送トランジスタG3及びG4は、y軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG3及びG4の各々のゲートは、y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
上述したように、転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々は、それぞれx軸から同一の距離に配置され、かつ光電変換素子PDの中心Oからも同一の距離に配置されている。
転送トランジスタG1からG4の各々は、同一のサイズ(チャネル長及びチャネル幅が同一)であり、同様のトランジスタ特性を有している。
【0049】
また、電荷排出トランジスタGD1は、短辺PDS1側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
同様に、電荷排出トランジスタGD2は、短辺PDS2側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
ここで、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、y軸に対して線対称の位置に配置されている。すなわち、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々のゲートは、y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
上述したように、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、それぞれy軸から同一の距離に配置され、かつ光電変換素子PDの中心Oからも同一の距離に配置されている。
電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、同一のサイズであり、同様のトランジスタ特性を有していてもよいし、トランジスタ特性が異なっていてもよい。
【0050】
図6は、転送トランジスタGによる光電変換素子PDからフローティングディフュージョンFDへの電荷の転送について説明する図である。
図6(a)は
図5の画素回路321が形成された半導体の線分A-A’における断面構造を示している。
光電変換素子PDは、例えば、表面にp+拡散層(p型不純物の拡散層)の表面保護層が設けられた埋め込み型のフォトダイオードである。
【0051】
転送トランジスタG1は、光電変換素子PDのn拡散層をソースとし、フローティングディフュージョンFD1のn+拡散層をドレインとして形成されている。
フローティングディフュージョンFD1のn+拡散層には、当該n+拡散層からの電荷の流出(放電)を抑制する(漏れ電流阻止)ためのSTI(Shallow trench isolation)及びpwell(p拡散層)が隣接して設けられている。
転送トランジスタG3は、光電変換素子PDのn拡散層をソースとし、フローティングディフュージョンFD3のn+拡散層をドレインとして形成されている。
フローティングディフュージョンFD3のn+拡散層には、当該n+拡散層からの漏れ電流阻止のSTI及びpwellが隣接して設けられている。
【0052】
そして、転送トランジスタG1は、ゲートG1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインであるフローティングディフュージョンFD1に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD1は、転送トランジスタG1から転送された電荷を蓄積する。
同様に、転送トランジスタG3は、ゲートG3_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインであるフローティングディフュージョンFD3に転送する。そして、フローティングディフュージョンFD3は、転送トランジスタG3から転送された電荷を蓄積する。
【0053】
図6(b)は、
図6(a)に示す転送トランジスタG1、光電変換素子PD及び転送トランジスタG3の各々の領域におけるポテンシャルの状態を示している。
図6(b)は、横軸が領域における位置を示し、縦軸がポテンシャルの高さ(下に行くほどポテンシャル(電位)が高い)を示している。
図6(b)においては、転送トランジスタG1のゲートG1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加され、一方、転送トランジスタG3のゲートG3_Gに「L」レベルのゲート電圧が印加されている場合のポテンシャルの状態を示している。
【0054】
転送トランジスタG3のゲートG3_Gが「L」レベルのため、ゲートG3_Gの領域にはポテンシャルバリアPBが形成されていて、光電変換素子PDから転送トランジスタG3のドレインであるフローティングディフュージョンFD3に電荷が転送されない(ドレインに電子が流れ込まない)。
一方、転送トランジスタG1のゲートG1_Gが「H」レベルのため、ゲートG1_Gの領域はポテンシャル(電位)が上昇し(ポテンシャルバリアが形成されておらず)、光電変換素子PDから転送トランジスタG1のドレインであるフローティングディフュージョンFD1に電荷が転送される(ドレインに電子が流れ込む)。
【0055】
図7は、電荷排出トランジスタGDによる光電変換素子PDから電源VDDへの電荷の排出について説明する図である。
図7(a)は、
図5の画素回路321が形成された半導体のx軸における断面構造を示している。
電荷排出トランジスタGD1は、光電変換素子PDのn拡散層をソースとし、電源VDDに接続されたn
+拡散層をドレインGD1_Dとして形成されている。
ドレインGD1_Dのn
+拡散層には、当該n
+拡散層からの漏れ電流阻止のSTI及びpwellが隣接して設けられている。
電荷排出トランジスタGD2は、光電変換素子PDのn拡散層をソースとし、電源VDDに接続されたn
+拡散層をドレインGD2_Dとして形成されている。
ドレインGD1_Dのn
+拡散層には、当該n
+拡散層からの漏れ電流阻止のSTI及びpwellが隣接して設けられている。
【0056】
電荷排出トランジスタGD1は、ゲートGD1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷(電子)を、ドレインGD1_Dに転送する(光電変換素子PDの電荷を電源VDDに排出する)。
同様に、電荷排出トランジスタGD2は、ゲートGD2_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されることにより、光電変換素子PDに生成された電荷を、ドレインGD2_Dに転送する。
【0057】
図7(b)は、
図7(a)に示す電荷排出トランジスタGD1、光電変換素子PD及び読み出し電荷排出トランジスタGD2の各々の領域におけるポテンシャルの状態を示している。
図7(b)は、横軸が領域における位置を示し、縦軸がポテンシャルの高さ(下に行くほどポテンシャル(電位)が高い)を示している。
図7(b)においては、電荷排出トランジスタGD1のゲートGD1_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加され、同様に、電荷排出トランジスタGD2のゲートGD2_Gに「H」レベルのゲート電圧が印加されている場合のポテンシャルの状態を示している。
【0058】
電荷排出トランジスタGD1のゲートGD1_Gが「H」レベルのため、ゲートGD1_Gの領域はポテンシャルが上昇し(ポテンシャルバリアが形成されておらず)、光電変換素子PDから電荷排出トランジスタGD1のドレインGD1_Dに電荷が転送される(ドレインGD1_Dに接続された電源VDDに電子が排出される)。
一方、電荷排出トランジスタGD2のゲートGD2_Gが「H」レベルのため、電荷排出トランジスタGD1のゲートGD1_Gと同様に、ゲートGD2_Gの領域にはポテンシャルバリアが形成されず、光電変換素子PDから電荷排出トランジスタGD1のドレインGD1_Dに電荷が転送される。
【0059】
図6(b)及び
図7(b)の各々のポテンシャルの状態を比較した場合、転送トランジスタG1及びG3の各々のゲートG1_G、G3_Gそれぞれの領域におけるポテンシャルの上昇の形状(ポテンシャルの傾き)が、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々のゲートGD1_G、GD2_Gそれぞれの領域におけるポテンシャルの上昇の形状に比較して急峻となっている。
この要因としては、転送トランジスタG1及びG3の各々が長辺側に形成されていることにより、光電変換素子PDの中心Oからの距離が短辺側に形成された電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々より短いためである。
【0060】
すなわち、光電変換素子PDのy軸方向における拡散層の幅が短くなり、転送トランジスタG1及びG3の各々から光電変換素子PDの中心O方向に対して拡散層内に延びる電界の強度が、電荷排出トランジスタGD1、GD2それぞれから光電変換素子PDの中心O方向に対して拡散層内に延びる電界の強度に比較して高くなる。
この拡散層内の電界の強度の違いのため、ゲートG1_G及びG3_Gの各々の領域におけるポテンシャルの上昇の形状が、ゲートGD1_G、GD2_Gそれぞれのポテンシャルの上昇の形状に比較して急峻となる。
また、転送トランジスタG2及びG4の各々も短辺側に形成されているため、転送トランジスタG1及びG3と同様に、電荷排出トランジスタGD1、GD2それぞれに比較して、ゲートG2_G及びG4_Gの領域におけるポテンシャルの上昇が急峻となる。
【0061】
この結果、本実施形態によれば、電荷排出トランジスタGDに比較してポテンシャルの上昇の形状が急峻のため、光電変換素子PDが生成した電荷がより移動しやすいため、転送トランジスタGが電荷をフローティングディフュージョンFDへ高速に転送させることができる。
また、電荷排出トランジスタGDは、転送トランジスタGに比較して十分に長い時間をかけて、2個(GD1、GD2)により電荷をドレインGD_Dに転送するため、ポテンシャルの上昇の形状が転送トランジスタGに比較して緩やかであっても、排出する処理に問題はない。
【0062】
また、本実施形態によれば、転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々のゲートG1_G、G2_G、G3_G、G4_Gそれぞれから、光電変換素子PDの中心Oまでの距離が同一であるため、ゲートG1_G、G2_G、G3_G及びG4_Gの各々のポテンシャルの変化形状(ポテンシャルの上昇の形状)が同様となり、転送効率を揃えて転送の特性を同一にすることが可能となる。これにより、転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々から、光電変換素子PDに生成された電荷を、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4それぞれへ高い精度で転送させることができる。
【0063】
すなわち、転送トランジスタG1、G2、G3及びG4の各々が、例えば、光電変換素子PDから同一の電荷量の電荷をフローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4それぞれに転送した場合、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3及びFD4に蓄積される電荷量は同一となる。
これにより、本実施形態によれば、光電変換素子PDが生成した電荷を同一の転送効率(転送特性)により、電荷蓄積部CS1からCS4の各々に蓄積させることが可能となるため、電荷蓄積部CS1からCS4それぞれに蓄積された電荷量を用いて、(1)式及び(2)式により、被写体と距離画像撮像装置(距離画像撮像素子)との間の距離を高い精度で求めることができる。
【0064】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
第2の実施形態は、
図2における構成と同様の距離画像撮像装置における距離画像撮像素子(距離画像センサ32)であり、
図3における構成の画素信号読み出し部RU1からRU4に加えて、画素信号読み出し部RU5及びRU6の各々が追加された構成となっている。
このため、第1の実施形態の構成に対して、フローティングディフュージョンFD5及びFD6と、転送トランジスタG5及びG6と、電荷排出トランジスタGD5及びGD6と、リセットトランジスタRT5及びRT6と、ソースフォロアトランジスタSF5及びSF6と、選択トランジスタSL5及びSL6とが追加されている。
【0065】
電荷蓄積部CS1からCS6それぞれに蓄積された電荷量を用いて、被写体と距離画像撮像装置との間の距離を求める動作については同様である。
ただし、距離演算部42は、上述した(1)式及び(2)式に加えて、遅延時間Tdを以下の(3)式、(4)式も用いて算出する。
Td=2×To+To×(Q5-Q1)/(Q4+Q5-2×Q1) …(3)
Td=3×To+To×(Q6-Q1)/(Q5+Q6-2×Q1) …(4)
ここで、Toは光パルスPOが照射された期間、Q1は電荷蓄積部CS1に蓄積された電荷量、Q4は電荷蓄積部CS4に蓄積された電荷量、Q5は電荷蓄積部CS5に蓄積された電荷量、Q6は電荷蓄積部CS6に蓄積された電荷量、を示す。
ここで、距離演算部42は、例えば、Q4=Q5=Q6=Q1である場合、(1)式で遅延時間Tdを算出し、Q2=Q5=Q6=Q1である場合、(2)式で遅延時間Tdを算出し、Q2=Q3=Q6=Q1である場合、(3)式で遅延時間Tdを算出し、Q2=Q3=Q4=Q1である場合、(4)式で遅延時間Tdを算出する。
【0066】
図8は、本実施形態における画素回路321における、光電変換素子PDと転送トランジスタGと電荷排出トランジスタGDとの配置関係の一例を示す図である。
この
図8は、光電変換素子PDに対する転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6と、電荷排出トランジスタGD1及びGD2との配置の位置関係を示している。
また、 転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6と、ソースフォロアトランジスタSF1、SF2、SF3、SF4、SF5及びSF6と、選択トランジスタSL1、SL2、SL3、SL4、SL5及びSL6と、リセットトランジスタRT1、RT2、RT3、RT4、RT5及びRT6と、電荷排出トランジスタの各々は、すべて、p型の半導体基板上に形成されたnチャネル型のMOSトランジスタである。
【0067】
図示はしないが、第1の実施形態と同様に フローティングディフュージョンFD1、FD2及びFD3の各々は、フローティングディフュージョンFD4、FD5、FD6それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、リセットトランジスタRT1、RT2及びRT3の各々は、リセットトランジスタRT4、RT5、RT6それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
【0068】
また、ソースフォロアトランジスタSF1、SF2及びSF3の各々は、ソースフォロアトランジスタSF4、SF5、SF6それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、選択トランジスタSL1、SL2及びSL3の各々は、選択トランジスタSL4、SL5、SL6それぞれと、x軸に対して線対称に配置されている。
また、光電変換素子PDは、第1の実施形態と同様に、長方形の形状で形成されており、長辺PDL1と、長辺PDL1に平行に対向するPDL2と、短辺PDS1と、短辺PDS1に平行に対向するPDS2とから成る。
【0069】
転送トランジスタG1、G2及びG3の各々は、長辺PDL1側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
また、転送トランジスタG4、G5及びG6の各々は、長辺PDL2側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
ここで、転送トランジスタG1及びG4は、光電変換素子PDの中心Oを通るx軸(第1の実施形態におけるx軸と同様)に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG1及びG4の各々のゲートは、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。
【0070】
同様に、転送トランジスタG2及びG5は、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG2及びG5の各々のゲートは、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。
また、転送トランジスタG3及びG6は、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG3及びG6の各々のゲートは、上記x軸に対して、線対称の位置に配置されている。
転送トランジスタG1からG6の各々は、同一のサイズ(チャネル長及びチャネル幅が同一)であり、同様のトランジスタ特性を有している。
【0071】
また、転送トランジスタG1及びG3は、光電変換素子PDの中心Oを通るy軸(第1の実施形態におけるy軸と同様)に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG1及びG3の各々のゲートは、上記y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
同様に、転送トランジスタG4及びG6は、上記y軸に対して、線対称の位置に配置されている。すなわち、転送トランジスタG4及びG6の各々のゲートは、上記y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
【0072】
また、転送トランジスタG1及びG3の各々は、それぞれの短辺PDS1(PDS2)に平行な中心軸がとなる位置に形成されている。
これにより、転送トランジスタG1とG2との間隔と、転送トランジスタG3とG2との間隔と、転送トランジスタG4とG5との間隔と、転送トランジスタG6とG5との間隔との各々が同一である。
また、上述したように、転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6の各々は、それぞれx軸から同一の距離に配置されている。
また、転送トランジスタG1、G3、G4及びG6の各々は、光電変換素子PDの中心Oから同一距離に配置されている。
【0073】
また、電荷排出トランジスタGD1は、短辺PDS1側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
同様に、電荷排出トランジスタGD2は、短辺PDS2側において、光電変換素子PDのn拡散層をソースとして形成されている。
ここで、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、y軸に対して線対称の位置に配置されている。すなわち、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々のゲートは、y軸に対して、線対称の位置に配置されている。
電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、同一のサイズであり、同様のトランジスタ特性を有していてもよいし、トランジスタ特性が異なっていてもよい。
上述したように、電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々は、それぞれy軸から同一の距離に配置され、かつ光電変換素子PDの中心Oからも同一の距離に配置されている。
【0074】
上述したように、第1の実施形態と同様の構成のため、転送トランジスタG1からG6の各々が長辺側に形成されていることにより、光電変換素子PDの中心Oからの距離が短辺側に形成された電荷排出トランジスタGD1及びGD2の各々より短い。
これにより、光電変換素子PDのy軸方向の拡散層の幅が短くなり、転送トランジスタG1からG6の各々から光電変換素子PDの拡散層内に延びる電界の強度が、電荷排出トランジスタGD1、GD2それぞれから光電変換素子PDの拡散層内に延びる電界の強度に比較して高くなる。
【0075】
このため、第1の実施形態と同様に、拡散層内の電界の強度の違いのため、転送トランジスタG1のゲートG1_Gから転送トランジスタG6のゲートG6_Gの各々の領域におけるポテンシャルの上昇の形状が、電荷排出トランジスタGD1のゲートGD1_G、GD2のゲートGD2_Gそれぞれのポテンシャルの上昇の形状に比較して急峻となる。
【0076】
この結果、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に電荷排出トランジスタGDに比較してポテンシャルの上昇の形状が急峻のため、光電変換素子PDが生成した電荷がより移動しやすいため、転送トランジスタGが電荷をフローティングディフュージョンFDへ高速に転送させることができる。
また、電荷排出トランジスタGDも、第1の実施形態と同様に、転送トランジスタGに比較して十分に長い時間をかけて、2個(GD1、GD2)により電荷をドレインGD_Dに転送するため、ポテンシャルの上昇の形状が転送トランジスタGに比較して緩やかであっても、排出する処理に問題はない。
【0077】
また、本実施形態によれば、転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6の各々のゲートG1_G、G2_G、G3_G、G4_G、G5_G、G6_Gそれぞれから、光電変換素子PDの中心Oを通るx軸までの距離が同一である。このため、ゲートG1_G、G2_G、G3_G、G4_G、G5_G及びG6_Gの各々に電圧を印加することによるポテンシャルの変化形状(ポテンシャルの上昇の形状)が同様となり、転送効率を揃えて転送の特性を同一にすることが可能となる。これにより、転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6の各々から、光電変換素子PDに生成された電荷を、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4、FD5、FD6それぞれへ高い精度で転送させることができる。
【0078】
すなわち、転送トランジスタG1、G2、G3、G4、G5及びG6の各々が、例えば、光電変換素子PDから同一の電荷量の電荷をフローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4、FD5、FD6それぞれに転送した場合、フローティングディフュージョンFD1、FD2、FD3、FD4、FD5及びFD6の各々に蓄積される電荷量は同一となる。
これにより、本実施形態によれば、光電変換素子PDが生成した電荷を同一の転送効率(転送特性)により、電荷蓄積部CS1からCS6の各々に転送して蓄積させることが可能となるため、電荷蓄積部CS1からCS6それぞれに蓄積された電荷量を用いて、(1)式から(4)式により、被写体と距離画像撮像装置との間の距離を高い精度で求めることができる。
【0079】
また、
図8に示す配置の場合、例えば、転送トランジスタG1及びG3の各々の光電変換素子PD(フォトダイオード)の短辺PDS1、PDS2それぞれとの距離は同一である。一方、転送トランジスタG2は、フォトダイオードPDの短辺PDS1、PDS2それぞれとの距離が、転送トランジスタG1及びG3の各々の距離と異なっている。
このため、転送トランジスタG1及びG3の各々の光電変換素子PDの短辺PDS1、PDS2それぞれとの距離によっては、ゲートに電圧が印加された際、生成される電界の形状が転送トランジスタG1及びG3の各々と、転送トランジスタG2が異なる場合がある。
そして、電界の形状が異なることにより、同様にポテンシャルの変化形状が異なり、転送トランジスタG1及びG3の各々と、転送トランジスタG2との電荷の転送効率が同一でなくなってしまう。
【0080】
しかしながら、転送トランジスタG1及びG3の各々の転送効率に合わせて、転送トランジスタG2が転送した電荷量(電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量)に調整係数を乗算することにより、容易に転送トランジスタG1、G2及びG3の各々の転送効率を揃えて転送の特性を見かけ上、同一にすることが可能となる。上述した調整係数は、同一の電荷を発生させて調整係数を求める処理から容易に求めることができる。このため、転送トランジスタG1及びG3の転送効率に対して、転送トランジスタG3の転送効率を合わせることは容易に行うことができる。
これにより、電荷蓄積部CS1からCS6の各々に同一の特性により電荷を蓄積させることが可能となるため、電荷蓄積部CS1からCS6それぞれに蓄積された電荷量を用いて、(1)式から(4)式により、被写体と距離画像撮像装置との間の距離を高い精度で求めることができる。
【0081】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
第3の実施形態は、
図2における構成と同様の距離画像撮像装置における距離画像撮像素子(距離画像センサ32)であり、
図4に示す画素回路321の各々に対して、集光用のマイクロレンズが設けられた構成となっている。
図9は、画素回路321のフォトダイオードPDとマイクロレンズMLとの位置関係を示す図である。
マイクロレンズMLは、所定の樹脂材料を熱変形することにより生成されており、平面視において、画素回路321の配置領域に対して重なる位置に形成されている。
また、マイクロレンズMLは、光軸(マイクロレンズMLの中心)が、フォトダイオードPDの中心Oと平面視において重なる位置に、画素回路321の各々に設けられている。
【0082】
図10は、複数の画素回路321が配置された受光領域320の一部分におけるレンズアレイを示す平面図である。
受光領域320における3×3の一部分におけるマイクロレンズMLがレンズアレイとして作成された、画素回路321とマイクロレンズMLとの配置関係を示している。
ここで、マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズMLの各々の光軸は、平面視においてそれぞれが重なる画素回路321の中心Oと重なっている。
【0083】
図11は、
図10におけるマイクロレンズMLが設けられた画素回路321のレンズアレイの断面図である。
この
図11は、
図10における線分B-B’における画素回路321のアレイの断面の形状を示している。また、
図11における距離画像撮像素子である距離画像センサ32は、光電変換素子PDであるフォトダイオードが形成された面から光を入射するFSI(Front Side Illumination:表面照射)型である。
【0084】
そして、半導体層501の上部に、絶縁層により絶縁された配線層502があり、当該配線層502の上部にパッシベーションである誘電体層503が形成されている。そして、上記マイクロレンズMLのレンズアレイ(マイクロレンズアレイ)は、誘電体層503の上部に形成されている。
マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズMLの各々の光軸OAは、半導体層501における光電変換素子PDの表面に対して垂直であり、平面視においてそれぞれが重なる画素回路321の中心Oを貫通している。
【0085】
図12は、
図10におけるマイクロレンズMLが設けられた画素回路321のレンズアレイの断面図である。
この
図12は、
図10における線分B-B’における画素回路321のレンズアレイの断面の形状を示している。また、
図12における距離画像撮像素子である距離画像センサ32は、光電変換素子PDであるフォトダイオードが形成された裏面から光を入射するBSI(Back Side Illumination:表面照射)型である。
【0086】
そして、半導体層501の上部に絶縁層により絶縁された配線層502が形成されており、当該半導体層501の下部にパッシベーションである誘電体層504が形成されている。そして、上記マイクロレンズMLのレンズアレイは、誘電体層504の下部に形成されている。
レンズアレイにおけるマイクロレンズMLの各々の光軸OAは、半導体層501における光電変換素子PDの表面に対して垂直であり、平面視においてそれぞれが重なる画素回路321の中心Oを貫通している。
【0087】
上述した構成により、本実施形態によれば、マイクロレンズMLにより、画素回路321に入射される光が集光され、光電変換素子PDに照射されるため、画素回路321に入射される光を効率的に光電変換することが可能となり、入射する光に対する感度を向上させることができる。
本実施形態においては、第1の実施形態の画素回路321に対するマイクロレンズMLの配置を説明したが、第2の実施形態の画素回路321に対しても、同様に配置することにより、第2の実施形態の画素回路321においても、入射する光に対する感度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0088】
1…距離画像撮像装置
2…光源部
3…受光部
31…レンズ
32…距離画像センサ(距離画像撮像素子)
321…画素回路
322…制御回路
323…垂直走査回路
324…水平走査回路
325…画素信号処理回路
4…距離画像処理部
41…タイミング制御部
42…距離演算部
CS…電荷蓄積部
FD1,FD2,FD3,FD4,FD5,FD6…フローティングディフュージョン
G1,G2,G3,G4,G5,G6…転送トランジスタ
GD1,GD2…電荷排出トランジスタ
ML…マイクロレンズ
PD…光電変換素子
PO…光パルス
RT1,RT2,RT3,RT4,RT5,RT6…リセットトランジスタ
S…被写体
SF1,SF2,SF3,SF4,SF5,SF6…ソースフォロアトランジスタ
SL1,SL2,SL3,SL4,SL5,SL6…選択トランジスタ