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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071571
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】鳥害防止器
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20220509BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20220509BHJP
   A01M 29/32 20110101ALI20220509BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
A01M29/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180611
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000139573
【氏名又は名称】株式会社愛洋産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岸 泰至
【テーマコード(参考)】
2B121
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB27
2B121BB29
2B121BB32
2B121FA13
5G352AC02
5G367BB11
(57)【要約】
【課題】鳥の飛来をより良好に抑制する技術を提案する。
【解決手段】鳥害防止器は、取付部と、主支持部と、少なくとも1つの副支持部と、を有する。取付部は、架空線に取り付け可能に構成される。主支持部は、取付部を基準とする所定の位置で忌避線を支持可能に構成される。少なくとも1つの副支持部は、取付部が取り付けられる架空線の中心軸と、主支持部による忌避線の支持位置と、を含む仮想的な平面に対して、該平面の法線方向に間隔を開けた位置で忌避線を支持可能に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空線に取り付けて用いられ、忌避線を前記架空線に沿って架ける鳥害防止器であって、
前記架空線に取り付け可能に構成された取付部と、
前記取付部を基準とする所定の位置で前記忌避線を支持可能に構成された主支持部と、
前記取付部が取り付けられる架空線の中心軸と、前記主支持部による忌避線の支持位置と、を含む仮想的な平面に対して、該平面の法線方向に間隔を開けた位置で忌避線を支持可能に構成された少なくとも1つの副支持部と、を有する、鳥害防止器。
【請求項2】
請求項1に記載の鳥害防止器であって、
当該鳥害防止器は、2つの前記副支持部を含み、該2つの副支持部は、少なくとも前記平面を基準として反対側となる位置において忌避線を支持可能に構成されている、鳥害防止器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鳥害防止器であって、
前記取付部が取り付けられる架空線と、前記主支持部により支持される忌避線と、を結ぶ方向に関して、前記副支持部は、前記主支持部による忌避線の支持位置よりも前記架空線から離れた位置において忌避線を支持可能に構成されている、鳥害防止器。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鳥害防止器であって、
前記副支持部は、前記主支持部と比較して、忌避線の支持位置において前記架空線の長さ方向に荷重が加えられた場合における前記支持位置の変位量が大きくなるように構成されている、鳥害防止器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、架空線に取り付けられ、忌避線を架空線に架ける鳥害防止器に関する。
【背景技術】
【0002】
架空線への鳥類の飛来を防止するため、架空線の上方に鳥害防止用の忌避線が架けられる。この忌避線を架空線の上方に架けるために用いられるのが鳥害防止器であり、架空線には複数の鳥害防止器が架空線の長手方向に沿って所定間隔ごとに設置される。鳥害防止器は、架空線に取り付けるための部分と、忌避線を支持するための部分と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-141452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
架空線に飛来する鳥は複数種類存在しており、種類ごとに大きさや挙動が異なる。そのため、1つの忌避線のみでは、複数種類の鳥に対して十分に飛来を抑制できない可能性がある。
本開示の目的は、鳥の飛来をより良好に抑制する技術を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、架空線に取り付けて用いられ、忌避線を架空線に沿って架ける鳥害防止器である。この鳥害防止器は、取付部と、主支持部と、少なくとも1つの副支持部と、を有する。取付部は、架空線に取り付け可能に構成される。主支持部は、取付部を基準とする所定の位置で忌避線を支持可能に構成される。少なくとも1つの副支持部は、取付部が取り付けられる架空線の中心軸と、主支持部による忌避線の支持位置と、を含む仮想的な平面に対して、該平面の法線方向に間隔を開けた位置で忌避線を支持可能に構成される。
【0006】
このような構成であれば、架空線に対して複数の忌避線を架けることができ、鳥の飛来を良好に抑制できる。また、副支持部に支持される忌避線は、主支持部に支持される忌避線と架空線とを含む平面から離れた位置にある。そのため、架空線の周囲の広い範囲において忌避線による効果を得ることができ、主支持部のみに忌避線が設けられる場合よりも多くの種類の鳥の飛来を抑制することができる。
【0007】
上述した鳥害防止器は、2つの副支持部を含み、該2つの副支持部は、少なくとも上記平面を基準として反対側となる位置において忌避線を支持可能に構成されていてもよい。このような構成であれば、より良好に鳥の飛来を抑制できる。
【0008】
上述した鳥害防止器において、副支持部は、所定の方向に関して、主支持部による忌避線の支持位置よりも架空線から離れた位置において忌避線を支持可能に構成されていてもよい。ここでいう所定の方向とは、取付部が取り付けられる架空線と、主支持部により支持される忌避線と、を結ぶ方向である。
【0009】
このような構成であれば、忌避線を架空線の上方に架けたときに、主支持部により支持される忌避線よりも副支持部により支持される忌避線が上方に位置する。そのため、飛来した鳥によって主支持部により支持される忌避線が掴まれることを、副支持部により支持される忌避線により抑制できる。その結果、例えば、主支持部により支持される忌避線と架空線とを一緒に掴んで架空線に止まろうとする鳥の飛来を抑制できる。
【0010】
上述した鳥害防止器において、副支持部は、主支持部と比較して、忌避線の支持位置において架空線の長さ方向に荷重が加えられた場合における支持位置の変位量が大きくなるように構成されていてもよい。このような構成であれば、副支持部の柔軟性が高いため忌避線に荷重が加えられたときに忌避線の伸びや副支持部の破損が生じにくい。その結果、副支持部により支持される忌避線の弛みが生じにくくなり、鳥の飛来を抑制する効果を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の鳥害防止器を示す斜視図であって、図1Aは正面図であり、図1Bは右側面図である。
図2】実施形態の鳥害防止器の開閉動作を説明する図であって、図2Aは蓋部が閉じて移動部が下がった状態の右側面図であり、図2Bは蓋部が開いた状態の右側面図である。
図3】実施形態の鳥害防止器を架空線に取り付け、かつ、忌避線を取り付けた状態を示す正面図である。
図4】実施形態の鳥害防止器を架空線に取り付け、かつ、忌避線を取り付けた状態を示す右側面図である。
図5】実施形態の鳥害防止器の副支持部が変形した状態を示す正面図である。
図6】鳥害防止器の変形例を示す側面図である。
図7】鳥害防止器の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
[1.実施形態]
[1-1.鳥害防止器の全体構成]
本実施形態の鳥害防止器1は、架空線に取り付けて用いられ、忌避線を架空線に沿って架ける装置である。ここでいう忌避線とは、架空線の上方に架空線に沿って配置される、鳥害防止用の線である。図1A-1Bに示すように、鳥害防止器1は、取付部11と、主支持部13と、一対の副支持部15と、を備えている。
【0013】
以下では、説明の便宜上、上下及び左右の方向を用いて構造を説明する。しかしながら、本開示は、使用態様などが上記の方向に限定されることはない。なお、左右方向は鳥害防止器1を架空線に取り付けた際に架空線の長さ方向となる方向である。また忌避線は架空線の上側に配置することで鳥害防止機能を発揮するため、通常は、忌避線が架空線の上側に位置するように配置される。そのため、以下の説明においては、架空線を基準として忌避線(忌避線7a)が位置する方向が上方である。
【0014】
[1-2.取付部]
取付部11は、収容部21と、蓋部23と、移動部25と、操作部材41とを備えている。取付部11は、架空線5に取付可能に構成されている。取付部11を架空線5に取り付けることにより、鳥害防止器1の架空線への取り付けが実現される。
【0015】
収容部21は、略コの字形状の形状である。収容部21は、言い換えると、一部が開放された略環状形状である。架空線5は収容部21の内部に収容可能である。収容部21は、架空線の下方側を覆う第1壁部21aと、架空線の上方側を覆う第2壁部21bと、を備える。
【0016】
蓋部23は、略長方形の板状の部材であり、収容部21の開口部分に設けられる。蓋部23の長手方向の一端は、第2壁部21bにおける収容部21の開口側の端部を支点として回動可能に連結されている。また蓋部23は、第2壁部21bと連結する一端側が、一端側とは逆の他端側に比べて左右方向に幅広に形成されている。また、蓋部23における他端近傍には固定用孔33が設けられている。第1壁部21aの開口側の端部に設けられた突起部31は、固定用孔33に挿して嵌めることができる。
【0017】
蓋部23は、収容部21の開口部分を閉塞して収容部21と共に環状体を形成する閉位置(図1B及び図2Aを参照)と、収容部21の開口部分を開放する開位置(図2Bを参照)と、の間で移動可能である。
【0018】
収容部21と、閉位置にある蓋部23と、により構成される環状体の内部の空間が、架空線5を差し入れることができる差入空間27である。蓋部23が開位置のとき、差入空間27への架空線5の出し入れが可能となる。蓋部23が閉位置となっているときには、差入空間27への架空線5の出し入れはできない。
【0019】
移動部25は、収容部21にける第1壁部21aと第2壁部21bとの間で上下方向に移動可能に構成されている。図2A-2Bに示されるように、移動部25が第1壁部21aに近い位置である開放位置にあるとき、差入空間27における架空線5を差し入れ可能な空間(すなわち、第2壁部21bと移動部25の間の空間)は広くなる。このとき、蓋部23は自在に開閉可能である。
【0020】
移動部25における蓋部23側の端部には、蓋固定部35が形成されている。移動部25が相対的に第2壁部21bに近い位置である固定位置にあるとき、架空線5は移動部25と第2壁部21bとに挟まれる。またこのとき、図1Aに示されるように、蓋固定部35が閉位置にある蓋部23の幅広な部分を係止するため、蓋部23が開くことが抑制される。
【0021】
操作部材41は、移動部25を動作させることで架空線5を保持する操作を行うための部分である。操作部材41は断面が六角形の柱状の部材であり、第1壁部21aの下方にて、上下方向の回転軸を中心として回転操作が可能に構成されている。
【0022】
取付部11には、第1壁部21aを貫通するように配置され、上下方向に長さを有する突出部43が設けられている。操作部材41が回転操作されると、回転方向に応じて、突出部43の第1壁部21aからの突出量が増減する。移動部25は、突出部43の上端に連結されている。よって、操作部材41が回転操作されることで、移動部25が差入空間27の内部で上下方向に移動する。
【0023】
以上のように構成された取付部11は、蓋部23が開位置であって、移動部25が開放位置であるときに、架空線5を差入空間27に差し入れること、及び、差入空間27から抜き取ることができる。差入空間27に架空線5が差し入れられた状態において、蓋部23を閉位置とし、操作部材41を操作して移動部25を固定位置に移動すれば、第2壁部21bと移動部25との間に架空線が挟まれて、鳥害防止器1が架空線に固定される。このとき、蓋部23は蓋固定部35に係止されるため、開位置に向かって回転変位することが抑制される。そのため、架空線が差入空間27から抜けてしまうことが抑制される。
【0024】
[1-3.主支持部]
主支持部13は、収容部21の上側の位置に設けられ、取付部11を基準とする所定の位置で忌避線を支持可能に構成されている。主支持部13は、収容部21の第2壁部21b上方から延び出す、左右一対の側板51を備える。側板51は、上下方向に長細い平板形状であって、互いに対向するように左右に並べて配置されており、上端部分で繋がっている。また主支持部13は、上端付近に保持穴53を備えている。保持穴53は、図示しないが、束ねた状態の忌避線を挿入可能であって、挿入された忌避線を保持可能に構成されている。
【0025】
主支持部13は、固定具61、及び、主係止溝63a,63bなどを備える。固定具61は一対の側板51の間に配置される。主係止溝63a及び主係止溝63bは、一対の側板51それぞれに設けられている。
【0026】
固定具61は、左右方向に延びる軸を有する回転軸65を中心として回転可能に主支持部13に固定されている。回転軸65は、一対の側板51の内部に設けられている。
固定具61は、忌避線を固定する際に操作される。固定具61は、所定の回転位置である折畳位置に位置するとき、主支持部13に対して固定される。主係止溝63a又は主係止溝63bを通るように忌避線を配置した後、固定具61を適切な折畳位置に移動させることで、忌避線が主支持部13に固定される。
【0027】
[1-4.副支持部]
鳥害防止器1は、2つの副支持部15を有する。主支持部13の長手方向、及び、架空線5の軸方向のいずれとも交差する方向を交差方向としたとき、それぞれの副支持部15は、主支持部13から交差方向に延び出している。また2つの副支持部15は、主支持部13を中心として互いに反対側に位置する。
【0028】
副支持部15は、側板51から交差方向に延び出す横板71と、横板71の延び出した先端から上方向に延び出す縦板73と、を有する。縦板73の上端近傍には、忌避線を挿入可能である副係止溝75が設けられている。
【0029】
副係止溝75を通るように忌避線を配置したときには、固定部品77を用いて忌避線が副係止溝75から脱落することを抑制してもよい。固定部品77は、忌避線が副係止溝75から脱落することを抑制するように構成されていれば、その具体的な構成は特に限定されない。固定部品77は、副係止溝75の入り口を塞ぐ機構であってもよいし、副係止溝75と協働して忌避線を挟み込んで固定する機構であってもよい。また、副係止溝75自体が忌避線の脱落を抑制するように構成されていれば、固定部品77が設けられていなくてもよい。
【0030】
[1-5.忌避線の位置]
図3に示されるように、1つの架空線5に対して複数の鳥害防止器1が取り付けられる。鳥害防止器1は、架空線5の上方にて、忌避線7a及び忌避線7bを支持する。架空線5への鳥害防止器1の取付方法は特に限定されない。例えば、複数の鳥害防止器1に対して忌避線7a及び忌避線7bを予め取り付けた状態で、それら鳥害防止器1が互いに近接した状態で架空線5に緩く(例えば移動部25による強固な締め付けを強く行わずに)取り付ける。その後、鳥害防止器1同士の間隔を広げて忌避線が伸びた状態で、架空線5に強固に固定する。
【0031】
図4に、鳥害防止器1を用いた場合の架空線5と複数の忌避線の位置関係を示す。平面Aは、架空線5の長さ方向に広がる仮想的な平面であって、取付部11が取り付けられる架空線5の中心軸5aと、主支持部13による忌避線7aの支持位置と、を含む平面である。主支持部13は主係止溝63a、主係止溝63bのいずれかにより忌避線7aを支持可能であるが、図4では、上側の主係止溝63aにより忌避線7aを支持した状態を示している。
【0032】
上述した2つの副支持部15は、平面Aに対して、該平面Aの法線方向に間隔を開けた位置であって、平面Aを基準として反対側となる位置において、それぞれ忌避線7bを支持可能に構成されている。そのため、忌避線7aを架空線5の鉛直方向上方に配置させた場合には、忌避線7bは架空線5の真上から距離を開けた位置で支持される。ここでいう法線方向は、上述した交差方向と同一の方向である。
【0033】
図4において、L1は、架空線5と、主支持部13に支持される忌避線7aと、の距離である。またL2は、架空線5と忌避線7aとを結ぶ方向に関する、架空線5と、副支持部15に支持される忌避線7bと、の距離である。図4に示されるように、L2はL1よりも大きい。すなわち、副支持部15は、上記の方向に関して、主支持部13による忌避線7aの支持位置よりも架空線5から離れた位置において忌避線7bを支持する。
【0034】
[1-6.その他の特徴]
副支持部15の縦板73は、左右方向(架空線5の長さ方向)の厚みの小さい板状である。また、横板71は側板51における収容部21に近い位置に設けられているため、縦板73における横板71から副係止溝75までの距離が大きい。そのため、副支持部15は、主支持部13と比較して上記長さ方向に対する柔軟性が高く、曲がりやすい。例えば、図5に示されるように、忌避線7bに荷重が加わるなどの理由により忌避線7bが図5における右下方向に引っ張られたときには、副支持部15は上端部が右に移動するように曲がる。すなわち、副支持部15は、主支持部13と比較して、忌避線の支持位置(63a、主係止溝63bの位置)において架空線5の長さ方向に荷重が加えられた場合における支持位置の変位量が大きくなるように構成されている。ここでいう副支持部15の支持位置とは、副係止溝75の位置である。
【0035】
[1-7.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)本実施形態の鳥害防止器1は、架空線5に対して複数の忌避線を架けることができ、鳥の飛来を良好に抑制できる。また、副支持部15に支持される忌避線7bは、主支持部13に支持される忌避線7aと架空線5とを含む平面Aから離れた位置にある。そのため、架空線5の周囲の広い範囲において忌避線による効果を得ることができ、主支持部13のみに忌避線7aが設けられる場合よりも多くの種類の鳥の飛来を抑制することができる。
【0036】
(1b)鳥害防止器1では、一般的な使用状態のとき、すなわち忌避線を架空線5の上方に架けたときに、主支持部13により支持される忌避線7aよりも副支持部15により支持される忌避線7bが上方に位置する。そのため、飛来した鳥が忌避線7aを掴むことを忌避線7bによって抑制できる。その結果、鳥が忌避線7aと架空線5とを同時に掴むようにして架空線5に止まろうとしても、副支持部15により支持される忌避線7bがそのような動作を抑制することができる。これにより、忌避線7aのみでは十分に抑制できない種類の鳥の飛来を抑制できる。
【0037】
(1c)鳥害防止器1では、副支持部の柔軟性が高いため、忌避線7bに荷重が加えられたときに曲がりやすい。そのため、忌避線7bに荷重が加えられた際に忌避線7bが柔軟に変形するため、忌避線7bの延びを抑制できる。よって、忌避線7bの弛みが生じにくくなり、鳥の飛来を抑制する効果を長期にわたって維持することができる。
【0038】
[2.その他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0039】
(2a)上記実施形態にて例示した鳥害防止器は、具体的な実施形態を示す例に過ぎない。すなわち、取付部11の架空線5に取り付けるための具体的な構造、主支持部13の形状や構造、副支持部15の形状や構造、副係止溝75及び固定部品77の形状や構造などは、目的とする機能を果たす限りにおいて特に限定されることなく、様々な構成とすることができる。
【0040】
(2b)上記実施形態では、2つの副支持部15が主支持部13に備えられる構成を例示した。しかしながら、副支持部の数、設けられる位置など、副支持部の具体的な構成は特に限定されない。
【0041】
例えば、図6に示される鳥害防止器101のように、1つの副支持部15aが設けられていてもよい。また、3つ以上の副支持部が設けられていてもよい。さらに、1つの副支持部により支持可能である忌避線の数は特に限定されず、2本以上の忌避線を支持できるように構成されていてもよい。なお、実施形態で示したように、平面Aの法線方向の両方に忌避線7bが配置されることで、より良好な鳥害防止効果を奏することができる。
また上述した鳥害防止器101のように、副支持部15aは収容部21から延び出していてもよい。
【0042】
(2c)上記実施形態では、副支持部15に支持される忌避線7bの位置が、主支持部13に支持される忌避線7aの位置よりも高い位置である構成を例示した。しかしながら、忌避線7bの位置が忌避線7aの位置よりも低くなってもよい。例えば、図7に示される鳥害防止器201のように、副支持部15bの副係止溝75の位置が主係止溝63aよりも低くなるように構成することで、上記の位置関係を実現できる。なお鳥害防止器201では主係止溝63bの方が副係止溝75よりも低い位置にあるが、副係止溝75の方が低い位置となるように構成されていてもよい。
【0043】
(2d)本開示の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,101,201…鳥害防止器、5…架空線、5a…中心軸、7a,7b…忌避線、11…取付部、13…主支持部、15,15a,15b…副支持部、21…収容部、21a…第1壁部、21b…第2壁部、23…蓋部、25…移動部、27…差入空間、31…突起部、33…固定用孔、35…蓋固定部、41…操作部材、43…突出部、51…側板、53…保持穴、61…固定具、63a,63b…主係止溝、65…回転軸、71…横板、73…縦板、75…副係止溝、77…固定部品、A…平面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7