(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071689
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】足踏み式スタンド
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20220509BHJP
A61L 2/26 20060101ALI20220509BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L2/26
A61H33/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180777
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000126182
【氏名又は名称】株式会社をくだ屋技研
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】特許業務法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 浩二
(72)【発明者】
【氏名】迫 祥平
(72)【発明者】
【氏名】今野 大樹
【テーマコード(参考)】
4C058
4C094
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD02
4C058EE26
4C058JJ06
4C094AA03
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】転倒することを抑制し、利用者が手荷物を持っていても容易に両手に液体を噴霧できる足踏み式スタンドを提供する。
【解決手段】足踏み式スタンド1は、接地するベース11と、ベース11から上方に延出し筒状に形成される支持柱12と、支持柱12に取り付けられ液体を噴霧可能な液体収容容器20が載置されるトレイ13と、支持柱12内に上下移動可能に設けられるシャフト14と、シャフト14の上端部に取り付けられシャフト14が下方へ移動することで液体収容容器30の噴霧ノズル32を押下可能な押圧体15と、シャフトの下端部に連結され足踏みすることによりシャフト14を下方へ移動可能な足踏みペダル16と、シャフト14を上方へ付勢するバネ17とを有するスタンド部10と、支持柱12に支持される天板21と、天板21の支持柱12に支持される箇所とは異なる箇所を支持する脚部22、23とを有するテーブル部20とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面上に接地するベースと、前記ベースから上方に延出し、筒状に形成される支持柱と、前記支持柱に取り付けられ、液体を噴霧可能な液体収容容器が載置されるトレイと、前記支持柱内に上下移動可能に設けられるシャフトと、前記シャフトの上端部に取り付けられ、前記シャフトが下方へ移動することにより前記液体収容容器が有する噴霧ノズルを押下可能な押圧体と、前記シャフトの下端部に連結され、足踏みすることにより前記シャフトを下方へ移動可能な足踏みペダルと、前記シャフトを上方へ付勢するバネとを有するスタンド部と、
前記支持柱に支持される天板と、前記天板の前記支持柱に支持される箇所とは異なる箇所を支持する脚部とを有するテーブル部と、
を備えることを特徴とする足踏み式スタンド。
【請求項2】
前記トレイは、前記支持柱から水平方向における一側へ突出し、
前記天板は、前記支持柱から水平方向における前記一側とは反対の他側に突出することを特徴とする請求項1に記載の足踏み式スタンド。
【請求項3】
前記足踏みペダルの足踏み面には、前記足踏み面が足踏みする箇所であることを示す目印が付されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の足踏み式スタンド。
【請求項4】
前記足踏みペダルは回動軸を中心として回動可能に構成され、前記支持柱には前記足踏みペダルの回動動作を規制するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載の足踏み式スタンド。
【請求項5】
前記スタンド部を複数備え、
一方の前記スタンド部における前記トレイの前記支持柱に対する取り付け高さと、他方の前記スタンド部における前記トレイの前記支持柱に対する取り付け高さとが異なることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の足踏み式スタンド。
【請求項6】
前記支持柱に、利用者の体温を測定可能な体温計が固定されていることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載の足踏み式スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み操作することにより液体噴霧容器に収容される液体を噴霧可能な足踏み式スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消毒液が収容された液体噴霧容器の噴霧ノズルを操作して消毒液を噴霧させ、噴霧された消毒液により手指を消毒することが行われている。
【0003】
この場合、液体噴霧容器が公共施設や商業施設等に設置さており、不特定多数の利用者により噴霧ノズルの操作が行われる環境下においては、噴霧ノズルを利用者の手により操作する構成であると衛生上の懸念が生じるおそれがある。そのため、ペダルを足踏みすることにより噴霧ノズルを操作して、液体噴霧容器に手を触れることなく消毒液を噴霧させることを可能とする、足踏み式スタンドが用いられることがある。
【0004】
例えば、特許文献1に開示される足踏み式スタンドは、設置面上に接地するベースと、ベースから上方に延出するパイプと、パイプに取り付けられボトルが載置されるボックスと、ボトルのキャップを押下する押圧体と、ベースに設けられる足踏みペダルとを備えており、足踏みペダルを足踏み操作することにより、押圧体によってボトルのキャップが押下されて、ボトルのノズルから消毒液が噴霧されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されるような足踏み式スタンドは、一般的にボトルが載置される高さに対してベースの大きさが小さく形成されており、足踏み式スタンドの近くを通過する人が接触したり、強い風が吹いたりした場合に転倒するおそれがあった。また、足踏み式スタンドの利用者が手荷物を持っていた場合、片手が手荷物により塞がってしまい、両手の手指に消毒液を噴霧することが困難になる場合があった。
【0007】
そこで、本発明においては、転倒することを抑制するとともに、利用者が手荷物を持っていた場合であっても容易に両手の手指に液体を噴霧することができる足踏み式スタンドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する足踏み式スタンドは、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、足踏み式スタンドは、設置面上に接地するベースと、前記ベースから上方に延出し、筒状に形成される支持柱と、前記支持柱に取り付けられ、液体を噴霧可能な液体収容容器が載置されるトレイと、前記支持柱内に上下移動可能に設けられるシャフトと、前記シャフトの上端部に取り付けられ、前記シャフトが下方へ移動することにより前記液体収容容器が有する噴霧ノズルを押下可能な押圧体と、前記シャフトの下端部に連結され、足踏みすることにより前記シャフトを下方へ移動可能な足踏みペダルと、前記シャフトを上方へ付勢するバネとを有するスタンド部と、前記支持柱に支持される天板と、前記天板の前記支持柱に支持される箇所とは異なる箇所を支持する脚部とを有するテーブル部と、を備える。
【0010】
これにより、スタンド部は広範囲において支持されることとなり、足踏み式スタンドの近くを通過する人が接触したり、強い風が吹いたりした場合でも、スタンド部が転倒することを抑制できる。また、利用者が手荷物を持っていた場合でも、利用者の両手の手指に容易に液体を噴霧することができる。
【0011】
また、前記トレイは、前記支持柱から水平方向における一側へ突出し、前記天板は、前記支持柱から水平方向における前記一側とは反対の他側に突出する。
【0012】
これにより、噴霧ノズルから液体を噴霧した際に、天板に載置した利用者の手荷物等に液体が付着することを抑制できる。
【0013】
また、前記足踏みペダルの足踏み面には、前記足踏み面が足踏みする箇所であることを示す目印が付されている。
【0014】
これにより、足踏みペダルの足踏み面を足踏みすることによって液体を噴霧ノズルから噴霧させることが可能である旨を利用者が認識し易くなり、足踏み式スタンドの誤使用を抑制することができる。
【0015】
また、前記足踏みペダルは回動軸を中心として回動可能に構成され、前記支持柱には前記足踏みペダルの回動動作を規制するストッパが設けられている。
【0016】
これにより、足踏みペダルを足踏みした際に押圧体が噴霧ノズルを押下するストロークを調節することが可能となり、噴霧ノズルから噴霧される液体の量を調節することができる。
【0017】
また、前記スタンド部を複数備え、一方の前記スタンド部における前記トレイの前記支持柱に対する取り付け高さと、他方の前記スタンド部における前記トレイの前記支持柱に対する取り付け高さとが異なる。
【0018】
これにより、大人と子供の両方にとって使い勝手の良い足踏み式スタンドを構成することが可能となり、利用者の満足度を向上させることができる。
【0019】
また、前記支持柱に、利用者の体温を測定可能な体温計が固定されている。
【0020】
これにより、利用者が足踏みペダルを足踏みして噴霧ノズルから液体を噴霧させる際に、同時に利用者の体温を測定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、足踏み式スタンドが転倒することを抑制するとともに、利用者が手荷物を持っていた場合であっても容易に両手の手指に液体を噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図7】足踏み式スタンドを示す右側面断面図である。
【
図8】足踏み式スタンドにおけるスタンド部の動作状態を示す一部拡大側面断面図である。
【
図9】ペダル部の上面に、足踏みする箇所であることを示す目印が付された足踏みペダルを示す斜視図である。
【
図10】支持柱に設けられたペダル部のストッパを示す側面断面図である。
【
図11】支持柱に体温計が固定されたスタンド部の上部を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【
図12】複数のスタンド部を備えた足踏み式スタンドを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0024】
図1~
図7に示す足踏み式スタンド1は、本発明に係る足踏み式スタンドの一実施形態である。足踏み式スタンド1は、足踏み操作することにより液体収容容器30に収容される液体を噴霧可能に構成されている。
【0025】
以下の説明においては、
図2における「左側」、「右側」、「紙面手前側」、および「紙面奥側」を、それぞれ足踏み式スタンド1の「左側」、「右側」、「前側」、および「後側」と規定する。また、
図1における「上側」及び「下側」を、それぞれ足踏み式スタンド1の「上側」及び「下側」と規定する。
【0026】
液体収容容器30は、液体を収容可能な容器本体31と、容器本体31に上下移動可能に取り付けられる噴霧ノズル32とを有している。容器本体31に収容される液体としては、例えば、消毒用アルコール、アルコールジェル、および次亜塩素酸水等の消毒液、食器用洗剤等の各種洗剤、液状せっけん、殺虫剤液、ならびに化粧水を挙げることができる。液体収容容器30においては、噴霧ノズル32を押下操作することで、容器本体31に収容されている液体を噴霧ノズル32から噴霧可能に構成されている。
【0027】
足踏み式スタンド1は、スタンド部10とテーブル部20とを有している。スタンド部10は、ベース11と、支持柱12と、トレイ13と、シャフト14と、押圧体15と、足踏みペダル16と、バネ17とを有している。
【0028】
ベース11は、足踏み式スタンド1が設置される設置面上に接地する部位であり、接地する複数の接地脚111と、接地脚111に固定される支持台112とを有している。接地脚111は、ベース11の中央部から水平方向外側に延出する板状部材にて形成されている。本実施形態のベース11は5本の接地脚111を有しており、各接地脚111はベース11の中央部から放射状に延出している。複数の接地脚111は周方向において等間隔に配置されている。支持台112は、足踏みペダル16を支持する部材であり、ベース11の中央部から前方に延出する接地脚111に固定されている。
【0029】
支持柱12は、ベース11の中央部から上方に延出する中空の筒状部材により形成されている。支持柱12の下端部における前面部分には下部開口部12aが開口しており、支持柱12の上端部における前面部分には上部開口部12bが開口している。
【0030】
トレイ13は、支持柱12に上下移動可能に取り付けられており、液体収容容器30を載置可能に構成されている。トレイ13は、液体収容容器30を載置可能な板状部材により形成される載置板131と、支持柱12に上下移動可能に嵌装される筒状部材により形成され、載置板131を支持する支持部材132と、支持部材132を支持柱12に固定する固定具133とを有している。
【0031】
載置板131は、支持柱12から前方に突出している。前方は、水平方向における一側の一例である。載置板131は、載置される液体収容容器30を前後方向において支持柱12に近接する配置したときに、液体収容容器30よりも前方に突出する長さに形成されている。載置板131の液体収容容器30よりも前方に突出する部分は、上下方向から見て少なくとも噴霧ノズル32の前端部と重なる位置まで突出している。本実施形態においては、載置板131は、噴霧ノズル32の前端部よりも前方に突出している。
【0032】
固定具133はネジ部材であり、支持部材132に形成されるネジ孔132aに螺装して、先端部を支持柱12に当接させることで、支持部材132を所定の高さ位置に固定することが可能である。また、固定具133が支持柱12に当接した状態を解除することで、支持部材132が上下移動可能となる。これにより、トレイ13の上下位置が固定された状態と、トレイ13が上下移動可能となる状態とを、固定具133により切り替えることが可能であり、載置板131に載置する液体収容容器30の大きさに応じてトレイ13の上下位置を調節することが可能となっている。
【0033】
シャフト14は、支持柱12内に上下移動可能に設けられる棒状部材であり、支持柱12の下端部から上端部にわたって延出している。シャフト14の下端部には、足踏みペダル16が係止する係止部141が設けられている。支持柱12内におけるシャフト14の上方にはピン121が横架されており、ピン121とシャフト14の上端部との間にはバネ17が架け渡されている。バネ17は、シャフト14を上方に付勢している。
【0034】
押圧体15は、シャフト14の上端部に取り付けられる板状部材であり、シャフト14と一体的に上下移動可能である。押圧体15は、シャフト14から前方へ向けて延出しており、上部開口部12bを通じて支持柱12の内部から外部へ露出している。押圧体15は、トレイ13に載置された液体収容容器30における噴霧ノズル32の上面に当接可能であり、噴霧ノズル32に当接した状態でシャフト14が下方へ移動することにより、噴霧ノズル32を押下することが可能である。
【0035】
足踏みペダル16は、ペダル部161と係止片162とを有している。ペダル部161は、足踏み式スタンド1の利用者が足踏みする部材であり、回動軸161aを介してベース11の支持台112に支持されている。回動軸161aはペダル部161の前端部に位置しており、ペダル部161は回動軸161aを中心として回動可能に構成されている。
【0036】
係止片162はペダル部161の後端部に固定されており、ペダル部161の後端部から後方へ延出している。係止片162の後端部は、ペダル部161が回動軸161aを中心として回動することにより上下移動する。
【0037】
係止片162の後端部は、下部開口部12aを通じて支持柱12の内部に進入しており、シャフト14の係止部141に係止している。そして、ペダル部161が足踏みされて下方に回動すると、シャフト14が係止片162により押圧されて下方に移動するように構成されている。つまり、足踏みペダル16は、係止片162が係止部141に係止することでシャフト14の下端部に連結されており、ペダル部161を足踏みすることによりシャフト14を下方に移動させることが可能に構成されている。
【0038】
このように構成されるスタンド部10においては、
図8に示すように、トレイ13に液体収容容器30を載置し、噴霧ノズル32の上面に押圧体15が当接した状態で足踏みペダル16を足踏みして下方へ回動させると、係止片162によりシャフト14が下方に移動される。シャフト14が下方に移動すると、押圧体15がシャフト14と一体的に下方へ移動して噴霧ノズル32を押下する。噴霧ノズル32が押圧体15により押下操作されることにより、容器本体31に収容されている液体が噴霧ノズル32から噴霧される。
【0039】
液体が噴霧ノズル32から噴霧された後に、利用者が足踏みペダル16から足を離すと、シャフト14がバネ17の付勢力により上方へ移動するとともに、足踏みペダル16が上方へ回動して足踏みする前の位置に戻る。
【0040】
テーブル部20は、天板21と、第1脚部22と、第2脚部23とを有している。第1脚部22および第2脚部23は、脚部の一例である。天板21は、矩形状に形成された板状部材であり、前端部における左右の一端部に切欠部21aを有している。本実施形態においては、切欠部21aは天板21の前端部における左端部に形成されている。天板21は、例えば板金部材にて形成することが可能である。
【0041】
切欠部21aには支持柱12が嵌合されており、切欠部21aに嵌合した支持柱12と天板21とが連結具211により連結されている。天板21は、連結具211により支持柱12と連結されることにより、支持柱12に支持されている。つまり、支持柱12は、天板21の前端部における左端部を支持する脚部としての機能を有している。天板21は、前後方向において支持柱12から後方へ突出している。後方は、水平方向における一側とは反対の他側の一例である。
【0042】
第1脚部22は、天板21の後端部から下方へ向けて延出する板状部材であり、天板21の後端部を支持している。第1脚部22は、例えば板金部材にて形成することが可能である。第1脚部22を板金部材にて形成する場合、水平に配置した板金部材の後部を下方に折り曲げて形成することで、天板21と第1脚部22とを一体的に形成することが可能である。第2脚部23は、上下方向に延出する柱状部材であり、天板21の前端部における右端部を支持している。
【0043】
第1脚部22は、天板21の支持柱12に支持される箇所とは異なる箇所を支持しており、第2脚部23は、天板21の支持柱12に支持される箇所および第1脚部22に支持される箇所とは異なる箇所を支持している。
【0044】
このように構成されるテーブル部20は、天板21と支持柱12とが連結されることによって、スタンド部10と連結されている。従って、スタンド部10は、ベース11に加えて、天板21を支持する第1脚部22および第2脚部23によっても支持されることとなる。これにより、スタンド部10は広範囲において支持されることとなり、足踏み式スタンド1の近くを通過する人が接触したり、強い風が吹いたりした場合でも、スタンド部10が転倒することを抑制することが可能となっている。
【0045】
また、テーブル部20は、スタンド部10に隣接して配置されており、足踏み式スタンド1の利用者が手荷物を持っていた場合、持っている荷物をテーブル部20に置いた状態で、足踏みペダル16を足踏みして噴霧ノズル32から液体を噴霧させることができる。これにより、利用者の両手の手指に容易に液体を噴霧することが可能となっている。例えば、液体が消毒液である場合には、利用者の両手の手指を容易かつ同時に消毒することができる。
【0046】
また、噴霧ノズル32から液体を噴霧させた後には、噴霧ノズル32内に残留する液体が噴霧ノズル32の前端部から落下することがあるが、液体収容容器30が載置されるトレイ13の載置板131は、少なくとも噴霧ノズル32の前端部と重なる位置まで突出しているため、落下した液体を載置板131により受け止めることができる。これにより、噴霧ノズル32内に残留する液体が載置板131よりも下方に落下することがなく、落下した液体が利用者の足等に付着することを抑制できる。
【0047】
また、足踏み式スタンド1においては、液体収容容器30が載置されるトレイ13が支持柱12から前方へ突出し、テーブル部20の天板21が支持柱12から後方へ突出しているため、噴霧ノズル32から液体を噴霧した際に、噴霧された液体が下方へ向けて落下したとしても、天板21の上に落下しにくくなり、天板21に載置した利用者の手荷物等に液体が付着することを抑制することが可能である。
【0048】
また、
図9に示すように、足踏みペダル16の足踏み面となるペダル部161の上面161bには、上面161bが足踏みする箇所であることを示す目印163を付すことができる。ペダル部161の上面161bには、例えば靴底の模様を目印163として付すことができる。
【0049】
このように、ペダル部161の上面161bに目印163を付すことで、ペダル部161の上面161bを足踏みすることによって液体を噴霧ノズル32から噴霧させることが可能である旨を利用者が認識し易くなり、足踏み式スタンド1の誤使用を抑制することができる。特に、目印163として靴底の模様をペダル部161の上面161bに付した場合は、利用者は靴を履いたままの状態でペダル部161を足踏みすれば良いことを直感的に認識することが可能となる。
【0050】
また、
図10に示すように、足踏み式スタンド1においては、支持柱12の下端部に、ペダル部161の上方への回動動作を規制するストッパ18を設けることもできる。ストッパ18は、支持柱12に上下移動可能に嵌装される筒状部材により形成され、足踏みペダル16の係止片162に当接可能な規制部材181と、規制部材181を支持柱12に固定する固定具182とを有している。
【0051】
固定具182はネジ部材であり、規制部材181に形成されるネジ孔181aに螺装して、先端部を支持柱12に当接させることで、規制部材181を所定の高さ位置に固定することが可能である。また、固定具182が支持柱12に当接した状態を解除することで、規制部材181が上下移動可能になる。これにより、規制部材181の上下位置が固定された状態と、規制部材181が上下移動可能となる状態とを、固定具182により切り替えることが可能であり、規制部材181の上下位置を調節することが可能となっている。
【0052】
規制部材181の上下位置を、回動可能な範囲の最上位置よりも下方に位置しているペダル部161と当接する位置に調節した状態で、規制部材181を固定具182により支持柱12に固定することで、ペダル部161がそれ以上上方へ回動することを規制することができる。これにより、ペダル部161の上下方向の回動範囲を変化させることができ、ペダル部161を足踏みした際に押圧体15が噴霧ノズル32を押下するストロークを調節することが可能である。噴霧ノズル32を押下するストロークを調節することで、噴霧ノズル32から噴霧される液体の量を調節することが可能である。
【0053】
また、
図11に示すように、支持柱12には、利用者の体温を測定可能な体温計19を固定することができる。
図11に示すスタンド部10においては、支持柱12の上端部に体温計19が固定されており、体温計19は液体収容容器30よりも上方に位置している。この場合、体温計19は、赤外線温度計等の非接触式の温度計を用いることが好ましい。
【0054】
このように、支持柱12に体温計19を固定することで、利用者が足踏みペダル16を足踏みして噴霧ノズル32から液体を噴霧させる際に、同時に利用者の体温を測定することができ、例えば液体が消毒液である場合には、利用者の手指の消毒と体温測定とを同時に行うことが可能となる。
【0055】
支持柱12に固定された体温計19は、利用者が足踏みペダル16を足踏みすると体温の測定を開始するように構成することができる。この場合、例えば足踏みペダル16の足踏みにより下方へ移動するシャフト14に連動する機械的手段によって、体温計19の測定を開始するスイッチをオンさせる構成としたり、足踏みペダル16の足踏みに連動する電気的手段によって、体温計19の測定を開始するスイッチをオンさせる構成としたりすることができる。
【0056】
また、足踏み式スタンド1は、
図12に示す足踏み式スタンド101のように、複数のスタンド部10A、10Bを備えた構成とすることができる。この場合、一方のスタンド部10Aにおける支持柱12によって天板21の前端部における左端部を支持し、他方のスタンド部10Bにおける支持柱12によって天板21の前端部における右端部を支持する構成とすることができる。このように構成した場合、天板21は、一方のスタンド部10Aにおける支持柱12と、他方のスタンド部10Bにおける支持柱12と、第1脚部22とによって支持されることとなる。
【0057】
複数のスタンド部10A、10Bを備えた足踏み式スタンド101においては、一方のスタンド部10Aにおけるトレイ13の支持柱12に対する取り付け高さと、他方のスタンド部10Bにおけるトレイ13の支持柱12に対する取り付け高さとが異なる構成とすることができる。
【0058】
例えば
図12に示す足踏み式スタンド101においては、左方のスタンド部10Aにおけるトレイ13の取り付け高さよりも、右方のスタンド部10Bにおけるトレイ13の取り付け高さの方が低くなっている。また、左方のスタンド部10Aにおける支持柱12およびシャフト14の長さよりも、右方のスタンド部10Bにおける支持柱12およびシャフト14の長さの方が短くなっている。
【0059】
このように、複数のスタンド部10A、10Bにおいてトレイ13の取り付け高さを異ならせることで、一方のスタンド部10Aに載置される液体収容容器30を大人が利用し易い高さ位置に載置するとともに、他方のスタンド部10Bに載置される液体収容容器30を子供が利用し易い高さ位置に載置することができる。
【0060】
例えば、ショッピングモール、スーパー、およびアミューズメントパーク等の商業施設においては、大人に混ざって子供も多数出入りするため、このような場所に液体収容容器30の設置高さが異なる複数のスタンド部10A、10Bを備えた足踏み式スタンド101を設置することで、大人と子供の両方にとって使い勝手の良い足踏み式スタンド101を構成することができ、利用者の満足度を向上させることが可能となる。
【0061】
また、足踏み式スタンド101においては、複数のスタンド部10A、10Bが天板21によって連結されているため、スタンド部10A、10Bは安定して支持されることとなり、人の接触や強風等によりスタンド部10A、10Bが転倒することを抑制できる。
【符号の説明】
【0062】
1、101 足踏み式スタンド
10、10A、10B スタンド部
11 ベース
12 支持柱
13 トレイ
14 シャフト
15 押圧体
16 足踏みペダル
17 バネ
18 ストッパ
19 体温計
20 テーブル部
21 天板
22 第1脚部
23 第2脚部
30 液体収容容器
32 噴霧ノズル
161 ペダル部
161a 回動軸
161b 上面
163 目印