(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071742
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】面状発熱体
(51)【国際特許分類】
H05B 3/10 20060101AFI20220509BHJP
H05B 3/34 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
H05B3/10 Z
H05B3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020180862
(22)【出願日】2020-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
(72)【発明者】
【氏名】筒泉 佳菜子
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA05
3K034AA09
3K034AA15
3K034AA25
3K034BA01
3K034BA10
3K034BA13
3K034BA18
3K034BB10
3K034EA18
3K034HA05
3K092PP05
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB02
3K092QB31
3K092QB70
3K092RF04
3K092RF17
3K092UA01
3K092UC03
3K092VV25
(57)【要約】
【課題】安全性の高い面状発熱体を提供する。
【解決手段】面状発熱体101は、面状の発熱層102が絶縁層104,105に挟まれ、発熱層102を保護するための保護層106を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状の発熱層が絶縁層に挟まれた面状発熱体において、
前記発熱層を保護するための保護層を備える
面状発熱体。
【請求項2】
前記保護層は、アラミド繊維を含む織物層である
請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項3】
前記保護層は、前記発熱層と一方の前記絶縁層との間に位置する
請求項1又は2に記載の面状発熱体。
【請求項4】
前記絶縁層と前記発熱層と前記保護層との間に、熱可塑性ポリウレタン樹脂により構成された接着層を備える
請求項1~3の何れか1項に記載の面状発熱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状に形成された面状発熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、面状発熱体として、「絶縁性基材と、前記絶縁性基材の少なくとも一方の表面に、抵抗体層であるナノカーボン材料層と、前記ナノカーボン材料層に接続された複数の電極層とを積層した構造を有し、前記ナノカーボン材料層の厚さが、0.01~5μmであり、表面抵抗値が20~300Ω/□であることを特徴とする、フレキシブルシート状発熱素子」が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の面状発熱体は、引き裂き、摩耗、孔あき等の損傷を生じると、発熱層の損傷部分での断面積が小さくなり、断面積が減少した部分での電流が増大して発熱量が局部的に増加し、発煙、発火等を生じる危険性がある。
本発明は、安全性の高い面状発熱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る面状発熱体は、面状の発熱層が絶縁層に挟まれた面状発熱体において、前記発熱層を保護するための保護層を備える。
本発明の係る面状発熱体において、前記保護層は、アラミド繊維を含む織物層であってもよい。
本発明の係る面状発熱体において、前記保護層は、前記発熱層と一方の前記絶縁層との間に位置してもよい。
本発明の係る面状発熱体において、前記絶縁層と前記発熱層と前記保護層との間に、熱可塑性ポリウレタン樹脂により構成された接着層を備えてもよい。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、発熱層に損傷が生じ難くなり、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1形態の面状発熱体の概略を示す図であり、(a)は一方の電極がある側の断面拡大図であり、(b)は厚み方向の他方側から見た図であり、(c)は厚み方向の一方側から見た図である。
【
図2】第1形態の面状発熱体を説明する説明図である。
【
図3】第2形態の面状発熱体を説明する説明図である。
【
図4】第3形態の面状発熱体を説明する説明図である。
【
図6】第3実施形態のヒータ装置の適用例を示し、(a)はクッションに適用した説明図であり(b)はジャケットの適用した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
1.概要
面状発熱体は、少なくとも、発熱層、電極、絶縁層及び保護層を備える。
具体的には、発熱層は、面状をし、発熱層に給電するための電極が発熱層に設けられる。絶縁層は、電極付きの発熱層をその厚み方向の両側から挟む。保護層は、発熱層を保護するように設けられている。
面状発熱体は、発熱層、絶縁層、保護層を接着(接合)するための接着層を備える。これにより、絶縁層や保護層が剥がれるのを防止できる。また、面状発熱体を容易に製造できる。
各部について説明する。
【0009】
2.各部
(1)発熱層
発熱層は、例えば、カーボンナノチューブフィルムやフラーレン等を利用でき、抵抗値の均一性を考慮すると、カーボンナノチューブが好ましい。発熱層の平面形状は、使用用途等によって適宜決定されるが、例えば、方形状、矩形状、4角形状以外の多角形状、楕円形状、円形状、長円形状、これらを組み合わせた形状等がある。
【0010】
(2)電極
電極は、発熱層に給電するためのものであり、電源供給部と配線を介して接続する。電極は、発熱層における対向する部位に設けられる。例えば、発熱層が矩形状をしている場合、対向する短辺側、対向する長辺側に設けられるのが好ましい。発熱層において電流が流れる電流路の長さを考慮すると、各方向の対向する端部に電極を設けるのが好ましい。
電極は、導電性材料により構成され、例えば、銅、鉄、アルミニウム合金等の金属材料が利用される。抵抗特性、操作性を考慮すると、銅箔を用いるのが好ましい。
【0011】
(3)絶縁層
絶縁層は、絶縁材料から構成され、面状(シート状)をしている。絶縁層は、例えば、絶縁樹脂材料により構成されたシート材(フィルム)や絶縁樹脂材料からなる繊維を用いた布材を利用できる。絶縁樹脂材料として、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド等を利用できる。
絶縁層は、少なくとも2枚以上あり、電極が取り付けられた発熱層を厚み方向の両側から挟む状態で設けられる。
少なくとも2枚の絶縁層は、同じ種類の材料であってもよいし、異なる種類の材料であってもよい。
少なくとも2枚の絶縁層は、発熱層や電極が外部に露出しない大きさであればよく、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
少なくとも2枚の絶縁層は、発熱層や電極が外部に露出しない形状であればよく、同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0012】
(4)保護層
保護層は、発熱層が引き裂かれたり、摩耗したり、穿孔したり等の破損を生じるのを防止する。保護層は、発熱層の厚み方向の両側に配されてもよいし、発熱層の厚み方向の一方側に配されてもよい。
保護層は、破損しやすい部位が事前にわかる場合は、その部位を覆うように配されてもよいし、発熱層の周辺部を主に覆うように配されてもよい。
保護層は、一対の絶縁層の表側(発熱層と反対側)に配されてもよいし、一方の絶縁層の表側(発熱層と反対側)に配されてもよい。
保護層は、発熱層を保護し、面状(シート状)をしている。保護層は、絶縁層よりも引張強度が高い材料により構成されている。保護層は、例えば、繊維を織った織物シートを利用できる。繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維等の化学繊維、綿、麻等の植物繊維(自然繊維)、羊毛、絹等の動物繊維(自然繊維)等がある。また、保護層は、耐摩耗性の高いものが好ましく、この観点からは、アラミド繊維が好ましい。
保護層は絶縁材料により構成されてもよい。この場合、例えば、面状発熱体の表面の絶縁層が使用による摩耗等で磨滅しても、保護層により絶縁性を確保することができる。
保護層を絶縁材料により構成する場合、絶縁層の機能を兼用してもよい。つまり、保護層と絶縁層は1つの両機能層により構成されてもよい。このようなものとして、例えば、絶縁繊維からなる布材料、ガラス繊維強化樹脂材料、アラミド繊維強化樹脂材料等がある。
【0013】
(5)接着層は、発熱層と絶縁層を接合させたり、発熱層と保護層とを接合したり、保護層と絶縁層とを接合したりする。
接着層は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を利用できる。これらは、使用前はシート状をしている接着シートが好ましい。製造の際に、接合する2層の間に接着シートを配し、加熱することで接合できる。このため、容易且つ確実に接合できる。特に、発熱層、絶縁層、保護層、絶縁層及び接着シートを所定順序で積層した後に加熱できるため、高い生産性が得られる。
接着層の材料として、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂等がある。
【0014】
3.形態
(1)第1形態
第1形態の面状発熱体を
図1及び
図2を用いて説明する。
面状発熱体101は、矩形状の面状の発熱層102と、発熱層102の厚み方向の一方側(
図1の(a)では下側である)に設けられた一対の電極103(
図1の(a)では一方の電極のみが表れている)と、発熱層102の厚み方向の他方側(
図1の(a)では上側である)に設けられた保護層106と、発熱層102と電極103とにおける厚み方向の一方側に設けられた第1絶縁層104と、保護層106における厚み方向の他方側に設けられた第2絶縁層105とを備える。
発熱層102と第1絶縁層104との間には接着層107aが、発熱層102と保護層106との間には接着層107bが、保護層106と第2絶縁層105との間には接着層107c,107dが設けられている。
発熱層102は、例えばカーボンナノチューブにより構成されている。電極103は銅箔により構成されている。保護層106は、例えば、パラ系のアラミド繊維であるケブラー(登録商標)の織物により構成されている。接着層107a,107b,107c,107dは、すべて熱可塑性ポリウレタンにより構成されている。
【0015】
面状発熱体101は、
図2に示すように、例えば、第1絶縁シート124に、一対の電極103、発熱層102、保護シート126、第2絶縁シート125を重ね合わせた後に、加熱処理することで製造される。
第1絶縁シート124は、第1絶縁層104に接着シート117aが張り合わされてなり、接着シート117aは加熱後の接着層107aとなる。
第2絶縁シート125は、第2絶縁層105に接着シート117dが張り合わされてなり、接着シート117dは加熱後の接着層107dとなる。ここでの第1絶縁層104と第2絶縁層105とは同じ材料で構成され、接着シート117aと接着シート117dとは同じ材料構成されている。つまり、第1絶縁シート124と第2絶縁シート125は同じ構成となる。
保護シート126は、保護層106に対してその厚み方向の両側から接着シート117b,117cを張り合わせてなる。接着シート117bは加熱後の接着層107bとなり、接着シート117cは加熱後に接着層107cとなる。ここでの接着シート117b,117cは同じ材料で構成されている。
また、第2絶縁シート125の接着シート117dは、保護シート126の接着シート117cとは同じ材料で構成されている。このため、加熱後は、保護シート126の接着シート117cと、第2絶縁シート125の接着シート117dとは一層の接着層になるが、
図1の(a)では、2層で表している。
【0016】
第1絶縁シート124、一対の電極103、発熱層102、保護シート126、第2絶縁シート125の重ねる順序は特に限定するものではない。
第1の例としては、発熱層102に電極103を最初に重ね、その後に、保護シート126、第2絶縁シート125、第1絶縁シート124の順で重ねてもよい。
第2の例としては、第2絶縁シート125に保護シート126を重ね、その後、第1絶縁シート124に電極103と発熱層102を重ね、最後に、第2絶縁シート125と第1絶縁シート124とを重ねてもよい。
第3の例としては、保護シート126に発熱層102と電極103を重ね、その後に、第1絶縁シート124と第2絶縁シート125を重ねてもよい。
【0017】
(2)第2形態
第2形態の面状発熱体201を
図3を用いて説明する。面状発熱体201は、図示されていないが、第1形態の面状発熱体101と区別するために、符号「201」を用いる
面状発熱体201は、矩形状の面状の発熱層102と、発熱層102の厚み方向の他方側(
図3では上側である)に設けられた一対の電極103と、発熱層102の厚み方向の他方側に設けられた保護層106と、発熱層102における厚み方向の一方側に設けられた第1絶縁層104と、保護層106における厚み方向の他方側に設けられた第2絶縁層105とを備える。
第1形態とは、電極103の配置位置が異なる。つまり、第2形態の面状発熱体201は、保護層106と発熱層102との間に電極103を備える点で、第1形態の面状発熱体101と相違する。
発熱層102と第1絶縁層104との間には接着層(107a)が、発熱層102と保護層106との間には接着層(107b)が、保護層106と第2絶縁層105との間には接着層(107c,107d)が設けられている。
発熱層102、電極103、保護層106、接着層(107a,107b,107c,107d)は、第1形態と同じ材料により構成されている。
【0018】
第2形態の面状発熱体201も、例えば、第1絶縁シート124に、発熱層102、一対の電極103、保護シート126、第2絶縁シート125を重ね合わせた後に、加熱処理することで製造される。第1絶縁シート124、第2絶縁シート125、保護シート126は、第1形態と同じ構成である。第1絶縁シート124、発熱層102、一対の電極103、保護シート126、第2絶縁シート125の重ねる順序は、第1形態と同様に、特に限定するものではない。
【0019】
(3)第3形態
第3形態の面状発熱体301を
図4を用いて説明する。面状発熱体301は、図示されていないが、第1形態の面状発熱体101や第2形態の面状発熱体201と区別するために、符号「301」を用いる
面状発熱体301は、矩形状の面状の発熱層102と、発熱層102の厚み方向の他方側(
図4では上側である)に設けられた一対の電極103と、発熱層102の厚み方向の一方側(
図4では下側である)に設けられた第1保護層306と、発熱層102の厚み方向の他方側に設けられた第2保護層106と、発熱層102における厚み方向の一方側に設けられた第1絶縁層104と、第2保護層106における厚み方向の他方側に設けられた第2絶縁層105とを備える。なお、各層の間には接着層が設けられている。
発熱層102、電極103、第2保護層106、接着層は、第1形態と同じ材料により構成され、第1保護層306も第2保護層106と同じ材料で構成されている。第1保護層306は、第2保護層106と同じ構成であるが、第2保護層106と区別するために符号「306」を用いている。なお、第2保護層106は、第1形態及び第2形態の保護層106と同じであるが、第1保護層306と区別するために「第2」としている。
第3形態の面状発熱体301は、第2形態とは、保護層106,306が発熱層102の厚み方向の両側に配されている点で異なる。
第3形態の面状発熱体301も、例えば、第1絶縁シート124に、第1保護シート326、発熱層102、一対の電極103、第2保護シート126、第2絶縁シート125を重ね合わせた後に、加熱処理することで製造される。
第1保護シート326は、第2保護シート126と同じ構成であり、第2保護シート126と区別するために、符号「326」を用いている。第1絶縁シート124、第2絶縁シート125、保護シート126,326は、第1形態と同じ構成である。第1絶縁シート124、第1保護シート326、発熱層102、一対の電極103、第2保護シート126、第2絶縁シート125の重ねる順序は、第1形態と同様に、特に限定するものではない。
【0020】
<第2実施形態>
面状発熱体411を利用したヒータ装置400について説明する。
ヒータ装置400は、
図5に示すように、面状発熱体411を備える発熱ユニット410と、発熱ユニット410を電気的に制御する制御ユニット430とを備える。発熱ユニット410は、制御ユニット430から配線420を介して電力供給を受ける。ここでの発熱ユニット410は、温度センサー419を有し、制御ユニット430は発熱ユニット410の温度が閾値を超えると発熱ユニット410への給電を停止する。
以下、各ユニットについて説明する。
【0021】
発熱ユニット410は、面状発熱体411と、温度センサー419とを備え、これらは配線420と接続される。面状発熱体411は、矩形状の2個の発熱層412A,412Bと、電極413a、413b,413cと、各発熱層412A,412Bを覆う2個の保護層416A,416Bと、絶縁層414,415とを備える。
発熱層412A,412B、電極413a,413b,413c、保護層406、絶縁層414,415は接着層(図示省略)により接合される。
図5において、電極413a,413b,413cは発熱層412A,412Bの裏側にあり、保護層416A,416Bは、発熱層412A,412Bの表側に位置し、発熱層412A,412Bと区別できるようにハッチングを施している。
2個の発熱層412A,412Bは、長手方向が平行となるように短手方向に間隔を置いて設けられている。発熱層412A,412Bの長手方向の一方側に電極413a,413cが接続され、発熱層412A,412Bの長手方向の他方側に共通の電極413bが接続されている。なお、電極413a,413cには、制御ユニット430側と接続する配線420a,420bが接続される。
保護層406は、電流が流れる方向と直交する断面(紙面と直交する断面である)において、発熱層412A,412Bの60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上を覆うように設けられている。60%以上設けることで、発熱層412A,412Bにおいて、保護層406により保護されていない部分が損傷しても、過度な温度上昇を防止できる。
なお、被覆する比率は、発熱層412A,412Bに流れる電流に依存し、換言すると、被覆されていない領域が損傷により温度上昇した場合でも、焦げや燃焼を起こすおそれのない範囲である。
温度センサー419は、例えば、2個の発熱層412A,412Bの間に配され、配線420cを介して制御ユニット430に接続されている。
【0022】
制御ユニット430は、電源部431と、電源部431の電力を利用して発熱ユニット410に給電する電力供給部432と、温度センサー419が検知する温度に従って発熱ユニット410に供給する電力を制御する制御部433と、各種のデータ等を記憶する記憶部434とを備え、スイッチ435の操作によりON/OFFする。
電源部431は、充放電可能なバッテリにより構成される。
電力供給部432は、DC/DCコンバータにより構成され、電源部431からの電力を、制御部433から指示された電力(電流)に変換して、発熱ユニット410に出力する。
制御部433は、CPUにより構成され、記憶部434に記憶されているコンピュータプログラムや各種の設定データに基づき、発熱ユニット410に給電する電力を制御する。具体的には、スイッチ435がONされると、制御部433は、プログラムをスタートし、設定された第1の電力を供給するように電力供給部432に指示すると共に、発熱ユニット410の温度センサー419をモニターし、温度センサー419が検知した温度が閾値を超えると、第1の電力よりも低い第2の電力を供給するように電力供給部432に指示する。
記憶部434は、制御部433の作業用のRAM、ROM又はフラッシュメモリで構成されている。
【0023】
<第3実施形態>
ヒータ装置の適用例について説明する。
クッション501は、
図6の(a)に示すように、クッション本体502の内部に発熱ユニット503を内蔵し、クッション本体502の外部の制御ユニット504により温度調整できる。発熱ユニット503と制御ユニット504とは配線505により接続されている。制御ユニット504は、第2実施形態の制御ユニット504と同様の構成であるが、使用者の制御ユニット504の操作により発熱ユニット503の温度を変更する機能も有する。
ジャケット511は、
図6の(b)に示すように、ジャケット本体512の背中部分に発熱ユニット513が張り合わされ、ジャケット本体512のポケットに制御ユニット514が収容されている。
ヒータ装置は、上記のクッション(座布団)、ジャケットのほか、ベスト、防寒着等の衣服、毛布、布団等の寝具等に利用できる。
【0024】
以上のように、第1~第3実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0025】
101 面状発熱体
102 発熱層
103 電極
104 第1絶縁層
105 第2絶縁層
106 保護層
107 接着層