(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071806
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】クロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20220509BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220509BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20220509BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20220509BHJP
【FI】
G06K7/10 236
G06K7/10 252
H01Q1/22 Z
H01Q9/16
H01Q21/24
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059966
(22)【出願日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0141588
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】521112800
【氏名又は名称】エーパルステクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナム ジュン
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
【Fターム(参考)】
5J021AB03
5J021JA07
5J047AA02
5J047AA12
5J047AB07
5J047EF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】線形偏波又は円形偏波アンテナの信号リーディング特性に関連した短所を改善でき、RFIDタグの位置に関係なく良好な信号リーディング特性を有する携帯型RFIDリーダーを提供する。
【解決手段】携帯型RFIDリーダー100は、取っ手を含む携帯型タイプであり、非接触式方式でRFIDタグと通信を行うリーダー本体10と、リーダー本体に連結され、非接触式方式でRFIDタグとの通信に必要なRF信号を送受信するクロス八木アンテナ30を具備するクロス八木アンテナ組立体20と、を含む。ここで、クロス八木アンテナは、水平面に対して-45度の角度で配置された板状の第1八木アンテナ40と、水平面に対して45度の角度で配置され、第1八木アンテナに交差するように結合された板状の第2八木アンテナ50と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取っ手を含む携帯型タイプであり、非接触式方式でRFIDタグと通信を行うリーダー本体と、
前記リーダー本体に連結され、非接触式方式でRFIDタグとの通信に必要なRF信号を送受信するクロス八木アンテナを具備するクロス八木アンテナ組立体と、を含み、
前記クロス八木アンテナは、
水平面に対して-45度の角度で配置された板状の第1八木アンテナと、
水平面に対して45度の角度で配置され、前記第1八木アンテナに交差するように結合された板状の第2八木アンテナと、
を含む、クロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項2】
前記クロス八木アンテナは、
前記第1および第2八木アンテナが設置されるベース基板をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項3】
前記クロス八木アンテナ組立体は、
前記クロス八木アンテナが内蔵されるアンテナケースをさらに含み、
前記アンテナケースは、
前記ベース基板が挿入される第1アンテナケースと、
前記第1アンテナケースに結合され、内部に前記ベース基板に結合された前記第1および第2八木アンテナが位置する第2アンテナケースと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項4】
前記第1八木アンテナは、
第1-1面と、前記第1-1面に反対になる第1-2面と、を有する第1印刷回路基板と、
前記第1-1面に形成された第1-1アンテナパターンと、
前記第1-2面に形成された第1-2アンテナパターンと、
前記第1印刷回路基板の上部中心から下方に一定の深さで形成された第1スロットと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項5】
前記第2八木アンテナは、
第2-1面と、前記第2-1面に反対になる第2-2面と、を有する第2印刷回路基板と、
前記第2-1面に形成された第2-1アンテナパターンと、
前記第2-2面に形成された第2-2アンテナパターンと、
前記第2印刷回路基板の下部中心から上方に一定の深さで形成された第2スロットと、
を含むことを特徴とする請求項4に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項6】
前記第1スロットに前記第2スロットが結合されて、前記第1八木アンテナと前記第2八木アンテナが重なることを特徴とする請求項5に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項7】
前記ベース基板を介して前記第1および第2八木アンテナにそれぞれ連結される第1および第2ポートを介して前記第1および第2八木アンテナに交互にRF信号を送受信することを特徴とする請求項6に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項8】
前記第1-1アンテナパターンに給電する前記第1ポートの同軸が前記ベース基板を介して連結され、
前記第1-2アンテナパターンは、給電する前記第1ポートの接地面が前記ベース基板を介して連結されることを特徴とする請求項7に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項9】
前記第1-1および前記第1-2アンテナパターンは、それぞれ、
前記第1印刷回路基板の下部中心から垂直方向に形成された第1-1および第1-2垂直ラインと、
前記第1-1および第1-2垂直ラインの上部で連結されて、前記第1-1および第1-2垂直ラインから外側に伸びている第1-1および第1-2放射ラインと、を含み、
前記第1-1および第1-2垂直ラインは、前記第1印刷回路基板を挟んで前記第1-1面と前記第1-2面に重なるように形成され、
前記第1-1および第1-2放射ラインは、前記第1-1および第1-2垂直ラインを中心に互いに反対方向に形成され、
前記第1-1垂直ラインは、前記第1ポートの同軸に電気的に連結され、
前記第1-2垂直ラインは、前記第1ポートの接地面に電気的に連結されることを特徴とする請求項8に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項10】
前記第2-1アンテナパターンに給電する前記第2ポートの同軸が前記ベース基板を介して連結され、
前記第2-2アンテナパターンは、給電する前記第2ポートの接地面が前記ベース基板を介して連結されることを特徴とする請求項9に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【請求項11】
前記第2-1および前記第2-2アンテナパターンは、それぞれ、
前記第2印刷回路基板の下部中心から垂直方向に形成された第2-1および第2-2垂直ラインと、
前記第2-1および第2-2垂直ラインの上部で連結されて、前記第2-1および第2-2垂直ラインから外側に伸びている第1-1および第1-2放射ラインと、を含み、
前記第2-1および第2-2垂直ラインは、前記第2印刷回路基板を挟んで前記第1-1面と前記第1-2面に重なるように形成され、
前記第2-1および第2-2放射ラインは、前記第2-1および第2-2垂直ラインを中心に互いに反対方向に形成され、
前記第2-1垂直ラインは、前記第2ポートの同軸に電気的に連結され、
前記第2-2垂直ラインは、前記第2ポートの接地面に電気的に連結されることを特徴とする請求項10に記載のクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型RFIDリーダーに関し、より詳細には、RFIDタグの位置に関係なく、良好な信号リーディング特性を有するクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子タグというのは、自動認識手段であるRFID(radio frequency identification)を含むRFIDタグであり、記録された情報を超短波や長波を利用して無線で伝送することができる。RFIDタグから無線で伝送された情報は、RFIDリーダーのアンテナを介して受信される。RFIDリーダーは、RFIDタグから受信した情報を認識し分析して、RFIDタグが装着された物品等の固有情報を取得することができる。
【0003】
したがって、RFIDリーダーは、RFIDタグにより非接触方式による情報をリーディング(読み出し)するだけでなく、記録することによって、付着した物品ばかりでなく、動物、人等のオブジェクトに対する認識、追跡および管理を行うことができる。
【0004】
RFIDリーダーのうちUHF帯域でリーディングを行う携帯型RFIDリーダーに適用されるアンテナとしては、線形偏波(linear polarization)または円形偏波(circular polarization)アンテナが主に使用される。
【0005】
線形偏波アンテナが適用されたRFIDリーダーは、垂直偏波と垂直偏波の分離度が0の値を有する。これにより、RFIDタグと互いに水平方向であるとき、最大の信号リーディング特性を示すが、反対に互いに垂直方向であるとき、最低の信号リーディング特性を示す。すなわちRFIDリーダーとRFIDタグとの間の位置によって信号リーディング特性に顕著な差異を発生する。
【0006】
円形偏波アンテナが適用されたRFIDリーダーは、垂直偏波と垂直偏波の分離度が0.5(-3dB)の値を有する。RFIDリーダーとRFIDタグとの間の位置した方向による信号リーディング特性にはほとんど差異がない。しかしながら、RFIDタグアンテナの偏波特性とRFIDリーダーアンテナの偏波特性による3dBの損失が発生するので、同一ゲイン(gain)の線形偏波アンテナと比較して信号リーディング特性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1955661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、従来の線形偏波または円形偏波アンテナの信号リーディング特性に関連した短所を改善できるRFIDタグの位置に関係なく、良好な信号リーディング特性を有するクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、取っ手を含む携帯型タイプであり、非接触式方式でRFIDタグと通信を行うリーダー本体と、前記リーダー本体に連結され、非接触式方式でRFIDタグとの通信に必要なRF信号を送受信するクロス八木アンテナを具備するクロス八木アンテナ組立体と、を含むクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダーを提供する。
【0010】
前記クロス八木アンテナは、水平面に対して-45度の角度で配置された板状の第1八木アンテナと、水平面に対して45度の角度で配置され、前記第1八木アンテナに交差するように結合された板状の第2八木アンテナと、を含む。
【0011】
前記クロス八木アンテナは、前記第1および第2八木アンテナが設置されるベース基板をさらに含むことができる。
【0012】
前記クロス八木アンテナ組立体は、前記クロス八木アンテナが内蔵されるアンテナケースをさらに含む。
【0013】
前記アンテナケースは、前記ベース基板が挿入される第1アンテナケースと、前記第1アンテナケースに結合され、内部に前記ベース基板に結合された前記第1および第2八木アンテナが位置する第2アンテナケースと、を含むことができる。
【0014】
前記第1八木アンテナは、第1-1面と前記第1-1面に反対になる第1-2面とを有する第1印刷回路基板と、前記第1-1面に形成された第1-1アンテナパターンと、前記第1-2面に形成された第1-2アンテナパターンと、前記第1印刷回路基板の上部中心から下方に一定の深さで形成された第1スロットと、を含むことができる。
【0015】
前記第2八木アンテナは、第2-1面と前記第2-1面に反対になる第2-2面とを有する第2印刷回路基板と、前記第2-1面に形成された第2-1アンテナパターンと、前記第2-2面に形成された第2-2アンテナパターンと、前記第2印刷回路基板の下部中心から上方に一定の深さで形成された第2スロットと、を含むことができる。
【0016】
前記第1スロットに前記第2スロットが結合されて、前記第1八木アンテナと前記第2八木アンテナが重なることができる。
【0017】
前記ベース基板を介して前記第1および第2八木アンテナにそれぞれ連結される第1および第2ポートを介して前記第1および第2八木アンテナに交互にRF信号を送受信することができる。
【0018】
前記第1-1アンテナパターンに給電する前記第1ポートの同軸が、前記ベース基板を介して連結され得る。
【0019】
前記第1-2アンテナパターンは、給電する前記第1ポートの接地面が前記ベース基板を介して連結され得る。
【0020】
前記第1-1および前記第1-2アンテナパターンは、それぞれ、前記第1印刷回路基板の下部中心から垂直方向に形成された第1-1および第1-2垂直ラインと、前記第1-1および第1-2垂直ラインの上部で連結されて、前記第1-1および第1-2垂直ラインから外側に伸びている第1-1および第1-2放射ラインと、を含むことができる。
【0021】
前記第1-1および第1-2垂直ラインは、前記第1印刷回路基板を挟んで前記第1-1面と前記第1-2面に重なるように形成され得る。
【0022】
前記第1-1および第1-2放射ラインは、前記第1-1および第1-2垂直ラインを中心に互いに反対方向に形成され得る。
【0023】
前記第1-1垂直ラインは、前記第1ポートの同軸に電気的に連結され得る。
【0024】
前記第1-2垂直ラインは、前記第1ポートの接地面に電気的に連結され得る。
【0025】
前記第2-1アンテナパターンに給電する前記第2ポートの同軸が前記ベース基板を介して連結され得る。
【0026】
前記第2-2アンテナパターンは、給電する前記第2ポートの接地面が前記ベース基板を介して連結され得る。
【0027】
前記第2-1および前記第2-2アンテナパターンは、それぞれ、前記第2印刷回路基板の下部中心から垂直方向に形成された第2-1および第2-2垂直ラインと、前記第2-1および第2-2垂直ラインの上部で連結されて、前記第2-1および第2-2垂直ラインから外側に伸びている第1-1および第1-2放射ラインと、を含むことができる。
【0028】
前記第2-1および第2-2垂直ラインは、前記第2印刷回路基板を挟んで前記第1-1面と前記第1-2面に重なるように形成され得る。
【0029】
前記第2-1および第2-2放射ラインは、前記第2-1および第2-2垂直ラインを中心に互いに反対方向に形成され得る。
【0030】
前記第2-1垂直ラインは、前記第2ポートの同軸に電気的に連結され得る。
【0031】
そして、前記第2-2垂直ラインは、前記第2ポートの接地面に電気的に連結され得る。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、携帯型RFIDリーダーは、水平面に対して-45度および45度で重なったクロス八木アンテナを含むので、携帯型RFIDリーダーとRFIDタグとの間の位置した方向と関係なく、良好な信号リーディング特性を示す。
【0033】
本発明によるクロス八木アンテナは、同一形態の第1八木アンテナと第2八木アンテナが互いに直交するように結合され、且つ、水平面に対して-45度および45度で重なった構造を有するので、2つのアンテナを使用しても、占める大きさを減らすことができる。
【0034】
本発明によるクロス八木アンテナは、第1八木アンテナに連結された第1ポートと、第2八木アンテナに連結された第2ポートを介して数十msの時間差をもってそれぞれリーディングのためのRF信号を供給して出力することによって、携帯型RFIDリーダーとRFIDタグとの間に垂直および水平を含む任意の角度でも良好な信号リーディング特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本実施形態によるクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダーを示すブロック図である。
【
図2】本実施形態による携帯型RFIDリーダー用クロス八木アンテナ組立体を示す分解斜視図である。
【
図3】
図2のクロス八木アンテナ組立体を示す結合斜視図である。
【
図4】
図2のクロス八木アンテナを示す斜視図である。
【
図5】
図4のクロス八木アンテナのベース基板を示す平面図である。
【
図6】
図4のクロス八木アンテナの第1八木アンテナを示す平面図である。
【
図7】
図4のクロス八木アンテナの第2八木アンテナを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
下記の説明では、本発明の実施形態を理解するに必要な部分のみが説明され、その他の部分の説明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で省略されることに留意しなければならない。
【0037】
以下で説明される本明細書および請求範囲に使用された用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念で適切に定義することができるという原則に基づいて本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に図示された構成は、本発明の好ましい実施形態に過ぎないだけであり、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0038】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0039】
図1は、本実施形態によるクロス八木アンテナを含む携帯型RFIDリーダーを示すブロック図である。
【0040】
図1を参照すると、本実施形態による携帯型RFIDリーダー100は、リーダー本体10と、クロス八木アンテナ組立体20とを含む。リーダー本体10は、取っ手を含む携帯型タイプであり、非接触式方式でRFIDタグと通信を行う。そして、クロス八木アンテナ組立体20は、リーダー本体10に連結され、非接触式方式でRFIDタグとの通信に必要なRF信号を送受信する。
【0041】
リーダー本体10は、クロス八木アンテナ組立体20に内蔵されたクロス八木アンテナ30を介してRFIDタグと通信を行う。このようなリーダー本体10は、RFIDタグをリーディングし、リーディングしたRFIDタグの情報を保存する。リーダー本体10は、リーディングしたRFIDタグの情報をユーザが確認できるように表示することができる。リーダー本体10は、RFIDタグに必要な情報を保存し、リーディングしたRFIDタグの情報を更新することができる。
【0042】
このようなリーダー本体10は、ユーザが手で把持した状態で使用できる携帯型タイプで具現される。例えばリーダー本体10は、ガンタイプで具現され得る。
【0043】
そして、クロス八木アンテナ組立体20は、クロス八木アンテナ30と、クロス八木アンテナ30が内蔵されるアンテナケース70と、を含む。
【0044】
クロス八木アンテナ30は、クロスで交差するように結合された板状の第1八木アンテナ40と、板状の第2八木アンテナ50とを含む。第1八木アンテナ40は、水平面に対して-45度の角度で配置される。そして、第2八木アンテナ50は、水平面に対して45度の角度で配置され、第1八木アンテナ40に交差するように結合される。
【0045】
第1および第2八木アンテナ40、50は、それぞれ、第1および第2ポート80、90を介してリーダー本体10に電気的に連結され、第1および第2ポート80、90を介してRF信号を送受信する。±45度方向に互いに直交するように配置された第1および第2八木アンテナ40、50は、第1および第2ポート80、90を介して数十msの時間差をもってRF信号を送受信することによって、携帯型RFIDリーダー100とRFIDタグとの間に垂直および水平を含む任意の角度でも良好な信号リーディング特性を示すことができる。
【0046】
このような本実施形態による携帯型RFIDリーダー100用クロス八木アンテナ組立体20について
図1~
図3を参照して説明すると、次の通りである。ここで、
図2は、本実施形態による携帯型RFIDリーダー用クロス八木アンテナ組立体20を示す分解斜視図である。そして、
図3は、
図2のクロス八木アンテナ組立体20を示す結合斜視図である。
【0047】
クロス八木アンテナ組立体20は、前述したように、クロス八木アンテナ30と、クロス八木アンテナ30が内蔵されるアンテナケース70とを含む。
【0048】
クロス八木アンテナ30は、第1および第2八木アンテナ40、50を含み、ベース基板60をさらに含むことができる。第1および第2八木アンテナ40、50は、ベース基板60の上に交差するように結合される。
【0049】
ベース基板60は、第1および第2八木アンテナ40、50が交差するように結合される支持板である。第1および第2ポート80、90は、ベース基板60を介して第1および第2八木アンテナ40、50に電気的に連結される。
【0050】
アンテナケース70は、第1アンテナケース71と第2アンテナケース79を含む。第1アンテナケース71は、ベース基板60が挿入されて支持される。そして、第2アンテナケース79は、第1アンテナケース71に結合され、内部にベース基板60に結合された第1および第2八木アンテナ40、50が位置する。
【0051】
ここで、第1アンテナケース71は、ベース基板60が挿入される基板挿入部73と、基板挿入部73に連結されて、リーダー本体10に結合される結合部75と、を含む。結合部75には、第1および第2八木アンテナ40、50から引き出された第1および第2ポート80、90がリーダー本体10に連結され得る通路77が形成されている。
【0052】
第2アンテナケース79は、第1および第2八木アンテナ40、50が挿入される内部空間を有する。例えば、第2アンテナケース79は、挿入される第1および第2八木アンテナ40、50の形状に対応するように、クロス形態の内部空間および外形を有するように具現され得る。
【0053】
このような本実施形態によるクロス八木アンテナ30について
図4~
図7を参照して説明すると、次の通りである。
図4は、
図2のクロス八木アンテナ30を示す斜視図である。
図5は、
図4のクロス八木アンテナ30のベース基板60を示す平面図である。
図6は、
図4のクロス八木アンテナ30の第1八木アンテナ40を示す平面図である。そして、
図7は、
図4のクロス八木アンテナ30の第2八木アンテナ50を示す平面図である。
【0054】
図4を参照すると、クロス八木アンテナ30は、前述したように、ベース基板60、第1八木アンテナ40および第2八木アンテナ50を含む。
【0055】
ベース基板60は、四角板形態であり、上部にクロス形態で交差するように結合された第1および第2八木アンテナ40、50が結合されて固定される。第1および第2八木アンテナ40、50は、物理的な結合方式、接着剤またはハンダ付けを用いた接合方式等を用いてベース基板60の上に固定され得る。
【0056】
ベース基板60の中心部分には、第1および第2八木アンテナ40、50にそれぞれ電気的に連結される第1および第2ポート80、90が挿入され得る複数の貫通ホール61、63が形成されている。複数の貫通ホール61、63は、第1ポート80が挿入される第1貫通ホール61と、第2ポート90が挿入される第2貫通ホール63とを含む。
【0057】
ベース基板60の上に結合される第1および第2八木アンテナ40、50の位置自由度を提供するために、第1および第2貫通ホール61、63に対称する側に第1および第2ダミー貫通ホールが形成されている。すなわち第1および第2八木アンテナ40、50がベース基板60の上にいずれの方向に設置されても、第1および第2貫通ホール61、63と第1および第2ダミー貫通ホールを介して第1および第2ポート80、90を第1および第2八木アンテナ40、50に電気的に連結することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、第1および第2八木アンテナ40、50がベース基板60に設置される例を開示したが、これに限定されるものではない。すなわちクロス八木アンテナ30は、ベース基板60を含まなくてもよい。この場合、第1および第2八木アンテナ40、50は、アンテナケース70に結合されて固定される。第1および第2八木アンテナ40、50に直接第1および第2ポート80、90が電気的に連結される。
【0059】
ここで、第1および第2ポート80、90は、中心に同軸81、91が形成され、同軸81、91の周りに接地面83、93が形成された同軸ケーブルでありうる。すなわち第1ポート80は、第1同軸81と第1接地面83を含み、第2ポート90は、第2同軸91と第2接地面93を含む。
【0060】
クロス形態で交差するように結合された第1および第2八木アンテナ40、50は、第1八木アンテナ40の上部から下方に結合する方式で第2八木アンテナ50が結合され得る。
【0061】
第1および第2八木アンテナ40、50は、それぞれ、印刷回路基板41、51、アンテナパターン44、45、54、55およびスロット47、57を含む。第1および第2八木アンテナ40、50を区分して説明すると、次の通りである。
【0062】
第1八木アンテナ40は、
図6を参照すると、第1印刷回路基板41、第1アンテナパターン44、45および第1スロット47を含む。第1アンテナパターン44、45は、第1-1アンテナパターン44および第1-2アンテナパターン45を含む。第1印刷回路基板41は、第1-1面42と、第1-1面42に反対になる第1-2面43とを有する。第1-1アンテナパターン44は、第1-1面42に形成される。第1-2アンテナパターン45は、第1-2面43に形成される。第1スロット47は、第1印刷回路基板41の上部中心から下方に一定の深さで形成される。そして、第1八木アンテナ40は、第1接地パッド46をさらに含むことができる。
【0063】
ここで、第1印刷回路基板41は、横の長さが相対的に長い矩形の板で具現され得る。第1印刷回路基板41は、絶縁性を有するプラスチック素材の基板でありうる。
【0064】
第1-1および前記第1-2アンテナパターン44、45は、それぞれ、第1印刷回路基板41の下部中心から垂直方向に形成された第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aと、第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aの上部で連結されて、第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aから外側に伸びている第1-1および第1-2放射ライン44b、45bとを含む。
【0065】
第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aは、第1印刷回路基板41を挟んで第1-1面42と第1-2面43に重なるように形成され得る。
【0066】
第1-1および第1-2放射ライン44b、45bは、第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aを中心に互いに反対方向に形成され得る。
【0067】
第1スロット47を中心に両側に第1-1および第1-2放射ライン44b、45bが形成される。第1-1および第1-2垂直ライン44a、45aは、第1スロット47から離隔するように形成される。
【0068】
第1-1垂直ライン44aは、第1ポート80の第1同軸81に電気的に連結される。第1-2垂直ライン45aは、第1ポート80の第1接地面83に電気的に連結される。この際、第1-2垂直ライン45aは、第1接地パッド46を介して第1ポート80の第1接地面83に電気的に連結される。
【0069】
第1接地パッド46は、第1-1面42に形成され、且つ、第1ポート80の第1同軸81が連結される第1-1垂直ライン44aの下方に形成される。第1接地パッド46が第1-1面42に反対になる第1-2面43には、第1-2垂直ライン45aの下端部が位置する。もちろん第1接地パッド46は、第1-1垂直ライン44aに対して離隔している。第1接地パッド46は、第1-2垂直ライン45aに連結される。例えば、第1接地パッド46は、第1-1面42に反対になる第1-2面43に形成された第1-2垂直ライン45aに第1印刷回路基板41の下端部を介して直接電気的に連結されたり、第1印刷回路基板41を貫通するビアを介して電気的に連結される。
【0070】
したがって、第1ポート80を第1八木アンテナ40に電気的に連結するとき、第1ポート80の第1同軸81は、第1-1垂直ライン44aに電気的に接合し、第1ポート80の第2接地面83は、第1接地パッド46に電気的に接合する。そして、第1接地パッド46は、第1-2垂直ライン45aに連結されている。
【0071】
第2八木アンテナ50は、
図7を参照すると、第2印刷回路基板51、第2アンテナパターン54、55および第2スロット57を含む。第2アンテナパターン54、55は、第2-1アンテナパターン54および第2-2アンテナパターン55を含む。第2印刷回路基板51は、第2-1面52と、第2-1面52に反対になる第2-2面53とを有する。第2-1アンテナパターン54は、第2-1面52に形成される。第2-2アンテナパターン55は、第2-2面53に形成される。第2スロット57は、第2印刷回路基板51の下部中心から上方に一定の深さで形成される。そして、第2八木アンテナ50は、第2接地パッド56をさらに含むことができる。
【0072】
したがって、第1八木アンテナ40に第2八木アンテナ50が結合されるとき、第1スロット47に第2スロット57が結合されて、第1八木アンテナ40と第2八木アンテナ50がクロスで重なる。
【0073】
ここで、第2印刷回路基板51は、横の長さが相対的に長い矩形の板で具現され得る。第2印刷回路基板51は、絶縁性を有するプラスチック素材の基板でありうる。
【0074】
第2-1および前記第2-2アンテナパターン54、55は、それぞれ、第2印刷回路基板51の下部中心から垂直方向に形成された第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aと、第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aの上部で連結されて、第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aから外側に伸びている第2-1および第2-2放射ライン54b、55bを含む。
【0075】
第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aは、第2印刷回路基板51を挟んで第2-1面52と第2-2面53に重なるように形成され得る。
【0076】
第2-1および第2-2放射ライン54b、55bは、第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aを中心に互いに反対方向に形成され得る。
【0077】
第2スロット57を中心に両側に第2-1および第2-2放射ライン54b、55bが形成される。第2-1および第2-2垂直ライン54a、55aは、第2スロット57から離隔するように形成される。
【0078】
第2-1垂直ライン54aは、第2ポート90の第2同軸91に電気的に連結される。第2-2垂直ライン55aは、第2ポート90の第2接地面93に電気的に連結される。この際、第2-2垂直ライン55aは、第2接地パッド56を介して第2ポート90の第2接地面93に電気的に連結される。
【0079】
第2接地パッド56は、第2-1面52に形成され、且つ、第2ポート90の第2同軸91が連結される第2-1垂直ライン54aの下方に形成される。第2接地パッド56が第2-1面52に反対になる第2-2面53には、第2-2垂直ライン55aの下端部が位置する。もちろん、第2接地パッド56は、第2-1垂直ライン54aに対して離隔している。第2接地パッド56は、第2-2垂直ライン55aに連結される。例えば、第2接地パッド56は、第2-1面52に反対になる第2-2面53に形成された第2-2垂直ライン55aに第2印刷回路基板51の下端部を介して直接電気的に連結されたり、第2印刷回路基板51を貫通するビアを介して電気的に連結される。
【0080】
したがって、第2ポート90を第2八木アンテナ50に電気的に連結するとき、第2ポート90の第2同軸91は、第2-1垂直ライン54aに電気的に接合し、第2ポート90の第2接地面93は、第2接地パッド56に電気的に接合する。そして、第2接地パッド56は、第2-2垂直ライン55aに連結されている。
【0081】
このように本実施形態による携帯型RFIDリーダー100は、水平面に対して-45度および45度で重なったクロス八木アンテナ30を含むので、携帯型RFIDリーダー100とRFIDタグ間の位置した方向と関係なく、良好な信号リーディング特性を示す。
【0082】
本実施形態によるクロス八木アンテナ30は、同一形態の第1八木アンテナ40と第2八木アンテナ50が互いに直交するように結合され、且つ、水平面に対して-45度および45度で重なった構造を有するので、2つのアンテナを使用しても、占める大きさを減らすことができる。
【0083】
そして、本実施形態によるクロス八木アンテナ30は、第1八木アンテナ40に連結された第1ポート80と第2八木アンテナ50に連結された第2ポート90を介して数十msの時間差をもってそれぞれリーディングのためのRF信号を供給して出力することによって、携帯型RFIDリーダー100とRFIDタグとの間に垂直および水平を含む任意の角度でも良好な信号リーディング特性を示す。
【0084】
なお、本明細書と図面に開示された実施形態は、理解を助けるために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態以外にも本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に自明なものである。
【符号の説明】
【0085】
10 リーダー本体
20 クロス八木アンテナ組立体
30 クロス八木アンテナ
40 第1八木アンテナ
41 第1印刷回路基板
42 第1-1面
43 第1-2面
44 第1-1アンテナパターン
44a 第1-1垂直ライン
44b 第1-1放射ライン
45 第1-2アンテナパターン
45a 第1-2垂直ライン
45b 第1-2放射ライン
46 第1接地パッド
47 第1スロット
50 第2八木アンテナ
51 第2印刷回路基板
52 第2-1面
53 第2-2面
54 第2-1アンテナパターン
54a 第2-1垂直ライン
54b 第2-1放射ライン
55 第2-2アンテナパターン
55a 第2-2垂直ライン
55b 第2-2放射ライン
56 第2接地パッド
57 第2スロット
60 ベース基板
61 第1貫通ホール
63 第2貫通ホール
70 アンテナケース
71 第1アンテナケース
73 基板挿入部
75 結合部
77 通路
79 第2アンテナケース
80 第1ポート
81 第1同軸
83 第1接地面
90 第2ポート
91 第2同軸
93 第2接地面
100 携帯型RFIDリーダー