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特開2022-71868ユニエレクトロ格子鉛蓄電池とその製造方法および性能
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071868
(43)【公開日】2022-05-16
(54)【発明の名称】ユニエレクトロ格子鉛蓄電池とその製造方法および性能
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/14 20060101AFI20220509BHJP
   H01M 10/12 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 10/18 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/68 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/73 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/76 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/20 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/56 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 10/08 20060101ALI20220509BHJP
   H01M 50/437 20210101ALI20220509BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20220509BHJP
【FI】
H01M4/14 Q
H01M10/12 K
H01M10/18
H01M4/68 A
H01M4/73 Z
H01M4/76 A
H01M4/20 Z
H01M4/56
H01M4/62 B
H01M10/08
H01M50/437
H01M50/417
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021176261
(22)【出願日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202021047108
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】518386656
【氏名又は名称】インディアン オイル コーポレイション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INDIAN OIL CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】モハナスンダラム、パルヴァナン
(72)【発明者】
【氏名】サマラ、バヌムルシー
(72)【発明者】
【氏名】ラマン、ナドゥハッティ セライ
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、シャイレンドラ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ラマクマール、サンカラ スリ ベンカタ
【テーマコード(参考)】
5H017
5H021
5H028
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA01
5H017AS03
5H017AS10
5H017CC05
5H017CC23
5H017DD06
5H017EE03
5H017EE07
5H017HH01
5H017HH03
5H021CC02
5H021EE04
5H021EE28
5H028AA05
5H028BB10
5H028CC08
5H028CC11
5H028CC19
5H028EE01
5H028EE06
5H028FF09
5H028FF10
5H028HH00
5H028HH01
5H028HH03
5H028HH05
5H028HH10
5H050AA02
5H050AA07
5H050BA09
5H050CA06
5H050CB15
5H050DA05
5H050EA01
5H050EA10
5H050EA23
5H050FA01
5H050FA03
5H050FA07
5H050GA10
5H050GA18
5H050GA22
5H050HA01
5H050HA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】正極板および負極板の間に複数の電流流路と短い電流流路とを有し、同じ極板が、一つのセルの正極板として、他方の面では、別のセルの負極板として機能するユニエレクトロ格子板、ならびに平板状ユニエレクトロ格子または管状ユニエレクトロ格子を作製する方法を提供する。
【解決手段】a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または平板状正極及び負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、b)第1面に正極活物質を含む管状正極格子及び第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、または第1面に正極活物質を含む平板状正極格子および2面に負極活物質を含む平板状負極格子を含む非導電性基板と、c)格子の一方の面に少なくとも単一の、又は正極及び負極の格子の間に配置された複数のインターコネクタと、d)シーラントを含むユニエレクトロ格子板を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または平板状正極格子板および平板状負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、
b)第1面に正極活物質を有する管状正極格子および第2面に負極活物質を有する平板状負極格子、または第1面に正極活物質を有する平板状正極格子および第2面に負極活物質を有する平板状負極格子、を含む非導電性基板と、
c)前記格子の一方の面に少なくとも単一の、または前記正極格子および前記負極格子の間に配置された複数の、インターコネクタと、
d)シーラントと、
を含むユニエレクトロ格子板。
【請求項2】
前記正極格子、前記負極格子および前記インターコネクタが、鉛金属またはその合金を含み、前記合金が、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレンまたはそれらの混合物を含む、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項3】
前記合金に含まれる元素は、前記鉛合金中に0~3重量%の範囲で含まれる、請求項2に記載のユニエレクトロ格子。
【請求項4】
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレン、アクリルまたは高密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項5】
前記平板状ユニエレクトロ格子板における、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離が、縦横で一定に維持されており、好ましくは、隣接する前記インターコネクタ間の距離が0.005mから0.05mであり、縦のインターコネクタの数は、前記平板状板の縦の長さと2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、前記平板状板の横の長さと2つの隣接する前記インターコネクタの間の距離との比で決定される、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項6】
前記管状ユニエレクトロ格子板における、前記管状正極格子板および前記平板状負極格子板の間のインターコネクタの数が、前記管状正極格子板の前記グランドレット内に存在するチューブ数と等しく、隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状格子板の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブ数との比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項7】
前記正極活物質(PAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、水および硫酸を含む、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項8】
前記負極活物質(NAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブまたはそれらの混合物、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水及び硫酸を含む、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項9】
前記鉛カルシウム正極格子(平板状)は、2重量%のカルシウムを含み、鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含み、鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、前記非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンまたはスチレンアクリロニトリルである、請求項2に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項10】
前記シーラントが耐酸性エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のユニエレクトロ格子板。
【請求項11】
平板状ユニエレクトロ格子または管状ユニエレクトロ格子を作製する方法であって、前記方法は、
i)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、水および硫酸を用いた前記正極活物質(PAM)とを含む鉛カルシウム正極格子(平板状)を作製し、前記正極格子に正極活物質をコーティングし、コーティングされた前記正極格子を少なくとも48時間硬化させる工程と、
ii)管状正極板は、活物質として酸化鉛を含み、
iii)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いた前記負極活物質(NAM)とを含む鉛カルシウム負極格子を作製し、前記負極格子に負極活物質をコーティングし、コーティングされた前記負極格子を少なくとも48時間硬化させる工程であって、
a)前記平板状ユニエレクトロ格子が、前記非導電性基板を通って、前記格子の外周上の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記平板状正極格子および平板状負極格子を接続して構成され、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離が、縦横で一定に維持されており、好ましくは前記隣接するインターコネクタ間の距離が0.005メートルから0.05メートルの範囲であり、縦のインターコネクタの数は、前記平板状極板の縦の長さと前記2つの隣接するインターコネクタ間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、前記平板状極板の横幅と2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離との比で決定され、または、
b)前記管状ユニエレクトロ格子が、上部または下部に設けられた複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記管状正極格子および平板状負極格子を接続して構成され、前記管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数が、前記管状正極格子の前記グランドレット内に存在するチューブ数と等しくなるよう決定され、隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状格子の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブ数との比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、
工程と、
iv)好ましくは耐酸性エポキシ樹脂を含むシーラントを用いて、前記インターコネクタと前記非導電性基板シートとをシールする工程であって、前記非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、前記非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含む、工程と、
v)複数のインターコネクタを介して、正極板および負極板に電流を流す工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
前記ユニエレクトロード格子の平板状または管状の構成が、単一の極板に正極板および負極板の両方を提供し、一方の面が正極板として機能し、他方の面が別のセルの負極板として機能する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
鉛アンチモン正極格子(平板状)が、アンチモン(Sb)1.75重量%を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリルである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ユニエレクトロ格子電池を作製する方法であって、前記方法は、
i)平板状負極を第1エンド格子板として使用し、前記正極板と前記負極板との間にセパレータを使用する工程と、
ii)請求項11で得られたユニエレクトロ格子板を積層し、前記セパレータで覆う工程と、
iii)複数のユニエレクトロ格子板について工程(ii)を繰り返し、平板状正極を第2エンド格子板として配置して、ユニエレクトロ格子電池を得る工程と、
を含む、方法。
【請求項16】
前記セパレータが、吸収性ガラスマット(AGM)またはポリエチレン(PE)を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
管状ユニエレクトロ格子電池を作製する方法であって、前記方法は、
i)2重量%のカルシウムと、各チューブが正極活物質を含む複数のチューブとを含む鉛カルシウム管状正極格子を作製する工程と、
ii)2重量%のカルシウムと、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いて作製した負極活物質(NAM)とを含む鉛カルシウム負極格子を作製する工程であって、前記平板状負極格子に負極活物質をコーティングし、少なくとも48時間硬化させる、工程と、
iii)前記非導電性基板を通って、前記格子の上下の複数の鉛インターコネクタを用いて前記正極格子および前記負極格子を接続し、前記正極格子および前記負極格子の上下間に前記インターコネクションを配置する工程であって、前記非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、前記非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含み、前記管状ユニエレクトロ格子は、上部または下部の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記管状正極格子と前記平板状負極格子とを接続して構成され、管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数は、管状正極格子のグランドレット内に存在するチューブの数と等しく、隣接する前記インターコネクタの間の距離は、前記管状格子の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブの数の比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタの間の距離は、前記管状正極格子および前記平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、工程と、
iv)好ましくは耐酸性エポキシ樹脂を含むシーラントを用いて、前記インターコネクタと前記非導電性基板シートとをシールする工程と、
v)ユニ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に電流を流す工程であって、単一の極板が、一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能する、工程と、
を含む方法。
【請求項18】
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリル(SAN)である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ユニエレクトロ格子鉛蓄電池が、浸水型鉛蓄電池タイプまたはゲル電解液を用いて、あるいは吸着性ガラスマットまたは浸水型吸着性ガラスマットとともに、作製されたものである、請求項15または17に記載の方法。
【請求項20】
前記ユニエレクトロ格子で使用される電解液の硫酸の比重が、1.05g/ccから1.34g/ccの範囲である、請求項15または17に記載の方法。
【請求項21】
前記平板状正極格子または前記管状正極格子、平板状負極格子、非導電性基板、正極活物質、負極活物質、複数のインターコネクタおよびシーラントを含み、単一の極板が一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能する、請求項15または17に記載の方法によって得られる平板状または管状のユニエレクトロ格子電池であって、
ユニエレクトロ格子を積層して使用することで、モノポーラ電池に比べてサイクル寿命が最大150%向上し、充電時間が最大50~80%短縮され、12V、24V、48V、かつ、7Ah、25Ah、75Ah、250Ahおよび400Ahの電池が得られ、電池の抵抗値が低下する、
電池。
抵抗値=l/(ρ*Σna)、
n=1、2、3、....n ここで、n=はインターコネクタの数、
l=インターコネクタの長さ、
aは個々のコネクタの断面積を表す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または、平板状正極格子板および平板状負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、b)第1面に正極活物質を含む管状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、または第1面に正極活物質を含む平板状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、を含む非導電性基板と、c)格子の一方の面に少なくとも単一の、または正極および負極の格子の間に配置された複数の、インターコネクタと、d)シーラントと、を含むユニエレクトロ格子板に関する。また、管状ユニエレクトロ格子板または平板状ユニエレクトロ格子板およびその製造方法も開示する。
【0002】
本発明は、非導電性基板とともに管状正極格子および平板状負極格子を含むユニエレクトロ格子を用いて構成された管状ユニエレクトロ格子を開示する。また、本発明は、非導電性基板とともに管状正極格子および平板状負極格子を接合する、格子の外周または格子の上下に等間隔に配置された、インターコネクタを用いて、非導電性基板とともに管状正極格子および平板状負極格子を用いた管状構成を作製する方法を開示するものである。
【背景技術】
【0003】
従来のバイポーラ電池は、導電性基板とともに平板状の負極板および平板状の正極板を含む電極板の集合体を含む。バイポーラ電池は、双極板と定義される別々のセルを含む。双極板は、一般的に、導電性の金属箔、セラミック、または複合材を基板として含む。双極板は、従来のモノポーラ電池よりも電流の流れを改善することができる。しかし、従来のバイポーラ電池では、導電性の双極板または基板が電解液と反応し、副反応が増加するなどの制限があった。また、従来の平板状バイポーラ鉛蓄電池では、活物質と導電性基板との密着性も問題となっていた。導電性基板および電解液の副反応により、電池の性能やサイクル寿命が低下する。
【0004】
特許文献1には、導電用フィラーとして炭素繊維または粒子を用いたポリマーベースの導電性複合双極板が開示されている。
【0005】
特許文献2には、多層の金属構造を有するバイポーラ電池が開示されている。多層構造のうち、1つの層はチタンまたはスズを含み、別の層は銅またはスズを含む。
【0006】
特許文献3には、双極板の基板材料として、導電性の亜酸化チタンが開示されている。
【0007】
特許文献4には、導電性多層電極を含むバイポーラ電池が開示されている。チタンシートおよび導電性カーボン層が使用されている。
【0008】
特許文献5では、双極板の集電体として使用される導電性箔が開示されている。
【0009】
特許文献6には、導電性シリコンウエハーを含む導電性双極板が開示されている。
【0010】
特許文献7には、バイポーラ電池の隣接セル間の漏れを防止するためにゲル電解液を用いることが開示されている。
【0011】
特許文献8には、導電性極板を用いて壁面に同軸状に接続された、同軸状の正極および負極の管状双極板が開示されている。
【0012】
上述の先行技術では、導電性の金属、セラミック、シリコン材料などの導電性基板を箔または層などの形で含むバイポーラ鉛蓄電池のみが開示されている。従来のバイポーラ鉛蓄電池の主な欠点は、導電性の双極板または基板が電解液と反応し、副反応が増大することである。さらに、バイポーラ鉛電池では、活物質と導電性基板との接着も問題となる。副反応により、電池の性能やサイクル寿命が低下する。モノポーラ電池においては、外部配線は、一方のセルから別のセルへと、一方の電極から別の電極へと、接続されている。モノポーラ電池では、セルだけでなく、一方の極板から別の極板へと一本の経路で電流が流れる。そのため、抵抗が大きくなり、電池の性能が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4275130号明細書
【特許文献2】米国特許第5348817号明細書
【特許文献3】米国特許第5126218号明細書
【特許文献4】米国特許第6077623号明細書
【特許文献5】米国特許第8357469号明細書
【特許文献6】米国特許第9570737号明細書
【特許文献7】特許第4720384号公報
【特許文献8】米国特許第5296320号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または、平板状正極格子板および平板状負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、b)第1面に正極活物質を含む管状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、または第1面に正極活物質を含む平板状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、を含む非導電性基板と、c)格子の一方の面に少なくとも単一の、または正極および負極の格子の間に配置された複数の、インターコネクタと、d)シーラントと、を含むユニエレクトロ格子板に関する。また、管状ユニエレクトロ格子板または平板状ユニエレクトロ格子板およびその製造方法も開示する。
【0015】
本発明は、非導電性基板とともに管状正極格子および平板状負極格子を含むユニエレクトロ格子を用いた管状ユニエレクトロ格子構成を開示する。また、本発明は、管状正極格子および平板状負極格子を接合する、格子の外周または格子の上下に等間隔に配置された、インターコネクタを用いて、非導電性基板とともに平板状負極格子および管状正極格子を用いた管状構成を作製する方法を開示するものである。
【0016】
本発明は、モノポーラ電池と比較して、最大150%のサイクル寿命改善、最大50~80%の充電時間の短縮、および、より高いアンペアアワー(Ah)と電圧電池とを有するユニエレクトロ格子鉛蓄電池を開示する。
【0017】
(本発明の目的)
本発明の主な目的は、正極板および負極板の間に複数の電流流路と短い電流流路とを有し、同じ極板が、一つのセルの正極板として、他方の面では、別のセルの負極板として機能するユニエレクトロ格子を使用して、管状および平状の極板構成の作製方法を提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの主な目的は、高速充電特性および長サイクル寿命を有する性能が向上し、電解液との相性がよいユニエレクトロ格子電池を作製することである。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、ユニエレクトロ鉛蓄電池のための、正極活物質および負極活物質の支持体および優れた接着剤となる非導電性の、基板および格子を作製することである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、高速充電特性を有するユニエレクトロ格子鉛蓄電池を提供することである。
【0021】
本発明のさらなる目的は、従来のモノポーラ電池よりも長寿命を有するユニエレクトロ格子鉛蓄電池を作製することである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の利点および側面をさらに明確にするために、添付の図面に示されている本発明の特定の実施形態を参照して、本発明のより具体的な説明を行う。図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0023】
図1】鉛金属箔で構成された従来のバイポーラ電池を示す。
図2】本発明の一つの実施形態における、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池(電圧対時間)を示す。
図3】本発明の一つの実施形態における、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池(電圧対サイクル)を示す。
図4】本発明の一つの実施形態における、12V/7Ah(ユニエレクトロ格子-平極板)を示す。
図5】本発明の一つの実施形態における、管状ユニエレクトロ格子電池のサイクル寿命評価を示す。
図6】本発明の一つの実施形態における、構造上の特徴を示す。図6では、非導電性基板を(a)、非導電性表面を(b)、正極および負極の格子間のインターコネクタを(c)、インターコネクタ間の等間隔を(d)、インターコネクタのシールを(e)、格子を(f)で表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図6(本発明)
さらに、当業者であれば当然理解できることであるが、図面における各要素は簡略化して示されており、必ずしも一定の縮尺で記載されているとは限らない。例えば、本発明の理解を深めるために、一部の要素の寸法を他の要素に比べて誇張して描いている場合がある。さらに、1つまたは複数の要素が従来の符号によって示されている場合があり、図面は本発明の実施形態を理解するために適切な、それらの具体的な詳細についてのみ示す可能性がある。これは、本明細書に記載の利益を有する当業者にとって、明らかな詳細について記載することで図面を不明瞭にしないようにするためである。
【0025】
(発明の詳細な説明)
本発明の原理の理解を促すために、図面に示された実施形態を参照しながら、専門用語を使用して説明する。しかしながら、当然に理解されることであるが、本発明の範囲を限定することは意図されておらず、本発明に関連する技術分野の当業者が通常思いつくような、図示されたシステムの変更およびさらなる修正、および図示された本発明の原理のさらなる応用を含むことが理解されよう。
【0026】
本開示の実施形態の実施例が以下に示されているが、本発明は、現在知られているか存在するかに関わらず、任意の技術をいくつでも使用して実施可能であることを、最初に理解されたい。本開示は、本開示で図示および詳述された例示的な設計および実施例を含み、後述する実施例、図面、および技術に限定されるべきではない。
【0027】
本明細書で使用されている用語および構造は、いくつかの実施形態とその特定の特徴および要素を説明、教示、明らかにするためのものであり、本発明の精神および範囲を限定、制限、または縮小するものではない。
【0028】
特に定義されていない限り、本開示で使用されているすべての用語、特に技術的およびまたは科学的な用語は、当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。
【0029】
本開示において、「ある態様(an aspect)」、「別の態様(another aspect)」、または同様の用語による言及には、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、本開示において、「ある実施形態において」、「別の実施形態において」、および同様の用語の記載は、すべてが同じ実施形態を指している可能性があるが、必ずしもそうではない。
【0030】
「構成する(comprises)」、「構成している(comprising)」、またはそれらの他の変形である用語は、非排他的な包含を含むことを意図しており、いくつかの段階の羅列を含むプロセスまたは方法は、それらの段階のみを含むのではなく、明示的に羅列されていない他の段階またはそのようなプロセスまたは方法に固有の段階を含む可能性がある。同様に、「構成する(comprises...a)」を含む、1つ以上の装置、サブシステム、要素、構造または構成要素は、さらなる制約なしに、他の装置、他のサブシステム、他の要素、他の構造、他の構成要素、追加の装置、追加のサブシステム、追加の要素、追加の構造または追加の構成要素の存在を排除するものではない。
【0031】
一つの実施形態において、本発明は、a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または、平板状正極格子板および平板状負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、b)第1面に正極活物質を含む管状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、または第1面に正極活物質を含む平板状正極格子および第2面に負極活物質を含む平板状負極格子、を含む非導電性基板と、c)格子の一方の面に少なくとも単一の、または正極および負極の格子の間に配置された複数の、インターコネクタと、d)シーラントと、を含むユニエレクトロ格子板に関する。図6では、非導電性基板を(a)、非導電性表面を(b)、正極および負極の格子間のインターコネクタを(c)、インターコネクタ間の等間隔を(d)、インターコネクタのシールを(e)、格子を(f)で表す。
【0032】
さらに別の実施形態において、本発明は、正極格子、負極格子およびインターコネクタが、鉛金属またはその合金を含み、合金は、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレンまたはそれらの混合物を含む、ユニエレクトロ格子板に関する。
【0033】
一つの実施形態において、本発明は、合金元素が、鉛合金中の0~3重量%の範囲である、ユニエレクトロ格子に関する。
【0034】
さらに別の実施形態において、本発明は、非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレン、アクリルまたは高密度ポリエチレンを含む、ユニエレクトロ格子板に関する。
【0035】
一つの実施形態において、本発明は、平板状ユニエレクトロ格子板において、2つの隣接するインターコネクタ間の距離が、縦横で一定に維持されており、好ましくは、隣接するインターコネクタ間の距離が、0.005mから0.05mであり、また、縦のインターコネクタの数は、平板状極板の縦の長さと2つの隣接するインターコネクタ間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、平板状極板の横幅と2つの隣接するインターコネクタの間の距離との比で決定される。
【0036】
さらに別の実施形態において、本発明は、管状ユニエレクトロ格子板において、管状正極格子板と平板状負極格子板との間のインターコネクタの数が、管状正極格子板のグランドレット内に存在するチューブの数に等しく、隣接するインターコネクタ間の距離は、管状格子板の上部または下部の長さと管状正極グランドレット内のチューブ数との比に等しく、2つの隣接するインターコネクタ間の距離は、管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、ユニエレクトロ格子板に関する。
【0037】
一つの実施形態において、本発明は、正極活物質(PAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、水および硫酸を含むユニエレクトロ格子板に関する。
【0038】
さらに別の実施形態において、本発明は、負極活物質(NAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブまたはそれらの混合物、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を含むユニエレクトロ格子板に関する。
【0039】
一つの実施形態において、本発明は、鉛カルシウム正極格子(平板状)が2重量%のカルシウムを含み、鉛カルシウム負極格子が2重量%のカルシウムを含み、鉛スズインターコネクタが2重量%のスズを含み、非導電性基板がアクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンまたはスチレンアクリロニトリルである、ユニエレクトロ格子板に関する。
【0040】
さらに別の実施形態において、本発明は、シーラントが耐酸性エポキシ樹脂を含む、ユニエレクトロ格子板に関するものである。
【0041】
一つの実施形態において、本発明は、平板状または管状のユニエレクトロ格子の作製方法に関し、かかる方法は、
i)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いた正極活物質(PAM)と、を含む鉛カルシウム正極格子(平板状)を作製し、正極格子に正極活物質をコーティングし、コーティングされた正極格子を少なくとも48時間硬化させる工程と、
ii)管状正極板は、活物質として酸化鉛を含み、
iii)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いた負極活物質(NAM)と、を含む鉛カルシウム負極格子を作製し、負極格子に負極活物質をコーティングし、コーティングされた負極格子を少なくとも48時間硬化させる工程であって、
a)平板状ユニエレクトロ格子が、非導電性基板を通って、前記格子の外周上の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて、接続された平板状正極格子および平板状負極格子を含み、2つの隣接するインターコネクタ間の距離が縦横で一定に維持されており、好ましくは、隣接するインターコネクタ間の距離は0.005メートルから0.05メートルの範囲であり、縦のインターコネクタの数は、平極板の縦の長さと2つの隣接するインターコネクタの間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、平極板の横幅と2つの隣接するインターコネクタ間の距離との比で決定され、または
b)管状ユニエレクトロ格子が、上部または下部に設けられた複数の鉛-スズインターコネクタを用いて接続された管状正極格子および平板状負極格子を含み、管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数は、管状正極格子のグランドレット内に存在するチューブの数と等しくなるように決定され、隣接するインターコネクタ間の距離は、管状格子の上部または下部の長さと管状正極グランドレット内の前記チューブの数との比に等しく、2つの隣接するインターコネクタ間の距離は、管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部側で一定に維持されており、
iv)非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含むものであって、シーラントを用いて、インターコネクタと非導電性基板シートとをシールする工程であって、好ましくはシーラントが耐酸性エポキシ樹脂を含む工程と、
v)複数のインターコネクタを介して、正極板および負極板に電流を流す工程と、を含む。
【0042】
さらに別の実施形態において、本発明は、平板状または管状のユニエレクトロード格子の構成が、単一の極板に正極板および負極板の両方を有し、一方の面は正極板として機能し、他方の面は別のセルの負極板として機能する、平板状または管状のユニエレクトロ格子の作製方法に関する。
【0043】
一つの実施形態において、本発明は、鉛アンチモン正極格子(平板状)は、1.75重量%のアンチモン(Sb)を含む、平板状または管状のユニエレクトロ格子の作製方法に関する。
【0044】
さらに別の実施形態において、本発明は、非導電性基板がアクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリルである、平板状または管状のユニエレクトロ格子の作製方法に関する。
【0045】
一つの実施形態において、本発明は、ユニエレクトロ格子電池の作製方法に関し、かかる方法は、
i)平板状負極を第1エンド格子板として使用し、正極板と負極板との間にセパレータを使用する工程と、
ii)平板状格子板または管状ユニエレクトロ格子を作製する工程で得られたユニエレクトロ格子板を積層し、セパレータで覆う工程と、
iii)複数のユニエレクトロ格子板について工程(ii)を繰り返し、平板状正極を第2エンド格子板として配置し、ユニエレクトロ格子電池を得る工程と、を含む。
【0046】
別の実施形態では、本発明は、セパレータが吸収性ガラスマット(AGM)またはポリエチレン(PE)を含む、ユニエレクトロ格子電池の作製方法を開示する。
【0047】
さらに別の実施形態において、本発明は、管状ユニエレクトロ格子電池の作製方法に関し、かかる方法は、
i)2重量%のカルシウムと、各チューブが正極活物質を含む複数のチューブとを含む鉛カルシウム管状正極格子を作製する工程と、
ii)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いて作製した負極活物質(NAM)とを含む鉛カルシウム負極格子を作製する工程であって、平板状負極格子に負極活物質をコーティングし、少なくとも48時間硬化させる工程と、
iii)格子の上下の複数の鉛インターコネクタを用いて、正極格子および負極格子を、非導電性基板を通って、接続し、正極および負極の格子の上下間にインターコネクションを配置する工程であって、非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含み、管状ユニエレクトロ格子は、上部または下部の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて管状正極格子と平板状負極格子とを接続して構成され、管状正極格子および平板状負極格子間のインターコネクタの数は、管状正極格子のグランドレット内に存在するチューブの数と等しくなるように決定され、隣接するインターコネクタ間の距離は、前記管状格子の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブの数の比に等しく、2つの隣接するインターコネクタ間の距離は、管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部側で一定に維持されている、工程と、
iv)好ましくは耐酸性エポキシ樹脂からなるシーラントを用いて、インターコネクタと非導電性基板シートとをシールする工程と、
v)単一の極板が、一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能し、ユニ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に電流を流す工程と、を含む。
【0048】
一つの実施形態において、本発明は、非導電性基板がアクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリル(SAN)である、管状ユニエレクトロ格子電池の作製方法に関する。
【0049】
さらに別の実施形態において、本発明は、ユニエレクトロ格子鉛酸電池が、浸水型鉛酸電池タイプ、ゲル電解液、または、吸着性ガラスマットもしくは浸水型吸着性ガラスマットを用いた、ユニエレクトロ格子電池または管状ユニエレクトロ格子電池の作製方法に関する。
【0050】
一つの実施形態において、本発明は、ユニエレクトロ格子で使用される電解液の硫酸の比重が1.05g/cc~1.34g/ccの範囲にある、ユニエレクトロ格子電池または管状ユニエレクトロ格子電池の作製方法に関する。
【0051】
さらに別の実施形態においては、本発明は、平板状または管状の正極格子、平板状負極格子、非導電性基板、正極活物質、負極活物質、複数のインターコネクタおよびシーラントを含み、単一の極板が、一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能し、ユニエレクトロ格子電池または管状ユニエレクトロ格子電池の作製方法によって得られる、平板状または管状のユニエレクトロ格子電池に関するものであって、
ユニエレクトロ格子を積層して使用することで、モノポーラ電池に比べてサイクル寿命が最大150%向上し、充電時間が最大50~80%短縮され、12V、24V、48V、かつ、7Ah、25Ah、75Ah、250Ahおよび400Ahの電池が得られ、電池の抵抗値が低下する、電池に関する。
抵抗値=l/(ρ*Σna)、
n=1、2、3、....n ここで、n=はインターコネクタの数、
l=インターコネクタの縦の長さ、
aは個々のコネクタの断面積、を表す
【0052】
本発明は、非導電性基板とともに管状正極格子および平板状負極格子を含むユニエレクトロ格子を用いた管状ユニエレクトロ格子構成を提供する。また、本発明は、非導電性基板を通り管状正極格子と平板状負極格子とを接合する、格子の外周または格子の上下に等距離に配置されたインターコネクタを用いた、非導電性基板とともに平板状負極格子および管状正極格子を用いた管状構成の作製方法を提供する。
【0053】
したがって、本発明は、非導電性基板を含み、正極および負極の格子間の外周に沿って等距離に配置されたインターコネクタを使用するユニエレクトロ格子に関する。さらに、ユニエレクトロ格子は、一方の面および他方の面に正極活物質および負極活物質を含み、正極板としても負極板としても機能するユニエレクトロ格子板を形成する。
【0054】
本発明の詳細な特徴として、ユニエレクトロ格子は、導電性の箔またはシートを避けることで、電解液と導電性基板や格子構造との干渉を回避し、極板に構造的完全性、活物質の接着性を与え、活物質の脱落を最小限にする。非導電性で電解液と相性のよい基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレン、アクリル、高密度ポリエチレン、スチレンアクリロニトリルなどのポリマーから作られた材料を含む。
【0055】
別の特徴として、本発明は、鉛金属またはその合金を含む正極格子にある。合金成分としては、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレン、またはそれらの混合物が挙げられる。鉛合金の場合、合金元素の含有量は0~3重量%である。格子の形状は、長方形、正方形、円形、または多角形がある。
【0056】
本発明のもう一つの特徴は、鉛金属またはその合金を含む負極格子にある。合金成分としては、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレン、またはそれらの混合物が挙げられる。鉛合金の場合、合金元素の含有量は0~3重量%である。格子の形状は、長方形、正方形、円形、または多角形などがある。
【0057】
本発明の重要な特徴の1つは、ストリップ、ワイヤまたはロッドなどの形状をしたインターコネクタにある。インターコネクタは、鉛金属またはその合金を含む。合金成分には、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレン、またはそれらの混合物などが挙げられる。鉛合金の場合、合金元素の含有量は0~3重量%である。
【0058】
本発明のもう一つの特徴は、平板状の正極および負極の格子の間をつなぐ単数または複数のインターコネクタを配置することである。さらに、2つの隣接するインターコネクタ間の距離は、縦に一定の距離を維持している。また、2つの隣接するインターコネクタ間の距離は、横にも一定の距離を維持している。この距離は、0.005mから0.05mの範囲である。
【0059】
本発明のもう一つの特徴として、平板状ユニエレクトロ電池において、連続する2つのインターコネクタ間の最小間隔は、0.005メートルであり、縦の平板状正極格子および平板状負極格子間のインターコネクタの数は、格子の縦(l)と格子の縦側の連続する2つのインターコネクタ間の間隔との比で決定され、横の平板状正極格子および平板状負極格子間のインターコネクタの数は、格子の横幅(b)と格子の横側の連続する2つのインターコネクタ間の間隔との比で決定される。
【0060】
本発明のもう一つの特徴は、平板状正極格子、平板状負極格子、正極活物質および負極活物質、非導電性基板、インターコネクタ、シーラントを用いてユニエレクトロ格子板を作製することである。インターコネクタは、格子の外周に沿って、正極格子および負極格子に等間隔に配置され、非導電性基板を垂直に通過する。インターコネクタの数は、正極および負極の格子の縦の長さと横幅、および単位面積当たりの電流密度の必要性に応じて決定される。非導電性基板のある面には正極板、他方の面には負極板が配置されている。両方の格子は、正極および負極の平板状格子をハンダ付けすることで、インターコネクタを介して一体化される。外周に沿って複数のインターコネクタと格子を配置することで、正極および負極の格子間に最短かつ複数の電流流路を提供する。インターコネクタの表面、正極および負極の格子の外周、および非導電性表面は、耐電解液性のエポキシ樹脂でシールされている。ユニエレクトロードは、箔やシートに比べて占有表面積が少ない。このため、ユニエレクトロ格子は、電解液の反応に供される表面積を最小限に抑え、電解液の副反応を最小限に抑えることができる。また、ユニエレクトロ格子板は、単一の極板で正極板および負極板の役割を果たす。
【0061】
本発明のもう一つの特徴は、管状正極板、平板状負極板、非導電性基板、正極活物質、負極活物質、インターコネクタおよびシーラントを含むユニエレクトロ格子を用いて管状構成を作製することである。平板状モノポーラおよび従来のバイポーラ鉛蓄電池では、正極活物質が極板から剥がれてしまうという欠点がある。さらに、平板状および管状のモノポーラでは、電流はある電極から別の電極へと一方向に流れ、あるセルから別のセルへと単線で接続される。これにより、電流の流れる経路が制限され、オーム抵抗も増加する。このような正極活物質の脱落により、電池の性能やサイクル寿命が低下する。本発明では、管状正極格子および平板状負極格子の外周に沿ったインターコネクタを介して一体化させた、複数のポリエステル管状グランドおよび平板状負極格子を用いた、管状正極構成と平板状負極構成の作製を扱う。これは、正極板からの活物質の脱落を最小限に抑えるためである。管状正極格子と平板状負極格子をハンダ付けすることで、インターコネクタを介して両格子は一体化する。複数のインターコネクタと格子を外周に沿って等間隔に配置することで、最短の電流流路と、正極および負極の格子間の複数の電流流路を提供する。また、電流流路を最短にすることで、オーム抵抗を低減する。インターコネクタの表面、正極および負極の格子の周辺、および非導電性表面は、耐電解液性のエポキシ樹脂でシールされている。このため、ユニエレクトロ格子は電解液の反応から保護される。このように、ユニエレクトロ格子は、電解液と反応する最小限の表面積を有するため、電解液の副反応を最小限に抑えることができる。また、ユニエレクトロ格子板は、単一の極板で正極板および負極板の役割を果たす。
【0062】
このように、管状ユニエレクトロ格子は、正極活物質および負極活物質を含む管状正極格子および平板状負極格子、ならびに非導電性表面を含む。
【0063】
本発明のもう一つの実施形態において、管状正極格子、平板状負極格子、非導電性基板、正極活物質、負極活物質、インターコネクタおよびシーラントを含むユニエレクトロ格子を使用して、管状電池を作製することを扱う。正極活物質の脱落により、電池の性能や寿命が低下する。本発明は、複数のポリエステル管状正極グランドおよび平板状負極格子を、管状正極格子および平板状負極格子の上下に沿って配置されたインターコネクタを介して一体化させることにより、管状正極電池および平板状負極電池を製造することに関する。正極板からの活物質の脱落を最小限に抑えるためである。正極格子および負極格子をハンダ付けすることで、両方の格子がインターコネクタを介して一体化される。インターコネクションの上部および下部、そして上下に沿って配置された格子が、正極格子および負極格子間に最短の電流流路を提供する。
【0064】
さらに、管状ユニエレクトロ格子に含まれる、管状正極格子および平板状負極格子間のインターコネクタの数は、格子の上下のグランドレットに存在するチューブの数と同じになるように決定され、インターコネクタの間隔は、格子の上部または下部の長さと管状正極グランドレットのチューブの数との比になるように決定されている。
【0065】
正極格子および負極格子のインターコネクタの表面および非導電性表面は、耐電解液性のエポキシ樹脂でシールされている。このようにして、ユニエレクトロ格子は電解液の反応から保護されている。このように、ユニレクト格子は、電解液との反応にさらされる最小限の表面積しか提供しないので、電解液の副反応を最小限に抑えることができる。さらに、ユニエレクトロ格子板は、単一の極板で、一方のセルでは管状正極として、他のセルでは平板状負極板として機能する。
【0066】
本発明のもう一つの目的として、管状ユニエレクトロ格子に含まれる、管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数は、格子の上下のグランドレットに存在するチューブの数に等しくなるように決定され、インターコネクタ間の間隔は、格子の上部または下部の長さと管状正極グランドレットのチューブの数との比に等しくなるように決定される。
【0067】
本発明のもう一つの特徴は、正極および負極の間に複数の電流流路および短い電流流路を設けるとともに、活物質の厚みを増すためにユニエレクトロ格子構造を採用することで、高電圧かつ高アンペアアワー電池を作製することである。モノポーラ電池は、モノポーラ配列にするとオーム抵抗が大きくなるため、低電圧の電池構造に限られる。バイポーラ電池では、集電体を箔/シートとすると、活物質の厚みを増すことができないため、電池の構造はAhが低いものに限られる。バイポーラ電池では、活物質の厚みを増すと、すべての活物質が適切に利用されず、容量が減少する。
【0068】
本発明のもう一つの特徴は、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池における一方のセルの正極および他方のセルの負極の間の電流が、格子の外周に沿った複数の電流および短い経路であることにある。モノポーラ電池では、電流はワイヤを通じた単一の経路となる。バイポーラ電池では、活物質全体において垂直で均一な電流密度となる。
【0069】
本発明のもう一つの特徴は、長さが短く表面積の大きい複数のインターコネクタを有するユニエレクトロ格子を用いて、より抵抗の少ない電池を作製することである。モノポーラ電池では、2つのセル間の抵抗はR=L/(ρ*A)であり、ここで、Lはインターコネクタワイヤの長さ、Aは面積である。一方、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池においては、R=l/(ρ*Σna)であり、ここで、n=1、2、3、....nで、nはインターコネクタの数、lはインターコネクタの長さ、aは個々のコネクタの断面積である。ユニエレクトロ格子は、長さを短くし、総断面積を大きくすることで、電池の抵抗を減らすことができる。
【0070】
本発明のもう一つの特徴は、浸水型鉛蓄電池タイプまたはゲル電解液を用いて、あるいは吸着性ガラスマットまたは浸水型吸着性ガラスマットを用いて、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池を作製することである。ユニエレクトロ格子で使用する電解液の硫酸の比重は、1.05g/ccから1.34g/ccの範囲にある。
【0071】
本発明のもう一つの特徴は、12V、24Vおよび48Vかつ7Ah、25Ah、75Ah、250Ahおよび400Ahの電池を、ユニエレクトロ格子を用いて積層して作製することである。
【0072】
本発明のもう一つの特徴は、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池の水平または垂直モードを作製することである。水平モードでは、硫酸の比重がユニエレクトロ格子に沿って均一に保たれるため、電解液の成層化を最小限に抑えることができ、ユニエレクトロ格子鉛蓄電池の性能およびサイクル寿命を向上させることができる。
【0073】
本発明のもう一つの重要な特徴は、高速充電特性を有するユニエレクトロ格子電池である。従来のモノポーラ電池と比較して、ユニエレクトロ格子電池の充電に必要な時間を最大80%短縮することができる。
【0074】
本発明のもう一つの特徴は、従来のモノポーラ電池に比べて150%超のサイクル寿命を有する平板状ユニエレクトロ格子電池に関する。
【0075】
本発明のもう一つの特徴は、モビリティ、エネルギー貯蔵アプリケーションにも対応するユニエレクトロ格子鉛蓄電池に関する。
【実施例0076】
以下の実施例により説明される本発明は、本発明の範囲を制限することを意図しておらず、その中のいかなる変更も本発明の範囲に含まれる。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、内容のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【0077】
(ユニエレクトロ格子の作製)
(実施例1)
鉛カルシウム(平板状)正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。平板状正極格子の長さ(l)は0.1mである。正極活物質(PAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いて作製される。正極格子は、正極活物質でコーティングされ、次に硬化される。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の長さ(b)は0.1mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛スズのインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は10個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.01m(l/10)である。横のインターコネクタの数は10個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.01mである(b/10)。鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、厚さが2mmである。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが1.6mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は正極格子からなり、ABSシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、ABSシートを介して相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロード格子が作製される。電流は、複数のインターコネクタを介して正極板および負極板内を流れる。このように、平板状ユニエレクトロード格子の構成は、正極板および負極板を単一の極板で提供する。正極活物質および負極活物質を各格子に貼り付けると約64gになる。
【0078】
(実施例2)
鉛アンチモン(平板状)正極格子は、1.75重量%のアンチモンを含む。平板状正極格子の長さ(l)は0.1mである。正極活物質(PAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いて作製される。正極格子は、正極活物質でコーティングされ、次に硬化される。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の長さ(b)は0.1mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛スズのインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は20個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.005m(l/20)である。横のインターコネクタの数は20個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.005mである(b/20)。鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、厚さが2mmである。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが1.6mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は正極格子からなり、ABSシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、ABSシートを介して相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロ格子が作製される。電流は、ユニエレクトロード格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に流れる。このように、平板状ユニエレクトロード格子の構成は、正極板および負極板を単一の極板で提供する。つまり、一方の面は正極板として、他方の面は別のセルのための負極板として機能する。正極活物質および負極活物質を各格子に貼り付けると約64gになる。
【0079】
(実施例3)
鉛カルシウム正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。平板状正極格子の長さ(l)は0.5mである。正極活物質(PAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いて作製される。正極格子は、正極活物質でコーティングされ、次に硬化される。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の長さ(b)は0.5mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛スズのインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は50個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.01m(l/50)である。横のインターコネクタの数は50個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.01mである(b/10)。鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、厚さが2mmである。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが2mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は正極格子からなり、ABSシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、ABSシートを介して、相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニ格子が作製される。電流は、ユニエレクトロ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に流れる。
【0080】
(実施例4)
鉛カルシウム平板状正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。平板状正極格子の長さ(l)は0.5mである。正極活物質(PAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いて作製される。正極格子は、正極活物質でコーティングされ、次に硬化される。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の長さ(b)は0.5mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンナノチューブ、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛スズのインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は50個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.01m(l/50)である。横のインターコネクタの数は50個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.01mである(b/10)。鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、厚さが3mmである。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが3mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は正極格子からなり、ABSシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、ABSシートを介して、相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニ格子が作製される。電流は、ユニエレクトロ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に流れる。複数のインターコネクタは、正極板および負極板の間に短い電流流路および複数の電流流路を提供する。
【0081】
(実施例5)
鉛カルシウム正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。正極格子の長さ(l)は0.6mである。正極活物質(PAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、水、および硫酸を用いて作製される。正極格子は、正極活物質でコーティングされ、次に硬化される。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の長さ(b)は0.3mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛のインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は60個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.01m(l/60)である。横のインターコネクタの数は60個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.005mである(b/60)。鉛スズインターコネクタは、厚さが2mmである。非導電性基板は、ポリプロピレンシート(PP)であり、厚さが6mmである。インターコネクタおよびPPシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、PPシートの一方の面は正極格子からなり、PPシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、接続されたPPシートを介して相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロ格子が作製される。電流は、ユニエレクトロ格子の複数のインターコネクタを介して複数の電流流路で正極板および負極板に流れる。
【0082】
(ユニエレクトロ格子電池の構成)
(実施例6)
12V-7アンペアアワーのユニエレクトロ格子電池は、エンド格子板としての平板状負極および吸収性ガラスマット(AGM)セパレータを使用し、実施例1に記載したとおりユニエレクトロ格子板を積層して構成され、次にAGMセパレータで覆われる。さらに、これを4回以上繰り返し、次にユニエレクトロ格子板の平板状正極板を電池の端部に取り付ける。このようにして、平板状ユニエレクトロ格子電池が作製される。
【0083】
(実施例7)
12V-7アンペアアワーのユニエレクトロ格子電池は、負極エンド格子板を使用し、正極板および負極板の間にポリエチレンセパレータを配置し、実施例1に作製されたとおりユニエレクトロバイポーラ格子双極板を積層して構成され、次にポリエチレン(PE)セパレータで覆われる。さらに、これを4回以上繰り返し、次にユニエレクトロ格子板の正極板を電池の端部に取り付ける。
【0084】
(実施例8:先行技術)
集電体として鉛金属箔を使用した従来の双極板を使用し、12V-7アンペアアワーの従来型バイポーラ電池を構成した。
【0085】
(実施例9:先行技術)
正極および負極の単極板を使用し、12V-7アンペアアワーの従来型モノポーラ電池を構成した。12V-7アンペアアワーを得るために、2V-7アンペアアワーの電池セルを6個直列に接続した。
【0086】
(実施例10)
12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池は、負極エンド格子板およびポリエチレンセパレータを使用して、実施例2に記載したとおりユニエレクトロ格子板を積層して構成され、次にポリエチレンセパレータで覆われる。さらに、これを4回繰り返し、次にユニエレクトロ格子板の平板状正極板を電池の端部に取り付ける。
【0087】
(実施例11)
実施例6に従い、12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池を構成し、実施例8に従い、従来型バイポーラ電池を構成した。これらの電池は、最初に形成を行い、次に以下に示す試験プロトコルに従って試験を行った。これらの電池は、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間ブースト充電を行った。ブースト充電後、C-20容量(C1)について、10.5Vまで、0.35Aの電流で放電を行い、C1容量の130%まで充電した。次に、高率放電(HRD)容量(C2)について、6Vまで、28Aの電流で放電を行い、C2容量の150%まで充電した。上記のC1およびC2の容量評価をさらに2回以上繰り返した。次に、電池を、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間充電した。その後、1.75Aの放電電流で2時間、放電深度(DOD)50%のサイクル寿命評価を行い、4.03アンペアアワー(Ah)の充電を行った。上記の放電および充電を、電池電圧が6ボルトに達するまで繰り返し行った。電池電圧が6ボルトに達するまでのサイクル寿命回数を記録した。その結果を表1と図1、2、および3に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
(実施例12:サイクル寿命評価-平板状ユニエレクトロ格子板対モノポーラ電池)
実施例6に従い、12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子構成電池を構成し、実施例9に従い、従来型モノポーラ電池を構成した。これらの電池は、最初に形成を行い、次に以下に示す試験プロトコルに従って試験を行った。これらの電池は、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間ブースト充電を行った。ブースト充電後、C-20容量(C1)について、10.5Vまで、0.35Aの電流で放電を行い、C1容量の130%まで充電した。次に、高率放電(HRD)容量(C2)について、6Vまで、28Aの電流で放電を行い、C2容量の150%まで充電した。上記のC1およびC2の容量評価をさらに2回以上繰り返した。次に、電池を1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間充電した。その後、1.75Aの放電電流で2時間、放電深度(DOD)50%のサイクル寿命評価を行い、4.03アンペアアワー(Ah)の充電を行った。上記の放電および充電を、電池電圧が6ボルトに達するまで繰り返し行った。電池電圧が6ボルトに達するまでのサイクル寿命の回数を記録した。その結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
(実施例13:ユニエレクトロ格子鉛酸電池(急速充電)AGMセパレータ)
実施例6および9に従い、12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池および従来型モノポーラ電池を構成した。両方の電池について、以下に示す試験プロトコルに従って試験を行った。これらの電池は、形成された後、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間ブースト充電をした。その後、電池は、0.35Aの電流で放電された。10.5ボルトに達するまでの時間およびアンペアアワー(C20容量)を記録した。容量試験の後、電池は、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で容量C1の130%まで充電された。充電中、モノポーラ電池およびユニエレクトロ格子電池が、C20容量の100%、115%および130%に達するまでの時間を記録した。その結果を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
(実施例14:急速充電ポリエチレン(PE)セパレータ)
実施例10および9に従い、12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池および従来型モノポーラ電池を構成した。両方の電池について、以下に示す試験プロトコルに従って試験を行った。これらの電池は、形成された後、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間ブースト充電をした。その後、電池は、0.35Aの電流で放電された。10.5ボルトに達するまでの時間およびアンペアアワー(C20容量)を記録した。容量試験の後、電池は、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で容量C1の130%まで充電された。充電中、モノポーラ電池およびユニエレクトロ格子電池が、C20容量の100%、115%および130%に達するまでの時間を記録した。その結果を表4に示す。
【0094】
【表4】
【0095】
(実施例15:制限電流または制限電圧の変化にともなう急速充電)
実施例10および9に従い、12V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池および従来型モノポーラ電池を構成した。両方の電池について、以下に示す試験プロトコルに従って試験を行った。これらの電池は、形成された後、1.75アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で24時間ブースト充電をした。その後、電池は、0.35Aの電流で放電された。10.5ボルトに達するまでの時間およびアンペアアワー(C20容量)を記録した。容量試験の後、電池は、2.5アンペア(A)の制限電流および16ボルト(V)の定電圧充電で容量C1の130%まで充電された。充電中、ユニエレクトロ格子バイポーラ電池がC20容量の130%に達するまでの時間を記録した。上記の試験は、制限電流を、2.5A、3A、3.A、3.6A、4A、4.5Aおよび5Aに変更して実施した(図4b参照)。さらに、充電電圧を14V、14.5V、15.5Vに変更し、電流を1.75Aにして試験を実施した(図4a参照)。その結果を、図4に示す。上記の結果から、2.5時間から4時間の範囲で130%の容量の充電が達成された。
【0096】
(実施例16:管状ユニエレクトロ格子電池の構成)
鉛カルシウム管状正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。正極格子の縦の長さ(l)は0.14mであり、格子の横幅(b)は0.14mであり、20本のチューブを含む。各チューブは正極活性物質を11.7g含む。鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の縦の長さ(l)は0.14mであり、負極格子の横幅(b)は0.14mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。平板状負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、格子外周の鉛のインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。縦のインターコネクタの数は20個である。縦のインターコネクタ間の間隔は、0.007m(格子の長さ(l)/チューブの数)である。横のインターコネクタの数は20個である。横のインターコネクタ間の間隔は、0.007mである(b/20)。鉛インターコネクタは、厚さが2mmである。インターコネクションは、正極格子および負極格子周囲の間に配置される。全部で40個のインターコネクションは、正極格子および負極格子の上下の周囲に沿って配置される。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが1mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は正極格子からなり、ABSシートの他方の面は負極格子からなる。このようにして、接続されたABSシートを介して、相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロ格子が作製される。電流は、ユニ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に流れる。このように、ユニエレクトロ格子は、管状正極板および平板状負極板の間を流れる複数の電流流路および短い電流流路を提供する。さらに、単一の極板が、一方のセルの正極板として、他方のセルにおいて負極板として機能する。実施例6の工程に従い、12V-25アンペアアワー管状ユニエレクトロ格子電池を構成した。
【0097】
(実施例17:ポリプロピレン基板及び上下のインターコネクションを含む管状ユニエレクトロ格子電池構成)
鉛カルシウム管状正極格子は、2重量%のカルシウムを含む。正極格子の縦の長さ(l)は0.14mであり、格子の横幅(b)は0.14mであり、20本のチューブを含む。各チューブは正極活性物質を11.7g含む。鉛カルシウム平板状負極格子は、2重量%のカルシウムを含む。負極格子の縦の長さ(l)は0.14mであり、格子の横幅(b)は0.14mである。負極活物質(NAM)は、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水、および硫酸を用いて作製される。負極格子は、負極活物質でコーティングされ、次に硬化される。72時間の硬化後、正極格子および負極格子は、管状正極格子および平板状負極の上下の鉛スズのインターコネクタを用いて、非導電性基板を通って、接続される。上部のインターコネクタの数は、チューブの数(20)であり、管状極板の上部を伴っている。下部のインターコネクタの数は、20個であり、管状極板の下部を伴っている。鉛インターコネクタの厚さは2mmである。インターコネクタ間の間隔は、格子の上部の長さと管状グランド(0.007m)のチューブ数の比に保たれている。インターコネクションは、管状正極格子および平板状負極格子の上下の間に配置される。非導電性基板は、ポリプロピレン(PP)シートであり、厚さが1.5mmである。インターコネクタおよびポリプロピレンシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、PPシートの一方の面は管状正極格子からなり、PPシートの他方の面は平板状負極格子からなる。このようにして、接続されたPPシートを介して、相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロ格子が作製される。このように、ユニエレクトロ格子は、管状正極板および平板状負極板の間を流れる複数の電流流路および短い電流流路を提供する。さらに、単一の極板が、一方のセルでは正極板として、他方のセルにおいては負極板として機能する。実施例6の工程に従い、12V-25アンペアアワー管状ユニエレクトロ格子電池を構成した。
【0098】
(実施例18:管状ユニエレクトロ格子電池のサイクル寿命評価)
12V/75アンペアアワーの管状ユニエレクトロ格子電池は、管状正極板および平板状負極板を鉛インターコネクタで接続し、構成されている。チューブの数はポリエステルグランドレット内に12本である。上部および下部にそれぞれ12本のインターコネクタが使われ、鉛インターコネクタの厚さは4mmである。非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)であり、厚さが2mmである。インターコネクタおよびABSシートは、耐酸性のエポキシ樹脂でシールされている。そのため、ABSシートの一方の面は管状正極格子からなり、ABSシートの他方の面は平板状負極格子からなる。このようにして、接続されたABSシートを介して、相互に接続された上記の正極および負極の格子を耐酸性エポキシ樹脂でシールし、電解液との反応を防止したユニエレクトロ格子が作製される。電流は、複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に流れる。上記の電池について試験プロトコルに従いサイクル寿命評価を行った。75アンペアアワーの電池を完全に充電した後、15Aで30分間放電し、10分間休息させる。上記の放電ステップと休息を6サイクルまで繰り返す。これにより、電池の放電深度(DOD)は60%DODに維持される。その後、電池を8.74Aの電流で6時間充電する。電池の電圧が6Vになるまで、上記の充電、放電、急速のサイクルを繰り返す。総サイクル数は445回で、その結果を図5に示す。上記の試験を12V/75Ahのモノポーラ電池について行った結果、サイクル寿命は240回となった。その結果を表5に示す。
【0099】
【表5】
【0100】
(実施例19)
48V-7アンペアアワーユニエレクトロ格子電池は、負極エンド格子板およびポリエチレンセパレータを使用して、実施例2に記載したとおりユニエレクトロ格子板を積層して構成され、次にポリエチレンセパレータで覆われる。さらに、これを22回以上繰り返し、次にユニエレクトロ格子板のモノポーラ正極板を電池の端部に取り付ける。このようにして48V/7Ahのユニエレクトロ格子電池が構成された。
【0101】
(本発明の利点)
本発明の技術的利点を以下に示す。
1.モノポーラ電池に比べてサイクル寿命が最大150%改善する。
2.充電時間が最大50~80%短縮する。
3.管状ユニエレクトロ格子電池は、正極板と負極板との間に複数の電流流路と短い電流流路を有し、管状正極板および平板状負極板を含み、同じ極板が1つのセルでは正極板として機能し、他方の面では別のセルの負極板として機能する。
4.高いアンペアアワー(400Ah)と高電圧(48V)とを有する電池である。
【0102】
本主題を説明するために専門用語を使用したが、それにより生じる限定は意図していない。当業者には明らかであるように、本開示で示される本発明の概念を実施するための方法には、様々な実用的な修正を加えることができる。図面および上述の説明は、実施形態の例示である。当業者であれば当然理解できることであるが、記載された要素のうちの1つまたは複数の要素を単一の機能的要素にうまく組み合わしてもよい。あるいは、特定の要素を複数の機能的要素に分割してもよい。ある実施形態における要素を別の実施形態に追加してもよい。
【0103】
本主題を説明するために専門用語を使用したが、それにより生じる限定は意図していない。当業者には明らかであるように、本開示で示される本発明の概念を実施するための方法には、様々な実用的な修正を加えることができる。
【0104】
図4aの4本の線は、横軸6hにおいて上から、16V、15.5V、14.5Vおよび14Vに相当する。図4bの7本の線は、横軸0.5hにおいて上から5A、4.5A、4A、3.6A、3.5A、3Aおよび2.5Aに相当する。
【0105】
(付記)
(付記1)
a)管状正極格子板および平板状負極格子板を含む管状ユニエレクトロ格子板、または平板状正極格子板および平板状負極格子板を含む平板状ユニエレクトロ格子板と、
b)第1面に正極活物質を有する管状正極格子および第2面に負極活物質を有する平板状負極格子、または第1面に正極活物質を有する平板状正極格子および第2面に負極活物質を有する平板状負極格子、を含む非導電性基板と、
c)前記格子の一方の面に少なくとも単一の、または前記正極格子および前記負極格子の間に配置された複数の、インターコネクタと、
d)シーラントと、
を含むユニエレクトロ格子板。
【0106】
(付記2)
前記正極格子、前記負極格子および前記インターコネクタが、鉛金属またはその合金を含み、前記合金が、カルシウム、アンチモン、スズ、銀、セレンまたはそれらの混合物を含む、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0107】
(付記3)
前記合金に含まれる元素は、前記鉛合金中に0~3重量%の範囲で含まれる、付記2に記載のユニエレクトロ格子。
【0108】
(付記4)
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリプロピレン、アクリルまたは高密度ポリエチレンを含む、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0109】
(付記5)
前記平板状ユニエレクトロ格子板における、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離が、縦横で一定に維持されており、好ましくは、隣接する前記インターコネクタ間の距離が0.005mから0.05mであり、縦のインターコネクタの数は、前記平板状板の縦の長さと2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、前記平板状板の横の長さと2つの隣接する前記インターコネクタの間の距離との比で決定される、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0110】
(付記6)
前記管状ユニエレクトロ格子板における、前記管状正極格子板および前記平板状負極格子板の間のインターコネクタの数が、前記管状正極格子板の前記グランドレット内に存在するチューブ数と等しく、隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状格子板の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブ数との比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0111】
(付記7)
前記正極活物質(PAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、水および硫酸を含む、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0112】
(付記8)
前記負極活物質(NAM)が、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブまたはそれらの混合物、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水及び硫酸を含む、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0113】
(付記9)
前記鉛カルシウム正極格子(平板状)は、2重量%のカルシウムを含み、鉛カルシウム負極格子は、2重量%のカルシウムを含み、鉛スズインターコネクタは、2重量%のスズを含み、前記非導電性基板は、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンまたはスチレンアクリロニトリルである、付記2に記載のユニエレクトロ格子板。
【0114】
(付記10)
前記シーラントが耐酸性エポキシ樹脂を含む、付記1に記載のユニエレクトロ格子板。
【0115】
(付記11)
平板状ユニエレクトロ格子または管状ユニエレクトロ格子を作製する方法であって、前記方法は、
i)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、水および硫酸を用いた前記正極活物質(PAM)とを含む鉛カルシウム正極格子(平板状)を作製し、前記正極格子に正極活物質をコーティングし、コーティングされた前記正極格子を少なくとも48時間硬化させる工程と、
ii)管状正極板は、活物質として酸化鉛を含み、
iii)2重量%のカルシウムと酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いた前記負極活物質(NAM)とを含む鉛カルシウム負極格子を作製し、前記負極格子に負極活物質をコーティングし、コーティングされた前記負極格子を少なくとも48時間硬化させる工程であって、
a)前記平板状ユニエレクトロ格子が、前記非導電性基板を通って、前記格子の外周上の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記平板状正極格子および平板状負極格子を接続して構成され、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離が、縦横で一定に維持されており、好ましくは前記隣接するインターコネクタ間の距離が0.005メートルから0.05メートルの範囲であり、縦のインターコネクタの数は、前記平板状極板の縦の長さと前記2つの隣接するインターコネクタ間の距離との比で決定され、横のインターコネクタの数は、前記平板状極板の横幅と2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離との比で決定され、または、
b)前記管状ユニエレクトロ格子が、上部または下部に設けられた複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記管状正極格子および平板状負極格子を接続して構成され、前記管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数が、前記管状正極格子の前記グランドレット内に存在するチューブ数と等しくなるよう決定され、隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状格子の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブ数との比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタ間の距離は、前記管状正極格子および平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、
工程と、
iv)好ましくは耐酸性エポキシ樹脂を含むシーラントを用いて、前記インターコネクタと前記非導電性基板シートとをシールする工程であって、前記非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、前記非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含む、工程と、
v)複数のインターコネクタを介して、正極板および負極板に電流を流す工程と、
を含む、方法。
【0116】
(付記12)
前記ユニエレクトロード格子の平板状または管状の構成が、単一の極板に正極板および負極板の両方を提供し、一方の面が正極板として機能し、他方の面が別のセルの負極板として機能する、付記11に記載の方法。
【0117】
(付記13)
鉛アンチモン正極格子(平板状)が、アンチモン(Sb)1.75重量%を含む、付記11に記載の方法。
【0118】
(付記14)
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリルである、付記11に記載の方法。
【0119】
(付記15)
ユニエレクトロ格子電池を作製する方法であって、前記方法は、
i)平板状負極を第1エンド格子板として使用し、前記正極板と前記負極板との間にセパレータを使用する工程と、
ii)付記11で得られたユニエレクトロ格子板を積層し、前記セパレータで覆う工程と、
iii)複数のユニエレクトロ格子板について工程(ii)を繰り返し、平板状正極を第2エンド格子板として配置して、ユニエレクトロ格子電池を得る工程と、
を含む、方法。
【0120】
(付記16)
前記セパレータが、吸収性ガラスマット(AGM)またはポリエチレン(PE)を含む、付記15に記載の方法。
【0121】
(付記17)
管状ユニエレクトロ格子電池を作製する方法であって、前記方法は、
i)2重量%のカルシウムと、各チューブが正極活物質を含む複数のチューブとを含む鉛カルシウム管状正極格子を作製する工程と、
ii)2重量%のカルシウムと、酸化鉛、ダイネルファイバー、カーボンブラック、バニスパーゼ(リグニン)、硫酸バリウム、水および硫酸を用いて作製した負極活物質(NAM)とを含む鉛カルシウム負極格子を作製する工程であって、前記平板状負極格子に負極活物質をコーティングし、少なくとも48時間硬化させる、工程と、
iii)前記非導電性基板を通って、前記格子の上下の複数の鉛インターコネクタを用いて前記正極格子および前記負極格子を接続し、前記正極格子および前記負極格子の上下間に前記インターコネクションを配置する工程であって、前記非導電性基板シートの一方の面が正極格子を含み、前記非導電性基板シートの他方の面が負極格子を含み、前記管状ユニエレクトロ格子は、上部または下部の複数の鉛-スズインターコネクタを用いて前記管状正極格子と前記平板状負極格子とを接続して構成され、管状正極格子および平板状負極格子の間のインターコネクタの数は、管状正極格子のグランドレット内に存在するチューブの数と等しく、隣接する前記インターコネクタの間の距離は、前記管状格子の上部または下部の長さと前記管状正極グランドレット内のチューブの数の比に等しく、2つの隣接する前記インターコネクタの間の距離は、前記管状正極格子および前記平板状負極格子の上部または下部で一定に維持されている、工程と、
iv)好ましくは耐酸性エポキシ樹脂を含むシーラントを用いて、前記インターコネクタと前記非導電性基板シートとをシールする工程と、
v)ユニ格子の複数のインターコネクタを介して正極板および負極板に電流を流す工程であって、単一の極板が、一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能する、工程と、
を含む方法。
【0122】
(付記18)
前記非導電性基板が、アクリロニトリルブタジエンスチレンシート(ABS)、ポリプロピレンシート(PP)またはスチレンアクリロニトリル(SAN)である、付記17に記載の方法。
【0123】
(付記19)
前記ユニエレクトロ格子鉛蓄電池が、浸水型鉛蓄電池タイプまたはゲル電解液を用いて、あるいは吸着性ガラスマットまたは浸水型吸着性ガラスマットとともに、作製されたものである、付記15または17に記載の方法。
【0124】
(付記20)
前記ユニエレクトロ格子で使用される電解液の硫酸の比重が、1.05g/ccから1.34g/ccの範囲である、付記15または17に記載の方法。
【0125】
(付記21)
前記平板状正極格子または前記管状正極格子、平板状負極格子、非導電性基板、正極活物質、負極活物質、複数のインターコネクタおよびシーラントを含み、単一の極板が一方のセルの正極板および他方のセルの負極板として機能する、付記15または17に記載の方法によって得られる平板状または管状のユニエレクトロ格子電池であって、
ユニエレクトロ格子を積層して使用することで、モノポーラ電池に比べてサイクル寿命が最大150%向上し、充電時間が最大50~80%短縮され、12V、24V、48V、かつ、7Ah、25Ah、75Ah、250Ahおよび400Ahの電池が得られ、電池の抵抗値が低下する、
電池。
抵抗値=l/(ρ*Σna)、
n=1、2、3、....n ここで、n=はインターコネクタの数、
l=インターコネクタの長さ、
aは個々のコネクタの断面積を表す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】