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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071902
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】物品挿入装置および物品挿入方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20220510BHJP
   B65B 35/40 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B35/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181021
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】山内 伸人
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 智成
(72)【発明者】
【氏名】山田 修芳
【テーマコード(参考)】
3E003
3E054
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003BA03
3E003BB03
3E003BC03
3E003BD05
3E003CB05
3E003CB06
3E003DA02
3E054AA13
3E054CA08
3E054DB02
3E054DB17
3E054DE02
3E054EA02
3E054FC02
3E054FE08
3E054HA03
3E054JA10
(57)【要約】
【課題】ガイド手段に保持した物品をガイド手段から側方へ押し出して容器内に挿入した際に、容器の開口部から物品がはみ出すのを防止する。
【解決手段】ガイド手段2は、第1物品3Aが載置される載置部2Aと、載置部2A上の第1物品3Aを抑えるクランプ部材16と、一対の保持部材15A、15Bを備えている。
第1物品3Aが載置部2Aに載置されると、クランプ部材16が前進されて載置部2A上に第1物品3Aが挟持される。次に第2物品3Bが第1物品3Aの上から載置されると保持部材15A、15Bが湾曲した状態で閉鎖される。
この状態でガイド手段2が挿入位置Cまで移動されるが、第1物品3Aはクランプ部材16で押圧されて位置ずれすることはない。
そのため、プッシャ4によって両物品3A、3Bが横転状態の容器5内に確実に挿入されて、それらの一部が開口部5cから外方に露出することはない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能な複数のガイド手段と、上記ガイド手段を移動させる移動手段と、上記移動手段によって移動される各ガイド手段に物品を供給する物品供給手段と、挿入位置においてガイド手段に開口部を向けた状態で容器を搬送する容器搬送手段と、上記ガイド手段に収容された物品を上記挿入位置において上記容器へ押し出して、上記容器搬送手段が搬送する容器内に挿入するプッシャとを備えた物品挿入装置において、
上記ガイド手段は、上記物品供給手段から供給された物品が載置される載置部と、該載置部上の物品を押圧する押圧位置と載置部上から外れた退避位置とに移動可能なクランプ部材と、該クランプ部材を押圧位置と退避位置とに移動させる移動機構とを備えており、
また、上記プッシャは、上記押圧位置に位置したガイド手段のクランプ部材との干渉を避けるための切り欠き部を備えており、
上記物品供給手段によってガイド手段の載置部に物品が載置されると、上記移動機構によってクランプ部材が退避位置から押圧位置に移動されて、該クランプ部材と載置部とによって物品が挟持されるようになっており、
上記挿入位置において、上記ガイド手段のクランプ部材で押圧された物品を上記プッシャによって側方へ押し出して容器内に挿入することを特徴とする物品挿入装置。
【請求項2】
上記物品供給手段は、上記クランプ部材で押圧された物品に上方から第2物品を供給するようになっており、
上記挿入位置においては、上記クランプ部材により載置部に挟持された上記物品とそれに重合した状態の第2物品とを上記プッシャによって上記ガイド手段から同時に押し出して容器内へ挿入することを特徴とする請求項1に記載の物品挿入装置。
【請求項3】
上記ガイド手段は、上記第2物品を湾曲させて保持する保持位置とそこよりも拡開された解放位置とに開閉可能な一対の保持部材を備えるとともに、該一対の保持部材を上記保持位置と解放位置とに開閉させる開閉用連動機構を備えており、
上記開閉用連動機構によって一対の保持部材が解放位置にある状態で、上記物品供給手段によって上記物品の上方から第2物品が供給されると、上記開閉用連動機構によって上記一対の保持部材が解放位置から保持位置に移動されて、該保持部材によって第2物品が保持されることを特徴とする請求項2に記載の物品挿入装置。
【請求項4】
開口部が開口した容器内に第1物品と第2物品とを挿入する物品挿入方法であって、
第1物品と第2物品を収容可能なガイド手段を第1供給位置へ搬送する工程と、
第1供給位置においてガイド手段の載置部に第1物品を供給する工程と、
第1物品を上記載置部上にクランプ部材で押圧して挟持する工程と、
第1物品をクランプ部材により載置部に押圧した状態でガイド手段を第2供給位置へ搬送する工程と、
第2供給位置において第1物品とそれを押圧したクランプ部材の上から第2物品を供給する工程と、
第1物品及び第2物品を保持したガイド手段を挿入位置へ搬送する工程と、
挿入位置において、クランプ部材で押圧された第1物品とそれに重合された第2物品をガイド手段から側方へ同時に押し出して容器内に挿入する工程とを有することを特徴とする物品挿入方法。
【請求項5】
上記第2物品は上記第1物品よりも大きい形状を有することを特徴とする請求項4に記載の物品挿入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品挿入装置および物品挿入方法に関し、より詳しくは、例えばカップみそ汁の生みそや具材等を収容した袋を容器内に挿入するための物品挿入装置および物品挿入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器の開口部よりも大きな袋を容器内へ挿入する際に、ガイド部材により袋を湾曲した状態で保持し、その状態で容器の位置までガイド部材で袋を搬送するとともに、ガイド部材から袋を側方へ押し出して横転状態の容器に挿入する技術は公知である(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-16386号公報
【特許文献2】特開2018-16387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2のガイド部材は、上方が投入口となり、かつ、そこから連続して側方に貫通する保持面を備えており、袋は投入口から保持面に供給されることで湾曲された状態となり、その状態でガイド部材によって容器の位置まで搬送されるようになっている。
この搬送時においては、特に搬送経路におけるコーナー部分では遠心力がかかるため保持面に載置された袋がガイド部材から外へ飛び出る恐れがあった。そのため、上記各特許文献1,2においては、搬送経路のコーナー部分にガイド部材から袋が飛び出るのを防止するためのガイドを配置しなければならない。
そこで、本件の出願人は上記問題を解決するために、ガイド部材の投入口を開閉式とし、袋を投入する際には開放して袋を投入しやすくするとともに、閉鎖時には袋を大きく湾曲(変形)させて保持する構成のガイド部材を備えた物品挿入装置を提案したところである(特願2019-072321号)。
しかしながら、この物品挿入装置においても、収容する袋が小さい場合や細長い場合には、袋がガイド部材内に正しい姿勢で収容されていても搬送中にガイド部材内で袋が滑って斜めになったりして姿勢が乱れることがあった。このように、ガイド部材内で袋の姿勢が乱れていると、その後、プッシャによってガイド部材から袋を側方へ押して出して容器に押し込んだ際に、袋が斜めに押し込まれ袋の一部が容器の開口部から外部へはみ出て挿入されることがある。そうすると、次工程で容器の開口部に蓋を装着できなくなり、不良品発生の原因となっていたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、請求項1に記載した本発明は、物品を収容可能な複数のガイド手段と、上記ガイド手段を移動させる移動手段と、上記移動手段によって移動される各ガイド手段に物品を供給する物品供給手段と、挿入位置においてガイド手段に開口部を向けた状態で容器を搬送する容器搬送手段と、上記ガイド手段に収容された物品を上記挿入位置において上記容器へ押し出して、上記容器搬送手段が搬送する容器内に挿入するプッシャとを備えた物品挿入装置において、
上記ガイド手段は、上記物品供給手段から供給された物品が載置される載置部と、該載置部上の物品を押圧する押圧位置と載置部上から外れた退避位置とに移動可能なクランプ部材と、該クランプ部材を押圧位置と退避位置とに移動させる移動機構とを備えており、
また、上記プッシャは、上記押圧位置に位置したガイド手段のクランプ部材との干渉を避けるための切り欠き部を備えており、
上記物品供給手段によってガイド手段の載置部に物品が載置されると、上記移動機構によってクランプ部材が退避位置から押圧位置に移動されて、該クランプ部材と載置部とによって物品が挟持されるようになっており、
上記挿入位置において、上記ガイド手段のクランプ部材で押圧された物品を上記プッシャによって側方へ押し出して容器内に挿入することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載した本発明は、開口部が開口した容器内に第1物品と第2物品とを挿入する物品挿入方法であって、
第1物品と第2物品を収容可能なガイド手段を第1供給位置へ搬送する工程と、
第1供給位置においてガイド手段の載置部に第1物品を供給する工程と、
第1物品を上記載置部上にクランプ部材で押圧して挟持する工程と、
第1物品をクランプ部材により載置部に押圧した状態でガイド手段を第2供給位置へ搬送する工程と、
第2供給位置において第1物品とそれを押圧したクランプ部材の上から第2物品を供給する工程と、
第1物品及び第2物品を保持したガイド手段を挿入位置へ搬送する工程と、
挿入位置において、クランプ部材で押圧された第1物品とそれに重合された第2物品をガイド手段から側方へ同時に押し出して容器内に挿入する工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上記請求項1の発明によれば、ガイド手段の載置部に供給された物品は上方からクランプ部材によって押圧状態で保持されるので、物品を保持したガイド手段が挿入位置まで移動される際に載置部上の物品が位置ずれしたり、姿勢が変わるのを防止することができる。そのため、挿入位置でガイド手段から物品が側方に押し出されて容器に挿入された際に、容器の開口部から物品の一部がはみ出すのを防止して、不良品の発生を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、ガイド手段の載置部に供給された第1物品は上方からクランプ部材によって押圧状態で保持されるので、第1物品を保持したガイド手段が挿入位置まで移動される際に載置部上の第1物品が位置ずれしたり、姿勢が変わるのを防止することができる。そのため、挿入位置において、クランプ部材で押圧された第1物品とそれに重合された第2物品をガイド部材から側方へ同時に押し出して容器内に挿入することができる。そのため、挿入位置で容器に挿入された第1物品、第2物品の一部が、容器の開口部からはみ出すのを防止して、不良品の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態である物品挿入装置の平面図。
図2図1のガイド手段の構成を示し、図2(a)はガイド手段の側面図であって、クランプ部材が退避した状態を示し、図2(b)は図2(a)の要部の正面図であって、保持部材が開放した状態を示し、図2(c)はガイド手段の側面図であって、クランプ部材で第1物品を押えた状態を示し、図2(d)は図2(c)の要部の正面図であって、保持部材が閉鎖した状態を示している。
図3図1のガイド手段の構成を示し、図3(a)はガイド手段の要部の展開図、図3(b)は図2(c)の要部の正面図であって、保持部材が閉鎖して第1物品と第2物品とを収容した状態を示し、図3(c)は図2(c)の要部の正面図であって、ガイド手段とプッシャ先端部との位置関係を示し、図3(d)は図3(c)のプッシャ先端部の拡大図である。
図4図1のIII―III線に沿う要部の断面図。
図5図4の移動手段の要部の側面図。
図6図5の要部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1において1は物品挿入装置であり、この物品挿入装置1は、矢印方向に循環して移動される各ガイド手段2に第1供給領域Aにおいて第1物品3Aを収容した後に、第2供給領域Bにおいて第2物品3Bをガイド手段2内に収容されている第1物品3Aに重ねて収容し、挿入領域Cにおいてプッシャ4によってガイド手段2に収容した第1物品3Aと第2物品3Bを側方へ押し出すことで、横転状態となった容器5内に第1物品3Aと第2物品3Bを同時に挿入できるようになっている。
【0009】
本実施例において第1物品3Aおよび第2物品3Bは、可撓性のある密封された長方形の袋であって、第1物品3A内にはペースト状のみそが収容されており、他方、第2物品3B内にはみそ汁の具材が収容されている。カップ状の容器5は、側面5aが底部5bに向けて縮径するテーパ状となっており、上部に形成された開口部5cは円形を有している。
【0010】
また、本実施例の第1物品3Aおよび第2物品3Bの長手方向の辺の寸法は上記容器5の開口部5cの直径や上記容器5の高さよりも長くなっている。そのため、第1物品3Aや第2物品3Bをこのままの状態で容器5に収容しようとすると、第1物品3Aや第2物品3Bが容器5の開口部5cに干渉したり、第1物品3Aや第2物品3Bの一部が容器5の開口部5cからはみ出てしまう。そこで、本実施例においては、第1物品3Aおよび第2物品3Bをガイド手段2に供給して保持させることで容器5へ挿入する前に第1物品3Aおよび第2物品3Bの長手方向の辺をU字状に変形させ、その状態の第1物品3Aおよび第2物品3Bをプッシャ39によりガイド手段2から側方へ押し出して容器5に挿入するようにしている(図4参照)。
【0011】
なお、第1物品3Aの長手方向の辺の長さは第2物品3Bの長手方向の長さよりも短くなっており、ガイド手段2に収容されても少ししか湾曲されずガイド手段2だけでは強く保持できない長さとなっている。
【0012】
物品挿入装置1は、第1物品3Aおよび第2物品3Bを収容する多数のガイド手段2と、多数のガイド手段2を図1において反時計方向に連続的に循環搬送させる移動手段9と、第1供給領域Aにおいてガイド手段2に第1物品3Aを供給する第1供給手段7と、第2供給領域Bにおいてガイド手段2に第2物品3Bを供給する第2供給手段8と、容器5を搬送しながら挿入領域Cにおいて横転状態とする容器搬送手段11と、挿入領域Cにおいて各ガイド手段2から第1物品3A、第2物品3Bを横転状態の容器5内へと押し出す押し出し手段4と、これらの作動を制御する制御装置13を備えている。
【0013】
図1に示すように、第1供給手段7は、第1物品3Aを搬送する第1ベルトコンベヤ7Aと、第1ベルトコンベヤ7A上の第1物品3Aを撮影する第1カメラ7Bと、第1ベルトコンベヤ7A上の第1物品3Aを保持してガイド手段2の上方まで移送する第1ロボット7Cを備えている。
【0014】
多数の第1物品3Aが第1コンベヤベルト7Aにランダムな向きで載置されて搬送されてくると、第1カメラ7Bが第1コンベヤベルト7A上の第1物品3Aを撮影することで、その位置および向きを制御装置13が認識できるようになっている。
【0015】
制御装置13は、第1カメラ7Bが撮影した各第1物品3Aの位置と向きに応じて第1ロボット7Cの作動を制御する。つまり、第1ロボット7Cは、負圧により第1物品3Aを吸着保持する図示しない吸着ヘッドを有しており、第1カメラ7Bの認識結果に基づいて、第1ベルトコンベヤ7A上の第1物品3Aを吸着ヘッドで吸着保持する。
【0016】
続いて第1ロボット7Cは、第1物品3Aの向きを上記ガイド手段2に移載するのに適した向きに回転させ、その後、当該第1物品3Aを第1供給位置Aにおいて搬送中のガイド手段2と同期して移動させながら、当該ガイド手段2へ移載するようになっている。その際、第1物品3Aの長手方向の辺が、ガイド手段2の移動方向と直交するようにして、ガイド手段2に第1物品3Aが移載されるようになっている。
【0017】
第2供給手段8は、第1供給手段7の搬送方向の下流側となる位置に、第1供給手段7から離隔させて設けられている。第2供給手段8は、上記第1供給手段7と同様に、第2物品3Bをランダムな状態で搬送する第2ベルトコンベヤ8Aと、第2ベルトコンベヤ8A上の第2物品3Bを撮影する第2カメラ8Bと、第2ベルトコンベヤ8A上の第2物品3Bを保持して移送する第2ロボット8Cを備えている。
【0018】
第2ロボット8Cは上記第1ロボット7Cと同様の図示しない吸着ヘッドを有しており、第2ロボット8Cの作動も制御装置13によって制御されるようになっている。第2ロボット8Cは第2ベルトコンベヤ8A上の第2物品3Bを吸着ヘッドで吸着保持すると、第2物品3Bを第2供給領域Bにおいて搬送中のガイド手段2と同期して移動させながら、第1供給位置Aにおいて当該ガイド手段2に移載された第1物品3A上に第2物品3Bを載置するようになっている。その際、第2物品3Bの長手方向の辺が、ガイド手段2の移動方向と直交するようにして、ガイド手段2に第2物品3Bが載置されるようになっている。
【0019】
ガイド手段2は、図2ないし図4に示すように、第1物品3Aが載置される載置部2Aと、閉鎖された保持位置と拡開された開放位置とに開閉可能な一対の保持部材15A、15Bと、載置部2A上の第1物品3Aを上から抑えるクランプ部材16と、保持部材15A、15Bを開閉させる第1移動機構21(開閉用連動機構)と、クランプ部材16を退避位置と前進位置とに揺動させる第2移動機構22(移動機構)を備えている。
【0020】
後述する移動手段9に取り付けられた支持部材17の上面には、板状をした一対の支持部17A、17Bが立設されており、それら支持部17A、17Bの上部に、所定間隔を維持して保持部材15A、15Bの基部が支持ピン23,23を介して揺動可能に取り付けられている。
【0021】
保持部材15A、15Bは同一形状からなり、それらの長手方向がガイド手段2の搬送方向と直交するように支持されており、内面となる保持面15Dを相互に対向させた状態で開閉されるようになっている。保持部材15A、15Bの上端が隔てた空間部が両物品3A、3Bを供給するための投入口15Cとなっており、保持部材15A、15Bにおける相互に対向した内面が第2物品3Bを保持する保持面15Dとなっている。保持面15Dは側方から見ると略円弧状となっており、保持面15Dには、プッシャ39の押し出し方向(長手方向)に沿って、複数の直線状溝が形成されている。複数の直線状溝が形成されていることで、保持面15Dによって第2物品3Aが上下方向に滑らずにC形を維持した状態で側方の容器5に向けて押し出されやすくなっている。
【0022】
保持部材15A、15Bは、第1移動機構21によって図2(a)~図2(b)に示す拡開した開放位置と、図2(c)~図2(d)に示す閉鎖された閉鎖位置とに移動されるようになっている。開放位置にある保持部材15A、15Bの間となる投入口15Cから載置部2Aに第1物品3A、第2物品3Bが供給されるようになっている。
【0023】
載置部2Aは、3本の角柱部材からなり、それらは所定間隔を維持して支持部17A、17Bの上端部にわたって連結されている。つまり、載置部2Aは、一対の保持部材15A、15Bの間の支持部17A、17Bの上端に、保持部材15A、15Bの長手方向と平行に設けられている。
【0024】
載置部2Aを構成する各角柱部材の上面の高さは同一となっており、第1物品3Aは、これら角柱部材上に水平となって載置されるようになっている。また、中央の角柱部材の内方側の端部には、凸部2Aaが形成されており、この凸部2Aaがあることにより、載置部2Aに載置された第1物品3Aが内方側に向けて脱落しないようになっている。
【0025】
クランプ部材16は、略L字状になっているが、先端側は2つに分かれた一対の押え部16A、16Aとなっている(図2(c)、(d)参照)。これらの押え部16A、16Aが隔てた間隔は、上記載置部2Aを構成する両側の角柱部材が隔てた間隔に一致させてあり、クランプ部材16が揺動されて前進された際に、上記載置部2Aの両側の角柱部材に押え部材16A、16Aが重合するようになっている。
【0026】
クランプ部材16は、第2移動機構22によって、上記押え部16A、16Aが載置部2Aからずれた外方位置に後退した退避位置(図2(a)参照)と、押え部16A、16Aが載置部2Aに重合した前進位置(図2(c)参照)とに移動可能となっている。前進位置では、押え部16A、16Aと載置部2Aとの間に第1物品3Aを挟持できるようになっている。
【0027】
次に、第1移動機構21、第2移動機構22の構成について説明する。第1移動機構21は、支持部材17の外方側の上下方向のガイド孔17Cに摺動自在に貫通させた第1ロッド25と、第1ロッド25と上記保持部材15A、15Bの下端部にわたって設けられたリンク部材26,26を備えている。第1ロッド25の下端部には、カムフォロア27が取り付けられている。
【0028】
ガイド手段2が移動される際の第1供給領域Aおよび第2供給領域Bには、所定の高さのカム部材28が配置されている。他方、第1供給領域Aおよび第2供給領域B以外のカムフォロア27の移動領域には、カム部材28は設けられていない。
【0029】
そのため、ガイド手段2が第1供給領域Aおよび第2供給領域Bを移動される際には、カムフォロア27がカム部材28に係合して、第1ロッド25が下降端から所定量だけ上昇されて上昇端に位置する。これに伴ってリンク部材26、26を介して保持部材15A、15Bが閉鎖位置から開放位置まで拡開されて投入口15Cが最大に開放された状態となる(図2(a)、(b)参照)。
【0030】
他方、第2移動機構22は、支持部材17の内方側の上下方向のガイド孔17Dに摺動自在に貫通させた第2ロッド29と、この第2ロッド29とクランプ部材16の下端部とにわたって設けられた複数のリンク部材30A、30Bを備えている。
【0031】
支持部17Aの側部には固定プレート31が突き出して連結されており、この固定プレート31の先端にピン32を介して、クランプ部材16の下部が揺動可能に取り付けられている。また、このピン32に、リンク部材30Bの上端が揺動可能に取り付けられている。
【0032】
第2ロッド29の下端部には、カムフォロア34が取り付けられている。ガイド手段2が移動される際の第1供給領域Aの下方側には、所定高さのカム部材35が配置されている。他方、第1供給領域A以外のカムフォロア34の移動領域には、カム部材35は設けられていない。
【0033】
そのため、ガイド手段2が第1供給領域Aを移動する際には、カムフォロア34がカム部材35に係合して、第2ロッド29が下降端から所定量だけ上昇されて上昇端に位置する。これに伴ってリンク部材30A、30Bを介してクランプ部材16の押え部16A、16Aが、載置部2A上からその外方側へ揺動されて退避位置に位置する(図2(a)参照)。
【0034】
他方、ガイド手段2が第1供給領域Aを通過するとカムフォロア34はカム部材35との係合が外れることにより、第2ロッド29は自重によって上昇端から下降端まで下降する。これに伴って、リンク部材30A、30Bを介してクランプ部材16が揺動されて押え部16A、16Aが前進位置まで前進する。これにより、載置部2A上の第1物品3Aが載置部2Aとクランプ部材16の押え部16A、16Aによって挟持されるので、第1部材3Aが位置ずれしないように押圧される(図2(d)参照)。
【0035】
各ガイド手段2を循環移動させる移動手段9は、図4ないし図6に示すように、多数の第1部材9Aと第2部材9Bとを交互に配置して構成されており、相前後する第1部材9Aと第2部材9Bとを鉛直方向の回転軸9Cを介して揺動可能に連結することで、全体として無端状に形成されている。
【0036】
各回転軸9Cの上下の両端にローラ9Dが取り付けられている。各第2部材9Bの内方側の側面に支持軸9Eが水平に連結されるとともに、第2部材9Bの外方側の側面に支持部材17を介してガイド手段2が取り付けられている。これにより、相前後するガイド手段2は、移動手段9によって移動される際の移動方向において等間隔に維持されている。
【0037】
支持軸9Eの先端にはローラ9Fが取り付けられており、支持軸9Eのローラ9Fは、所定高さで配置された支持レール18A上を転動するようになっている。また、各回転軸9Cの上下のローラ9D、9Dは、上下位置に配置されたガイドレール18B、18Bと係合して転動するようになっている(図4参照)。図1に示すように、各回転軸9Cの上下位置のローラ9D、9Dは、4カ所に配置された上下一対のスプロケット19にも係合するようになっている。
【0038】
図示しない駆動源によって各スプロケット19が反時計方向に回転されることで、移動手段9を構成する各第1部材9A、第2部材9Bが反時計方向に循環走行されるので、各第2部材9Bに連結されたガイド手段2が第1供給領域A、第2供給領域Bおよび挿入領域Cを所定高さに維持されて所定の移動軌跡で循環移動されるようになっている。
【0039】
次に、容器5を搬送する容器搬送手段11とガイド手段2から第1物品3Aおよび第2物品3Bを側方へ押し出すプッシャ39を備えた押し出し手段4について説明する。容器5を搬送する容器搬送手段11は、容器5をガイド手段2と同じ間隔で図1に示す矢印方向に搬送しながら挿入位置Cにおいて起立状態から横転状態に倒すようになっており、この横転状態の間に第1物品3Aおよび第2物品3Bが容器5内に供給される。その後、容器搬送手段11は、容器5を横転状態から起立状態に姿勢を変更させて下流へと搬送するようになっている。
【0040】
図1図4に示すように、押し出し手段4は、上流側と下流側の左右2対のスプロケット36、36によって掛け回された左右一対の無端状のチェーン37、37と、これら一対のチェーン37、37にわたって走行方向の等間隔に図示しない機構によって水平方向に移動可能に設けられた多数のロッド38と、各ロッド38の先端に固定されたプッシャ39とを備えている。各ロッド38は、ガイド手段2と同じ間隔でチェーン37、37に設けられている。
【0041】
上記ロッド38の進退動する方向は、挿入領域Cにおける上記ガイド手段2の搬送方向に対して直交方向となっており、ロッド38およびプッシャ39は、図4に実線で示す後退位置と想像線で示す前進位置とにわたって進退動するようになっている。つまり、プッシャ39は、挿入領域Cを移動中のガイド手段2におけるクランプ部材16からガイド手段2へ挿入して、横転状態の容器5の開口部5cの近接位置まで移動できるようになっている。
【0042】
また、図3(c)や図3(d)に示すように、プッシャ39の下方側には、ガイド手段2の載置部2Aやクランプ部材16の押え部16A、16Aとの干渉を防止するために、3カ所の切欠き39Aが形成されている。これにより、プッシャ39が前進される際には、切欠き部39A内を載置部2Aおよびクランプ部材の16の押え部16A、16Aが通過することになるので、プッシャ39は載置部2Aおよびクランプ部材16の押え部16A、16Aと干渉することなく、ガイド手段2内の第1物品3Aおよび第2物品3Bと係合し、これら両物品3A、3BをU字状に変形させたまま側方へ押し出して容器5内へ同時に挿入するようになっている。
【0043】
以上の構成に係る物品挿入装置1の動作を説明する。
第1ベルトコンベヤ7A上を搬送されてくる第1物品3Aは、第1ロボット7Cによって吸着保持されるとともに、第2ベルトコンベヤ8A上を搬送されてくる第2物品3Bは、第2ロボット8Cによって吸着保持される。
【0044】
第1供給領域A内にはカム28とカム35が配置されており、移動手段9によって第1供給領域Aに内を移動するガイド手段2は、カムフォロア27がカム28と係合することにより、第1移動機構21が作動して保持部材15A、15Bが閉鎖位置から開放位置へと移動して投入口15Cが最大に開放された状態(図2(a)、(b)参照)になるとともに、カムフォロア34がカム35と係合することにより、第2移動機構22が作動してクランプ部材16の押え部16A、16Aを載置部2A上からその外方側へ揺動した退避位置に移動させる。
【0045】
第1ロボット7Cは、第1供給領域A内を移動するガイド手段2に追従しながら、第1物品3Aを上方から、第1物品3Aの長手方向の辺をガイド手段2の搬送方向と平行となる方向(保持部材15A、15Bの長手方向と直交する方向)にそろえて載置部2Aに供給するようになっている。その際、第1物品3Aの長手方向の辺は保持部材15A、15Bの保持面15Dと当接してわずかに湾曲した状態で載置部2A上に載置される(図2(b)参照)。
【0046】
第1物品3Aを載置したガイド手段2が第1供給領域Aを通過すると、カムフォロア27はカム28との係合が解除されることにより、第1移動機構21が作動して保持部材15A、15Bが開放位置から閉鎖位置へと移動し、押え部16A、16Aと載置部2Aとで挟持されている第1物品3AをU字状にわずかに湾曲させるとともに、カムフォロア34はカム35との係合が解除されることにより、第2移動機構22が作動してクランプ部材16の押え部16A、16Aを前進位置へ移動させ、第1物品3Aを押え部16A、16Aと載置部2Aとで挟持する(図2(c)、(d)参照)。このように、保持部材15A、15Aを閉鎖しても辺の長さが短くて大きく湾曲させることができない第1物品3Aであっても押え部16A、16Aと載置部2Aとで挟持しているので、ガイド手段2内で第1物品3Aの位置がずれることを抑えることができる。
【0047】
第2供給領域B内には第1供給領域Aと同様にカム部材28が配置されており、移動手段9によって第2供給領域B内を移動するガイド手段2は、再度カムフォロア27がカム部材28と係合することにより、第1移動機構21が作動して保持部材15A、15Bが閉鎖位置から開放位置へと移動して投入口15Cが最大に開放された状態である。
【0048】
一方、第1供給領域A以外にカム部材35は配置されていないので、クランプ部材16の押え部16A、16Aは、第1供給領域Aを通過以降は前進位置を維持し、載置部2A上の第1物品3Aを押さえた状態である。
【0049】
第2ロボット8Cは、第2供給領域B内を移動するガイド手段2に追従しながら、第2物品3Bを開放されている投入口15cから、第2物品3Bの長手方向の辺をガイド手段2の搬送方向と平行となる方向に揃え、載置部2A上の第1物品3A、押え部16A、16A上に重ねて供給する。
【0050】
第2物品3Bが供給されたガイド手段2が第2供給領域Bを通過すると、カムフォロア27はカム部材28との係合が解除されることにより、第1移動機構21が作動して保持部材15A、15Bが開放位置から閉鎖位置へと移動されることになる。これにより、押え部16A、16Aと載置部2Aとで挟持されている第1物品3AはU字状にわずかに湾曲させるだけであるが、第1物品3Aよりも長い辺を有する第2物品3Bは保持面15DによってU字状に大きく湾曲され、保持面15Dによってしっかりと保持されることなり、ガイド手段2内で位置がずれることを抑えることができる(図3(b)参照)。
【0051】
保持部材15A、15Aが閉鎖位置、クランプ部材16の押え部16A、16Aが前進位置にある状態で第1物品3Aおよび第2物品3Bを保持したガイド手段2は、移動手段9によって挿入領域Cへ移動され、挿入領域Cを移動する間にプッシャ39によって第1物品3Aおよび第2物品3Bが外方へ押し出されて、横転状態の容器5内に挿入される。この際、プッシャ39には切欠き39Aが形成されているため、載置部2Aおよびクランプ部材16の押え部16A、16Aと干渉することなく前進することができるので、載置部2Aと押え部16A、16Aによって挟持された状態の第1物品3Aと第2物品3Bを同時に側方へ押し出すことが可能となる。
【0052】
第1物品3A、第2物品3Bが供給された容器5は、容器搬送手段11によって横転状態から起立状態に戻されてから下流側の図示しない蓋装着装置へと搬送されて、容器5の開口部5cに蓋が装着されるようになっている。
【0053】
また、第1物品3Aと第2物品3Bが押し出されたガイド手段2は、クランプ部材16の押え部16A、16Aが載置部2Aに重合した前進位置、保持部材15A、15Bは閉鎖位置の状態で、移動手段9によって再び第1供給領域Aまで移動されるようになっている。
【0054】
以上のように、本実施例のガイド手段2は載置部2Aに載置された第1物品3Aを上から押えるクランプ部材16を備えているので、第1物品3Aが有する長手方向の辺が短いためガイド部材2によって大きく湾曲させることができずにしっかりと保持できない場合や、第1物品3Aが長手方向の辺はガイド部材によって大きく湾曲させることは可能であるが、短手方向の辺が非常に短い細長い形状のため摩擦が少なくガイド手段2内で位置がずれやすい場合であっても、クランプ部材16の押え部16Aによって第1物品3Aを載置部2A上に押えて位置ずれしないように挟持することが可能である。
【0055】
また、仮にガイド手段2の搬送過程において載置部2A上の第1物品3Aの姿勢が斜めになったとしても、クランプ部材16によって第1物品3Aを押さえつつ、上記プッシャ39によって第1物品3Aを押し出すようになっているので、第1物品3Aに対してクランプ部材16Aで押えたことによる抵抗が付与され、プッシャ39によって第1物品3Aが側方へ押し出されるのに伴ってプッシャ39の前面(平面)に倣って第1物品3Aのプッシャ39によって押される辺がプッシャ39の前面と平行になるよう姿勢を矯正されてから容器5に挿入されるようになっている。
【0056】
したがって、挿入領域Cにおいてプッシャ39によってガイド手段2内から押し出された第1物品3A、第2物品3Bは、それらの長手方向が容器5の軸心に対して直交した状態で容器5内に挿入される。そのため、第1物品3A、第2物品3Bの一部が容器5の開口部5cから外部へはみ出すのを防止することができ、下流側の蓋装着装置によって容器5の開口部5cに支障なく蓋を装着することができる。
【0057】
なお、上記実施例においては、第2移動機構22によってクランプ部材16をピン32を支点として揺動させることで、該クランプ部材16の押え部16Aを載置部2Aに重合させる構成となっているが、この構成に限るものではなく、例えば、クランプ部材16の押え部16Aを揺動させて前進させてから、さらに水平状態で下降させて載置部2Aに重合させる構成を採用することも可能である。それにより、載置部2A上の第1物品3Aを上方側から押え部16Aによって確実に水平な状態で抑えることができる。
【符号の説明】
【0058】
1…物品挿入装置 2…ガイド手段
3A…第1物品 3B…第2物品
4…押し出し手段 39‥プッシャ
39A…切欠き部 5…容器
5c…開口部 7…第1供給手段
8…第2供給手段 9…移動手段
11…容器搬送手段 15A、15B…保持部材
2A…載置部 16…クランプ部材
21…第1移動機構(開閉用連動機構)
22…第2移動機構(移動機構) A…第1供給領域
B…第2供給領域 C…挿入領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6