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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022071937
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】治具自動交換システム
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/39 20060101AFI20220510BHJP
   B23B 31/16 20060101ALI20220510BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
B23B31/39
B23B31/16 D
B23Q17/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181076
(22)【出願日】2020-10-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000154901
【氏名又は名称】株式会社北川鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】西宮 民和
【テーマコード(参考)】
3C029
3C032
【Fターム(参考)】
3C029EE20
3C032GG36
3C032HH11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムを提供する。
【解決手段】治具自動交換システム1は、検出装置12と、ロボット13と、ボルト締緩装置14と、制御装置11とを備える。検出装置12は、治具3の所定部位を検出可能に構成される。ロボット13は、治具3を搬送可能に構成される。ボルト締緩装置14は、治具3を固定するボルトを締緩可能に構成される。制御装置11は、検出装置12による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定する。ロボット13に、治具3を装着位置から搬出させ、又は治具3を装着位置に搬入させる。ボルト締緩位置にボルト締緩装置14を移動させ、ボルトの締め又は緩めを行わせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムであって、
検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備え、
前記検出装置は、治具の所定部位を検出可能に構成され、
前記ロボットは、治具を搬送可能に構成され、
前記ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成され、
前記制御装置は、
前記検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定し、
前記ロボットに、治具を前記装着位置から搬出させ、又は治具を前記装着位置に搬入させ、
前記ボルト締緩位置に前記ボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる、
治具自動交換システム。
【請求項2】
請求項1に記載の治具自動交換システムにおいて、
ストッカを備え、
前記ストッカは、治具を収容可能に構成され、
前記ロボットは、治具を前記装着位置から前記ストッカに設けられた収納位置に搬出させ、又は治具を収納位置から前記装着位置に搬入させる、
治具自動交換システム。
【請求項3】
請求項2に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記検出装置は、前記ストッカと前記工作機器との少なくとも一方に備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記検出装置は、前記ロボットに備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記ボルト締緩装置は、前記ロボットに一体に備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記所定部位は、治具に備えられたTナットの端面であり、
前記検出装置は、前記Tナットの位置を検出する変位計又はレーザ変位計である、
治具自動交換システム。
【請求項7】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記所定部位は、治具の側面に設けられた凸部又は凹部であり、
前記検出装置は、前記凸部又は前記凹部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、近接センサとの何れか1つである、
治具自動交換システム。
【請求項8】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記所定部位は、治具を締結するボルトに設けられた締緩用の工具穴部であり、
前記検出装置は、前記工具穴部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つである、
治具自動交換システム。
【請求項9】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記所定部位は、治具を締結するボルトの頭部であり、
前記検出装置は、前記頭部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つである、
治具自動交換システム。
【請求項10】
請求項6~請求項9の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記工作機器は、チャックであり、
前記チャックは、少なくともトップジョーが該チャックに設けられたマスタージョーに治具として装着される、
治具自動交換システム。
【請求項11】
請求項6~請求項9の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記工作機器は、マシニングセンタ、または5軸加工機に固定される固定器具であり、
前記固定器具は、少なくともトップジョーが治具として装着される、
治具自動交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治具自動交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機器は、加工対象であるワークに合わせて所定の治具が装着される。例えば、特許文献1には、ボデーの正面でワークを把握するチャックが開示されており、このようなチャックでは、ワークに合わせて治具であるトップジョーを交換する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-034384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、治具の交換を自動で行いたいといった要望がある。治具の交換を自動で行う場合には、ロボットアーム等の作業装置を用いることが考えられるが、例えば、作業装置としてボルト締緩装置を用いる場合には、ボルトの位置を特定する必要がある。しかしながら、ワークに合わせて設計された治具の形状によりボルトの位置が異なり、また、治具の形状が同じであっても、その装着位置が異なれば、ボルトの位置が異なることになる。
【0005】
このため、作業装置により様々なワークに対応した複数種類の治具のボルト締緩を自動で行うことは困難であった。
【0006】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、治具のボルト締緩位置を把握し、治具の交換を自動で行うことのできる治具自動交換システムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムが提供される。この治具自動交換システムは、検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備える。検出装置は、治具の所定部位を検出可能に構成される。ロボットは、治具を搬送可能に構成される。ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成される。制御装置は、検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定する。ロボットに、治具を装着位置から搬出させ、又は治具を装着位置に搬入させる。ボルト締緩位置にボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる。
【0008】
本発明の一態様によれば、治具の所定部位を検出してボルト締緩位置を決定し、決定したボルト締緩位置にボルト締緩装置を移動させてボルトの締め又は緩めを行わせる。このため、治具のボルト締緩位置が一定でなくても、治具の交換を自動で行うことができる、という有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る治具自動交換システム1の構成を示した図である。
図2】治具3が装着された工作機器2の例を示した図である。
図3】ストッカ15と、ストッカ15に収容された交換ジョー31-1を示した図である。
図4】交換ジョー31-1を説明するための図である。
図5】交換ジョー31-1の側面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。
図6】Tナット313の端面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。
図7】変位計によりTナット313の端面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。
図8】ボルト41の工具穴部を所定部位とする場合の検出例を示した図である。
図9】検出装置12にカメラを用いた場合の検出例を示した図である。
図10】交換ジョーをチャックに装着する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図11】交換ジョーをストッカに収容する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図12】交換ジョーをストッカに収容する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。
図13】バイスタイプの治具を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。その中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
また、ソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、または外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらによって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、様々な情報を取り扱うが、これらは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.構成例
図1は、本発明の実施形態に係る治具自動交換システム1の構成を示した図である。同図に示すように、治具自動交換システム1は、制御装置11と、検出装置12と、ロボット13と、ボルト締緩装置14と、ストッカ15とを備える。この治具自動交換システム1は、工作機器2の装着位置にボルト締緩によって装着される治具3を自動交換可能なものである。工作機器2は、例えば、チャックであり、マシニングセンタ、または5軸加工機に固定される固定器具である。チャックは、少なくともトップジョーが該チャックに設けられたマスタージョーに治具として装着される。また、固定器具は、少なくともトップジョーが治具として装着される。
【0015】
制御装置11は、検出装置12による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定する。所定部位は、ボルト締緩位置を決定する際に有効となる、何らかの特徴を有する部位であり、治具3又は治具3に備えられた締結具等の一部である。例えば、所定部位は、治具3に備えられたTナットの端面、治具3の側面に設けられた凸部又は凹部、治具3を締結するボルトに設けられた締緩用の工具穴部、治具3を締結するボルトの頭部等である。なお、所定部位の詳細については、後述する。
【0016】
また、制御装置11は、ロボット13に、治具3を装着位置から搬出させ、又は治具3を装着位置に搬入させる。装着位置は、工作機器2の治具3を装着する部位である。さらに、制御装置11は、ボルト締緩位置にボルト締緩装置14を移動させ、ボルト締緩装置14にボルトの締め又は緩めを行わせる。ボルトは、工作機器2に治具3を固定する際に利用されるもので、ボルト締緩位置は、ボルトを締め又は緩めを行う位置である。
【0017】
なお、制御装置11は、工作機器2の動作を制御する図示しない制御装置と同一の装置として構成してもよく、この制御装置と協調して動作するように構成してもよい。
【0018】
検出装置12は、治具3の所定部位を検出可能に構成される。この検出装置12は、1以上のものが治具自動交換システム1に配設される。また、検出装置12は、ストッカ15と工作機器2との少なくとも一方に備えられるようにしてもよく、ロボット13に備えられるようにしてもよい。もちろん、ストッカ15、工作機器2、またはロボット13と独立して配設するようにしてもよい。
【0019】
検出装置12は、例えば、検出する所定部位が治具3に備えられたTナットの端面である場合には、Tナットの位置を検出する変位計又はレーザ変位計である。また、検出する所定部位が治具3の側面に設けられた凸部又は凹部である場合には、検出装置12は、凸部又は凹部の位置を検出するレーザ変位計、二次元レーザ変位計、または近接センサの何れか1つである。検出する所定部位が治具3を締結するボルトに設けられた締緩用の工具穴部である場合には、検出装置12は、工具穴部の位置を検出するレーザ変位計、二次元レーザ変位計、カメラ、または3Dスキャナの何れか1つである。検出する所定部位が治具3を締結するボルトの頭部である場合には、検出装置12は、頭部の位置を検出するレーザ変位計、二次元レーザ変位計、カメラ、または3Dスキャナの何れか1つである。
【0020】
ロボット13は、治具3を搬送可能に構成される。具体的には、ロボット13は、ハンド等の治具3を把持する構成を有し、治具3を工作機器2の装着位置からストッカ15に設けられた収納位置に搬出させ、又は治具3を収納位置から装着位置に搬入させる。なお、治具自動交換システム1は、複数のロボット13を備えるようにしてもよい。ロボット13の種類は、ロボットアームでもよいしガントリーロボットでもよい。もちろん、他の種類であってもよい。
【0021】
ボルト締緩装置14は、治具3を固定するボルトを締緩可能に構成される。ボルト締緩装置14は、ロボット13に一体に備えられるようにしてもよい。
【0022】
ストッカ15は、治具3を収納位置に収容可能に構成される。もちろん、ストッカ15は、複数の治具3を収容することができる。このストッカ15は、床面等に設置されるが、回転式等の移動可能な可動式としてもよく、床面等に固定される固定式であってもよい。ストッカ15が固定式の場合には、収納位置に治具3を収容した際に、ボルト締めにより治具3を固定する必要は無いが、ストッカ15が可動式の場合には、収納位置に治具3を収容した際に、ボルト締めにより治具3を固定することが安全上好ましい。もちろん、ストッカ15に治具3を固定するか否かは任意に決定することができる。
【0023】
2.所定部位
次に、検出装置12が検出する所定部位について説明する。図2は、治具3が装着された工作機器2の例を示した図である。同図に示すチャック21は、工作機器2の一種であり、このチャック21には、治具3である交換ジョー31-1と、交換ジョー31-2と交換ジョー31-3が装着されている。交換ジョー31-1は、例えば、図3に示すような態様で、ストッカ15に収容される。図3は、ストッカ15と、ストッカ15に収容された交換ジョー31-1を示した図である。同図のFig.3Aに示すように、ストッカ15は、溝151を有している。また、ストッカ15に交換ジョー31-1が収容された際には、同図のFig.3Bに示すように、溝151にTナット313が収容され、規制部314に、収容位置が規制される。なお、Tナット313と規制部314については、後述する。また、交換ジョーは、トップジョーと称する場合もある。
【0024】
ここで、交換ジョー31-1について説明する。図4は、交換ジョー31-1を説明するための図である。同図のFig.4Aに示すように、交換ジョー31-1は、凸部311と、セレーション312と、Tナット313、規制部314とを備える。また、同図のFig.4Bに示すように、交換ジョー31-1は、貫通孔315を備える。
【0025】
凸部311は、交換ジョー31-1の側面にねじ込んだ「止めネジ」の一部である。セレーション312は、交換ジョー31-1がチャック21に装着される際、又はストッカ15に収容される際に、これらと接する面に設けられたもので、チャック21に装着される場合には、チャック21側のマスタージョーのセレーションに設けられたセレーションと噛み合うように当接される部分である。ストッカ15に収容される場合は、ストッカ15にセレーションが設けられていないため、セレーション312は、ストッカ15と接するのみである。なお、ストッカ15にセレーションを設けるようにしてもよい。Tナット313は、チャック21側のマスタージョーに設けられたT溝に挿入される部分であり、ストッカ15に収容される際には、溝151に収容される部分でもある。規制部314は、交換ジョー31-1をチャック21に装着する際に、ロボット13が交換ジョー31-1の把握を解除してもその位置を保持するものであり、交換ジョー31-1をストッカ15に収容する際に、その収納位置を規制するものでもある。貫通孔315は、交換ジョー31-1を固定するボルト41が挿入される孔である。
【0026】
なお、ここでは、便宜上、交換ジョー31-1は、セレーション312が設けられた面を裏面とし、その反対側を正面とする。したがって、凸部311は、交換ジョー31-1の左側面に位置するものとなる。
【0027】
2-1.交換ジョー側面
まず、交換ジョー31-1の側面を所定部位とする場合を説明する。交換ジョー31-1の側面を所定部位とする場合は、交換ジョー31-1の左側面に位置する凸部311を検出する。図5は、交換ジョー31-1の側面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。同図に示すFig.5Aは、交換ジョー31-1がチャック21に装着された状態の交換ジョー31-1正面側を示した図であり、Fig.5Bは、交換ジョー31-1がチャック21に装着された状態の交換ジョー31-1の左側面側を示した図、Fig.5Cは、交換ジョー31-1がストッカ15に収容されていた状態の交換ジョー31-1の左側面側を示した図である。なお、Fig.5B及びFig.5Cに示した交換ジョー31-1の左側面からボルト41を視認することはできないが、理解を容易にするため、ボルト41の位置を破線で示している。
【0028】
検出装置12にレーザ変位計を用いる場合には、レーザ変位計は、Fig.5A及びFig.5Bの矢印Aに沿ってスキャンを行い、Fig.5Bの矢印Bの方向にレーザを照射する。矢印Aが示しているのは、凸部311が存在しうる範囲である。凸部311とボルト41との位置は一定であるため、例えば、予め交換ジョー31-1をチャック21に取付けた状態で凸部311を検出して、その検出結果をボルト41の締緩位置と関連付けて記憶させておき、レーザ変位計により凸部311を検出した際に、検出した凸部311の位置と記憶している凸部311の位置との差を算出し、算出した差の分だけ記憶しているボルト41の締緩位置をオフセットすることで、ボルト41の締緩位置を特定することができる。凸部311の位置を予め記憶する際の交換ジョー31-1の取付け位置は、取付け範囲内の任意の場所であってよい。なお、検出装置12に近接センサを用いる場合には、Fig.5A及びFig.5Bの矢印A’に沿ってスキャンを行って、凸部311を検出してボルト41の位置を特定する。また、検出装置12に二次元レーザ変位計を用いる場合には、矢印Aが示す領域を含むようにスキャンを行って凸部311を検出する。
【0029】
また、交換ジョー31-1がストッカ15に収容されている場合は、検出装置12は、Fig.5Cの矢印Cに沿ってスキャンを行い、Fig.5Cの矢印Dの方向にレーザを照射し、同様に凸部311を検出してボルト41の位置を特定する。なお、検出装置12に近接センサを用いる場合には、Fig.5Cの矢印C’に沿ってスキャンを行って、凸部311を検出してボルト41の位置を特定する。
【0030】
2-2.Tナット端面
続いて、Tナット313の端面を所定部位とする場合を説明する。図6は、Tナット313の端面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。同図に示すFig.6Aは、交換ジョー31-1がチャック21に装着された状態の交換ジョー31-1の左側面側を示した図であり、Fig.6Bは、交換ジョー31-1がストッカ15に収容されていた状態の交換ジョー31-1の左側面側を示した図である。なお、Fig.6A及びFig.6Bに示した交換ジョー31-1の左側面からボルト41を視認することはできないが、理解を容易にするため、ボルト41の位置を破線で示している。また、チャック21とストッカ15については、理解を容易にするため、透過しているものとし、これを破線で示している。
【0031】
検出装置12にレーザ変位計を用いる場合には、図6中の矢印E又は矢印Fの方向にレーザを照射する。これにより、検出装置12は、Tナット313の位置を検出することができる。具体的には、ボルト41は、Tナット313のネジ穴と螺合しているため、Tナット313の端面313aとボルト41の位置は一定である。したがって、例えば、予め交換ジョー31-1をチャック21に取付けた状態でTナット313の端面313aを検出して、その検出結果をボルト41の締緩位置と関連付けて記憶させておき、レーザ変位計により端面313aを検出した際に、検出した端面313aの位置と記憶している端面313aの位置との差を算出し、算出した差の分だけ記憶しているボルト41の締緩位置をオフセットすることで、ボルト41の締緩位置を特定することができる。端面313aの位置を予め記憶する際の交換ジョー31-1の取付け位置は、取付け範囲内の任意の場所であってよい。
【0032】
図7は、変位計によりTナット313の端面を所定部位とする場合の検出例を示した図である。なお、図7においては、ストッカ15については、理解を容易にするため、透過しているものとし、これを破線で示している。図7に示す変位計121は、ストッカ15に配設されている。この変位計121は、ストッカ15に交換ジョー31-1が収容された際に、Tナット313の端面313bと接し、Tナット313の端面313bの位置を検出する。この構成により、変位計121がTナット313の端面313bの位置を検出することで、ボルト41の位置を特定することができる。
【0033】
2-3.ボルトの工具穴部
次に、ボルト41の工具穴部を所定部位とする場合を説明する。図8は、ボルト41の工具穴部を所定部位とする場合の検出例を示した図である。同図に示すFig.8Aは、交換ジョー31-1がチャック21に装着された状態の交換ジョー31-1正面側を示した図であり、Fig.8Bは、交換ジョー31-1がチャック21に装着された状態の交換ジョー31-1の左側面側を示した図である。なお、Fig.8Bにおいては、理解を容易にするため、チャック21を透過しているものとし、これを破線で示している。
【0034】
検出装置12にレーザ変位計を用いる場合には、レーザ変位計は、Fig.8A及びFig.8Bの矢印Gに沿ってスキャンを行い、Fig.8Bの矢印Hの方向にレーザを照射する。矢印Gが示しているのは、ボルト41が存在しうる範囲である。また、検出装置12に二次元レーザ変位計を用いる場合には、矢印Gが示す領域を含むようにスキャンを行ってボルト41の工具穴部を検出する。具体的には、あらかじめボルト41の工具穴部付近をスキャンして工具穴底と付近の距離をパターンとして記憶しておき、検出した距離の変化と記憶しておいたパターンとを比較を行うことボルト41の工具穴部であるか否かを判別する。また、近接センサを用いてボルト41の工具穴部を検出する場合は、直接これを検知する。カメラを用いてボルト41の工具穴部を検出する場合は、ボルト41の工具穴部が存在しうる範囲を撮像範囲に含むように撮影を行う。3Dスキャナを用いてボルト41の工具穴部を検出する場合は、ボルト41の工具穴部が存在しうる範囲をスキャン領域に含むようにスキャンを行う。
【0035】
また、交換ジョー31-1がストッカ15に収容されている場合も、同様に、交換ジョー31-1正面のボルト41が存在しうる範囲をスキャンしてボルト41の工具穴部を検出する。
【0036】
検出装置12にカメラを用いる場合には、交換ジョー31-1正面のボルト41が存在しうる範囲を撮影し、画像処理により、ボルト41の工具穴部を検出する。また、交換ジョー31-1がチャック21に装着されている場合には、図9に示すように、カメラによる撮影範囲をチャック21の正面の全体を含むようにすることで、交換ジョー31-1のボルト41に加え、交換ジョー31-2のボルト41-2、交換ジョー31-3のボルト41-3を同時に撮影することができる。図9は、検出装置12にカメラを用いた場合の検出例を示した図である。なお、カメラによる撮影範囲をチャック21の正面の全体を含むようした場合、ボルト41、ボルト41-2、ボルト41-3の他にチャック自体を固定するボルトも撮影されるが、この場合には、画像処理により交換ジョー31-1、交換ジョー31-2、交換ジョー31-3の輪郭を検出し、その内側にあるものを、工具穴部を検出する対象として判別させる。具体的には、予め交換ジョー31-1をチャック21に取付けた状態で撮影した画像から特定した工具穴部とボルト41の締緩位置と関連付けて記憶させておき、これに基づいて、検出した工具穴部からボルト41の締緩位置を特定する。予め撮影して記憶する際の交換ジョー31-1の取付け位置は、取付け範囲内の任意の場所であってよいが、異なる取付け位置等の複数の画像と、それぞれに関連付けたボルト41の締緩位置を記憶しておくことで、画像処理による向きとスケールの変換が容易になりボルト41の締緩位置の特定の精度が向上する。
【0037】
2-4.ボルト頭部
ボルトは、工具穴部を有さない場合がある。この場合には、ボルトの頭部を検出する。なお、ボルト頭部の検出は、ボルト41の工具穴部を検出する場合と同様であるため、詳細な説明については省略する。
【0038】
3.動作例
次に、治具自動交換システム1の動作例について説明する。
【0039】
3-1.交換ジョー一式をチャックに装着する場合
図10は、交換ジョーをチャックに装着する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。まず、検出装置12がストッカ15に収容されている交換ジョー31-1のボルト41の位置を検出する(A101)。続いて、マスタージョーが開位置にない場合は、チャック21の制御装置が図示しないシリンダを駆動して全てのマスタージョーを開位置に移動させる(A102)。
【0040】
次に、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-1が装着されるマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A103)。所定の位置は、例えば、時計の12時を示す位置である。続いて、ロボット13がストッカ15から交換ジョー31-1を、その装着位置であるマスタージョーの所定位置に搬送する(A104)。そして、A101で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41の位置に移動させる(A105)。A101で検出したボルト位置は、交換ジョー31-1に対するボルト41の位置であるから、この位置と交換ジョー31-1を搬送した位置からボルト41の位置を特定することができる。そして、ボルト締緩装置14がボルト41の締め付けを行う(A106)。
【0041】
同様に、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-2が装着されるマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A103)。続いて、ロボット13がストッカ15から交換ジョー31-2を、その装着位置であるマスタージョーの所定位置に搬送する(A104)。そして、A101で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41-2の位置に移動させる(A105)。そして、ボルト締緩装置14がボルト41-2の締め付けを行う(A106)。
【0042】
さらに、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-3が装着されるマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A103)。続いて、ロボット13がストッカ15から交換ジョー31-3を、その装着位置であるマスタージョーの所定位置に搬送する(A104)。そして、A101で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41-3の位置に移動させる(A105)。そして、ボルト締緩装置14がボルト41-3の締め付けを行う(A106)。
【0043】
そして、交換ジョー31-1、交換ジョー31-2、交換ジョー31-3をチャック21に装着すると、交換ジョー一式のチャック21への装着を終了する。
【0044】
なお、全ての交換ジョーのボルト位置は同じであるケースが殆どなのでボルト位置の検出を一回のみとしているが、全ての交換ジョーのボルト位置を検出してもよい。
【0045】
3-2.交換ジョー一式をストッカに収容する場合
図11は、交換ジョーをストッカに収容する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。まず、ロボット13がエアブロー等を用いて、チャック21の表面の切粉を除去する(A201)。続いて、マスタージョーが開位置にない場合は、チャック21の制御装置が図示しないシリンダを駆動して全てのマスタージョーを開位置に移動させる(A202)。
【0046】
次に、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-1が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A203)。所定の位置は、例えば、時計の12時を示す位置である。そして、検出装置12が交換ジョー31-1のボルト41の位置を検出する(A204)。ただし、チャック21に装着されている交換ジョー31-1(交換ジョー31-2、交換ジョー31-3)が、装着時と同じである場合は締緩位置が装着時と同じなのでこの工程を省略することができる。
【0047】
続いて、A204で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41の位置に移動させ(A205)、ボルト締緩装置14がボルト41を緩める(A206)。そして、ロボット13が交換ジョー31-1をマスタージョーから抜き取り(A207)、抜き取った交換ジョー31-1を洗浄位置に搬送して洗浄する(A208)。洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-1をストッカ15の収納位置に搬送する(A209)。
【0048】
同様に、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-2が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A203)。続いて、A204で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41-2の位置に移動させ(A205)、ボルト締緩装置14がボルト41-2を緩める(A206)。そして、ロボット13が交換ジョー31-2をマスタージョーから抜き取り(A207)、抜き取った交換ジョー31-2を洗浄位置に搬送して洗浄する(A208)。洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-2をストッカ15の収納位置に搬送する(A209)。
【0049】
さらに、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-3が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A203)。続いて、A204で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41-3の位置に移動させ(A205)、ボルト締緩装置14がボルト41-3を緩める(A206)。そして、ロボット13が交換ジョー31-3をマスタージョーから抜き取り(A207)、抜き取った交換ジョー31-3を洗浄位置に搬送して洗浄する(A208)。洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-3をストッカ15の収納位置に搬送する(A209)。
【0050】
なお、全ての交換ジョーのボルト位置は同じであるケースが殆どなのでボルト位置の検出を一回のみとしているが、全ての交換ジョーのボルト位置を検出してもよい。また、交換ジョーは、1個づつ順番に洗浄する必要はなく、全ての交換ジョーを洗浄位置に搬送した後に纏めて洗浄し、洗浄後に収納位置に搬送するフローであってもよい。
【0051】
3-3.交換ジョー一式をストッカに収容する場合の変形例
治具自動交換システム1は、検出装置12とボルト締緩装置14がロボット13に備えられている場合もあるが、検出装置12と、ロボット13と、ボルト締緩装置14がそれぞれ独立して動作するように構成することもできる。この場合には、検出装置12と、ロボット13と、ボルト締緩装置14を並行して動作させることができる。ここでは、ロボット13と、ボルト締緩装置14を並行して動作させる場合の動作例を説明する。
【0052】
図12は、交換ジョーをストッカに収容する場合の動作の流れを示すアクティビティ図である。まず、ロボット13がエアブロー等を用いて、チャック21の表面の切粉を除去する(A301)。続いて、マスタージョーが開位置にない場合は、チャック21の制御装置が図示しないシリンダを駆動して全てのマスタージョーを開位置に移動させる(A302)。
【0053】
次に、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-1が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A303)。所定の位置は、例えば、時計の12時を示す位置である。そして、検出装置12が交換ジョー31-1のボルト41の位置を検出する(A304)。
【0054】
続いて、A304で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41の位置に移動させ(A305)、ボルト締緩装置14がボルト41を緩める(A306)。そして、ロボット13が交換ジョー31-1をマスタージョーから抜き取る(A307)。
【0055】
次に、ロボット13が、抜き取った交換ジョー31-1を洗浄位置に搬送して洗浄する(A308)。洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-1をストッカ15の収納位置に搬送する(A309)。
【0056】
一方、ロボット13がA308とA309の処理をしている間、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-2が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A310)。そして、A304で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41の位置に移動させ(A311)、ボルト締緩装置14がボルト41を緩める(A312)。
【0057】
ロボット13によるA309の処理と、ボルト締緩装置14によるA312の処理が終了すると、ロボット13が交換ジョー31-2をマスタージョーから抜き取る(A307)。
【0058】
同様に、ロボット13が、抜き取った交換ジョー31-2を洗浄位置に搬送して洗浄し(A308)、洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-2をストッカ15の収納位置に搬送する(A309)。このとき、工作機器の制御装置が、チャック21が取付けられたスピンドルを動作させて、交換ジョー31-3が装着されているマスタージョーの位置を所定の位置に割出する(A310)。そして、A304で検出したボルト位置に基づいて、ボルト締緩装置14をボルト41の位置に移動させ(A311)、ボルト締緩装置14がボルト41を緩める(A312)。
【0059】
その後、ロボット13が交換ジョー31-3をマスタージョーから抜き取り(A313)、ロボット13が、抜き取った交換ジョー31-3を洗浄位置に搬送して洗浄する(A314)。洗浄が終了すると、ロボット13は、交換ジョー31-3をストッカ15の収納位置に搬送する(A315)。
【0060】
4.その他
さて、これまでは、工作機器2と治具3の組み合わせと、チャック21と交換ジョー31-1等を例として説明したが、工作機器2と治具3が他の場合であっても、治具自動交換システム1により治具3の交換を行うことができる。ここでは、バイスタイプの治具の例を説明する。
【0061】
図13は、バイスタイプの治具を示した図である。同図に示す例は、治具本体22に、把握ジョーの固定部32と、把握ジョーの可動部33と、固定ジョー34が装着されている。この例の場合、固定部32と、可動部33と、固定ジョー34の交換が可能である。治具自動交換システム1が、これらの交換を行う際には、ボルト等の固定具の位置を検出する必要があるが、この検出は、治具本体22の凸部221又は凸部222を基準として、固定部32の凸部321の位置や固定ジョー34の凸部341を検出することで行う。また、固定部32の貫通孔322内のボルト、可動部33の貫通孔331内のボルト、固定ジョー34の貫通孔342内のボルトを検出することも、先に説明した場合と同様に行うことができる。
【0062】
この図13に示した治具は、ボルトの締緩によりワークを把握することができるタイプのものである。したがって、治具の交換と同様の方法、つまり、ボルトの締緩を行う位置を特定してボルトの締緩を行う方法で、ワークを把握させたり、その把握を解放したりすることができる。よって、図13に示した治具又は同タイプの治具を用いる場合には、ワークの交換も自動で行うことが可能となる。
【0063】
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記治具自動交換システムにおいて、ストッカを備え、前記ストッカは、治具を収容可能に構成され、前記ロボットは、治具を前記装着位置から前記ストッカに設けられた収納位置に搬出させ、又は治具を収納位置から前記装着位置に搬入させる、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記検出装置は、前記ストッカと前記工作機器との少なくとも一方に備えられる、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記検出装置は、前記ロボットに備えられる、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記ボルト締緩装置は、前記ロボットに一体に備えられる、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記所定部位は、治具に備えられたTナットの端面であり、前記検出装置は、前記Tナットの位置を検出する変位計又はレーザ変位計である、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記所定部位は、治具の側面に設けられた凸部又は凹部であり、前記検出装置は、前記凸部又は前記凹部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、近接センサとの何れか1つである、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記所定部位は、治具を締結するボルトに設けられた締緩用の工具穴部であり、前記検出装置は、前記工具穴部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つである、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記所定部位は、治具を締結するボルトの頭部であり、前記検出装置は、前記頭部の位置を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つである、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記工作機器は、チャックであり、前記チャックは、少なくともトップジョーが該チャックに設けられたマスタージョーに治具として装着される、治具自動交換システム。
前記治具自動交換システムにおいて、前記工作機器は、マシニングセンタ、または5軸加工機に固定される固定器具であり、前記固定器具は、少なくともトップジョーが治具として装着される、治具自動交換システム。
もちろん、この限りではない。
【0064】
最後に、本発明に係る実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 :治具自動交換システム
2 :工作機器
3 :治具
11 :制御装置
12 :検出装置
13 :ロボット
14 :ボルト締緩装置
15 :ストッカ
21 :チャック
22 :治具本体
31-1 :交換ジョー
31-2 :交換ジョー
31-3 :交換ジョー
32 :固定部
33 :可動部
34 :固定ジョー
41 :ボルト
41-2 :ボルト
41-3 :ボルト
121 :変位計
151 :溝
221 :凸部
222 :凸部
311 :凸部
312 :セレーション
313 :Tナット
313a :端面
313b :端面
314 :規制部
315 :貫通孔
321 :凸部
322 :貫通孔
331 :貫通孔
341 :凸部
342 :貫通孔
A :矢印
B :矢印
C :矢印
D :矢印
G :矢印
H :矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムであって、
検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備え、
前記検出装置は、治具の所定部位を検出する変位計又はレーザ変位計であり
前記所定部位は、治具に備えられたTナットの端面であり、
前記ロボットは、治具を搬送可能に構成され、
前記ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成され、
前記制御装置は、
前記検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定し、
前記ロボットに、治具を前記装着位置から搬出させ、又は治具を前記装着位置に搬入させ、
前記ボルト締緩位置に前記ボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる、
治具自動交換システム。
【請求項2】
工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムであって、
検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備え、
前記検出装置は、治具の所定部位を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、近接センサとの何れか1つであり、
前記所定部位は、治具の側面に設けられた凸部又は凹部であり、
前記ロボットは、治具を搬送可能に構成され、
前記ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成され、
前記制御装置は、
前記検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定し、
前記ロボットに、治具を前記装着位置から搬出させ、又は治具を前記装着位置に搬入させ、
前記ボルト締緩位置に前記ボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる、
治具自動交換システム。
【請求項3】
工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムであって、
検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備え、
前記検出装置は、治具の所定部位が存在しうる範囲から該所定部位を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つであり、
前記所定部位は、治具を固定するボルトに設けられた締緩用の工具穴部であり、該ボルトは、治具の貫通孔に挿入されており、
前記ロボットは、治具を搬送可能に構成され、
前記ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成され、
前記制御装置は、
前記検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定し、
前記ロボットに、治具を前記装着位置から搬出させ、又は治具を前記装着位置に搬入させ、
前記ボルト締緩位置に前記ボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる、
治具自動交換システム。
【請求項4】
工作機器の装着位置にボルト締緩によって装着される治具を自動交換可能な治具自動交換システムであって、
検出装置と、ロボットと、ボルト締緩装置と、制御装置とを備え、
前記検出装置は、治具の所定部位が存在しうる範囲から該所定部位を検出するレーザ変位計と、二次元レーザ変位計と、カメラと、3Dスキャナとの何れか1つであり、
前記所定部位は、治具を固定するボルトの頭部であり、該ボルトは、治具の貫通孔に挿入されており、
前記ロボットは、治具を搬送可能に構成され、
前記ボルト締緩装置は、治具を固定するボルトを締緩可能に構成され、
前記制御装置は、
前記検出装置による所定部位の検出結果に基づいてボルト締緩位置を決定し、
前記ロボットに、治具を前記装着位置から搬出させ、又は治具を前記装着位置に搬入させ、
前記ボルト締緩位置に前記ボルト締緩装置を移動させ、該ボルト締緩装置にボルトの締め又は緩めを行わせる、
治具自動交換システム。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
ストッカを備え、
前記ストッカは、治具を収容可能に構成され、
前記ロボットは、治具を前記装着位置から前記ストッカに設けられた収納位置に搬出させ、又は治具を収納位置から前記装着位置に搬入させる、
治具自動交換システム。
【請求項6】
請求項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記検出装置は、前記ストッカと前記工作機器との少なくとも一方に備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項7】
請求項1~請求項の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記検出装置は、前記ロボットに備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項8】
請求項1~請求項の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記ボルト締緩装置は、前記ロボットに一体に備えられる、
治具自動交換システム。
【請求項9】
請求項~請求項の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記工作機器は、チャックであり、
前記チャックは、少なくともトップジョーが該チャックに設けられたマスタージョーに治具として装着される、
治具自動交換システム。
【請求項10】
請求項~請求項の何れか1項に記載の治具自動交換システムにおいて、
前記工作機器は、マシニングセンタ、または5軸加工機に固定される固定器具であり、
前記固定器具は、少なくともトップジョーが治具として装着される、
治具自動交換システム。