(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072016
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】リストバンド
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220510BHJP
A44C 5/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61B5/00 A
A44C5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181199
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】597121588
【氏名又は名称】ウェルビー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】竹下 勝二
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XB02
4C117XC13
4C117XD15
4C117XE13
4C117XE33
4C117XE54
(57)【要約】
【課題】光学式の脈拍計測機能を備えた腕時計型の健康管理デバイスを、肌が敏感な人でも安心して装着できるようにするリストバンドを提供する。
【解決手段】手首Tの周りに着脱可能なバンド本体18を備え、バンド本体18の特定部位に、脈拍計測用の照射光SK及び反射光HKが厚み方向に透過可能な光透過部20を備える。健康管理デバイス12は、手首Tに装着されたバンド本体18の外周面に重なるように装着され、光透過部20が、健康管理デバイス12と手首Tとの間の、照射光SK及び反射光HKの通過位置に配される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首の表面に照射光を照射し、手首から反射した反射光を受光し、当該照射光及び反射光の光量の変化を分析することによって着用者の脈拍を計測する機能を備えた腕時計型の健康管理デバイスと合わせて使用されるリストバンドであって、
手首周りに着脱可能なバンド本体を備え、前記バンド本体の特定部位に、前記照射光及び前記反射光が厚み方向に透過可能な光透過部が設けられ、
前記健康管理デバイスは、手首に装着された前記バンド本体の外周面に重なるように装着され、前記光透過部が、前記健康管理デバイスと手首との間の、前記照射光及び前記反射光の通過位置に配されることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記光透過部は、光透過性を有したシート状の部材により形成される請求項1記載のリストバンド。
【請求項3】
前記光透過部は、前記バンド本体を厚み方向に貫通する透孔により形成される請求項1記載のリストバンド。
【請求項4】
透孔により形成された前記光透過部の内周縁部の厚みは、前記バンド本体が手首に装着され、当該バンド本体の外周面に重なるように前記健康管理デバイスが装着された状態で、前記健康管理デバイスが肌に接触しないように設定されている請求項3記載のリストバンド。
【請求項5】
前記バンド本体は、手首周りよりも長い帯状部材であり、前記バンド本体を手首周りに巻き付けて、前記バンド本体に設けた固定具で固定することができる請求項1乃至4のいずれか記載のリストバンド。
【請求項6】
前記バンド本体は、伸縮性生地を素材とする帯状部材であり、前記バンド本体及び前記光透過部が全体として環状に形成され、前記バンド本体を伸ばすことによって環状の内側に手首を挿通することができ、前記バンド本体の縮み性よって手首周りに固定される請求項1乃至4のいずれか記載のリストバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手首を保護するリストバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、手首周りに固定可能な腕固定用帯を有し、腕固定用帯の外周面に腕時計を配置し、腕時計のベルトを腕固定用帯に固定可能にした付加式腕時計バンドがあった。この付加式腕時計バンドによれば、腕時計が肌に直接触れない状態に装着することができるので、腕時計が肌に擦れて不快に感じたり、腕時計の特定の材質が肌に触れてアレルギー、かぶれ又は湿疹等の症状が出たりするのを防止することができる。
【0003】
近年、健康志向の高まりから、着用者の脈拍を簡易的に計測する機能を備えた腕時計型の健康管理デバイスが注目を集めている。この種の脈拍計測は、手首の表面に照射光を照射し、手首から反射した反射光を受光し、照射光及び反射光の光量の変化を分析することによって脈拍を特定する光学式で行われるのが一般的である。例えば特許文献2に、光学式の脈拍計測を行う腕時計型の心拍検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-33705号公報
【特許文献2】特開平2-213325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の付加式腕時計バンドは、脈拍計測の照射光や反射光を遮蔽しないようにすることは考慮されていないので、光学式の脈拍計測を行う健康管理デバイスを対象に使用することができない。
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、光学式の脈拍計測機能を備えた腕時計型の健康管理デバイスを、肌が敏感な人でも安心して装着できるようにするリストバンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、手首の表面に照射光を照射し、手首から反射した反射光を受光し、当該照射光及び反射光の光量の変化を分析することによって着用者の脈拍を計測する機能を備えた腕時計型の健康管理デバイスと合わせて使用されるリストバンドである。
【0008】
手首周りに着脱可能なバンド本体を備え、前記バンド本体の特定部位に、前記照射光及び前記反射光が厚み方向に透過可能な光透過部が設けられ、前記健康管理デバイスは、手首に装着された前記バンド本体の外周面に重なるように装着され、前記光透過部が、前記健康管理デバイスと手首との間の、前記照射光及び前記反射光の通過位置に配される。
【0009】
前記光透過部は、光透過性を有したシート状の部材により形成される。あるいは、前記光透過部は、前記バンド本体を厚み方向に貫通する透孔により形成される。この場合、透孔により形成された前記光透過部の内周縁部の厚みは、前記バンド本体が手首に装着され、当該バンド本体の外周面に重なるように前記健康管理デバイスが装着された状態で、前記健康管理デバイスが肌に接触しないように設定されていることが好ましい。
【0010】
前記バンド本体は、手首周りよりも長い帯状部材であり、前記バンド本体を手首周りに巻き付けて、前記バンド本体に設けた固定具で固定することができる構成にすることができる。あるいは、前記バンド本体は、伸縮性生地を素材とする帯状部材であり、前記バンド本体及び前記光透過部が全体として環状に形成され、前記バンド本体を伸ばすことによって環状の内側に手首を挿通することができ、前記バンド本体の縮み性よって手首周りに固定される構成にすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のリストバンドは、時計型の健康管理デバイスを肌に触れにくい状態に装着することができるので、健康管理デバイスが肌に擦れて不快に感じたり、健康管理デバイスの特定の材質が肌に触れてアレルギー、かぶれ、湿疹等の症状が出たりするのを防止することができる。しかも、バンド本体の所定の部位に光透過部が設けられているので、健康管理デバイスによる光学式の脈拍計測も支障なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のリストバンドの一実施形態を示す図であって、リストバンド及び腕時計型の健康管理デバイスを手首に装着した状態を示す斜視図(a)、手首と直角な縦断面を模式的に描いた図(b)である。
【
図2】上記実施形態のリストバンドの第一の変形例を示す斜視図(a)、第二の変形例を示す斜視図(b)、第三の変形例を示す斜視図及び縦断面図(c)である。
【
図3】上記実施形態のリストバンドの第四の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のリストバンドの一実施形態について、
図1に基づいて説明する。この実施形態のリストバンド10は、いわゆる光学式の脈拍計測機能を備えた腕時計型の健康管理デバイス12と合わせて使用されるものである。
【0014】
腕時計型の健康管理デバイス12は、本体部14とベルト部16とで構成される。本体部14は、着用者の手首Tに向けて照射光SKを照射する発光装置14aと、手首Tからの反射光HKを受光する受光装置14bとを内蔵し、照射光SK及び反射光HKの光量の変化を分析することによって脈拍計測を行う。ベルト部16は、手首Tの背面側に本体部14を装着するための部材で、一般的な腕時計のベルトと同様のものである。
【0015】
リストバンド10は、手首Tの周りに着脱可能なバンド本体18を備え、バンド本体18の特定部位に光透過部20が設けられている。バンド本体18は、伸縮性生地を素材とする帯状部材で、例えば、スポーツを行う時に手首に装着される装飾用バンドのような生地を使用することができる。光透過部20は、健康管理デバイス12からの照射光SK及び手首TKからの反射光が厚み方向に透過可能なシート状の部材で、例えば、一定以上の光透過率を有したメッシュ状の布地や透明フィルム等を使用することができる。
【0016】
リストバンド10は、バンド本体18の両端部が光透過部20を介して接続され、全体として環状に形成され、バンド本体18を伸ばすことによって環状の内側に手首Tを挿通することができ、バンド本体18の縮み性よって手首Tの周りに固定される。
【0017】
図1(a)、(b)に示すように、健康管理デバイス12及びリストバンド10を手首Tに装着する時は、まずリストバンド10を手首Tに装着し、健康管理デバイス12をリストバンド10の外周面に重ねるように装着する。そして、光透過部20は、健康管理デバイス12の本体部14と手首Tの表面との間の、照射光SK及び反射光HKの通過位置に配される。
【0018】
リストバンド10によれば、腕時計型の健康管理デバイス12を肌に触れない状態に装着することができるので、健康管理デバイス12が肌に擦れて不快に感じたり、健康管理デバイス12の特定の材質が肌に触れてアレルギー、かぶれ、湿疹等の症状が出たりするのを防止することができる。しかも、バンド本体18の所定の部位に光透過部20が設けられているので、健康管理デバイス12による光学式の脈拍計測も支障なく行うことができる。
【0019】
なお、本発明のリストバンドは、上記のリストバンド10の形態に限定されるものではない。例えば、
図2(a)に示す変形例のリストバンド22は、環状に形成された伸縮性生地を素材とする帯状部材で成るバンド本体24を有し、バンド本体24の内側の特定部分を開口させ、その開口部に上記の光透過部20(光透過性を有したシート状の部材)を配した構造になっている。リストバンド22は、手首Tに装着される時のストレスが光透過部20に加わりにくい構造なので、光透過部20として、比較的強度が弱いシート状部材を使用することができるという特徴がある。
【0020】
また、
図2(b)に示す変形例のリストバンド26は、リストバンド22の光透過部20を、透孔で成る光透過部28に置き換えたものである。光透過部28は、照射光SK及び反射光HKの透過率が非常に高くなるので、脈拍計測をより高精度に行うことができるという特徴がある。ただし、リストバンド26及び健康管理デバイス12を装着して激しい運動をすると、健康管理デバイス12の本体部14が、光透過部28を通じて肌に触れてしまう可能性があるので、バンド本体24の厚みを一定以上に厚くして、本体部14が肌に触れにくくすることが好ましい。あるは、
図2(c)に示す変形例のリストバンド26sのように、透孔で成る光透過部28の内周縁部に、リング状に形成された所定厚さの柔軟な樹脂やゴムによるスペーサ部材30を取り付けて、本体部14と肌との間に一定以上の隙間が確保されるようにしてもよい。
【0021】
また、
図3に示す変形例のリストバンド30は、リストバンド22のバンド本体24を、手首周りよりも長い帯状部材で成るバンド本体34に置き換え、バンド本体34を手首Tの周りに巻き付けて固定具36で固定することができるようにしたものである。固定具36は、例えば互いに係合する一対の面ファスナや、互いに吸引する一対の磁石を使用することができる。
【符号の説明】
【0022】
10,22,26,32 リストバンド
12 腕時計型の健康管理デバイス
14 本体部
16 ベルト部
18,24,34 バンド本体
20,28 光透過部
36 固定具
HK 反射光
SK 照射光
T 手首