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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072042
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/08 20060101AFI20220510BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20220510BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
H01Q7/08
H01F17/00 E
H01Q1/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181242
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】淺野 友紀
【テーマコード(参考)】
5E070
5J046
【Fターム(参考)】
5E070AA20
5E070AB04
5E070CB14
5J046AA19
5J046AB11
5J046PA04
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
【課題】コストアップすることなくインダクタンスの調整が可能なアンテナを提供する。
【解決手段】アンテナ1は、磁性体からなる柱状体のコア10と、延出方向に沿って所定の第1間隔で設けられた複数の穴部21、及び、穴部21の夫々の周囲に導体を巻き回して1つのコイルになるように形成されたコイル部を有するフレキシブル基板20と、を備え、フレキシブル基板20は、互いに隣接する穴部21同士が対向するように延出方向に沿って所定の第2間隔bを有して並ぶ状態に折り曲げられた折り曲げ部24を有し、複数の穴部21に延出方向に沿ってコア10が貫通挿入されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなる柱状体のコアと、
延出方向に沿って所定の第1間隔で設けられた複数の穴部、及び、前記穴部の夫々の周囲に導体を巻き回して1つのコイルになるように形成されたコイル部を有するフレキシブル基板と、を備え、
前記フレキシブル基板は、互いに隣接する穴部同士が対向するように前記延出方向に沿って所定の第2間隔を有して並ぶ状態に折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記複数の穴部に前記延出方向に沿って前記コアが貫通挿入されているアンテナ。
【請求項2】
前記フレキシブル基板は、幅方向に沿って見て複数のU字形状を形成するように波状に折り曲げられ、前記互いに隣接する前記穴部の夫々が前記U字形状における互いに対向する対向部の夫々に位置するように折り曲げられている請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記所定の第2間隔は、前記折り曲げ部の曲げ半径の2倍以上である請求項1又は2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記折り曲げ部の曲げ中心の夫々は、前記コアの軸心からの距離が互いに等しく構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記コイル部は、前記フレキシブル基板の前記延出方向の一端側から他端側へは、前記穴部の夫々の周囲に前記導体を巻き回して配線され、
前記フレキシブル基板の前記延出方向の前記他端側から前記一端側へは、前記互いに隣接する穴部の間における前記導体の配線方向が、幅方向における一方側から他方側に向かう第1方向と前記他方側から前記一方側に向かう第2方向とが交互になるように引き回されている請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記フレキシブル基板の前記複数の穴部の夫々に貫通挿入された状態の前記コアを、当該コアの軸心方向の両外側から支持する支持部を備えた支持部材を更に備える請求項1から5のいずれか一項に記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に用いられるアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器において通信装置が利用されてきた。このような通信装置には、アンテナを介して情報を重畳した電波を空中伝搬させて伝達するものがある。このようなアンテナに係る技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1にはプリントコイル形トランスが開示されている。このプリントコイル形トランスはコア用の複数の丸穴が形成されたフレキシブルプリント基板を折り畳み、折り畳んだ状態のフレキシブル基板の複数の丸穴に対してコアを貫通挿入して構成されている。
【0004】
特許文献2には渦巻状回路を有するFPCが開示されている。このFPCは、直列に形成された複数の本体コイルと複数の予備コイルとを有し、所期のインダクタンスを得るために予備コイルを本体コイルから切り離すことができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-349650号公報
【特許文献2】特開平8-264919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、インダクタンスの調整をすることができない。また、特許文献2に記載の技術は、予備コイルを本体コイルから切り離すことでインダクタンスの調整ができるが、予備コイルの切り離す工程が必要となりコストアップの要因となる。また、予備コイルをFPCに設けておくため、FPCのサイズが大きくなり、この点にあってもコストアップの要因となる。
【0007】
そこで、コストアップすることなくインダクタンスの調整が可能なアンテナが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアンテナの特徴構成は、磁性体からなる柱状体のコアと、延出方向に沿って所定の第1間隔で設けられた複数の穴部、及び、前記穴部の夫々の周囲に導体を巻き回して1つのコイルになるように形成されたコイル部を有するフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板は、互いに隣接する穴部同士が対向するように前記延出方向に沿って所定の第2間隔を有して並ぶ状態に折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記複数の穴部に前記延出方向に沿って前記コアが貫通挿入されている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、例えばフレキシブル基板を折り曲げて互いに隣接する穴部同士の間隔を調整することでインダクタンスの調整が可能となる。したがって、コストアップすることなくインダクタンスの調整が可能となる。
【0010】
また、前記フレキシブル基板は、幅方向に沿って見て複数のU字形状を形成するように波状に折り曲げられ、前記互いに隣接する前記穴部の夫々が前記U字形状における互いに対向する対向部の夫々に位置するように折り曲げられていると好適である。
【0011】
このような構成とすれば、コアが貫通挿入される方向に直交するように穴部を形成することが可能となる。したがって、コアの組み付けを容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、前記所定の第2間隔は、前記折り曲げ部の曲げ半径の2倍以上であると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、フレキシブル基板の折り曲げを容易に行うことができる。したがって、例えばフレキシブル基板の長手方向に交差する面を容易に形成することが可能となる。
【0014】
また、前記折り曲げ部の曲げ中心の夫々は、前記コアの軸心からの距離が互いに等しく構成されていると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、夫々の穴部の周囲に巻き回された導体によるコイル部の特性のばらつきを低減することが可能となる。したがって、特性の優れたアンテナを実現することが可能となる。
【0016】
また、前記コイル部は、前記フレキシブル基板の前記延出方向の一端側から他端側へは、前記穴部の夫々の周囲に前記導体を巻き回して配線され、前記フレキシブル基板の前記延出方向の前記他端側から前記一端側へは、前記互いに隣接する穴部の間における前記導体の配線方向が、幅方向における一方側から他方側に向かう第1方向と前記他方側から前記一方側に向かう第2方向とが交互になるように引き回されていると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、フレキシブル基板の延出方向の一方側から他方側への導体の巻き回しによりコイルを形成するだけでなく、フレキシブル基板の延出方向の他端側から一端側への導体の巻き回しによってもコイルを形成することができる。したがって、例えばより高いインダクタンスを有するコイル部が必要な場合であっても、所期のインダクタンスを実現することが可能となる。
【0018】
また、前記アンテナは、前記フレキシブル基板の前記複数の穴部の夫々に貫通挿入された状態の前記コアを、当該コアの軸心方向の両外側から支持する支持部を備えた支持部材を更に備えると好適である。
【0019】
このような構成とすれば、コアが貫通購入されたフレキシブル基板を支持することが可能となると共に、複数の穴部の間隔が変化しないのでコイル部のインダクタンスを一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】アンテナの斜視図である。
図2】フレキシブル基板の展開図である。
図3】フレキシブル基板の折り曲げ例を示す図である。
図4】フレキシブル基板の折り曲げ例を示す図である。
図5】その他の実施形態に係る導体の引き回し例を示す図である。
図6】その他の実施形態に係るフレキシブル基板の折り曲げ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るアンテナは、容易にインダクタンスの調整ができるように構成される。以下、本実施形態のアンテナ1について説明する。
【0022】
図1はアンテナ1の斜視図である。図2はフレキシブル基板20の展開図である。図1に示されるように、アンテナ1は、コア10、フレキシブル基板20、支持部材30を備えて構成される。
【0023】
コア10は、磁性体からなる柱状体で構成される。磁性体は特に限定されるものではないが、後述するコイル部22を流れる電流に応じてコイル部22に生じる磁界に起因する磁束を集磁し易い材料、具体的には例えばフェライトを用いて構成すると好適である。もちろん、フェライト以外の材料を用いて構成しても良い。柱状体とは、所定の方向に延出する棒形状を有するものであって、本実施形態では四角柱で構成される。もちろん、円柱で構成されても良いし、他の形状であっても良い。なお、本実施形態では理解を容易にするために、コア10がX軸に沿って延出するものとする。
【0024】
フレキシブル基板20は、穴部21及びコイル部22を有する。ここで、理解を容易にするために、図1ではコイル部22を省略している。穴部21は延出方向に沿って所定の第1間隔で複数、設けられる。フレキシブル基板20は、図2に示されるように、帯状に構成され、この帯状の長手方向が延出方向(X方向)に相当する。第1間隔とは、互いに隣接する2つの穴部21の間隔であって、図2では「a」で示される。また、本実施形態では、フレキシブル基板20に8個の穴部21が設けられる。したがって、穴部21は、帯状に形成されるフレキシブル基板20における長手方向に沿って、互いに隣接する2つの穴部21の間隔をaとして8個、設けられる。
【0025】
コイル部22は、穴部21の夫々の周囲に導体23を巻き回して1つのコイルになるように形成される。穴部21の夫々とは、本実施形態では8個の穴部21である。導体23とは、フレキシブル基板20にパターンニングされた導体である。コイル部22は、フレキシブル基板20の延出方向の一端側から他端側へは、穴部21の夫々の周囲に導体23を巻き回して配線される。図2における8個の穴部21を、夫々穴部21A-穴部21Hとすると、フレキシブル基板20の延出方向の一方の端部に設けられる接続部41から穴部21Aの周囲に導体23が巻き回され、次に穴部21Bの周囲、穴部21Cの周囲、穴部21Dの周囲、穴部21Eの周囲、穴部21Fの周囲、穴部21Gの周囲、穴部21Hの周囲に、順番に導体23が巻き回される。穴部21Hに巻き回された導体23は、フレキシブル基板20の延出方向の一方の端部に設けられる接続部42に接続される。このように接続部41から接続部42までの配線が、1つのコイルになるように、すなわち連続した1本の導体23で形成される。なお、接続部41と接続部42とは、フレキシブル基板20の延出方向において互いに異なる端部に設けられていても良い。
【0026】
ここで、フレキシブル基板20の一方の面(例えば表面)に導体23を巻き回した場合、交差する部分が発生する。係る場合、導体23同士の短絡を防止するために、交差する部分にあっては、フレキシブル基板20の一方の面とは反対側の他方の面(例えば裏面)にも導体23を巻き回すと良い。図2では一方の面に設けられた導体23を実線で示し、他方の面に設けられた導体23を破線で示している。また、夫々の穴部21の周囲に巻き回された導体23は、図1に示されるようにフレキシブル基板20が折り曲げられた状態で、全て同一方向に巻き回した状態となるように構成される。図2には、理解を容易にするために、接続部41から接続部42に向かって導体23を巻き回した際の方向に沿って矢印を付している。
【0027】
以上のようにコイル部22を形成することで、例えばアンテナ1が接続されるデバイスとコイル部22とを容易に接続することが可能となる。また、接続するための部品(コネクタ等)や工数が不要となるので、低コストで実現することが可能となる。
【0028】
フレキシブル基板20は、互いに隣接する穴部21同士が対向するように延出方向に沿って所定の第2間隔を有して並ぶ状態に折り曲げられた折り曲げ部24を有し、複数の穴部21に延出方向に沿ってコア10が貫通挿入されている。互いに隣接する穴部21同士とは、複数の穴部21のうち、フレキシブル基板20の長手方向に沿って隣り合う2つの穴部21である。例えば、穴部21Aにあっては穴部21Bが相当し、穴部21Bにあっては穴部21A及び穴部21Cが相当する。同様に、穴部21Cにあっては穴部21B及び穴部21Dが相当し、穴部21Dにあっては穴部21C及び穴部21Eが相当し、穴部21Eにあっては穴部21D及び穴部21Fが相当し、穴部21Fにあっては穴部21E及び穴部21Gが相当し、穴部21Gにあっては穴部21F及び穴部21Hが相当し、穴部21Hにあっては穴部21Gが相当する。このように互いに隣り合う穴部21同士は、図1に示されるX方向に沿って所定の間隔bを有して並ぶように折り曲げられる。このように折り曲げられた部分が折り曲げ部24に相当する。このように折り曲げられたフレキシブル基板20の複数の穴部21は、延出方向に沿って一列に整列する。図1に示されるように、このような一列に整列した穴部21に、コア10が貫通挿入される。
【0029】
特に本実施形態では、フレキシブル基板20は、幅方向に沿って見て複数のU字形状を形成するように波状に折り曲げられ、互いに隣接する穴部21の夫々がU字形状における互いに対向する対向部25の夫々に位置するように折り曲げられている。「幅方向に沿って見る」とは、フレキシブル基板20において複数の穴部21が並ぶ方向に直交する方向であって、具体的には図1におけるZ方向が相当する。なお、図3には、Z方向から見たフレキシブル基板20が示される。「複数のU字形状を形成する」とは、フレキシブル基板20の延出方向及び幅方向の双方に直交する方向(Y方向)に沿って立設する部分を有し、延出方向(X方向)に沿って、第2間隔b毎に、開口部分Oと閉口部分Cとが交互に並ぶように形成されることを意味する。「U字形状における互いに対向する対向部25」とは、フレキシブル基板20においてY方向に沿って設けられる部分である。したがって、フレキシブル基板20は、Z方向に沿って見たときに、Y方向に沿って立設する部分を有し、X方向に沿って、第2間隔b毎に、開口部分Oと閉口部分Cとが交互に並ぶように折り曲げられ、且つ、互いに隣接する穴部21の夫々がフレキシブル基板20においてX方向に垂直に設けられる部分に位置するように折り曲げられる(YZ平面上に位置するように折り曲げられる)。
【0030】
ここで、図3に示されるように、所定の第2間隔bは、折り曲げ部24の曲げ半径Rの2倍以上であると好適である。これにより、曲げ半径Rの2倍よりも互いに対向するU字形状における対向部25の間隔を広くすることができるので、フレキシブル基板20の折り曲げ加工を容易に行うことが可能となる。なお、図3では、U字形状の底部における2つの折り曲げ部24で挟まれた部分を平坦に示しているが、U字形状の底部が円弧状になるように形成しても良い。
【0031】
また、折り曲げ部24の夫々は、コア10の軸心からの距離が互いに等しく構成されると好適である。コア10の軸心からの距離とは、複数の穴部21の夫々に亘って貫通挿入されたコア10の軸心からの距離である。この時、コア10の軸心よりもY方向一方側の折り曲げ部24の曲げ半径を一定にし、コア10の軸心よりもY方向他方側の折り曲げ部24の曲げ半径を一定にすることで、フレキシブル基板20の延出方向(X方向)を中心に、Y方向の一方側に設けられる折り曲げ部24の曲げ中心の夫々を仮想的に結んだ線と、Y方向の他方側に設けられる折り曲げ部24の曲げ中心の夫々を仮想的に結んだ線と、コア10の軸心とが互いに平行に設けられる。なお、この時、フレキシブル基板20の延出方向(X方向)を中心に、Y方向の一方側に設けられる折り曲げ部24の曲げ中心の夫々を仮想的に結んだ線とコア10の軸心との距離と、Y方向の他方側に設けられる折り曲げ部24の曲げ中心の夫々を仮想的に結んだ線とコア10の軸心との距離とは、互いに等しく構成しても良いし、互いに異なるように構成しても良い。
【0032】
ここで、図4に示されるように、フレキシブル基板20は互いに隣り合う2つの穴部21の間隔を図3で示したものと変更して構成することが可能である。すなわち、図4に示されるように、Y方向に沿って互いに対向する開口部分Oと閉口部分Cとの間隔を図3の間隔よりも長くし、X方向に沿った開口部分O及び閉口部分Cの長さ(第2間隔b)を図3の開口部分O及び閉口部分Cの長さよりも短くして構成することが可能である。これにより、コイル部22が形成するコイルのインダクタンスを図3よりも図4の方が高くすることが可能となる。このような図3及び図4に係るフレキシブル基板20は共通化できるので、1種類のフレキシブル基板20を用いて折り曲げて互いに隣接する穴部同士の間隔を変更するだけで、互いにインダクタンスが異なるアンテナ1を構成することが可能となる。
【0033】
図1に戻り、フレキシブル基板20の複数の穴部21の夫々に貫通挿入された状態のコア10は、支持部材30により支持される。支持部材30には、フレキシブル基板20の折り曲げ形状に沿った凹凸を形成しておくと好適である。これにより折り曲げられたフレキシブル基板20の形状を維持し易くできるので、複数の穴部21の間隔が変化せずコイル部22のインダクタンスを一定に維持することができる。また、支持部材30は、コア10の軸心方向の両外側から支持する支持部31を備える。本実施形態では、フレキシブル基板20の複数の穴部21の夫々に貫通挿入された状態のコア10の一方側の端部を支持部31のうちの一方である第1支持部31Aに挿入し、続いて、コア10の他方側の端部を支持部31のうちの他方である第2支持部31Bで支持する。この時、第2支持部31Bをスナップフィット形状で構成することで、容易に第2支持部31Bがコア10を係止することが可能となる。このような支持部材30は例えば樹脂材料を用いて構成することが可能である。
【0034】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、図2において、コイル部22は、導体23が接続部41から穴部21Hに巻き回され、穴部21Hと接続部42と間が直線状に配線される(パターンニングされる)ように示した。コイル部22は、フレキシブル基板20の延出方向の他端側から一端側へは、互いに隣接する穴部21の間における導体23の配線方向が、幅方向における一方側から他方側に向かう第1方向と他方側から一方側に向かう第2方向とが交互になるように引き回して構成しても良い。すなわち、図5に示されるように接続部41から穴部21A-穴部21Hは、図2と同様に導体23を巻き回してコイル部22を形成し、穴部21Hと接続部42との間は、まず、穴部21Hと穴部21Gとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の一方側から他方側に向かって配線し、穴部21Gと穴部21Fとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の他方側から一方側に向かって配線すると良い。同様に、穴部21Fと穴部21Eとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の一方側から他方側に向かって配線し、穴部21Eと穴部21Dとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の他方側から一方側に向かって配線し、穴部21Dと穴部21Cとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の一方側から他方側に向かって配線し、穴部21Cと穴部21Bとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の他方側から一方側に向かって配線し、穴部21Bと穴部21Aとの間はフレキシブル基板20におけるZ方向の一方側から他方側に向かって配線し、接続部42に接続すると良い。これにより、コイル部22の巻き回し数が増えるので、インダクタンスを増大することが可能となる。更には、穴部21Hと接続部42との間は、接続部41と穴部21Hとの引き回しと同様に、穴部21の夫々の周囲を複数回、巻き回して配線することも可能である。
【0035】
上記実施形態では、フレキシブル基板20は、幅方向に沿って見て複数のU字形状を形成するように波状に折り曲げられ、互いに隣接する穴部21の夫々がU字形状における互いに対向する対向部25の夫々に位置するように折り曲げられているとして説明したが、フレキシブル基板20は、図6に示されるように幅方向に沿って見て三角形状を形成するように波状に折り曲げて構成することも可能である。係る場合でも、フレキシブル基板20の延出方向に沿って並ぶように穴部21を形成することで、コア10を貫通挿入させることが可能である。
【0036】
上記実施形態では、第2間隔は、折り曲げ部24の曲げ半径の2倍以上であると好適であるとして説明したが、第2間隔は折り曲げ部24の曲げ半径の2倍未満であっても良い。
【0037】
上記実施形態では、折り曲げ部24の曲げ中心の夫々は、コア10の軸心からの距離が互いに等しく構成されているとして説明したが、折り曲げ部24の曲げ中心の夫々は、コア10の軸心からの距離が互いに等しくなくても良い。
【0038】
上記実施形態では、フレキシブル基板20の複数の穴部21の夫々に貫通挿入された状態のコア10が、支持部材30の支持部31によりコア10の軸心方向の両外側から支持されているとして説明したが、コア10は支持部31以外の構成で支持することも可能である。また、アンテナ1は支持部材30を備えずに構成することも可能である。
【0039】
本発明は、通信装置に用いられるアンテナに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1:アンテナ
10:コア
20:フレキシブル基板
21:穴部
22:コイル部
23:導体
24:折り曲げ部
25:対向部
30:支持部材
31:支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6