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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072112
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】抗ウイルス溶液
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/618 20150101AFI20220510BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20220510BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220510BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20220510BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220510BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20220510BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220510BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20220510BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A61K35/618
A61P31/12
A61P17/00 101
A61K33/06
A61K9/08
A61K9/12
A61K47/02
A61K47/46
A61L9/01 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181373
(22)【出願日】2020-10-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】593008494
【氏名又は名称】遠赤青汁株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高岡 照海
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C087
4C180
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076AA24
4C076BB31
4C076CC18
4C076CC35
4C076DD26
4C076EE58T
4C076FF52
4C076GG41
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA04
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA63
4C086NA09
4C086ZA90
4C086ZB33
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB16
4C087CA01
4C087MA05
4C087MA13
4C087MA17
4C087MA63
4C087NA09
4C087ZA90
4C087ZB33
4C180AA07
4C180CB01
4C180EA24X
4C180GG06
(57)【要約】
【課題】
貝殻焼成カルシウムの磯の香りを軽減した抗ウイルス溶液を提供する。
【解決手段】
質量比で、48質量%~60質量%の貝殻焼成カルシウムと、29質量%~36質量%のリン酸化合物と、4質量%~20質量%の桜葉と、を混合した混合物と、水とを、前記水に対して質量比で前記貝殻焼成カルシウムが0.15質量%以上含まれるように混ぜたもので、桜葉は、生葉を洗浄、乾燥及び、粉砕処理してフレーク状にしたものであり、不織布でろ過し、採取した上澄み液である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量比で、48質量%~60質量%の貝殻焼成カルシウムと、29質量%~36質量%のリン酸化合物と、4質量%~20質量%の桜葉と、を混合した混合物と、水とを、前記水に対して質量比で前記貝殻焼成カルシウムが0.15質量%以上含まれるように混ぜたことを特徴とする抗ウイルス混合液。
【請求項2】
前記桜葉は、生葉を洗浄、乾燥及び、粉砕処理してフレーク状にしたものであることを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス混合液。
【請求項3】
前記桜葉が、前記水に対して重量比で0.02質量%~0.07質量%含まれるように、前記水と前記混合物とを混ぜたことを特徴とする請求項1又は2記載の抗ウイルス混合液。
【請求項4】
前記貝殻焼成カルシウムは、ほたて貝の貝殻を粉砕した粉末であることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の抗ウイルス混合液。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の抗ウイルス混合液を不織布でろ過し、採取した上澄み液であることを特徴とした抗ウイルス溶液。
【請求項6】
(1)桜葉を洗浄し乾燥する工程と、
(2)乾燥した前記桜葉を殺菌し、粉砕する工程と、
(3)貝殻焼成カルシウムと、リン酸化化合物と、粉砕した前記桜葉と、を混合して混合物を生成する混合工程と
(4)前記混合物と水とを混ぜ、その上澄み液を採取する工程と、
を備えることを特徴とする抗ウイルス溶液の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貝殻焼成カルシウムを用いた抗ウイルス溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ほたて貝等の貝殻を粉砕、焼成して得られる貝殻焼成カルシウム粉体やこの貝殻焼成カルシウム粉体を含有する貝殻焼成カルシウム液が、殺菌効果や抗菌効果を有するとともに、人体等に刺激を及ぼさず、さらに発熱することのない等の観点から種々の分野において多用されている。
【0003】
また、近年の研究により、貝殻焼成カルシウム粉体や、貝殻焼成カルシウム混合液には、抗ウイルス効果も分かっており、貝殻焼成カルシウム粉体を利用した抗ウイルス剤が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-062257号公報
【特許文献2】特開2019-077648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の貝殻焼成カルシウム粉体を含有する貝殻焼成カルシウム混合液を噴霧装置によって噴霧する場合、磯の香がしていた。
【0006】
このため、噴霧対象や噴霧場所が限定されてしまうこととなっていた。
【0007】
従来の殺菌や消毒等で使用されている、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムでは、手指等の肌荒れに悩まされており、そのためには、更なる技術が必要とされていた。
【0008】
本発明は、前述の磯の香を軽減する課題を解決する為の抗ウイルス溶液の開発を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明による抗ウイルス溶液は、質量比で、48質量%~60質量%の貝殻焼成カルシウムと、29質量%~36質量%のリン酸化合物と、4質量%~20質量%の桜葉と、を混合した混合物と、水とを、前記水に対して質量比で前記貝殻焼成カルシウムが0.15%質量以上含まれるように混ぜたことを特徴とする抗ウイルス混合液を、不織布でろ過し、採取した上澄み液である。
【0010】
本発明において前記抗ウイルス混合液に使用する前記水は、四国石鎚山系の伏流水が無菌、無臭であり好ましい。
【0011】
また、従来のほたてパウダーの殺菌、洗浄効果を維持する為、前記抗ウイルス溶液のアルカリ度が12.0PH以上であることが好ましい。
【0012】
更には、前記抗ウイルス溶液は磯の香を軽減し、解消されることが好ましい。
【0013】
前記桜葉の品種は、陽光桜が好ましい。
【0014】
ここで、貝殻焼成カルシウム粉体を利用した前記抗ウイルス混合液は、リン酸化合物を使用するが、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)の使用が好ましく、貝殻焼成カルシウムに対して、29質量%~36質量%で混合することで、液体中の貝殻焼成カルシウム粉体が沈殿を軽減する研究がされている。
【0015】
ここで本研究の発明者により、貝殻焼成カルシウム粉体を利用した前記抗ウイルス溶液の特徴は、貝殻焼成カルシウム粉体が48質量%~60質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)を29質量%~36質量%、桜葉を4質量%~20質量%で混合し、石鎚山系の伏流水を用いて混ぜる。その後、不織布を用いて、ろ過し、平均粒径100~500nmの貝殻焼成カルシウム粉体が0.15質量%以上含有されている溶液は抗ウイルス効果がある。
【0016】
上記記載の貝殻焼成カルシウム粉体は、平均粒径100~500nmであれば、噴霧装置での目詰まりが、軽減される研究がされている。
【0017】
この本研究に係る前記抗ウイルス溶液は、貝殻焼成カルシウムの磯の香を軽減する効果あることが分かった。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本研究に係る貝殻焼成カルシウム粉体を用いた前記抗ウイルス溶液によれば、貝殻焼成カルシウムの磯の香を軽減する効果あり、噴霧対象や噴霧場所が限定されることなく、用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る貝殻焼成カルシウム粉体を用いた抗ウイルス溶液の一実施形態を説明する。
【0020】
本実施形態に係る貝殻焼成カルシウム粉体を用いた抗ウイルス溶液は、貝殻焼成カルシウム粉体が48質量%~60質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)を29質量%~36質量%、桜葉を4質量%~20質量%で混合し、石鎚山系の伏流水を用いて混ぜる。その後、不織布にてろ過し、平均粒径100~500nmの貝殻焼成カルシウム混合粉体が0.15質量%以上含有されている上澄み溶液である。
【0021】
この抗ウイルス溶液に用いられる水は、四国石鎚山系の伏流水を用いて製造される。材料として用いられる貝殻焼成カルシウム粉体は商業的に入手可能なホタテパウダー(ユニセラ株式会社)を使用した。リン酸化合物は、食品添加物として使用されているリン酸三ナトリウム(Na3PO4)を使用した。桜葉は、本研究の発明者の研究により製造した。
そこで、本実施形態においては、貝殻焼成カルシウム溶液を用いて説明する。
【0022】
この貝殻焼成カルシウム溶液の製造方法の一例について以下説明する。
【0023】
まず、貝殻焼成カルシウム粉体は商業的に入手可能なホタテパウダー(ユニセラ株式会社)を使用する。
【0024】
また、リン酸化合物は、食品添加物として使用されているリン酸三ナトリウム(Na3PO4)を使用する。
【0025】
桜葉は、生葉を一枚ずつ丁寧に収穫し、冷凍保存する。
【0026】
次に、きれいな水で洗浄し、乾燥する。乾燥した桜乾燥葉は、98℃から100℃の水蒸気を当てて殺菌を行い、遠赤乾燥機を用いて再度乾燥する。
【0027】
得られた桜葉の乾燥品は、乾燥葉の大きさが1~5mm程度になるように粉砕することでフレーク状を得る。
【0028】
混合割合は、貝殻焼成カルシウム粉体を48質量%~60質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)を29質量%~36質量%、桜葉フレークを4質量%~20質量%で混合して製造する。
【0029】
さらに、前記した製造過程を経て得た貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み溶液は、上澄み溶液を得る方法として、上澄み部に吸引ホースを繋ぎ、吸引ホース先端に不織布を着けることで、得る。ここで、本発明における抗ウイルス溶液は、貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み溶液を含有するものであり、抗ウイルス溶液のアルカリ度が12.0PH以上であることが好ましい。
【0030】
桜葉フレークは、4質量%~20質量%の比率で混合することで、貝殻焼成カルシウムの磯の香を軽減することが好ましい。
【0031】
桜葉には、ポリフェノールやクマリンが多く含まれ、分子内に多くの水酸基を有するため、抗酸化力を有しそれによって消臭作用を発揮する。
【0032】
また、この抗ウイルス溶液に用いられる水は、四国石鎚山系の伏流水を用いて製造されている。この貝殻焼成カルシウム混合液における貝殻焼成カルシウム混合粉体の含有量は、0.15質量%以上であることが好ましい。
【0033】
本発明に係る貝殻焼成カルシウム粉体を用いた研究は、インフルエンザウイルス等のエンベロープを有するウイルスだけでなく、アデノウィルス科のトリアデノウイルスやピコルナウイルス科の口蹄疫ウイルス等のエンベロープを有することなく比較的抵抗性の高いウイルス等、全てのウイルスに適用することができることが、既に研究されている。
【0034】
以下、本実施形態の係る貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み溶液を用いた抗ウイルス溶液の一実施形態を説明する。
【0035】
水1kgに対して、貝殻焼成カルシウム粉体と0.2質量%、リン酸三ナトリウムを0.12質量%で混ぜた液体の上澄み液はアルカリ度が12.0PH以上になることが、既に研究されており、この配合割合を基準として、桜葉の配合割合を選定する。
【0036】
[試験例1]桜葉の配合割合の選定
貝殻焼成カルシウム粉体と、リン酸三ナトリウムを混合し、石鎚山系の伏流水を1kg用いて混ぜ、桜葉フレークを水溶液の全重量に対して、0.007質量%~0.1質量%を混ぜ、不織布を用いて上澄み部に吸引ホースを繋ぎ、吸引ホース先端に不織布を着けることで得る
【0037】
水1kgに対しての原料の質量比を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
次に水の重量を除く、全体の原料質量比を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
香りは、官能検査を行った。上記のように得られた、抗ウイルス溶液を男女20名に、香りを確認してもらい、磯の香がするか、無臭及び桜の香が感じるのか選択してもらった。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
表3に示すように、水溶液に桜葉フレークを0.02質量%~0.07質量%混ぜることで、多数の人数が磯の香りを感じなくなった。
【0044】
また、上記の試験により、桜葉フレークを0.1質量%以上混ぜると、桜の香は無く、何故か磯の香を全員が感じた。
【0045】
さらに、上記の試験により、桜葉フレークを0.007質量%以下で混ぜると、半数の人数が、磯の香を感じた。
【0046】
上記の試験例1により、桜葉フレークを0.05質量%で混ぜるのがもっとも好ましい。また、水を混ぜる前の原料質量比率は13.5質量%となる。
【0047】
原料の割合は、貝殻焼成カルシウム粉体を54.1質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)が32.4質量%、桜葉フレークが13.5質量%となる割合が好ましい。
【0048】
試験例1の結果より、効果の検証試験を行った。
【0049】
(実施例1)
貝殻焼成カルシウム粉体を54.1質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)が32.4質量%、桜葉フレークが13.5質量%で混合し、石鎚山系の伏流水を用いて混ぜ、水溶液の上澄み部に吸引ホースを繋ぎ、吸引ホース先端に不織布を着けることで得る。
【0050】
(比較例1)
桜葉を用いていないこと以外は、実用例1と同様に製造し、貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み液を調整した。
【0051】
香りは、官能検査を行った。上記のように得られた、貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み液を男女20名に、香りを確認してもらい、磯の香がするか、無臭及び桜の香が感じるのか選択してもらった。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
表4に示すように、本発明の貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み液は、桜葉フレークを13.5
質量%混ぜることで、貝殻焼成カルシウムの磯の香を軽減することが分かった。
【0054】
以下、本発明に係る抗ウイルス溶液に他の物を混ぜた第二実施形態を説明する。
【0055】
他のものとして、ケールの葉を混ぜる。ケールの葉の製造方法の一例について以下説明する。
【0056】
ケールの葉は、葉を一枚ずつ丁寧に収穫し、きれいな水で洗浄し、乾燥する。
【0057】
乾燥したケール乾燥葉は、98℃から100℃の水蒸気を当てて殺菌を行い、遠赤乾燥機を用いて再度乾燥する。
【0058】
得られたケールの葉の乾燥品は、乾燥葉の大きさが1~5mm程度になるように粉砕することでフレーク状を得る。
【0059】
[試験例2]桜葉フレークにケールの葉フレークを混ぜる。
前試験の試験例1の結果から、水溶液に桜葉フレークを0.02質量%~0.07質量%混ぜることで、多数の人数が磯の香りを感じなくなる結果を得た。これにより、桜葉フレークが水溶液に対する質量比が0.02質量%~0.07質量%の範囲内であれば、ケールの葉フレークを混ぜても、磯の香が軽減するか試験を行った。
【0060】
ケールの葉フレークを混ぜる割合は、試験例1の結果より、桜葉フレークが水溶液に対する質量比が0.02質量%~0.07質量%の範囲内に収まるように、ケールの葉を混ぜる。
【0061】
たとえば、桜葉フレークが水溶液に対する質量比の下限値が0.02質量%の場合は、ケールの葉フレークを混ぜる割合は0.05質量%とし、ケールの葉フレークと桜葉フレークの合計質量比が0.07質量%になるように調整する。
【0062】
また、桜葉フレークが水溶液に対する質量比の上限値が0.07質量%の場合は、ケールの葉フレークを混ぜる割合は、0.01質量%とし、ケールの葉フレークと桜葉フレークの合計質量比が0.08質量%になるように調整する。
【0063】
さらに、桜葉フレークが水溶液に対する質量比が0.01質量%の場合を設け、ケールの葉フレークを混ぜる割合は、0.06質量%とし、ケールの葉フレークと桜葉フレークの合計質量比が0.07質量%になるように比較品を調整する。
【0064】
また、桜葉フレークが水溶液に対する質量比が0.09質量%の場合は、ケールの葉フレークが水溶液に対する質量比が0.01質量%にし、合計質量比が0.1質量%になるように調整し比較を行った。混ぜる質量比の範囲を表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
貝殻焼成カルシウム粉体と、リン酸三ナトリウムを混合し、石鎚山系の伏流水を1kg用いて混ぜ、桜葉フレークを水溶液の全重量に対して、0.01質量%~0.09質量%、ケールの葉フレークを水溶液の全重量に対して、0.01質量%~0.06質量%を混ぜ、不織布を用いて上澄み部に吸引ホースを繋ぎ、吸引ホース先端に不織布を着けることで得る
【0067】
水1kgに対しての原料の質量比を表6に示す。
【0068】
【表6】
【0069】
次に水の重量を除く、全体の原料質量比を表7に示す。
【0070】
【表7】
【0071】
香りは、官能検査を行った。上記のように得られた、貝殻焼成カルシウム混合液の上澄み液を男女20名に、香りを確認してもらい、磯の香がするか、無臭及び桜の香が感じるのか選択してもらった。結果を表8に示す。
【0072】
【表8】
【0073】
表8に示すように、水1kgに対しての原料の質量割合で桜葉フレークを0.02質量%~0.07質量%、ケールの葉フレークを0.01質量%~0.06質量%を混ぜることで、多数の人数が磯の香りが感じなくなった。
【0074】
また、桜葉フレークが0.01質量%で、ケールの葉フレークを0.06質量%混ぜると約半数に近い人数が磯の香りを感じた。
【0075】
さらに、桜葉フレークを0.09%とケールの葉フレークを0.01%混ぜると試験例1と同じく、何故か磯の香を全員が感じた。
【0076】
上記の試験例2の結果より、水1kgに対しての原料の質量比が、桜葉フレークを0.05質量%とケールの葉フレークを0.02質量%で混合することがもっとも好ましい。
【0077】
上記の試験例2により、水を混ぜる前の原料質量比率では、桜葉フレークが12.8質量%、ケールの葉フレークが5.1質量%となる。
【0078】
水を混ぜる前の全体の原料質量比率では原料の割合は、貝殻焼成カルシウム粉体を51.3質量%、リン酸三ナトリウム(Na3PO4)が30.8質量%、桜葉フレークが12.8質量%、ケールの葉フレークが5.1質量%となり、ケールの葉フレークの5.1質量%分の質量は、他のものを入れてよい。
【0079】
よって、上記記載の試験例2の結果より、桜葉フレークの質量比が範囲以内に配合せれていれば、他のものを混ぜても磯の香を軽減できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本実施形態に係る貝殻焼成カルシウム混合液を用いた抗ウイルス溶液によれば、貝殻の磯の香りを軽減し、提供することができる。
【0081】
したがって、このような抗ウイルス溶液によれば、噴霧装置によって被噴霧対象や噴霧する場合が限定せれることなく、たとえば、手指やマスクに噴霧したり、人が多く集まる場所において散布する場合等に不快感を与えず、多用の用途にも用いることができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量比で、48質量%~60質量%の貝殻焼成カルシウムと、29質量%~36質量%のリン酸三ナトリウムと、4質量%~20質量%の桜葉と、を混合した混合物と、水とを、前記水に対して質量比で前記貝殻焼成カルシウムが0.15質量%以上含まれるように混ぜたことを特徴とする抗ウイルス混合液。
【請求項2】
前記桜葉は、生葉を洗浄、乾燥及び、粉砕処理してフレーク状にしたものであることを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス混合液。
【請求項3】
前記桜葉が、前記水に対して重量比0.02質量%~0.07質量%含まれるように、前記水と前記混合物とを混ぜたことを特徴とする請求項1又は2記載の抗ウイルス混合液。
【請求項4】
前記貝殻焼成カルシウムは、ほたて貝の貝殻を粉砕した粉末であることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の抗ウイルス混合液。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の抗ウイルス混合液を不織布でろ過し、採取した上澄み液であることを特徴とした抗ウイルス溶液。
【請求項6】
(1)桜葉を洗浄し乾燥する工程と、
(2)乾燥した前記桜葉を殺菌し、粉砕する工程と、
(3)貝殻焼成カルシウムと、リン酸三ナトリウムと、粉砕した前記桜葉と、を混合して混合物を生成する混合工程と、
(4)前記混合物と水とを混ぜ、その上澄み液を採取する工程と、
を備えることを特徴とする抗ウイルス溶液の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明による抗ウイルス溶液は、質量比で、48質量%~60質量%の貝殻焼成カルシウムと、29質量%~36質量%のリン酸三ナトリウムと、4質量%~20質量%の桜葉と、を混合した混合物と、水とを、前記水に対して質量比で前記貝殻焼成カルシウムが0.15質量%以上含まれるように混ぜたことを特徴とする抗ウイルス混合液を、不織布でろ過し、採取した上澄み液である。