(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072122
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】サンドブラスト用レジスト画像の形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/38 20060101AFI20220510BHJP
G03F 7/40 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G03F7/38 511
G03F7/40
G03F7/40 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181403
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上野 環太
(72)【発明者】
【氏名】入澤 宗利
【テーマコード(参考)】
2H196
【Fターム(参考)】
2H196AA30
2H196BA05
2H196FA10
2H196HA07
2H196HA11
2H196HA40
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、サンドブラスト用感光性フィルムにおいて、離型フィルムが剥離することなく感光性樹脂層から支持体を剥離することができる剥離方法を提供することである。
【解決手段】支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性フィルムを準備する工程、支持体上から所望のパターンを露光する工程、サンドブラスト用感光性フィルムの端部のみにおいて、感光性樹脂層から離型フィルムを剥離する工程、露出した感光性樹脂層上に粘着テープを貼り付ける工程、該端部を発端として支持体を剥離層上から剥離する工程、現像を実施して離型フィルム上に感光性樹脂層の露光部からなるレジスト画像を形成する工程、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像が接触するように貼り付ける工程、離型フィルムを除去する工程を、この順に有することを特徴とするサンドブラスト用レジスト画像の形成方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性フィルムを準備する工程、支持体上から所望のパターンを露光する工程、サンドブラスト用感光性フィルムの端部のみにおいて、感光性樹脂層から離型フィルムを剥離する工程、露出した感光性樹脂層上に粘着テープを貼り付ける工程、該端部を発端として支持体を剥離層上から剥離する工程、現像を実施して離型フィルム上に感光性樹脂層の露光部からなるレジスト画像を形成する工程、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像が接触するように貼り付ける工程、離型フィルムを除去する工程を、この順に有することを特徴とするサンドブラスト用レジスト画像の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンドブラスト用レジスト画像の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス、石材、金属、プラスチック、セラミック等を切削し、レリーフ形成するに際しては、サンドブラスト加工が行われている。サンドブラスト加工とは、サンドブラスト加工対象体上にマスク材としてフォトリソグラフィー法等によりパターニングされた感光性樹脂層を設けた後、研磨剤を吹き付けて非マスク部を選択的に切削する処理である。
【0003】
マスク材として用いられる感光性樹脂組成物としては、例えば、ポリエステルフィルムなどの支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したドライフィルムであるサンドブラスト用感光性フィルムが用いられている。感光性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含むことが一般的である。アルカリ可溶性樹脂としては、セルロース誘導体又はカルボキシル基含有アクリル樹脂が使用されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0004】
この感光性樹脂層に含まれるウレタン(メタ)アクリレートの配合量を多くすると、硬化前の段階で感光性樹脂層の粘着性が増して、感光性樹脂層が支持体から剥がれなくなるため、例えば、ポリビニルアルコール、部分けん化ポリ酢酸ビニル等にエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を添加した水溶性樹脂層を剥離層として設けることが一般的に実施されている(例えば、特許文献4及び5参照)。この方法によって、支持体を感光性樹脂層から剥離することが可能となる。
【0005】
サンドブラスト用感光性フィルムを用いたサンドブラスト用レジスト画像の形成方法の1つである間接法は、サンドブラスト加工対象体が曲面である場合や立体的である場合、感光性フィルムをラミネートロールに通すことが不可能な場合、密着した露光が実施できない場合等に用いることが多い。間接法では、支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性フィルムを準備する工程、支持体上から所望のパターンを露光する工程、支持体を剥離層上から剥離する工程、現像を実施して離型フィルム上に感光性樹脂層の露光部からなるレジスト画像を形成する工程、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像が接触するように貼り付ける工程、離型フィルムを除去する工程をこの順に実施し、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像を形成する。サンドブラスト加工対象体へのレジスト画像を貼り付けるには、水系粘着剤等を利用する。そして、サンドブラスト加工対象体にサンドブラスト加工を施す。
【0006】
しかしながら、従来のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法では、支持体を剥離するためには、剥離層を60℃以上の温度で暖める必要があり、加熱工程が1工程増えてしまう欠点や、サンドブラスト加工対象体が大きな場合は、全面を加熱するのに多大な労力を必要とする欠点がある。そのような問題を解決するために、例えば、剥離層にアルカリ可溶性セルロース誘導体を使用するサンドブラスト用感光性フィルムが開示されている(例えば、特許文献6参照)。特許文献6のサンドブラスト用感光性フィルムは、支持体、剥離層、感光性樹脂層、離型フィルムの4層の構成からなり、支持体と剥離層の密着力を感光性樹脂層と離型フィルムの密着力よりも弱くすることによって、加熱工程無しに、支持体を剥離層から剥離することが可能となった。しかしながら、剥離層と感光性樹脂層とが類似な材料からなるため、支持体層と剥離層の密着力と、感光性樹脂層と離型フィルムの密着力の差が小さく、場合によっては、支持体を剥がす際に、同時に離型フィルムが感光性樹脂層から剥がれてしまう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3449572号公報
【特許文献2】特許第3846958号公報
【特許文献3】特開平10-69851号公報
【特許文献4】特開昭59-137948号公報
【特許文献5】特開平6-161098号公報
【特許文献6】特許第5650965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、間接法によるサンドブラスト用レジスト画像の形成方法において、離型フィルムが感光性樹脂層から剥がれることなく、確実に剥離層から支持体を剥離することができるサンドブラスト用レジスト画像の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性フィルムを準備する工程、支持体上から所望のパターンを露光する工程、サンドブラスト用感光性フィルムの端部のみにおいて、感光性樹脂層から離型フィルムを剥離する工程、露出した感光性樹脂層上に粘着テープを貼り付ける工程、該端部を発端として支持体を剥離層上から剥離する工程、現像を実施して離型フィルム上に感光性樹脂層の露光部からなるレジスト画像を形成する工程、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像が接触するように貼り付ける工程、離型フィルムを除去する工程を、この順に有することを特徴とするサンドブラスト用レジスト画像の形成方法によって上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、離型フィルムが感光性樹脂層から剥がれることなく、確実に、離型フィルムより先に支持体を剥離層から剥離することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法の工程を示した概略断面図である。
【
図2】本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法の工程を示した概略断面図である。
【
図3】本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法の工程を示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法について詳細に説明する。
【0013】
本明細書において、下記のとおり、各用語を略記する場合がある。
サンドブラスト用感光性フィルム:感光性フィルム
サンドブラスト加工対象体:対象体
【0014】
本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法は、間接法によるサンドブラスト加工に用いられる。
【0015】
間接法は、サンドブラスト加工対象体7が曲面である場合や立体的である場合、感光性フィルムをラミネートロールに通すことが不可能な場合、密着した露光が実施できない場合等に用いることが多い。
【0016】
本発明のサンドブラスト用レジスト画像の形成方法は、支持体、剥離層、感光性樹脂層及び離型フィルムをこの順に積層したサンドブラスト用感光性フィルムを準備する工程、支持体上から所望のパターンを露光する工程、サンドブラスト用感光性フィルムの端部のみにおいて、感光性樹脂層から離型フィルムを剥離する工程、露出した感光性樹脂層上に粘着テープを貼り付ける工程、該端部を発端として支持体を剥離層上から剥離する工程、現像を実施して離型フィルム上に感光性樹脂層の露光部からなるレジスト画像を形成する工程、サンドブラスト加工対象体上にレジスト画像が接触するように貼り付ける工程、離型フィルムを除去する工程を、この順に有することを特徴とする。
【0017】
まず、サンドブラスト用感光性フィルムを準備する。本発明に係わるサンドブラスト用感光性フィルムは、
図1(a)に示すように、支持体1、剥離層2、感光性樹脂層3及び離型フィルム4がこの順に積層した構造である。
【0018】
本発明に係わる支持体1としては、活性光線を透過させる透明フィルムが好ましい。支持体1は、薄い方が光の屈折が少なく、厚い方が塗工安定性に優れるが、好ましい支持体1の厚みは10~100μmである。支持体1としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のフィルムが挙げられる。
【0019】
本発明に係わる離型フィルム4としては、未硬化又は硬化した感光性樹脂層から剥離できればよく、離型性の高い樹脂のフィルムが用いられる。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のフィルムが挙げられる。また、これらのフィルムにシリコーン等の離型剤が塗工されたフィルム、コロナ放電処理が施されたフィルム等が挙げられる。離型フィルム4の厚みは、25~300μmが好ましい。
【0020】
本発明に係わる剥離層2は、支持体1と感光性樹脂層3との間に形成され、支持体1から剥離できる効果がある。剥離層2の成分は、例えば、アルカリ可溶性樹脂及びウレタン(メタ)アクリレートからなる。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基含有アクリル樹脂、アルカリ可溶性セルロース誘導体等が挙げられる。カルボキシル基含有アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレートを主成分とし、これにエチレン性不飽和カルボン酸及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体を共重合させてなるアクリル系重合体が挙げられる。アルカリ可溶性セルロース誘導体としては、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等が挙げられる。剥離層2の厚みは、0.1~15μmが好ましい。
【0021】
本発明に係わる感光性樹脂層3は、アルカリ現像型のネガ型の感光性樹脂組成物を含有する層が挙げられる。アルカリ現像型のネガ型感光性樹脂組成物が(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合開始剤及び(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。(A)アルカリ可溶性樹脂としては、上記に記載した、アルカリ可溶性セルロース誘導体、カルボキシル基含有アクリル樹脂等が挙げられる。(B)光重合開始剤としては、紫外線によってラジカルを発生する化合物であり、具体的には、イミダゾール二量体誘導体、アントラキノン誘導体、アセトキノン誘導体、チオキサントン誘導体等が挙げられる。(C)ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ウレタン結合を含む多官能(メタ)アクリレート化合物であり、耐ブラスト性を発現するものであれば何れでもよい。感光性樹脂層3の厚みは、耐ブラスト性や解像性の点から30~150μmであることが好ましい。
【0022】
本発明において、サンドブラスト用感光性フィルムとしては、例えば、三菱製紙株式会社製の商品名:MS8050、MS8100等が挙げられる。
【0023】
次に、感光性フィルム(
図1(a))に対して、支持体1上から所望のパターンを露光する。具体的には、所望のパターンに合ったフォトマスクMを介して露光する(
図1(b))。感光性樹脂層3の露光部は硬化して硬化被膜5となる。露光の際、剥離層2は非感光性であるため、硬化しない。
【0024】
本発明に係わる所望のパターンを露光する方法は、支持体1の上に、所定のマスクパターンを備えるフォトマスクMを密着させ、活性光線を像的に照射して露光する方法や、ダイレクト露光する方法が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源が使用でき、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯、キセノンランプ等が使用できる。また、紫外線の他に、エキシマレーザー、X線、電子線等を照射することもできる。感光性樹脂層3に含まれる(B)光重合開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合は、活性光源は、紫外線を有効に放射するものにすべきである。
【0025】
次に、サンドブラスト用感光性フィルムの端部のみにおいて、感光性樹脂層3から離型フィルム4を剥離する。具体的には、端部から10mm以内、より好ましくは5~10mm以内である非画像部(非露光部)の範囲内で、角部を離型フィルム4方向へ折り曲げて、折り曲げた部分の離型フィルム4を感光性樹脂層3から剥離する。又は、カッターの先端を感光性樹脂層3と離型フィルム4の間に差し込むことによって、感光性樹脂層3から離型フィルム4を剥離する(
図1(c))。
【0026】
次に、露出した感光性樹脂層3上に粘着テープ6を貼り付ける。具体的には、粘着テープ6を露出した感光性樹脂層3上に貼り付け、好ましくは、同一箇所の支持体1上にも粘着テープ6’を貼り付ける(
図1(d))。
【0027】
粘着テープ6としては、例えば、ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)、スリーエムジャパン株式会社製スコッチ(登録商標)透明粘着テープ、コクヨ株式会社製セロハンテープ、日東電工株式会社製セロハンテープNo.29等の片面の粘着テープが挙げられる。感光性樹脂層3や支持体1から粘着テープ6が剥がれない程度の適度な粘着力を有する粘着テープ6を使用することができる。
【0028】
次に、該端部を発端として支持体1を剥離層2上から剥離する。具体的には、粘着テープ6を固定し、支持体1又は粘着テープ6’を
図2(e)の矢印方向へと引き上げることにより、支持体1を剥離層2上から剥離する(
図2(e)、
図2(f))。
【0029】
次に、現像を実施して離型フィルム4上に感光性樹脂層3の露光部(硬化被膜5)からなるレジスト画像を形成する。露光前に、離型フィルム4の分離部及び粘着テープ6貼り付け部分を、切断することが好ましい(
図2(g))。そして、剥離層2及び感光性樹脂層3の非露光部を、現像液を用いて現像し、水洗を実施する(
図3(h))。以上の工程によって、離型フィルム4上に硬化被膜5からなるレジスト画像が形成される(
図3(h))。
【0030】
本発明に係わる現像では、現像液としてアルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法によって、非露光部を除去して、現像することにより、感光性樹脂層3の硬化被膜5からなるレジスト画像を形成することができる(
図3(h))。現像液の塩基としては、例えば、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム、カリウム等の炭酸塩又は重炭酸塩)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)などが挙げられ、これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が好ましい。現像液のpHは、9~11であることが好ましく、また、現像液の温度は、感光性樹脂層3の現像性に合わせて調整することができる。また、現像液中には、さらに、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
【0031】
次に、サンドブラスト加工対象体7にレジスト画像が接触するように貼り付ける。具体的には、水系粘着剤等を利用して貼り付ける(
図3(i))。
【0032】
次に、離型フィルム4を除去し、サンドブラスト加工対象体7上にレジスト画像を形成する(
図3(j))。
【0033】
本発明によって、サンドブラスト加工対象体7にサンドブラスト用レジスト画像を形成した後、サンドブラスト加工を施し、サンドブラスト加工対象体7を加工する(
図3(k))。
【0034】
本発明に係わるサンドブラスト加工対象体7は、形状としては曲面体や立体が挙げられ、材質としてはガラス、石英、セラミック、SiC等が挙げられる。
【実施例0035】
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例)
イエローランプ下で三菱製紙株式会社製サンドブラスト用感光性フィルム(商品名:MS8100)を100mm×50mmに切断したフィルムを用意した。支持体1(キャリアフィルム)上にローマ字パターンを備えるフォトマスクMを密着させ、アイシンテクノ株式会社製片面擬似平行光露光機(装置名:MP-6001)を用いて、積算露光量100mJ/cm2で密着露光した。次に、端部から7mmの非画像部の範囲内で、サンドブラスト用感光性フィルムの角部を離型フィルム4方向へ折り曲げ、折り曲げた部分の離型フィルム4を感光性樹脂層3から分離させた。次に、粘着テープ6(ニチバン株式会社製セロテープ)を露出した感光性樹脂層3上に貼り付け、また、同一箇所の支持体1上にも粘着テープ6’(ニチバン株式会社製セロテープ)を貼り付けた。感光性樹脂層3に貼り付けた粘着テープ6を固定し、支持体1に貼り付けた粘着テープ6’を引き上げることにより、離型フィルム4を剥離することなく、支持体1を良好に剥離することができた。次に、離型フィルム4の分離部及び粘着テープ6貼り付け部分(角部)を切断した。次に、現像液(0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液)で現像を実施し、剥離層2及び感光性樹脂層3の非露光部を除去し、水洗を実施した。これにより離型フィルム4上に硬化被膜5からなるレジスト画像が良好に形成された。次に、ガラス製のワイングラスに三菱製紙株式会社製接着剤(商品名:Conc)を利用してレジスト画像が接触するように貼り付け、離型フィルム4を剥離し、ワイングラス上にレジスト画像を形成した。
【0037】
(比較例)
イエローランプ下で三菱製紙株式会社製サンドブラスト用感光性フィルム(商品名:MS8100)を100mm×50mmに切断したフィルムを用意した。支持体1(キャリアフィルム)上にローマ字パターンを備えるフォトマスクMを密着させ、アイシンテクノ株式会社製片面擬似平行光露光機(装置名:MP-6001)を用いて、積算露光量100mJ/cm2で密着露光した。支持体1の端部に粘着テープ6’(ニチバン株式会社製セロテープ)を貼り付け、同一箇所の離型フィルム4上にも粘着テープ6(ニチバン株式会社製セロテープ)を貼り付けた。両方の粘着テープ6及び6’を同時に引くことにより、支持体1を剥離層2上から剥離しようとしたが、5回に1回は離型フィルム4が剥離してしまい、離型フィルム4を剥離することなく支持体1を剥離することは非常に困難であった。