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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072155
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】点検装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20220510BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20220510BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220510BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20220510BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220510BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20220510BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20220510BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G03B17/56 A
H02G1/06
G01N21/88 Z
G01N21/84 B
G03B15/00 T
G03B15/00 P
G03B17/00 B
H04N5/222 100
H04N5/232 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181454
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】520307713
【氏名又は名称】関西電力送配電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】稲荷 淳一
(72)【発明者】
【氏名】本多 浩史
(72)【発明者】
【氏名】田中 義明
【テーマコード(参考)】
2G051
2H105
5C122
5G352
【Fターム(参考)】
2G051AA88
2G051AA90
2G051AB02
2G051AC15
2G051CA04
2G051CB01
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA17
2H105EE08
2H105EE35
5C122DA11
5C122DA12
5C122EA06
5C122EA42
5C122FK24
5C122GC52
5C122GC76
5C122GD01
5C122GD11
5G352CA08
(57)【要約】
【課題】効率良く点検を行うことが可能な撮像手段を備えた点検装置を提供する。
【解決手段】点検装置は、第1、第2及び第3棒状部1,2,3と、撮像手段10と、反射部11と、画像表示手段12と、第1棒状部1を伸縮させる伸縮機構と、車輪13とを備える。撮像手段10は、第1棒状部1における先端部1gに取り付けられ、点検対象物を撮像して画像データを取得し、該画像データを電波Wによって送信する。反射部11は、第1屈曲部4に取り付けられており、撮像手段10から発信された電波Wを、第2屈曲部5の側に反射する。画像表示手段12は、反射部11が反射した電波Wによって前記画像データを受信して前記画像データを表示する。車輪13は、第2棒状部2に回転自在に取り付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を置いて並列に配置された第1及び第2棒状部と、
前記第1及び第2棒状部の同じ側の端部に両端部が接続することによって前記第1棒状部との間に第1屈曲部を形成すると共に前記第2棒状部との間に第2屈曲部を形成する第3棒状部と、
前記第1棒状部における前記第1屈曲部とは反対側の端部に取り付けられ、点検対象物を撮像して画像データを取得し、該画像データを電波によって送信する撮像手段と、
前記第1屈曲部に取り付けられ、前記撮像手段から発信された前記電波を、前記第2屈曲部の側に反射する反射部と、
前記第1棒状部を伸縮させる伸縮機構と、
前記第2棒状部に回転自在に取り付けられた車輪とを備えたことを特徴とする点検装置。
【請求項2】
前記第3棒状部に沿った方向の旋回軸を中心として前記第1棒状部が旋回可能であることを特徴とする請求項1に記載の点検装置。
【請求項3】
前記第2棒状部が、前記第3棒状部に近付く方向に、前記第3棒状部との接続部の回動軸を中心として回動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の点検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段を備えた点検装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、橋梁、道路等の構造物や、電柱の上部の配電機器や、発電所、変電所等の内部の設備、配管等の点検には、カメラ等の撮像手段を備えた点検装置が使用されている(例えば特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7-31167号公報
【特許文献2】特開平10-56711号公報
【特許文献3】特開2007-330066号公報
【特許文献4】実用新案登録第3162050号公報
【特許文献5】特開2019-13994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の点検装置では、効率良く点検を行うことが難しい場合があり、撮像手段を備えた点検装置には未だ改良の余地があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、効率良く点検を行うことが可能な撮像手段を備えた点検装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために創案された本発明に係る点検装置は、所定の間隔を置いて並列に配置された第1及び第2棒状部と、前記第1及び第2棒状部の同じ側の端部に両端部が接続することによって前記第1棒状部との間に第1屈曲部を形成すると共に前記第2棒状部との間に第2屈曲部を形成する第3棒状部と、前記第1棒状部における前記第1屈曲部とは反対側の端部に取り付けられ、点検対象物を撮像して画像データを取得し、該画像データを電波によって送信する撮像手段と、前記第1屈曲部に取り付けられ、前記撮像手段から発信された前記電波を、前記第2屈曲部の側に反射する反射部と、前記第1棒状部を伸縮させる伸縮機構と、前記第2棒状部に回転自在に取り付けられた車輪とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1棒状部と第2棒状部と第3棒状部は、コ字状となる。従って、第2棒状部を作業者が持った場合に、作業者と点検対象物の間に障害物があっても、第1棒状部に取り付けられた撮像手段によって点検対象物を撮像することが容易となる。
【0008】
また、この構成によれば、反射部が、撮像手段から発信された電波を、第2屈曲部の側に反射するので、第2棒状部を作業者が持った場合に、作業者と点検対象物の間に障害物があっても、作業者の近くで画像データを受信することが容易となる。
【0009】
また、この構成によれば、伸縮機構により第1棒状部が伸縮するので、第1棒状部の端部に取り付けられた撮像手段によって広範囲の点検対象物を撮像することが容易となる。
【0010】
また、この構成によれば、車輪が第2棒状部に回転自在に取り付けられているので、他部材に対し、この車輪を介して第2棒状部を支持しながら移動することが容易となる。
【0011】
また、上記の構成において、前記第3棒状部に沿った方向の旋回軸を中心として前記第1棒状部が旋回可能であってもよい。
【0012】
この構成であれば、第1棒状部の端部に取り付けられた撮像手段によって広範囲の点検対象物を撮像することが容易となる。
【0013】
また、上記の構成において、前記第2棒状部が、前記第3棒状部に近付く方向に、前記第3棒状部との接続部の回動軸を中心として回動可能であってもよい。
【0014】
この構成であれば、第2棒状部を、第3棒状部に近付く方向に回動させることにより、第2棒状部と第3棒状部を折り畳んだ状態にすることが可能になる。第2棒状部と第3棒状部を折り畳んだ状態にすれば、第1棒状部と、折り畳んだ第2棒状部と第3棒状部で全体をL字状にして点検装置を使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、作業者と点検対象物の間に障害物があっても、広範囲の点検対象物を撮像することが容易となり、また、作業者の近くで画像データを受信することが容易であり、点検装置を支持しながら移動することが容易である。これらの理由により、効率良く点検を行うことが可能な撮像手段を備えた点検装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る点検装置の概略正面図である。
図2】(A)は、図1のA部の拡大図であり、(B)は、(A)のF矢視図であり、(C)は、(A)のG-G矢視断面図であり、(D)は、(A)のH矢視図である。
図3】(A)は、図1のB部の拡大図であり、(B)は、(A)のI矢視図であり、(C)は、(A)のJ矢視図であり、(D)は、(A)のK-K矢視断面図である。
図4】(A)は、図1のC部の拡大図であり、(B)は、(A)のL矢視図(反射部の正面図)である。
図5】(A)は、図1のD部の拡大図であり、(B)は、(A)のM矢視図であり、(C)は、(A)のN-N矢視断面図である。
図6】(A)は、図1のE部の拡大図であり、(B)は、(A)の概略縦断面図である。
図7】点検装置の使用方法を示す模式図である。
図8】点検装置の使用方法を示す模式図である。
図9】点検装置の使用方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1図6は、本発明の実施形態に係る点検装置の概略図である。図1に示すように、この点検装置は、所定の間隔を置いて並列に配置された第1及び第2棒状部1,2と、第1及び第2棒状部1,2の同じ側(図1では右側)の端部1a,2aに両端部3a,3bが接続する第3棒状部3とを備える。第1棒状部1の端部1aと第3棒状部3の端部3aとの接続により、第1棒状部1と第3棒状部3との間に第1屈曲部4が形成されている。第2棒状部2の端部2aと第3棒状部3の端部3bとの接続により、第2棒状部2と第3棒状部3との間に第2屈曲部5が形成されている。第1棒状部1と第3棒状部3とは直角をなす。また、第2棒状部2と第3棒状部3とは直角をなす。
【0019】
詳述すると、第1棒状部1の端部1aと第3棒状部3の端部3aは、第1ジョイント部6を介して接続されている。また、第2棒状部2の端部2aと第3棒状部3の端部3bは、第2ジョイント部7を介して接続されている。
【0020】
第1、第2及び第3棒状部1,2,3の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、横断面が四角形(正方形)状の管状(角パイプ)である。また、第1、第2及び第3棒状部1,2,3の材質は、使用に耐える剛性を有しておれば、特に限定されないが、剛性と軽量化の観点からは、第1、第2及び第3棒状部1,2,3はアルミニウム製が好ましい。
【0021】
第1棒状部1は、第1ジョイント部6に接続された大径部1bと、大径部1b内に挿入された小径部1cとを有する。大径部1b内に挿入された状態で、小径部1cは、大径部1bに対して長手方向に移動可能であり、これにより、第1棒状部1は伸縮する。
【0022】
また、点検装置は、第1棒状部1を長手方向で伸縮させる伸縮機構を備える。伸縮機構は、点検中に第1棒状部1を伸縮させることが可能である。伸縮機構は、弾性体としてのコイルバネ8aと線材としてのワイヤ8bとリール機構8cとを有する。
【0023】
コイルバネ8aは、第1棒状部1の大径部1b内に配置されている。第1棒状部1の小径部1cの第1ジョイント部6の側の端部1dは、ビス1e等で固定された固定部材1fで閉塞されており、コイルバネ8aの一端は、固定部材1fに当接している。コイルバネ8aの他端は、大径部1bにおける端部1aの側の部位に固定されている。コイルバネ8aにより、小径部1cは、大径部1bから突出する方向に付勢されている。
【0024】
ワイヤ8bの一端は固定部材1fに固定されており、これにより、ワイヤ8bの一端は小径部1cの端部1dに対して固定されている。ワイヤ8bは、小径部1cの端部1dから出発してコイルバネ8a内を通過した後、第1ジョイント部6内に回転自在に取り付けられている第1滑車6aに掛け回され、第3棒状部3内を通過し、第2ジョイント部7の外部に回転自在に取付けられている第2滑車7aに掛け回され、その後、リール機構8cに巻き取られている。
【0025】
リール機構8cは、第2棒状部2に設けられている支持部9における第1棒状部1とは反対側に設けられている。リール機構8cは、ワイヤ8bの他端側を巻き取るリール部8dと、リール部8dを回転させるためのハンドル部8eを有する。ハンドル部8eは、ハンドル部8eを回転させるために把持する把持部8fを有する。リール機構8cは、リール部8dを固定することでワイヤ8bを固定することができる。把持部8fを把持してハンドル部8eを回転させることで、リール部8dにワイヤ8bを巻き取れば、ワイヤ8bにより、小径部1cが第1ジョイント部6の側に移動する。これにより、第1棒状部1が長手方向で縮小する。リール部8dを固定しない状態で、把持部8fの把持を止めてハンドル部8eを解放すれば、コイルバネ8aにより、小径部1cは、大径部1bから突出するように移動する。これにより、第1棒状部1が長手方向で伸長する。
【0026】
また、第3棒状部3は、第2ジョイント部7に接続する基端側部3cと、基端側部3cに挿入される中間部3dと、中間部3dに挿入されると共に第1ジョイント部6に接続する先端側部3eを有する。
【0027】
基端側部3c内に挿入された状態で、中間部3dは基端側部3cに対して長手方向に移動可能であり、これにより、第3棒状部3は長手方向で伸縮する。また、中間部3d内に挿入された状態で、先端側部3eは、中間部3dに対して長手方向に移動可能であり、これにより、第3棒状部3は長手方向で伸縮する。
【0028】
なお、点検前に、不図示のロック機構により、先端側部3eは、中間部3dに対して固定され、中間部3dは、基端側部3cに対して固定される。これにより、点検前に、第3棒状部3は、所望の長さとされる。
【0029】
また、点検装置は、撮像手段10と、反射部11と、スマートフォン、タブレット等の画像表示手段12とを備える。撮像手段10は、第1棒状部1における第1屈曲部4とは反対側の端部(先端部1g)に取り付けられている。撮像手段10は、点検対象物を撮像して画像データを取得し、該画像データを電波Wによって送信する(図1の白矢印参照)。撮像手段10は、取得した画像データを電波Wによって送信することができれば、特に限定されないが、広範囲の点検対象物を撮像できる観点からは、360°カメラが好ましい。また、撮像手段10の第1棒状部1への取付方法は、固定できれば特に限定されないが、本実施形態では、撮像手段10を第1棒状部1に直接ねじ止めしている。
【0030】
反射部11は、第1屈曲部4に取り付けられており、撮像手段10から発信された電波Wのうち、第1屈曲部4の側に発信されたものを受け、第2屈曲部5の側に反射する。画像表示手段12は、反射部11が反射した電波Wによって画像データを受信して画像データを表示する。
【0031】
反射部11は、電波Wを反射可能であれば特に限定されないが、本実施形態では、アルミ製の板で形成されている。反射部11には、装着部材11aが固定されており、装着部材11aを介して第1棒状部1と第3棒状部3に着脱自在に取付けられている。図示例では、反射部11は、第1棒状部1と第3棒状部3に対して45°をなすように取り付けられいるが、第1屈曲部4の側に発信された電波Wを第2屈曲部5の側に反射できれば、これに限定されるものではない。
【0032】
支持部9は、第2棒状部2に対して長手方向に摺動可能であるが、点検前に、所望の位置に不図示のロック手段によって固定される。支持部9における第1棒状部1の側には、複数の車輪13が回転自在に取付けられている。つまり、車輪13は、支持部9を介して第2棒状部2に回転自在に取付けられている。車輪13の回転中心軸線は、第2棒状部2の長手方向に沿った方向である。
【0033】
本実施形態では、回転軸13aが共通の一対の車輪13が前後に二対配置されている。この場合、車輪13が他部材に接触して回転する際に、前後左右のブレを抑制することができる。
【0034】
平面上に二対の車輪13を載せた場合、二対の車輪13の回転により支持部9が移動する方向は、第2棒状部2の長手方向に対して交差する方向であり、第2棒状部2の長手方向に対して直交する方向である。また、この場合、車輪13の回転により支持部9が移動する方向は、第3棒状部3の長手方向に対して交差する方向であり、第2棒状部2の長手方向に対して直交する方向である。
【0035】
車輪13の材料は、特に限定されないが、他部材に接触した時に滑らずに回転するようにすることを考慮すると車輪13はゴム製が好ましい。
【0036】
第2ジョイント部7には、点検装置が落下することを防止するためのロープ14の両端部が取り付けられている。
【0037】
(反射部11が取り外された状態では、)第1ジョイント部6(第1棒状部1と第3棒状部3の接続部)の第1回動軸6bを中心にして、矢印Y1に示すように、第1棒状部1は第3棒状部3に対して回動可能である。第1回動軸6bは、第1棒状部1の長手方向と第3棒状部3の長手方向に対して直交する方向に延びている。
【0038】
詳述すれば、第1ジョイント部6は、第1棒状部1が接続される第1部6cと、第3棒状部3が接続される第2部6dとを有し、第1部6cと第2部6dが、第1回動軸6bを介して回動可能に連結されている。
【0039】
第2ジョイント部7(第2棒状部2と第3棒状部3の接続部)の第2回動軸7bを中心にして、矢印Y2に示すように、第2棒状部2は第3棒状部3に対して回動可能である。第2回動軸7bは、第2棒状部2の長手方向と第3棒状部3の長手方向に対して直交する方向に延びている。
【0040】
詳述すれば、第2ジョイント部7は、第2棒状部2が接続される第1部7cと、第3棒状部3が接続される第2部7dとを有し、第1部7cと第2部7dが、第2回動軸7bを介して回動可能に連結されている。
【0041】
更に、第2ジョイント部7の第2部7dは、第1部7cに第2回動軸7bを介して連結される基部7eと、第3棒状部3の端部3bが接続する回転部7fを有する。回転部7fは、基部7eの孔部7gに嵌合する軸部7hを有し、軸部7hの孔部7gに対する回転により、基部7eに対して回転可能である。回転部7fの回転により、図1に矢印Y3で示すように、第3棒状部3は、その中心軸線周りに回転可能である。この第3棒状部3の回転時には、第1棒状部1は、第3棒状部3と共に回転することにより、第3棒状部3の中心軸線(第3棒状部3の長手方向に沿った方向の旋回軸)を中心として旋回する。この第1棒状部1の180°の旋回により、第3棒状部3に対し、撮像手段10を反対側の位置に配置することが可能である。
【0042】
なお、反射部11を第1,3棒状部1,3から取り外し、第3棒状部3を長手方向に縮小させ、第1棒状部1を180°旋回させた状態で、第1棒状部1を第3棒状部3に近づく方向に第1回動軸6bを中心に回動させると共に、第3棒状部3を第2棒状部2に近づく方向に第2回動軸7bを中心に回動させると、図1に二点鎖線で示すように、第1、第2及び第3棒状部3を折り畳んだ状態とすることが可能である。この状態であれば、点検装置の持ち運びに便利である。
【0043】
次に、点検装置の使用方法について説明する。
【0044】
図7は、橋15の裏側(下側)に配設されている電力ケーブル16を点検する場合の様子を示す。作業者は、ロープ14を首回りにかけ、第2棒状部2を把持し、支持部9の車輪13を橋の高覧部15a上に載置する。橋に沿って移動しながら、画像表示手段12に表示される画像データを確認する。適宜、リール機構8cを操作することにより、第1棒状部1を伸縮させて撮像手段10を移動させる。
【0045】
図8は、電力ケーブル専用の橋(専用橋17)の裏側(下側)に配設されている電力ケーブル16を点検する場合の様子を示す。図7の場合と異なり、この場合は、第1棒状部1の180°の旋回により、第3棒状部3に対し、撮像手段10を反対側の位置に配置した状態で点検装置を使用する。その他の点は、図7の場合と同様なので説明を省略する。
【0046】
図9は、人孔18内に配設されている電力ケーブル16を点検する場合の様子を示す。図7図8の場合と異なり、第3棒状部3に対して第2棒状部2を回動させて、第3棒状部と第2棒状部2を折り畳んだ状態で、第1棒状部1を人孔18に挿入している。この場合、リール機構8cを操作することにより、第1棒状部1を伸縮させて撮像手段10を移動させ、画像表示手段12に表示される画像データを確認する。なお、人孔18内は暗いため、投光器19を使用する必要がある。図示例では、点検装置とは独立した投光器19を使用しているが、第1棒状部1に取り付けた投光器19を使用してもよい。
【0047】
以上のように構成された点検装置では、以下の効果を享受できる。
【0048】
第1棒状部1と第2棒状部2と第3棒状部3は、コ字状となる。従って、第2棒状部2を作業者が持った場合に、作業者と点検対象物の間に障害物があっても、第1棒状部1に取り付けられた撮像手段10によって点検対象物を撮像することが容易となる。
【0049】
また、反射部11が、撮像手段10から発信された電波Wを、第2屈曲部5の側に反射するので、第2棒状部2を作業者が持った場合に、作業者と点検対象物の間に障害物があっても、作業者の近くにある画像表示手段12が画像データを受信することが容易となる。
【0050】
また、伸縮機構により第1棒状部1が伸縮するので、第1棒状部1の先端部1gに取り付けられた撮像手段10によって広範囲の点検対象物を撮像することが容易となる。
【0051】
また、車輪13が第2棒状部2に回転自在に取り付けられているので、他部材に対して、車輪13を介して第2棒状部2を支持しながら移動することが容易となる。
【0052】
本発明は、上記実施形態に限定されるものでは無く、その技術的思想の範囲内で、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、点検対象の電力ケーブルは、通常の橋、専用橋、人孔内に配設されたものであったが、ピット内等のその他の場所に配設されたものであってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、点検対象は、電力ケーブルであったが、橋梁、道路、ビル等の構造物自体や、屋外に配置される機器や、発電所、変電所、工場等の内部の設備、配管等であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 第1棒状部
1a 端部
1g 先端部
2 第2棒状部
2a 端部
3 第3棒状部
3a 端部
3b 端部
4 第1屈曲部
5 第2屈曲部
6 第1ジョイント部
7 第2ジョイント部
7b 回動軸
7f 回転部
8a コイルバネ(伸縮機構)
8b ワイヤ(伸縮機構)
8c リール機構(伸縮機構)
9 支持部
10 撮像手段
11 反射部
12 画像表示手段
13 車輪
13a 回転軸
W 電波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9