(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072176
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】脱水ブロック生成装置及び脱水ブロック生成方法
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20220510BHJP
C02F 11/128 20190101ALI20220510BHJP
【FI】
B01D29/10 510B
B01D29/10 530D
C02F11/128 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181483
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】503275129
【氏名又は名称】りんかい日産建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】笠間 清伸
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小澤 義之
【テーマコード(参考)】
4D059
4D116
【Fターム(参考)】
4D059AA09
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4D116QB50
4D116QC22A
4D116QC34A
4D116VV11
4D116VV13
(57)【要約】
【課題】小容量化が可能で配置性に優れた脱水ブロックを生成可能な脱水ブロック生成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る脱水ブロック生成装置は、対向する第1濾過面及び第2濾過面、並びに第1濾過面と第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面を有する濾室と、第1濾過面から第2濾過面に向かって延伸する周面に複数の給泥孔が形成された筒状の形状を有し、濾室に給泥孔を介してスラリーを案内するスラリー案内管と、側部濾過面に配置された少なくとも一対の加圧バックと、スラリーを加圧して、加圧されたスラリーを、スラリー案内管を介して濾室へ供給する第1ポンプと、加圧バックに流体を供給して加圧バックを膨張させる第2ポンプと、スラリー案内管を介して濾室に供給されるスラリーを脱水して脱水ブロックを生成するように、第1ポンプ及び第2ポンプを制御するポンプ制御装置と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1濾過面及び第2濾過面、並びに前記第1濾過面と前記第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面を有する濾室と、
前記第1濾過面から前記第2濾過面に向かって延伸する周面に複数の給泥孔が形成された筒状の形状を有し、前記濾室に前記給泥孔を介してスラリーを案内するスラリー案内管と、
前記側部濾過面に配置された少なくとも一対の加圧バックと、
スラリーを加圧して、加圧されたスラリーを、前記スラリー案内管を介して前記濾室へ供給する第1ポンプと、
前記加圧バックに流体を供給して前記加圧バックを膨張させる第2ポンプと、
前記スラリー案内管を介して前記濾室に供給されるスラリーを脱水して脱水ブロックを生成するように、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプを制御するポンプ制御装置と、
を有する、ことを特徴とする脱水ブロック生成装置。
【請求項2】
前記ポンプ制御装置は、
スラリーが前記濾室に第1給泥圧で供給されるように、前記第1ポンプを制御し、
スラリーの前記濾室への供給が開始された後に、前記加圧バックが第1給泥圧よりも大きい第1パック圧で加圧されるように、前記第2ポンプを制御する、
請求項1に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項3】
前記ポンプ制御装置は、
前記加圧バックが前記第1パック圧で加圧された後に、スラリーが前記第1給泥圧よりも高い給泥圧で前記濾室に供給されるように、前記第1ポンプを更に制御する、
請求項2に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項4】
前記濾室は、立方体形状又は直方体形状を有し、
前記加圧バックは、前記濾室の4つの側部濾過面のそれぞれに配置される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項5】
前記第1濾過面、前記第2濾過面及び前記側部濾過面を覆うように配置された濾布と、
前記第1濾過面に配置された濾布に一端が接続され且つ前記第2濾過面に配置された濾布に他端が接続された複数のドレーン材と、
を更に有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項6】
前記複数のドレーン材のそれぞれは、円筒形状を有し、隣接する一対の前記加圧バックと、前記スラリー案内管との間に配置される、
請求項5に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項7】
前記濾室は、
対向する一対の開口部が形成された角筒形状を有する型枠と、
前記一対の開口部を塞ぐように配置されて前記第1濾過面及び前記第2濾過面が形成された一対の仕切板と、を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の脱水ブロック生成装置。
【請求項8】
対向する第1濾過面及び第2濾過面、並びに前記第1濾過面と前記第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面を有する濾室と、
前記第1濾過面から前記第2濾過面に向かって延伸する周面に複数の給泥孔が形成された筒状の形状を有し、前記濾室に前記給泥孔を介してスラリーを案内するスラリー案内管と、
前記側部濾過面に配置された少なくとも一対の加圧バックと、
スラリーを加圧して、加圧されたスラリーを、前記スラリー案内管を介して前記濾室へ供給する第1ポンプと、
前記加圧バックに流体を供給して前記加圧バックを膨張させる第2ポンプと、
前記スラリー案内管を介して前記濾室に供給されるスラリーを脱水して脱水ブロックを生成するように、前記第1ポンプ及び前記第2ポンプを制御するポンプ制御装置と、を有する脱水ブロック生成装置において、
前記ポンプ制御装置は、
スラリーが前記濾室に第1給泥圧で供給されるように、前記第1ポンプを制御し、
スラリーの前記濾室への供給が開始された後に、
スラリーが前記濾室に供給されないように、前記第1ポンプを制御し、
前記加圧バックが第1給泥圧よりも大きい第1パック圧で加圧されるように、前記第2ポンプを制御する、
ことを特徴とする脱水ブロック生成方法。
【請求項9】
前記ポンプ制御装置は、前記加圧バックが前記第1パック圧で加圧された後に、
スラリーが前記第1給泥圧よりも高い給泥圧で前記濾室に供給されるように、前記第1ポンプを制御し、
前記加圧バックの加圧が停止されるように、前記第2ポンプを制御する、
請求項8に記載の脱水ブロック生成方法。
【請求項10】
前記ポンプ制御装置は、前記加圧バックの加圧が停止された後に、
スラリーが前記濾室に供給されないように、前記第1ポンプを制御し、
前記加圧バックが前記第1パック圧よりも高い第2パック圧で加圧されるように、前記第2ポンプを制御する、
請求項9に記載の脱水ブロック生成方法。
【請求項11】
前記ポンプ制御装置は、前記加圧バックが前記第2パック圧で加圧された後に、
スラリーが前記第1パック圧よりも高い第2給泥圧で前記濾室に供給されるように、前記第1ポンプを制御する、
請求項10に記載の脱水ブロック生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水ブロック生成装置及び脱水ブロック生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
港湾、湖沼、河川、池等において、水深の確保、悪臭の発生防止及び水生物の保護を図るために、堆積する土砂等を取除く浚渫工事が実施される。浚渫工事によって発生する浚渫底泥は、浚渫汚泥とも呼ばれ、含水率が高い液状をしており、容量が大きくてかさばるという課題がある。
【0003】
そこで、浚渫汚泥からゴミ、石及び砂礫を取り除いた原液(以下、スラリーと称する)から水分を除いて小容量化するための装置として、高圧フィルタプレス式脱水装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された高圧フィルタプレス式脱水装置は、スラリーを脱水して脱水ブロックを生成することで、浚渫汚泥又は焼却灰等を小容量化して保管/処分しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術では、脱水ブロックが小片化されるため、ドラム缶等に収納して保管する場合に脱水ブロック間に空隙が生じて、小容量化が限定される。また、小片化された脱水ブロックは、積層したり並べたりすることが難しいため、配置性に欠ける。
【0006】
そこで、本発明は、小容量化が可能で配置性に優れた脱水ブロックを生成可能な脱水ブロック生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る脱水ブロック生成装置は、対向する第1濾過面及び第2濾過面、並びに第1濾過面と第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面を有する濾室と、第1濾過面から第2濾過面に向かって延伸する周面に複数の給泥孔が形成された筒状の形状を有し、濾室に給泥孔を介してスラリーを案内するスラリー案内管と、側部濾過面に配置された少なくとも一対の加圧バックと、スラリーを加圧して、加圧されたスラリーを、スラリー案内管を介して濾室へ供給する第1ポンプと、加圧バックに流体を供給して加圧バックを膨張させる第2ポンプと、スラリー案内管を介して濾室に供給されるスラリーを脱水して脱水ブロックを生成するように、第1ポンプ及び第2ポンプを制御するポンプ制御装置と、を有することを特徴とする。
【0008】
脱水ブロック生成装置において、ポンプ制御装置は、スラリーが濾室に第1給泥圧で供給されるように、第1ポンプを制御し、スラリーの濾室への供給が開始された後に、加圧バックが第1給泥圧よりも大きい第1パック圧で加圧されるように、第2ポンプを制御することが好ましい。
【0009】
脱水ブロック生成装置において、ポンプ制御装置は、加圧バックが第1パック圧で加圧された後に、スラリーが第1給泥圧よりも高い給泥圧で濾室に供給されるように、第1ポンプを更に制御することが好ましい。
【0010】
脱水ブロック生成装置において、濾室は、立方体形状又は直方体形状を有し、加圧バックは、濾室の4つの側部濾過面のそれぞれに配置されることが好ましい。
【0011】
脱水ブロック生成装置は、第1濾過面、第2濾過面及び側部濾過面を覆うように配置された濾布と、第1濾過面に配置された濾布に一端が接続され且つ第2濾過面に配置された濾布に他端が接続された複数のドレーン材と、を更に有することが好ましい。
【0012】
脱水ブロック生成装置において、複数のドレーン材のそれぞれは、円筒形状を有し、隣接する一対の加圧バックと、スラリー案内管との間に配置されることが好ましい。
【0013】
脱水ブロック生成装置において、濾室は、対向する一対の開口部が形成された角筒形状を有する型枠と、一対の開口部を塞ぐように配置されて第1濾過面及び第2濾過面が形成された一対の仕切板と、を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る脱水ブロック生成方法は、対向する第1濾過面及び第2濾過面、並びに第1濾過面と第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面を有する濾室と、第1濾過面から第2濾過面に向かって延伸する周面に複数の給泥孔が形成された筒状の形状を有し、濾室に給泥孔を介してスラリーを案内するスラリー案内管と、側部濾過面に配置された少なくとも一対の加圧バックと、スラリーを加圧して、加圧されたスラリーを、スラリー案内管を介して濾室へ供給する第1ポンプと、加圧バックに流体を供給して加圧バックを膨張させる第2ポンプと、スラリー案内管を介して濾室に供給されるスラリーを脱水して脱水ブロックを生成するように、第1ポンプ及び第2ポンプを制御するポンプ制御装置と、を有する脱水ブロック生成装置において、ポンプ制御装置は、スラリーが濾室に第1給泥圧で供給されるように、第1ポンプを制御し、スラリーの濾室への供給が開始された後に、スラリーが濾室に供給されないように、第1ポンプを制御し、加圧バックが第1給泥圧よりも大きい第1パック圧で加圧されるように、第2ポンプを制御する、ことを特徴とする。
【0015】
脱水ブロック生成方法において、ポンプ制御装置は、加圧バックが第1パック圧で加圧された後に、スラリーが第1給泥圧よりも高い給泥圧で濾室に供給されるように、第1ポンプを制御し、加圧バックの加圧が停止されるように、第2ポンプを制御することが好ましい。
【0016】
脱水ブロック生成方法において、ポンプ制御装置は、加圧バックの加圧が停止された後に、スラリーが濾室に供給されないように、第1ポンプを制御し、加圧バックが第1パック圧よりも高い第2パック圧で加圧されるように、第2ポンプを制御することが好ましい。
【0017】
脱水ブロック生成方法において、ポンプ制御装置は、加圧バックが第2パック圧で加圧された後に、スラリーが第1パック圧よりも高い第2給泥圧で濾室に供給されるように、第1ポンプを制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小容量化が可能で配置性に優れた脱水ブロックを生成可能な脱水ブロック生成装置が提供される。これにより、小容量化された脱水ブロックは、保管/処分するための用地が少なくて済む。更に、配置性に優れた脱水ブロックは、池、海等に沈めて水底の形状を調整するための資材等として積極的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態の脱水処理システムを示す図である。
【
図4】(a)は、仕切板の正面図であり、(b)は、仕切板の側面図であり、(c)は、仕切板の裏面図である。
【
図5】濾室内に脱水ブロックが形成されるときのスラリー及び濾過水の流れを示す図である。
【
図6】実施形態の脱水ブロック生成方法を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の脱水ブロック生成方法の各ステップにおける濾室の断面図を示す図である。
【
図8】実施形態の脱水ブロック生成装置の変形例を示す図である。
【
図9】実施形態の脱水ブロック生成装置の他の変形例を示す図である。
【
図10】実施形態の脱水ブロック生成装置の更に他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照して、本発明に係る脱水ブロック生成装置を有する脱水処理システムについて説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0021】
図1は、実施形態の脱水処理システム100を示す図である。脱水処理システム100は、脱水ブロック生成装置1、汚泥前処理装置200、貯水タンク300、撹拌装置400、スラリー沈殿槽500、水再生装置600、脱水ブロック搬送装置700、及び脱水ブロック押出装置800を有する。
図1において、矢印は、配管を流れる汚泥、水、スラリー、及び加圧用流体の向きを示す。
【0022】
汚泥前処理装置200は、汚泥投入口201、及び汚泥処理槽202を有する。汚泥投入口201には、クラムシェル又はショベル等の重機によって移送された浚渫土に含まれる所定の大きさ以上の流木等の夾雑物が除去された汚泥が投入される。汚泥処理槽202では、汚泥投入口201から投入された汚泥から、重機では除去されなかった貝殻等の夾雑物及び石、砂礫等が除去される。汚泥前処理装置200によって前処理された汚泥は、不図示の空気圧送管又はベルトコンベア等によって、スラリー生成用の汚泥として、撹拌装置400へ送られる。なお、汚泥の代わりに、重金属及び放射性物質等の有害物質を含む産業廃棄物及び生活廃棄物等が用いられてもよいし、その他の物質が用いられてもよい。
【0023】
貯水タンク300は、雨水及び再生水等を、スラリー生成用の水として貯蔵する。貯水タンク300に貯蔵された水は、不図示のポンプ等によって、撹拌装置400へ送られる。
【0024】
撹拌装置400は、撹拌槽401、撹拌機402、及びモータ403を有する。撹拌槽401は、汚泥前処理装置200から供給された汚泥、及び貯水タンク300から供給された水を混合する。撹拌槽401は、汚泥及び水に加えて、セメント等を更に混合してもよい。これにより、強度の高い脱水ブロックが生成されて、脱水ブロックの配置性が向上する。撹拌機402は、モータ403によって駆動され、汚泥、水、及びセメント等を攪拌して、撹拌槽401内にスラリーを生成する。生成されたスラリーには、消石灰(Ca(OH)2)等が更に加えられてもよい。これにより、汚泥から有害物質が流出することが抑制される。生成されたスラリーは、不図示のポンプ等によって、スラリー沈殿槽500へ送られる。撹拌装置400において生成されたスラリーは、含水比が700~400%であり、好ましくは500~400%である。含水比が低いと撹拌機402の負荷が増大して撹拌機402が故障するおそれがある。一方、含水比が高いと脱水処理に時間を要して、処理効率が低下する。
【0025】
スラリー沈殿槽500は、撹拌装置400において生成されたスラリーを貯蔵する。スラリー沈殿槽500においては、時間の経過とともに含水比の低いスラリーが沈殿する。この結果、スラリー沈殿槽500の下層には、含水比300%程度のスラリー層が形成され、スラリー沈殿槽500の上層には、上澄み水の層が形成される。
【0026】
脱水処理システム100は、少なくとも1つの濾室10を有する。脱水ブロック生成装置1は、濾室10、第1ポンプ11、第2ポンプ12、及びポンプ制御装置13を有する。後述するように、複数の濾室10が、並列及び/又は直列に接続されてもよい。脱水ブロック生成装置1は、スラリーを高圧で脱水して濾室10内に脱水ブロックを生成するので、セメントで汚泥を固化する場合等と比較して、脱水ブロックが小容量化される。
【0027】
濾室10は、スラリー沈殿槽500から供給されるスラリーを脱水して、濾室10の室内に脱水ブロックを生成する。脱水ブロックは、汚泥、土砂及び汚泥等を脱水して生成される脱水物の塊であり、濾室10内にその室内形状と概ね同じ形状で生成される。濾室10の形状、及び濾室10内に生成される脱水ブロックの形状は、例えば、立方体形状、角柱形状、又は円柱形状であることが好ましいが、他の形状であってもよい。
【0028】
第1ポンプ11は、スラリー沈殿槽500の下層に形成されたスラリー層に含まれるスラリーを加圧して、加圧されたスラリーを濾室10へ供給する。第1ポンプ11は、加圧能力が異なる複数のポンプ、例えば渦巻ポンプと油圧ポンプ、を有することができる。この場合、渦巻ポンプは、スラリーを0.6MPa程度の圧力にまで加圧して濾室10へ供給する。渦巻ポンプによって濾室10に充填されたスラリーは、濾室10内において含水率が100%程度になるまで脱水される。一方、油圧ポンプは、スラリーを4.0MPa程度の圧力まで加圧して濾室10へ供給する。油圧ポンプによる濾室10へのスラリーの供給は、渦巻ポンプによる濾室10へのスラリーの供給と比較して低速で行われる。油圧ポンプによって高圧かつ低速で濾室10に供給されたスラリーは、濾室10内において含水率が50%程度になるまで更に脱水される。第1ポンプ11は、加圧能力が異なる複数のポンプを有する代わりに、加圧能力を変更可能な一つのポンプ、例えば油圧ポンプ、であってもよい。
【0029】
第2ポンプ12は、濾室10の内壁面に配置された少なくとも一対の加圧バック8内へ、油又は空気等の流体を供給して加圧バック8を膨張させる。これにより、濾室10内に充填されたスラリーが、膨張した加圧バック8によって加圧されて更に脱水される。第2ポンプ12は、第1ポンプ11と同様に、加圧能力が異なる複数のポンプを有してもよいし、加圧能力を変更可能な一つのポンプ、例えば油圧ポンプ、であってもよい。
【0030】
ポンプ制御装置13は、CPU(Central Processing Unit)及び記憶装置を有する演算/制御装置であり、脱水ブロック生成装置1を制御する操作者によって操作され、操作者の指示に基づいて、第1ポンプ11及び第2ポンプ12を制御する。ポンプ制御装置13は、第1ポンプ11によってスラリーを加圧する圧力と、第2ポンプ12によって加圧バック8を加圧する圧力を、少なくとも制御することができる。
【0031】
水再生装置600は、脱水ブロック生成装置1から排水される濾過水を再生処理して貯水タンク300へ戻す。スラリーに含まれている有害物質の一部は、水再生装置600において濾過水とともに再生処理されるため、脱水ブロック中に含まれる有害物質が除かれる。
【0032】
脱水ブロック搬送装置700は、脱水ブロック生成装置1によって生成された脱水ブロックを、濾室10とともに脱水ブロック押出装置800へ搬送する。また、脱水ブロック押出装置800は、脱水ブロック搬送装置700によって搬送された脱水ブロックを、例えば油圧によって濾室10から押し出す。
【0033】
図2は、濾室10の斜視図である。また、
図3は、型枠2、仕切板3、及び仕切板4の斜視図である。濾室10は、例えば、型枠2を仕切板3及び仕切板4によって両側から挟持して形成される。これにより、
図2及び
図3に示す濾室10は、型枠2の長さに応じた幅が広い直方体形状の脱水ブロックを生成することができる。型枠2の一辺の長さは、40cm~100cmであることが好ましいが、他の長さであってもよい。
【0034】
型枠2は、例えば、一対の開口部を有する角筒形状を有し、加圧孔21、濾水孔22、濾水溝23、及び握部24を有する。加圧孔21は、ポンプ制御装置13が、第2ポンプ12によって、加圧バック8内に流体を供給して加圧バック8を膨張させるための貫通孔であり、型枠2の加圧バック8が配置される背面の壁面を貫通する。濾水孔22は、スラリーが脱水されて生じる濾過水を、濾室10内から型枠2の外へ排水するために、型枠2の壁面に形成された貫通孔である。濾水溝23は、スラリーが脱水されて生じる濾過水を、濾水孔22へ集めるために、型枠2の内壁面に格子状に形成された溝である。握部24は、
図1に示した脱水ブロック搬送装置700により握持可能な形状を有する。脱水ブロック搬送装置700は、脱水ブロックが濾室10内に生成された後、仕切板3及び仕切板4が取り外された型枠2を、握部24を握持して脱水ブロック押出装置800へ搬送する。
【0035】
仕切板3及び仕切板4は、型枠2の開口部と概ね同じ平面形状を有し、型枠2の一対の開口部を塞ぐようにそれぞれ配置される。仕切板3及び仕切板4は、給泥口31、濾水孔32、濾水溝33、封水用溝部34、及び突起部35を有する。仕切板3と仕切板4とは、互いに概ね裏表を逆にした構造を有するが、仕切板3のみが給泥口31を有する。給泥口31は、仕切板3の中央部に形成され、第1ポンプ11によって加圧されたスラリーが、給泥口31からスラリー案内管5を介して、濾室10内へ供給される。濾水孔32は、スラリーが脱水されて生じる濾過水を、濾室10内から仕切板3、4の外へ排水するために、仕切板3、4の壁面に形成された貫通孔である。濾水溝33は、スラリーが脱水されて生じる濾過水を、濾水孔32へ集めるために、仕切板3、4の内壁面に格子状に形成された溝である。封水用溝部34は、仕切板3、4の裏面を、仕切板3、4の外縁に沿って延伸しており、Oリング等の封水部材が配置されることで、仕切板3、4と型枠2との接合部を封水する。これにより、スラリーは、濾室10において封水用溝部34よりも内側の領域に充填される。突起部35は、仕切板3、4の裏面の下方に形成され、仕切板3及び仕切板4が型枠2を挟持する際に、型枠2を下方から支持する。
【0036】
図4(a)は、仕切板3の正面図であり、
図4(b)は、仕切板3の側面図であり、
図4(c)は、仕切板3の裏面図である。仕切板4は、給泥口31を有さないことを除いて、概ね仕切板3と同一の構造を有する。
【0037】
スラリー案内管5は、ストレーナ管とも称され、円筒形状のステンレス鋼等で形成される。スラリー案内管5は、仕切板3から仕切板4に向かって延伸する周面に複数の給泥孔51が形成された筒状の形状を有し、濾室10に給泥孔51を介してスラリーを案内する。スラリー案内管5は、仕切板3に形成された給泥口31に一端が接続され、スラリーを仕切板4の方向に案内するので、目詰まりを起こすことなくスラリーを濾室10へ供給することができる。スラリー案内管5の端部に形成されたフランジ52は、鉄板53等によってOリング54等を介して仕切板3、4の内壁に固定される。スラリー案内管5のフランジ52と仕切板3、4との間には、あて布36等が配置されてもよい。スラリー案内管5の端部は、仕切板3の給泥口31から更に外側へ延伸してもよい。
【0038】
図5(a)及び
図5(b)は、濾室10内に脱水ブロックが形成されるときのスラリー及び濾過水の流れを示す図である。
図5(a)は、
図2に示したx方向に垂直な断面図であり、
図5(b)は、
図2に示したz方向に垂直な断面図である。
図5(a)及び
図5(b)において、実線の矢印はスラリーの流れを示し、点線の矢印は濾過水の流れを示す。一対の仕切板3、4は、スラリーが脱水されて生じる濾過水を排水する第1、第2濾過面としてそれぞれ機能し、型枠2のそれぞれの壁面は、第1濾過面と第2濾過面との間を接続する単数又は複数の側部濾過面として機能する。
【0039】
第1ポンプ11によって加圧されてスラリー案内管5に供給されたスラリーは、スラリー案内管5の壁面に形成された複数の給泥孔51から吐出する。スラリーが濾室10内に充填されて濾室10内の圧力が上昇すると、スラリーが脱水されて濾過水が生じる。濾室10の内壁に近い場所では、濾過水は濾水孔22及び濾水孔32から濾室10の外へ排水される。一方、濾室10の内壁から遠い場所では、濾過水は複数のドレーン材6を介して濾水孔32から濾室10の外へ排水される。
【0040】
ドレーン材6は、濾過水を通過させるがスラリーは通過させない壁面構造を有し、濾過水が流れる排水路を濾室10内に形成する。これにより、濾室10内に高密度な脱水ブロックが効率よく形成される。ドレーン材6は、円筒形状を有することが好ましいが、楕円筒形状、又は角筒形状等の形状を有してもよい。ドレーン材6は、一端が仕切板3(第1濾過面)に濾布7を介して接続され、他端が仕切板4(第2濾過面)に濾布7を介して接続される。ドレーン材6は、第1濾過面及び第2濾過面のいずれか一方のみに接するように配置されてもよい。また、ドレーン材6は、第1濾過面及び第2濾過面ではない側部濾過面に濾布7を介して接するように配置されてもよい。また或いは、ドレーン材6は、仕切板3、4に設けられた不図示の開口部を貫通し、ドレーン材6を流れる濾過水を濾室10外へ直接排水するように設けられてもよい。
【0041】
ドレーン材6は、
図5(b)に示すように、隣接する(型枠2の隣接する内壁面に配置された)一対の加圧バック8と、スラリー案内管5との間に配置されることが好ましく、スラリー案内管5を中心として放射状に配置されることが好ましい。これにより、密度が均一な脱水ブロックが生成される。ドレーン材6は、安価なプラスチック等の合成樹脂材で形成されるので、脱水ブロックの内部から取り外して再利用せずに使い捨てでき、脱水処理後に脱水ブロックからドレーン材6を引き抜く工程が省略可能である。
【0042】
濾布7は、濾過水を通過させるがスラリーは通過させない表面構造を有し、例えば、ナイロン等で形成され、濾室10の内壁及び加圧バック8を覆うように濾室10内に配置される。濾布7は、加圧バック8と濾室10の内壁との間に更に配置されてもよい。濾布7は、濾室10の内壁面ごとに分離可能であってもよく、仕切板3の第1濾過面と、仕切板4の第2濾過面と、型枠2の側部濾過面とに、それぞれ分離可能であってもよい。
【0043】
加圧バック8は、ゴム等で形成された袋体であり、濾室10の内壁面に配置される。ポンプ制御装置13は、第2ポンプ12によって加圧バック8内に流体を供給して加圧バック8を膨張させることによって、濾室10に充填されたスラリーを更に脱水する。加圧バック8は、濾室10内に偶数個配置されることが好ましく、特に、
図5(b)に示すように、型枠2の4つの側部濾過面にそれぞれ配置されることが好ましい。これにより、後述するように、濾室10内の圧力分布を制御することが容易となる。加圧バック8は、加圧されていないときは、収縮して扁平な形状を有し、第2ポンプ12によって加圧されると、膨張して楕円球形状、半球形状又は蒲鉾形状等となる。加圧バック8は、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、加圧バック8の背面の加圧孔21から流体が供給される以外に、加圧バック8の上下左右方向の不図示の貫通孔から流体が供給されてもよい。
【0044】
図6は、実施形態の脱水ブロック生成方法を示すフローチャートである。また、
図7(a)~
図7(e)は、実施形態の脱水ブロック生成方法の各ステップにおける濾室10の断面図を示す図である。
【0045】
ステップS1において、ポンプ制御装置13は、スラリーが第1給泥圧P11で濾室10に供給されるように、第1ポンプ11を制御する。スラリー案内管5に供給されたスラリーは、スラリー案内管5の側壁の給泥孔51から吐出して、濾室10内に充填される。濾室10内の圧力は、スラリーが濾室10内に充填するに従って上昇し、スラリー案内管5の周辺では概ね第1給泥圧P11近くに達し、型枠2へ向かって徐々に低くなる圧力分布となる。この結果、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、
図7(a)に示すように、圧力の高いスラリー案内管5の周辺から、圧力の低い型枠2の周辺へ向かって流れ、型枠2から室外へ排水される。
【0046】
ステップS1では、スラリーがまだ完全に濾室10内に充填しておらず、また、スラリーの含水比が比較的高く流動性が高いため、スラリーはスラリー案内管5の周辺から型枠2へと流れる。そして、スラリーが脱水された脱水ケーキは、濾室10の内壁面から内側へ向かって順に生成する。このため、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、あまりドレーン材6へは流れない。特に、ドレーン材6が円筒形状を有する場合、ドレーン材6はスラリー及び濾過水の流れを面で受けにくいため、濾過水はドレーン材6へは流れにくい。
【0047】
スラリーの濾室10への供給が開始された後、ステップS2において、ポンプ制御装置13は、加圧バック8が第1給泥圧P11よりも大きい第1パック圧P21で加圧されるように、第2ポンプ12を制御する。この際、ポンプ制御装置13は、スラリーが濾室10に供給されないように、第1ポンプ11を制御してもよい。加圧バック8が膨張すると、濾室10内の圧力は、加圧バック8の周辺では概ね第1パック圧P21近くに達し、ドレーン材6の周辺へ向かって徐々に低くなる圧力分布となる。この結果、
図7(b)に示すように、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、圧力の高い加圧バック8の周辺から、ドレーン材6へ向かって流れ、ドレーン材6を介して仕切板3、4から室外へ排水される。特に、ドレーン材6が円筒形状を有する場合、濾過水がドレーン材6の周りの全ての方向からドレーン材6へ流れやすくなるため、仕切板3、4からの排水が促進される。
【0048】
ステップS2では、濾室10内の圧力分布が大きく変化するため、ステップS1において型枠2の周辺に生成された脱水ケーキにひび割れが生じる。これにより、濾過水がひび割れを流れて、型枠2からの排水も促進される。また、加圧バック8はスラリーを直接加圧するため、加圧バック8周辺では脱水ケーキはあまり移動せずに濾過水だけが主に移動することになる。これよっても、型枠2からの排水が促進される。
【0049】
加圧バック8が第1パック圧P21で加圧された後、ステップS3において、ポンプ制御装置13は、スラリーが第1給泥圧P11よりも高い給泥圧で濾室10に供給されるように、第1ポンプ11を制御する。この際、ポンプ制御装置13は、加圧バック8の加圧が停止されるように、第2ポンプ12を制御してもよい。濾室10内の圧力は、スラリー案内管5の周辺において第1給泥圧P11よりも高くなり、型枠2へ向かって徐々に低くなる圧力分布となる。この結果、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、
図7(c)に示すように、ステップS1と同様に、圧力の高いスラリー案内管5の周辺から、圧力の低い型枠2の周辺へ向かって流れ、型枠2から室外へ排水される。
【0050】
ステップS3では、ステップS1において型枠2の周辺に生成された脱水ケーキが、ステップS2においてひび割れを生じているため、ステップS1と比較して、型枠2からの排水が促進される。また、ステップS3においても、濾室10内の圧力分布が変化することによって、室内全体に生成された脱水ケーキにひび割れが生じるため、室内全体の浸水係数が大きくなり、排水が促進される。
【0051】
加圧バック8の加圧が停止された後、ステップS4において、ポンプ制御装置13は、加圧バック8が第1パック圧P21よりも高い第2パック圧P22で加圧されるように、第2ポンプ12を制御する。この際、ポンプ制御装置13は、スラリーが濾室10に供給されないように、第1ポンプ11を制御してもよい。加圧バック8が膨張すると、濾室10内の圧力は、加圧バック8の周辺では概ね第2パック圧P22近くに達し、ドレーン材6の周辺へ向かって徐々に低くなる圧力分布となる。この結果、
図7(d)に示すように、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、圧力の高い加圧バック8の周辺から、ドレーン材6へ向かって流れ、ドレーン材6を介して仕切板3、4から室外へ排水される。
【0052】
ステップS4では、ステップS1~S3において室内全体に生成された脱水ケーキにひび割れが生じているため、ステップS2と比較して、型枠2からの排水、及びドレーン材6を介した仕切板3、4からの排水が、室内全体で促進される。また、ステップS4においても、濾室10内の圧力分布が変化することによって、室内の浸水係数が更に大きくなる。
【0053】
加圧バック8が第2パック圧P22で加圧された後、ステップS5において、ポンプ制御装置13は、スラリーが第1パック圧P21よりも高い第2給泥圧P12で濾室10に供給されるように、第1ポンプ11を制御する。第2給泥圧P12は、第2パック圧P22以下であることが好ましい。この際、ポンプ制御装置13は、加圧バック8が第2パック圧P22を維持するように、第2ポンプ12を制御してもよいし、加圧バック8が第2パック圧P22よりも高いパック圧で加圧されるように、第2ポンプ12を制御してもよい。濾室10内の圧力は、スラリー案内管5の周辺では概ね第2給泥圧P12近くに達し、ドレーン材6の周辺へ向かって徐々に低くなる圧力分布となる。この結果、スラリーが脱水されて生じる濾過水は、
図7(e)に示すように、圧力の高いスラリー案内管5及び加圧バック8の周辺から、ドレーン材6へ向かって流れ、ドレーン材6を介して仕切板3、4から室外へ排水される。
【0054】
ステップS5では、濾室10内に形成された脱水ケーキ全体にひび割れが生じて、室内全体の浸水係数が大きくなっており、室内全体に含水率が50%以下の脱水ケーキが脱水ブロックとして生成される。濾室10内の脱水が進んで濾室10からの濾過水の排水速度が所定値以下になると、ポンプ制御装置13は、第1ポンプ11及び第2ポンプ12を制御して、スラリーの供給及び加圧バック8の加圧を停止する。
【0055】
このように、第1ポンプ11がスラリーを加圧する圧力と、第2ポンプ12が加圧バック8を加圧する圧力との大小関係を変化させて、濾室10の圧力分布を大きく変化させることで、脱水ブロックにひび割れが生じ、濾室10からの濾過水の排水が促進される。なお、
図6に示した脱水ブロック生成方法では、途中のステップS3~S5まで実行して終了してもよく、また、ステップS1及びS2を実行した後にステップS5が実行されてもよい。
【0056】
実施形態の脱水ブロック生成装置1では、脱水ブロックの脱水度が高い程、生成される脱水ブロックの強度が向上し、脱水ブロックの配置性が向上する。また、実施形態の脱水ブロック生成装置1では、脱水ブロックの加圧バック8によって加圧された面に凹部が形成されるため、脱水ブロックを積層したり並べたりしやすくなり、脱水ブロックの配置性が向上する。
【0057】
上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0058】
(実施形態の脱水ブロック生成装置の変形例)
図8(a)及び
図8(b)は、実施形態の脱水ブロック生成装置1の変形例を示す図である。
図5(b)では、2対の加圧バック8が、型枠2の対向する2対の内壁面にそれぞれ配置されたが、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、1対の加圧バック8が、型枠2の対向する1対の内壁面に配置されてもよい。
【0059】
図9は、実施形態の脱水ブロック生成装置1の他の変形例を示す図である。脱水ブロック生成装置1は、
図9に示すように、互いに並列に配置された複数の濾室10を有してもよい。この場合、第1ポンプ11は、同じ圧力でスラリーを複数の濾室10へ供給する。また、第2ポンプ12は、同じ圧力で流体を複数の加圧バック8へ供給する。脱水ブロック生成装置1は、複数の濾室10を有するので、効率良く脱水ブロックを生成することができる。
【0060】
図10は、実施形態の脱水ブロック生成装置1の更に他の変形例を示す図である。
図10に示すように、脱水ブロック生成装置1は、互いに直列に接続された複数の濾室10を有してもよい。この場合、隣り合う濾室10間に配置される仕切板4には、仕切板3の給泥口31に対応する排泥口が形成される。脱水ブロック生成装置1は、互いに直列に接続され、かつ互いに並列に接続された複数の濾室10を有してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 脱水ブロック生成装置
2 型枠
3 仕切板
4 仕切板
5 スラリー案内管
6 ドレーン材
7 濾布
8 加圧バック
10 濾室
11 第1ポンプ
12 第2ポンプ
13 ポンプ制御装置