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  • 特開-ペット用おむつ 図1
  • 特開-ペット用おむつ 図2
  • 特開-ペット用おむつ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072300
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】ペット用おむつ
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
A01K23/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181663
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】512201638
【氏名又は名称】大雄電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】久保 重継
(57)【要約】
【課題】着用時にずれにくく、ペットに与える不快感を抑制でき、排泄物が外部に漏れだすのを防止できるペット用おむつを提供すること。
【解決手段】ペット10の胴体後部に装着されるおむつ本体2と、ペット10の首10aとおむつ本体2との間に架け渡される吊り具3とを備え、吊り具3は、シート状であってペット10の背部を被覆し、前端部にペット10の首10aを通す貫通孔30が形成され、後端縁がおむつ本体2の胴側開口部のペット背中側に取り付けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴体後部に装着されるおむつ本体と、ペットの首と前記おむつ本体との間に架け渡される吊り具とを備え、前記おむつ本体は、ペットの腹部を覆う腹側被覆部と、ペットの股部を覆う股部被覆部と、ペットの背部を覆う背側被覆部とを有し、前記吊り具は、シート状であってペットの背部を被覆し、前端部にペットの首を通す貫通孔が形成され、後端縁が前記おむつ本体の前記背側被覆部に取り付けられていることを特徴とするペット用おむつ。
【請求項2】
前記吊り具が伸縮性を有することを特徴とする請求項1に記載のペット用おむつ。
【請求項3】
前記吊り具が接着剤を介して前記おむつ本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペット用おむつ。
【請求項4】
前記吊り具が取付具を介して前記おむつ本体に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のペット用おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬、猫等のペットが装着するのに好適なペット用おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、犬、猫等のペットを室内で飼うことが多くなっている。このようなペットは、室内に設置された専用のトイレで排尿・排便するように躾けられているが、病気や老齢によってトイレでの排尿・排便が困難になることがある。
このような場合、室内が汚れるのを防ぐために、ペットに装着させるおむつが市販されている。
しかし、本来、ペットはおむつ等の下半身用下着を着用するような体型ではないため、動き回るうちにおむつがずれて、排泄物が漏れてしまうことになる。
【0003】
そこで、従来、ペット用のおむつがずれるのを防ぐ技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、ペットの首に装着される首輪と、胴体後部に装着されるおむつとの間に取り付けられ、一端が取付金具を介して首輪に連結され、他端が取付金具を介しておむつのペット背骨部にあたるシャーリング開口端部と連結される中央帯部を有し、中央帯部の中間部両側に、取付金具を介しておむつのシャーリング開口端部と連結するよう分岐された左・右側帯部を有するおむつ用のサスペンダーが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、おむつ本体に取り付け可能な接着部と、接着部をおむつに取り付けた状態で動物の首に装着可能な首輪部とを有する動物用補助器具を備えた動物用おむつが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3166402号公報
【特許文献2】実用新案登録第3180019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1及び特許文献2に記載のようなペット用おむつは、ペットの首に細い輪を掛け、この輪からおむつ本体を吊って、おむつ本体がずり落ちるのを防いでいるので、首の周りにおむつの重量が加わり、ペットが不快感や苦痛を感じる心配がある。
また、首からおむつ本体に架け渡した紐はペットの動きによって移動しやすく、この結果、おむつがずれることもある。
さらに、おむつ本体に単なる紐を取り付けただけでは、おむつ本体の胴部側の開口から排泄物が漏れ出すのを防ぐことはできなかった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、着用時にずれにくく、ペットに与える不快感を抑制でき、排泄物が外部に漏れ出すのを防止できるペット用おむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のペット用おむつは、ペットの胴体後部に装着されるおむつ本体と、ペットの首と前記おむつ本体との間に架け渡される吊り具とを備え、前記おむつ本体は、ペットの腹部を覆う腹側被覆部と、ペットの股部を覆う股部被覆部と、ペットの背部を覆う背側被覆部とを有し、前記吊り具は、シート状であってペットの背部を被覆し、前端部にペットの首を通す貫通孔が形成され、後端縁が前記おむつ本体の前記背側被覆部に取り付けられている。
【0009】
前記吊り具は伸縮性を有することが望ましい。
前記吊り具は、接着剤を介して前記おむつ本体に取り付けられることもあり、取付具を介して前記おむつ本体に着脱可能に取り付けられることもある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ペットの首とおむつ本体との間に吊り具を架け渡してあるので、おむつ本体がずり落ちることがなく、排泄物が漏れだすのを防ぐことができる。
また、吊り具はシート状なので、ペットが身動きしても吊り具は移動しにくく、おむつ本体がずれるのを防止でき、しかも、細い紐でおむつ本体を吊ったものに比べてペットの首に加わる負担が少なくて済み、不快感や苦痛を与えにくい。
さらに、おむつ本体の胴側開口部の背中側にシート状の吊り具が取り付けられているので、排泄物がおむつ本体の背中側から外部に漏れるのを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態を示すペット用おむつの展開した内面図である。
図2】本発明の実施形態を示すペット用おむつの展開した外面図である。
図3】本発明の実施形態を示すペット用おむつの使用状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、ペット用おむつの展開した内面図、図2は、ペット用おむつの展開した外面図、図3は、ペット用おむつの使用状態における斜視図である。
【0013】
本発明のペット用おむつ1は、おむつ本体2と、吊り具3とを備える。
おむつ本体2は、ペット(本実施形態では犬)10の胴体後部に装着されて、排泄物が漏れるのを防ぐ。
おむつ本体2は、ペット10の腹部を覆う腹側被覆部20、ペット10の股部を覆う股部被覆部21及びペット10の背部を覆う背側被覆部22が連続した帯状に形成され、防水性シート23の内面に吸水材24を重ねた少なくも2層構造となっている。吸水材24は、腹側被覆部20及び股部被覆部21に相当する位置に設けられ、防水性シート23は吸水材24よりも前後左右に張り出している。
【0014】
股部被覆部21の幅方向両側において、防水性シート23の側縁部には伸縮可能な襞部25が形成され、腹側被覆部20の幅方向両側には、背側被覆部22の外面に粘着可能な粘着片26が張り出している。
また、股部被覆部21と背側被覆部22との境界部分の幅方向中央部には半円形状の切り起し部27が形成されている。
さらに、腹側被覆部20の背側被覆部22と逆側の端縁に沿ってシャーリング部28が形成されている。
このおむつ本体2の構造は、一般的な市販品と同様である。
【0015】
吊り具3は、ペット10の首10aとおむつ本体2との間に架け渡されるものであって、伸縮性のある不織布等のシートより成り、おむつ本体2の背側被覆部22よりもやや狭い幅を有する長方形状である。
吊り具3の一端は、背側被覆部22の腹側被覆部20と逆側の端部内面に接着され、吊り具3の他端部には、ペット10の首10aを通すための円形の貫通孔30が形成されている。
【0016】
ペット10にペット用おむつ1を装着するには、吊り具3の貫通孔30にペット10の首10aを下から通した後、吊り具3及びおむつ本体2の背側被覆部22でペット10の背部を被覆し、切り起し部27を引き起こして形成した孔にペット10の尾10bを通す。
次いで、おむつ本体2の股部被覆部21をペット10の左右の後脚間に通して、腹側被覆部20でペット10の腹部を覆い、左右の粘着片26を背側被覆部22の両側部外面に粘着する。
【0017】
すると、腹側被覆部20と背側被覆部22の端部が環状に連続してペット10の胴部を取り巻く胴側開口部が形成され、股部被覆部21の両側の襞部25がペット10の後脚の付け根を取り巻いて密着する。
そして、吊り具3が、ペット10の背部を被覆して、首10aとおむつ本体2の胴側開口部の背中側との間に架け渡される。
【0018】
このペット用おむつ1を着用すると、吊り具3によっておむつ本体2がペット10の首10aから吊られているので、おむつ本体2がずり落ちることがなく、吊り具3はシート状なので、ペット10が身動きしても移動しにくく、おむつ本体2がずれにくい。
また、おむつ本体2の胴側開口部の背中側にシート状の吊り具3が取り付けられているため、おむつ本体2の背中側から排泄物が外部に漏れだすのを防ぎ、このため、おむつ本体2の外側に着用するおむつカバーが不要となる。
【0019】
[その他の変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されない。
本発明におけるおむつとは、肌に直接当てて着用するおむつだけではなく、おむつカバーも含む。
おむつ本体及び吊り具の寸法を、ペットの種類や大きさに応じて適宜変更できるのは言うまでもない。
上記実施形態では、おむつ本体は、開閉する帯状タイプのものであるが、左右の脚用開口部に後脚を差し込んで胴体後部へ引き上げるパンツタイプのものであってもよい。
【0020】
上記実施形態では、吊り具をおむつ本体に接着しているが、おむつカバーのように繰り返し使用する場合は、面ファスナー等の取付具を介して吊り具をおむつ本体に着脱可能に取り付けると、洗濯等の際に便利である。
また、あらかじめ吊り具をおむつ本体に取り付けておかず、吊り具の一端部に接着剤を塗布してその外面に剥離紙を取り付けておき、ペット用おむつを使用する際には、剥離紙をはがして、市販のおむつの胴側開口部の背中側に、吊り具の一端を接着剤を介して取り付けることもできる。
【符号の説明】
【0021】
1 ペット用おむつ
2 おむつ本体
20 腹側被覆部
21 股部被覆部
22 背側被覆部
23 防水性シート
24 吸水材
25 襞部
26 粘着片
27 切り起し部
28 シャーリング部
3 吊り具
30 貫通孔
10 ペット
10a 首
10b 尾
図1
図2
図3