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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072322
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】グリル付コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/16 20060101AFI20220510BHJP
   F24C 3/00 20060101ALI20220510BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
F24C15/16 C
F24C3/00 L
F24C15/16 X
A47J37/06 361
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181685
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩也
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋也
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AC01
4B040AD04
4B040EB14
(57)【要約】
【課題】サイズ違いの調理容器に1つの位置決め台で対応可能としつつ、位置決め台の製造コストを抑えてメンテナンスも簡易化できるようにする。
【解決手段】位置決め台25は、前側金具26及び後側金具27と、線状連結部28,28と、外枠部29とを備える。線状連結部28,28は、支持部39,39と底枠部40,40と縦枠部41,41とを含む。外枠部29は、短手辺部42,42と長手辺部43,43とを含む。浅底の調理容器50は、前後の支持部39,39に跨がって載置可能で、当該載置状態では、前側金具26と後側金具27との間に位置して位置決めされる。深底の調理容器は、底枠部40,40に載置可能で、当該載置状態では、前後の縦枠部41,41の間に位置して前後方向が位置決めされると共に、長手辺部43,43が調理容器の左右外側に位置して左右方向が位置決めされる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下枠部と、前記下枠部の前後両端からそれぞれ上方に立ち上がる立ち上がり部とを有する支持枠が、グリル庫内に前後方向へ出し入れ可能に収容され、
前記支持枠上に、第1の調理容器と、前記第1の調理容器よりも前後方向の寸法が小さく且つ深底の第2の調理容器とを位置決めする位置決め台が着脱可能に設けられたグリル付コンロであって、
前記位置決め台は、各前記立ち上がり部にそれぞれ支持される前側金具及び後側金具と、両金具間に架設される左右一対の線状連結部と、前記前側金具と前記後側金具と前記線状連結部との少なくとも何れかに固定される外枠部と、を備え、
前記一対の線状連結部は、前後両端部にそれぞれ設けられ、前記前側金具及び前記後側金具の下方から前後方向へ平行に延びる左右一対の支持部と、前後方向の中間部に設けられ、前記支持部より下側で前後方向へ平行に延びる左右一対の底枠部と、前後の前記一対の支持部と前記一対の底枠部との端部同士をそれぞれ繋ぐ左右一対の縦枠部と、を含み、
前記外枠部は、前記一対の線状連結部の左右外側で前後方向へ平行に延びる左右一対の長手辺部を含み、
前記第1の調理容器は、前後の前記一対の支持部に跨がって載置可能であると共に、当該載置状態では、前記前側金具が前記第1の調理容器の前側に、前記後側金具が前記第1の調理容器の後側にそれぞれ位置して位置決めされ、
前記第2の調理容器は、前記一対の底枠部に載置可能で、当該載置状態では、前側の前記一対の縦枠部が前記第2の調理容器の前側に、後側の前記一対の縦枠部が前記第2の調理容器の後側にそれぞれ位置して前後方向が位置決めされると共に、前記外枠部の前記一対の長手辺部が前記第2の調理容器の左右外側に位置して左右方向が位置決めされることを特徴とするグリル付コンロ。
【請求項2】
前記外枠部は、前後の前記支持部或いは前記縦枠部にそれぞれ固定されて前記線状連結部よりも左右外側に延びる前後一対の短手辺部をさらに含み、
前記一対の長手辺部は、前後の前記短手辺部の左右両端同士を繋いで前後方向へ平行に延びることを特徴とする請求項1に記載のグリル付コンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルを備えたテーブルコンロやビルトインコンロ等のグリル付コンロに関する。
【背景技術】
【0002】
グリル付コンロにおいてグリルを使用する際、被調理物を収容する蓋付きの調理容器をグリル庫内に収納してグリルバーナで加熱調理を行う場合がある。この調理容器を用いれば、密閉状態で加熱調理できるため、魚等の被調理物から生じる油や水分がグリル庫内へ付着するのを防止することができる。この調理容器は、専用の位置決め台を用いてグリル庫内に支持されるが、調理容器には、前後幅及び深さが異なるサイズのものがあるため、調理容器ごとに専用の位置決め台を用意して交換する必要があり、ユーザの使い勝手が悪くなる。
そこで、特許文献1には、容器支持体(位置決め台)に、深さが異なる深型加熱調理容器と浅型加熱調理容器とにそれぞれ対応した深型支持枠部及び浅型支持枠部等を形成して、深さが異なる2タイプの調理容器を兼用して支持可能とした発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-214968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の容器支持体は、複数の線材を所定形状に変形させて各支持枠部等を形成するため、形状が複雑となって製造コストがかさむことになる。また、汚れた場合の洗浄や掃除がやりにくく、メンテナンスに手間がかかってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、サイズ違いの調理容器に1つの位置決め台で対応可能としつつ、位置決め台の製造コストを抑えてメンテナンスも簡易化できるグリル付コンロを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、下枠部と、前記下枠部の前後両端からそれぞれ上方に立ち上がる立ち上がり部とを有する支持枠が、グリル庫内に前後方向へ出し入れ可能に収容され、
前記支持枠上に、第1の調理容器と、前記第1の調理容器よりも前後方向の寸法が小さく且つ深底の第2の調理容器とを位置決めする位置決め台が着脱可能に設けられたグリル付コンロであって、
前記位置決め台は、各前記立ち上がり部にそれぞれ支持される前側金具及び後側金具と、両金具間に架設される左右一対の線状連結部と、前記前側金具と前記後側金具と前記線状連結部との少なくとも何れかに固定される外枠部と、を備え、
前記一対の線状連結部は、前後両端部にそれぞれ設けられ、前記前側金具及び前記後側金具の下方から前後方向へ平行に延びる左右一対の支持部と、前後方向の中間部に設けられ、前記支持部より下側で前後方向へ平行に延びる左右一対の底枠部と、前後の前記一対の支持部と前記一対の底枠部との端部同士をそれぞれ繋ぐ左右一対の縦枠部と、を含み、
前記外枠部は、前記一対の線状連結部の左右外側で前後方向へ平行に延びる左右一対の長手辺部を含み、
前記第1の調理容器は、前後の前記一対の支持部に跨がって載置可能であると共に、当該載置状態では、前記前側金具が前記第1の調理容器の前側に、前記後側金具が前記第1の調理容器の後側にそれぞれ位置して位置決めされ、
前記第2の調理容器は、前記一対の底枠部に載置可能で、当該載置状態では、前側の前記一対の縦枠部が前記第2の調理容器の前側に、後側の前記一対の縦枠部が前記第2の調理容器の後側にそれぞれ位置して前後方向が位置決めされると共に、前記外枠部の前記一対の長手辺部が前記第2の調理容器の左右外側に位置して左右方向が位置決めされることを特徴とする。
本発明の別の態様は、上記構成において、前記外枠部は、前後の前記支持部或いは前記縦枠部にそれぞれ固定されて前記線状連結部よりも左右外側に延びる前後一対の短手辺部をさらに含み、
前記一対の長手辺部は、前後の前記短手辺部の左右両端同士を繋いで前後方向へ平行に延びることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置決め台の形状がシンプルとなる。よって、サイズ違いの調理容器に1つの位置決め台で対応可能としつつ、位置決め台の製造コストを抑えることができる。また、メンテナンスも容易となって手間が簡易化される。
本発明の別の態様によれば、上記効果に加えて、外枠部が前後一対の短手辺部を備えて一対の長手辺部と繋がるので、外枠部の形状が安定し、長手辺部の剛性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】テーブルコンロの正面図である。
図2】浅底の調理容器を収納した図1のグリル部分のみのA-A線断面図である(グリル扉は省略)。
図3図2のB-B線断面図である。
図4】支持枠、位置決め台、浅底の調理容器の分解斜視図である。
図5】深底の調理容器の分解斜視図である。
図6】浅底の調理容器を位置決め台に載置した状態の斜視図である。
図7】深底の調理容器を位置決め台に載置した状態の斜視図である。
図8】深底の調理容器を収納した図2に相当する部分断面図である。
図9図8のC-C線断面図である。す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、グリル付コンロの一例であるグリル付のテーブルコンロ1の正面図、図2はグリル部分のみのA-A線断面図、図3図2のB-B線断面図である。
このテーブルコンロ1は、天板3を有する器体2の上部に一対のコンロ部4,4を備え、コンロ部4,4の間で器体2内の中央にグリル5を備えている。器体2の正面には、各コンロ部4及びグリル5に対応した点消火ボタン6,6・・、火力調整レバー7,7・・、調理メニュー等を選択操作するための操作表示部8が設けられている。コンロ部4には五徳9が設けられている。
【0010】
グリル5は、器体2内で区画形成されて前方を開口させた前側のグリル庫10と、グリル庫10の後部に連結される排気ダクト11とからなる。グリル庫10の上側内面には、燃焼面を下向きにした上バーナ12が設けられている。グリル庫10の左右の内面には、前後方向へ延びてグリル庫10の中央側へ炎孔を向けた下バーナ13,13が設けられている。上バーナ12の近傍には、点火電極14及び熱電対15が設けられ、各下バーナ13の近傍にも、点火電極14及び熱電対15がそれぞれ設けられている。
排気ダクト11は、グリル庫10の後端に連設されて上向きに延びる横長の四角筒状で、排気ダクト11の上端は、天板3に形成される図示しない排気口と接続されている。
グリル庫10の底部には、レールユニット16が収納されている。レールユニット16は、グリル庫10内へ前方から出し入れ可能に収容される枠状体で、前側には前板17が、後側には後板18がそれぞれ左右方向に架設されている。前板17にはグリル扉19(図1)が取り付けられている。
【0011】
レールユニット16上には、支持枠20が載置されている。支持枠20は、金属製の棒体を連続状に折り曲げ形成してなる下枠部21を備えている。下枠部21の前端がレールユニット16の前板17に、下枠部21の後端が後板18にそれぞれ載置されることで、支持枠20はレールユニット16上に支持され、レールユニット16と共にグリル庫10へ出し入れ可能となる。
下枠部21の前後には、図4に示すように、中央が突出する正面視凸字状の立ち上がり部22,22が形成されている。この立ち上がり部22,22に、図示しない焼き網が、長手方向の前後両端を立ち上がり部22,22の左右の肩部にそれぞれ係止させることで載置可能となっている。
下枠部21には、受け皿23が載置可能となっている。受け皿23は、前板17と後板18との間で下枠部21に嵌合して支持される。
【0012】
一方、支持枠20には、焼き網に代えて、浅底の調理容器50と深底の調理容器60とをグリル庫10内で支持するための位置決め台25が載置可能となっている。
位置決め台25は、前側金具26と、後側金具27と、左右一対の線状連結部28,28と、外枠部29とを含んでなる。前側金具26は、浅底の調理容器50の前部の外形状に合わせた前嵌合部30を有する。前側金具26の上面には、前嵌合部30の形状に沿って形成され、金属製の棒材からなる前周面支持枠31が固定されている。前側金具26の前端で左右方向の中央には、下向きの折り返し片32によって前切欠部33が形成されている。
後側金具27は、前側金具26と対になる形状で、調理容器50の後部の外形状に合わせた後嵌合部34を有する。後側金具27の上面には、後嵌合部34の形状に沿って形成され、金属製の棒材からなる後周面支持枠35が固定されている。後側金具27の後端で左右方向の中央には、下向きの折り返し片36によって後切欠部37が形成されている。
【0013】
線状連結部28,28は、金属製の棒材を折曲してなる。線状連結部28,28の前後両端は、前側金具26及び後側金具27の下側で左右方向に延びる繋ぎ部38,38を介してそれぞれ繋がっている。前後の繋ぎ部38,38が前側金具26及び後側金具27の下面にそれぞれ固定されることで、両金具26,27は線状連結部28,28と連結される。
線状連結部28,28の前後両端は、繋ぎ部38,38の左右両端からそれぞれ下向きに延びた後、両金具26,27よりも下方位置で前後方向に延びる左右一対の支持部39,39となっている。線状連結部28,28の前後方向の中間部は、左右の支持部39,39と同じ間隔で前後方向に延び、支持部39,39よりも下方に位置する左右一対の底枠部40,40となっている。前後の支持部39,39と底枠部40,40との間には、上下方向に延びて両者を連結する縦枠部41,41が形成されている。
【0014】
外枠部29は、前後方向の支持部39,39の下側で左右方向へ延び、左右両端が下向きに傾斜する前後一対の短手辺部42,42と、短手辺部42,42の左右両端同士をそれぞれ繋いで前後方向に延びる左右一対の長手辺部43,43とからなる平面視矩形状となっている。外枠部29は、短手辺部42,42が前後の支持部39,39の下面にそれぞれ連結されて、底枠部40,40よりも上方位置で水平に支持されている。
こうして位置決め台25は、前後左右に対象な形状となっており、前後端を何れに向けても支持枠20に載置可能となっている。
【0015】
そして、浅底の調理容器50は、上面を開口させた箱状の容器本体51と、その容器本体51の開口を閉塞する蓋体52とからなる。容器本体51は、四隅をR形状として底面を波形形状とした平面視矩形状で、左右の両辺には、本体側耳部53,53が突設されている。各本体側耳部53には前後に長い透孔54がそれぞれ形成されている。容器本体51は、底面から上側へ行くに従って前後左右に広がるテーパ形状となっている。
蓋体52は、容器本体51と平面視が同形状で下面が開口し、外周に、容器本体51の開口に合致するフランジ部55を周設した浅箱状となっている。容器本体51と蓋体52とは何れも鉄製である。
フランジ部55における左右の両辺には、本体側耳部53,53の上側に位置する蓋側耳部56,56が突設されている。各蓋側耳部56にも前後に長い透孔57がそれぞれ形成されている。この両耳部53,56及び透孔54,57に図示しないハンドルを係止させることで、調理容器50に直接手を触れることなく持ち運び可能となる。
【0016】
また、蓋体52におけるフランジ部55の内側領域は、全周に亘り、外周側へ行くに従って下降する傾斜面となっている。後部の傾斜面には、複数の蒸気逃がし孔58,58・・が形成されている。
さらに、蓋体52の中央には、上方に突出するつまみ59が設けられている。
この調理容器50は、容器本体51が位置決め台25の前側金具26と後側金具27との間に納まる寸法で形成されており、両金具26,27間に嵌合させると、容器本体51は、線状連結部28,28の前後の支持部39,39上に載置される。この状態で容器本体51の前側の周面が、前側金具26の前嵌合部30と前周面支持枠31とに当接し、後側の周面が後側金具27の後嵌合部34と後周面支持枠35とに当接する。
【0017】
一方、深底の調理容器60も、図5に示すように、上面を開口させた箱状の容器本体61と、その容器本体61の開口を閉塞する蓋体62とからなる。但し、調理容器60は、調理容器50よりも前後の長さが短く、左右の幅が大きくなっており、容器本体61も、調理容器50の容器本体51より深底となっている。容器本体61は、四隅をR形状とした平面視矩形状で、左右の両辺には、本体側耳部63,63が突設されている。容器本体61は、底面から上側へ行くに従って前後左右に広がるテーパ形状となっている。
蓋体62は、容器本体61と平面視が同形状で、蓋体62の中央には、上方に突出するつまみ64が設けられている。容器本体61と蓋体62とは何れも鉄製である。
【0018】
以上の如く構成されたテーブルコンロ1においては、グリル庫10から引き出した支持枠20上に、受け皿23を、立ち上がり部22,22の間で下枠部21上に載置する。
次に、位置決め台25を、前側金具26の前切欠部33と後側金具27の後切欠部37とに立ち上がり部22,22の凸部を挿入させて前側金具26と後側金具27とをそれぞれ立ち上がり部22,22の肩部に係止させれば、図6に示すように、位置決め台25が立ち上がり部22,22によって前後方向へ水平に支持される。
そして、浅底の調理容器50を使用する場合は、位置決め台25の前側金具26の前嵌合部30と後側金具27の後嵌合部34との間で線状連結部28,28上に、被調理物を収容した調理容器50を載置する。すると、図2及び図3に示すように、容器本体51の前後の底面が、線状連結部28,28の前後の支持部39,39の上面にそれぞれ当接する。これと同時に、容器本体51の前後が、前嵌合部30と後嵌合部34とに嵌合し、前周面支持枠31と後周面支持枠35とにそれぞれ当接又は近接して位置決めされる。よって、調理容器50は、位置決め台25によって支持枠20の上方で水平に支持される。
【0019】
一方、深底の調理容器60を使用する場合は、図7に示すように、位置決め台25の線状連結部28,28の縦枠部41,41の間で且つ外枠部29の長手辺部43,43の間に、被調理物を収容した調理容器60をセットする。すると、図8及び図9に示すように、容器本体61が底枠部40,40上に支持される。このとき容器本体61は、左右の側面に長手辺部43,43が当接又は近接し、前後面に縦枠部41,41が当接又は近接することで、縦枠部41,41と長手辺部43,43との間で位置決めされる。図8,9では調理容器60内に、被調理物を載置する網65を収容している。
【0020】
こうして調理容器50又は60をグリル庫10内に収容した後、器体2の正面に設けたグリル5用の点消火ボタン6を押し操作すると、上下バーナ12,13へのガス流路が開放されて燃料ガスが供給されると共に、図示しないコントローラが点火電極14を作動させて上下バーナ12,13を燃焼させる。よって、調理容器50又は60は、上下バーナ12,13の炎により上下から加熱され、内部に収容した魚等の被調理物が加熱調理される。調理容器50又は60を加熱した燃焼排気は、グリル庫10の後部へ移動して排気ダクト11を通って排気口から排出される。
【0021】
上記形態のテーブルコンロ1において、位置決め台25は、各立ち上がり部22にそれぞれ支持される前側金具26及び後側金具27と、両金具26,27間に架設される左右一対の線状連結部28,28と、線状連結部28,28に固定される外枠部29と、を備える。
また、一対の線状連結部28,28は、前後両端部にそれぞれ設けられ、前側金具26及び後側金具27の下方から前後方向へ平行に延びる左右一対の支持部39,39と、前後方向の中間部に設けられ、支持部39,39より下側で前後方向へ平行に延びる左右一対の底枠部40,40と、前後の一対の支持部39,39と一対の底枠部40,40との端部同士をそれぞれ繋ぐ左右一対の縦枠部41,41と、を含む。
また、外枠部29は、一対の線状連結部28,28の左右外側で前後方向へ平行に延びる左右一対の長手辺部43,43を含む。
そして、調理容器50(第1の調理容器)は、前後の一対の支持部39,39に跨がって載置可能であると共に、当該載置状態では、前側金具26が調理容器50の前側に、後側金具27が調理容器50の後側にそれぞれ位置して位置決めされる。
また、調理容器60(第2の調理容器)は、一対の底枠部40,40に載置可能で、当該載置状態では、前側の一対の縦枠部41,41が調理容器60の前側に、後側の一対の縦枠部41,41が調理容器60の後側にそれぞれ位置して前後方向が位置決めされると共に、外枠部29の一対の長手辺部43,43が調理容器60の左右外側に位置して左右方向が位置決めされる。
【0022】
この構成の採用により、位置決め台25の形状がシンプルとなる。よって、サイズ違いの調理容器50,60に1つの位置決め台25で対応可能としつつ、位置決め台25の製造コストを抑えることができる。また、洗浄やメンテナンスも容易となって手間が簡易化される。
特に、外枠部29は、前後の支持部39,39にそれぞれ固定されて線状連結部28よりも左右外側に延びる前後一対の短手辺部42,42をさらに含み、一対の長手辺部43,43は、前後の短手辺部42,42の左右両端同士を繋いで前後方向へ平行に延びる構成となっている。よって、外枠部29の形状が安定し、長手辺部43,43の剛性を確保できる。
【0023】
なお、位置決め台に係る発明について、線状連結部は、前側金具と後側金具との下方で前後端が繋がる枠状である必要はなく、左右それぞれ分離した線状体で形成してもよい。
前側金具及び後側金具の周面支持枠は省略できる。
外枠部も、短手辺部は左右両端が下向きに傾斜する形状でなく、直線状としてもよい。前後の短手辺部が1本でなく、左右に分断される形状であってもよい。短手辺部は、線状連結部の支持部でなく縦枠部に連結してもよい。短手辺部を省略し、長手辺部の前後端を上方へ折曲して前側金具と後側金具とにそれぞれ連結することもできる。長手辺部の前後端の一方を線状連結部に連結し、他方を前側金具若しくは後側金具に連結することもできる。
調理容器も、平面視矩形状に限らず、例えば平面視が正方形状や前後端が半円形状となるもの等、位置決め台を介してグリル庫内で支持可能であれば他の形状であっても差し支えない。
その他、支持枠の形態は適宜変更可能で、支持枠に焼き網台が別に設けられたものや、支持枠と一体となった受け皿に焼き網台が載置されるものであってもよい。受け皿が下枠部に載置されない支持枠であってもよい。
そして、上記形態では、グリル付コンロとしてグリル付のテーブルコンロについて説明しているが、グリル付のビルトインコンロであっても各発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1・・テーブルコンロ、2・・器体、3・・天板、4・・コンロ部、5・・グリル、9・・五徳、10・・グリル庫、11・・排気ダクト、12・・上バーナ、13・・下バーナ、16・・レールユニット、20・・支持枠、21・・下枠部、23・・受け皿、25・・位置決め台、26・・前側金具、27・・後側金具、28・・線状連結部、29・・外枠部、30・・前嵌合部、34・・後嵌合部、38・・繋ぎ部、39・・支持部、40・・底枠部、41・・縦枠部、42・・短手辺部、43・・長手辺部、50,60・・調理容器、51,61・・容器本体、52,62・・蓋体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9