(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072422
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】機能性フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220510BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 Z
A62B18/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181842
(22)【出願日】2020-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】315018565
【氏名又は名称】株式会社グローバルアイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000822
【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
(72)【発明者】
【氏名】岩田 修司
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】煩雑な動作を必要とせず、下部を簡単に開閉でき、快適かつ衛生的に利用できるフェイスシールドを提供する。
【解決手段】顔の上半分の位置に対応したセンターシールドと、下半分の位置に対応したマウスシールドと、フェイスベルトを備えるフェイスシールドであって、マウスシールドの外面に取り付けられているフック紐の先端に設けたフック面を外向きに引っ張ることにより、センターシールドとマウスシールドの境界部に設けられた折り罫線状を基点にマウスシールドが外側に開き、フック面をセンターシールドの面上に設けているループ面に接合することにより、マウスシールドがフック紐の長さに応じた開放角度を維持する。マウスシールドの外面に取り付けられているフック紐の先端に設けたフック面を外向きに引っ張ることにより、指先をフェイスシールド内側に触れることなくマウスシールドの開閉ができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔の上半分の位置に対応したセンターシールドと、
下半分の位置に対応したマウスシールドと、
フェイスベルト、を備えるフェイスシールドであって、
前記マウスシールドの外面に取り付けられているフック紐の先端に設けたフック面を外向きに引っ張ることにより、前記センターシールドと前記マウスシールドの境界部に設けられた折り罫線状を基点に前記マウスシールドが外側に開き、前記フック面を前記センターシールドの面上に設けているループ面に接合することにより、前記マウスシールドが前記フック紐の長さに応じた開放角度を維持することを特徴とする機能性フェイスシールド。
【請求項2】
前記マウスシールドの外面に取り付けられている前記フック紐の先端に設けた前記フック面を外向きに引っ張ることにより、指先をフェイスシールド内側に触れることなく前記マウスシールドの開閉ができることを特徴とする請求項1に記載の機能性フェイスシールド。
【請求項3】
前記センターシールドの内面に保冷剤挿入ボックスを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性フェイスシールド。
【請求項4】
フェイスシールドの材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、トリアセテート(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリイミド(PI)を含む透明な絶縁材料から選択される少なくとも1つの材料を用いたことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の機能性フェイスシールド。
【請求項5】
アルカリ金属ケイ酸塩化合物、又は、リン酸チタニア系化合物をベースとする透過率向上薄膜がフェイスシールド表面に形成されたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の機能性フェイスシールド。
【請求項6】
請求項1~5の何れかの機能性フェイスシールドの作製方法であって、
2次元もしくは3次元形状の金型を用いて、トムソン裾面切加工またはトムソン天面切加工による真空成形プロセスにより作製されることを特徴とする機能性フェイスシールドの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルスの飛沫防止を目的としたフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスに感染した患者(感染者)が咳やくしゃみ、あるいは大きな声を出してしゃべると、飛沫が空気中に飛び出し浮遊する。浮遊した飛沫微粒子が非感染者の眼の結膜、鼻腔、口腔粘膜に付着するとウイルスの感染リスクが高くなる。フェイスシールドはそれを防ぐために顔面に設けて、ウイルス感染を防護する有効な個人防護具である。
WHO(世界保健機関)が推奨しているフェイスシールドの主な要件として、A)透明プラスチック製で視界がよいもの、B)頭にしっかり固定でき、額にぴったり合うように着用できる調節可能なバンドがあるもの、C)顔全体を完全に覆うもの、D)曇りにくいものが望ましい、が挙げられており、
図8に示すようなフェイスシールド体101にフェイスベルト102が付いたフェイスシールド100が一般的な形状の一つとしている。先行技術としては、表示部材と、止め部材と、結合部材で構成されるフェイスガードが知られている(特許文献1を参照)。特許文献1についても、表示部材が
図8に示すフェイスシールド体101に当たり、止め部材がフェイスベルト102に当たるため、フェイスシールド100と同様の構造であるといえる。
【0003】
厚生労働省では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、フェイスシールド100の有効性を示しており全国の医療機関に配布している。
厚生労働省が発表している咳、くしゃみによる飛沫感染予防策として、感染者の2m以内に近づかないことを挙げており、これは通常、飛沫はある程度の重さがあるため1~2m以内に落下する。つまり2m以上離れている場合には感染リスクが低下することから、有効なソーシャルディスタンスとして人々に実施を要請している。
これに加え厚生労働省は国の専門家会議が提言した「新しい生活様式」に沿った生活スタイルの実践例を示している。実践例では日常生活を営む上での基本的生活様式の一つとして食事環境についても触れており、その中で食事中は食事に集中して会話(おしゃべり)は控えめと提示している。この実践例を踏まえて、レストランや居酒屋等ではテーブル間の距離をあけたり、一つ置きの椅子に座ることを実践している他、テーブル間に飛沫防止のためのパーテションを設けて、飛沫感染の防止策に注意をはらっている。
【0004】
ホテルや旅館の宿泊先や居酒屋、レストラン等での食事処は、家庭では味わえない料理を食べながら、多くの人が集まる場所での自然に笑顔がこぼれる光景を身近に感じて楽しむ場でもあり、人々に幸福感を与えてくれる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け安心して楽しめる場を提供するために、ある飲食店では医療現場で用いる形状のフェイスシールドを利用して、どのような注意と工夫をすれば従来のように楽しい食事ができるかの実験も試みられている。しかし医療現場で使用するフェイスシールドを食事の場に持ち込む際には、以下のような課題を解決する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新型コロナウイルスの感染を防止する策として、感染者からの飛沫を遮断するフェイスシールドは有効な個人防護具であるが、医療現場で用いているこのようなフェイスシールドを会話と食事を楽しむレストランや飲食店で使用するには、以下の課題を解決する必要がある。
1)フェイスシールドを顔に付けて会話(おしゃべり)するには、
図8に示すように飛沫防止のためフェイスシールドを口元まで下げておく必要があり、飲食する場合には
図9に示すように顔面より大きいフェイスシールド100を口元より上に上げる必要がある。会話と飲食の繰り返しは、このような動作を頻繁に行うことになるので、この煩雑な動作が食事の楽しみを妨げる可能性がある。
【0007】
また、飲食のためにフェイスシールド100を口元より上に上げる際、
図9に示すように、例えば右手105をフェイスシールド体101の内側をもって上げるので、右手105の指先にはフェイスシールド体101の内側に既に付着している飛沫痕106に触れる可能性が高い。飛沫痕106が付着した手で他の人たちが同じように触る箸立て、醤油さし、割りばし、コップ、ビール瓶等に触ると、他の人の指にも間接的に飛沫痕106が付着する可能性がある。
【0008】
さらに、フェイスシールドを顔に付けて食事すると、顔全体にフェイスシールド100を覆っているので、料理の内容によっては顔中央部の温度が上昇し不快感が生じたり、また外気温が高い環境ではフェイスシールドと顔面間の温度が高まり同様に不快感が増したりする。
【0009】
かかる状況に鑑みて、本発明は、煩雑な動作を必要とせず、下部を簡単に開閉でき、快適かつ衛生的に利用できるフェイスシールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明の機能性フェイスシールドは、顔の上半分の位置に対応したセンターシールドと、下半分の位置に対応したマウスシールドと、フェイスベルトを備えるフェイスシールドであって、マウスシールドの外面に取り付けられているフック紐の先端に設けたフック面を外向きに引っ張ることにより、センターシールドとマウスシールドの境界部に設けられた折り罫線状を基点にマウスシールドが外側に開き、該フック面をセンターシールドの面上に設けているループ面に接合することにより、マウスシールドがフック紐の長さに応じた開放角度を維持する。かかる構成とされることによりフェイスシールドを顔から外すことなく、会話と飲食が安全を確保しながら繰り返し行うことができる。
【0011】
本発明の機能性フェイスシールドは、マウスシールドの外面に取り付けられているフック紐の先端に設けたフック面を外向きに引っ張ることにより、指先をフェイスシールド内側に触れることなくマウスシールドの開閉ができる。かかる構成とされることにより、飲食時においてフェイスシールド内側に既に付着している飛沫痕に指が触れることがないので、他の人たちも同じように触る箸立て、醤油さし、割りばし、コップ、ビール瓶等に指を介しての飛沫痕付着が防止できる。
【0012】
本発明の機能性フェイスシールドは、センターシールドの内面に保冷剤挿入ボックスを設ける。かかる構成とされることにより、料理の内容によっては顔中央部の温度が上昇し不快感が生じたり、また外気温が高い環境ではフェイスシールドと顔面間の温度が高くなることによる不快感を抑制することができるので、快適な食事や過ごしやすい環境を作り出すことが可能となる。
【0013】
本発明機能性フェイスシールドは、フェイスシールドの材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP/OPP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS/OPS)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、トリアセテート(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリイミド(PI)を含む透明な絶縁材料から選択される少なくとも1つの材料を用いる。これにより、透明性の高いフェイスシールドが実現できる。
【0014】
本発明の機能性フェイスシールドは、アルカリ金属ケイ酸塩化合物、又は、リン酸チタニア系化合物をベースとする透過率向上薄膜がフェイスシールド表面に形成される。これにより、透過性や防曇性が向上することができる。
【0015】
本発明の機能性フェイスシールドの作製方法は、上記の何れかの機能性フェイスシールドの作製方法であって、2次元や3次元形状の金型を用いて、トムソン裾面切加工またはトムソン天面切加工による真空成形プロセスにより機能性フェイスシールドを作製する。かかる作製方法によれば、容易に2次元あるいは3次元形状のフェイスシールドが作製できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の機能性フェイスシールドは会話(おしゃべり)と飲食が伴っても、顔全体を覆っているフェイスシールドを外すことなく、飛沫防止しながら飲食を可能としているので楽しい食事空間が提供できる。したがって、本発明の機能性フェイスシールドによれば、煩雑な動作を必要とせず、下部を簡単に開閉でき、快適かつ衛生的に利用できるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明のマウスシールドが一定の開放角度で開いた状態を示した図
【
図3】本発明のフェイスシールドの中央部(A1-A2)の断面図
【
図4】本発明のフェイスシールドの形状と視野の関係を示した図
【
図6】トムソン裾面切加工による真空成形プロセス図
【
図7】トムソン天面切加工による真空成形プロセス図
【
図9】従来のフェイスシールドで水を飲む場面を示した図
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例0019】
図1は、本発明のフェイスシールドの基本形状図である。
図2は、本発明のマウスシールドが一定の開放角度で開いた状態を示した図である。
図3は、本発明のフェイスシールドの中央部の断面図である。
図4は、本発明のフェイスシールドの形状と視野の関係を示した図である。以下、
図1、
図2、
図3、
図4を用いて本実施例について説明する。
図1は、本発明のフェイスシールド1の基本形状図であり、フェイスシールド1は顔の上半分の位置に対応したセンターシールド2と、下半分の位置に対応したマウスシールド10、およびフェイスベルト17より構成される。
会話(おしゃべり)時に飛沫微粒子が前方に飛ばないように、口元はマウスシールド10で覆っている。
【0020】
センターシールド2とマウスシールド10の境界部にあたる折り罫線部5は、折り罫線処理されており、マウスシールド外面11に取り付けられているフック紐14を外向きに引っ張ることにより、マウスシールド10が折り罫線処理された線状の折り罫線部5を基点にして外側に開放することができる。
マウスシールド内面12にはフック紐固着部15が設けられており、フック紐14の一端はマウスシールド10を貫通させて接合、固着されている。マウスシールド外面11にあるフック紐14は一定の長さになっており、その端にはフック面13が設けられている。フック面13は、センターシールド2の表面に設けられているループ面6と貼り剥がしができる面ファスナ構造となっている。
なお、センターシールド2の上部にはフェイスベルト17が設けられ、フェイスベルト17の両端部に設けたフェイスベルト孔18に紐やベルト等を通し、頭に巻き付けることによってフェイスシールド1を安定に取り付けることができる。
【0021】
図2は、マウスシールド10が一定の開放角度で開いた状態を示している。
マウスシールド10を一定の開放角度の状態で安定に固定するには、フック紐14の他端に設けられているフック面13をセンターシールド2に設けられているループ面6に貼付けることによって行う。マウスシールド外面11(
図1を参照)にあるフック紐14の長さが長ければマウスシールド10の開放角度が小さく、フック紐14の長さを短くすれば開放角度が大きくなる。フック紐14の長さを調節することにより、マウスシールド10の開放角度を調整することができるので、フェイスシールド1を利用する人が飲食し易いようにフック紐14の長さを調節して、マウスシールド10の開放角度を合わせることができる。
【0022】
また、マウスシールド10の開放角度はフック紐14の端に設けられているフック面13をセンターシールド2上のループ面6に接合することにより安定な状態で固定されるので、両手が自由となり楽しい飲食を行うことができる。
このようにマウスシールド10の開閉は、センターシールド2に取り付けられているループ面6と、フック紐14の端に設けられているフック面13との貼り剥がしによって行うことができるので、会話(おしゃべり)時にはフック面13をループ面6から剥がすことによってマウスシールド10は口元を覆い、飲食時にはフック面13をループ面6に貼り付けることによりマウスシールド10を口元から開放できるので、会話と飲食が頻繁であっても顔より大きいフェイスシールド1を顔の位置から移動しなくても、飛沫を防止しながら楽しい会話と飲食が可能となる。
【0023】
また会話と飲食の動作を繰り返す過程において、フック紐14を用いてマウスシールド10を持ち上げるので、飛沫痕19の付着したマウスシールド内面12に指が触れることなくマウスシールド10が開閉でき、手を介してのウイルス感染が防止できる。
すなわち、従来の医療用のフェイスシールドでは飲食する際にはフェイスシールドを口元から外すために、フェイスシールドの内側を手で持って移動させるので、その際にフェイスシールド内側に飛沫痕が付着していると、フェイスシールドの内側を持った指先には飛沫痕が付着する。飛沫痕が付着した手で他の人たちが触る箸立て、醤油さし、割りばし、コップ、ビール瓶等に触ると他の人の指にも飛沫痕が付着する可能性があり、ウイルス感染を引き起こすリスクが高くなる。
【0024】
本発明はマウスシールド内面12に触れることなくマウスシールド外面11に設けたフック紐14を用いてマウスシールド10の開閉を行うので、人の手を介しての間接的な飛沫痕19の付着が防止できる。
このように本発明は指を介して他の場所への飛沫痕19の移動(付着)がなくなると共に、フェイスシールド1を使用する人が好みの角度でマウスシールド10を開閉できるので、会話と飲食が楽しく安全を確保しながら繰り返し行うことができる。
【0025】
ここではマウスシールド10を一定の開放角度の状態で安定に固定するためにフック紐14を用いて説明したが、センターシールド2の面とマウスシールド外面11を別の貼り剥がし機能を有した部材や、はめ込み/取り外し機能を有した部材を用いて接合しても良い。
また、フック紐14の一端をマウスシールド10に貫通させて接合、固着させているが、マウスシールド10を貫通させずにマウスシールド外面11にフック紐固着部15を設けてフック紐14の一端を貼り付け、あるいは接着しても良い。
【0026】
図3は、センターシールド2の中央部のA1-A2線における断面を、A1-A2の断面16で示している。
本発明ではフェィスシールド1の作製は、真空成形加工とトムソン裾面切り加工を用いて行う(
図6と
図7で説明)。真空成形加工とトムソン裾面切り加工を用いて行うことから、センターシールド2の面と裾面8の面はA1-A2の断面16にして示しているように概略同一面になっている。顔の目や鼻の位置に対応する顔の側面部の形状は飛沫が横から掛からないようにすること、あるいは横側に飛沫しないようにすることと、フェィスシールド1を安定に顔に取り付けることができるために、センターシールド天井面9を先端(顔の後側)としてセンターシールド外側面3とセンターシールド内側面4を設けた形状としている。
【0027】
このような形状のフェィスシールド1の加工は、フェィスシールド1の形状と逆形状の金型を用いて真空成形加工により作製すると共に、トムソン裾面切り加工により裾面8の付近を切断して作製するのでセンターシールド天井面9の高さ位置と裾面8の高さ位置の間は、高さ方向に関して任意な高さのものを加工成形でき、フェィスシールド1の形状は高さ方向に関して3次元形状のものを作製することが可能となる。
従来のフェィスシールドは基本的には平坦な透明プラスチックを用いているので、3次元形状のフェイスシールドの実現はできなかったが、本発明のフェィスシールド1の形状は高さ方向(センターシールド天井面9と裾面8の間)に関して容易に3次元形状のものが作製できる。
【0028】
図4(1)は、両目で同時に見える範囲についての説明図(出典:視聴覚情報概論 樋渡涓二(著),30頁)であり、
図4(2)は、
図3におけるA1-A2の断面16のフェィスシールド1の形状による視野角への影響について説明する図である。
フェィスシールド1の形状は、センターシールド天井面9を先端としてセンターシールド外側面3とセンターシールド内側面4を設けた形状としている。
このようなフェィスシールド1の形状において、目とセンターシールド内側面4のコーナ部7の水平角度θが70°以上あれば、センターシールド外側面3とセンターシールド内側面4の存在が両目で同時に見える範囲外となるので、フェィスシールド1を顔に設けても視線に悪影響がなく、会話と飲食が楽しく安全を確保しながら繰り返し行うことが可能となる。