(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072433
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】経皮水分蒸散量抑制剤
(51)【国際特許分類】
A23L 33/135 20160101AFI20220510BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20220510BHJP
A61K 8/9728 20170101ALI20220510BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220510BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20220510BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220510BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20220510BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220510BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20220510BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20220510BHJP
A61K 36/488 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
A23L33/135
A61K35/744 ZNA
A61K8/9728
A61Q19/00
A61Q19/10
A61P17/00
A61P17/16
A61P43/00 105
A61P43/00 107
A61P37/04
A61K8/9789
A61K36/488
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020181863
(22)【出願日】2020-10-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月2日に食品開発展出展社プレゼンテーション(2020年) https://www.informa-japan.com/hi/seminar/presen.php?_ga=2.11593084.932877770.1604281293-1082705831.1604281293 にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】594045089
【氏名又は名称】オリザ油化株式会社
(72)【発明者】
【氏名】幸保 博樹
(72)【発明者】
【氏名】下田 博司
(72)【発明者】
【氏名】山田 和佳奈
(72)【発明者】
【氏名】竹田 翔伍
(72)【発明者】
【氏名】村井 弘道
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C087
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB09
4B018LB10
4B018MD86
4B018ME14
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB352
4C083AC012
4C083AC022
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4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC582
4C083AC642
4C083AD152
4C083AD512
4C083AD572
4C083AD622
4C083BB51
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC25
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE12
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC75
4C087CA09
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZB09
4C087ZB21
4C087ZB22
4C088AB59
4C088AC16
4C088AD22
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZB09
4C088ZB21
4C088ZB22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新規な経皮水分蒸散量抑制剤及びこれを用いた保湿剤を提供する。
【解決手段】1.葛のつる由来の乳酸菌を有効成分とする経皮水分蒸散量抑制剤。2.上記葛のつる由来の乳酸菌は、乳酸菌及び/またはその変異株であることを特徴とする上記1.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤。3.上記1.または上記2.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする肌荒れ改善剤。4.上記1.または上記2.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする保湿剤。5.葛のつる由来の乳酸菌及び/またはその変異株を有効成分とする角層保湿・バリアタンパク(インボルクリン,フィラグリン,トランスグルタミナーゼ1)発現促進剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)を有効成分とする経皮水分蒸散量抑制剤。
【請求項2】
上記葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)は、乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides) (特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株であることを特徴とする請求項1に記載の経皮水分蒸散量抑制剤。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする肌荒れ改善剤。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする保湿剤。
【請求項5】
葛のつる由来の乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides) (特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする角層保湿・バリアタンパク発現促進剤。
【請求項6】
葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする真皮コラーゲン密度改善剤。
【請求項7】
葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする肌質改善剤。
【請求項8】
葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とするIgA増加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮水分蒸散量抑制剤に関する。本発明は、飲食品、医薬品、医薬部外品、サプリメント、化粧品等に広く利用される。
【背景技術】
【0002】
皮膚の状態を維持、改善することは、時代、年代を問わず男女共に関心のある事項となっている。TEWL(trans epidermal water loss)とも略称される経皮水分蒸散量は、皮膚のバリア評価に用いられるものであり、TEWLを低く抑えることがバリアが高いと評価される。
【0003】
皮膚のバリアを高めるために、特許文献1では、有機変性粘土鉱物のTEWL抑制作用を更に高めるものとして、バラ科サクラ属の植物のエキスを含有させる皮膚外用剤が提案されている。また、特許文献2には、TEWLを抑制するものとして、重量平均分子量が25000~100000、融点が60℃~100℃であるプロピレン重合体と、融点60℃未満の炭化水素油と、25℃でペースト状のエステル油とを含有し、全油量が5~20質量%であり、この全油量に対する上記ペースト状エステル油の含有割合が10~50質量%である水中油型乳化組成物が提案されている(特許文献3)。
【0004】
潰瘍性大腸炎とクローン病は、炎症性腸疾患( I B D )の中でも、病因が未だ明らかではなく、難治性である。炎症性腸疾患に関わる要因としては、腸内細菌叢の異常、腸上皮細胞の分泌型IgA産生障害、腸粘膜下のサイトカインなどの因子が関わっている(特許文献4)。
また、Lactobacillus casei strain GGが腸でのIgA免疫反応を増加させ、それにより腸の免疫学的バリアを増進する可能性を有することが知られ、また、Lactobacillus rhamnosus GGの経鼻投与によって、呼吸器の細胞媒介免疫反応が増強されることによりマウスがインフルエンザウイルス感染から保護されることも報告されている。これにより、IgAはインフルエンザ感染等から防御する機能を有し、それ以外にも、口腔内においてウイルスの異物を防御する機能を有することが知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-153809号公報
【特許文献2】特開2016-79183号公報
【特許文献3】特開2018-177764号公報
【特許文献4】特開2018-008980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような背景の下、本発明者は、葛のつる由来の乳酸菌に経皮水分蒸散量抑制作用を有し、皮膚バリア機能改善用タンパク(インボルクリン、フィラグリンの発現量トランスグルタミナーゼ1)発現促進作用を有することを見出し、本発明を完成させた。また、臨床試験により、経皮水分蒸散量抑制作用を有し、コラーゲン密度を改善し、IgA増加作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、新規な経皮水分蒸散量抑制剤、皮膚バリア機能改善用タンパク発現促進剤、IgA増加剤、及びコラーゲン密度改善剤並びにこれらを用いたバリア改善剤提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1.葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)を有効成分とする経皮水分蒸散量抑制剤。
2.上記葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)は、乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides) (特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株であることを特徴とする上記1.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤。
3.上記1.または上記2.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする肌荒れ改善剤。
4.上記1.または上記2.に記載の経皮水分蒸散量抑制剤を有効成分とする保湿剤。
5.葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする角層保湿・バリアタンパク(インボルクリン,フィラグリン,トランスグルタミナーゼ1)発現促進剤。
6.葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする真皮コラーゲン密度改善剤。
7.葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とする肌質改善剤。
8.葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751) 株及び/またはその変異株を有効成分とするIgA増加剤。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】『クズノツル乳酸菌』の経皮水分蒸散量抑制作用(SDS塗布前)を示すグラフである。
【
図2】『クズノツル乳酸菌』の経皮水分蒸散量抑制作用(SDS塗布後)を示すグラフである。
【
図3】『クズノツル乳酸菌』の経皮水分蒸散量抑制作用(SDS塗布前後の変化量)を示すグラフである。
【
図4】『クズノツル乳酸菌』の経皮水分蒸散量抑制作用(SDS塗布後の塗布部位と未塗布部位の差)を示すグラフである。
【
図5】『クズノツル乳酸菌』の皮膚インボルクリンmRNA発現量を示すグラフである。
【
図6】『クズノツル乳酸菌』の皮膚フィラグリンmRNA発現量を示すグラフである。
【
図7】『クズノツル乳酸菌』の皮膚トランスグルタミナーゼ1mRNA発現量を示すグラフである。
【
図8】『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子の核酸配列を示す。
【
図9A】『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子(上段のSIID23149-01の配列)と比較対象であるLeuconostoc mesenteroidesに属するRIB.9186株(酒類総合研究所より入手、下段のSIID23149-02の配列)とを比較したアラインメントである。1243番目の核酸は、SIID23149-01では「G」であるのに対して、SIID23149-02では「A」である(
図9A~
図9Cに分けて記載)。
【
図9B】『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子(上段のSIID23149-01の配列)と比較対象であるLeuconostoc mesenteroidesに属するRIB.9186株(酒類総合研究所より入手、下段のSIID23149-02の配列)とを比較したアラインメントである。1243番目の核酸は、SIID23149-01では「G」であるのに対して、SIID23149-02では「A」である(
図9A~
図9Cに分けて記載)。
【
図9C】『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子(上段のSIID23149-01の配列)と比較対象であるLeuconostoc mesenteroidesに属するRIB.9186株(酒類総合研究所より入手、下段のSIID23149-02の配列)とを比較したアラインメントである。1243番目の核酸は、SIID23149-01では「G」であるのに対して、SIID23149-02では「A」である(
図9A~
図9Cに分けて記載)。
【
図10】『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子の核酸配列に基づく簡易分子系統樹である。
【
図11】『クズノツル乳酸菌』臨床試験におけるTEWL(頬)のプラセボ群、乳酸菌摂取群の変化量を示すグラフである。
【
図12】『クズノツル乳酸菌』臨床試験におけるTEWL(腕)のプラセボ群、乳酸菌摂取群の変化量を示すグラフである。
【
図13】『クズノツル乳酸菌』臨床試験における唾液IgAのプラセボ、乳酸菌摂取群の変化量を示すグラフである、
【
図14】『クズノツル乳酸菌』臨床試験におけるダーマラボ(コラーゲンスコア)の変化量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)を有効成分とすることを特徴とする。
【0010】
クズ(葛)はマメ科のつる性植物で、その根は葛根湯などの漢方薬の原料や吉野葛で知られた葛でんぷんの原料として広く用いられている。また、葛の花は二日酔いの予防なども目的とした漢方薬の原料として、つるは葛布や工芸品として、葉は家畜の飼料として古来より広く用いられている。葛のつる由来の乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)は、葛のつるから得られるものであれば特に限定されないが、乳酸菌 (Leuconostoc mesenteroides)であって、(特許微生物寄託センター受託番号 NITE P-02751)株及びその変異株が好ましい。より、優れたる経皮水分蒸散量抑制作用を有するからである。
【0011】
乳酸菌(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751)株の取得方法は、葛のつるを、抗生物質を添加した乳酸菌用の液体培地にて25℃~37℃で24~48時間集積培養し、得られた培養液をBCP加プレートカウントアガール培地に塗抹培養して、Leuconostoc mesenteroidesに属する新規のつる5株(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751)を選択することにより、得ることができる。
【0012】
葛のつるから分離した本件乳酸菌『クズノツル乳酸菌』(Leuconostoc mesenteroides)(特許微生物寄託センター受託番号:NITE P-02751)(なお、本明細書では、特許微生物センター受託番号:NITE AP-02601の乳酸菌を『クズノツル乳酸菌』とも称する)の代表的な培養条件は、MRS培地にて静置培養25~37℃で24~48時間であるが、これに限定されない。
【0013】
(菌学的特徴)
本発明のLeuconostoc mesenteroidesに属する新規の『クズノツル乳酸菌』(受託番号 NITE P-02751)は、Leuconostoc mesenteroidesに特徴的な以下の菌学的特徴を有し、ザワークラウトなどの発酵食品に用いられる。この菌は、以下の菌学的特徴を備えていた。
・グラム陽性の球菌で連鎖状ないし双球菌の形態である。
・糖を分解して乳酸菌と乳酸菌以外の短鎖脂肪酸の酢酸、エタノール、CO2などを生成するヘテロ乳酸菌に分類される。
(用語の定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において使用される用語「加熱菌体」とは、培養後に加熱殺菌した菌体をいう。限定されることはないが、代表的には、20~40℃で10~40時間培養した後に、70~121℃で10~60分間加熱殺菌した菌体をいう。
【0014】
『クズノツル乳酸菌』の変異株は、例えば、一般的な突然変異処理を施すこと、又は経代培養による適応若しくは自然変異により作製される。
前記突然変異処理は、一般的な変異原を用いて行われ得る。変異原としては、例えば、変異原作用を有する薬剤、紫外線などが挙げられる。変異原作用を有する薬剤としては、例えば、ストレプトマイシン、オフロキサシン、エチルメタンスルホネート、N-メチル-N′-ニトロ-N-ニトロソグアニジン、ブロモウラシル等のヌクレオチド塩基類似体、又は、アクリジン類などが挙げられる。
【0015】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の経皮水分蒸散量抑制剤を適宜配合するとよい。
【0016】
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤の食品素材を使用することができる。
【0017】
具体的な製法としては、経皮水分蒸散量抑制剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、前記経皮水分蒸散量抑制剤を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0018】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、飲食品に対して有効成分の含量が合計1~20wt%以下であるのが好ましい。
【0019】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の経皮水分蒸散量抑制剤を適宜配合して製造することができる。本発明の経皮水分蒸散量抑制剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0020】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることができる。また、坐剤などの形態としてもよい。更に、点眼薬として投与することができる。
【0021】
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5~200mg、子供では通常0.5~50mg程度投与することができる。
経皮水分蒸散量抑制剤の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3~15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01~10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0022】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む)として用いても、経皮水分蒸散量抑制作用を期待することができる。
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明の経皮水分蒸散量抑制剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
【0023】
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による経皮水分蒸散量抑制剤の他に、その経皮水分蒸散量抑制作用を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0024】
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、キウイ種子油、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0025】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
【0026】
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0027】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
【0028】
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0029】
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
【0030】
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
【0031】
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0032】
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、免疫賦活剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の免疫賦活剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
【0033】
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
【0034】
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0035】
本発明の経皮水分蒸散量抑制剤は、飲食品用組成物、薬品組成物、皮膚外用剤の原料として用いることができる。
これらに配合しうる製剤原料としては、上述した経皮水分蒸散量抑制剤に用いたものと同様のものを用いることができ、製造方法、投与方法も経皮水分蒸散量抑制剤と同様の方法を用いることができる。
【実施例0036】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる経皮水分蒸散量抑制剤の各種作用・効果等の確認のために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
【0037】
実施例
(1)『クズノツル乳酸菌』の単離
Leuconostoc mesenteroidesに属する『クズノツル乳酸菌』を、以下の手順で単離した。
・葛のつるを、抗生物質を添加した乳酸菌用の液体培地にて25℃~37℃で24~48時間集積培養
得られた培養液をBCP加プレートカウントアガール培地に塗抹培養して、Leuconostoc mesenteroidesに属する新規のつる5株を選択した。
上記のようにして得られたLeuconostoc mesenteroidesに属する『クズノツル乳酸菌』は、2018年7月11日に独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 特許生物寄託センター(NITE-IPOD)に寄託された(受託番号 NITE P-02751)。
(2)『クズノツル乳酸菌』の16S rDNA遺伝子解析
単離した『クズノツル乳酸菌』の16S rDNA遺伝子の塩基配列を決定した。その結果を
図8に示す(配列番号1)。
図9は、『クズノツル乳酸菌』株の16S rDNA遺伝子(上段のSIID23149-01、配列番号1)と比較対象であるLeuconostoc mesenteroidesに属するRIB.9186株(酒類総合研究所より入手、下段のSIID23149-02、配列番号2)とを比較したアラインメントである。
図10は、『クズノツル乳酸菌』の16S rDNA遺伝子の核酸配列に基づく簡易分子系統樹である。左上の線はスケールバーであり、系統枝の分岐に位置する数値はブーストラップ値であり、株名の末尾の「T」はその種の基準株(Type strain)を示す。
【0038】
試験例1:『クズノツル乳酸菌』の経皮水分蒸散量(TEWL)評価
試験方法
ヘアレスマウスに28日間,『クズノツル乳酸菌』粉末(特許微生物寄託センター受託番号:NITE NITE P-02751)(50または100 mg/kg)を経口投与し,背部皮膚のTEWLを測定した。その後,正中線を挟んで右側にドデシル硫酸ナトリウム水溶液(SDS溶液)を5分間湿布し,清拭した。この操作を計3日間繰り返した翌日に,再びTEWLを測定した。さらにその翌日に皮膚を採取し,インボルクリン,フィラグリンおよびトランスグルタミナーゼ1のmRNA発現量を調べた。
その結果を
図1(SDS塗布前)、
図2(SDS塗布後)、
図3(SDS塗布前後の変化量)
図4(SDS塗布後の塗布部位と非塗布部位の差)に示す。また
図5にはインボルクリンの発現量,
図6にはフィラグリンの発現量,
図7にはトランスグルタミナーゼ1の発現量を示した。これらは角質層のコーニファイドエンベロープに存在するタンパク質で,インボルクリンは表皮細胞の角質化,フィラグリンはケラチンと結合して角質層を強化,トランスグルタミナーゼ1は角質タンパクの架橋形成を促進する。
【0039】
測定結果及び試験例1における実施例の効果
図1及び
図2に示されるように、投与により、『クズノツル乳酸菌』によりTEWLが抑制されることが確認され、特にSDS塗布部位でTEWLが抑制されることが確認された。また、
図3に示されるように、TEWLの抑制作用がSDS塗布部位で濃度依存的に優れた作用を有することが確認された。また、
図4に示されるように、SDS塗布部と非塗布部との差を調べたところ100 mg/kg投与においてcontrolと比較して優位にTEWLが低下していることがわかる。さらに
図5,7に示すように,インボルクリンとトランスグルタミナーゼ1の発現量が有意に増加し,フィラグリンの発現量も
図6に示すように増加傾向を示したことから,『クズノツル乳酸菌』は保湿やバリア機能に関与する角層タンパク質の発現量を高めるものと考えられる。
以上により、『クズノツル乳酸菌』はTEWL抑制剤として有用であり、これにより、保湿剤として有用であることが確認された。また、SDS塗布部位で特にTEWLを抑制していることから肌荒れ改善剤としても有用であることが確認された。
【0040】
試験例2:『クズノツル乳酸菌』臨床試験
1. 試験概要
・試験期間:5/14-6/25(6週間)
・被験者:27名(男性:20名、女性:8名)
・試験デザイン:二重盲検比較試験(プラセボ群:14名、乳酸菌群:14名)
プラセボ群の女性1名が体調不良により脱落した。
・試験方法:唾液IgA、真皮コラーゲン密度、TEWL(経皮水分蒸散量)、アンケート(肌質に関するアンケート)により行った。なお、上記真皮コラーゲン密度はダーマラボ(登録商標)でコラーゲンスコア(ダーマラボにおいて、真皮中のコラーゲンの密度を表す。値が大きいほど一般的にコラーゲンが豊富で真皮コラーゲンの状態が良いといえる。)を測定することにより行った。
※アンケートは日本食生活学会誌第30巻第3号112-122(2020)に掲載された「乳酸菌発酵ろ液PS-B1服用による排便及び便の性状、肌質に関する影響」を参考に作成し、下記表1に示される表に回答をしていただいた。
その結果を
図11(TEWL(頬))、
図12(TEWL(腕))
図13(唾液IgA)、
図14(ダーマラボ(コラーゲンスコア)の変化量)、及び表2(肌質アンケート)に示す。
【表1】
【0041】
【0042】
結果及び試験例2における実施例の効果
(1)経皮水分蒸散量(TEWL)(頬)
図11に示されるように、プラセボ群、乳酸菌摂取群共に摂取前(0W)と比較して、それぞれの群内で4週間(4W)摂取、6週間(6W)摂取で有意に減少した。群間では有意差がつかなかったが、乳酸菌摂取群でより改善傾向がみられた。これにより、『クズノツル乳酸菌』は、頬においてTEWL改善作用を有することが確認された。
(2)経皮水分蒸散量(TEWL)(腕)
図12に示されるように、プラセボ群、乳酸菌摂取群共に摂取前(0W)と比較して、それぞれの群内で4W摂取、6W摂取で有意に減少した、群間では有意差がつかなかったが、乳酸菌摂取群で改善傾向がみられた。これにより、『クズノツル乳酸菌』は、腕においてもTEWL改善作用を有することが確認された。
(3)唾液IgA
図13に示されるように、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して4Wで有意にIgA量が増加した。群間では有意差がつかなかったが、乳酸菌摂取群でIgAの増加傾向がみられた(
図13参照)。これにより、『クズノツル乳酸菌』は、IgA増加作用を有することが確認された。
(4)ダーマラボ(真皮コラーゲン密度)
図14に示すように、真皮コラーゲンの密度を示す指標であるコラーゲンスコアが、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して4W、6W共に有意に上昇した。
また、群間では有意差がつかなかったが、乳酸菌摂取群で増加傾向がみられた。これにより、『クズノツル乳酸菌』は、真皮コラーゲンの密度を改善する作用を有することが確認された。
【0043】
(5)アンケート(肌質関係)
表2に示されるように、「つやのある肌」の項目では、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して4Wで有意に改善し、6Wでも改善傾向があった。
また、「ハリのある肌」の項目では、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して6Wで有意に改善した。
また、「色ムラのない肌」の項目では、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して4Wで改善傾向があった。
さらに、「べたつきが気にならない肌」の項目では、 乳酸菌摂取群では有意差がつかなかったがプラセボが悪化しているのに対し、乳酸菌摂取群では、変化がなかったので、プラセボとの比較により、改善傾向があったといえる。
また、「乾燥が気にならない肌」の項目では、乳酸菌摂取群のみ摂取前(0W)と比較して4W、6W有意に改善していた。この結果により、クズノツル乳酸菌は、肌質改善作用を有することが確認された。
【0044】
以上の結果より、経皮水分蒸散量(TEWL)及びコラーゲン密度改善効果と、唾液IgAの増加作用に加えアンケート(肌質関係)より、『クズノツル乳酸菌』は肌と免疫のWバリア機能があることが確認された。
【0045】
本発明による経皮水分蒸散量抑制剤(『クズノツル乳酸菌』)の配合例を示す。尚、以下の配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
経皮水分蒸散量抑制剤 0.5
100.0wt%
【0046】
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
経皮水分蒸散量抑制剤 1.0
100.0wt%
【0047】
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
経皮水分蒸散量抑制剤 0.4
100.0wt%
【0048】
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
経皮水分蒸散量抑制剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0049】
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
経皮水分蒸散量抑制剤 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0050】
配合例6:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
経皮水分蒸散量抑制剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
【0051】
配合例7:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
経皮水分蒸散量抑制剤 1.0
100.0wt%
【0052】
配合例8:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
経皮水分蒸散量抑制剤 1.0
100.0wt%
【0053】
配合例9:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
経皮水分蒸散量抑制剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0054】
配合例10:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
経皮水分蒸散量抑制剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
【0055】
配合例11:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
経皮水分蒸散量抑制剤 1.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
【0056】
配合例12:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L-アルギニン 1.0
経皮水分蒸散量抑制剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
【0057】
配合例13:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
経皮水分蒸散量抑制剤 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
Leuconostoc mesenteroidesに属する「つる5」株は、2018年7月11日に独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 特許生物寄託センター(NITE-IPOD)に寄託された(受託番号 NITE P-02751)。