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特開2022-72703アタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法
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  • 特開-アタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072703
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】アタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/22 20060101AFI20220510BHJP
   E06B 1/70 20060101ALI20220510BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
E06B3/22
E06B1/70 A
E06B7/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182299
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 城太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 雅紀
【テーマコード(参考)】
2E011
2E014
2E036
【Fターム(参考)】
2E011MA02
2E014AA03
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB03
2E014BC02
2E036AA02
2E036BA01
2E036DA02
2E036DA09
2E036EB02
2E036EC03
2E036FB01
2E036GA02
2E036HA01
2E036HB05
(57)【要約】
【課題】気密性を確保することができるアタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法を提供する。
【解決手段】アタッチメント7は、障子5の下框52のガラス59よりも屋外側に配置される屋外側壁部521に取り付けられ、取り外し可能に構成され、屋外側壁部521に取り付けられた状態で、屋外側壁部521の下端部よりも下方に延びる垂下部72と、下框52の屋外側壁部521に固定される固定部71と、を備え、垂下部72は、固定部71から下方に延びる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けられ、取り外し可能に構成され、前記屋外側壁部に取り付けられた状態で、前記屋外側壁部の下端部よりも下方に延びる垂下部を備えるアタッチメント。
【請求項2】
前記下框の前記屋外側壁部に固定される固定部を備え、
前記垂下部は、固定部から下方に延びる請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記垂下部の下端部に設けられ、気密材を支持する気密材支持部を有する請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記該屋外側壁部の下端部に取り付けられた状態で、前記垂下部の屋外側を向く面は、前記前記下框の前記屋外側壁部の屋外側を向く面と、鉛直面に沿う同一平面状に配置される請求項2または3に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記固定部は、前記下框の前記屋外側壁部に螺子で固定され、
前記固定部の屋内側の端部には、屋外側に凹むように取付孔が形成され、
該取付孔には、前記螺子の頭部から延びる螺子部が挿通可能とされている請求項2から4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
障子と、
該障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けられた請求項1から5のいずれか一項に記載のアタッチメントと、を備える建具。
【請求項7】
外障子と
該外障子の屋内側に配置された内障子と、
該外障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けられた請求項1から5のいずれか一項に記載のアタッチメントと、
前記外障子を支持する外レールが前記内障子を支持する内レールよりも低い高さに配置された下枠と、を備える建具。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載のアタッチメントを障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けるアタッチメントの取付方法であって、
連結具によって、前記アタッチメントを前記下框の前記屋外側壁部に取り付けるアタッチメントの取付方法。
【請求項9】
請求項5に記載のアタッチメントを障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けるアタッチメントの取付方法であって、
螺子の頭部から延びる螺子部を前記下框の前記屋外側壁部に螺合して、前記螺子部を前記アタッチメントの前記取付孔に挿通して、前記螺子を増し締めして前記アタッチメントを前記下框の前記屋外側壁部に取り付けるアタッチメントの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、引違いサッシ等の建具の下枠は、屋外側の端部が屋内側の端部よりも低い位置に配置されるように階段状に形成されているものがあった。外障子の下框は、この形状の下枠に対応して、ガラスよりも屋外側に配置される屋外部材の下端が、ガラスよりも屋内側に配置される屋内部材の下端よりも低い位置まで延びる形状をしていた(下記の特許文献1)。
【0003】
近年では、下枠が屋外側から屋内側にわたって同じ高さで形成され、障子の下框の屋外部材及び屋内部材が同じ高さで形成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-110444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の外障子を交換する場合に、階段状の下枠に、屋外部材及び屋内部材が同じ高さで形成された外障子を建て込むと、下枠と下框の下端部との間に大きな隙間が生じてしまい気密性が確保できないという問題点がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気密性を確保することができるアタッチメント、建具及びアタッチメントの取付方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るアタッチメントは、障子の下框におけるガラスよりも屋外側に配置される屋外側壁部に取り付けられ、取り外し可能に構成され、前記屋外側壁部に取り付けられた状態で、前記屋外側壁部の下端部よりも下方に延びる垂下部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】障子の交換前の建具を示した縦断面図。
図2】障子の交換後の建具を示した縦断面図。
図3図2の要部(下框部分)の拡大図。
図4】アタッチメントの固定部の取付孔を示した図。
図5】変形例に係る障子の交換後の縦断面図の要部(下框部分)の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態に係る建具の一例として引違い窓について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、図1に示す既設の引違い窓100の枠体1を現状のまま利用して(交換せずに)、外障子2及び内障子3を交換する際に、図2に示すように、既設の枠体1に設けられた新たな外障子5の下端部にアタッチメント7を設けたものである。
【0010】
既設の引違い窓100は、建築物の外壁の外壁開口部Waに設けられている。既設の引違い窓100は、枠体1と、外障子2と、内障子3と、網戸4と、を備えている。
【0011】
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。屋内外方向と直交する見付け方向のうち、水平方向に沿う方向を幅方向と称し、鉛直方向を上下方向と称する。
【0012】
枠体1は、四方枠状に形成されている。枠体1は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13と、を有している。本実施形態では、枠体1は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合(アルミニウム製部材と樹脂製部材とが組み付けられた構成)であってもよい。
【0013】
上枠11及び下枠12は、幅方向に延びている。縦枠13は、上下方向に延びている。
各縦枠13は、上枠11の端部と下枠12の端部とを連結している。
【0014】
下枠12は、上段部121と、一対の内レール支持部122と、内レール123と、中段部124と、一対の外レール支持部125と、外レール126と、下段部127と、網戸レール128と、を有している。
【0015】
上段部121は、下枠12の屋内側に配置されている。上段部121は、板状に形成されている。上段部121の板面は、上下方向を向いている。一対の内レール支持部122は、上段部121の屋外側の端部に設けられている。内レール支持部122は、上段部121から上方に突出している。内レール123は、一対の内レール支持部122の間に嵌合されている。内レール123は、後述する内障子3を支持している。
【0016】
中段部124は、上段部121よりも屋外側に配置されている。中段部124は、上段部121よりも低い高さに配置されている、中段部124は、板状に形成されている。中段部124の板面は、上下方向を向いている。一対の外レール支持部125は、中段部124の屋外側の端部に設けられている。外レール支持部125は、中段部124から上方に突出している。外レール126は、一対の外レール支持部125の間に嵌合されている。外レール126は、後述する外障子2を支持している。
【0017】
下段部127は、中段部124よりも屋外側に配置されている。下段部127は、中段部124よりも低い高さに配置されている。網戸レール128は、下段部127の屋外側の端部から上方に突出している。
【0018】
下枠12では、中段部124が上段部121よりも低い高さに配置され、下段部127が中段部124よりも低い高さに配置されている。外障子2を支持する外レール126が、内障子3を支持する内レール123よりも低い高さに配置されている。このように下枠12は階段状に形成されている。
【0019】
外障子2は、内障子3よりも屋外側に配置されている。外障子2及び内障子3は、枠体1に幅方向にスライド可能に設けられている。外障子2及び内障子3が閉じた状態で、外障子2及び内障子3は枠体1内を閉塞する。
【0020】
外障子2は、框体20と、ガラス29と、を有している。框体20は、四方枠状に形成されている。框体20は、上框21と、下框22と、一対の縦框23と、を有している。本実施形態では、框体20は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合であってもよい。上框21及び下框22は、幅方向に延びている。縦框23は、上下方向に延びている。各縦框23は、上框21の端部と下框22の端部とを連結している。
【0021】
下框22は、外板部221と、内板部222と、連結板部223と、を有している。外板部221は、ガラス29よりも屋外側に配置されている。内板部222は、ガラス29よりも屋内側に配置されている。外板部221及び内板部222は、板状に形成されている。外板部221の板面及び内板部222の板面は、屋内外方向を向いている。外板部221及び内板部222は、外障子2の幅方向の略全長にわたって配置されている。
【0022】
外板部221の上下方向の長さは、内板部222の上下方向の長さよりも長い。外板部221の上端部と内板部222の上端部とは、略同一の高さに位置している。外板部221の下端部221dは、内板部222の下端部222dよりも下方に位置している。
【0023】
下枠12の外レール支持部125よりも屋外側では、外障子2の下框22の外板部221の下端部221dを通るように水平方向に沿う気密ラインA1が形成されている。
【0024】
連結板部223は、外板部221の上下方向の中間と内板部222の上下方向の中間とを連結している。連結板部223には、上下方向に貫通する戸車孔(不図示)が形成されている。戸車孔には、戸車224が設けられている。戸車224は、下枠12の外レール126上を走行可能とされている。
【0025】
ガラス29は、框体20内に納められている。本実施形態では、ガラス29は、ペアガラスであるが、単板ガラス等であってもよい。
【0026】
内障子3は、框体30と、ガラス39と、を有している。框体30は、四方枠状に形成されている。框体30は、上框31と、下框32と、一対の縦框33と、を有している。本実施形態では、框体30は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合であってもよい。上框31及び下框32は、幅方向に延びている。縦框33は、上下方向に延びている。各縦框33は、上框31の端部と下框32の端部とを連結している。下框32には、戸車324が設けられている。戸車324は、下枠12の内レール123上を走行可能とされている。
【0027】
ガラス39は、框体30内に納められている。本実施形態では、ガラス39は、ペアガラスであるが、単板ガラス等であってもよい。
【0028】
網戸4は、外障子2よりも屋外側に配置されている。網戸4は、下枠12の網戸レール128上を走行可能とされている。
【0029】
図2に示すように、新設の引違い窓200は、既設の引違い窓100の枠体1をそのまま利用して、既設の外障子2及び内障子3を、新設の外障子5及び内障子6に交換したものである。交換後の新設の外障子5を新外障子5とし、交換後の新設の内障子6を新内障子6とする。新設の引違い窓200の構成要素において、既設の引違い窓100の構成要素と同一のものは同一の符号を付して、その構成要素の説明を省略する。
【0030】
新設の引違い窓200は、枠体1と、新外障子5と、新内障子6と、網戸4と、を備えている。
【0031】
新外障子5は、框体50と、ガラス59と、を有している。框体50は、四方枠状に形成されている。框体50は、上框51と、下框52と、一対の縦框53と、を有している。本実施形態では、框体50は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合であってもよい。上框51及び下框52は、幅方向に延びている。縦框53は、上下方向に延びている。各縦框53は、上框51の端部と下框52の端部とを連結している。
【0032】
ガラス59は、框体50内に納められている。本実施形態では、ガラス59は、既設の引違い窓100のガラス29よりも断熱性が良いトリプルガラスであるが、単板ガラスやペアガラス等であってもよい。
【0033】
新内障子6は、新外障子5とガラス59の長さが異なる以外は同様の構成であり、同一の符号を付して説明を省略する。新内障子6の下框52と新外障子5の下框52とは、同じ長さ及び同じ断面形状である。
【0034】
新外障子5において、上框51の上下方向の長さは、既設の引違い窓100の外障子2の上框21の上下方向の長さよりも短い。下框52の上下方向の長さは、下框22の上下方向の長さよりも短い。縦框53の幅方向の長さは、縦框23の幅方向の長さよりも短い。これによって、新外障子5のガラス59の上下方向の及び幅方向の長さが、既設の外障子2ガラス29の上下方向の及び幅方向の長さよりも長くすることができ、採光性や断熱性を既設よりも高めることができる。
【0035】
図3に示すように、新外障子5の下框52の下端部には、アタッチメント7が設けられている。下框52は、第一外板部(屋外側壁部)521と、第二外板部522と、第一内板部523と、第二内板部524と、連結板部525と、を有している。
【0036】
第一外板部521は、ガラス59よりも屋外側に配置されている。第二外板部522は、第一外板部521よりも屋内側に配置されている。屋外側壁部521と第二外板部522は、屋内外方向に対向配置されている。第一外板部521と第二外板部522との間には、中空部が形成されている。屋外側壁部521の下端部と第二外板部522の下端部とは、同じ高さに位置している。第一外板部521及び第二外板部522は、板状に形成されている。第一外板部521の板面及び第二外板部522の板面は、屋内外方向を向いている。第一外板部521及び第二外板部522は、新外障子5の幅方向の略全長にわたって配置されている。
【0037】
第一内板部523は、ガラス59よりも屋内側に配置されている。第二内板部524は、第一内板部523よりも屋外側に配置されている。第一内板部523及び第二内板部524は、板状に形成されている。第一内板部523の板面及び第二内板部524の板面は、屋内外方向を向いている。第一内板部523及び第二内板部524は、新外障子5の幅方向の略全長にわたって配置されている。
【0038】
連結板部525は、第二外板部522の上下方向の中間と第二内板部524の上下方向の中間とを連結している。連結板部525には、上下方向に貫通する戸車孔(不図示)が形成されている。戸車孔には、戸車526が設けられている。
【0039】
第一外板部521の下部と第二外板部522の下部とは、外連結壁部531で連結されている。外連結壁部531には、上下方向に貫通するねじ孔532が形成されている。ねじ孔532には、後述する螺子78が螺合されている。
【0040】
第一外板部521の下端部には、屋内側に延びる第一外係止壁部533が設けられている。第二外板部522の下端部には、屋外側に延びる第二外係止壁部534が設けられている。第一外係止壁部533と第二外係止壁部534とは、同じ高さに位置している。第一外係止壁部533と第二外係止壁部534との間には、隙間が形成されている。この隙間に、螺子(連結具)78が挿通されている。
【0041】
第一内板部523の下端部には、屋外側に延びる第一内係止壁部535が設けられている。第二内板部524の下端部には、屋内側に延びる第二内係止壁部536が設けられている。第一内係止壁部535と第二内係止壁部536との間には、内側気密材541が嵌合されている。内側気密材541は、第一内係止壁部535及び第二内係止壁部536に沿って、下框52の略全長にわたって配置されている。内側気密材541の屋外側の端部は、外レール支持部125に当接している。
【0042】
アタッチメント7は、下框52の下端部に取り付けられている。アタッチメント7は、第一外係止壁部533及び第二外係止壁部534に沿って配置されている。アタッチメント7は、下框52の略全長にわたって配置されている。アタッチメント7は、固定部71と、垂下部72と、を有している。本実施形態では、アタッチメント7はアルミニウム等の金属製であるが、樹脂製等他の材料で構成されていてもよい。
【0043】
固定部71は、第一外係止壁部533の下面及び第二外係止壁部534の下面に沿って配置されている。固定部71は、板状に形成されている。固定部71の板面は上下方向を向いている。図4に示すように、固定部71の屋内側の端部711には、屋外側に凹むように取付孔712が形成されている。取付孔712は、固定部71の長手方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0044】
取付孔712は、螺子挿通孔部713及び螺子固定孔部714によって形成されている。螺子挿通孔部713は、端部711から略矩形状に凹む形状をしている。螺子固定孔部714は、螺子挿通孔部713に連続して形成され、略円形状をしている。螺子挿通孔部713の幅(新外障子5の幅方向における長さ)W1は、後述する螺子78の螺子部781の径よりも長い。これによって、螺子部781が螺子挿通孔部713を挿通可能とされている。螺子固定孔部714の直径W2は、螺子挿通孔部713の幅W1よりも長く、螺子78の頭部782の径よりも短い。これによって、頭部782が螺子固定孔部714に係止される。
【0045】
図3に示すように、螺子78のボルトナット形状(六角形)をした頭部782から上方に延びる螺子部781が、固定部71の取付孔712に挿通され、下框52の第一外係止壁部533と第二外係止壁部534との間の隙間に挿通され、外連結壁部531のねじ孔532に螺合されている。
【0046】
垂下部72は、固定部71の屋外側の端部から下方に延びている。垂下部72は、板状に形成されている。垂下部72の板面は、屋内外方向を向いている。垂下部72の屋外側を向く面72aは、下框52の第一外板部521の屋外側を向く面521aと、鉛直面に沿う同一平面状に配置されている。
【0047】
垂下部72の上下方向の中間には、屋内側に延びる延出壁部73が設けられている。延出壁部73の屋内側の端部には、下方に延びる下向き壁部74が設けられている。
【0048】
垂下部72の下端部には、屋内側に延びる第一支持壁部(気密材支持部)721が設けられている。向き壁部74の下端部には、屋外側に延びる第二支持壁部(気密材支持部)741が設けられている。
【0049】
第一支持壁部721と第二支持壁部741との間には、外側気密材(気密材)542が嵌合されている。外側気密材542は、第一支持壁部721の下面及び第二支持壁部741の下面に沿って、下框52の略全長にわたって配置されている。外側気密材542の屋内側の端部は、外レール支持部125に当接している。外側気密材542は、内側気密材541と同一形状であり、屋内外方向に対称に配置されている。
【0050】
第一支持壁部721及び第二支持壁部741は、既設の引違い窓100の下框22の外板部221の下端部221d(図1参照)と同一の高さに位置している。これによって、新設の引違い窓200の気密ラインA2は、既設の引違い窓100の気密ラインA1と略同一の高さとされている。
【0051】
下枠12の一対の外レール支持部125の間には、新設の外レール8が嵌合されている。外レール8は、レール基部81と、一対のレール係止壁部82と、レール本体83と、を有している。レール基部81は、一対の外レール支持部125の上側に配置されている。一対のレール係止壁部82は、レール基部81から下方に延びている。一対のレール係止壁部82は、屋内外方向に離間して配置されている。レール係止壁部82は、外レール支持部125に係止されている。レール本体83は、レール基部81から上方に突出している。レール本体83の下端部では、屋外側の面から屋内側に湾曲して凹む凹部831が形成され、屋内側の面から屋外側に湾曲して凹む凹部831が形成されている。レール本体83の上端部は、屋内外方向に沿う鉛直断面で上に湾曲して膨らむ形状をしている。レール本体83に沿って、下框52に設けられた戸車526が走行可能とされている。
【0052】
上記のアタッチメント7を下框52に取り付けるには、螺子78の螺子部781を、下框52の第一外係止壁部533と第二外係止壁部534との間に隙間に挿通して、外連結壁部531のねじ孔532に緩く螺合しておく。このとき、螺子78の螺子部781と第一外係止壁部533及び第二外係止壁部534との間には、アタッチメント7の固定部71の厚み(上下方向の長さ)分以上の隙間を確保しておく。螺子部781における第一外係止壁部533と第二外係止壁部534よりも下方に延びている部分に、アタッチメント7の固定部71の取付孔712を挿通させるように、アタッチメント7を屋外側から屋内側に移動させる。取付孔712の螺子固定孔部714が螺子部781に到達したところで位置決めがされる。この位置で螺子78を増し締めして、螺子部781を外連結壁部531のねじ孔532に完全に螺合する。
【0053】
このように構成された新設の引違い窓200では、新外障子5の下框52の第一外板部521よりも下方に延びるアタッチメント7が取り付けられている。よって、新外障子5の下框52の下端部(第一外係止壁部533及び第二外係止壁部534)が既設の外障子2の下框22の下端部221dよりも高い位置にあっても、アタッチメント7の下端部(第一支持壁部721及び第二支持壁部741)を気密ラインA2とすることができるため、気密性を確保することができる。
【0054】
新設の引違い窓200では、アタッチメント7の固定部71が第一外板部521の下端部に固定される。垂下部72の上下方向の長さ分、気密ラインA2を下框52の下端部よりも低い位置にすることができる。
【0055】
新設の引違い窓200では、アタッチメント7の垂下部72の下端部には、第一支持壁部721及び第二支持壁部741が設けられている。第一支持壁部721の下面及び第二支持壁部741の下面に沿って、外側気密材542が設けられている。これによって、アタッチメント7の下部で気密性を確保することができる。
【0056】
新設の引違い窓200では、アタッチメント7の垂下部72の屋外側を向く面72aは、下框52の第一外板部521の屋外側を向く面521aと、鉛直面に沿う同一平面状に配置されている。これによって、屋外側から見て、下框52及びアタッチメント7の外観を高めることができる。
【0057】
新設の引違い窓200では、固定部71には、螺子78の螺子部781が挿通可能な取付孔712が形成されている。予め下框52に取り付けた螺子78を緩く螺合しておいて、螺子部781に固定部71の取付孔712を挿通させた後、螺子78を完全に螺合すればよい。これによって、アタッチメント7の固定部71の下方には延出壁部73が配置されているため、螺子78を固定するドライバー等の工具を固定部71の下方に配置することができなくても、螺子78のボルトナット形状をした頭部782を屋内側からレンチ等の工具で締め付けて、アタッチメント7を螺子78で固定することができる。
【0058】
新設の引違い窓200では、既設の階段状をなす下枠12において、外障子を交換して、新外障子5にアタッチメント7を設けて、既設の気密ラインA1と略同じ高さに新設の気密ラインA2を設けることができる。
【0059】
(変形例)
上記に示す一実施形態の変形例に係る建具ついて、主に図5を用いて説明する。下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図5に示すように、新設の引違い窓200Aには、下框52の下端部にアタッチメント7Aが設けられている。アタッチメント7Aは、固定部71と、屋外側板部75と、屋内側板部76と、連結壁部77と、を有している。
【0061】
固定部71には、上方に突出する係止片部716が設けられている。係止片部716の下部は、固定部71から上方に延びている。係止片部716の下部は屋内外方向に幅狭に形成され、係止片部716の上部は屋内外方向に幅広に形成されている。係止片部716の下部は、下框52の第一外係止壁部533と第二外係止壁部534との間に挿通されている。係止片部716の上部は、第一外係止壁部533の上部及び第二外係止壁部534の上側に係止されている。係止片部716を第一外係止壁部533と第二外係止壁部534との間に挿通する際には、下框52の幅方向の端部から挿入する。
【0062】
屋外側板部75は、固定部71の屋外側の端部から下方に延びている。屋内側板部76は、固定部71の屋内側の端部から下方に延びている。連結壁部77は、屋外側板部75と屋内側板部76とを連結している。
【0063】
屋外側板部75の下端部には、屋内側に延びる第一支持壁部(気密材支持部)751が設けられている。屋内側板部76の下端部には、屋外側に延びる第二支持壁部(気密材支持部)761が設けられている。
【0064】
第一支持壁部751と第二支持壁部761との間には、外側気密材542が嵌合されている。外側気密材542は、第一支持壁部751の下面及び第二支持壁部761の下面に沿って、下框52の略全長にわたって配置されている。外側気密材542の屋内側の端部は、外レール支持部125に当接している。
【0065】
螺子(連結具)79の螺子部791は、アタッチメント7Aの連結壁部77に形成された取付孔に挿通され、固定部71及び係止片部716に形成された取付孔に挿通され、下框52の外連結壁部531のねじ孔532に螺合されている。螺子79をアタッチメント7Aの下方から挿通するために、第一支持壁部751及び第二支持壁部761には螺子79の頭部792が挿通可能な切欠き752,762が形成されている。
【0066】
このように構成された新設の引違い窓200Aでは、新外障子5の下框52の第一外板部521よりも下方に延びるアタッチメント7Aが取り付けられている。よって、新外障子5の下框52の下端部(第一外係止壁部533及び第二外係止壁部534)が既設の外障子2の下框22の下端部221dよりも高い位置にあっても、アタッチメント7の下端部(第一支持壁部751及び第二支持壁部761)を気密ラインA2とすることができるため、気密性を確保することができる。
【0067】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0068】
例えば、実施形態では、建具の一例として引違い窓を例に挙げて説明している。これに限られない。開き窓やすべり出し窓等にもアタッチメントを取り付けてもよい。あるいは、引違い窓の内障子にもアタッチメントを取り付けてもよい。
【0069】
実施形態では、アタッチメント7の垂下部72の屋外側を向く面72aは、下框52の第一外板部521の屋外側を向く面521aと、鉛直面に沿う同一平面状に配置されているが、これに限られない。垂下部72の面72aと第一外板部521の面521aとは屋内外方向に位置がずれた位置に配置されていてもよい。
【0070】
実施形態では、連結具として螺子78,79を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。リベットやグロメット等のファスナー部材によって、アタッチメントを下框の屋外側壁部に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…枠体、2…既設の外障子、3…既設の内障子、4…網戸、5…新設の外障子、6…新設の内障子、7,7A…アタッチメント、8…外レール、22…既設の外障子の下框、29…既設の外障子のガラス、52…新設の外障子の下框、59…新設の外障子のガラス、71…固定部、72…垂下部、78,79…螺子(連結具)、123…内レール、126…外レール、521…第一外板部(屋外側壁部)、542…外側気密材(気密材)、712…取付孔、721…第一支持壁部(気密材支持部)、741…第二支持壁部(気密材支持部)、781…螺子部、782…頭部
図1
図2
図3
図4
図5