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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072713
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】注文管理装置及び注文処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220510BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182310
(22)【出願日】2020-10-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)小規模事業者持続化補助金申請書類(コロナ特別対応型) 公開日:令和2年8月5日 公開場所:日本商工会議所
(71)【出願人】
【識別番号】520425165
【氏名又は名称】ハイファイブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】久島 信耶
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
5L049BB58
(57)【要約】      (修正有)
【課題】限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡し可能な注文管理装置及び注文処理方法を提供する。
【解決手段】物販システムにおける管理サーバ10は、ユーザー端末からの商品の注文を処理する制御部20と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータを記憶するイベントデータベース43と、を備える。制御部20は、ユーザー端末から位置情報を取得すること、位置情報がイベント範囲内の場合には、ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、位置情報がイベント範囲外の場合には、ユーザー端末に対して商品の注文を不可にすること、及び、ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること、を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末からの商品の注文を処理する制御部と、
イベント範囲を示す情報を含むイベントデータを記憶するイベントデータベースと、
を備え、
前記制御部は、
前記ユーザー端末から位置情報を取得すること、
前記位置情報が前記イベント範囲内の場合には、前記ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して前記商品の注文を不可にすること、及び、
前記ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること、
を行うことを特徴とする注文管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の注文管理装置であって、
前記イベントデータには、複数の時間帯を設定するための設定時間帯情報が含まれており、
前記制御部は、
前記設定時間帯情報に基づいて、複数の前記時間帯のうちのいずれかを前記ユーザー端末に選択させること、及び
前記ユーザー端末により選択された前記時間帯に基づいて、前記受け取り時間を決定し、前記受け取り時間を指定する前記引換証を前記ユーザー端末に発行すること
を行うことを特徴とする注文管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注文管理装置であって、
前記制御部は、前記ユーザー端末からの前記注文に応じて、決済処理を行った後に前記引換証を前記ユーザー端末に発行することを特徴とする注文管理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の注文管理装置であって、
前記制御部は、限定商品に関する情報を前記ユーザー端末に表示させつつ、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して、限定商品の注文を不可にすることを特徴とする注文管理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の注文管理装置であって、
前記制御部は、
ユーザーが商品を受け取った日時を示す受け取り日時情報をスタッフ端末から取得し、当該ユーザーの注文データに対応付けて前記受け取り日時情報を注文データベースに保存すること、
感染症に関する報告データを受信すること、
前記報告データに示された前記ユーザーに対応する前記注文データである第1注文データを、前記注文データベースから抽出すること、
前記第1注文データに対応する前記受け渡し時間を取得すること、
前記第1注文データの前記受け渡し時間の近傍の前記受け渡し時間の前記注文データである第2注文データを、前記注文データベースから抽出すること、及び
前記第2注文データに対応付けられたユーザーの連絡先に、注意情報を送付すること
を行うことを特徴とする注文管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の注文管理装置であって、
前記制御部は、前記注文データベースから前記第2注文データを抽出する際に、前記第1注文データの前記受け取り日時と前記第2注文データの前記受け取り日時との差が所定の閾値の範囲内となる前記第2注文データを抽出しており、
前記第1注文データの前記受け取り日時の前と後とで、前記閾値が異なることを特徴とする注文管理装置。
【請求項7】
ユーザー端末からの商品の注文を処理する注文処理方法であって、
イベント範囲を示す情報を含むイベントデータをイベントデータベースに予め記憶すること、
前記ユーザー端末から位置情報を取得すること、
前記位置情報が前記イベント範囲内の場合には、前記ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して前記商品の注文を不可にすること、及び、
前記ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること
を行うことを特徴とする注文処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文管理装置及び注文処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンサート等のイベントの際に、当該イベントに関連する商品(イベントグッズ)をECサイト上で販売したり、イベント会場の販売ブースで販売したりすることが行われている。また、特許文献1には、イベント会場において物品の販売を行うための物販システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6434093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
販売されるイベントグッズの中には、イベント会場だけで限定的に販売される商品(限定商品)がある。このような限定商品を購入するために、購入希望者(例えば熱烈なファン)は、販売開始前から販売ブースの前に長時間並ぶ必要がある。しかし、夏場の炎天下に購入希望者が長時間並び続けることは、購入希望者の体調面を考慮すると望ましくない。また、新型コロナウイルス等に対する感染症対策の面からも、購入希望者が長時間並び続けることは望ましくない。加えて、限定商品の購入希望者が販売ブースの前に長時間並ぶことによって、他のブースを利用する時間が奪われてしまい、イベントグッズの販売機会が奪われてしまうという問題も生じる。このため、限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡しすることが望まれている。
【0005】
本発明は、限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡しすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、ユーザー端末からの商品の注文を処理する制御部と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータを記憶するイベントデータベースと、を備え、前記制御部は、前記ユーザー端末から位置情報を取得すること、前記位置情報が前記イベント範囲内の場合には、前記ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して前記商品の注文を不可にすること、及び、前記ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること、を行うことを特徴とする注文管理装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡しすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態の物販システム100の説明図である。
図2図2は、管理装置10の機能を説明するためのブロック図である。
図3図3は、管理装置10のハードウェアを説明するためのブロック図である。
図4図4は、データ記憶部40に記憶される各種データの説明図である。
図5図5は、商品購入までの処理フローの説明図である。
図6A図6Aは、ユーザー端末1に表示される初期画面61の説明図である。
図6B図6Bは、新規登録画面62の説明図である。
図6C図6Cは、イベント選択画面63の説明図である。
図6D図6Dは、商品画面64の一例である商品一覧画面64Aの説明図である。
図6E図6Eは、商品画面64の一例である商品詳細画面の説明図である。
図6F図6Fは、エラー画面64Cの説明図である。
図6G図6Gは、商品画面64の一例であるカート画面64Dの説明図である。
図6H図6Hは、商品画面64の一例である注文確定画面64Eの説明図である。
図6I図6Iは、引換画面65の説明図である。
図7図7は、第1実施形態の注文処理部24が行う決定処理のフロー図である。
図8図8は、商品受け取りの処理フロー図である。
図9図9は、第2実施形態の注文処理部24が行う決定処理のフロー図である。
図10A図10Aは、商品画面64の一例である商品詳細画面の説明図であり、限定商品の商品詳細画面の説明図である。
図10B図10Bは、商品画面64の一例である商品詳細画面の説明図であり、限定商品の商品詳細画面の説明図である。
図11図11Aは、第1変形例の商品一覧画面64Aの説明図である。図11Bは、第2変形例の商品一覧画面64Aの説明図である。
図12図12は、第3実施形態の追跡処理のフロー図である。
図13図13は、第3実施形態の初期画面61の説明図である。
図14図14Aは、第1注文データの説明図である。図14Bは、追跡対象の連絡先の取得方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
ユーザー端末からの商品の注文を処理する制御部と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータを記憶するイベントデータベースと、を備え、前記制御部は、前記ユーザー端末から位置情報を取得すること、前記位置情報が前記イベント範囲内の場合には、前記ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して前記商品の注文を不可にすること、及び、前記ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること、を行うことを特徴とする注文管理装置が明らかとなる。このような注文管理装置によれば、限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡しすることが可能になる。
【0012】
前記イベントデータには、複数の時間帯を設定するための設定時間帯情報が含まれており、前記制御部は、前記設定時間帯情報に基づいて、複数の前記時間帯のうちのいずれかを前記ユーザー端末に選択させること、及び、前記ユーザー端末により選択された前記時間帯に基づいて、前記受け取り時間を決定し、前記受け取り時間を指定する前記引換証を前記ユーザー端末に発行すること、を行うことが望ましい。これにより、ユーザーの希望する時間帯に商品を受け渡すことができる。
【0013】
前記制御部は、前記ユーザー端末からの前記注文に応じて、決済処理を行った後に前記引換証を前記ユーザー端末に発行することが望ましい。これにより、商品の在庫を確保することができ、商品の受け渡し時に商品が不足することを防止できる。
【0014】
前記制御部は、前記商品に関する情報を前記ユーザー端末に表示させつつ、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して、前記商品の注文を不可にすることが望ましい。これにより、ユーザーの購買意欲を刺激することができる。
【0015】
前記制御部は、ユーザーが商品を受け取った日時を示す受け取り日時情報をスタッフ端末から取得し、当該ユーザーの注文データに対応付けて前記受け取り日時情報を注文データベースに保存すること、感染症に関する報告データを受信すること、前記報告データに示された前記ユーザーに対応する前記注文データである第1注文データを、前記注文データベースから抽出すること、前記第1注文データに対応する前記受け渡し時間を取得すること、前記第1注文データの前記受け渡し時間の近傍の前記受け渡し時間の前記注文データである第2注文データを、前記注文データベースから抽出すること、及び、前記第2注文データに対応付けられたユーザーの連絡先に、注意情報を送付すること、を行うことが望ましい。これにより、感染症の拡大防止を図ることができる。
【0016】
前記制御部は、前記注文データベースから前記第2注文データを抽出する際に、前記第1注文データの前記受け取り日時と前記第2注文データの前記受け取り日時との差が所定の閾値の範囲内となる前記第2注文データを抽出しており、前記第1注文データの前記受け取り日時の前と後とで、前記閾値が異なることが望ましい。これにより、感染症の追跡を適切に行うことができる。
【0017】
ユーザー端末からの商品の注文を処理する注文処理方法であって、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータをイベントデータベースに予め記憶すること、前記ユーザー端末から位置情報を取得すること、前記位置情報が前記イベント範囲内の場合には、前記ユーザー端末に対して商品の注文を可能にし、前記位置情報が前記イベント範囲外の場合には、前記ユーザー端末に対して前記商品の注文を不可にすること、及び、前記ユーザー端末からの注文に応じて、受け取り時間を指定する引換証を前記ユーザー端末に発行すること、を行うことを特徴とする注文処理方法が明らかとなる。このような注文処理方法によれば、限定商品の購入希望者を長時間並ばせずに、スムーズに限定商品を販売・受け渡しすることが可能になる。
【0018】
===第1実施形態===
<全体構成>
図1は、本実施形態の物販システム100の説明図である。
【0019】
本実施形態の物販システム100は、コンサート等のイベントの際に、当該イベントに関連する商品(イベントグッズ)を販売するシステムである。販売対象となる商品の中には、イベント会場だけで限定的に販売される商品(限定商品)も含まれる。本実施形態の物販システム100は、管理装置10を備えている。管理装置10は、通信ネットワーク2を介してユーザー端末1と通信可能である。通信ネットワーク2は、例えば電話回線網(公衆電話回線網、携帯電話回線網)、無線通信網、インターネット、LANなどであり、ここではインターネットを想定している。
【0020】
ユーザー端末1は、イベントの参加者や、商品(イベントグッズ)の購入希望者が所持する端末である。ユーザー端末1は、例えばスマートフォンである。ユーザー端末1は、ディスプレイを備えており、後述する各種画面を表示可能である。また、ユーザー端末1は、例えばGPSモジュールを備えており、位置情報(緯度及び経度を示す情報)を取得可能である。ユーザー端末1には、後述する各種処理を行うためのプログラム(専用のアプリケーションプログラム、若しくは汎用のブラウザプログラム)が予めインストールされている。
【0021】
スタッフ端末3は、物販ブースの販売スタッフが扱う端末である。スタッフ端末3は、例えばタブレット端末である。スタッフ端末3は、通信ネットワーク2を介して管理装置10と通信可能である。スタッフ端末3には、バーコード読取装置3Aが有線又は無線を介して接続されている。
【0022】
管理者端末4は、イベントや商品の管理を行う管理者が扱う端末である。管理者端末4は、例えばノートパソコンのようなコンピューターである。管理者端末4は、通信ネットワーク2を介して管理装置10と通信可能である。
【0023】
決済サーバー5は、決済処理を行うためのサーバーである。決済サーバー5は、例えば決済代行サービスを行う業者が運営するサーバーである。
【0024】
図2は、管理装置10の機能を説明するためのブロック図である。図3は、管理装置10のハードウェアを説明するためのブロック図である。
【0025】
管理装置10は、イベントに関連する商品(イベントグッズ)の注文を管理する装置(注文管理装置)であり、例えばパーソナルコンピューターやサーバーなどのコンピューターによって構成される。管理装置10は、図3に示すように、演算処理装置51と、記憶装置52と、通信装置53とを有する。図中の各要素は、不図示のバスを介して接続されている。演算処理装置51は、管理装置10の制御を司る装置である。演算処理装置51は、例えばCPU、GPU、AIチップ等により構成される。記憶装置52は、例えばRAM等の主記憶装置52Aと、ハードディスクドライブやSSD等の補助記憶装置52Bとにより構成される。記憶装置52に記憶されているプログラムを演算処理装置51が読み出して実行することにより、後述する各種処理が実行される。通信装置53は、通信ネットワーク2に接続するための装置であり、例えば通信モジュール等により構成される。管理装置10は、入力装置54(例えばキーボード、マウスなど)や、表示装置55(例えばディスプレイ)等を備えていても良い。管理装置10は、1台のコンピューターで構成されても良いし、複数台のコンピューターで構成されても良い。管理装置10を複数台のコンピューターで構成する場合、後述する複数の機能を機能毎に別々のコンピューターに分けて実現しても良いし、同じ機能を複数のコンピューターで分散処理させても良い。
【0026】
管理装置10は、図2に示すように、制御部20と、データ記憶部40とを有する。なお、管理装置10は、ユーザー端末1からの商品の注文を処理する制御部20と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータ(後述)を記憶するイベントデータベース43とを備える。
【0027】
制御部20は、管理装置10が行うべき各種処理を行い、ユーザー端末1からの商品の注文を処理する。制御部20は、演算処理装置51が記憶装置52に記憶されている制御プログラムを実行して各種制御を行うことによって実現される。制御部20は、ユーザー管理部21と、商品管理部22と、イベント管理部23と、注文処理部24と、受け渡し処理部26と、追跡処理部27とを有する。制御部20の各機能については後述する。なお、第1、第2実施形態では追跡処理部27は無くても良い。
【0028】
データ記憶部40は、所定のデータを記憶するための記憶部である。データ記憶部40は、主に記憶装置52の記憶領域の一部により実現される。ここでは、データ記憶部40は、ユーザーデータベース41と、商品データベース42と、イベントデータベース43と、注文データベース44とを備える。
【0029】
図4は、データ記憶部40に記憶される各種データの説明図である。
【0030】
ユーザーデータベース41は、ユーザーに関するデータ(ユーザーデータ)のデータベースである。ユーザーデータベース41には、複数のユーザーデータが含まれている。ユーザーデータは、ユーザーに関するデータであり、ここでは、ユーザーを識別するための識別子とある「ユーザーID」と、ユーザーに関する各種情報(ユーザー情報)とを対応付けたデータである。ここでは、「ユーザー情報」として、「ユーザー名(ユーザーの姓名)」、「住所」、「メールアドレス」、「パスワード」が含まれている。なお、ユーザーのメールアドレスをユーザーIDとしても良い。また、ユーザーデータに他の情報(例えば電話番号や生年月日など)が含まれても良い。後述するように、ユーザーがユーザー端末1を使って管理装置10に新規登録を行うことによって、そのユーザーのユーザーデータがユーザーデータベース41に追加されることになる。
【0031】
商品データベース42は、商品に関するデータ(商品データ)のデータベースである。商品データベース42には、複数の商品データが含まれている。商品データは、商品に関するデータであり、ここでは、商品を識別するための識別子となる「商品ID」と、商品に関する各種情報(商品情報)とを対応付けたデータである。ここでは、「商品情報」として、「商品画像(画像データ)」、「商品コード」、「商品名」、「商品説明」、「価格」、「在庫数」、「イベントID」、「限定フラグ」が含まれている。商品データの「商品コード」は、その商品のバーコードや二次元コードを示す情報である。商品データの「イベントID」は、商品が販売されるイベントを示す情報であり、後述するイベントデータと紐付けられた情報である。「限定フラグ」は、その商品が限定商品(イベント会場で限定的に販売される商品)であるか否かを設定するフラグである(なお、第1実施形態では「限定フラグ」が無くても良い)。商品データに他の情報(例えば販売期間など)が含まれても良い。
【0032】
商品を取り扱う管理者は、管理者端末4を使って、管理装置10に商品情報を送信することになる(商品を登録することになる)。管理装置10の商品管理部22(図2参照)は、管理者端末4から商品情報を受信すると、新たな商品IDを生成し、受信した商品情報をその商品IDに対応付けた商品データを商品データベース42に追加することになる。なお、管理装置10の商品管理部22(図2参照)は、管理者端末4から受信した指示データに基づいて、商品データの商品情報を編集(更新)・削除することも可能である。
【0033】
イベントデータベース43は、イベントに関するデータ(イベントデータ)のデータベースである。イベントデータベース43には、複数のイベントデータが含まれている。イベントデータは、イベントに関するデータであり、ここでは、イベントを識別するための識別子となる「イベントID」と、イベントに関する各種情報(イベント情報)とを対応付けたデータである。ここでは、イベント情報として、「イベント画像」、「イベント名」、「イベント説明」、「イベント範囲」、「開始日時」、「終了日時」、「受け取り設定フラグ」、「設定時間帯」、「人数枠」が含まれている。
【0034】
イベントデータの「イベント範囲」は、イベント会場の範囲を特定する情報であり、例えば緯度及び経度を示す情報が含まれている。例えば、緯度、経度及び半径を指定することによって緯度及び経度で特定された点を中心とする円の内部をイベント範囲として特定することができる。また、この場合、半径を長大(例えば無限大)に設定することも可能である。なお、イベント範囲の特定方法は、これに限られるものではなく、例えば、緯度及び経度によって2点を指定することによって指定した2点を対角線とする矩形の内部をイベント範囲として特定しても良い。
イベントデータの「受け取り設定フラグ」は、商品の受け取り時間(後述)を設定する際に、「先着順」とするか、「ユーザー側で選択可能」とするかを設定するためのフラグである。受け取り設定フラグが「先着順」を示す場合、商品の受け取り時間をユーザー側で設定することができなくなり、商品の受け取り時間が注文順に設定されることになる。「受け取り設定フラグ」が「ユーザー側で設定可能」を示す場合、商品の受け取り時間をユーザー側で選択することが可能になる(後述)。
イベントデータの「設定時間帯」は、商品の受け取り時間をユーザー側で選択させる際に、選択肢となる時間帯を示す情報である。例えば、「設定時間帯」として、「12:00~12:50」、「13:00~13:50」、「14:00~14:50」などの複数の時間帯が設定されることになる(後述)。
イベントデータの「人数枠」は、「設定時間帯」で設定された時間帯で商品の受け渡しを可能とする人数(定員)を示す情報である。「設定時間帯」に複数の時間帯が設定されている場合には、それぞれの時間帯に対して「人数枠」を設定することが可能である。後述するように、「人数枠」の示す数は、ユーザーからの注文に応じて、更新されることになる。
なお、イベントデータに他の情報(例えばアーティスト名など)が含まれても良い。
【0035】
イベントを取り扱う管理者は、管理者端末4を使って、管理装置10にイベント情報を送信することになる(イベントを登録することになる)。管理装置10のイベント管理部23(図2参照)は、管理者端末4からイベント情報を受信すると、新たなイベントIDを生成し、受信したイベント情報をそのイベントIDに対応付けたユーザーデータをユーザーデータベース41に追加することになる。なお、管理装置10のイベント管理部23(図2参照)は、管理者端末4から受信した指示データに基づいて、イベントデータのイベント情報を編集(更新)・削除することも可能である。
【0036】
注文データベース44は、注文データのデータベースである。注文データベース44には、複数の注文データが含まれている。注文データは、ユーザーが行った注文を示すデータであり、注文を識別するための識別子となる「注文ID」と、注文内容を示す「注文情報」と、受け取り状況を示す「受取情報」とを対応付けたデータである。
ここでは、注文情報として、「ユーザーID」、「イベントID」、「受け取り時間帯」、「購入商品情報」が含まれている。注文データの「ユーザーID」は、注文を行ったユーザーを示す情報であり、ユーザーデータと紐付けられた情報である。注文データの「イベントID」は、注文に対応するイベントを示す情報であり、イベントデータと紐付けられた情報である。「受け取り時間帯」は、注文に応じた商品をユーザーが受け取る時間帯を示す情報である。「購入商品情報」は、注文された商品を示す情報であり、商品IDと、注文点数とを対応付けた情報である。購入商品情報の「商品ID」は、注文された商品を示す情報であり、商品データと紐付けられた情報である。購入商品情報の「注文点数」は、対応する商品の注文された点数(個数)を示す情報である。
また、ここでは受取情報として、「ステータス」、「受け取り日時」、「スタッフID」が含まれている。「ステータス」は、受け取り状況を示す情報であり、例えば、「受け取り前」、「受け取り完了」、「注文のキャンセル」を示す情報である。「受け取り日時」は、注文に応じた商品をユーザーに受け渡した日時を示す情報である。「スタッフID」は、ユーザーに商品を受け渡したスタッフを示す情報であり、不図示のスタッフデータベースのスタッフID(スタッフを識別する識別子)と紐付けられた情報である。なお、注文データに他の情報(例えば、注文された商品の合計点数(総数)や合計金額など)が含まれても良い。
【0037】
後述するように、ユーザーがユーザー端末1を使って商品を注文するときに、管理装置10が注文データベース44に注文データ(注文情報)を登録することになる。また、後述するように、販売スタッフがスタッフ端末3を使ってユーザーに商品を受け渡したことを報告したときに、管理装置10が注文データベース44に注文データ(受取情報)を登録することになる。
【0038】
<商品の購入>
図5は、商品購入までの処理フローの説明図である。
【0039】
図6Aは、ユーザー端末1に表示される初期画面61の説明図である。本実施形態のユーザー端末1には、次述する各種処理を実行するためのプログラムがインストールされている。ユーザー端末1は、プログラムを起動すると、例えば所定のWEBサイトにアクセスして、図6Aに示す初期画面61をディスプレイに表示することになる。なお、図6Aに示す初期画面61(ログイン画面)は、図6Eに示す画面のカートボタン75が押された時に表示されても良い。なお、ユーザー端末1は、次述する管理装置10の一部の処理を行っても良い。
【0040】
図6Bは、新規登録画面62の説明図である。図6Aの初期画面61の新規登録ボタン71が選択されると(新規登録ボタン71が操作されたことをユーザー端末1が検出すると)、ユーザー端末1は、図6Bの新規登録画面62をディスプレイに表示する。未登録のユーザーは、新規登録画面62上で、所定のユーザー情報を入力し、登録ボタン74を押して新規登録を行うことになる(S001)。ユーザー端末1は、登録ボタン74が操作されたことを検出すると、新規登録画面62に入力されたユーザー情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、ユーザー端末1からユーザー情報を受信すると、ユーザーデータベース41(図4参照)に新たなユーザーデータを新規登録する。すなわち、管理装置10のユーザー管理部21(図2参照)は、ユーザー端末1からユーザー情報を受信すると、新たなユーザーIDを生成し、そのユーザーIDに対してユーザー端末1から受信したユーザー情報を対応付けたユーザーデータをユーザーデータベース41に追加する(S101)。
【0041】
なお、管理装置10のユーザー管理部21(図2参照)は、必要に応じて、ユーザー端末1に新規登録が完了したことを通知しても良い。また、その際に、ユーザー管理部21は、ユーザーIDをユーザー端末1に通知しても良い。
【0042】
登録済みのユーザーは、図6Aの初期画面61上で、メールアドレス(又はユーザーID)とパスワードを入力し、ログインボタン72を押すことになる(S002)。ユーザー端末1は、ログインボタン72が操作されたことを検出すると、初期画面61に入力されたメールアドレスとパスワードを管理装置10に送信する。管理装置10のユーザー管理部21(図2参照)は、ユーザー端末1から受信したメールアドレス(又はユーザーID)及びパスワードと、ユーザーデータベース41(図4参照)に登録されているユーザーデータとを照合する(S102:ユーザー認証処理)。受信したメールアドレス(又はユーザーID)及びパスワードがユーザーデータベース41に登録されていなければ、エラーコードをユーザー端末1に送信する。受信したメールアドレス(又はユーザーID)及びパスワードがユーザーデータベース41に登録されていれば、管理装置10は、ユーザー管理部21による処理を終えて、注文処理部24(図2参照)による処理に移行する。
【0043】
図6Cは、イベント選択画面63の説明図である。管理装置10の注文処理部24は、ユーザー認証処理後、イベントデータベース43(図4参照)に登録されているイベントデータ(例えばイベントIDやイベント画像)を抽出し、イベントデータを含むイベント選択データ(図6Cに示すイベント選択画面63を表示させるためデータ)をユーザー端末1に送信する(S103)。ユーザー端末1は、受信したイベント選択データに基づいて、図6Cに示すイベント選択画面63を表示する(S003)。ユーザーは、イベント選択画面63上で、購入予定の商品を販売するイベント(ユーザーが参加するイベント)の画像ボタン(イベント画像)を押すことになる。ユーザー端末1は、イベントの画像ボタン(イベント画像)が操作されたことを検出すると、選択されたイベントに対応するイベントIDを管理装置10に送信する(S004)。
【0044】
なお、本実施形態では、注文処理部24は、ユーザー端末1からイベントIDを取得することによってイベントを特定しているが、イベントを特定する方法は、これに限られるものではない。例えば、注文処理部24は、ユーザー端末1から取得した位置情報と、イベントデータベース43に登録されているイベントデータの「イベント範囲」とを照合することによって、イベントを特定しても良い。また、注文処理部24は、ユーザー端末1に初期画面61上でイベントのチケット情報を入力させ、そのチケット情報を取得することによってイベントを特定しても良い。このような場合には、注文処理部24は、イベント選択画面63をユーザー端末1に表示させなくても良い。
【0045】
次に、管理装置10の注文処理部24は、商品データ(例えば商品IDや商品画像)を含む商品画面データをユーザー端末1に送信する(S104)。ユーザー端末1は、受信した商品画面データに基づいて商品画面64(後述;図6D図6H参照)を表示し、ユーザーが商品画面64上で所定の操作を行ったときに、操作結果データ(商品画面64上での操作結果を示すデータ)を管理装置10に送信する(S005:商品選択処理)。言い換えると、本実施形態では、注文処理部24は、商品画面データをユーザー端末1に送信することによって(S104)、ユーザー端末1に所定の商品画面64を表示させるとともに、ユーザー端末1から操作結果データを取得する(S005)。本実施形態では、次に説明するように、管理装置10の注文処理部24による商品画面データの送信(S104)と、ユーザー端末1による商品選択処理(S005)は、複数回行われる。但し、管理装置10の注文処理部24による商品画面データの送信や、ユーザー端末1による商品選択処理の回数は、1回だけでも良い。また、本実施形態では、次に説明するように、ユーザー端末1から取得した位置情報がイベントの範囲内の場合には、限定商品の注文を可能にするとともに、位置情報がイベントの範囲外の場合には、限定商品の注文を不可にした上で、ユーザー端末1からの注文に応じて受け取り時間を指定する引換証をユーザー端末1に発行することになる。
【0046】
図6Dは、商品画面64の一例である商品一覧画面64Aの説明図である。管理装置10の注文処理部24は、ユーザー端末1からイベントIDを受信した後(又はイベントを特定した後)、そのイベントIDに対応付けられている商品データを商品データベース42(図4参照)から抽出し、抽出された商品データに含まれる商品IDや商品画像に基づいて商品一覧画面データを生成し、商品一覧画面データ(商品画面データの一例)をユーザー端末1に送信する(S104)。ユーザー端末1は、受信した商品一覧画面データに基づいて、図6Dに示す商品一覧画面64A(商品画面64の一例)を表示する(S005)。ユーザーは、商品一覧画面64A上で、購入希望の商品(注文する商品)の画像ボタン(商品画像)を押すことになる。ユーザー端末1は、商品の画像ボタン(商品画像)が操作されたことを検出すると、選択された商品に対応する商品ID(操作結果データの一例)を管理装置10に送信する(S005)。
【0047】
管理装置10の注文処理部24は、ユーザーに選択された商品に対応する商品IDをユーザー端末1から受信した後、その商品IDに対応付けられている商品データを商品データベース42(図4参照)から抽出し、抽出された商品データに基づいて商品詳細画面データを生成し、商品詳細画面データ(商品画面データの一例)をユーザー端末1に送信する(S104)。
【0048】
図6Eは、商品画面64の一例である商品詳細画面64Bの説明図である。ユーザー端末1は、受信した商品詳細画面データ(商品画面データの一例)に基づいて、図6Eに示す商品詳細画面64E(商品画面の一例)を表示する(S005)。ユーザーは、ユーザー端末1の商品詳細画面64B上で、購入する商品の数量(注文点数)を指定した後、カートボタン75を押すことになる。ユーザー端末1は、商品詳細画面64Bのカートボタン75が操作されたことを検出すると、ユーザーの指定した数量(及び商品ID)のデータ(操作結果データの一例)を管理装置10に送信する(S005)。また、ユーザー端末1は、商品詳細画面64Bのカートボタン75が操作されたことを検出すると、ユーザー端末1の位置情報(緯度及び経度を示す情報;操作結果データの一例)を管理装置10に送信する(S005)。
【0049】
図7は、第1実施形態の注文処理部24が行う決定処理のフロー図である。注文処理部24は、ユーザー端末1上でカートボタン75が操作されたことを検出したとき、すなわち、ユーザー端末1からユーザーの指定した数量(及び商品ID)のデータや位置情報(操作結果データの一例)を受信したときに、図中の各処理を行うことになる。
【0050】
まず、注文処理部24は、対象となる商品(ユーザー端末1から受信した商品IDに対応する商品)の商品データの「在庫数」の情報を商品データベース42(図4参照)から取得する(S141)。そして、注文処理部24は、対象とする商品の在庫の有無を判断する(S142)。
【0051】
商品の在庫が無い場合(S142で「無い」)、注文処理部24は、エラー画面データをユーザー端末1に送信する(S147)。ユーザー端末1は、受信したエラー画面データに基づいて、商品を注文できない状態であることを示すエラー画面64C(図6F左図参照)を表示する。このように、対象となる商品の在庫が無い場合には(S142で「無い」)、ユーザーは、その商品を購入できない状態(注文できない状態)になる。
【0052】
商品の在庫がある場合(S142で「ある」)、注文処理部24は、次に説明するS143~S145の処理を行う。なお、注文処理部24は、次に説明するS143~S145の処理を行うことによって、ユーザー端末1の位置に応じて、ユーザー端末1に送信する画面データを異ならせ、これにより、商品の注文の可否を切り替えている(S146、S147)。
【0053】
対象となる商品の在庫がある場合(S142で「ある」)、注文処理部24は、ユーザー端末1の位置情報を取得する(S143)。本実施形態では、カートボタン75が操作されたタイミングで管理装置10がユーザー端末1から位置情報を取得しているので、注文処理部24は、この位置情報を利用することになる。但し、注文処理部24は、図6Aに示すログインボタン72が押されたタイミング(S002でユーザー端末1からログイン情報を取得するタイミング)で、ユーザー端末1から位置情報を取得しても良い。次に、注文処理部24は、「イベント範囲」の情報を取得する(S144)。本実施形態では、注文処理部24は、S004でユーザー端末1から受信したイベントIDに対応するイベント情報の「イベント範囲」をイベントデータベース43(図4参照)から取得することになる。そして、注文処理部24は、ユーザー端末1の位置(ユーザー端末1から受信した位置情報)と、イベントデータベース43から取得した「イベント範囲」とを比較し、ユーザー端末1の位置がイベント範囲内か否かを判断する(S145)。
【0054】
ユーザー端末1がイベント範囲内にある場合(S145でYES;図1のユーザーA参照)、注文処理部24は、カート画面データ(商品画面データの一例)をユーザー端末1に送信する(S146;図5のS104)。ユーザー端末1は、受信したカート画面データに基づいて、図6Gに示すカート画面64D(商品画面の一例)を表示することになる。図6Gに示すカート画面64D上にはレジボタン76が表示されるため、ユーザーは、カート画面64Dに表示された商品を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。このように、ユーザーは、イベント範囲内にいれば、その商品を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。
【0055】
一方、ユーザー端末1がイベント範囲外にある場合(S145でNO;図1のユーザーB参照)、注文処理部24は、エラー画面データをユーザー端末1に送信する(S147)。ユーザー端末1は、受信したエラー画面データに基づいて、図6F右図に示すエラー画面64Cを表示することになる。図6Fに示すエラー画面64C上にはレジボタン76(図6G参照)が表示されないため、ユーザーは、商品を購入できない状態(注文できない状態)になる。このように、ユーザーは、イベント範囲外にいれば、商品を購入できない状態(注文できない状態)になる。
【0056】
図6Gは、商品画面64の一例であるカート画面64Dの説明図である。このカート画面64Dは、図6Eに示す商品詳細画面64Bのカートボタン75が押されたときに、ユーザー端末1がイベント範囲内にある場合に(S145でYES;図1のユーザーA参照)に、ユーザー端末1に表示される。カート画面64Dには、ユーザーの注文内容に応じて、商品ごとに、商品画像、数量(注文点数)、小計などの商品購入情報が表示される。カート画面64D上には、カートボタン75が押されることによってストックされた商品の情報が表示されることになる。カート画面64Dには、レジボタン76が設けられている。ユーザー端末1は、カート画面64Dのレジボタン76が操作されたことを検出すると、注文確定画面64Eを表示することになる(S006)。
【0057】
図6Hは、商品画面64の一例である注文確定画面64Eの説明図である。注文確定画面64Eには、注文確定ボタン77が設けられている。ユーザー端末1は、注文確定画面64Eの注文確定ボタン77が操作されたことを検出すると、商品IDや数量(注文点数)などの商品購入情報を含む注文情報を管理装置10に送信することになる(S006)。
【0058】
本実施形態の注文確定画面64Eには、受取時間選択欄78が設けられている。受取時間選択欄78は、商品の受け取り希望時間をユーザーが選択するための欄である。
管理装置10の注文処理部24は、S004でユーザー端末1から受信したイベントIDに対応付けられているイベント情報の「受け取り設定フラグ」をイベントデータベース43(図4参照)から取得し、「受け取り設定フラグ」が「ユーザー側で選択可能」に設定されている場合、注文確定画面64Eに受取時間選択欄78を表示させることになる。なお、「受け取り設定フラグ」は、商品の受け取り時間を設定する際に、「先着順」とするか、「ユーザー側で選択可能」とするかを設定するためのフラグであり、「受け取り設定フラグ」が「先着順」に設定されている場合には、注文処理部24は、注文確定画面64Eに受取時間選択欄78を設けない(この場合、後述する「受け取り時間」は、注文の順番に応じて設定されることになる)。
【0059】
また、注文処理部24は、受信したイベントIDに対応付けられているイベント情報の「受け取り設定フラグ」が「ユーザー側で選択可能」に設定されている場合、同じイベントIDに対応付けられているイベント情報の「設定時間帯」の情報を取得する。ここでは、イベント情報の「設定時間帯」として「12:00~12:50」、「13:00~13:50」、「14:00~14:50」などの時間帯が設定されており、注文処理部24は、これらの時間帯の情報を含む商品画面データを送信することによって(S104)、図6Hに示す注文確定画面64Eの受取時間選択欄78にこれらの時間帯を選択肢として表示させる。ユーザーは、注文確定画面64Eの受取時間選択欄78において、商品を受け取る時間を選択した上で、注文確定画面64Eの注文確定ボタン77を押すことになる。ユーザー端末1は、ユーザーの選択した「受け取り時間帯」の情報(ここでは「13:00~13:50」を示す情報)を含む注文情報を管理装置10に送信することになる(S006)。
【0060】
更に、注文処理部24は、イベント情報の「設定時間帯」の情報を取得する際に、「設定時間帯」で設定された時間帯に対応付けられている「人数枠」の情報も取得する。そして、人数枠がゼロになっている場合には、その時間帯に商品を受け渡す人数が定員に達した状態であるため、注文確定画面64Eの受取時間選択欄78において、その時間帯を非表示にさせ、その時間帯をユーザーが選択することを不可にする(一方、人数枠が1以上の場合には、注文確定画面64E上の受取時間選択欄78に時間帯を表示させ、その時間帯をユーザーが選択可能にする)。これにより、特定の時間帯に多くのユーザーが集中することを抑制でき、物販ブースが混雑することを抑制できる。
【0061】
管理装置10は、ユーザー端末1から商品購入情報(商品IDや注文点数)を含む注文情報を受信すると、新たな「注文ID」を生成し、その注文IDに対してユーザー端末1から受信した注文情報を対応付けた注文データを生成する(S105;注文の仮登録)。
【0062】
次に、注文の仮登録の後、決済処理が行われる。図6Hに示す注文確定画面64E上に「支払い方法欄」が設けられており、ユーザーの選択した支払方法に応じて、ユーザー端末1、管理装置10(決済処理部25)及び決済サーバー5の間で決済処理が行われることになる(S007、S106)。なお、管理装置10(決済処理部25)は、ユーザー端末1と決済サーバー5との間で決済情報を送受信させることによって、ユーザーの決済情報(例えばクレジットカード番号など)を管理装置10が取得しないようにしても良い。S105で生成した注文IDは、ユーザー端末1、管理装置10及び決済サーバー5の間での決済処理に用いられることになる。
【0063】
決済処理後、管理装置10の注文処理部24は、決済処理の完了した注文IDに対応する注文データを注文データベース44に登録する(S107;注文の本登録)。また、商品の在庫を確保するため、管理装置10は、注文データに含まれる商品ID及び注文点数(数量)に応じて、商品データベース42において対応する商品IDの「在庫数」を更新する(在庫数を減らす)。本実施形態では、決済処理後に商品データベース42の在庫数を更新するため、商品の受け渡し時に商品が不足することを防止できる。
【0064】
また、決済処理後、管理装置10の注文処理部24は、ユーザー端末1に指定する受け取り時間(引換証データの受け取り時間)を決定するとともに、注文データに含まれる「受け取り時間帯」に応じて、イベントデータベース43において対応する「設定時間帯」の「人数枠」の示す数をデクリメントする(1つ減らす)。このように、ユーザーの注文に応じて「人数枠」を更新することによって、前述のS104やS005の処理において、人数枠がゼロになっている場合に、注文確定画面64Eの受取時間選択欄78の時間帯を非表示にすることを実現できる。これにより、特定の時間帯に多くのユーザーが集中することを抑制でき、物販ブースが混雑することを抑制できる。
【0065】
また、決済処理後、管理装置10の注文処理部24は、引換証データを生成し、引換証データをユーザー端末1に送信する(S108;引換証の発行)。引換証データは、ユーザー端末1に引換画面65(図6I参照)を表示させるためのデータである。
【0066】
図6Iは、引換画面65の説明図である。ユーザー端末1は、管理装置10から引換証データを受信する(S008)。ユーザー端末1は、管理装置10から受信した引換証データに基づいて、引換画面65を表示可能になる。引換画面65には、引換画像(ここではバーコード)や、商品の受け取り時間を示す情報(ここでは「13:00」)が含まれている。なお、引換画像は、注文IDを示す情報であり、ここでは1次元バーコードである。但し、引換画像は、1次元バーコードに限られるものではなく、2次元バーコードや、他の符号でも良い。引換画面65の受け取り時間は、特定の時間を示すものに限られず、例えば、時間帯(例えば「13:00~13:50」など)を示すものでも良い。
【0067】
上記の通り、第1実施形態では、管理装置10(注文管理装置)は、制御部20と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータ(図4参照)を記憶するイベントデータベース43とを備えている。そして、制御部20(主に注文処理部24)は、ユーザー端末1から位置情報を取得し(S143)、位置情報がイベントの範囲内の場合には、商品の注文を可能にするとともに(S146)、位置情報がイベントの範囲外の場合には、商品の注文を不可にし(S147)、ユーザー端末1からの注文に応じて受け取り時間を指定する引換証(図6I参照)をユーザー端末1に発行する(S108)。これにより、限定商品の購入を希望するユーザーを長時間並ばせずに、スムーズに限定商品をユーザーに受け渡すことが可能になる。
なお、第1実施形態では、位置情報がイベントの範囲内の場合には、ユーザー端末1にカート画面64Dを表示させることによって、商品の注文を可能にするとともに(S146)、位置情報がイベントの範囲外の場合には、ユーザー端末1にエラー画面64Cを表示させることによって、商品の注文を不可にしている(S147)。但し、商品の注文の可否の方法は、これに限られるものではない(例えば後述の第2実施形態参照)。
【0068】
<商品の受け取り>
図8は、商品受け取りの処理フロー図である。
【0069】
ユーザーは、引換画面65で指定された時間に物販ブースに行くことになる。本実施形態では、時間帯ごとに商品の受け渡しを可能とする人数(定員)が予め決められているので、物販ブースは混雑していないため、ユーザーは、長い行列で待たされることなく、商品を受け取ることが可能である。物販ブースにおいて、ユーザーは、図6Iに示す引換画面65をユーザー端末1に表示させ、物販ブースのスタッフに提示する(S011)。
【0070】
スタッフは、スタッフ端末3に接続されたバーコード読取装置3Aを用いて、ユーザー端末1に表示された引換画面65(バーコード)を読み取る(S211)。スタッフ端末3は、引換画面65の読み取り結果に応じて、引換画面65の示す注文IDを判別し、その注文IDを管理装置10に送信する(S212)。言い換えると、スタッフ端末3は、引換画面65の示す注文IDに対応する注文内容(注文情報や商品購入情報)を管理装置10に要求する。
【0071】
管理装置10の受け渡し処理部26は、スタッフ端末3から注文IDを受信すると、その注文IDと、注文データベース44に登録されている注文データとを照合する(S111)。そして、管理装置10の受け渡し処理部26は、受信した注文IDに対応する注文データを注文データベース44から抽出し、その注文データに対応する注文情報(商品購入情報(商品ID、注文点数)や商品画像など)を管理装置10に送信する(S112)。言い換えると、管理装置10の受け渡し処理部26は、スタッフ端末3から要求された注文内容注文内容(注文情報又は商品購入情報)を回答する。
【0072】
スタッフ端末3は、引換画面65の示す注文IDに対応する注文内容(注文情報や商品購入情報)を管理装置10から受信すると、受信した注文内容に応じた画面をスタッフ端末3上に表示する(S213)。例えば、スタッフ端末3上には、「ペンライト」が「2」、「限定Tシャツ」が「2」であることが表示されることになる。
【0073】
スタッフは、スタッフ端末3上に表示された注文内容に基づいて、指定された注文点数の商品をユーザーに受け渡す(S214)。ユーザーは、長時間待たされることなく、商品を受け取ることができる(S012)。スタッフが受け渡し完了をスタッフ端末3に入力すると、スタッフ端末3は、管理装置10に、受け渡し完了を示す完了データを送信する(S215;受け渡し完了の報告)。
【0074】
管理装置10の受け渡し処理部26は、スタッフ端末3から完了データを受信すると、完了データに含まれる注文IDに基づいて、注文データベース44において対応する注文データの受取情報を更新する(S113;注文データベース44の更新)。具体的には、管理装置10の受け渡し処理部26は、注文データの受取情報の「ステータス」を「受け取り前」から「受け取り完了」に変更するとともに、受取情報の「受け取り日時」を登録する。「受け取り日時」は、完了データに含まれる日時の情報(例えばスタッフがスタッフ端末3に受け渡し完了を入力した日時)でも良いし、管理装置10が完了データを受信した日時でも良い。
【0075】
===第2実施形態===
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、図5に示すように商品購入までの処理が行われる。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ユーザー端末1から取得した位置情報がイベントの範囲内の場合には、限定商品の注文を可能にするとともに、位置情報がイベントの範囲外の場合には、限定商品の注文を不可にした上で、ユーザー端末1からの注文に応じて受け取り時間を指定する引換証をユーザー端末1に発行することになる。但し、第2実施形態では、第1実施形態とは商品の注文の可否の方法が異なり、位置情報がイベントの範囲外の場合には、カートボタン75を非表示にすることによって、限定商品の注文を不可にしている。以下、第2実施形態について説明する。
【0076】
図9は、第2実施形態の注文処理部24が行う決定処理のフロー図である。図9には、第2実施形態における商品詳細画面データを決定するための処理フローが示されている。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ユーザー端末1は、図6Dに示す商品一覧画面64A(商品画面64の一例)を表示し、商品の画像ボタン(商品画像)が操作されたことを検出すると、選択された商品に対応する商品ID(操作結果データの一例)を管理装置10に送信する(S005)。また、第2実施形態では、ユーザー端末1は、図6Dに示す商品一覧画面64A上で画像ボタン(商品画像)が操作されたことを検出すると、ユーザー端末1の位置情報(緯度及び経度を示す情報;操作結果データの一例)を管理装置10に送信する(S005)。管理装置10の注文処理部24は、ユーザーに選択された商品に対応する商品IDや位置情報をユーザー端末1から受信した後、図9に示す各処理を行うことになる。
【0077】
まず、注文処理部24は、対象となる商品(ユーザー端末1から受信した商品IDに対応する商品)の商品データの「在庫数」の情報を商品データベース42(図4参照)から取得する(S241)。そして、注文処理部24は、対象とする商品の在庫の有無を判断する(S242)。
【0078】
商品の在庫が無い場合(S242で「無い」)、注文処理部24は、カートボタンが非表示となる商品詳細画面データをユーザー端末1に送信する(S249;図5のS104)。ユーザー端末1は、受信した商品詳細画面データに基づいて、カートボタンが非表示の商品詳細画面を表示する。カートボタンが非表示の商品詳細画面については、後述する。なお、商品詳細画面のカートボタンが非表示になると、ユーザーは、その商品を購入できない状態(注文できない状態)になる。
【0079】
商品の在庫がある場合(S242で「ある」)、注文処理部24は、次の処理S243に進む。注文処理部24は、対象となる商品(ユーザー端末1から受信した商品IDに対応する商品)の商品データの「限定フラグ」を商品データベース42(図4参照)から取得する(S243)。既に説明したように、「限定フラグ」は、その商品が限定商品(イベント会場で限定的に販売される商品)であるか否かを示す情報である。そして、注文処理部24は、「限定フラグ」に基づいて、対象となる商品が限定商品か否かを判断する(S244)。
【0080】
対象となる商品が限定商品ではない場合(S244でNO)、注文処理部24は、その商品を購入可能とする商品詳細画面データ(商品画像データの一例)をユーザー端末1に送信する(S248)。例えば、図6Dに示す商品一覧画面64A上でペンライトが選択され(S005)、そのペンライトが限定商品でない場合には、注文処理部24は、図6Eに示すように、カートボタン75が表示される商品詳細画面データをユーザー端末1に送信する(S248;図5のS104)。ユーザー端末1は、受信した商品詳細画面データに基づいて、図6Eに示す商品詳細画面64B(商品画像の一例)を表示することになる。図6Eに示す商品詳細画面64B上にはカートボタン75が表示されるため、ユーザーがペンライト(限定商品でない商品)を購入可能な状態である。なお、ユーザーの選択した商品が限定商品ではない場合には(S244でNO)、ユーザー端末1の位置に関わらず、ユーザーは、その商品を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。
【0081】
対象となる商品が限定商品である場合(S244でYES)、注文処理部24は、次に説明するS245~S247の処理を行う。例えば、図6Dに示す商品一覧画面64A上で限定Tシャツが選択され(S005)、その限定Tシャツが限定商品(イベント会場で限定的に販売される商品)である場合には、注文処理部24は、次に説明するS145~S147の処理を行うことになる。なお、注文処理部24は、次に説明するS145~S147の処理を行うことによって、ユーザー端末1の位置に応じて、ユーザー端末1に送信する商品詳細画面データ(商品画面データの一例)を異ならせ、これにより、商品の注文の可否を切り替えている(S248、S249)。
【0082】
対象となる商品が限定商品である場合(S244でYES)、注文処理部24は、ユーザー端末1の位置情報を取得する(S245)。第2実施形態では、図6Dに示す商品一覧画面64A上で商品の画像ボタン(商品画像)が操作されたタイミングで管理装置10がユーザー端末1から位置情報を取得しているので、注文処理部24は、この位置情報を利用することになる。但し、注文処理部24は、S245のタイミングでユーザー端末1に位置情報を要求することによって、ユーザー端末1から位置情報を取得しても良い。次に、注文処理部24は、「イベント範囲」の情報を取得する(S246)。本実施形態では、注文処理部24は、S004でユーザー端末1から受信したイベントIDに対応するイベント情報の「イベント範囲」をイベントデータベース43(図4参照)から取得することになる。そして、注文処理部24は、ユーザー端末1の位置(ユーザー端末1から受信した位置情報)と、イベントデータベース43から取得した「イベント範囲」とを比較し、ユーザー端末1の位置がイベント範囲内か否かを判断する(S247)。
【0083】
ユーザー端末1がイベント範囲内にある場合(S247でYES;図1のユーザーA参照)、注文処理部24は、図10Aに示すように、カートボタン75が表示される商品詳細画面データをユーザー端末1に送信する(S248;図5のS104)。ユーザー端末1は、受信した商品詳細画面データに基づいて、図10Aに示す限定商品の商品詳細画面64B(商品画像の一例)を表示することになる。図10Aに示す商品詳細画面64B上にはカートボタン75が表示されるため、ユーザーは、限定Tシャツ(限定商品)を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。このように、対象となる商品が限定商品の場合には(S244でNO)、ユーザーは、イベント範囲内にいれば、その商品を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。
【0084】
一方、ユーザー端末1がイベント範囲外にある場合(S247でNO;図1のユーザーB参照)、注文処理部24は、図10Bに示すように、カートボタン75が非表示となる商品詳細画面データをユーザー端末1に送信する(S249;図5のS104)。ユーザー端末1は、受信した商品詳細画面データに基づいて、図10Bに示す限定商品の商品詳細画面64B(商品画面64の一例)を表示することになる。図10Bに示す商品詳細画面64B上にはカートボタン75が表示されないため、ユーザーは、限定Tシャツ(限定商品)を購入できない状態(注文できない状態)になる。このように、対象となる商品が限定商品の場合には(S244でNO)、ユーザーは、イベント範囲外にいれば、その商品を購入できない状態(注文できない状態)になる。
【0085】
第2実施形態では、商品詳細画面64B(図6E図10A参照)のカートボタン75が押されたときに、図6Gに示すカート画面64Dが表示されることになる。なお、第2実施形態では、カートボタン75が操作されたタイミングで管理装置10がユーザー端末1から位置情報を取得しなくても良い。
【0086】
第2実施形態においても、ユーザー端末1は、カート画面64Dのレジボタン76が操作されたことを検出すると、図6Hに示す注文確定画面64Eを表示することになる(図5のS006)。その後の処理は、第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0087】
上記の第2実施形態においても、管理装置10(注文管理装置)は、制御部20と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータ(図4参照)を記憶するイベントデータベース43とを備えている。そして、制御部20(主に注文処理部24)は、ユーザー端末1から位置情報を取得し(S245)、位置情報がイベントの範囲内の場合には、商品の注文を可能にするとともに(S248)、位置情報がイベントの範囲外の場合には、商品の注文を不可にし(S249)、ユーザー端末1からの注文に応じて受け取り時間を指定する引換証(図6I参照)をユーザー端末1に発行する(S108)。これにより、限定商品の購入を希望するユーザーを長時間並ばせずに、スムーズに限定商品をユーザーに受け渡すことが可能になる。
なお、第2実施形態では、管理装置10は、位置情報がイベントの範囲内の場合には、カートボタン75の有る商品詳細画面64B(図10A参照)を表示させることによって、商品の注文を可能にするとともに(S248)、位置情報がイベントの範囲外の場合には、カートボタン75の無い商品詳細画面64B(図10B参照)を表示させることによって、商品の注文を不可にしている(S249)。
【0088】
また、上記の第2実施形態では、ユーザーの選択した商品が限定商品の場合にはユーザー端末1の位置に応じて商品の注文の可否を切り替えているのに対し、ユーザーの選択した商品が限定商品でない場合には、ユーザー端末1の位置に関わらず、ユーザーは、その商品を購入可能な状態(注文可能な状態)になる。これにより、第2実施形態では、第1実施形態と比べて、限定商品ではない商品の販売機会を広げることができる。
【0089】
<変形例>
ユーザー端末1で商品の注文を不可にする方法は、更に他の方法でも良い。
【0090】
図11Aは、第1変形例の商品一覧画面64Aの説明図である。第1変形例では、管理装置10(注文処理部24)は、ユーザー端末1の位置がイベント範囲外の場合には、限定商品の選択を不可とする商品一覧画面データをユーザー端末1に送信する。第1変形例では、ユーザーが商品一覧画面64A上で限定商品を選択しても商品詳細画面64Bに移行しないため、限定商品をカートに入れて購入する処理に移行できないため、ユーザー端末1で限定商品を注文することが不可になる。
【0091】
図11Bは、第2変形例の商品一覧画面64Aの説明図である。第2変形例では、管理装置10(注文処理部24)は、ユーザー端末1の位置がイベント範囲外の場合には、限定商品に関する情報を削除した商品一覧画面データをユーザー端末1に送信する。第2変形例では、限定商品が商品一覧画面64Aに表示されないため、ユーザーは、商品一覧画面64A上で限定商品を選択することができず、ユーザー端末1で限定商品を注文することが不可になる。
【0092】
なお、第2変形例では、ユーザーが限定商品の存在を知ることができない。これに対し、前述の第1、第2実施形態及び第1変形例では、限定商品の存在をユーザーに伝えることができるため、ユーザーの購買意欲を刺激することができ、イベントへの参加をユーザーに促すことができる。このため、前述の第1、第2実施形態や第1変形例のように、商品画面64(商品一覧画面64Aや商品詳細画面64B)上に限定商品を表示しつつ、ユーザー端末1の位置がイベント範囲外の場合には限定商品の注文を不可とすることが望ましい。
【0093】
===第3実施形態===
新型コロナウイルスなどの影響により、コンサート等が開催されるイベント会場では、十分な感染症対策の実施が望まれている。上記の通り、第1、第2実施形態では、ユーザーが物販ブース前に長時間並ばずに済むため、感染症の予防対策としての効果を有するが、第3実施形態では、更に感染症の拡大防止の観点から、注文データベース44に蓄積されている複数の注文データの「受け取り日時」の情報を利用して、感染症の追跡を行う。
【0094】
図12は、第3実施形態の追跡処理のフロー図である。第3実施形態は、第1又は第2実施形態を行った上で追加的に行われる実施形態である。
【0095】
まず、管理装置10の追跡処理部27(図2参照)は、ユーザー端末1から報告データを受信する(S021)。ここでは、図13に示す初期画面61をユーザー端末1に表示させ、ユーザー端末1は、初期画面61上の感染報告ボタン73が押されたことを検出したときに、報告データを管理装置10に送信する(S021)。但し、報告データの受信は、ユーザー端末1からの受信に限られるものではない。例えば、保健所からの連絡に基づいて、管理装置10に報告データが入力されても良い。
【0096】
追跡処理部27は、ユーザー端末1から報告データを受信すると、報告データに含まれるユーザーIDに基づいてユーザー認証処理を行い(S121)、次に、管理装置10の追跡処理部27は、ユーザーIDと注文データベース44とを照合して、そのユーザーIDに対応付けられている注文データを注文データベース44から抽出する(S122)。このとき抽出された注文データのことを「第1注文データ」又は「追跡元注文データ」と呼ぶことがある。
【0097】
図14Aは、第1注文データの例を示している。第1注文データには、陽性診断報告を行ったユーザーの注文情報と受取情報とが含まれている。なお、第1注文データの注文情報には「イベントID」が含まれており、第1注文データの「イベントID」は、陽性診断報告を行ったユーザーの参加したイベントを示している。また、第1注文データの受取情報には「受け取り日時」が含まれており、第1注文データの「受け取り日時」は、陽性診断報告を行ったユーザーが商品を受け取った日時を示している。
【0098】
次に、管理装置10の追跡処理部27は、第1注文データの「イベントID」と「受け取り日時」の情報を取得する(S123)。ここでは、図14Aに示すように、管理装置10の追跡処理部27は、「イベントID」として「XXXX」を取得し、「受け取り日時」として「2020年8月5日13:12」を取得することになる。
【0099】
次に、管理装置10の追跡処理部27は、第1注文データの「受け取り日時」に基づいて、追跡対象の連絡先を取得する(S124)。図14Bは、追跡対象の連絡先の取得例を示している。
【0100】
S124では、まず、管理装置10の追跡処理部27は、注文データベース44において第1注文データの「イベントID」と同じイベントIDの注文データの中から、第1注文データの「受け取り日時」の近傍の受け取り日時の注文データを抽出する。例えば、管理装置10の追跡処理部27は、注文データベース44の中から、「イベントID」が「XXXX」であり、且つ、「受け取り日時」と「2020年8月5日13:12」との差が所定の閾値の範囲内(ここでは2分未満)とする注文データを抽出する。このとき抽出される注文データのことを「第2注文データ」又は「追跡対象注文データ」と呼ぶことがある。
なお、第1注文データの受け取り日時と第2注文データの受け取り日時との差の閾値は、2分未満に限られるものではなく、適宜設定することが可能である。また、感染者から前に向かって飛沫が放出され、前に並ぶ人の方が後に並ぶ人よりも飛沫を吸い込みやすく感染しやすいと考えられるため、第1注文データの受け取り日時の前と後とで、第1注文データの受け取り日時と第2注文データの受け取り日時との差の閾値を異ならせても良い。例えば、第1注文データの受け取り日時よりも前(早い日時)の場合には閾値を「2分未満」とし、第1注文データの受け取り日時よりも後(遅い日時)の場合には閾値を「1分未満」としても良い。
次に、管理装置10の追跡処理部27は、図14Bに示すように、第2注文データの「ユーザーID」を取得し、そのユーザーIDとユーザーデータベース41とを照合することによって、第2注文データの「ユーザーID」に対応するメールアドレスを取得する。このメールアドレスは、追跡対象の連絡先(感染のおそれがあるユーザーの連絡先)となる。
【0101】
最後に、管理装置10の追跡処理部27は、S124で取得した連絡先に対して、注意情報を送付する(S125)。ここでは、図14Bに示すメールアドレスに対して、注意喚起のメールを送付することになる。管理装置10からメールを受信したユーザー端末1上には、注意画面が表示されることになる。
【0102】
===まとめ===
上記実施形態の管理装置10(注文管理装置)は、制御部20と、イベント範囲を示す情報を含むイベントデータ(図4参照)を記憶するイベントデータベース43とを備えている。そして、上記の制御部20(主に注文処理部24)は、ユーザー端末1から位置情報を取得し(S143、S245)、位置情報がイベントの範囲内の場合には、商品の注文を可能にするとともに(S146、S248)、位置情報がイベントの範囲外の場合には、商品の注文を不可にし(S147、S249)、ユーザー端末1からの注文に応じて受け取り時間を指定する引換証(図6I参照)をユーザー端末1に発行する(S108)。これにより、限定商品の購入を希望するユーザーを長時間並ばせずに、スムーズに限定商品をユーザーに受け渡すことが可能になる。
なお、図4に示すイベントデータベース43のイベントデータに、イベント範囲以外の様々な情報が含まれていたが、必ずしも全ての情報がイベントデータに含まれる必要は無く、少なくともイベント範囲の情報がイベントデータに含まれていれば良い。同様に、図4に示すデータ記憶部40は、イベントデータベース43やイベントデータ以外の様々なデータを記憶しているが、必ずしも全てのデータを記憶しなくても良い。
【0103】
また、上記の実施形態では、イベントデータには、複数の時間帯を設定するための設定時間帯情報が含まれており(図4参照)、制御部20(主に注文処理部24)は、設定時間帯情報に基づいて、いずれかの時間帯をユーザー端末1に選択させ(図6Hの受取時間選択欄78参照)、ユーザー端末1により選択された時間帯に基づいて、受け取り時間を決定し、受け取り時間を指定する引換証(図6I参照)をユーザー端末に発行する(S108)。これにより、ユーザーの希望する時間帯に商品を受け渡すことができる。なお、図4に示す設定時間帯情報や図6Hに示す受取時間選択欄78は、これに限られるものではなく、別の時間帯や別の形態でも良い。
【0104】
また、上記の実施形態では、制御部20は、ユーザー端末1からの注文(S006)に応じて、決済処理(S106、S007)を行った後に引換証を発行する(S108)。これにより、商品の在庫を確保することができ、商品の受け渡し時に商品が不足することを防止できる。なお、決算処理を物販ブースで行うことも可能である。但し、この場合、商品の受け渡し時に決算処理を行うため、物販ブースが混雑するおそれがある(また、この場合、商品の在庫を確保が不十分になるおそれがあり、商品の受け渡し時に商品が不足するおそれがある)。これに対し、上記の実施形態のように商品の受け渡し前に決済処理が終わっていれば、販売ブースで決済処理(精算処理)を行わなくて良いため、物販ブースが混雑することを抑制できるという利点もある。
【0105】
また、制御部20(主に注文処理部24)は、限定商品に関する情報をユーザー端末1に表示させつつ、ユーザー端末1から取得した位置情報がイベント範囲外の場合には、ユーザー端末1に対して限定商品の注文を不可にすることが望ましい(図6F図10B図11A参照)。これにより、限定商品の存在をユーザーに伝えることができるため、ユーザーの購買意欲を刺激することができる。なお、図11Bに示すように、限定商品に関する情報をユーザー端末1に表示させないことも可能である。
【0106】
また、上記の第3実施形態では、制御部20(主に受け渡し処理部26)は、ユーザーが商品を受け取った日時を示す受け取り日時情報をスタッフ端末3から取得し、受け取り日時情報を注文データベースに保存する(S113、図4参照)。そして、制御部20(主に追跡処理部27)は、感染症に関する報告データを受信した場合(S021)、報告データに示されたユーザーに対応する注文データである第1注文データ(図14A参照)を注文データベースから抽出し(S122)、第1注文データに対応する受け渡し時間の近傍の受け渡し時間の注文データである第2注文データを注文データベースから抽出し(図14B参照)、第2注文データに対応付けられたユーザーの連絡先(図14B参照)に注意情報を送付する(S125)。これにより、感染症の拡大防止を図ることができる。
【0107】
また、制御部20(追跡処理部27)は、注文データベースから第2注文データを抽出する際に、第1注文データの受け取り日時と第2注文データの受け取り日時との差(絶対値)が所定の閾値の範囲内となる第2注文データを抽出しており、第1注文データの受け取り日時の前と後とで、閾値(絶対値)が異なることが望ましい。これにより、感染のリスクに応じて、感染症の追跡を適切に行うことができる。なお、第1注文データの受け取り日時の前と後とで、閾値(絶対値)が同じでも良い。また、第1注文データの受け取り日時と第2注文データの受け取り日時との差に基づいて第2注文データを抽出する代わりに、第1注文データに対応する受け渡し時間を基準として、近傍の所定数(例えば前後の2人)の第2注文データを抽出しても良い。
【0108】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0109】
1 ユーザー端末、2 通信ネットワーク、
3 スタッフ端末、3A バーコード読取装置、
4 管理者端末、5 決済サーバー、
10 管理装置、20 制御部、
21 ユーザー管理部、22 商品管理部、
23 イベント管理部、24 注文処理部、
25 決済処理部、26 受け渡し処理部、
27 追跡処理部、40 データ記憶部、
41 ユーザーデータベース、42 商品データベース、
43 イベントデータベース、44 注文データベース、
51 演算処理装置、52 記憶装置、
52A 主記憶装置、52B 補助記憶装置、
53 通信装置、54 入力装置、55 表示装置、
61 初期画面、62 新規登録画面、
63 イベント選択画面、64 商品画面、
64A 商品一覧画面、64B 商品詳細画面、
64C エラー画面、64D カート画面、
64E 注文確定画面、65 引換画面、
71 新規登録ボタン、72 ログインボタン、
73 感染報告ボタン、74 登録ボタン、
75 カートボタン、76 レジボタン、
77 注文確定ボタン、78 受取時間選択欄、
100 物販システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14