(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007273
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】情報監視装置、情報管理システム、入国審査方法、入場管理方法、及び情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20220105BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61B5/01
G01D9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110146
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】508376638
【氏名又は名称】株式会社サン・ワイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100143373
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 裕人
(72)【発明者】
【氏名】千田 泰史
【テーマコード(参考)】
2F070
4C117
【Fターム(参考)】
2F070AA01
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4C117XA01
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4C117XM15
(57)【要約】
【課題】検出された情報が、継続的に検出された情報であることを確認することが容易な情報監視装置、情報管理システム、入国審査方法、入場管理方法、及び情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】情報を監視するための情報監視装置2であって、人Uから体温Tを検出する温度センサ214と、温度センサ214による体温Tの検出を繰り返させる制御を行う検出制御部12と、温度センサ214を人Uに取り付けて保持するための保持部材22と、温度センサ214が人Uから取り外されたことを検出する光センサ215とを備える情報監視装置2。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を監視するための情報監視装置であって、
測定対象から、所定の目的情報を検出するセンサと、
前記センサによる前記目的情報の検出を繰り返させる制御を行う検出制御部と、
前記センサを前記測定対象に取り付けて保持するための保持部材と、
前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出する離脱検出部とを備える情報監視装置。
【請求項2】
前記離脱検出部は、前記センサが前記測定対象に取り付けられているとき、周囲環境の光から遮蔽され、前記センサが前記測定対象から取り外されたとき、周囲環境の光を受光可能な光センサを含む請求項1記載の情報監視装置。
【請求項3】
前記情報監視装置の、前記測定対象に取り付けられることが予定されている取付面に、剥離可能に貼付された剥離シートをさらに備え、
前記剥離シートは、前記取付面に貼付された状態で、前記光センサを周囲環境から遮蔽し、
前記離脱検出部は、前記光センサによって所定の光が検出された後に前記光センサによって前記所定の光が検出されなくなった後、再び前記光センサによって前記所定の光が検出されたとき、前記センサが前記測定対象から取り外されたと判定する離脱判定部をさらに含む請求項2記載の情報監視装置。
【請求項4】
前記情報監視装置の、前記測定対象に取り付けられることが予定されている取付面に、剥離可能に貼付された剥離シートと、
前記情報監視装置を動作させるための電力を供給する電池と、
前記光センサによって、所定の光が検出されたとき、前記電池による電力供給を開始させる電力制御部とをさらに備え、
前記剥離シートは、前記取付面に貼付された状態で、前記光センサを周囲環境から遮蔽する請求項2又は3に記載の情報監視装置。
【請求項5】
前記光センサによって所定の光が検出された後に前記光センサによって前記所定の光が検出されなくなったとき、前記検出制御部による前記制御を開始させる起動制御部をさらに備える請求項3又は4に記載の情報監視装置。
【請求項6】
前記離脱検出部は、前記センサにより検出された前記目的情報に基づいて、前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出する請求項1記載の情報監視装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記測定対象に粘着する粘着層を備えたシート部材である請求項1~6のいずれか1項に記載の情報監視装置。
【請求項8】
前記離脱検出部は、前記シート部材の少なくとも一部に設けられ、前記測定対象に貼付された後に剥離されたとき、所定のパターンが生じる、又は変色することによって、前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出する部材を含む請求項7記載の情報監視装置。
【請求項9】
前記シート部材は、チケットである請求項7又は8に記載の情報監視装置。
【請求項10】
前記検出制御部は、前記目的情報が、予め設定された特定事象に該当したとき、前記センサによる検出間隔を短縮する請求項1~9のいずれか1項に記載の情報監視装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報監視装置と、
情報を記憶する記憶部と、
前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部とを備える情報管理システム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報監視装置から得られた情報を記憶する記憶部と、
前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部とを備える情報管理システム。
【請求項13】
複数の前記目的情報に基づいて診断を行う診断部をさらに備える請求項11又は12に記載の情報管理システム。
【請求項14】
前記測定対象は人であり、前記目的情報は体温であり、
前記診断部は、前記複数の体温から熱型を判定する請求項13記載の情報管理システム。
【請求項15】
前記測定対象の属性を示す属性情報を取得する属性取得部と、
前記属性情報に基づいて、前記診断の基準となる診断基準を取得する診断基準取得部とをさらに備え、
前記診断部は、前記診断基準に基づき前記診断を行う請求項13又は14に記載の情報管理システム。
【請求項16】
前記測定対象は人であり、前記目的情報はバイタルサインであり、前記属性は国籍、性別、年齢、身長、体重、及び血液型のうち少なくとも一つである請求項15記載の情報管理システム。
【請求項17】
前記情報監視装置には、自己を識別するための識別情報が付与されており、
前記記憶処理部は、複数の前記目的情報を含む情報ブロックと前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させ、
前記情報管理システムは、前記記憶処理部に処理を要求可能な端末装置をさらに備え、
前記端末装置は、
前記情報監視装置から前記識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた情報ブロックを、前記記憶処理部へ要求することにより取得する要求処理部とを備える請求項11~16のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項18】
前記情報監視装置には、自己を識別するための識別情報が付与されており、
前記記憶処理部は、複数の前記目的情報と前記診断部の診断結果とのうち少なくとも一つを含む情報ブロックと前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させ、
前記情報管理システムは、前記記憶処理部に処理を要求可能な端末装置をさらに備え、
前記端末装置は、
前記情報監視装置から前記識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた情報ブロックを、前記記憶処理部へ要求することにより取得する要求処理部とを備える請求項13~16のいずれか1項に記載の情報管理システム。
【請求項19】
公開鍵を含む電子証明書と対になる秘密鍵を用いて前記情報ブロックに電子署名を付与し、前記電子署名が付与された情報ブロックを前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる電子証明処理部をさらに備え、
前記要求処理部は、前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた、前記電子署名が付与された情報ブロックと、前記電子証明書とを、前記記憶処理部へ要求することにより取得し、
前記端末装置は、前記要求処理部により取得された前記電子証明書を用いて、前記電子署名が付与された情報ブロックの検証を行う検証部をさらに備える請求項17又は18に記載の情報管理システム。
【請求項20】
請求項17~19のいずれか1項に記載の情報管理システムを用いる入国審査方法であって、
前記情報監視装置を身に付けた人が入国する際に、前記端末装置によって取得された前記情報ブロックに基づいて、入国審査又は検疫を行う入国審査方法。
【請求項21】
請求項17~19のいずれか1項に記載の情報管理システムを用いる入場管理方法であって、
前記情報監視装置をチケットとして販売する工程と、
前記情報監視装置を身に付けた人が入場する際に、前記端末装置によって取得された前記情報ブロックに基づいて、入場の可否を判断する工程とを含む入場管理方法。
【請求項22】
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報監視装置から得られた情報を記憶する記憶部、
前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部としてコンピュータを機能させる情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定された情報を監視する情報監視装置、これを用いた情報管理システム、入国審査方法、入場管理方法、及び情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、温度センサを粘着パッチで人体に貼り付け、体温を測定して蓄積するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術によれば、ユーザが自由に温度センサを剥がしたり、貼り付け直したりすることができるので、第三者が測定された体温を後日確認しようとしても、一定期間、継続して測定された体温が、蓄積されているとは限らない。
【0005】
本発明の目的は、検出された情報が、継続的に検出された情報であることを確認することが容易な情報監視装置、情報管理システム、入国審査方法、入場管理方法、及び情報管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報監視装置は、情報を監視するための情報監視装置であって、測定対象から、所定の目的情報を検出するセンサと、前記センサによる前記目的情報の検出を繰り返させる制御を行う検出制御部と、前記センサを前記測定対象に取り付けて保持するための保持部材と、前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出する離脱検出部とを備える。
【0007】
この構成によれば、測定対象から繰り返し目的情報を検出することができる。さらに、センサが測定対象から取り外された場合、取り外されたことを検出することができるので、検出された情報が、継続的に検出された情報であることを確認することが容易となる。
【0008】
また、前記離脱検出部は、前記センサが前記測定対象に取り付けられているとき、周囲環境の光から遮蔽され、前記センサが前記測定対象から取り外されたとき、周囲環境の光を受光可能な光センサを含むことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、センサが測定対象から取り外されると、周囲環境からの光が光センサによって受光される結果、光センサによって周囲環境からの光が検出されることによって、センサが測定対象から取り外されたことを検出することができる。
【0010】
また、前記情報監視装置の、前記測定対象に取り付けられることが予定されている取付面に、剥離可能に貼付された剥離シートをさらに備え、前記剥離シートは、前記取付面に貼付された状態で、前記光センサを周囲環境から遮蔽し、前記離脱検出部は、前記光センサによって所定の光が検出された後に前記光センサによって前記所定の光が検出されなくなった後、再び前記光センサによって前記所定の光が検出されたとき、前記センサが前記測定対象から取り外されたと判定する離脱判定部をさらに含むことが好ましい。
【0011】
この構成によれば、情報監視装置が測定対象に取り付けられる前の段階では、取付面に剥離シートが貼付されて、周囲環境の光から光センサが遮蔽される。そして、情報監視装置を測定対象に取り付けるべく剥離シートが剥離されると、周囲環境の光が光センサで検出される。その後に情報監視装置が測定対象に取り付けられると、光センサが周囲環境の光から遮蔽されて光センサが光を検出しなくなる。さらにその後にセンサが測定対象から取り外されると、周囲環境の光が光センサで検出されて光が光センサで検出される。従って、離脱判定部は、光センサによって所定の光が検出された後に光センサによって所定の光が検出されなくなった後、再び光センサによって所定の光が検出されたとき、センサが測定対象から取り外されたと判定することができる。
【0012】
また、前記情報監視装置の、前記測定対象に取り付けられることが予定されている取付面に、剥離可能に貼付された剥離シートと、前記情報監視装置を動作させるための電力を供給する電池と、前記光センサによって、所定の光が検出されたとき、前記電池による電力供給を開始させる電力制御部とをさらに備え、前記剥離シートは、前記取付面に貼付された状態で、前記光センサを周囲環境から遮蔽することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ユーザが、情報監視装置の使用を開始するべく剥離シートを剥離したとき、周囲環境の光が光センサによって検出され、電池による電力供給が開始される。これにより、情報監視装置から剥離シートが剥離されるまで、電池からの電力供給を遮断することができるので、情報監視装置が使用されずに保管されている間に、電池が消耗するおそれが低減される。
【0014】
また、前記光センサによって所定の光が検出された後に前記光センサによって前記所定の光が検出されなくなったとき、前記検出制御部による前記制御を開始させる起動制御部をさらに備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、剥離シートが剥離されて光センサによって所定の光が検出された後に情報監視装置が測定対象に取り付けられてセンサによる目的情報の検出が可能になるまで待って、目的情報が取得されるので、情報監視装置が測定対象に取り付けられる前の、環境温度等が誤って目的情報として検出されるおそれを低減することができる。
【0016】
また、前記離脱検出部は、前記センサにより検出された前記目的情報に基づいて、前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、センサが測定対象から取り外されると、センサは測定対象から目的情報を検出することができなくなる。従って、離脱検出部は、センサにより検出された目的情報に基づいて、センサが測定対象から取り外されたことを検出することが可能となる。
【0018】
また、前記保持部材は、前記測定対象に粘着する粘着層を備えたシート部材であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、情報監視装置を、粘着層によって測定対象に貼付することができる。
【0020】
また、前記離脱検出部は、前記シート部材の少なくとも一部に設けられ、前記測定対象に貼付された後に剥離されたとき、所定のパターンが生じる、又は変色することによって、前記センサが前記測定対象から取り外されたことを検出する部材を含んでもよい。
【0021】
この構成によれば、情報監視装置が測定対象に貼付された後に剥離されたとき、シート部材の少なくとも一部に所定のパターンが生じたり、変色したりする。その結果、センサが測定対象から取り外されたことが視覚で判るので、センサが測定対象から取り外されたことを検出することができる。
【0022】
また、前記シート部材は、チケットであることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、情報監視装置をチケットとして用いることができる。
【0024】
また、前記検出制御部は、前記目的情報が、予め設定された特定事象に該当したとき、前記センサによる検出間隔を短縮することが好ましい。
【0025】
検出間隔を短縮すると、目的情報の検出頻度が高められる。これにより、目的情報の検出頻度等を低減して消費電力や処理負荷等を低減しつつ、必要性が高いときには目的情報の検出頻度を高めて目的情報の監視精度を向上することができる。
【0026】
また、本発明に係る情報管理システムは、上述の情報監視装置と、情報を記憶する記憶部と、前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部とを備える。
【0027】
この構成によれば、上述の情報監視装置を含む情報管理システムによって、繰り返し検出された目的情報が、累積的に記憶部に記憶される。
【0028】
また、本発明に係る情報管理システムは、上述の情報監視装置から得られた情報を記憶する記憶部と、前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部とを備える。
【0029】
この構成によれば、上述の情報監視装置が情報管理システム外であってもよく、上述の情報監視装置によって繰り返し検出された目的情報が、累積的に記憶部に記憶される。
【0030】
また、複数の前記目的情報に基づいて診断を行う診断部をさらに備えることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、複数の目的情報に基づいて診断を行うことができる。
【0032】
また、前記測定対象は人であり、前記目的情報は体温であり、前記診断部は、前記複数の体温から熱型を判定することが好ましい。
【0033】
この構成によれば、人の体温を監視することによって、その人の熱型を判定することが可能となる。
【0034】
また、前記測定対象の属性を示す属性情報を取得する属性取得部と、前記属性情報に基づいて、前記診断の基準となる診断基準を取得する診断基準取得部とをさらに備え、前記診断部は、前記診断基準に基づき前記診断を行うことが好ましい。
【0035】
この構成によれば、測定対象の属性に応じた診断基準を用いて診断を行うことができるので、診断の精度を向上することができる。
【0036】
また、前記測定対象は人であり、前記目的情報はバイタルサインであり、前記属性は国籍、性別、年齢、身長、体重、及び血液型のうち少なくとも一つであることが好ましい。
【0037】
この構成によれば、人の属性に応じた診断基準を用いて人の状態を診断することができるので、診断の精度を向上することができる。
【0038】
また、前記情報監視装置には、自己を識別するための識別情報が付与されており、前記記憶処理部は、複数の前記目的情報を含む情報ブロックと前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させ、前記情報管理システムは、前記記憶処理部に処理を要求可能な端末装置をさらに備え、前記端末装置は、前記情報監視装置から前記識別情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた情報ブロックを、前記記憶処理部へ要求することにより取得する要求処理部とを備えることが好ましい。
【0039】
この構成によれば、端末装置を用いて、情報監視装置から識別情報を読み取って、その識別情報に対応付けられた情報ブロックを、記憶処理部へ要求することにより取得することができる。すなわち、その情報監視装置によって検出され、累積的に記憶された目的情報を、端末装置で確認することが可能となる。
【0040】
また、前記情報監視装置には、自己を識別するための識別情報が付与されており、前記記憶処理部は、複数の前記目的情報と前記診断部の診断結果とのうち少なくとも一つを含む情報ブロックと前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させ、前記情報管理システムは、前記記憶処理部に処理を要求可能な端末装置をさらに備え、前記端末装置は、前記情報監視装置から前記識別情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた情報ブロックを、前記記憶処理部へ要求することにより取得する要求処理部とを備えることが好ましい。
【0041】
この構成によれば、端末装置を用いて、情報監視装置から識別情報を読み取って、その識別情報に対応付けられた情報ブロックを、記憶処理部へ要求することにより取得することができる。すなわち、その情報監視装置によって検出され、累積的に記憶された目的情報と診断結果とのうち少なくとも一つを、端末装置で確認することが可能となる。
【0042】
また、公開鍵を含む電子証明書と対になる秘密鍵を用いて前記情報ブロックに電子署名を付与し、前記電子署名が付与された情報ブロックを前記識別情報とを対応付けて前記記憶部に記憶させる電子証明処理部をさらに備え、前記要求処理部は、前記読取部によって読み取られた識別情報に対応付けられた、前記電子署名が付与された情報ブロックと、前記電子証明書とを、前記記憶処理部へ要求することにより取得し、前記端末装置は、前記要求処理部により取得された前記電子証明書を用いて、前記電子署名が付与された情報ブロックの検証を行う検証部をさらに備えることが好ましい。
【0043】
この構成によれば、累積的に記憶された目的情報を含む情報ブロックの改ざんを防止することができる。従って、検出された目的情報が、継続的に検出された情報であることの確実性が向上する。
【0044】
また、本発明に係る入国審査方法は、上述の情報管理システムを用いる入国審査方法であって、前記情報監視装置を身に付けた人が入国する際に、前記端末装置によって取得された前記情報ブロックに基づいて、入国審査又は検疫を行う。
【0045】
この構成によれば、情報監視装置を身に付けた人から検出された目的情報が、継続的に検出された情報であることの確実性が向上する。その結果、入国審査又は検疫の確実性が向上する。
【0046】
また、本発明に係る入場管理方法は、上述の情報管理システムを用いる入場管理方法であって、前記情報監視装置をチケットとして販売する工程と、前記情報監視装置を身に付けた人が入場する際に、前記端末装置によって取得された前記情報ブロックに基づいて、入場の可否を判断する工程とを含む。
【0047】
この構成によれば、情報監視装置を身に付けた人から検出された目的情報が、継続的に検出された情報であることの確実性が向上する。その結果、入場の可否を判断する精度が向上する。
【0048】
また、本発明に係る情報管理プログラムは、上述の情報監視装置から得られた情報を記憶する記憶部、前記繰り返し検出された前記目的情報を、累積的に前記記憶部に記憶させる記憶処理部としてコンピュータを機能させる。
【0049】
この情報管理プログラムによれば、コンピュータを、記憶部、及び記憶処理部等として機能させることができる。
【発明の効果】
【0050】
このような構成の情報監視装置、情報管理システム、入国審査方法、入場管理方法、及び情報管理プログラムは、検出された情報が、継続的に検出された情報であることを確認することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す情報監視装置を表側から見た斜視図である。
【
図3】
図2に示す情報監視装置を裏側から見た斜視図である。
【
図4】
図2に示す情報監視装置の分解斜視図である。
【
図5】
図2に示す回路ユニット及び
図1に示す無線通信端末の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示す情報監視装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示す情報監視装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示す無線通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図1に示すサーバ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図1に示すサーバ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】記憶部に予め記憶される診断基準テーブルの一例を示す説明図である。
【
図12】稽留熱として知られている熱型を示すグラフである。
【
図13】弛張熱として知られている熱型を示すグラフである。
【
図14】間欠熱として知られている熱型を示すグラフである。
【
図15】波状熱として知られている熱型を示すグラフである。
【
図16】周期熱として知られている熱型を示すグラフである。
【
図17】
図1に示す端末装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0053】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す情報管理システム1は、情報監視装置2、無線通信端末3、サーバ装置4、及び端末装置5を備えている。無線通信端末3、サーバ装置4、及び端末装置5は、ネットワークNを介してデータ送受信可能に通信接続されている。
【0054】
情報監視装置2は、測定対象である人Uの体に貼付され、取り付けられて用いられる。無線通信端末3としては、人Uが使用するスマートフォンを好適に用いることができる。端末装置5は、例えば入国審査所で入国審査や検疫に用いられたり、あるいはイベント会場、コンサート会場、スタジアム、映画館、劇場等、種々の会場への入場受付に用いられたりすることが想定される。
【0055】
ネットワークNは、例えば、移動体無線通信基地局、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット等、種々のネットワークを含んでよい。
【0056】
無線通信端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及び携帯型パーソナルコンピュータ等の無線端末装置である。無線通信端末3は、例えばBluetooth(登録商標)等の比較的短距離の無線通信手段によって、情報監視装置2と無線通信可能とされている。また、無線通信端末3は、移動体通信やWiFi(登録商標)等の無線通信によってネットワークNにアクセスし、ネットワークNを介してサーバ装置4とデータ送受信可能とされている。無線通信端末3は、情報監視装置2とサーバ装置4との間でデータ通信を中継する。
【0057】
図2は、
図1に示す情報監視装置2を表側から見た斜視図である。
図3は、
図2に示す情報監視装置2を裏側から見た斜視図である。
図4は、
図2に示す情報監視装置2の分解斜視図である。
【0058】
情報監視装置2は、回路ユニット21と、回路ユニット21を保持する保持部材22とを備えている。回路ユニット21は、例えば矩形の板状形状を有している。保持部材22は、例えばカバーシート221(シート部材)と、アンダーシート222(シート部材)と、粘着層223とがこの順に積層されて構成されている。カバーシート221とアンダーシート222との間に回路ユニット21が挟み込まれることによって、回路ユニット21が保持されている。
【0059】
カバーシート221及びアンダーシート222は、透光性を有する例えば透明の、防水性を有するシート部材である。カバーシート221及びアンダーシート222としては、例えばポリエステルフィルム等の樹脂シートを用いることができる。カバーシート221及びアンダーシート222は、例えば熱溶着され、あるいは接着剤により接着されている。これにより、回路ユニット21が密閉され、汗、雨、手洗い、入浴等に対して防水性が付与されている。
【0060】
なお、カバーシート221と、アンダーシート222とが積層されている例に限らない。保持部材22は、カバーシート221とアンダーシート222とのうち、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0061】
粘着層223には、回路ユニット21を避けるように開口した開口部Hが形成されている。粘着層223によって、情報監視装置2を人Uの体に貼り付けることができる。
【0062】
情報監視装置2を人Uの体に貼り付ける前の段階では、粘着層223の取付面Mには、剥離シート224,225が貼付されている。剥離シート224,225は、遮光性を有している。剥離シート224,225には、粘着層223から剥離し易いように表面処理が施されている。剥離シート224,225は、取付面Mから剥がしやすいように、剥離シート224と、剥離シート225とに分離されている。
【0063】
回路ユニット21は、略矩形板状の回路基板211と、シート形状の電池212とが積層されて構成されている。なお、回路基板211と電池212とは積層される例に限られず、種々の配置を採用できる。
【0064】
回路ユニット21の表面には、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コード又はバーコードその他の画像コード213が印刷されている。各情報監視装置2には、自己を他の情報監視装置2と識別するための識別情報IDがそれぞれ付与されている。画像コード213には、自己の情報監視装置2に付与された識別情報IDを示す情報が含まれている。カバーシート221は透光性を有し、カバーシート221を介して外部から画像コード213を読み取り可能とされている。
【0065】
回路ユニット21の裏面には、温度センサ214と、光センサ215とが配設されている。温度センサ214は、情報監視装置2が人Uに貼付されて取り付けられることにより、アンダーシート222を介して人Uの体に密着する。これにより、温度センサ214は、人Uの体温Tを検出する。
【0066】
粘着層223の取付面Mに剥離シート224が貼付されているときは、光センサ215は、遮光されて光を検出しない。取付面Mから剥離シート224が剥離されると、光センサ215は、透光性を有するアンダーシート222を介して周囲環境の光を検出する。情報監視装置2の取付面Mが人Uに貼付されると、光センサ215は、周囲環境の光から遮光されて光を検出しない。
【0067】
すなわち、情報監視装置2が人Uに貼付されている間、光センサ215は周囲環境の光を検出することがなく、情報監視装置2が人Uから剥がされると、光センサ215に周囲環境の光が入って光が検出される。従って、光センサ215によって、情報監視装置2の温度センサ214が人Uから取り外され、情報監視装置2が人Uから離間したことを検出することができる。光センサ215は、離脱検出部の一例に相当する。
【0068】
情報監視装置2は、人Uに取り付けられている期間中、温度センサ214によって人Uの体温Tを検出することができるから、光センサ215によって情報監視装置2が人Uから離間したことが検出されなければ、体温T(情報)の検出を開始した後、その体温Tが継続して検出されていたことを確認することが容易である。
【0069】
図5は、
図2に示す回路ユニット21及び
図1に示す無線通信端末3の電気的構成の一例を示すブロック図である。回路ユニット21は、電池212、温度センサ214(センサ)、光センサ215、電力制御部216、通信部217、及び制御部210を備えている。
【0070】
温度センサ214は、人Uの体温T(目的情報)を測定するための温度センサであり、検出した温度を示す信号を制御部210へ出力する。光センサ215は、周囲環境の光を検出し、検出した光を示す検出信号を電力制御部216及び制御部210へ出力する。
【0071】
電力制御部216は、例えばトランジスタやラッチ回路等を用いて構成されている。電力制御部216は、光センサ215からの検出信号が示す光の検出レベルDLが、周囲環境の光を検出したことを示すレベルとして予め設定されたオンレベルLonを超えたとき、すなわち光センサ215によって所定の光が検出されたとき、電池212による回路ユニット21内の各部に対する電力供給を開始させる。
【0072】
通信部217は、無線通信端末3と通信可能な通信インターフェース回路である。通信部217の通信方式としては、例えば消費電力の少ないBluetooth(登録商標)を好適に用いることができる。
【0073】
制御部210は、例えば所定の論理演算を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、不揮発性のフラッシュメモリ等の記憶素子、RTC(Real Time Clock)及びこれらの周辺回路等を用いて構成された、いわゆるマイクロコンピュータである。
【0074】
制御部210は、記憶素子に予め記憶された所定のプログラムを実行することによって、起動制御部11、検出制御部12、データ処理部13、及び離脱判定部14として機能する。上述のRAM、及び/又は記憶素子は、記憶部15として機能する。
【0075】
記憶部15には、自己の情報監視装置2に付与された識別情報ID、すなわち自己の画像コード213に示された識別情報IDと同じ識別情報IDが予め記憶されている。
【0076】
起動制御部11は、光センサ215によって所定の光が検出されて電池212による電力供給が開始され、制御部210が起動した後、すなわち光センサ215によって所定の光が検出された後、光センサ215からの検出信号が示す検出レベルDLが所定の光が検出されないことを示すオフレベルLoffを下回り、すなわち所定の光が検出されなくなったとき、通信部217、検出制御部12、データ処理部13、及び離脱判定部14の動作を開始させる。
【0077】
検出制御部12は、温度センサ214によって検出された体温Tを、所定の検出間隔twで繰り返し取得する。すなわち、検出制御部12は、温度センサ214によって体温Tを繰り返し検出させる制御を実行する。
【0078】
また、検出制御部12は、体温Tが、異常の可能性がある事象として予め設定された特定事象に該当したとき、例えば体温Tが37℃を超えたとき、検出間隔twを短縮する。
【0079】
データ処理部13は、検出制御部12によって取得された体温Tと、検出された日時を示す日時情報と、自己の識別情報IDとを対応付けて、通信部217によって無線通信端末3へ送信させる。なお、データ処理部13は、検出制御部12によって取得された体温Tを、日時情報と対応付けて累積的に記憶部15に記憶させて蓄積しておき、蓄積されたデータがある程度溜まったときに、まとめて通信部217から無線通信端末3へ送信させてもよい。
【0080】
離脱判定部14は、電池212による電力供給が開始されて制御部210が起動した後即ち光センサ215によって所定の光が検出された後に、光センサ215からの検出信号が示す検出レベルDLがオフレベルLoffを下回り即ち所定の光が検出されなくなった後、再び検出レベルDLがオンレベルLonを超え即ち再び光センサ215によって所定の光が検出されたとき、人Uから情報監視装置2の温度センサ214が取り外されたと判定し、情報監視装置2が取り外されたことを示す離脱情報を、通信部217から無線通信端末3へ送信させることによって報知する。
【0081】
オンレベルLonとオフレベルLoffとは、同じ明るさの検出レベルであってもよく、オンレベルLonよりもオフレベルLoffの方が暗い検出レベルであってもよい。
【0082】
なお、離脱判定部14は、離脱情報を通信によって報知する例に限らない。例えば、回路ユニット21の表側にLED(Light Emitting Diode)等の表示器を備え、離脱判定部14は、人Uから情報監視装置2の温度センサ214が取り外されたと判定したとき、そのLEDを点灯し続ける等の表示を行うことによって報知してもよい。
【0083】
無線通信端末3は、第一通信部31、第二通信部32、タッチパネルディスプレイ33、及び制御部30を備えている。第一通信部31は、情報監視装置2の通信部217と無線通信可能な通信回路であり、例えばBluetooth(登録商標)の通信インターフェース回路である。第二通信部32は、ネットワークNを介してサーバ装置4と無線通信可能な通信回路であり、例えば移動体通信やWiFi(登録商標)等の通信インターフェース回路である。
【0084】
制御部30は、例えば所定の論理演算を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、不揮発性のフラッシュメモリ等の記憶素子、RTC、及びこれらの周辺回路等を用いて構成された、いわゆるマイクロコンピュータである。
【0085】
制御部30は、記憶素子に予め記憶された所定のプログラムを実行することによって、通信制御部301、及び属性受付部302として機能する。制御部30のRAM、及び/又は記憶素子は、記憶部303として機能する。プログラムは、いわゆるアプリとしてネットワークNからダウンロード可能であってもよい。
【0086】
通信制御部301は、情報監視装置2から第一通信部31によって受信された体温T、日時情報、及び識別情報IDを、第二通信部32によって、ネットワークNを介してサーバ装置4へ送信させる。通信制御部301は、第一通信部31によって受信された体温T、日時情報、及び識別情報IDを、累積的に記憶部303に記憶させておき、蓄積されたデータがある程度溜まったときに、まとめて第二通信部32からサーバ装置4へ送信させてもよい。
【0087】
以下、通信制御部301が、第一通信部31によって、情報監視装置2と送受信させることを、単に通信制御部301が情報監視装置2と送受信すると記載し、通信制御部301が、第二通信部32によって、ネットワークNを介してサーバ装置4と送受信させることを、単に通信制御部301がサーバ装置4と送受信すると記載することがある。
【0088】
通信制御部301は、さらに、情報監視装置2から離脱情報を受信したとき、その離脱情報をサーバ装置4へ送信する。
【0089】
属性受付部302は、人Uからの、属性情報の入力を受け付ける。属性情報は、例えば、国籍、性別、年齢、身長、体重、及び血液型等、人Uの属性を表す情報である。
【0090】
通信制御部301は、属性受付部302によって受け付けられた属性情報を、その人Uの情報監視装置2の識別情報IDと対応付けて、サーバ装置4へ送信する。
【0091】
図1を参照して、サーバ装置4は、外部通信部47と、制御部40とを備える。外部通信部47は、ネットワークNを介して無線通信端末3の第二通信部32と通信可能な通信インターフェース回路である。外部通信部47は、情報監視装置2の通信部217から送信され、無線通信端末3によって中継された情報を受信することによって、通信部217から間接的に情報を受信する。
【0092】
制御部40は、例えば所定の論理演算を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、不揮発性のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置、RTC、及びこれらの周辺回路等を用いて構成された、いわゆるマイクロコンピュータである。
【0093】
制御部40は、記憶素子に予め記憶された情報管理プログラムを実行することによって、記憶処理部41、診断部42、属性取得部43、診断基準取得部44、及び電子証明処理部45として機能する。制御部40のRAM、及び/又は記憶装置は、記憶部46として機能する。情報管理プログラムは、記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0094】
記憶部46には、属性情報と、診断基準との対応関係を示す診断基準テーブルが、例えば統計的に予め求められて記憶されている。
【0095】
記憶処理部41は、情報監視装置2の通信部217から無線通信端末3を介して外部通信部47で受信された体温T、日時情報、及び識別情報IDを互いに対応付けて累積的に記憶部46に記憶させる。記憶処理部41は、このように、識別情報IDと対応付けられた、複数の体温T及び日時情報をひとかたまりの情報ブロックとして記憶部46に記憶させる。情報ブロックは、いわゆるデータファイルであってもよい。
【0096】
記憶処理部41は、無線通信端末3から離脱情報を受信したとき、その離脱情報も、情報ブロックに含めて記憶部46に記憶させる。
【0097】
属性取得部43は、無線通信端末3から送信された属性情報と識別情報IDとを対応付けて取得し、記憶部46に記憶させる。
【0098】
診断基準取得部44は、記憶部46に記憶された属性情報に基づいて、診断の基準となる診断基準を取得する。
【0099】
診断部42は、記憶部46に記憶された体温Tに基づいて、診断基準取得部44により取得された診断基準を用いて診断を行う。また、診断部42は、記憶部46に記憶された体温Tに基づいて、熱型を判定する。
【0100】
電子証明処理部45は、電子証明書を取得して記憶部46に記憶させ、記憶部46に記憶された情報ブロックに電子署名を付与すると共に電子署名が付与された情報ブロックと識別情報IDとを対応付けて記憶部46に記憶させる。電子証明処理部45は、ネットワークNに接続された図略の第三者機関の認証局にアクセスすることによって、電子証明書を取得することができる。
【0101】
端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末等を用いて構成されている。端末装置5は、制御部50、読取部54、表示部55、及び端末通信部56を備えている。
【0102】
端末通信部56は、ネットワークNを介してサーバ装置4の外部通信部47と通信可能な通信インターフェース回路である。表示部55は、例えば液晶パネルや有機ELパネル等の表示装置である。
【0103】
読取部54は、情報監視装置2から識別情報IDを読み取る読取装置である。読取部54としては、例えば画像コード213から識別情報IDを読み取るカメラ等を用いることができる。
【0104】
制御部50は、例えば所定の論理演算を実行するCPU、データを一時的に記憶するRAM、不揮発性のHDDやSSD等の記憶装置、RTC、及びこれらの周辺回路等を用いて構成された、いわゆるマイクロコンピュータである。
【0105】
制御部50は、記憶装置に予め記憶された所定のプログラムを実行することによって、要求処理部51、検証部52、及び情報報知部53として機能する。
【0106】
要求処理部51は、読取部54によって読み取られた識別情報IDに基づいて、当該識別情報IDと対応付けられた情報ブロックの要求を、端末通信部56によって、ネットワークNを介してサーバ装置4へ送信させる。以下、要求処理部51又は検証部52が、端末通信部56によってネットワークNを介してサーバ装置4へ送受信させることを、単に、要求処理部51又は検証部52がサーバ装置4へ送受信する、等と記載することがある。
【0107】
要求を受信したサーバ装置4では、記憶処理部41が記憶部46を参照して、その識別情報IDと対応付けられた、電子署名が付与された情報ブロックと電子証明書とを、端末装置5へ送信する。
【0108】
端末装置5では、検証部52が、電子証明書に基づいて、電子署名された情報ブロックの検証を行う。
【0109】
情報報知部53は、情報ブロックの情報を表示部55に表示する等して報知する。また、情報報知部53は、検証部52の検証が失敗した場合、すなわち情報ブロックが改ざんされているおそれがある場合、表示部55に表示する等して検証の失敗を報知する。
【0110】
これにより、端末装置5の使用者は、表示部55の表示等から、識別情報IDの情報監視装置2が取り付けられた人Uの、情報ブロックの情報を確認することができ、かつ、その情報ブロックの情報が改ざんされているおそれの有無を確認することができる。
【0111】
また、もし仮に、予め設定された監視期間tm内に人Uから情報監視装置2が取り外された場合、情報ブロックには離脱情報が含まれる。従って、端末装置5の使用者は、情報ブロックに含まれる体温Tの監視期間tm内の記録が、情報監視装置2が取り外されることなく連続的に測定されたものであることを確認することができる。これにより、監視期間tmにわたる体温Tの監視の確実性が向上する。
【0112】
次に、情報管理システム1を、入国審査に適用した場合の動作の一例について説明する。
図6、
図7は、情報監視装置2の動作の一例を示すフローチャートである。まず、A国からB国へ渡航しようとする人Uが、情報監視装置2を入手する。
【0113】
そして、人Uが、情報監視装置2から剥離シート224を剥離する(ステップS1)。剥離シートは、剥離シート224と剥離シート225とに分離しているので、人Uは、剥離シート225が貼付されている部分を手に持って、剥離シート224を剥離することができる。これにより、情報監視装置2から剥離シート224を剥離することが容易となる。
【0114】
情報監視装置2から剥離シート224が剥離されると、光センサ215が周囲環境から遮光されなくなるので、光センサ215が周囲環境の光を検出する(ステップS2)。
【0115】
そして、光センサ215の検出レベルDLがオンレベルLonを超え、即ち所定の光が検出されると(ステップS3でYES)、電力制御部216が、電池212から、制御部210、温度センサ214、及び通信部217への電力供給を開始させる(ステップS4)。
【0116】
これにより、情報監視装置2から剥離シート224が剥離されるまで、電池212からの電力供給を遮断することができるので、情報監視装置2が使用されずに保管されている間に、電池212が消耗するおそれが低減される。
【0117】
次に、人Uは、剥離シート224が剥離された部分の粘着層223を人Uの体に貼り付け、剥離シート225を剥離して粘着層223全体を人Uの体に貼り付ける。これにより、情報監視装置2が人Uの体に取り付けられる(ステップS5)。
【0118】
このように、剥離シート225が剥離されていない部分を手に持って剥離シート224が剥離された部分の粘着層223を人Uの体に貼り付けた後、剥離シート225を剥離して粘着層223全体を人Uの体に貼り付けることができるので、情報監視装置2を人Uの体に取り付けることが容易である。
【0119】
情報監視装置2が人Uの体に取り付けられると、温度センサ214及び光センサ215が、アンダーシート222を介して人Uの体に密着する。
【0120】
光センサ215が人Uの体に密着すると、周囲環境の光が光センサ215に入らなくなる。その結果、光センサ215の検出レベルDLがオフレベルLoffを下回り、すなわち所定の光が検出されなくなったとき(ステップS6でYES)、起動制御部11は、通信部217、検出制御部12、データ処理部13、及び離脱判定部14の動作を開始させる。これにより、ステップS7以降の実行が開始される。
【0121】
起動制御部11によれば、剥離シート225が剥離され、センサ215により周囲環境の光が検出されて電池212からの電力供給が開始された後、情報監視装置2が人Uの体に取り付けられて温度センサ214による体温Tの検出が可能になるまで待って、体温Tが取得されるので、情報監視装置2が人Uの体に取り付けられる前の、環境温度等が誤って体温Tとして検出されるおそれを低減することができる。
【0122】
次に、通信部217が、無線通信端末3との間で通信可能にするための通信接続処理を実行する(ステップS7)。
【0123】
図8は、無線通信端末3の動作の一例を示すフローチャートである。通信制御部301によって、情報監視装置2との間で通信接続処理が実行され、通信可能になると(ステップS31でYES)、通信制御部301が情報監視装置2から識別情報IDを受信し(ステップS32)、属性受付部302が人Uに関する属性情報の入力を受け付ける(ステップS33)。
【0124】
属性受付部302は、例えばタッチパネルディスプレイ33に、例えば「あなたの国籍、性別、年齢、身長、体重、血液型を入力して下さい」といった属性情報の入力を促すメッセージを表示し、人Uがタッチパネルディスプレイ33を操作して入力した属性情報を受け付ける。
【0125】
属性受付部302は、このようにして得られた属性情報と、情報監視装置2から取得された識別情報IDとを対応付けてサーバ装置4へ送信する(ステップS34)。
【0126】
以後、無線通信端末3は、情報監視装置2から送信された情報をサーバ装置4へ送信し、情報監視装置2とサーバ装置4との間で通信を中継する(ステップS35)。これにより、情報監視装置2は、例えばBluetooth(登録商標)のような、通信距離の短い、消費電力の少ない通信方式の通信部217を用いて遠方のサーバ装置4に情報を送信することができるので、情報監視装置2の低消費電力化、及び低コスト化が容易となる。
【0127】
図7を参照して、情報監視装置2では、温度センサ214によって人Uの体温Tが検出され、この検出された体温Tを検出制御部12が取得する(ステップS11)。
【0128】
次に、データ処理部13が、検出制御部12によって取得された体温Tと、体温Tが取得された日時を表す日時情報と、識別情報IDとを対応付けて、無線通信端末3へ送信する(ステップS12)。
【0129】
そうすると、無線通信端末3では、その体温T、日時情報、及び識別情報IDが、通信制御部301によってサーバ装置4へ送信される(ステップS35)。
【0130】
次に、情報監視装置2では、検出制御部12が、体温Tを、予め設定された特定体温Tsと比較する(ステップS13)。特定体温Tsは、異常の一例である発熱の可能性のある体温として、例えば37.0℃とすることができる。
【0131】
検出制御部12は、体温Tが特定体温Tsを超えた場合(ステップS13でYES)、検出間隔twを、現状よりも短縮し(ステップS14)、ステップS15へ処理を移行する。一方、体温Tが特定体温Tsを超えない場合(ステップS13でNO)、ステップS14を実行することなく検出間隔twを現状のまま維持してステップS15へ移行する。
【0132】
体温Tが特定体温Ts(例えば37.0℃)を超えることは、異常の可能性のある事象であり、特定事象の一例に相当する。なお、特定体温Tsは、37.0℃に限られず、情報監視装置の監視目的に応じて適宜設定すればよい。
【0133】
検出間隔twを短縮すると、後述するステップS17によって、体温Tの検出頻度が高められる。これにより、体温Tの検出頻度又は通信頻度を低減して消費電力や通信負荷を低減しつつ、異常の可能性がある必要性が高いときには体温Tの検出頻度を高めて体温Tの監視精度を向上することができる。
【0134】
次に、ステップS15において、離脱判定部14は、光センサ215の検出レベルDLとオンレベルLonとを比較する(ステップS15)。そして、検出レベルDLがオンレベルLonを超えた場合(ステップS15でYES)、離脱判定部14は、情報監視装置2が人Uから取り外されたことを示す離脱情報を、識別情報IDと共に無線通信端末3へ送信する(ステップS16)。
【0135】
そうすると、無線通信端末3において、離脱情報及び識別情報IDが、通信制御部301によってサーバ装置4へ送信される(ステップS35)。
【0136】
検出レベルDLがオンレベルLonを超えること(ステップS15でYES)は、光センサ215が光を検出したことを意味しており、情報監視装置2が人Uから取り外されて外部環境の光が光センサ215に入ったと考えられる。従って、検出レベルDLがオンレベルLonを超えた場合(ステップS15でYES)、離脱情報を無線通信端末3へ送信する(ステップS16)ことによって、無線通信端末3を介してサーバ装置4へ、情報監視装置2が人Uから取り外されたことを通知することができる。
【0137】
次に、検出制御部12は、ステップS11で前回体温Tが検出されてから検出間隔tw経過したか否かを確認する(ステップS17)。まだ検出間隔tw経過していなければ(ステップS17でNO)、ステップS15~S17を繰り返し、情報監視装置2が人Uから取り外されることを監視する。
【0138】
一方、検出間隔tw経過していれば(ステップS17でYES)、再びステップS11~S17を繰り返す。これにより、検出間隔tw間隔で、継続的に体温Tを検出し、サーバ装置4へ送信し続けることができる。
【0139】
図9、
図10は、
図1に示すサーバ装置4の動作の一例を示すフローチャートである。まず、記憶処理部41は、情報監視装置2の識別情報IDと属性情報を、無線通信端末3を介して受信し、その属性情報を識別情報IDと対応付けて記憶部46に記憶させる(ステップS41)。
【0140】
次に、記憶処理部41は、情報監視装置2の識別情報ID、日時情報、及び体温Tを、無線通信端末3を介して受信し、日時情報、及び体温Tを、情報ブロックとして識別情報IDと対応付けて記憶部46に累積的に記憶させる(ステップS42)。
【0141】
なお、情報管理システム1は、複数の情報監視装置2を含むことができ、サーバ装置4は、各情報監視装置2の識別情報IDにそれぞれ対応して、以下の処理を実行することができる。しかしながら、以下の説明では、説明を容易にするため、一つの情報監視装置2を対象にする動作を説明する。
【0142】
次に、記憶処理部41は、離脱情報を受信したか否かをチェックする(ステップS43)。離脱情報を受信した場合(ステップS43でYES)、記憶処理部41は、その受信した離脱情報に対応する識別情報IDの情報ブロックに、その離脱情報を追加する(ステップS44)。
【0143】
これにより、監視期間tm中に、識別情報IDの情報監視装置2が人Uの体から取り外されたことが、情報ブロックに記憶される。すなわち、離脱情報を含む情報ブロックの体温Tは、監視期間tm中、同一人物の体温Tを計り続けたものであることが保証できないことが、明確となる。
【0144】
一方、離脱情報を受信しなかった場合(ステップS43でNO)、記憶処理部41は、情報ブロックに離脱情報を追加することなくステップS45へ処理を移行する。
【0145】
ステップS45において、記憶処理部41は、識別情報IDの体温Tを、最初に受信したときから監視期間tmが経過したか否かをチェックする(ステップS45)。監視期間tmが経過していなければ(ステップS45でNO)、再びステップS42~S45を繰り返す。
【0146】
監視期間tmが経過していれば(ステップS45でYES)、診断基準取得部44は、識別情報IDと対応する属性情報に基づき、診断基準を取得する(ステップS46)。
【0147】
具体的には、診断基準取得部44は、例えば以下のようにして診断基準を取得することができる。
図11は、記憶部46に予め記憶される診断基準テーブルの一例を示す説明図である。
図11に示す診断基準テーブルAは、属性として、国籍、性別、年齢、身長、及び血液型を含んでいる。そして、これらの属性の組み合わせに対して、診断基準を表す正常体温と変動範囲とが対応付けられている。
【0148】
診断基準テーブルAは、例えば、様々な属性の人について、一定期間体温Tを測定し、その測定結果を統計的に処理することによって、得ることができる。
【0149】
ステップS46において、診断基準取得部44は、例えば人Uの属性が、国籍:日本、性別:男、年齢:20、身長170、血液型:Oであった場合、診断基準テーブルAを参照し、正常体温36.5℃、変動範囲±0.4の判断基準36.1~36.9℃を得ることができる。
【0150】
次に、診断部42は、識別情報IDと対応する情報ブロックの体温Tを、ステップS46で得られた診断基準に基づき診断する(ステップS47)。具体的には、診断部42は、識別情報IDと対応する情報ブロックに含まれる、監視期間tm中に検出された体温Tがすべて判断基準36.1~36.9℃の範囲内であれば正常と診断し(ステップS51でYES)、識別情報IDの情報ブロックに、正常を示す診断結果を追加する(ステップS52)。
【0151】
一方、識別情報IDと対応する情報ブロックに含まれる、監視期間tm中に検出された体温Tのうち一つでも判断基準36.1~36.9℃の範囲外であれば異常と診断し(ステップS51でNO)、識別情報IDの情報ブロックの体温Tについて、熱型を判定する(ステップS53)。
【0152】
図12~
図16は、熱型の一例を示す説明図である。
図12は、稽留熱として知られている熱型を示すグラフであり、1日の体温差が1℃以内で高熱が持続する。
図13は、弛張熱として知られている熱型を示すグラフであり、1日の体温差が1℃以上変動し、かつ37℃以下には下がらない。
図14は、間欠熱として知られている熱型を示すグラフであり、高熱と平熱の状態が一定期間毎に交互に現れ、体温差が大きい。
図15は、波状熱として知られている熱型を示すグラフであり、有熱期と無熱期とが不規則に繰り返す。
図16は、周期熱として知られている熱型を示すグラフであり、規則正しい周期で発熱を繰り返す。
【0153】
ステップS53において、診断部42は、識別情報IDの情報ブロックの体温Tが、稽留熱、弛張熱、間欠熱、波状熱、周期熱のうち何れの熱型に該当するかを判定する。そして、診断部42は、異常を示す診断結果と、熱型を示す情報とを、識別情報IDの情報ブロックに追加する(ステップS54)。
【0154】
稽留熱は、大葉性肺炎、腸チフスの極期、栗粒結核、及び髄膜炎で発生することが知られている。弛張熱は、化膿性疾患、敗血症、腸チフスの解熱期、ウィルス性疾患、悪性腫瘍、及び肺結核などで発生することが知られている。間欠熱は、マラリア及び回帰熱で発生することが知られている。波状熱は、ブルセラ、マラリア、ホジキン病、腎結石、胆道閉鎖などで発生することが知られている。周期熱は、マラリア、ステロイド熱で発生することが知られている。
【0155】
このように、熱型と、疾患とは関連しているので、熱型を判定することによって、人Uの疾患を推定する手掛かりとすることができる。
【0156】
次に、電子証明処理部45は、識別情報IDの情報ブロックに電子署名を付与し、その電子署名が付与された情報ブロックを、識別情報IDと対応付けて記憶部46に記憶し(ステップS55)、以後、端末装置5からの要求があるまで処理を終了する。
【0157】
電子証明処理部45は、例えば、予め認証局から、公開鍵を含む電子証明書と、その電子証明書と対応する秘密鍵とを取得して、記憶部46に記憶させておく。電子証明書には、認証局を示す情報も含まれている。この秘密鍵を用いて、識別情報IDの情報ブロックに電子署名することができる。
【0158】
次に、渡航した後の人Uが、入国審査を受ける際の、情報管理システム1の動作について説明する。以下、例えば入国審査所に端末装置5を設置し、入国審査官が端末装置5を使用する場合について説明する。
図17は、
図1に示す端末装置5の動作の一例を示すフローチャートである。
【0159】
まず、渡航してきた人Uが入国するべく入国審査所にやってきたとき、入国審査官は、人Uの体に取り付けられている情報監視装置2の画像コード213を、読取部54を用いて読み取る操作を行う。これにより、人Uの体に取り付けられている情報監視装置2の識別情報IDが、読取部54によって読み取られる(ステップS61)。
【0160】
次に、要求処理部51は、読取部54によって読み取られた識別情報IDに対応する情報ブロック、及び公開鍵を含む電子証明書を、サーバ装置4の記憶処理部41に要求する(ステップS62)。
【0161】
そうすると、サーバ装置4では、要求処理部51からの要求を受信し、記憶処理部41が、要求された識別情報IDに対応する情報ブロックと、電子証明書とを、記憶部46から読み出して端末装置5へ送信する。
【0162】
端末装置5では、サーバ装置4から受信した情報ブロックと、電子証明書とを、要求処理部51が取得する(ステップS63)。
【0163】
次に、検証部52は、受信された電子証明書に基づいて、識別情報IDに対応する情報ブロックを検証する(ステップS64)。
【0164】
例えば、検証部52は、電子証明書に含まれる、認証局を示す情報を参照し、その認証局にアクセスして電子証明書の有効性を確認する。電子証明書が無効であった場合、検証は失敗する(ステップS65でNO)。電子証明書が有効であった場合、情報ブロックに付与された電子署名を復号してハッシュ値を得る。さらに、情報ブロックのハッシュ値を参照し、電子署名から得られたハッシュ値と一致すれば検証は成功し(ステップS65でYES)、一致しなければ検証は失敗する(ステップS65でNO)。
【0165】
検証が失敗した場合(ステップS65でNO)、情報報知部53は、検証失敗した旨を、例えば表示部55に表示するなどして報知し(ステップS66)、ステップS67へ処理を移行する。これにより、入国審査官は、人Uの体温Tの記録が信用できないとして、人Uの入国を拒否することができる。
【0166】
一方、検証が成功した場合(ステップS65でYES)、ステップS66を実行することなくステップS67へ処理を移行する。
【0167】
ステップS67では、情報報知部53は、サーバ装置4から受信した識別情報IDの情報ブロックに、離脱情報が含まれているか否かをチェックする(ステップS67)。離脱情報が含まれていた場合(ステップS67でYES)、情報報知部53は、情報ブロックに離脱情報が含まれている旨、あるいは人Uの体温Tの記録が信用できない旨、例えば表示部55に表示するなどして報知し(ステップS68)、ステップS69へ処理を移行する。
【0168】
一方、離脱情報が含まれていない場合(ステップS67でNO)、情報報知部53は、ステップS68を実行することなくステップS69へ処理を移行する。
【0169】
情報ブロックに離脱情報が含まれていた場合(ステップS67でYES)、監視期間tm内に人Uから情報監視装置2が取り外された可能性がある。その結果、情報ブロックに含まれる体温Tは、監視期間tm内で検出されずに欠落している期間があったり、あるいは人Uとは異なる他人に貼り付けられて他人の体温Tであったりするおそれがある。従って、ステップS68において、情報ブロックに離脱情報が含まれている旨、あるいは人Uの体温Tの記録が信用できない旨、報知された場合、入国審査官は、人Uの体温Tの記録が信用できないとして、人Uの入国を拒否することができる。
【0170】
なお、情報報知部53は、ステップS66,S68において、検証失敗や離脱情報がある等の情報を、表示部55に表示させる例に限らない。例えば警報音を発するなどして報知してもよい。
【0171】
ステップS69において、情報報知部53は、識別情報IDの情報ブロックに含まれる、診断結果と、監視期間tm内の体温Tとを、表示部55によって表示させる(ステップS69)。これにより、入国審査官は、診断結果が異常を示す場合、人Uの入国を拒否することができる。また、入国審査官は、監視期間tmにおける、人Uの体温Tを確認することによって、感染症等の疑いがあると判断した場合、人Uの入国を拒否することができる。あるいは、入国の可否を、端末装置5又はサーバ装置4が判断してもよい。
【0172】
例えば、ウィルス等の感染症の感染予防を目的として、感染症が広がっているA国から、B国への人Uの入国を制限することが想定される。この場合、例えばA国において、出国前の監視期間tm(例えば14日間)、人Uが情報監視装置2を体に取り付け、監視期間tmが経過したときにB国へ渡航して、B国で入国審査又は検疫を受けることができる。
【0173】
この場合、B国に入国前における監視期間tmの間の体温Tが、継続して検出されたものであることを、B国入国の際に、入国審査官や検疫官が端末装置5を用いて確認することができるので、感染予防のための入国制限を効果的に行うことができる。
【0174】
さらに、例えばA国出国前に、人UのPCR(Polymerase Chain Reaction)検査を実施し、そのPCR検査の結果と、情報監視装置2によって得られた監視期間tmの体温Tとを用いれば、人Uの感染の有無を確認する確実性が向上する。その結果、人UがB国に入国した後の待機期間と短縮したり、待機を不要にしたりすることが容易となる。
【0175】
次に、情報管理システム1を用いて、イベント会場等の入場管理を行う方法について説明する。情報管理システム1を用いてイベント会場等の入場管理を行う場合、情報監視装置2をチケットとして販売することが好ましい。
【0176】
例えば、情報監視装置2のシート部材の表面に、画像コード213と重ならないように、「XXコンサートチケット 開催日:X年X月X日」というような、チケットとして必要な情報を印刷して、情報監視装置2を販売することが好ましい。そして、チケットを購入した人Uは、イベント等の開催前の監視期間tm(例えば14日間)、人Uが情報監視装置2を体に取り付けておく。イベント等の開催日にイベント等の会場入口で、入場管理者が、端末装置5の読取部54を用いて画像コード213を読み取る。さらに入場管理者は、端末装置5を用いて、サーバ装置4から人Uの監視期間tm中の体温T、診断結果、及び離脱情報等を取得し、これらの情報や、検証結果等に基づいて、人Uの入場の可否を判断してもよい。あるいは、人Uの入場の可否を、端末装置5又はサーバ装置4が判断してもよい。
【0177】
このように、情報管理システム1を用いてイベント等の入場管理を行うようにすれば、人Uの監視期間tm中の体温Tに基づいて、感染症等の疑いのある人Uの入場を避けることができるので、感染予防のための入場管理を効果的に行うことができる。
【0178】
なお、情報管理システム1を用いて入場管理を行う場合、必ずしも情報監視装置2そのものがチケットである必要はない。チケットとは別に、チケットを購入した人Uの体に情報監視装置2を取り付けてもよい。
【0179】
なお、目的情報は、体温Tに限らない。目的情報は、例えば心拍、脈拍、血圧、脈圧、心電、血中酸素濃度、呼吸数等のバイタルサインであってもよい。また、測定対象は人に限らず、目的情報はバイタルサインに限らない。
【0180】
例えば、測定対象をビンテージワインとし、目的情報を温度とすることが想定される。ビンテージワインの瓶に、情報監視装置2を貼り付けてワインの温度を監視しておき、ワインを販売する際に、端末装置5を用いて、サーバ装置4に記録されている温度履歴を購入者に示すことができる。これにより、高価なビンテージワインが適切に温度管理されていたことを購入者に示すことができるので、品質管理による付加価値を付けることが可能となる。
【0181】
また、離脱検出部は、温度センサ214が測定対象から取り外されたことを検出できればよく、光センサ215に限らない。離脱検出部として、光センサ215の代わりに例えば接触センサを用いてもよい。
【0182】
また、離脱検出部として、光センサ215の代わりに温度センサ214を用いてもよい。そして、温度センサ214で検出された体温Tが、人の体温と考えられる温度、例えば35℃を超えた後、人の体温としては通常考えられない温度、例えば33℃を下回ったときに、離脱判定部14は、情報監視装置2が取り外されたと判定し、ステップS16で離脱情報を無線通信端末3へ送信してもよい。
【0183】
また、離脱検出部として、光センサ215の代わりに、温度とはことなる目的情報を検出するセンサを用いて、その目的情報に基づいて、センサが測定対象から取り外されたことを検出してもよい。
【0184】
また、離脱検出部は、保持部材22を構成するシート部材の少なくとも一部を、測定対象に貼付された後に剥離されたとき、所定のパターンが生じる、又は変色することによって、センサを含む情報監視装置2が測定対象から取り外されたことを検出する部材であってもよい。このような部材としては、例えば、特開昭61-226783号公報、特開2014-044451号公報、特開平7-234636号公報、特開2004-212778号公報、特開2005-148325号公報等に記載のものを用いることができる。このような部材を用いた場合、離脱判定部14を備える必要はなく、ステップS15,S16,S43,S44,S67,S68は不要となる。
【0185】
また、保持部材は、シート部材に限らない。保持部材は、例えば回路ユニット21を直接測定対象に貼り付ける粘着剤(接着剤)であってもよい。また、保持部材は、例えばベルト等であってもよく、粘着層223を備えていなくてもよい。
【0186】
また、起動制御部11を備えず、ステップS6を実行することなくステップS5からステップS7へ処理を移行してもよい。
【0187】
また、特定事象は、体温Tが特定体温Tsを超えることに限らない。目的情報となる情報の種類、特性、及び情報監視装置の監視目的に応じて適宜設定すればよい。
【0188】
また、情報監視装置2は、電力制御部216を備えていなくてもよい。例えば、電池212からの電力供給をオン、オフする電源スイッチを備えていてもよく、電池212から回路ユニット21内の各部へ常時電力供給されていてもよい。
【0189】
また、情報監視装置2及び情報管理システム1の用途は入国管理又は入場管理に限定されず、種々の用途に用いることができる。
【0190】
また、属性受付部302を、サーバ装置4又は端末装置5が備えてもよい。情報管理システム1は、無線通信端末3を備えず、情報監視装置2は、無線通信端末3を介さずにサーバ装置4又は端末装置5と通信可能であってもよい。
【0191】
また、記憶処理部41、診断部42、属性取得部43、診断基準取得部44、電子証明処理部45、及び記憶部46を、サーバ装置4に備える例に限らない。記憶処理部41、診断部42、属性取得部43、診断基準取得部44、電子証明処理部45、及び記憶部46のうち少なくとも一部を、情報監視装置2、無線通信端末3、及び端末装置5のうちいずれかに備えてもよく、情報監視装置2、無線通信端末3、及び端末装置5に分散させて備えてもよい。
【0192】
また、情報管理システム1は、サーバ装置4を備えていなくてもよい。また、情報管理システム1は、情報監視装置2を含んでいなくてもよい。
【0193】
また、情報管理システム1は、電子証明処理部45及び検証部52を備えていなくてもよく、ステップS55,S64~S66を実行しなくてもよい。
【0194】
また、情報管理システム1は、属性取得部43及び診断基準取得部44を備えず、ステップS41,S46を実行しなくてもよい。診断基準は、予め固定的に設定されていてもよい。
【0195】
また、診断部42は、熱型の判定を実行しなくてもよく、ステップS53を実行しなくてもよい。また、情報管理システム1は、診断部42を備えず、ステップS41,S46,S47,S51~S54を実行しなくてもよい。
【符号の説明】
【0196】
1 情報管理システム
2 情報監視装置
3 無線通信端末
4 サーバ装置
5 端末装置
11 起動制御部
12 検出制御部
13 データ処理部
14 離脱判定部
15,46,303 記憶部
21 回路ユニット
22 保持部材(シート部材)
30,40,50,210 制御部
31 第一通信部
32 第二通信部
33 タッチパネルディスプレイ
36 判断基準
41 記憶処理部
42 診断部
43 属性取得部
44 診断基準取得部
45 電子証明処理部
47 外部通信部
51 要求処理部
52 検証部
53 情報報知部
54 読取部
55 表示部
56 端末通信部
211 回路基板
212 電池
213 画像コード
214 温度センサ(センサ)
215 光センサ(離脱検出部)
216 電力制御部
217 通信部
221 カバーシート(シート部材)
222 アンダーシート(シート部材)
223 粘着層
224,225 剥離シート
301 通信制御部
302 属性受付部
A 診断基準テーブル
ID 識別情報
M 取付面
N ネットワーク
T 体温(目的情報)
tm 監視期間
Ts 特定体温
tw 検出間隔
U 人(測定対象)