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特開2022-72740印刷装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072740
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220510BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220510BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220510BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220510BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20220510BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220510BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 303
G06F3/12 310
G06F3/12 335
H04N1/00 350
H04N1/00 E
B41J29/38 204
B41J29/42 F
B41J29/46 Z
G03G21/00 386
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182353
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 佑香
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ24
2C061CQ40
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HK23
2C061HN15
2C061HV14
2C061HV32
2H270KA55
2H270KA59
2H270LA96
2H270MC78
2H270MF14
2H270MF15
2H270MF17
2H270MH03
2H270NA01
2H270NA09
2H270NA12
2H270NC20
2H270NC22
2H270NC28
2H270QA13
2H270QA35
2H270QA55
2H270QB03
2H270RA18
2H270RA19
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC38
5C062AC65
5C062AF08
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】配送契約が締結されている場合において、消耗品の消耗状態に基づきユーザが知りたいことを適切に伝える。
【解決手段】複合機200は、印刷に使用するインクカートリッジ50が装着されるカートリッジホルダ51と、インクカートリッジ50を用いて用紙に画像を印刷する印刷部290と、インクカートリッジ50に関する情報を表示するタッチパネル240と、プロセッサ210と、を備え、印刷に使用するインクカートリッジ50に関する契約元との契約の締結内容に基づいて動作可能な複合機200であって、プロセッサ210は、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50のインク残量が第1しきい値以下となったか否かを判定する処理と、インク残量が第1しきい値以下と判定されたことを契機に、締結された契約内容に関連する消耗品関連情報をタッチパネル240に表示させる処理と、を実行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、
前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、
前記消耗品に関する情報を表示する表示部と、
制御部と、
を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に基づいて動作可能な印刷装置であって、
前記制御部は、
前記装着部に装着された前記消耗品の消耗状態量が第1しきい値に達したか否かを判定する状態量判定処理と、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことを契機に、前記締結された契約内容に関連する消耗品関連情報を前記表示部に表示させる表示処理と
を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記契約が締結されていない未契約モードと前記契約が締結されている契約済モードとに応じた動作を実行可能であり、
前記表示処理において、前記未契約モードでは前記契約の締結を促す締結案内情報を前記表示部に表示させ、前記契約済モードでは前記消耗品関連情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定された場合に、当該第1しきい値に達したことを報知する第1警告画面を前記表示部に表示させる第1警告表示処理を実行することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
操作部をさらに有し、
前記制御部は、さらに、
前記第1警告画面に対応する前記操作部の第1所定操作に基づき前記消耗状態量としての印刷剤の残量又は消費量を表す消耗状態量表示画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記未契約モードでは、前記表示処理において、前記第1警告画面に対応する前記操作部の第2所定操作に基づき前記締結案内情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記契約済モードでは、前記表示処理において、前記第1警告画面内に前記消耗品関連情報を表示させる
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の印刷装置。
【請求項7】
前記消耗品関連情報は、
前記消耗品の使用注意情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項8】
前記使用注意情報は、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値とは異なる第2しきい値に達したときに前記装着部に装着されている前記消耗品を交換するように促す情報を含む
ことを特徴とする請求項7記載の印刷装置。
【請求項9】
前記使用注意情報は、
前記装着部に装着されている前記消耗品を使い切るように促す情報を含むことを特徴とする請求項7記載の印刷装置。
【請求項10】
前記消耗品関連情報は、
前記消耗品の配送に関する配送情報を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記契約済モードでは、さらに、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことに対応した新たな前記消耗品の発送状況問い合わせを送信する問い合わせ送信処理と、
前記発送状況問い合わせに対応した回答を取得する回答取得処理と
を実行し、
前記表示処理において、前記回答取得処理で取得した前記回答に基づき前記配送情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記契約済モードでは、さらに、
前記配送情報の表示に対応した所定の発送要請操作を受け付ける発送要請受付処理と、
前記発送要請受付処理で受け付けた前記発送要請操作に応じ、前記新たな消耗品の発送依頼を送信する発送依頼送信処理と
を実行することを特徴とする請求項10又は請求項11記載の印刷装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記契約済モードでは、
前記印刷装置が複数のサービスのうちいずれのサービスの提供を受けているかに応じて前記表示部における前記消耗品関連情報の表示態様を変化させる
ことを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項14】
前記制御部は、さらに、
前記印刷装置が前記契約に対応している機種であるか否かを判定する機種判定処理
を実行し、
前記機種判定処理で前記契約に対応している機種であると判定された場合に、前記表示処理を実行する
ことを特徴とする請求項2乃至請求項13のいずれか1項記載の印刷装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記契約が締結されていない未契約モードと前記契約が締結されている契約済モードとに応じた印刷処理を実行可能であり、
前記制御部は、さらに、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定された場合に、当該第1しきい値に達したことを報知する第1警告画面を前記表示部に表示させる第1警告表示処理と、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値より少ない第2しきい値に達したと判定された場合に、当該第2しきい値に達したことを報知する第2警告画面を前記表示部に表示させる第2警告表示処理と
を実行し、
前記表示部は、
前記装着部に装着されている前記消耗品を交換するように促す情報を、表示可能であって、前記情報は、前記制御部が未契約モードである場合は前記第1警告表示処理で表示され、前記契約済モードである場合は第2警告表示によって上記消耗品関連情報として表示される
ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項16】
印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記消耗品に関する情報を表示する表示部と、プロセッサとを備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に基づいて動作可能な印刷装置の前記プロセッサに対し、
前記装着部に装着された前記消耗品の消耗状態量が第1しきい値に達したか否かを判定する状態量判定ステップと、
前記状態量判定ステップで前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことを契機に、前記契約がなされていない未契約モードでは前記契約の締結を促す締結案内情報を前記表示部に表示させ、前記契約がなされている契約済モードでは前記締結された契約内容に関連する消耗品関連情報を前記表示部に表示させる表示切替ステップと
を実行させるための、印刷処理プログラム。
【請求項17】
印刷装置と、前記印刷装置に対し通信可能に接続されるサーバとを有する印刷処理システムであって、
前記印刷装置は、
印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記消耗品に関する情報を表示する表示部と、制御部と、を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に基づいて動作可能であって、
前記制御部は、
前記装着部に装着された前記消耗品の消耗状態量が第1しきい値に達したか否かを判定する状態量判定処理と、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことを契機に、前記契約がなされていない未契約モードでは前記契約の締結を促す締結案内情報を前記表示部に表示させ、前記契約がなされている契約済モードでは前記締結された契約内容に関連する消耗品関連情報を前記表示部に表示させる表示処理と、
前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことに対応した新たな前記消耗品の発送状況問い合わせを前記サーバへ送信する問い合わせ送信処理と、
を実行し、
前記サーバは、
前記問い合わせ送信処理で送信された前記問い合わせに対応した回答を前記印刷装置へ送信する回答送信処理を実行し、
前記印刷装置の前記制御部は、さらに、
前記回答送信処理で送信された前記回答を取得する回答取得処理を実行し、
前記表示処理において、前記回答取得処理で取得した前記回答に基づき前記消耗品の配送に関する配送情報を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする印刷処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷に使用される消耗品に関する情報を表示する印刷装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、 プリンタで使用されるカートリッジ等の消耗品の購入に関するユーザの手間を簡略化するため、所定の発注先に消耗品を自動発注して配送する技術が知られている。この従来技術では、消耗品の残量が所定のしきい値以下になった場合に自動的に消耗品を発注するサービスが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-86805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、プリンタでは、消耗品の残量が少なくなると、まもなく交換が必要である旨が通知される。この場合、交換時期が近づいていることをユーザに知らせるだけでなく、手持ちのストックがないユーザに対しては新たな消耗品の購入の動機付けを与えることができる。
【0005】
一方、上記従来技術のような消耗品の自動発注配送システムのサービスを受ける場合には、通常、サービス提供会社との配送契約の締結が必要となる。したがって、上記の消耗品の残量が少なくなったタイミングで上記配送契約の締結をユーザに案内するようにすれば、サービスの提供を受けたいユーザにとっては非常に好都合である。しかしながら、上記タイミングで一律に上記配送契約の締結を案内すると、既に配送契約を締結している一部のユーザにとっては不必要で煩わしい情報の提供となる。むしろ、上記タイミングにおいて既に配送契約を結んでいるユーザにとって必要な情報は、交換用の新たな消耗品は既に発送済なのか未発送なのか、発送された新しい消耗品が到着したら交換してすぐに使用してもいいのか、等の情報である。
【0006】
上記特許文献1においては、以上のように配送契約が締結されている場合においてユーザが知りたいことを適切に伝えることまでは特に配慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、配送契約が締結されている場合において、消耗品の消耗状態に基づきユーザが知りたいことを適切に伝えることができる印刷装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明は、印刷に使用する消耗品が装着される装着部と、前記消耗品を用いて被印刷媒体に画像を印刷する印刷部と、前記消耗品に関する情報を表示する表示部と、制御部と、を備え、前記印刷に使用する消耗品に関する契約元との契約の締結内容に基づいて動作可能な印刷装置であって、前記制御部は、前記装着部に装着された前記消耗品の消耗状態量が第1しきい値に達したか否かを判定する状態量判定処理と、前記状態量判定処理で前記消耗状態量が前記第1しきい値に達したと判定されたことを契機に、前記締結された契約内容に関連する消耗品関連情報を前記表示部に表示させる表示処理とを実行する。
【0009】
本願発明の印刷装置においては、ユーザの使用に応じて消耗品が消耗しその消耗状態量が第1しきい値に到達したか否かが、制御部が実行する状態量判定処理において判定される。そして、消耗状態量が第1しきい値に到達したと判定されるとそのことを契機に表示処理が実行され、表示部において、消耗品の配送契約の締結を前提とした消耗品関連情報が表示される。消耗品関連情報の例としては、消耗品を使用する際の使用注意情報、新たな消耗品の配送に関する配送情報等、がある。
【0010】
これにより、配送契約の締結及び非締結に関係なく一律に配送契約の締結を案内する場合のように、配送契約を締結済のユーザに対し意味のない不必要な情報を提供するのを回避し、消耗品の消耗状態に基づき当該ユーザが知りたいことを適切に伝えることができる
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配送契約が締結されている場合において、消耗品の消耗状態に基づきユーザが知りたいことを適切に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による印刷処理システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図2】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約締結処理を表すシーケンスフローである。
図3】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約中処理を表すシーケンスフローである。
図4】情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約解除処理を表すシーケンスフローである。
図5】複合機での通常カートリッジ型番と契約カートリッジ型番の表示例を表す説明図である。
図6】複合機における警告画面表示処理の詳細を表すフローチャートである。
図7】複合機での各警告画面の操作及び画面遷移を表す説明図である。
図8】複合機での残量表示画面と締結案内情報の情報表示画面の表示例を表す説明図である。
図9】複合機での交換対象である契約カートリッジ型番の情報表示画面の表示例を表す説明図である。
図10】第2しきい値を設定した場合の複合機における警告画面表示の詳細を表すフローチャートである。
図11】複合機でのインク残量が第2しきい値以下に対応した警告画面の表示例を表す説明図である。
図12】発送状況を表示する場合の情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約中処理を表すシーケンスフローである。
図13】発送状況を表示する場合の複合機における警告画面表示処理の詳細を表すフローチャートである。
図14】発送状況を表示する場合の複合機における警告画面の表示例を表す説明図である。
図15】任意の発送依頼を受け付ける場合の情報端末、複合機、情報管理サーバ、配送サーバにより実行される契約中処理を表すシーケンスフローである。
図16】任意の発送依頼を受け付ける場合の複合機における警告画面表示処理の詳細を表すフローチャートである。
図17】任意の発送依頼を受け付ける場合の複合機における警告画面の表示例を表す説明図である。
図18】任意の発送依頼を受け付ける場合の複合機における操作確認画面の表示例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る印刷処理システムを図1に示す。本実施形態は、複合機200で使用している消耗品が一定程度消耗した際に自動的に交換用の消耗品を配送する配送契約に基づく配送サービスを提供可能な、印刷処理システム1の実施形態である。なお、当該印刷処理システム1は、特定期間の印刷数に応じた課金額を請求する印刷契約に基づく印刷サービスも提供可能としている。
【0014】
<印刷処理システムの概要>
図1において、この印刷処理システム1は、情報管理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、配送管理サーバ400と、を含んでいる。これら情報管理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び配送管理サーバ400は、ネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、複合機200が印刷装置の一例である。
【0015】
<情報管理サーバ>
情報管理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及びインタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0016】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、ユーザID記憶領域121を有している。揮発性記憶装置120は、複合機200から受信した契約ページカウント値を保存する。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、料金テーブル記憶領域132と、を有している。
【0017】
料金テーブル記憶領域132には、印刷やインクカートリッジの配送に対応してユーザに課金される料金を計算するための所定の相関が記憶されている。この相関には、例えば、カバレッジ、用紙サイズ、カラーかモノクロか、等に応じた印刷ページ数あたりの課金料金、及び配送したインクカートリッジの型番、等に応じたインクカートリッジの本数あたりの課金料金が対応付けられている。
【0018】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ110は、プログラム記憶領域131に格納されたプログラムを実行することによって、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、配送管理サーバ400に対するデータ通信を含む、後述の図2図4図12図15等に示す各種の処理を実行する。
【0019】
インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0020】
<配送管理サーバ>
配送管理サーバ400は、例えば各種物品の配送サービスを行う会社に設置されており、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0021】
<複合機>
複合機200は、例えば、上記印刷サービスを提供する事業者によって保有されている。なお、この複合機200は、使用するユーザの個人所有のものであってもよい。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、ページカウンタ260と、通信部285と、通信インタフェース270と、を有している。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、ページカウンタ260、通信部285、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0022】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230とを、含んでいる。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMである。不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、後述する締結された契約内容に関連する消耗品関連情報の記憶領域の一例としてのカートリッジ型番記憶領域231と、プログラム記憶領域232と、ユーザが契約元と締結した契約内容を記憶する契約記憶領域を備えている。プログラム記憶領域232には各種プログラムが格納されており、それら各種プログラムには、後述の図2図4図6図10図12図13図15図16、等のシーケンスフローの実行に係わる本実施形態の印刷処理プログラムをはじめとした複合機の動作プログラムが含まれる。この印刷処理プログラムは、例えば、ファームウェアとしてプログラム記憶領域232に予め格納されている。また、後述する契約内容に基づいた印刷動作に関する情報も印刷処理プログラムの一部として記憶されている。カートリッジ型番記憶領域231については後述する。
【0023】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。なおプロセッサ210が制御部の一例である。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された上記印刷処理プログラムを実行し、本実施形態の印刷処理システム1による印刷方法及び表示方法をプロセッサ110と協働して実行する。
【0024】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0025】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。
【0026】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。以下は、インクジェット方式で印刷が行われる場合を例にとって説明する。すなわち、印刷部290は、カートリッジホルダ51に着脱可能に装着されるインクカートリッジ50のインクを用いて、用紙に対し画像の形成を行う。なお、用紙が被印刷媒体の一例であり、インクカートリッジ50が消耗品の一例であり、カートリッジホルダ51が装着部の一例であり、インクが印刷剤の一例である。なお、詳細には、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、それぞれのインクカートリッジ50が含まれるが、以下、便宜上、特に断らない限り、それらを区別せず単に「インクカートリッジ50」と表記して説明する。
【0027】
通信部285は、例えば端子などであり、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が有するカートリッジメモリ(ICチップ)に電気的に接続される。すなわち、前述したように、本実施形態の複合機200は、所定の配送契約に基づく配送サービスにおいて使用することができる機種であるとともに、また別に所定の印刷契約に基づく印刷サービスにおいて使用することができる機種である。このような契約に基づいて使用されるインクカートリッジ50(以下適宜、単に「契約カートリッジ50」と称する)は、例えば複合機200の所有者が自ら購入して使用する通常のインクカートリッジ50(以下適宜、単に「通常カートリッジ50」と称する)とは異なる仕様となっている。そこでこれに対応し、インクカートリッジ50には、それぞれカートリッジメモリ(図示省略)が備えられ、このカートリッジメモリに、カートリッジ情報が記憶されている。このカートリッジ情報は、当該インクカートリッジ50が、契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを表すカートリッジ種類情報を含む。プロセッサ210は、通信部285によって接続された各インクカートリッジ50のカートリッジメモリから上記カートリッジ情報を取得する。これにより、プロセッサ210は、その取得結果に基づき、カートリッジホルダ51に装着されたインクカートリッジ50が契約カートリッジ50であるか通常カートリッジ50であるかを識別することができる。
【0028】
このとき複合機200では、プロセッサ210の処理により操作部250での適宜の操作に基づき、インク残量が低下して交換すべきインクカートリッジ50の識別情報、本実施形態では型番が、表示部240において表示可能である。これにより、ユーザがインクカートリッジ50を交換するときの便宜が図られる。なお、この表示部240での表示は、一般のユーザに合わせる形で、当該複合機200に対応する通常カートリッジ50の型番が表示されるように、複合機200の製造・出荷時に初期設定されている。そのために、上記カートリッジ型番記憶領域231には、カートリッジホルダ51に装着することで印刷部290により画像形成を実行可能な、複合機200に適合する通常カートリッジ50の型番及び契約カートリッジ50の型番が予め記憶されている。なお、それら通常カートリッジ50の型番及び契約カートリッジ50の型番は、情報管理サーバ100の不揮発性記憶装置130、若しくは、後述する情報端末300の記憶装置に記憶され、それらが読み出されて複合機200において取得されるようにしてもよい。本実施形態における、表示部240でのそれらインクカートリッジ50の型番の表示の詳細については後述する。
【0029】
ページカウンタ260は、プロセッサ210の制御に基づき、印刷部290により印刷が実行された際にその印刷数の累積値をカウントアップすなわち加算する機能を有する。印刷数は、詳細には印刷ページ数であり、例えばシート状の上記用紙1枚に片面印刷するときは1ページ、その1枚に両面印刷するときは2ページとしてカウントされる。またこのときのページカウント値は、例えば複合機200の製造及び出荷時にゼロリセットされており、その後印刷が行われるたびに例外なくカウントアップされる。プロセッサ210は、ページカウンタ260に対し上記カウントアップを実行させ、そのページカウント値を取得することで、後述の種々の処理を行うことができる。
【0030】
<モバイル端末>
モバイル端末300は、ユーザの所有するスマートフォン等のモバイル端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。記憶装置に備えられたプログラム記憶領域には各種プログラムが記憶されており、それら各種プログラムには、後述の図2図4図12図15等のシーケンスフローの実行に係わる処理プログラムが含まれている。なお、モバイル端末300に代えて、例えばパソコンやタブレットコンピュータ、等の他の情報端末を用いてもよい。以下適宜、それら情報端末を総称して、単に「情報端末300」と称する。
【0031】
<実施形態の特徴>
上記構成の印刷処理システム1において、本実施形態の特徴は、前述のインクカートリッジ50の残量が少なくなった際の警告画面の表示内容にある。
【0032】
すなわち、カートリッジ50の残量がすくなくなった際にはまもなく交換が必要である旨が警告画面の表示で通知されるが、そのときに配送契約が未締結である場合には当該配送契約の締結をユーザに案内するようにすれば、サービスの提供を受けたいユーザにとっては非常に好都合である。しかしながら、上記警告画面の表示で一律に上記配送契約の締結を案内すると、既に配送契約を締結している一部のユーザにとっては不必要で煩わしい情報の提供となる。むしろ、上記警告画面の表示において既に配送契約を結んでいるユーザにとって必要な情報は、発送された新しい消耗品が到着したら交換してすぐに使用してもいいのか、等の配送契約の締結内容に関連する情報である。このように、警告画面の表示内容をユーザの配送契約の締結状態に応じて切り替える処理が要望されている。
【0033】
<処理の流れ>
そこで、上記に対応するために、本実施形態において、複合機200のプロセッサ210と、情報管理サーバ100のプロセッサ110と、配送管理サーバ400のプロセッサと、情報端末300のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を図2図4に示すシーケンス図により説明する。また、特に複合機200のプロセッサ210により実行される警告画面の表示処理を図6に示すフローチャート図により説明する。なお、上記図2図4のうち、図2は配送契約及び印刷契約を締結する際の処理を示し、図3は両契約中での処理を示し、図4は両契約を解除する際の処理を示しており、以下においては図2から順に詳細に説明する。また、以下、図2図4等に関する説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0034】
図2において、まず複合機200において、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、前述のカートリッジ型番記憶領域231の記憶内容に基づき、当該複合機200に適合した通常カートリッジ50の型番が表示部240で表示される(S1)。なおこの時点では、後述の印刷契約は締結されておらず、カートリッジホルダ51には通常カートリッジ50が装着されているか、あるいはカートリッジ50が何も装着されていない状態である。このときの表示部240での表示内容の一例を図5により説明する。
【0035】
<複合機での通常カートリッジ型番の表示例>
図5において、表示部240は、操作部250を兼ねたタッチパネルとして構成されている。以下適宜、「タッチパネル240」と称する。タッチパネル240に表示された初期画面240Aにおいて、図5(a)に示すように、「Fax」「Copy」「Scan」等の各操作メニューを表すアイコンが表示される。それらの中でユーザが「Ink」アイコンを操作することで、図5(b)に示す各種設定画面240Bが表示される。
【0036】
各種設定画面240Bには、設定を行える項目を表すボタンとして、「Ink Volume」「Ink Cartridge」「Improve Print Quality」の各ボタンが表示される。それらの中でユーザが「Ink Cartridge」ボタンを操作した際、印刷契約が未締結である場合には、図5(c)に示す印刷契約未締結用の型番表示画面240Cが表示される。
【0037】
印刷契約未締結用の型番表示画面240Cでは、「Ink Cartridge Model」の項目表記と、この複合機200に適合する通常カートリッジ50の型番が表示されている。本実施形態では、各インク色ごとに、ブラックインクについては「LC401BKS」、シアンインクについては「LC401CS」、マゼンタインクについては「LC401MS」、イエローインクについては「LC401YS」、の型番がそれぞれ表示されている。この例では、各インク色のカートリッジ50の型番において末尾に記載される「S」が通常カートリッジ50に対応する記号を示している。型番表示画面240Cの下部には「Print」ボタン、「Back」ボタンも併せて表示されている。このとき、ユーザが上記「Print」ボタンを操作すると、プロセッサ210の制御に基づき、印刷部290により、用紙に対し、型番表示画面240Cにおける通常カートリッジ50の型番表示内容が印刷される(特に図示せず)。また、ユーザが上記「Back」ボタンを操作すると、図5(b)に示す各種設定画面240Bに戻る。なお、図5(d)に示す型番表示画面240Dについては後述する。
【0038】
<情報端末での通常カートリッジ型番の表示>
図2に戻り、また情報端末300では、ユーザが操作部250を介し適宜の操作を行うことで、S1の処理に連携して、複合機200から取得された上記同様のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれの型番(図示省略)が表示される(S3)。
【0039】
この型番の表示の際は、情報端末300において、例えば、所定URLによりアクセスされるWebページに含めるファイル形式、いわゆるEWS(Embedded Web Server)用のファイル形式による表示が行われる。すなわち、このS3において、情報端末300におけるユーザの適宜の操作により上記URLへのアクセスがなされることで、複合機200から情報端末300のブラウザへと上記EWSファイル形式の表示データが出力される。この結果、上記通常カートリッジ50の型番を含む各情報が記載されたWebページが表示される。
【0040】
なお、情報端末300における通常カートリッジ50の型番表示は、上記のような、EWS用のファイル形式のウェブページには限られない。すなわち、情報管理サーバ100内に予め各ユーザに対応して備えられるユーザ別情報に基づき、情報端末300からアクセスすることでマイページを表示させ、そのユーザごとのマイページにおいて同様の情報を表示してもよい(図示省略)。
【0041】
<配送契約・印刷契約の成立>
図2に戻り、以上のようなS1,S3が行われた後の状態で、ユーザが、前述の配送契約と印刷契約に基づき複合機200を使用する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ配送契約・印刷契約要求が送信され、情報管理サーバ100において受信される(S5)。
【0042】
これに対応して、情報管理サーバ100では、ページカウンタ260によるページカウント値に基づく、契約印刷枚数カウンタ機能の準備が行われる(S7)。この契約印刷枚数カウンタ機能は、後述の印刷契約が成立した後の特定期間にページカウンタ260によりカウントされるページカウント値のうち、印刷契約に対応した印刷が正しく行われた印刷ページ数のみをカウントする機能である。なお本実施形態では、特定期間は「1か月」となっており、特定期間の印刷数の一例として、1か月ごとの印刷ページ数(以下適宜、単に「契約印刷枚数」と称する)のカウントが行われる。この契約印刷枚数カウンタ機能は、当該情報端末300に対応するユーザIDと紐づけられた状態で情報管理サーバ100内に備えられる。
【0043】
その後、情報管理サーバ100から契約開始情報すなわちActivation指示が送信され、複合機200において受信される(S9)。これにより、前述の配送契約及び印刷契約の両契約が成立した状態となる。複合機200は、Activation指示を受信したことに基づいて複合機200自身が契約開始状態に移行したことを契約記憶領域にフラグ処理するなどして書き込む。Activationが行われることによって、複合機200は後述する契約の締結内容に基づいた印刷動作が可能である。なお、このときに契約記憶領域に記憶されたフラグなどの情報が本発明における「契約の締結内容」に対応する情報の一例であり、当該フラグの有無に基づく複合機の印刷動作が「契約の締結内容に基づく動作」の一例である。複合機200のプロセッサ210は、この「契約の締結内容に基づく動作」として、フラグの有無に応じて記憶装置215に記憶された消耗品関連情報にアクセスし、表示部240に表示するなどの処理を行うことができる。なお、他の態様として、「契約の締結内容」に対応する情報は契約元の締結内容そのものを情報として記憶されていてもよい。
【0044】
<複合機での契約カートリッジの型番表示>
その後、複合機200では、印刷契約の契約成立に対応し、プロセッサ210の制御に基づき、S10で開始した通常カートリッジ50の型番表示が中止される。つまり表示されない(S10)。そして、前述のカートリッジ型番記憶領域231の記憶内容に基づき、当該複合機200に適合した契約カートリッジ50の型番が新たにタッチパネル240で表示される(S11)。
【0045】
<複合機での契約カートリッジ型番の表示例>
S11での表示が行われるときの流れは、具体的には、例えば以下の通りである。複合機200のタッチパネル240における表示の流れを、前述の図5により説明する。図5(a)、図5(b)、図5(d)に示すように、初期画面240Aの「Ink」アイコン操作→各種設定画面240Bの「Ink Cartridge」ボタン操作を経た際に印刷契約が締結済である場合には、図5(d)に示す印刷契約締結済用の型番表示画面240Dが表示される。このとき、図5(c)の型番表示画面240Cとは異なり、この複合機200に適合する契約カートリッジ50の型番が表示されている。本実施形態では、各インク色ごとに、ブラックインクについては「LC401BKR」、シアンインクについては「LC401CR」、マゼンタインクについては「LC401MR」、イエローインクについては「LC401YR」、の型番がそれぞれ表示されている。この例では、各インク色のカートリッジ50の型番において末尾に記載される「R」が契約カートリッジ50に対応する記号を示している。
【0046】
<情報端末での契約カートリッジの型番表示>
図2に戻り、また、情報端末300においても、契約成立に対応しS11の処理に連携して、S3で開始した通常カートリッジ50の型番表示が中止され中止される。つまり表示されない(S12)。そして、上記同様、複合機200に適合した契約カートリッジ50の型番が新たに表示される(S13)。
【0047】
その後、複合機200から契約了承通知すなわちActivation通知が送信され(S15)、情報管理サーバ100において受信される(S17)。なお、情報管理サーバ100から問い合わせを行い、それに対して複合機200から応答としてActivation通知が送信されるようにしてもよい。これにより、情報管理サーバ100において、前述の印刷契約が契約済であることが認識される。以降、複合機200は、情報管理サーバ100と定期的に契約に関する情報交換を行う通信を実施する。本実施例では12時間ごとに定期通信を行い情報を交換し、サービスに必要な情報を情報管理サーバ100にて管理する。その後、当該ユーザに対し契約カートリッジ50を配送するための配送登録情報が、情報管理サーバ100より配送管理サーバ400へ送信される(S19)。これにより、配送サービスを行う会社から当該ユーザへ契約カートリッジ50を配送するための登録手配が完了する。
【0048】
次に、配送契約及び印刷契約の契約中における処理の流れを図3を参照しつつ説明する。この図3において、ユーザが、上記S11からのタッチパネル240の表示で確認しつつ、上記のようにして配送された契約カートリッジ50を複合機200のカートリッジホルダ51に装着すると(S21)、通信部285によって各インクのカートリッジ情報が取得される。取得されたカートリッジ情報は複合機200から送信され、情報管理サーバ100において受信される(S23)。
【0049】
その後、複合機200において、ページカウンタ260によるページカウント値に基づき、契約カウンタ機能によるカウントが開始される(S25)。この契約カウンタ機能は、前述の印刷契約が成立した後にページカウンタ260によりカウントされるページカウント値のうち、印刷契約に対応した印刷が正しく行われた印刷ページ数のみをカウントする機能である。したがって、例えば、いわゆるテスト印刷が行われた場合、両面印刷の契約であるのに片面しか印刷できなかった場合、用紙の搬送トラブル等の複合機200側に起因する理由で印刷不良となった場合、等の印刷ページ数は除外される。この契約カウンタ機能によりカウントされる印刷ページ数を以下適宜、「契約ページカウント値」と称する。
【0050】
複合機200において印刷部290により印刷処理が実行され(S27)、ページカウンタ260によりページカウント値が加算されるとき、印刷契約に対応した印刷が正しく行われるのに従って契約ページカウント値も同様に加算される。この契約ページカウント値を含む各種情報は、複合機200から情報管理サーバ100へと送信される(S29)。
【0051】
情報管理サーバ100では、S7で準備済の契約印刷枚数カウンタ機能により、複合機200から受信された契約ページカウント値に基づき、契約印刷枚数のカウントが行われる(S31)。以下、契約印刷枚数のカウントについて詳細に説明する。先に述べたように、情報管理サーバ100は、定期サイクルである12時間ごとに複合機200と情報の受け渡しをする定期通信をしている。情報管理サーバ100は、定期通信にて複合機200から受信した契約ページカウント値を揮発性記憶装置120に保存する。ここで、情報管理サーバ100は、契約印刷枚数のカウントを特定期間すなわち1か月ごとに更新している。つまり1か月毎に契約印刷枚数をゼロにリセットしている。情報管理サーバ100は、リセットされた後に複合機200から定期通信にて受信した契約ページカウント値と、リセットされる前に複合機200から受信していた契約ページカウント値とを比較し、その差分を契約印刷枚数として記憶する。情報管理サーバ100は、特定期間である1か月の期間が終わるまでこの処理を繰り返す。これによりユーザは、定期通信である12時間ごとに更新された最新の契約印刷枚数を知ることができる。つまり契約印刷枚数とはその月に使った印刷枚数である。なお、本実施形態では月額による印刷枚数を表示するために特定期間を1か月としたが、2か月であってもよいし、1週間であってもよい。それぞれのサービスの形態に合わせて期間は適宜変更が可能である。また、契約印刷枚数の更新を定期通信である12時間ごとにしていたが、この限りではない。例えば1日おきなどなどのサイクルで定期通信を実施してもよく、印刷後などの不定期のタイミングで通信を行い契約ページカウント値を更新してもよい。
【0052】
その後、情報管理サーバ100では、S31でカウントされた契約印刷枚数カウント値を複合機200へ送信し(S33)、複合機200は送信された契約印刷枚数カウント値を受信し、取得する(S35)。また情報管理サーバ100では、S31でカウントされた契約印刷枚数カウント値を情報端末300へも送信し(S33)、情報端末300は送信された契約印刷枚数カウント値を受信し、取得する(S39)。情報端末300では、その取得された契約印刷枚数カウント値が表示される(S41)。
【0053】
また、印刷契約に基づき契約カートリッジ50を用いて上記S27による印刷処理が行われている間、複合機200は、契約カートリッジ50内でインクが消費された結果の残量を公知の手法で検出する。この時、複合機200は、先に述べた定期通信のタイミングでインク残量が所定量より低下した場合にその低下状態を情報管理サーバ100へ送信し、それを受けた情報管理サーバ100は、そのインク残量の減少を把握する。情報管理サーバ100は、インク残量が少なくなったことを受け、当該ユーザに対し、追加の契約カートリッジ50を配送するための発送指示情報を配送管理サーバ400へ送信する(S42)。なお、情報管理サーバ100は、上述したように複合機200から直接的にインク残量の低下状態を把握した場合だけではなく、それ以外にも定期通信でインク残量を逐次受信し、その消費ペースからインク残量の低下状態を推測するなどといった複合的な判断に基づいて発送指示情報を送信してもよい。これによりユーザは自身でインクカートリッジ50の残量管理を気にすることなく複合機200を使うことができる。なお、インク残量が消耗品の消耗状態量の一例である。
【0054】
また一方、複合機200は、インク残量が所定量より低下したことを検出した場合、ユーザに対してインク残量が低下したことからその残量の低下状態にある契約カートリッジ50を交換するよう警告する警告画面をタッチパネル240に表示する(S43)。なお、このように複合機200がインク残量の低下状態を警告する警告画面の表示に関連する一連の処理を、以下において特に警告画面表示処理という。本実施形態の例の警告画面表示処理については、後述の図6で詳述する。そして複合機200は、配送契約及び印刷契約の契約中においては、上記のS27とS43と上記定期通信を繰り返すループ処理を行い、1か月毎に上記S25を実行して契約印刷枚数をゼロにリセットする。
【0055】
次に、配送契約及び印刷契約を解除する処理の流れを図4を参照しつつ説明する。この図4において、所望の印刷を完了したユーザが、前述の配送契約及び印刷契約を解除する意図で情報端末300における適宜の操作を行うことにより、情報端末300から情報管理サーバ100へ退会要求が送信され(S61)、情報管理サーバ100において受信される(S62)。情報管理サーバ100では、これに対応して、S31で開始していた契約印刷枚数カウンタ機能による契約印刷枚数のカウントを終了し、その旨を複合機200へ通知する(S63)。複合機200では、これに対応して、S25で開始していた契約カウンタ機能による契約ページカウント値のカウントを終了する(S64)。
【0056】
その後、情報管理サーバ100からは契約終了情報すなわちInactivation指示が送信され、複合機200において受信される(S65)。これにより、前述の配送契約及び印刷契約が解除された状態となる。複合機200では、これに対応して、S11で表示を実行していた契約カートリッジ50の型番表示を中止するとともに(S66)、S10で表示を中止していた通常カートリッジ50の型番表示を再開する(S67)。その後、このシーケンスを終了する。
【0057】
<複合機における警告画面表示処理の詳細>
なお、上述のように複合機200のタッチパネル240で警告画面の表示を行うとき、そのときのユーザの契約状態に対応した表示内容で警告画面を表示させる。このような手法を実現するために複合機200のプロセッサ210が実行する警告画面表示処理の制御手順を、図6のフローチャートにより説明する。なお、このフローは、上述した契約中処理のループ処理中において定期的に、または印刷処理S27の後に実行を開始する。
【0058】
図6において、まずS100で、装着している各契約カートリッジ50のいずれか1つでもインク残量が第1しきい値以下の状態であるか否かが判定される。本実施形態の例では、この第1しきい値は、すぐに当該契約カートリッジ50の交換が必要とされる後述の残量欠乏状態よりも少しだけ多いインク残量に対応するしきい値として設定される。この時点でまだ各契約カートリッジ50のインク残量がいずれも第1しきい値より多ければNO判定され、このフローを終了する。この時点で既にいずれかの契約カートリッジ50のインク残量が第1しきい値以下であればYES判定され、S110へ移行する。なお、このS100が状態量判定処理及び状態量判定ステップの一例である。また、図4のS65で説明したように、締結されていた契約が解除された場合にもNo判定される。
【0059】
S110では、当該複合機200の機種が前述の配送契約及び印刷契約に対応した機種か否かが判定される。ここで、複合機200が仕様の異なる多様な機種のラインナップで販売される場合、その機種の中では配送契約及び印刷契約の各契約サービスに対応可能な機種だけでなく対応しない機種もある。そのような契約非対応の機種の複合機200の場合は、上記S9で情報管理サーバ100から契約開始情報が送信された際に拒否することなく受信するものの、上記S10,S11,S15等の処理を実行しないため各契約は成立せず、上記S23,S25,S29等の処理を実行することもない。
【0060】
そして当該複合機200が契約対応機種であるか契約非対応機種であるか否かの判定は、例えば上記の不揮発性記憶装置230に記憶されて当該機種の複合機200が出荷、使用される仕向地域を表す仕向け情報を参照して判定する。他にも、契約の対応と非対応を直接示す専用の機種情報を記憶しそれに基づいて判定してもよいし、また情報管理サーバ100との間における特定の情報の送受の可否に基づいて判定してもよい。当該複合機200が契約非対応機種であればNO判定され、S120へ移行する。当該複合機200が契約対応機種であればYES判定され、後述のS130へ移行する。なお、このS110が機種判定処理の一例である。
【0061】
S120では、タッチパネル240において契約非対応機種用の警告画面が表示される(後述の図7(b)参照)。S120が完了したら前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。
【0062】
S130では、前述の配送契約及び印刷契約が締結済みか否か、言い換えると当該複合機200が契約済モードにあるか未契約モードにあるかが判定される。具体的には、本実施形態では契約記憶領域に契約済フラグがあるか否かを判定する。この時点で既に配送契約及び印刷契約が締結済みであればYes判定され、すなわち契約済モードにあるとしてS150へ移行する。この時点でまだ配送契約及び印刷契約が締結されていなければNo判定され、すなわち未契約モードにあるとして後述のS160へ移行する。また、このS130は、図4のS65で説明したように、締結されていた契約が解除された場合にもNo判定される。
【0063】
S150では、タッチパネル240において契約対応機種用で契約済モードの場合にカートリッジ50の使い切りを促す警告画面が表示される(後述の図7(d)参照)。S150が完了したら前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。
【0064】
S160では、タッチパネル240において契約対応機種用で未契約モードの場合に契約締結を勧める締結案内情報を含めた警告画面が表示される(後述の図7(c)参照)。S150が完了したら前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。
【0065】
なお、上記のS130、S150、S160が、表示処理及び表示切替ステップの一例であり、上記のS150、S160が第1警告表示処理の一例である。
【0066】
<契約対応機種用の警告画面の表示例>
上記のフローチャートにより表示内容が切り替えられる各警告画面の一例を、前述の図5に対応する図7に示す。上記S100でインク残量が第1しきい値より低下していると判定されている場合には、図7(a)に示すように、初期画面240Aの上方においてインク残量の低下状態を表す「Ink Low」のアイコン表示が追加される。これにより、ユーザはいずれかの契約カートリッジ50のインク残量が低下状態にあることを視認できる。このときユーザが「Ink Low」アイコンを操作した場合には、すぐに図7(b)~(d)に示す3つの警告画面240E,240F,240Gのいずれか1つが表示される。
【0067】
図7(b)の警告画面240Eは、上記S110で当該複合機200が契約非対応機種であると判定された場合のS120で表示される契約非対応機種用の警告画面240Eである。この契約非対応機種用の警告画面240Eでは、インク残量の低下状態にある通常カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YS」)が表示されるとともに、操作ボタンとして上述した「Print」ボタンと「Back」ボタンが表示される。これにより、契約を締結できない非対応機種のユーザに対して、契約に関する情報を一切表示することなく交換対象の通常カートリッジ50の型番という必要最小限の情報のみを表示、印刷できる。
【0068】
図7(c)の警告画面240Fは、上記S110で当該複合機200が契約対応機種であると判定され、かつ上記S130で未契約モードにあると判定された場合のS160で表示される警告画面240Fである。この場合の警告画面240Fでは、未契約のユーザに向けて契約締結を勧める締結案内情報として、配送契約及び印刷契約のサービス内容や契約手続きなどが記載されているサービスサイトのURLをQRコード(登録商標)のような2次元コード形式で表示されている。また、インク残量の低下状態にある通常カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YS」)とともに、インク残量低下状態に対応した「まもなく交換」の記載も表示される。また、操作ボタンとして「Estimated Ink Volume」ボタンと「Info」ボタンが表示される。「Estimated Ink Volume」ボタンが操作された場合には、図8(a)に示すような各インクの残量を示す残量表示画面240Hが表示される。また「Info」ボタンが操作された場合には、図8(b)に示すように、インク残量の低下状態にある通常カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YS」)とともに、さらなる締結案内情報として上記サービスサイトのURLをテキスト形式で示す情報表示画面240Iが表示される。またこの情報表示画面240Iにおいても、操作ボタンとして上述した「Print」ボタンと「Back」ボタンが表示される。これにより、対応機種であって配送契約及び印刷契約をまだ締結していないユーザに対して、交換対象の通常カートリッジ50の型番とともに、契約締結を勧める締結案内情報を表示できる。なお、締結案内情報として上述したURL以外にもサービスロゴマーク等の他の案内情報を併記してもよい。なお、警告画面24Fの「Info」ボタンの操作が第2所定操作の一例である。
【0069】
上記図7に戻り、図7(d)の警告画面240Gは、上記S110で当該複合機200が契約対応機種であると判定され、かつ上記S130で契約済モードにあると判定された場合のS150で表示される警告画面240Gである。この場合の警告画面240Gでは、インク残量の低下状態にある色に対応する契約カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YR」)とともに、契約済みのユーザに向けての使用注意情報として、その時点でカートリッジホルダ51に装着されている交換対象の契約カートリッジ50のインクを使い切った後に、配送された新しい契約カートリッジ50の装着を促す記載が表示されている。また、操作ボタンとして「Estimated Ink Volume」ボタンと「Info」ボタンが表示される。「Estimated Ink Volume」ボタンが操作された場合には、図8(a)に示した残量表示画面240Hが表示される。また「Info」ボタンが操作された場合には、図9に示すように、インク残量の低下状態にある交換対象の契約カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YR」)とともに、操作ボタンとして上述した「Print」ボタンと「Back」ボタンを表示する情報表示画面240Jが表示される。なお、本実施形態では契約カートリッジ50のインク残量が低下状態にある場合を挙げて説明したが、これに限られない。すなわち、市販カートリッジのインク残量が低下状態にある場合も、上記同様、インク残量の低下状態の色に対応する契約カートリッジの型番を表示するようにしてもよい。
【0070】
これにより、対応機種であって配送契約及び印刷契約が締結済みであるユーザに対して、上述した締結案内情報を一切表示することなく、当該ユーザだけが必要とする使用注意情報と、交換対象の契約カートリッジ50の型番という必要最小限の情報のみを表示、印刷できる。なお、警告画面240F,240Gの両方における「Estimated Ink Volume」ボタンの操作が第1所定操作の一例であり、残量表示画面240Hが消耗状態量表示画面の一例であり、上方に「Ink Low」が表示されている警告画面240E,240F,240Gが第1警告画面の一例である。また、本実施形態ではインク残量を基準として消耗状態を検出しているが、これに限られず例えば装着開始時からのインクの消費量を基準として消耗状態を検出し、残量表示画面240Hの代わりに特に図示しない消耗表示画面を表示するようにしてもよい。
【0071】
なお、上述した警告画面240Gで表示した例の使用注意情報、つまり「届いた契約カートリッジは、インクを使い切った後にセットして下さい。」の記載は、ユーザに対して契約カートリッジ50の交換に関する注意点を確認的に提示するものである。ユーザの印刷の仕方によっては、その時点でカートリッジホルダ51に装着されている交換対象の契約カートリッジ50のインクを使い切る前に、新しい契約カートリッジ50が配送されて届いてしまう可能性がある。その場合に、ユーザが配送契約の契約内容の思い違い等によってインクを使い切る前に新しい契約カートリッジ50を交換することがないよう、インクの使い切りを促すことができる。なお、この使用注意情報が消耗品関連情報の一例である。
【0072】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、ユーザの使用に応じて消耗品であるインクカートリッジ50が消耗しそのインク残量が第1しきい値以下になったか否かが、プロセッサ210が実行するS100において判定される。そして、インク残量が第1しきい値以下になったと判定されるとそのことを契機にS13が実行され、タッチパネル240において、インクカートリッジ50の配送契約の締結を前提とした使用注意情報を含む警告画面240Gが表示される。
【0073】
これにより、配送契約の締結及び非締結に関係なく一律に配送契約の締結を案内する場合のように、配送契約を締結済のユーザに対し意味のない不必要な情報を提供するのを回避し、インクカートリッジ50のインク残量に基づき当該ユーザが知りたいことを適切に伝えることができる。
【0074】
また、本実施形態では特に、配送契約締結済のユーザに対しては契約済モードで使用注意情報を表示してユーザの知りたいことを伝えることができ、かつ、配送契約を締結していないユーザに対しては未契約モードで締結案内情報を表示し契約締結へと誘導することができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、インクカートリッジ50のインク残量が第1しきい値以下になると、タッチパネル240に警告画面240E,240F,240Gが表示され、当該第1しきい値以下になったことがユーザに報知される。これにより、ユーザに対しインクカートリッジ50がまもなく欠乏することを認識させることができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、警告画面240F,240Gの表示に対応してユーザが操作部250に対し「Estimated Ink Volume」ボタンを操作することで、タッチパネル240に残量表示画面240Hが表示され、この画面には消耗状態量としてのインク残量が表される。これにより、ユーザは、インク残量が具体的に今どのくらいになっているのかを認識することができる。
【0077】
また、本実施形態では特に、未契約モードにおいて警告画面240Fの表示に対応してユーザが操作部250に対し「Info」ボタンの操作を行うことで、タッチパネル240に新たに締結案内情報が含まれた情報表示画面240Iが表示される。これにより、配送契約をまだ締結していないユーザを、配送契約を締結するように導くことができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、契約済モードでは、警告画面240G内に消耗品関連情報としての使用注意情報が表示される。これにより、ユーザは、インク残量が第1しきい値以下となったのを知るのと同じタイミングで、使用注意情報の内容を知ることができる。
【0079】
また、本実施形態では特に、消耗品関連情報として消耗品の使用注意情報が含まれる。これにより、既に契約を締結済のユーザは、現在使用しているインクカートリッジ50を引き続きどのように使えばよいのか、新しいインクカートリッジ50が到着したらすぐに交換して使用してもよいのか、等を適切に知ることができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、表示される使用注意情報において、装着されているインクカートリッジ50を使い切るよう、促される。これによりユーザは、インク残量が第1しきい値以下となっている現在使用中のインクカートリッジ50を今すぐ交換するのではなく、使い切るまで使用してから交換すべきであることを認識することができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、この例の複合機200が配送サービスとは別に印刷サービスに関する印刷契約を利用できる。このように複合機200に関して予め複数のサービスが用意されている場合に、複合機200がそれらのうちどのサービスの提供を受けているかに応じて、タッチパネル240が消耗品関連情報を表示するときの表示態様が変化する。具体的には、この例の印刷契約が締結済みである場合と未締結である場合では、「Info」ボタンの操作により表示する情報表示画面240Iと情報表示画面240Jでそれぞれ表示するインクカートリッジ50の型番が、通常カートリッジ50の型番と契約カートリッジ50の型番とで表示内容が変化する。これにより、ユーザが提供を受けているサービス内容に応じた適切な内容で、わかりやすく消耗品関連情報を表示することができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、プロセッサ210が実行するS110において、複合機200が配送契約に対応している機種であるか否かが判定される。そして、配送契約に対応している機種である場合に限り前述のS130が実行され、インクカートリッジ50の配送契約が締結されている場合において配送契約の締結を前提とした上記消耗品関連情報が表示される。このS110の判定があることにより、配送契約に対応している機種に対しても対応していない機種に対しても、共通の処理プログラムを用いることができる。言い換えれば、配送契約に対応している機種に対しての処理プログラムと、配送契約に対応していない機種に対しての処理プログラムとを、別々に用意する必要がない。
【0083】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0084】
(1)第1しきい値よりも低い第2しきい値を設定する場合
上記実施形態では、インク残量と比較するしきい値として、すぐにインクカートリッジ50の交換が必要とされるインク残量欠乏状態よりも少しだけ多いインク残量に対応した第1しきい値だけが設定されていた。本変形例では、この第1しきい値よりも低い値でインク残量欠乏状態に対応した第2しきい値も設定し、対応する警告画面を表示する。
【0085】
本変形例において複合機200により実行される処理を、上記図6に対応する図10のフローチャートに示す。図10に示すように、本変形例では、図6におけるS130の判定で契約済モードとなった後にS140の判定を実行し、この判定によって契約済モードでの警告画面の表示を切り替える。すなわち、S130でYES判定されて契約済モードとなった場合にS140へ移行する。
【0086】
S140では、装着している各契約カートリッジ50のいずれか1つでもインク残量が第2しきい値以下の状態であるか否かが判定される。本変形例でこの第2しきい値は、第1しきい値よりも低い値であって、すぐに当該契約カートリッジ50の交換が必要とされるインク残量欠乏状態に対応したしきい値として設定される。この時点でまだ各契約カートリッジ50のインク残量がいずれも第2しきい値より多ければNO判定され、上述したS150へ移行する。この時点で既にいずれかの契約カートリッジ50のインク残量が第2しきい値以下であればYES判定され、S170へ移行する。
【0087】
S170では、タッチパネル240においてカートリッジホルダ51に装着されている交換対象の契約カートリッジ50を交換するように促す警告画面240Kが表示される。S170が完了したら前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。これ以外は図6と同様であり、説明を省略する。この警告画面240Kは、例えば図11に示すように、インク残量の欠乏状態にある契約カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YR」)とともに、「残量がなくなりました。届いた契約カートリッジをすぐにセットして下さい。」の記載を使用注意情報として表示される。また警告画面240kでは、上方でインク残量低下状態を表す「Ink Low」の表示から、インク残量欠乏状態を表す「Ink Empty」の表示に変更される。また、操作ボタンとして「Estimated Ink Volume」ボタンと「Info」ボタンが表示される。また、上方に「Ink Empty」が表示されている警告画面240Kが第2警告画面の一例である。
【0088】
なお、上記のS130、S150、S160、S170が、表示処理及び表示切替ステップの一例であり、上記のS150、S160が第1警告表示処理の一例であり、上記のS170が第2警告表示処理の一例である。
【0089】
本変形例によれば、表示される使用注意情報において、インク残量が第1しきい値とは異なる第2しきい値に達したときにインクカートリッジ50を交換するよう、促される。これによりユーザは、インク残量が第1しきい値に到達している現在使用中のインクカートリッジ50を今すぐ交換するのではなく、第2しきい値となるまで使用してから交換すべきであることを認識することができる。
【0090】
また、上記図7(c)に示したインク残量低下状態での未契約モード時に表示する警告画面240Fでは、そのインク残量低下状態に対応した「まもなく交換」の記載を表示していたが、これに代えてカートリッジホルダ51に装着されている契約カートリッジ50を交換するように促す情報を表示してもよい。つまり、本来はインク残量欠乏状態で表示されるべき「契約カートリッジをすぐにセットして下さい。」の記載を、図7(c)の警告画面240Fに表示してもよい(特に図示せず)。なお、この場合の警告画面240Fを表示する上記のS160は第1警告表示処理の一例である。
【0091】
本変形例によれば、モードに応じた適切なタイミングでのインクカートリッジ50の交換を促すことができる。すなわち、契約済モードでは契約カートリッジ50をユーザが購入しに行かなくても配送が行われるため契約カートリッジ50が第2しきい値、例えばインク残量欠乏状態であるエンプティ状態になってから交換することを促しても間に合うし、契約カートリッジ50使用の経済性の観点でも好ましい。これに対して、未契約モードでは、ユーザ自身が通常カートリッジ50を入手する必要があるので通常カートリッジ50がエンプティになったタイミングで警告していては遅いので、本当に交換が必要になる前のタイミングで警告することが好ましい。本願発明のようにモードの違いによってタイミングを変えることで、適切な交換を促すことができる。
【0092】
(2)契約済モードでの警告画面で発送状況を表示する場合
上記実施形態では、契約済モードでの警告画面240Gで使用注意情報のみを表示していた。本変形例では、この警告画面240Gにおいて使用注意情報とともに、その時点の配送サービス会社におけるインクカートリッジ50の発送状況も表示する。
【0093】
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により配送契約中に実行される処理を、上記図3に対応する図12のシーケンス図に示す。
【0094】
図12に示すように、本変形例では、複合機200で実行される警告画面表示処理において、インク残量が第1しきい値より低下したことを検出した場合、その時点における配送サービス会社での当該交換対象の契約カートリッジ50の発送状況を問い合わせる問い合わせ情報を情報管理サーバ100へ送信する(S44)。それを受けた情報管理サーバ100は、当該交換対象の契約カートリッジ50についての発送状況を示す発送状況情報を複合機200へ返信する(S45)。その後、複合機200が、受信した発送状況情報とともに警告画面を表示する(S46)。これ以外は図3と同様であり、説明を省略する。なお、上記のS45が、回答送信処理の一例である。また、情報管理サーバ100が印刷装置に対し通信可能に接続されているサーバの一例である。
【0095】
本変形例において複合機200により実行される警告画面表示処理を、上記図6に対応する図13のフローチャートに示す。図13に示すように、本変形例では、図6におけるS130の判定でYES判定されて契約済モードとなった場合にS180へ移行する。
【0096】
S180では、交換対象の契約カートリッジ50の発送状況を問い合わせる問い合わせ情報を情報管理サーバ100へ送信する。このS180が、問い合わせ送信処理の一例である。
【0097】
次にS190へ移行し、情報管理サーバ100から発送状況情報を受信する。このS190が、回答取得処理の一例である。
【0098】
次にS200へ移行し、タッチパネル240において使用注意情報とともに受信した発送状況情報を記載した警告画面240Lが表示される。S200が完了したら前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。これ以外は図6と同様であり、説明を省略する。
【0099】
なお、上記のS130、S160、S200が、表示処理及び表示切替ステップの一例であり、上記のS160、S200が第1警告表示処理の一例である。
【0100】
この警告画面240Lは、例えば図14に示すように、インク残量の低下状態にある契約カートリッジ50の型番(図示する例では「LC401YR」)と、契約済モードでの上記警告画面240Gでの使用注意情報に加えて、この例の発送状況情報である「発送状況:発送済」が記載されている。なお、上述したように情報管理サーバ100は複合機200からの定期通信によって当該複合機200におけるインク残量を認識し、S42でインク残量の低下状態を認識した場合に配送サービス会社へ契約カートリッジ50の配送を指示する。このため、S44(S180)の実行と上述した定期通信との前後関係次第では、発送状況情報の内容が「未発送」である可能性もある。なお、この発送状況情報が消耗品の配送に関する配送情報の一例である。
【0101】
本変形例によれば、消耗品関連情報としてインクカートリッジ50の発送状況情報が含まれる。これにより、既に契約を締結済のユーザは、インク残量が第1しきい値以下になった現在使用中のインクカートリッジ50に対し、交換用の新たなインクカートリッジ50が既に発送済なのか、未発送なのか等を適切に知ることができる。
【0102】
また、本変形例では特に、ユーザの使用によりインクカートリッジ50のインク残量が第1しきい値以下になるとプロセッサ210によりS180で問い合わせ情報の送信処理が行われ、交換用の新たなインクカートリッジ50の発送状況が例えば情報管理サーバ100へ問い合わせられる。その問い合わせに対して例えば情報管理サーバ100から発送状況情報として回答があると、その回答がS190によって取得される。そして、前述のS200においては、その取得された情報に対応した発送状況情報がタッチパネル240に表示されることにより、ユーザは、最新の発送状況を知ることができる。
【0103】
(3)契約済モードでの警告画面で任意の発送依頼を受け付ける場合
上記第2変形例では、契約済モードでの警告画面240Lにおいて使用注意情報とともに発送状況情報を表示するだけであった。本変形例では、この警告画面240GLにおいて、定期通信とは別のインクカートリッジ50の発送要請をユーザから任意で受け付ける。
【0104】
本変形例において、複合機200、情報管理サーバ100、配送管理サーバ400、情報端末300、により配送契約中に実行される処理を、上記図12に対応する図15のシーケンス図に示す。
【0105】
図15に示すように、本変形例では、複合機200で実行される警告画面表示処理において、S46で警告画面を表示した後に、ユーザから任意の要請操作があれば、もしくは例えば発送依頼情報が未送信であればあらためて発送依頼情報を情報管理サーバ100へ送信する(S47)。それを受けた情報管理サーバ100は、上記S42とは別にあらためてインクカートリッジ50の発送を指示する発送指示情報を配送サービス会社へ送信する(S48)。これ以外は図12と同様であり、説明を省略する。
【0106】
本変形例において複合機200により実行される警告画面表示処理を、上記図13に対応する図16のフローチャートに示す。図16に示すように、本変形例では、図6におけるS200で発送要請ボタンを含む表示内容の警告画面M(後述の図17参照)が表示された後にS210へ移行する。
【0107】
S210では、表示された警告画面240Mで発送要請ボタンが操作されたか否か、言い換えるとユーザから任意に発送要請操作が行われたか否かが判定される。発送要請操作がなければNO判定され、前述のS110に戻り、同様の手順が繰り返される。発送要請操作があればYES判定され、S220へ移行する。このS210が、発送要請受付処理の一例である。
【0108】
S220では、交換対象のインクカートリッジ50を配送サービス会社から配送することを依頼する発送依頼情報を情報管理サーバ100へ送信する。このS220が、発送依頼送信処理の一例である。
【0109】
上記の警告画面240Mは、例えば上記図14と対応する図17に示すように「Estimated Ink Volume」ボタンの代わりに「Request Shipping」ボタンが表示されている。図示するようにその時点の発送状況が未発送である場合などで、ユーザが積極的に新しいインクカートリッジ50を入手したい場合にはこの「Request Shipping」ボタンを操作することで、発送依頼情報を情報管理サーバ100へ送信できる。
【0110】
この発送依頼情報の内容としては、インク残量情報が含まれる通常の定期通信相当の情報だけでもよいし、それに加えてユーザの積極的な発送要請である旨を示す別途の情報(特に図示せず)を添付してもよい。また、「Request Shipping」ボタンの操作後にすぐに発送依頼情報を送信するのではなく、例えば図18に示すような操作確認画面240Nを一旦表示して、発送要請操作(「はい」ボタンの操作)が再度行われた場合に初めて発送依頼情報を送信するようにしてもよい。
【0111】
また、本変形例では特に、契約済モードにおいて、タッチパネル240に表示された発送状況情報に対応してユーザが所定の発送要請操作を行うと、プロセッサ210が実行するS210においてその操作が受け付けられる。そしてさらに、S220において、新たなインクカートリッジ50の発送依頼情報が例えば情報管理サーバ100へと送信される。これにより、ユーザの意思により積極的に交換用の新たなインクカートリッジ50を発送してもらいたい場合に、手動操作に基づく発送依頼を送信することができる。
【0112】
(4)その他
上記の実施形態と各変形例においては、ユーザが契約元であるサービス提供会社との間で配送契約と印刷契約の2つの契約を締結している場合を例として説明したが、これに限られない。本願発明においては、少なくともインクカートリッジ50を消耗品とした配送に関する配送契約の締結が可能であればよく、上述した印刷契約や特に説明していないその他の契約についての締結可否や締結内容は適宜個別に、または連携して適用すればよい。
また、上記各実施形態において説明された、契約済モード及び未契約モードにおける表示の組み合わせは以上説明した各実施形態の組み合わせに限定されない。
【0113】
また、図2図3図4図6図10図12図13図15図16等に示すシーケンスやフローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0114】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【符号の説明】
【0115】
50 インクカートリッジ(消耗品の一例)
51 カートリッジホルダ(装着部の一例)
100 情報管理サーバ(サーバの一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(制御部の一例)
240 タッチパネル、表示部
290 印刷部
図1
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