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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072777
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】形成材および原稿表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
H04N5/222 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182414
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】太田 雅士
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA39
5C122EA54
5C122EA55
5C122FB13
5C122GE01
5C122GE07
(57)【要約】
【課題】利便性が向上した形成材および原稿表示装置を提供する。
【解決手段】撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材10であって、前記形成材10は、鏡面を支持し、光が透過する透過部が形成される主面部20と、前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部30と、を有し、複数の前記側面部30は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、
前記形成材は、
鏡面を支持し、光が透過する透過部が形成される主面部と、
前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、
複数の前記側面部は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される
形成材。
【請求項2】
前記透過部は、第1透過部と、前記第1透過部から突出する第2透過部と、を含む
請求項1に記載の形成材。
【請求項3】
前記側面部は、係合部を備え、
前記係合部は、第1係合部および前記第1係合部と係合する第2係合部の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の形成材。
【請求項4】
複数の前記側面部の少なくとも1つは、前記撮像装置を含む取付対象に取り付けられるための取付部を構成するための開口部を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の形成材。
【請求項5】
前記開口部に設けられる折込片をさらに備える、
請求項4に記載の形成材。
【請求項6】
前記形成材は、1枚の紙で構成される
請求項1~5のいずれか一項に記載の形成材。
【請求項7】
前記鏡面を備え、
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記形成材により形成される
原稿表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形成材および原稿表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによる話し手の撮影を妨げることなく、話し手の手元に存在する原稿を話し手とカメラとの間に表示するプロンプター装置が知られている。このプロンプター装置によれば、話し手がカメラを見ながら原稿を参照できる。特許文献1は、従来のプロンプター装置の一例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-172083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプロンプター装置は、テレビカメラのような大型のカメラを使用する場合に適していた。一方で設置にかかるコストや、プロンプター装置の大きさから、パーソナルコンピュータやスマートデバイスに搭載される小型のカメラに対して使用する状況に適していない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従う形成材は、撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、前記形成材は、鏡面を支持し、光が透過する透過部が形成される主面部と、前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、複数の前記側面部は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、利便性が向上した形成材および原稿表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の原稿表示装置の斜視図。
図2】実施形態の形成材の正面図。
図3】形成材で原稿表示装置を組み立てる途中の状態の一例を示す図。
図4】形成材で原稿表示装置を組み立てる途中の状態の一例を示す図。
図5】形成材で原稿表示装置を組み立てる途中の状態の一例を示す図。
図6図1の原稿表示装置を端末に取り付けた状態の一例を示す斜視図。
図7図1の原稿表示装置を取り付けた状態の側面図。
図8】原稿表示装置の使用方法を示す図。
図9】原稿表示装置をスマートデバイスに取り付けた状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(形成材および原稿表示装置が取り得る形態の一例)
本発明に従う形成材は、撮像装置とユーザとの間に配置される原稿表示装置を形成するための形成材であって、前記形成材は、鏡面を支持し、光が透過する透過部が形成される主面部と、前記主面部を支持する支持部を形成する複数の側面部と、を有し、複数の前記側面部は、前記支持部を形成する第1状態と前記支持部を形成しない第2状態とを変更可能に構成される。
上記構成によれば、支持部の第1状態と第2状態とを変更可能に構成されている。原稿表示装置を使用する場合は、支持部を第1状態に構成し、原稿表示装置を使用しない場合には、支持部を第2状態に構成できる。上記形成材で構成された原稿表示装置によれば、使用状態に応じて支持部の状態を第1状態と第2状態とで変更できるため、利便性が向上する。
【0009】
前記形成材の一例によれば、前記透過部は、第1透過部と、前記第1透過部から突出する第2透過部と、を含む。
上記構成によれば、第1透過部から突出する第2透過部が設けられるため、上記形成材により形成される原稿表示装置の内部空間の明るさの低下が抑制される。
【0010】
前記形成材の一例によれば、前記側面部は、係合部を備え、前記係合部は、第1係合部および前記第1係合部と係合する第2係合部の少なくとも1つを含む。
上記構成によれば、係合部が設けられるため、形成材により原稿表示装置を容易に形成できる。
【0011】
前記形成材の一例によれば、複数の前記側面部の少なくとも1つは、前記撮像装置を含む取付対象に取り付けられるための取付部を構成するための開口部を備える。
上記構成によれば、形成材に設けられる開口部により原稿表示装置に取付部が形成されるため、撮像装置に対して容易に取付できる。
【0012】
前記形成材の一例によれば、前記開口部に設けられる折込片をさらに備える。
上記構成によれば、折込片による取付対象との接触または押付により、形成材により形成される原稿表示装置を安定して取付できる。
【0013】
前記形成材の一例によれば、1枚の紙で構成される。
上記構成によれば、形成材の構成を簡素にできる。
【0014】
本発明に従う原稿表示装置は、前記鏡面を備え、前記形成材により形成される。
この原稿表示装置によれば、利便性が向上する。
<実施形態>
【0015】
図1図9を参照して、実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を構成するための形成材10について説明する。原稿表示装置1は、ユーザの手元に配置された原稿Mを表示し、ユーザが原稿Mを参照することを助けるプロンプターである。原稿表示装置1は、ユーザと撮像装置Cとの間の任意の場所に配置される。撮像装置Cは、例えば動画の撮影が可能なカメラである。原稿表示装置1は、撮像装置Cによるユーザの撮影への影響が抑制されるように構成される。原稿表示装置1は、取付対象に取り付け可能である。取付対象は、撮像装置Cまたは撮像装置Cを含む端末Dである。端末Dは、例えばノート型パーソナルコンピュータまたはスマートデバイスである。なお、原稿表示装置1を撮像装置Cまたは撮像装置Cを含む端末Dに取り付けてユーザが使用している状態において原稿表示装置1の方向を規定する。前後方向は、ユーザ側を前方向、ユーザと反対側を後方向とする方向である。上下方向は、ユーザから見た上下の向きである。左右方向は、ユーザから見た左右の向きである。
【0016】
原稿表示装置1は、鏡面2および支持部3を備える。鏡面2は、一方から他方への光の大部分を透過させ、他方から一方への光の大部分を反射するように構成される。光は、可視光を含む。鏡面2は、例えばハーフミラーである。支持部3は、鏡面2を所定の角度で支持する。所定の角度は水平な面と鏡面2とにより形成される角度であり、例えば45°である。支持部3には、取付部4が形成される。取付部4は、原稿表示装置1を端末Dに取り付けることに適した構成を備える。一例では、取付部4は、溝状に構成される。
【0017】
図2に示されるように、原稿表示装置1を形成する形成材10は、主面部20および複数の側面部30により構成される。形成材10は、原稿表示装置1を形成した場合に所定の強度を保つことができる材料で構成される。所定の強度は、ユーザが原稿表示装置1を把持した場合に、形が崩れない程度が好ましい。形成材10を構成する材料は、例えば紙または樹脂である。本実施形態において形成材10は、一枚の紙により形成される。
【0018】
主面部20には、鏡面2が取り付けられる。主面部20は、鏡面2を透過する光を透過させる透過部21を備える。透過部21は、主面部20の外面と内面20Bとを接続する開口である。内面20Bは、好ましくは光の反射が抑制される色で構成される。一例では、内面20Bの色は黒色である。主面部20に対する鏡面2の取り付け方は、任意である。一例では、両面テープにより鏡面2が主面部20の外面に取り付けられる。鏡面2は、主面部20の内面20Bに取り付けられていてもよい。鏡面2は、主面部20に取り付けられた状態で、外面側から内面20B側に向かう方向の光の大部分を反射し、内面20B側から外面側に向かう光の大部分を透過する。
【0019】
透過部21は、第1透過部21Aおよび第2透過部21Bを含む。第1透過部21Aは、例えば四角形状に形成され、鏡面を透過する光を透過させる。第2透過部21Bは、第1透過部21Aから突出するように構成される。本実施形態において、第2透過部21Bは、第1透過部21Aから下方向に向けて突出するように構成される。
【0020】
側面部30は、原稿表示装置1の支持部3を形成する。本実施形態において側面部30は、第1側面部31、第2側面部32、第3側面部33、第4側面部34、および、第5側面部35を含む。第1側面部31~第5側面部35の少なくとも1つは、主面部20と連続する。本願における連続するとは、後述する第1状態および第2状態の両方において、非係合の状態にはならないことを示す。側面部30は、支持部3が形成された状態で外側に設けられる外面30A、および、支持部3が形成された状態で内側に設けられる内面30Bを含む。少なくとも内面30Bは、好ましくは光の反射が抑制される色で構成される。一例では、内面30Bの色は黒色である。
【0021】
主面部20および側面部30は、係合部40をさらに備える。係合部40は、主面部20または側面部30に含まれる各側面部の任意の組み合わせを係合させる。係合部40は、第1係合部40Aおよび第2係合部40Bを含む。
【0022】
第1係合部40Aと第2係合部40Bとは、係合可能に構成される。第1係合部40Aと第2係合部40Bとは、係合した状態と係合していない状態とを切り替え可能に構成される。一例では、第1係合部40Aは、側面部30に形成される凸部または凹部の一方である。第2係合部40Bは、側面部30に形成される凸部または凹部の他方である。本実施形態において、第1係合部40Aの形状は、側面部30から突出する凸部形状である。第2係合部40Bの形状は、主面部20または側面部30の一部を折り込んだ凹部形状である。
【0023】
第1側面部31は、原稿表示装置1が形成された状態の前後方向において主面部20に向かい合うように形成される。主面部20は、原稿表示装置1が形成された状態において前面を形成する。第1側面部31は、原稿表示装置1が形成された状態において後面を形成する。主面部20の面積は、第1側面部31の面積よりも大きく形成される。
【0024】
第2側面部32および第3側面部33は、原稿表示装置1が形成された状態の左右方向において、互いに向かい合うように形成される。第2側面部32および第3側面部33は、原稿表示装置1が形成された状態の支持部3において、左右の側面を形成する。第2側面部32と第3側面部33とは、面積が同じになるように形成される。
【0025】
第4側面部34および第5側面部35は、原稿表示装置1が形成された状態の上下方向において、互いに向かい合うように形成される。第4側面部34は、原稿表示装置1が形成された状態において底面を形成する。第5側面部35は、原稿表示装置1が形成された状態において天面を形成する。第4側面部34の面積は、第5側面部35の面積よりも小さくなるように構成される。
【0026】
主面部20は、第4側面部34および第5側面部35と連続する。主面部20は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第2側面部32および第3側面部33の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、主面部20に構成される複数の係合部40は、2つの第2係合部40Bである。
【0027】
第1側面部31は、第4側面部34と連続する。第1側面部31は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第2側面部32、第3側面部33、および、第5側面部35の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第1側面部31に構成される複数の係合部40は、2つの第1係合部40Aおよび2つの第2係合部40Bである。
【0028】
第2側面部32は、第4側面部34と連続する。第2側面部32は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第1側面部31、第3側面部33、および、第5側面部35の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第2側面部32に構成される複数の係合部40は、1つの第1係合部40Aおよび2つの第2係合部40Bである。
【0029】
第3側面部33は、第4側面部34と連続する。第3側面部33は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第1側面部31、第3側面部33、および、第5側面部35の係合部40と係合可能に構成される。本実施形態において、第3側面部33に構成される複数の係合部40は、1つの第1係合部40Aおよび2つの第2係合部40Bである。
【0030】
第4側面部34は、主面部20、第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部と連続する。第5側面部35は、主面部20と連続する。第5側面部35は、複数の係合部40を備える。複数の係合部40は、第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33と係合可能に構成される。本実施形態において、第5側面部35に構成される複数の係合部40は、4つの第1係合部40Aである。
【0031】
主面部20および各側面部30において、連続する各面部間には、折り目加工が施された折り目Fが形成される。折り目Fは、折り目Fをもとに谷折りが可能となるように構成される。谷折りによる各面部が形成する内側の角度は、例えば90~180°の範囲に含まれる。
【0032】
側面部30の少なくとも1つには、開口部50が形成される。開口部50は、原稿表示装置1が形成された状態において取付部4を構成する。開口部50は、第4側面部34に形成される主開口部51および第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52を含む。図2に示されるように、開口部50の位置は、第4側面部34の前後方向において、中心線CLよりも前方向側に形成される。
【0033】
主開口部51は、原稿表示装置1が形成された状態において、第4側面部34の左右方向に沿って形成される。主開口部51は、第4側面部34の左右方向において一方から他方の折り目Fまで形成される。主開口部51の前後方向の長さは、例えば8mm以上である。主開口部51の前後方向の長さは、例えば20mm以下である。
【0034】
側開口部52は、原稿表示装置1が形成された状態において、第2側面部32および第3側面部33の上下方向に沿って形成される。側開口部52は、第2側面部32および第3側面部33と第4側面部34の折り目Fから上方向に所定の長さの取付部4になるように形成される。第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52は、形状および大きさが同じになるように構成される。側開口部52の上下方向の長さは、例えば10mm以上である。側開口部52の上下方向の長さは、例えば20mm以下である。
【0035】
側開口部52には、折込片60が形成される。折込片60は、側開口部52の外枠を構成する複数の辺Eのうち、1つの辺E1と連続する。本実施形態において、前方向側に設けられる辺E1と折込片60とが連続する。その他の辺E2は、折込片60と連続しない。辺Eは、上下方向または前後方向の少なくとも一方において折り曲がるように構成されていてもよい。本実施形態において、折込片60と連続する辺E1は、直線状に構成される。折込片60と連続しない辺E2は、折れ線状に形成される。好ましくは、原稿表示装置1が形成された状態で取付部4の幅が上方向に向かうにつれて狭くなるように、辺E1と辺E2との間の距離が変更される。
【0036】
主面部20および第1側面部31~第5側面部35によって、原稿表示装置1の内部には、内部空間が形成される。内部空間は、鏡面2、透過部21、および、開口部50と取付対象との隙間以外において、光が入り込まないように形成される。係合部40により係合された主面部20および側面部30の間からは、光が入り込まないように構成されることが好ましい。
【0037】
図3~5を参照して、形成材10から原稿表示装置1を形成する形成方法について説明する。形成前の形成材10は、図2に示された状態である。
図3に示されるように、第1ステップにおいて第2係合部40Bを形成する。第2係合部40Bは、主面部20、第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33に設けられる。第2ステップにおいて、折り目Fから第2側面部32および第3側面部33を、第4側面部34に対して折り曲げる。折り曲げる角度は、90°である。第1ステップと第2ステップとは、入れ替えてもよい。
【0038】
図4に示されるように、第3ステップにおいて第1側面部31と第2側面部32とを係合する。具体的には、第1側面部31に形成される第1係合部40Aと第2側面部32に形成される第2係合部40Bとを係合する。第4ステップにおいて、第1側面部31と第3側面部33とを係合する。具体的には、第1側面部31に形成される第1係合部40Aと第3側面部33に形成される第2係合部40Bとを係合する。第3ステップと第4ステップとは、入れ替えてもよい。第5ステップにおいて、第2側面部32と主面部20とを係合する。具体的には、第2側面部32に形成される第1係合部40Aと主面部20に形成される第2係合部40Bとを係合する。第6ステップにおいて、第3側面部33と主面部20とを係合する。具体的には、第3側面部33に形成される第1係合部40Aと主面部20に形成される第2係合部40Bとを係合する。第5ステップと第6ステップとは、入れ替えてもよい。
【0039】
図5に示されるように、第7ステップにおいて、形成材10に形成される折り目Fから主面部20に対して第5側面部35を折り曲げる。第8ステップにおいて、第5側面部35に形成される複数の第1係合部40Aを第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33に形成される第2係合部40Bと係合する。第8ステップの終了後、図1に示される原稿表示装置1が形成される。
【0040】
形成材10は、支持部3を構成する第1状態と支持部3を構成しない第2状態とを変更可能に構成される。第1状態と第2状態との変更は、第1係合部40Aと第2係合部40Bとの係合状態と非係合状態との切替により実施される。第1状態は、支持部3が鏡面2を所定の角度で支持可能な状態である。第1状態の原稿表示装置1において、少なくとも1つの第1係合部40Aと第2係合部40Bとが係合される。
【0041】
第2状態は、支持部3が形成されず、主面部20および主面部20に設けられる鏡面2が所定の角度で支持されない状態である。第1状態から第2状態への変更は、例えば、図3~5に示される組み立て手順を逆の順序で実施することにより行われる。第2状態は、第1係合部40Aと第2係合部40Bとがすべて非係合の状態を含む。この場合は、図2に示されるような状態であり、主面部20および側面部30が平面に形成される。
【0042】
図7に示される通り、開口部50に対応する取付部4には、折込片60が設けられている。折込片60は、原稿表示装置1が形成された状態において内部空間に向けて突出するように構成される。原稿表示装置1が端末Dに取り付けた状態において、折込片60は、端末Dに対して少なくとも接触する。好ましくは原稿表示装置1が端末Dに取り付けた状態において、折込片60の復元力により端末Dに対して押し付けられる。
【0043】
図8を参照して、原稿表示装置1の使用方法について説明する。
ユーザは、原稿Mを用意する。原稿Mの文字は、反転させた状態で表示する。原稿Mは、紙に文字が記載されていてもよく原稿表示装置1を取り付けている端末Dとは異なる端末に表示してもよい。ユーザは、鏡面2に表示される文字を読むことで容易に原稿Mを読み上げることができる。ユーザは、原稿Mを一方向から他方向に向けてずらすことにより、常に原稿表示装置1の鏡面2に原稿Mの文字を適切に表示することができる。原稿表示装置1を取り付けている端末Dとは異なる端末を用いて、表示される文字の表示時間を調節してもよい。撮像装置Cは、ユーザの目線が撮像装置Cを向いている状態でユーザを撮影する。撮像装置Cにより撮影されたユーザを見る視聴者は、ユーザが撮像装置Cを介して自らを向いて、すなわち、原稿を参照することなく話しているように認識する。視聴者は、例えばユーザの授業または講義を受講する受講者、および、ユーザに対する面接官である。
【0044】
本実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を形成する形成材10の作用について説明する。主面部20および側面部30が平らな状態である第2状態から主面部20に取り付けられる鏡面2が所定の角度で支持される第1状態になるように、形成材10から原稿表示装置1を形成する。原稿表示装置1は、取付対象に対して取付部4を介して取り付ける。このとき、折込片60を内部空間に向けて折り込んで取り付ける。取付部4および折込片60により、取付対象に対して安定して固定できる。
【0045】
本実施形態の原稿表示装置1および原稿表示装置1を形成する形成材10によれば、以下の効果がさらに得られる。
形成材10の第4側面部34に形成される主開口部51の前後方向の長さは、8mm以上および20mmの範囲に設定される。このため、原稿表示装置1を端末Dに取り付ける際に容易に取り付けることができ、かつ、端末Dと取付部4との間に隙間が形成されにくいため取付部4から内部空間への光の侵入が抑制される。
【0046】
第2側面部32および第3側面部33に形成される側開口部52の上下方向の長さは、10mm~20mmの範囲に設定される。このため、原稿表示装置1を端末Dに取り付ける際に、端末Dの表示画面を原稿表示装置1が覆うおそれが低く、ユーザが表示画面を認識するのを妨げにくい。
【0047】
開口部50の位置は、第4側面部34の前後方向の中心線CLよりも前側に設けられる。原稿表示装置1は、鏡面2が取り付けられる前側が重くなりやすい。開口部50の位置が第4側面部34の中心線CLよりも前側に形成されるため、原稿表示装置1を取り付けた状態において原稿表示装置1の前後方向のバランスがとりやすく、原稿表示装置1の取り付けがより安定する。
【0048】
第5側面部35は、複数の第1係合部40Aを備え、第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33の第2係合部40Bと係合する。例えば内部空間が暗いことにより、撮像装置Cがユーザを認識できない場合、第5側面部35の第1係合部40Aと第1側面部31、第2側面部32、および、第3側面部33の第2係合部40Bの少なくとも1つの係合状態を非係合状態に変更することで、内部空間の明るさがより明るくなるように調節することができる。
【0049】
主面部20および側面部30において、連続する面部の間には、折り目Fが形成されている。このため、第2状態において形成材10を折りたたむことができる。原稿表示装置1を使用しない場合、第2側面部32と第4側面部34との間の折り目F、第3側面部33と第4側面部34との間の折り目F、および、主面部20と第5側面部35との間の折り目Fを谷折りすることで、形成材10の寸法をさらに小さくすることができる。このため、より小さな入れ物に保管することができ、ユーザビリティが向上する。
【0050】
<変形例>
実施の形態に関する説明は、本発明に従う形成材および原稿表示装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う形成材および原稿表示装置は、実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0051】
図9に示されるように、原稿表示装置1はスマートデバイスに取り付け可能に構成されていてもよい。一例では、スマートデバイスはタブレット端末またはスマートフォンである。原稿表示装置1を取り付けた状態においてスマートデバイスが水平方向および垂直方向に対して任意の角度で傾斜するように固定支持材を用いることが好ましい。
【0052】
・支持部3の形状は任意である。一例では、形成材10は、側面部30をさらに含み、支持部3の形状がより多角形状に構成されていてもよい。別の例では、形成材10は、第1側面部31~第5側面部35の少なくとも1つが省略される。
【0053】
・取付部4は、別の構成であってもよい。一例では取付部4は、原稿表示装置1を端末Dに固定可能な両面テープで構成されていてもよく、端末Dを挟み込むのに適したばねを含む把持材であってもよい。上記例において、形成材10の開口部50の構成が省略されてもよい。形成材10に把持材が着脱可能に設けられてもよい。
【0054】
・係合部40の構成は、任意に変更されてもよい。一例では、任意の第1係合部40Aと第2係合部40Bとを入れ替えて構成されていてもよい。例えば第1側面部31の左右方向に形成される2つ第1係合部40Aのうち、少なくとも1つを第2係合部40Bに構成し、係合する第2側面部32および第3側面部33の少なくとも1つの第2係合部40Bを第1係合部40Aに構成してもよい。
【0055】
・第4側面部34に係合部40が設けられていてもよい。一例では、第4側面部34と第1側面部31とが係合部40で係合される。この場合、例えば第1側面部31と第2側面部32とは、連続して構成される。
【符号の説明】
【0056】
1…原稿表示装置
2…鏡面
3…支持部
4…取付部
10…形成材
20…主面部
21…透過部
30…側面部
40…係合部
50…開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9