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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072779
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】水素充填装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20220510BHJP
   F17C 5/06 20060101ALI20220510BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20220510BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220510BHJP
【FI】
F17C13/02 301Z
F17C5/06
F17C13/02 301A
B60K8/00
H01M8/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182416
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松浦 章雄
【テーマコード(参考)】
3D235
3E172
5H127
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB21
3D235CC24
3D235HH02
3D235HH09
3D235HH12
3D235HH63
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD03
3E172BD05
3E172DA90
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA14
3E172EA22
3E172EA23
3E172EA24
3E172EA35
3E172JA08
5H127AB04
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127FF20
(57)【要約】
【課題】誤診による水素充填装置の停止を抑制すること。
【解決手段】充填流量Qが最大流量閾値を超過した場合に、制御装置は、リークチェックモードに移行する。リークチェックモードに移行後、制御装置は、検査充填を開始する。変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれるとき、制御装置は、所定の条件を満たした場合に通常充填を再開する。式(2)の範囲は、予想変化量ΔP2に基づき定められる。また、予想変化量ΔP2は、式(1)より全体の容積に基づいて定められる。これにより、計測された変化量ΔP1と予想変化量ΔP2との相対誤差から、水素の充填対象の容積と全体の容積との相対誤差を推定することができる。したがって、誤診によって水素充填装置が停止することを抑制することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される複数の水素タンクに水素の充填を行う水素充填装置であって、
前記水素充填装置は、
前記水素の充填流量を計測する流量計測部と、
前記水素の充填圧力を計測する圧力計測部と、
前記水素の充填温度を計測する温度計測部と、
前記水素タンクの全体の容積を取得する取得部と、
前記水素の充填流量を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記充填を開始するときの充填流量である初期流量で前記充填を行う充填部と、
前記充填流量が最大流量閾値を超過したときに、前記初期流量より小さい検査流量で前記充填を行う検査部と、
前記検査流量で前記充填を行った場合の前記充填圧力の変化量が前記全体の容積に基づいて定められる許容範囲に含まれるときに前記充填を継続する継続部と、を備える水素充填装置。
【請求項2】
前記許容範囲は、前記充填温度に基づいて定められる、請求項1に記載の水素充填装置。
【請求項3】
前記継続部は、前記変化量が前記許容範囲に含まれる場合にさらに前記充填流量の変動幅が所定の流量偏差内に含まれるときに前記充填を継続する請求項1又は請求項2に記載の水素充填装置。
【請求項4】
前記充填流量は、質量流量であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の水素充填装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記充填流量が前記最大流量閾値を超過したときに、前記検査流量で前記充填を行う前に前記充填を停止する一時停止部を備える請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の水素充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池車両は、水素を貯蔵するための水素タンクを備える。特許文献1には、このような車両の水素タンクに水素を充填する水素充填装置が開示されている。水素充填装置には、安全性等の観点から水素を車両に充填する際の単位時間当たりの充填流量に上限として最大流量閾値が定められている。充填流量が最大流量閾値を超えると、水素充填装置は自身に異常があると判断し、水素の充填を中断し、水素充填装置を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-163534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水素充填装置が複数の水素タンクを備える車両に水素を充填する場合、まず圧力の低い水素タンクに水素が充填される。このとき、水素が充填される水素タンクの容積は、圧力の低い水素タンクの容積とみなすことができる。水素の充填に伴い、水素タンク間の圧力差がなくなると、水素は、複数の水素タンクに充填される。水素が充填される水素タンクが複数になることで、水素の充填対象となる水素タンクの容積が増加したとみなすことができる。これにより、水素の充填流量が一時的に急増し、最大流量閾値を超えることがある。そのため、水素充填装置に異常がないにも関わらず異常があると誤診され、水素充填装置が停止するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する水素充填装置は、車両に搭載される複数の水素タンクに水素の充填を行う水素充填装置であって、前記水素充填装置は、前記水素の充填流量を計測する流量計測部と、前記水素の充填圧力を計測する圧力計測部と、前記水素の充填温度を計測する温度計測部と、前記水素タンクの全体の容積を取得する取得部と、前記水素の充填流量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記充填を開始するときの充填流量である初期流量で前記充填を行う充填部と、前記充填流量が最大流量閾値を超過したときに、前記初期流量より小さい検査流量で前記充填を行う検査部と、前記検査流量で前記充填を行った場合の前記充填圧力の変化量が前記全体の容積に基づいて定められる許容範囲に含まれるときに前記充填を継続する継続部と、を備える。
【0006】
これによれば、充填流量が最大流量閾値を超えた場合、初期流量より小さい検査流量で検査時間の間、水素の充填を行う。検査流量で充填を行った後の圧力の変化量が、ある1つの水素タンクの容積ではなく複数の水素タンク全体の容積に基づいて定められる許容範囲に含まれる場合に、充填流量の増加が疑似的な容積変化に起因するものであることを判断することができる。したがって、誤診による水素充填装置の停止を抑制することができる。
【0007】
上記水素充填装置では、前記許容範囲は、前記充填温度に基づいて定められていてもよい。
これによれば、変化量の充填温度に対する依存性を考慮した上で、充填流量の増加が疑似的な容積変化に起因するものであるか否かの判断をすることが可能となる。したがって、より精度よく、誤診によって水素充填装置が停止することを抑制することができる。
【0008】
上記水素充填装置では、前記継続部は、前記変化量が前記許容範囲に含まれる場合にさらに前記充填流量の変動幅が所定の流量偏差内に含まれるときに前記充填を継続してもよい。
【0009】
これによれば、充填流量の変動幅が所定の流量偏差内に含まれないとき、例えば、流量計測部の異常等により充填流量Qが安定しないときには水素の充填を中止し、充填流量の変動幅が所定の流量偏差内に含まれるときには水素の充填を継続する。したがって、検査流量での検査後に水素の充填を行うに際し、より安定した充填流量で水素の充填を行うことができる。
【0010】
上記水素充填装置では、前記充填流量は、質量流量であってもよい。
これによれば、充填温度や充填圧力によって変化する体積流量に比べて、より定量的に充填流量を測定することができる。したがって、より精度よく、誤診によって水素充填装置が停止することを抑制することができる。
【0011】
上記水素充填装置では、前記制御部は、前記充填流量が前記最大流量閾値を超過したときに、前記検査流量で前記充填を行う前に前記充填を停止する一時停止部を備えてもよい。
【0012】
これによれば、制御部が水素の充填を中止できるか否かを確認することで、水素の流路上に設けられた機器の故障等の有無を検査することができる。したがって、水素充填装置に水素漏れ等の異常が発生している場合に迅速に水素の充填を中止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、誤診による水素充填装置の停止を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】水素充填システムの全体概略図。
図2】水素充填の制御シーケンス図。
図3】リークチェックモードにおける制御シーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、水素充填システムに適用される水素充填装置の一実施形態について図1図3に従って説明する。
図1に示すように、水素充填システム100は、車両10と、車両10に水素を充填する水素充填装置20と、を備える。
【0016】
車両10は、水素を燃料として駆動する、いわゆる燃料電池車両である。車両10は、乗用車であっても、フォークリフトやトーイングトラクタのような産業車両であってもよい。車両10は、2つの水素タンク11a,11bと、レセプタクル12と、供給路13と、第1の逆止弁14aと、第2の逆止弁14bと、共有逆止弁14cと、を備える。
【0017】
2つの水素タンク11a,11bは、図示しない燃料電池に燃料としての水素を供給する燃料供給源である。各水素タンク11a,11bは、例えば、35MPaの水素を貯蔵することができる高圧タンクである。以下の説明では、2つの水素タンク11a,11bをそれぞれ「第1の水素タンク11a」、「第2の水素タンク11b」と称することがある。
【0018】
レセプタクル12は、水素の充填を行う際に水素充填装置20に接続される供給口である。
供給路13は、第1の供給路13aと、第2の供給路13bと、共有供給路13cと、を備える。共有供給路13cは、レセプタクル12に接続されている。第1の供給路13a及び第2の供給路13bは、共有供給路13cから分岐している。第1の供給路13aは、共有供給路13cと第1の水素タンク11aとを接続している。第2の供給路13bは、共有供給路13cと第2の水素タンク11bとを接続している。
【0019】
第1の逆止弁14aは、第1の水素タンク11aから共有供給路13cに水素が逆流することを防止するためのものである。第1の逆止弁14aは、第1の供給路13aに設けられている。第2の逆止弁14bは、第2の水素タンク11bから共有供給路13cに水素が逆流することを防止するためのものである。第2の逆止弁14bは、第2の供給路13bに設けられている。共有逆止弁14cは、第1の供給路13a及び第2の供給路13bからレセプタクル12に水素が逆流することを防止するためのものである。共有逆止弁14cは、共有供給路13cに設けられている。
【0020】
水素充填装置20は、カードル21と、圧縮機22と、蓄圧器23と、流量調整部24と、流量計測部としてのマスフローメータ25と、プレクーラ26と、充填プラグ27と、圧力計測部28と、温度計測部29と、車両センサ30と、インターロック31と、制御装置40と、を備える。
【0021】
カードル21は、車両10に充填する水素の供給源である。
圧縮機22は、カードル21から供給される水素を所定の常用圧力まで昇圧するためのものである。圧縮機22を経由した水素の温度は、圧縮機22での断熱圧縮によって上昇することがある。
【0022】
蓄圧器23は、圧縮機22によって昇圧された水素を蓄えておくためのものである。蓄圧器23に蓄えられる水素の圧力は、水素の充填に用いられる水素の圧力の最大値よりも大きい。
【0023】
流量調整部24は、蓄圧器23から供給される水素の流量を調整するためのものである。流量調整部24には、例えば、伝導弁や電磁弁など電気信号で制御可能な種々の圧力調整弁を用いることができる。流量調整部24は、図示しない弁機構を操作することにより、蓄圧器23に蓄えられた水素の圧力を降圧して出力する。
【0024】
マスフローメータ25は、流量調整部24から供給される水素の単位時間当たりの質量流量を計測するためのセンサである。以下の説明では、流量調整部24から供給される水素の単位時間当たりの質量流量を単に「充填流量Q」と称することがある。
【0025】
プレクーラ26は、流量調整部24及びマスフローメータ25を介して蓄圧器23から供給される水素を所定の温度に冷却する熱交換器である。ここで、所定の温度とは、例えば、-20℃である。プレクーラ26としては、例えば、隔壁式、中間媒体式、蓄熱式などの種々の伝熱方式の熱交換器を適用することができる。
【0026】
なお、例えば、水素充填装置20が産業車両用として用いられる場合、水素充填装置20は、プレクーラ26を備えていないことがある。したがって、プレクーラ26は、水素充填装置20に設けられていなくてもよい。
【0027】
充填プラグ27は、プレクーラ26を通過した水素を車両10に充填するための充填口である。充填プラグ27をレセプタクル12に接続することで、水素充填装置20は、充填プラグ27とレセプタクル12と供給路13とを介して、車両10に搭載される複数の水素タンク11a,11bに水素の充填を行う。
【0028】
圧力計測部28は、車両10に充填される水素の圧力Pを計測するための圧力センサである。以下では、車両10に充填される水素の圧力Pを「充填圧力P」と称することがある。圧力計測部28として、例えば、ゲージ圧力計や圧力発信器など任意の圧力計が用いられる。圧力計測部28は、プレクーラ26と充填プラグ27の間に設けられている。
【0029】
温度計測部29は、プレクーラ26から充填プラグ27に供給される水素の温度Tを計測するための温度センサである。以下では、車両10に充填される水素の温度Tを「充填温度T」と称することがある。温度計測部29としては、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計などの種々の温度計が用いられる。温度計測部29は、プレクーラ26と充填プラグ27の間に設けられている。なお、温度計測部29は、水素の流路内に直接設けられていても、水素の流路の外に設けられていてもよい。要は、温度計測部29は、流路内の水素と熱交換するように構成されていればよい。
【0030】
車両センサ30は、車両10を識別するためのセンサである。車両センサ30は、例えば、車両10を撮影するビジョンセンサである。他にも、車両センサ30は、車両10と対応付けられた識別カードから車両10の識別情報を読み取るカードリーダーなどの読取装置であってもよい。要は、車両センサ30は、何かしらの方法で水素を充填しようとする車両10を識別することができるものであればよい。
【0031】
インターロック31は、水素充填装置20に異常が発生した場合に水素の充填を中止し、水素充填装置20を停止するための安全装置である。インターロック31は、水素充填装置20が備える各部材にそれぞれ設けられていてもよいし、各部材を繋ぐ水素の流路に設けられていてもよい。
【0032】
制御装置40は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)が用いられる。記憶部は、RAM(Random access memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置40は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置40は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0033】
制御装置40は、最大流量閾値Qmaxを記憶している。最大流量閾値Qmaxは、水素充填装置20に許容されている単位時間当たりの最大の充填流量である。最大流量閾値Qmaxは、例えば、6[g/min]である。
【0034】
制御装置40は、車両10に関する情報と当該車両10に搭載される水素タンク11a,11bの容積Va,Vbとの対応関係を記憶している。なお、この説明における車両10は、1種類に限らず、2種類以上であってもよい。制御装置40は、車両センサ30の検出結果、例えば、ビジョンセンサが撮影した画像データやカードリーダーから取得した識別情報から、車両10に搭載されている各水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを特定する。
【0035】
具体例として、車両センサ30がビジョンセンサの場合、制御装置40は、車両センサ30が撮影した画像を画像データとして取得する。画像データは、車両10の外観やナンバープレートなどの車両10の特徴点を含む。制御装置40は、予め記憶部に記憶された車両情報を参照することで、画像データに含まれている車両10の車種等を特定する。車両情報は、車両10に搭載されている水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを含む。車両10の特定には、例えば、車両情報を教師データとする機械学習が用いられるが、機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等が適宜採用されればよい。制御装置40は、特定した車両10の車種等を車両情報と照合することにより、当該車両10に搭載されている水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを取得する。
【0036】
車両センサ30がカードリーダーのような読取装置の場合、車両センサ30は、識別カード等の識別媒体から識別情報を取得する。識別情報は、車両10の車種等の情報を含む。制御装置40は、車両センサ30から識別情報を取得し、車両情報と識別情報とを照合する。これにより、制御装置40は、車両10を特定し、車両10に搭載されている水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを取得する。なお、識別情報が各水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを含む場合、制御装置40は、識別情報から直接容積Va,Vbを取得してもよい。
【0037】
制御装置40は、取得した容積Va,Vbから水素タンク11a,11bの全体の容積Vcを取得する。なお、全体の容積Vcは各水素タンク11a,11bの容積Va,Vbの総和である。したがって、車両センサ30及び制御装置40は、水素タンク11a,11bの全体の容積Vcを取得する取得部を構成する。なお、制御装置40が全体の容積Vcを取得することができれば、その取得方法は任意である。
【0038】
本実施形態の水素充填装置20は、一定の圧力上昇率ΔP/Δtで上昇する一定昇圧式の充填方法を採用している。圧力上昇率ΔP/Δtとは、時間Δt当たりの充填圧力Pの上昇量ΔPを表す量である。一定昇圧式の充填方法とは、充填圧力が目標圧力に達するまでの間、一定の圧力上昇率ΔP/Δtで上昇するように充填圧力を制御する充填方法である。目標圧力は、例えば35[MPa]であり、圧力上昇率ΔP/Δtは、例えば10[MPa/min]である。以下、このような充填方法を「通常充填」と称することがある。充填流量Qは圧力上昇率ΔP/Δtにおおむね比例する。そのため、充填流量Qは通常充填時にはほぼ一定となる。
【0039】
制御装置40は、マスフローメータ25から充填流量Qを、圧力計測部28から充填圧力Pを、温度計測部29から充填温度Tをそれぞれ取得する。また、制御装置40は、取得した充填圧力Pの時間発展から充填圧力Pの圧力上昇率ΔP/Δtを算出する。制御装置40は、取得した充填流量Qや圧力上昇率ΔP/Δtが所定の目標値に近づくようにフィードバック制御を行いつつ、流量調整部24の弁機構を操作する。これにより、制御装置40は、流量調整部24から出力される充填圧力P及び充填流量Qを制御する。したがって、制御装置40は、水素の充填流量Qを制御する制御部を備える。なお、制御装置40は、充填圧力Pの制御を通じて、圧力上昇率ΔP/Δtを制御することもできる。
【0040】
以下、車両10に水素を充填する場合に制御装置40が行う制御について、図2に従って説明する。
図2に示すように、制御装置40は、ステップS11において、通常充填を開始する。通常充填を開始してしばらくすると、圧力上昇率ΔP/Δtが安定する。以下の説明では、このときの圧力上昇率ΔP/Δtに対応する充填流量Qを、「初期流量Q0」と称することがある。したがって、制御装置40は、充填を開始するときの充填流量Qである初期流量Q0で充填を行う充填部を含む。次に、制御装置40は、ステップS12に進み、充填流量Qを取得する。次に、制御装置40は、ステップS13に進み、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超過しているか否かを判定する。制御装置40は、充填流量Qが最大流量閾値Qmax以下の場合(NOの場合)、ステップS14に進み、通常充填を継続する。
【0041】
一方、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超過している場合(YESの場合)、制御装置40は、ステップS15に進み、リークチェックモードに移行する。
図3に示すように、リークチェックモードに移行した場合、制御装置40は、ステップS21に進み、充填流量Qが0となるように流量調整部24の弁機構を閉じる。次に、制御装置40は、ステップS22に進み、マスフローメータ25から充填流量Qを取得し、充填流量Qが0であるか否かを判定する。なお、マスフローメータ25の精度や外乱などに起因して、充填流量Qが0であるにも関わらず、マスフローメータ25の充填流量Qが0にならない場合が生じ得る。このため、制御装置40は、0より高い閾値を設定し、充填流量Qが当該閾値以下になった場合に充填流量Qが0になったと判定してもよい。
【0042】
充填流量Qが0でない場合(NOの場合)、制御装置40は、ステップS31に進み、インターロック31を作動させる。このとき、流量調整部24の故障や制御装置40からの信号の伝達障害等により、流量調整部24の弁機構が閉じない異常が想定される。
【0043】
一方、充填流量Qが0である場合(YESの場合)、制御装置40は、ステップS23に進み、所定の検査時間Δt1の間、検査流量Q1で水素の充填を行う。以下の説明では、検査時間Δt1の間、検査流量Q1で行われる水素の充填を、「検査充填」と称することがある。検査流量Q1は、初期流量Q0より小さい。したがって、制御装置40は、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超過したときに、初期流量Q0より小さい検査流量Q1で充填を行う検査部を含む。また、制御装置40に含まれる制御部は、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超過したときに、検査流量Q1で充填を行う前に充填を停止する一時停止部を含む。制御装置40は、検査時間Δt1経過前後の充填圧力Pの変化量ΔP1を算出する。
【0044】
次に、制御装置40は、ステップS24に進み、予想変化量ΔP2を算出する。予想変化量ΔP2とは、ステップS23において水素が複数の水素タンク11a,11bにともに充填されていると仮定した場合に、式(1)から予想される充填圧力Pの上昇量である。
【0045】
【数1】
式(1)は、複数の水素タンク11a,11bの両方に水素が充填されていると仮定した場合の気体の状態方程式から導出される。Kは、気体の状態方程式から求められる定数である。検査時間Δt1及び検査流量Q1は、予め制御装置40に設定されている値を用いる。したがって、予想変化量ΔP2は、全体の容積Vc及び充填温度Tに基づき定められる。なお、充填温度Tは、温度計測部29の測定値である。
【0046】
次に、制御装置40は、ステップS25に進み、変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれているか否かを判定する。
【0047】
【数2】
式(2)は、予想変化量ΔP2を真値とした所定の相対誤差の範囲に変化量ΔP1が含まれているか否かを表す。αは、許容する相対誤差を表すパラメータである。αは、0より大きく1より小さい定数であり、試験等により予め定められている。したがって、式(2)の範囲は、全体の容積Vc及び充填温度Tに基づき定められる。
【0048】
変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれない場合(NOの場合)、制御装置40は、ステップS31に進み、インターロック31を作動させる。この場合、水素の流路中での水素漏れ等の異常が想定される。したがって、式(2)の範囲は変化量ΔP1の許容範囲を示す。上述したように、式(2)の範囲は全体の容積Vc及び充填温度Tに基づき定められるため、許容範囲としての式(2)は、充填温度Tに基づいて定められると言える。
【0049】
一方、変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれる場合(YESの場合)、制御装置40は、ステップS26に進み、さらに一定時間Δt2の間、安定検査流量Q2で水素を充填する。本実施形態では、安定検査流量Q2は検査流量Q1と等しい。
【0050】
次に、制御装置40は、ステップS27に進み、一定時間Δt2の間、安定検査流量Q2を基準とする充填流量Qの変動幅ΔQ2が所定の流量偏差ρ以下か否かを判定する。所定の流量偏差ρは、例えば、試験等により予め定められている定数である。これにより、制御装置40は、水素充填装置20が安定した圧力上昇率ΔP/Δtで水素の充填を行うことができるか否かを判定する。
【0051】
充填流量Qの変動幅ΔQ2が流量偏差ρより大きい場合(NOの場合)、制御装置40は、ステップS31に進み、インターロック31を作動させる。このとき、制御装置40から流量調整部24への信号の異常やマスフローメータ25等の計測器の異常が想定される。
【0052】
一方、充填流量Qの変動幅ΔQ2が流量偏差ρ以下の場合(YESの場合)、制御装置40は、ステップS28に進み、リークチェックモードを終了し、通常充填を再開する。したがって、制御装置40は、検査流量Q1で水素の充填を行った場合の充填圧力Pの変化量ΔP1が全体の容積Vcに基づいて定められる許容範囲としての式(2)に含まれるときに充填を継続する継続部を含む。
【0053】
そして、制御装置40に含まれる当該継続部は、変化量ΔP1が許容範囲としての式(2)に含まれる場合にさらに充填流量Qの変動幅ΔQ2が所定の流量偏差ρ内に含まれるときに充填を継続するものであると言える。
【0054】
以下、本実施形態の作用について説明する。以下では、第1の水素タンク11aの圧力が第2の水素タンク11bの圧力より低い場合について説明する。また、以下の説明では、通常充填を開始する前の水素タンク11a,11bの圧力をそれぞれ「充填前圧力Pa0,Pb0」と称することがある。
【0055】
通常充填時には、水素充填装置20は、一定の圧力上昇率ΔP/Δtで車両10に対して水素の充填を行う。充填圧力Pが第1の水素タンク11aの充填前圧力Pa0より低い場合、第1の逆止弁14aは閉じているため、第1の水素タンク11aに水素が流入しない。充填圧力Pが第1の水素タンク11aの充填前圧力以上の所定の圧力Pa1に達すると、第1の逆止弁14aが開き、第1の水素タンク11aに水素が流入する。一方、このとき、充填圧力Pが第2の水素タンク11bの充填前圧力より低いため、第2の逆止弁14bは閉じている。したがって、水素充填装置20が水素を充填する対象の容積は、両水素タンク11a,11bの全体の容積Vcではなく、第1の水素タンク11aの容積Vaとみなすことができる。
【0056】
充填圧力Pが第2の水素タンク11bの充填前圧力Pb0以上の所定の圧力Pb1に達したとき、第1の逆止弁14aに加えて第2の逆止弁14bが開き、第2の水素タンク11bにも水素が流入する。したがって、水素充填装置20が水素を充填する対象の容積は、2つの水素タンク11a,11bの全体の容積Vcとなる。
【0057】
このとき、水素充填装置20が一定の圧力上昇率ΔP/Δtを保ちつつ水素の充填を継続するために、充填流量Qが、充填圧力Pが第2の水素タンク11bの所定の圧力Pb1に達する前の充填流量に比べておおよそVc/Va倍になる。これにより、複数の水素タンク11a,11bを備える車両10に水素の充填を行う場合、水素充填装置20が実際には故障等していないにも関わらず、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超えるおそれがある。
【0058】
仮に、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超えたときに、リークチェックモードに移行することなくインターロック31が作動する構成を採用した場合を考える。この場合、実際には水素充填装置20に異常が生じていないにも関わらず、上述した充填流量Qの上昇によってインターロック31が作動するおそれがある。このような誤診によって、インターロック31を解除するための検査等に多大な労力が必要となる。
【0059】
これに対し本実施形態では、充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超えた場合に、制御装置40はリークチェックモードに移行する。リークチェックモードに移行後、制御装置40は、流量調整部24を制御することにより水素の充填の中止を試みる。制御装置40は、流量調整部24が水素の充填を中止できるか否かを確認することで、流量調整部24から上流の故障等の有無を検査する。
【0060】
次に、制御装置40は、検査充填を行い、検査時間Δt1の間の変化量ΔP1を計測する。そして、制御装置40は、当該変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれるかを判定する。言い換えれば、制御装置40は式(1)及び式(2)に基づき、検査充填前後の変化量ΔP1と予想変化量ΔP2とを比較する。これにより、制御装置40は、充填対象の容積が水素タンク11a,11bの全体の容積Vcであるか否かを確認し、流量調整部24より下流において水素漏れ等の故障の有無を検査する。
【0061】
次に、制御装置40は、充填流量Qの変動幅ΔQ2が所定の流量偏差ρ以下か否かを確認する。これにより、制御装置40は、安定して充填流量で水素の充填ができるか否かを検査する。
【0062】
このようなリークチェックモードでの検査によって水素充填装置20に異常がないことが確認された場合、水素充填装置20は、通常運転を再開する。
本実施形態の効果について説明する。
【0063】
(1)充填流量Qが最大流量閾値Qmaxを超過した場合に、制御装置40は、リークチェックモードに移行する。リークチェックモードに移行後、制御装置40は、検査充填を開始する。変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれるとき、制御装置40は、所定の条件を満たした場合に通常充填を再開する。式(2)の範囲は、予想変化量ΔP2に基づき定められる。また、予想変化量ΔP2は、式(1)より全体の容積Vcに基づいて定められる。これにより、計測された変化量ΔP1と予想変化量ΔP2との相対誤差から、水素の充填対象の容積と全体の容積Vcとの相対誤差を推定することができる。検査流量Q1で充填を行った後の充填圧力Pの変化量ΔP1が許容範囲に含まれる場合に、充填流量Qの増加が疑似的な容積変化に起因するものであることを判断することができるといえる。したがって、このような誤診によって水素充填装置20が停止することを抑制することができる。
【0064】
(2)許容範囲としての式(2)は、全体の容積Vcだけでなく充填温度Tにも基づいて定められる。これにより、変化量ΔP1の充填温度T依存性を考慮した上で、変化量ΔP1と予想変化量ΔP2を比較することができる。したがって、より精度よく、誤診によって水素充填装置20が停止することを抑制することができる。
【0065】
(3)制御装置40は、リークチェックモードにおいて、充填流量Qの変動幅ΔQ2が所定の流量偏差ρの範囲に含まれるか否かを確認する。これにより、制御装置40は、マスフローメータ25などの計測器や流量調整部24の異常を検知し、水素の充填を中止することができる。また、リークチェック後に通常充填を行う場合、安定した充填流量Qで水素の充填を再開することができる。
【0066】
(4)流量計測部にマスフローメータ25を用いることで、充填流量Qとして質量流量を採用している。これにより、充填温度Tや充填圧力Pによって変化する体積流量に比べて、より定量的に充填流量Qを測定することができる。したがって、誤診によって水素充填装置20が停止することをより精度よく抑制することができる。
【0067】
(5)リークチェックモードに移行後、検査充填を行う前に、制御装置40は流量調整部24を制御することにより水素の充填の中止を試みる。これにより、制御装置40は、流量調整部24が水素の充填を中止できるか否かを確認し、流量調整部24から上流の故障等の有無を検査することができる。したがって、水素充填装置20に水素漏れ等の異常が発生している場合に制御装置40が迅速にインターロック31を作動させることができる。
【0068】
(5)制御装置40は、マスフローメータ25、圧力計測部28、温度計測部29、車両センサ30などの、水素充填装置20に設けられた各センサから取得した値をもとに、リークチェックモードを実行する。これにより、制御装置40は、車両10との通信の有無にかかわらず、リークチェックモードを実行することができる。したがって、車両10との通信装置を設けることによって水素充填装置20の構成が複雑化することを回避することができる。
【0069】
図2及び図3に示した制御シーケンスはあくまで一例に過ぎず、同様の作用効果を示すものであればシーケンス内のステップS11~S31の順序や具体的な処理はこれに限られない。また、これらの制御シーケンスは単一の制御装置40で行われる必要はなく、それぞれ別々の制御装置に機能部として実装されていてもよい。
【0070】
○全体の容積Vcと予想変化量ΔP2との対応関係は、式(1)の形に限られない。例えば、当該対応関係は、ファンデルワールスの状態方程式から導出されるものであってもよいし、水素充填装置20を試験することで個別に求められたであってもよい。要は、予想変化量ΔP2が全体の容積Vcと一意に対応付けられればよい。
【0071】
○予想変化量ΔP2は、ステップS24で計算されなくてもよい。例えば、予想変化量ΔP2は、予め制御装置40に記憶されている規定値を用いてもよい。
○許容範囲は、式(2)の形に限られない。例えば、許容範囲は、絶対誤差に基づいて定められていてもよい。
【0072】
○充填流量Qは、通常充填時に直接制御される必要はない。例えば、充填流量Qは、制御装置40に記憶された圧力上昇率ΔP/Δtとの対応関係をもとに、圧力上昇率ΔP/Δtを制御することで間接的に制御してもよい。
【0073】
○流量調整部24は、マスフローメータ25と別体である必要はなく、一体であってもよい。
○制御装置40は、水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを取得するときに、車両センサ30が取得した情報を用いなくてもよい。一例として、制御装置40が、車両10に水素の充填を行う時刻と当該車両10の水素タンク11a,11bの容積Va,Vbとの対応関係を予め記憶している場合について説明する。制御装置40は、当該時刻と現在時刻とを照合することで、水素の充填を行う車両10に搭載されている水素タンク11a,11bの容積Va,Vbを取得してもよい。このとき、車両センサ30の識別結果と制御装置40の照合結果とが矛盾する場合、例えば、当該時刻に水素の充填を行う予定の車両と実際に水素の充填を行おうとする車両が異なる場合に、制御装置40が水素の充填を開始しない構成を採用してもよい。このような構成を採用することにより、車両の運用状況が制御装置40の記憶している対応関係と異なるという異常を早期に検知し、より安全に水素の充填を行うことができる。
【0074】
○制御装置40は、各車両10に水素を充填する時刻を予め記憶し、当該時刻と現在時刻とを照合することで、水素充填を行う車両10の水素タンク11a,11bの容積Va,Vb又はその全容積Vcを取得してもよい。このとき、車両センサ30は、設けられていなくてもよい。この場合、取得部は、制御装置40によって構成される。
【0075】
○制御装置40は、リークチェックモードにおいてステップS21,S22を省略してもよい。具体的には、制御装置40は、充填流量Qを0とすることなく検査流量Q1になるように流量調整部24を制御してもよい。すなわち、制御装置40は、一時停止部としての機能を備えていなくてもよい。
【0076】
○充填流量Qは、質量流量に限られない。例えば、充填流量Qは、適切な関係式を用いれば、水素の体積流量や流速でもよい。このとき、流量計測部はマスフローメータ25に限られず、体積流量計や流速計など、適切なセンサを用いればよい。
【0077】
○制御装置40は、リークチェックモードにおいてステップS26,S27を省略してもよい。具体的には、制御装置40は、変化量ΔP1が式(2)の範囲に含まれていると判断した場合には、安定検査流量Q2での充填、及び、変動幅ΔQ2が流量偏差ρ以下であるか否かの判定を行うことなく、通常充填を再開してもよい。
【0078】
○許容範囲は、充填温度Tに基づいて定められていなくともよい。例えば、プレクーラ26に冷却温度を充填温度Tに代入することにより、充填温度Tを式(1)の定数として取り扱ってもよい。
【0079】
○水素タンク11a,11bは、最大充填圧力が35MPaのものを用いる必要はない。水素タンク11a,11bは、例えば、最大充填圧力が70MPaのものであってもよい。要は、水素タンク11a,11bの最大充填圧力は、任意である。
【0080】
○プレクーラ26の冷却温度は、-20℃に限らず任意である。例えばプレクーラ26の冷却温度は、-30℃や-40℃であってもよい。
○水素タンクの数は、3つ以上であってもよい。この場合、最低圧力の水素タンクを第1の水素タンク11aと、第1の水素タンク11aの次に圧力の低い水素タンクを第2の水素タンク11bとみなすことで、上記リークチェックモードを実行してもよい。また、複数の最低圧力の水素タンクが存在する場合、制御装置40は、当該複数の水素タンクを1つの第1の水素タンク11aとみなして上記リークチェックモードを実行すればよい。第1の水素タンク11aの次に圧力の低い水素タンクが複数存在する場合も同様である。
【0081】
○水素充填装置20の水素供給源は、カードル21に限らず、例えば、メタノールガス等を改質して水素を製造する水素製造装置であってもよいし、これらを併用したものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10…車両、11a…第1の水素タンク、11b…第2の水素タンク、20…水素充填装置、25…流量計測部としてのマスフローメータ、28…圧力計測部、29…温度計測部、40…制御装置、P…充填圧力、ΔP1…変化量、Q…充填流量、Q0…初期流量、Q1…検査流量、Qmax…最大流量閾値、変動幅…ΔQ2、T…充填温度、Vc…水素タンクの全体の容積、ρ…流量偏差
図1
図2
図3