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特開2022-72789土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072789
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/04 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
E02B3/04 301
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182429
(22)【出願日】2020-10-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000201490
【氏名又は名称】前田工繊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】井坂 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】川端 聡史
【テーマコード(参考)】
2D118
【Fターム(参考)】
2D118AA30
2D118GA45
2D118GA46
(57)【要約】
【課題】袋材の口縛りに要求される引張強度を確保しつつ、余剰部分を低強度とすることで、資源の浪費を抑止し、材料コストを節減可能な、土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法を提供すること。
【解決手段】本発明の土木工事用袋体1は、袋材10と、口縛りロープ20と、吊りロープ30と、を備え、口縛りロープ20が、袋材10の周長より長く、強度線部21と引出線部22との組合せからなり、強度線部21の長さが袋口10aを縛れる長さであり、強度線部21の引張強度Tが、引出線部22の引張強度Tよりも大きく、かつ袋口10aを縛った強度線部21が破断しない引張強度であることを特徴とする。土木工事用構造体Aの製作方法は、引出線部22を引っ張ることで袋材10の編地から強度線部21を引き出す工程と、強度線部21から引出線部22を取り外す工程と、強度線部21で袋口10aを縛る工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編地からなる、袋材と、
前記袋材の袋口付近に周設した、口縛りロープと、
前記袋材の袋口付近に周設した、吊りロープと、を備え、
前記口縛りロープは、全長が前記袋材の周長より長く、強度線部と、引出線部と、の組合せからなり、
前記強度線部の長さが、閉じた状態の前記袋材の袋口を縛れる長さであり、
前記強度線部の引張強度Tが、前記引出線部の引張強度Tよりも大きく、かつ前記袋材の内部に中詰材を充填して地盤に設置した状態において、前記袋材の袋口を縛った前記強度線部が破断しない引張強度であることを特徴とする、
土木工事用袋体。
【請求項2】
前記強度線部が、複数のストランドを撚り合わせてなる撚りロープ、又は複数のストランドを編み込んでなる編みロープであり、前記引出線部を前記強度線部の複数のストランドの隙間に挿通することで、前記引出線部を前記強度線部と一体に連結したことを特徴とする、請求項1に記載の土木工事用袋体。
【請求項3】
前記引出線部のロープ径が、前記強度線部のロープ径より細いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の土木工事用袋体。
【請求項4】
前記口縛りロープを、前記吊りロープより袋口側に周設したことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の土木工事用袋体。
【請求項5】
前記吊りロープより袋底側に周設した、中間口縛りロープを備え、前記中間口縛りロープが前記口縛りロープと同一の構造からなることを特徴とする、請求項4に記載の土木工事用袋体。
【請求項6】
前記強度線部の色が前記袋材の編地と同色であり、前記引出線部の色が前記袋材の編地と異色であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の土木工事用袋体。
【請求項7】
前記引出線部が、オレフィン系樹脂製のロープであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の土木工事用袋体。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の土木工事用袋体の内部に中詰材を充填してなる土木工事用構造体の製作方法であって、
前記引出線部を引っ張ることで、前記袋材の袋口を絞りつつ、前記袋材の編地から前記強度線部を引き出す工程と、
前記強度線部から前記引出線部を取り外す工程と、
前記強度線部で前記袋材の袋口を縛る工程と、を備えることを特徴とする、
土木工事用構造物の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法に関し、特に、袋材の口縛りに要求される引張強度を確保しつつ、余剰部分を低強度とすることで、資源の浪費を抑止し、材料コストを節減可能な、土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
河川や海岸における護岸工事や災害復旧工事等において、編地からなる袋材の内部に砕石等の中詰材を詰めた土木工事用構造物が使用されている(特許文献1及び2)。袋材の袋口付近には、口縛りロープと吊りロープが周設されており、各ロープは袋材の編地に挿通されている。
土木工事用構造物の製作時には、カップ状の型枠の内側に、袋材の袋口を広げた状態で配置し、袋材の内部に中詰材を充填する。充填後、袋材を型枠から外し、口縛りロープを絞って袋口を閉じる。
土木工事用構造物は、吊りロープを玉掛けして重機で吊り上げて設置する。
土木工事用構造物の設置後、中詰材が袋材を内側から押し広げるため、袋口を閉じた口縛りロープに応力がかかる。このため、口縛りロープには、中詰材による圧力に対して破断しない程度の引張強度が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-274698号公報
【特許文献2】特許第6589081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土木工事用構造物の製作時、袋材の袋口を型枠に広げてセットするため、口縛りロープの長さが、型枠の周長以上である必要がある。
一方、袋口の口縛り後は、口縛りロープの内、袋口を縛った結び目より先の部分は不要であるだけでなく、玉掛け作業の邪魔になるため、切断して廃棄している。例えば口縛りロープの全長が6mである場合、この内約4mが切断され、廃棄される。
このように、口縛りロープの2/3程度は口縛り後に廃棄され、土木工事用構造物の供用時に機能しないにも関わらず、型枠で製作する便宜上、袋口の周長に対応する長さの高強度の口縛りロープが付設される。
これは、資源の浪費であると同時に、袋材の製造コストを押し上げる原因ともなっている。
また、口縛りロープの全長が引張強度の高い素材と太い径の組合せからなるため、切断に手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決可能な、土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の土木工事用袋体は、編地からなる、袋材と、袋材の袋口付近に周設した、口縛りロープと、袋材の袋口付近に周設した、吊りロープと、を備え、口縛りロープは、全長が袋材の周長より長く、強度線部と、引出線部と、の組合せからなり、強度線部の長さが、閉じた状態の袋材の袋口を縛れる長さであり、強度線部の引張強度Tが、引出線部の引張強度Tよりも大きく、かつ袋材の内部に中詰材を充填して地盤に設置した状態において、袋材の袋口を縛った強度線部が破断しない引張強度であることを特徴とする。
【0007】
本発明の土木工事用袋体は、強度線部が、複数のストランドを撚り合わせてなる撚りロープ、又は複数のストランドを編み込んでなる編みロープであり、引出線部を強度線部の複数のストランドの隙間に挿通することで、引出線部を強度線部と一体に連結してもよい。
【0008】
本発明の土木工事用袋体は、引出線部のロープ径が、強度線部のロープ径より細くてもよい。
【0009】
本発明の土木工事用袋体は、口縛りロープを、吊りロープより袋口側に周設してもよい。
【0010】
本発明の土木工事用袋体は、吊りロープより袋底側に周設した、中間口縛りロープを備え、中間口縛りロープが口縛りロープと同一の構造からなっていてもよい。
【0011】
本発明の土木工事用袋体は、強度線部の色が袋材の編地と同色であり、引出線部の色が袋材の編地と異色であってもよい。
【0012】
本発明の土木工事用袋体は、引出線部が、オレフィン系樹脂製のロープであってもよい。
【0013】
土木工事用構造体の製作方法は、土木工事用袋体の内部に中詰材を充填し、引出線部を引っ張ることで、袋材の袋口を絞りつつ、袋材の編地から強度線部を引き出す工程と、強度線部から引出線部を取り外す工程と、強度線部で袋材の袋口を縛る工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の本発明の土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法は、1本の口縛りロープを、引張強度を必要とする長さに対応する強度線部と、引張強度を期待されず強度線部を引き出す機能のみを有する引出線部と、の一体連結構造とすることで、口縛り後に廃棄される余剰部分の過剰性能を排して、資源の浪費を防ぐと共に、袋材の製造コストを大幅に節減することができる。
また、口縛り後に廃棄する部分を、細径又は低強度の素材とすることで、切断が容易となり、土木工事用構造物製作の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る土木工事用袋体の説明図。
図2】口縛りロープの説明図。
図3】本発明に係る土木工事用構造体の説明図。
図4】実施例2の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の土木工事用袋体及び土木工事用構造物の製作方法について詳細に説明する。
【実施例0017】
[土木工事用袋体]
<1>全体の構成(図1)。
土木工事用袋体1は、内部に中詰材Sを充填して土木工事用構造物Aを製作するための資材である。
土木工事用袋体1は、編地からなる袋材10と、袋材10の袋口10a付近に周設した口縛りロープ20と、袋材10の袋口10a付近に周設した吊りロープ30と、を少なくとも備える。
本例では、口縛りロープ20を、吊りロープ30より袋口10a側に周設する。これによって、吊りロープ30による土木工事用構造物Aの吊り上げ時に、口縛りロープ20に負荷がかかるのを回避することができる。
ただし口縛りロープ20と吊りロープ30の位置はこれに限らず、口縛りロープ20を吊りロープ30より袋底10b側に周設してもよい。
【0018】
<2>袋材。
袋材10は、中詰材Sを包持する有底袋である。
袋材10は、袋状に編製した編地からなり、袋口10aと袋底10bを有する。
本例では袋材10として、カーボンブラックを原着したポリエステル繊維糸を二重に編成してなるラッセル編地を採用する。
ただし袋材10の素材や編地はこれに限らず、他の組合せであってもよい。
【0019】
<3>口縛りロープ(図2)。
口縛りロープ20は、袋材10の袋口10aを縛って閉じるためのロープである。
口縛りロープ20は、強度線部21と引出線部22の組合せからなる。
口縛りロープ20は、全長が袋材10の周長より長く、その内少なくとも袋材10の口縛りに用いる部分が強度線部21であり、その余の部分が引出線部22である。
強度線部21と引出線部22の連結点から、引出線部22の自由端までの長さは、通常、強度線部21と引出線部22の連結点から、強度線部21の連結端までの長さの2倍以上となる。
本例では、強度線部21の一端を袋材10の編地に縫い付ける等して連結し、編地の網目を連通しつつ袋口10aの全周をループさせ、引出線部22の先端を編地の網目から外側に出す。
【0020】
<3.1>強度線部。
強度線部21は、袋口10aを縛って口開きに抵抗する線材である。
強度線部21は、少なくとも袋材10の袋口10aを縛れる長さを有する。
強度線部21の引張強度Tは、引出線部22の引張強度Tよりも大きく、かつ袋材10の内部に中詰材Sを充填して地盤に設置した状態において、袋口10aを縛った強度線部21が破断しない程度の引張強度である。この引張強度Tは、強度線部21の素材と線径の太さの組合せによって設定する。
本例では強度線部21として、3本のポリエステル繊維製ストランド21aを撚り合わせてなる、3本撚りの撚りロープを採用する。ただしストランド21aの素材や本数はこれに限らず、適宜の素材や本数を選択することができる。
また、強度線部21は撚りロープに限らず、丸編みや角編み等の手法によって複数のストランド21aを編み込んでなる編みロープであってもよい。
【0021】
<3.2>引出線部。
引出線部22は、袋口10aの口縛り時に、強度線部21を編地の外まで引き出すための線材である。
引出線部22は、強度線部21と異なり、口縛り後に切り捨てられる部分であるため、強度線部21より径の細い安価なロープを採用することができる。又は径が強度線部21と同一であって、強度線部21より引張強度が低い素材からなるロープを採用することができる。
本例では引出線部22として、荷造り用のポリプロピレンロープを採用する。
ただし引出線部22はこれに限られず、他のオレフィン系樹脂製ロープ等の公知のロープを採用することができる。要は強度線部21より安価な径や素材からなり、口縛り後の裁断が容易であればよい。
本例では、引出線部22が荷造り用のポリプロピレンテープからなるため、強度線部21の色彩が袋材10の編地と同色の黒色系である一方、引出線部22の色彩は白色である。このため、袋材10の黒色を背景に、白い引出線部22を識別しやすくなり、口縛りの作業性が向上する。
【0022】
<3.3>口縛りロープの連結構造(図2)。
口縛りロープ20は、強度線部21と引出線部22とを連結してなる。
本例では、強度線部21の端部付近でストランド21aの撚りを緩めて、複数のストランド21aの間に隙間を作り、その隙間に引出線部22を挿通することで、強度線部21と引出線部22を一体に連結する。
引出線部22は、強度線部21内を挿通した両端を揃え、先端付近でループ状に結ぶ(図2(a))。
本例の場合、径や構造の異なる2本のロープを、結び目のような突起部を設けずに連結できるため、口縛りロープ20を引き出す際に、連結部が編地に引っ掛かることなくスムーズに引き出すことができる。
ただし強度線部21と引出線部22の連結方法はこれに限らず、例えば引出線部22をストランド21aの隙間に通した後、引出線部22をループ状にせず、接続部に結んで連結してもよい(図2(b))。また、2本のロープの端部を結んで連結したり、端部同士をミシンで縫い付けて連結してもよい。
【0023】
<4>吊りロープ。
吊りロープ30は、土木工事用構造物Aを吊り上げるためのロープである。
吊りロープ30は、袋口10aの全周にわたって網目を連通し、両端を連結してループ状に構成する。これによって、袋材10の網目から適宜の本数を外側に引き出すことができる。
本例では吊りロープ30として、3本撚りのポリエステル繊維製撚りロープを採用する。
ただし吊りロープ30はこれに限らず、適宜の素材や撚り数を選択することができる。また、吊りロープ30は撚りロープでなく編みロープ等であってもよい。
【0024】
<5>土木工事用構造物の製作方法(図3)。
本発明の土木工事用袋体1を用いて土木工事用構造物Aを製作する方法について説明する。
本発明の土木工事用構造物Aの製作方法は、中詰材S充填後の口縛り作業に一つの特徴を有する。
カップ状の型枠の内側に、袋材10の袋口10aを広げた状態で配置し、袋材10の内部に中詰材Sを充填する。
充填後、袋材10の袋口10aを型枠から取り外す。
引出線部22の先端を引っ張って、袋材10の編地を通して袋口10aを絞り、同時に強度線部21を編地から引き出す。
強度線部21から引出線部22を取り外す。本例では、ループ状の引出線部22をカットし、強度線部21の撚り目から引き抜く。
本発明の土木工事用構造物Aの製作方法は、引出線部22が引張強度を必要としない細径の線材、または引張強度の弱い素材からなるため、引出線部22の切断が容易である。また、切離し後に廃棄する引出線部22が、強度線部21に比べて非常に安価なので、材料コストが安い。
残った強度線部21で、袋材10の袋口10aを縛る。
なお、引出線部22の取り外しと、強度線部21による口縛りの順序は問わず、先に袋口10aを縛ってから、引出線部22を取り外してもよい。
その後の工程は公知なので、ここでは詳述しない。
【実施例0025】
[縛りロープをループ構造にした実施例]
本例では、口縛りロープ20を袋材10に連結せず、両端を繋いだループ構造にする(図4)。
口縛りロープ20は、袋口10aの全周にわたって網目を連通し、強度線部21と引出線部22を両端で接続してループ状にする。これによって、袋材10の任意の網目から口絞りロープ20を外側に引き出すことができる。
本例の場合、引出線部22を引っ張って強度線部21の両端を網目から引き出し、引出線部22を強度線部21から切り離した後に、強度線部21を縛って袋口10aを閉じる。
【実施例0026】
[中間口縛りロープを設ける実施例]
本例では、吊りロープ30より袋底10b側に、中間口縛りロープ40を備える。
中間口縛りロープ40は、中詰材S充填後の袋材10を吊り上げる際に、袋材10の首部にくびれを形成することで、吊りロープ30による吊り角度を小さくして、袋材10の編地の引き裂けを抑制するためのロープである。
中間口縛りロープ40は、口縛りロープ20と同じ構造、すなわち袋材10との連結端側の中間強度線部41と、自由端側の中間引出線部42と、を一体に連結した構造からなる。
中間強度線部41は、少なくとも袋材10にくびれを形成するために必要な長さ以上の長さとする。
【符号の説明】
【0027】
1 土木工事用袋体
10 袋材
10a 袋口
10b 袋底
20 口縛りロープ
21 強度線部
21a ストランド
22 引出線部
30 吊りロープ
40 中間口縛りロープ
41 中間強度線部
42 中間引出線部
A 土木工事用構造物
S 中詰材
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-02-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編地からなる、袋材と、
前記袋材の袋口付近に周設した、口縛りロープと、
前記袋材の袋口付近に周設した、吊りロープと、を備え、
前記口縛りロープは、全長が前記袋材の周長より長く、強度線部と、引出線部と、の組合せからなり、
前記強度線部が、複数のストランドを撚り合わせてなる撚りロープ、又は複数のストランドを編み込んでなる編みロープであり、前記引出線部を前記強度線部の複数のストランドの隙間に挿通することで、前記引出線部を前記強度線部と一体に連結し、
前記強度線部の長さが、閉じた状態の前記袋材の袋口を縛れる長さであり、
前記引出線部が、前記強度線部より細い径又は安価な素材からなることで、前記強度線部より口縛り後の裁断が容易なロープであり、
前記強度線部の引張強度Tが、前記引出線部の引張強度Tよりも大きく、かつ前記袋材の内部に中詰材を充填して地盤に設置した状態において、前記袋材の袋口を縛った前記強度線部が破断しない引張強度であることを特徴とする、
土木工事用袋体。
【請求項2】
前記引出線部のロープ径が、前記強度線部のロープ径より細いことを特徴とする、請求項1に記載の土木工事用袋体。
【請求項3】
前記口縛りロープを、前記吊りロープより袋口側に周設したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の土木工事用袋体。
【請求項4】
前記吊りロープより袋底側に周設した、中間口縛りロープを備え、前記中間口縛りロープが前記口縛りロープと同一の構造からなることを特徴とする、請求項に記載の土木工事用袋体。
【請求項5】
前記強度線部の色が前記袋材の編地と同色であり、前記引出線部の色が前記袋材の編地と異色であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の土木工事用袋体。
【請求項6】
前記引出線部が、オレフィン系樹脂製のロープであることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の土木工事用袋体。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の土木工事用袋体の内部に中詰材を充填してなる土木工事用構造体の製作方法であって、
前記引出線部を引っ張ることで、前記袋材の袋口を絞りつつ、前記袋材の編地から前記強度線部を引き出す工程と、
前記強度線部から前記引出線部を取り外す工程と、
前記強度線部で前記袋材の袋口を縛る工程と、を備えることを特徴とする、
土木工事用構造物の製作方法。