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特開2022-7286エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022007286
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B66B1/14 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020110162
(22)【出願日】2020-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】荒井 佑樹
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HB01
3F502JA25
3F502JA35
3F502KA02
3F502KA05
3F502KA18
3F502KA19
(57)【要約】
【課題】 エレベータが混雑する時間帯であってもエレベータの運転効率をなるべく低下させないようにすることが可能なエレベータ制御装置およびエレベータ制御方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によればエレベータ制御装置は、第1閾値記憶部と第2閾値記憶部と動作制御部とを備える。第1閾値記憶部は、乗りかごがいずれかの階床に着床して戸開したときに、当該階床にいる利用者が乗り込まずに積み残しが発生する確率が所定値以上となるかご内利用者人数の最小値を第1閾値として記憶する。第2閾値記憶部は、かご内利用者人数が第1閾値以上且つ乗りかごの最大定員未満であるときに、乗りかごに乗り込む確率が所定値以上となるホール利用者人数の最大値を第2閾値として記憶する。動作制御部は、かご内利用者人数が第1閾値以上且つ乗りかごの最大定員未満であるときに、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置されたエレベータの乗りかご内のかご内利用者人数を検出するかご内利用者人数検出部と、
前記乗りかごがいずれかの階床に着床して戸開したときに、当該階床にいる利用者が乗り込まずに積み残しが発生する確率が所定値以上となるかご内利用者人数の最小値を、第1閾値として記憶する第1閾値記憶部と、
前記建物の各階床のエレベータホールにいるホール利用者人数を検出するホール利用者人数検出部と、
前記かご内利用者人数が、前記第1閾値以上、且つ前記乗りかごの最大定員未満であるときに、前記乗りかごに乗り込む確率が所定値以上となるホール利用者人数の最大値を、第2閾値として記憶する第2閾値記憶部と、
前記エレベータ内で登録されたホール呼びの情報を取得するホール呼び情報取得部と、
前記かご内利用者人数が前記第1閾値以上、且つ前記乗りかごの最大定員未満であるときに、前記ホール利用者人数が前記第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する動作制御部と
を備えることを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記乗りかごの現在位置の情報を検出するかご位置検出部と、
前記乗りかごの運転方向の情報を取得する運転方向情報取得部とをさらに備え、
前記動作制御部は、かご内利用者人数が前記第1閾値以上、且つ前記乗りかごの最大定員未満であるときに、前記乗りかごの現在位置よりも運転方向側にある階床で、前記運転方向と同方向を指定して登録されたホール呼びのうち、ホール利用者人数が前記第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転し、その後すべてのかご呼びへの応答が完了し、最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生しなかったときに、スキップした階床に乗りかごを移動させ戸開させる
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記動作制御部は、前記最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生したときに、当該かご呼びで指定された行先階の方向が、スキップした階床に向かう方向と異なる方向である場合には、当該かご呼びの登録を取り消す
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記動作制御部は、前記最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生したときに、当該かご呼びの指定された行先階が、スキップした階床に向かう間に位置する階床である場合には、当該新たなかご呼びへの応答が完了してから当該スキップした階床に乗りかごを移動させ戸開させる
ことを特徴とする請求項2または3に記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
登録されたホール呼びごとに、スキップされた回数を計数するスキップ回数計数部をさらに備え、
前記動作制御部は、前記スキップ回数計数部で計数された回数が所定値以上のホール呼びについて、以降は、応答をスキップさせる処理の対象外とする
ことを特徴とする請求項1~4いずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項6】
登録されたホール呼びごとに、最初にスキップが発生してからの経過時間を測定するスキップ経過時間測定部をさらに備え、
前記動作制御部は、前記スキップ経過時間測定部で測定された経過時間が所定値以上のホール呼びについて、以降は、応答をスキップさせる処理の対象外とする
ことを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
【請求項7】
建物に設置されたエレベータのエレベータ制御装置が、
前記エレベータの乗りかご内のかご内利用者人数を検出するかご内利用者人数検出ステップと、
前記乗りかごがいずれかの階床に着床して戸開したときに、当該階床にいる利用者が乗り込まずに積み残しが発生する確率が所定値以上となるかご内利用者人数の最小値を、第1閾値として記憶する第1閾値記憶ステップと、
前記建物の各階床のエレベータホールにいるホール利用者人数を検出するホール利用者人数検出ステップと、
前記かご内利用者人数が、前記第1閾値以上、且つ前記乗りかごの最大定員未満であるときに、前記乗りかごに乗り込む確率が所定値以上となるホール利用者人数の最大値を、第2閾値として記憶する第2閾値記憶ステップと、
前記エレベータ内で登録されたホール呼びの情報を取得するホール呼び情報取得ステップと、
前記かご内利用者人数が前記第1閾値以上、且つ前記乗りかごの最大定員未満であるときに、前記ホール利用者人数が前記第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する動作制御ステップと
を有することを特徴とするエレベータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、利用者の操作によるホール呼びおよびかご呼びに順次応答しながら走行する。ホール呼びが発生した際には、満員状態ではなく乗り込み可能な乗りかごが該当する階床のエレベータホールに着床することで、当該ホール呼びへの応答が行われる。利用者は、自身が行ったホール呼び操作に応答して着床した乗りかごに乗り込み、目的階まで移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-56720号公報
【特許文献2】特開2019-38683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホール呼びに応答して乗りかごがエレベータホールに着床して戸開した際に、乗りかご内がある程度混雑していると、エレベータホールの利用者が乗り込まないことがある。特に、昼食時間帯のオフィスビルでは、複数の階床で同時間帯に大人数が同方向のエレベータを利用するため、目的階(食堂階や出入り口階等)に近い階床ではホール呼びに応答して戸開した乗りかごが満員に近い状態である場合が多い。そのため、戸開してもエレベータホールの利用者が乗り込まないにも関わらず、目的階近くの複数階床で着床、戸開、および戸閉が繰り返され、エレベータの運転効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレベータが混雑する時間帯であっても、エレベータの運転効率をなるべく低下させないようにすることが可能な、エレベータ制御装置およびエレベータ制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータ制御装置は、第1閾値記憶部と第2閾値記憶部と動作制御部とを備える。第1閾値記憶部は、乗りかごがいずれかの階床に着床して戸開したときに、当該階床にいる利用者が乗り込まずに積み残しが発生する確率が所定値以上となるかご内利用者人数の最小値を第1閾値として記憶する。第2閾値記憶部は、かご内利用者人数が第1閾値以上且つ乗りかごの最大定員未満であるときに、乗りかごに乗り込む確率が所定値以上となるホール利用者人数の最大値を第2閾値として記憶する。動作制御部は、かご内利用者人数が第1閾値以上且つ乗りかごの最大定員未満であるときに、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1~第6実施形態によるエレベータ制御装置を利用したエレベータの構成を示す全体図。
図2】第1実施形態によるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図4】第2~第4実施形態によるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図。
図5】第2実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図6】第3実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図7】第4実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図8】第5実施形態によるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図。
図9】第5実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
図10】第6実施形態によるエレベータ制御装置の構成を示すブロック図。
図11】第6実施形態によるエレベータ制御装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第1実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成について、図1を参照して説明する。
【0009】
本実施形態によるエレベータ1Aは、n階建ての建物の昇降路2内を昇降する乗りかご3と、当該建物内の各階のエレベータホール4-1~4-nにそれぞれ設置されたホール操作盤41-1~41-nおよびエレベータホール4-1~4-n内をそれぞれ撮影するホールカメラ装置42-1~42-nと、乗りかご3およびホール操作盤41-1~41-nに接続されたエレベータ制御装置5Aとを備える。乗りかご3は、エレベータホール4-1~4-n側の側板に設置されたかごドア31と、乗り込んだ利用者が行先階を指定するかご呼び操作を行うための操作ボタン(図示せず)を有するかご内操作盤32と、乗りかご3内を撮影するかご内カメラ装置33とを有する。
【0010】
ホール操作盤41-1~41-nは、エレベータホール4-1~4-nにいる利用者が、乗りかご3を呼び寄せるホール呼び操作を行うための操作ボタン(図示せず)を有する。以下、エレベータホール4-1~4-nのうち、いずれの階床のエレベータホールであるかを特定する必要がない場合には、エレベータホール4と記載する。同様に、ホール操作盤41-1~41-nについてはホール操作盤41と記載し、ホールカメラ装置42-1~42-nについてはホールカメラ装置42と記載する。
【0011】
エレベータ制御装置5Aは、図2に示すように、かご内利用者人数検出部501と、第1閾値記憶部502と、ホール利用者人数検出部503と、第2閾値記憶部504と、ホール呼び情報取得部505と、動作制御部506Aとを有する。
【0012】
かご内利用者人数検出部501は、かご内カメラ装置33で撮影された撮像情報、または乗りかご3に設置された荷重検知器(図示せず)で検知された情報に基づいて取得された、乗りかご3内のかご内利用者人数を検出する。第1閾値記憶部502は、乗りかご3がいずれかの階床に着床して戸開したときに、当該階床にいる利用者が乗り込まずに積み残しが発生する確率が所定値以上(例えば、25%以上)となるかご内利用者人数の最小値を、第1閾値として記憶する。
【0013】
ホール利用者人数検出部503は、各階床のエレベータホール4-1~4-nにいるホール利用者人数を検出する。第2閾値記憶部504は、かご内利用者人数が、第1閾値以上、且つ乗りかご3の最大定員未満であるときに、乗りかご3に乗り込む確率が所定値以上(例えば、75%以上)となるホール利用者人数の最大値を、第2閾値として記憶する。
【0014】
ホール呼び情報取得部505は、エレベータ1A内で登録されたホール呼びの情報を取得する。動作制御部506Aは、かご内利用者人数が第1閾値以上、且つ乗りかごの最大定員未満になると、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する。
【0015】
〈第1実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Aの動作について説明する。図3は、エレベータ1Aの動作中にエレベータ制御装置5Aで実行される処理を示すフローチャートである。
【0016】
エレベータ1Aの通常運転中に、エレベータ制御装置5Aの動作制御部506Aは、かご内利用者人数が、第1閾値記憶部502に記憶された第1閾値(例えば13人)以上、且つ乗りかご3の最大定員(例えば22人)未満であるか否かを監視する(S1)。かご内利用者人数が第1閾値以上、且つ最大定員未満になったと判定すると(S1の「YES」)、エレベータホール4-1~4-nにいるホール利用者人数が第2閾値を超える階床があるか否かを判定する(S2)。
【0017】
ここで、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床があると判定すると(S2の「YES」)、動作制御部506Aは、現在登録されているホール呼び情報のうち、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転を行う(S3)。
【0018】
以上の第1実施形態によれば、乗りかご内がある程度混雑しているときには、エレベータホールの待ち利用者が多い階床で登録されたホール呼びへの応答をスキップすることで、乗りかごへ利用者が乗り込む可能性が低い階床への着床を回避してエレベータの運転効率を上げることができる。
【0019】
《第2実施形態》
〈第2実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第2実施形態によるエレベータ1Bは、図4に示すようにエレベータ制御装置5Bがかご位置検出部507および運転方向情報取得部508を有する他は、第1実施形態で説明したエレベータ1Aの構成と同様であるため、同一の機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0020】
エレベータ制御装置5Bのかご位置検出部507は、乗りかごの現在位置の情報を検出する。運転方向情報取得部508は、乗りかごの運転方向の情報を取得する。
【0021】
本実施形態において動作制御部506Bは、かご内利用者人数が第1閾値以上、且つ乗りかご3の最大定員未満であるときに、乗りかご3の現在位置よりも運転方向側にある階床で、運転方向と同方向を指定して登録されたホール呼びのうち、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転する。その後、すべてのかご呼びへの応答が完了し、最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生しなかったときに、スキップした階床に乗りかご3を移動させ戸開させる。
【0022】
〈第2実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Bの動作について説明する。図5は、エレベータ1Bの動作中にエレベータ制御装置5Bで実行される処理を示すフローチャートである。
【0023】
エレベータ1Aの通常運転中に、エレベータ制御装置5Aの動作制御部506Aは、かご内利用者人数が第1閾値以上、且つ乗りかご3の最大定員未満であるか否かを監視する(S11)。かご内利用者人数が第1閾値以上、且つ最大定員未満になったと判定すると(S1の「YES」)、エレベータホール4-1~4-nにいるホール利用者人数が第2閾値を超える階床があるか否かを判定する(S12)。
【0024】
ここで、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床があると判定すると(S12の「YES」)、動作制御部506Bは、乗りかご3の現在位置よりも運転方向側にある階床で、運転方向と同方向を指定して登録されたホール呼びのうち、ホール利用者人数が第2閾値を超える階床のホール呼びへの応答をスキップして運転を行う(S13)。
【0025】
その後、すべてのかご呼びへの応答が完了したときに(S14の「YES」)、ステップS13でホール呼びをスキップした階床があれば(S15の「YES」)、動作制御部506Bは、最終応答階で所定時間(例えば5秒~10秒程度)内に新たなかご呼びが発生したか否かを監視する(S16)。ここで、所定時間内に新たなかご呼びが発生しなかったときには(S16の「NO」)、乗りかご3内に利用者がいないと判断し、ステップS13でホール呼びへの応答をスキップした階床に乗りかご3を移動させ戸開させた後(S17)、ステップS1に戻る。
【0026】
以上の第2実施形態によれば、エレベータホールの利用者が乗りかごに乗り込む可能性が低い階床への着床を回避した後、かご呼びの登録がなくなったときに当該階床に乗りかごを移動させることで、利用者の利便性の低下を防ぐことができる。
【0027】
《第3実施形態》
〈第3実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第3実施形態によるエレベータ1Cの構成は、第2実施形態で説明したエレベータ1Bの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0028】
エレベータ1Cのエレベータ制御装置5Cの動作制御部506Cは、ホール呼びへの応答をスキップした後、すべてのかご呼びへの応答が完了し、最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生したときに、当該かご呼びで指定された行先階の方向が、スキップした階床に向かう方向と異なる方向である場合には、当該かご呼びの登録を取り消す。
【0029】
〈第3実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Cの動作について説明する。図6は、エレベータ1Cの動作中にエレベータ制御装置5Cで実行される処理を示すフローチャートである。
【0030】
図6においてステップS11~S17で実行する処理は、第2実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS16において、最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生したときに(S16の「YES」)、動作制御部506Cは、当該かご呼びで指定された行先階の方向が、スキップした階床に向かう方向と異なる方向である場合には(S18の「NO」)、当該かご呼びの登録を取り消す(S19)。
【0031】
以上の第3実施形態によれば、エレベータホールの利用者が乗りかごに乗り込む可能性が低い階床への着床を回避した後、かご呼びの登録がなくなり、所定時間内に新たなかご呼びが発生すると、当該かご呼びで指定された行先階がスキップした階床に向かう方向と同じ方向の階床の場合のみ応答するようにすることで、エレベータの運転効率を上げることができる。
【0032】
《第4実施形態》
〈第4実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第4実施形態によるエレベータ1Dの構成は、第2実施形態で説明したエレベータ1Bの構成と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0033】
エレベータ1Dのエレベータ制御装置5Dの動作制御部506Dは、最終応答階で所定時間内に新たなかご呼びが発生したときに、当該かご呼びの指定された行先階が、スキップした階床に向かう間に位置する階床である場合には、当該新たなかご呼びへの応答が完了してから当該スキップした階床に乗りかごを移動させ戸開させる。
【0034】
〈第4実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Dの動作について説明する。図7は、エレベータ1Dの動作中にエレベータ制御装置5Dで実行される処理を示すフローチャートである。
【0035】
図7においてステップS11~S19で実行する処理は、第3実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態において、ステップS18で新たなかご呼びで指定された行先階の方向が、スキップした階床に向かう方向と同じであり(S18の「YES」)、スキップした階床に向かう間に位置する階床である場合には(S20の「YES」)、当該新たなかご呼びへの応答が完了した後(S21の「YES」)、所定時間内に新たなかご呼びが発生しなければ(S16の「NO」)、スキップした階床に乗りかごを移動させ戸開させる(S17)。
【0036】
以上の第4実施形態によれば、エレベータホールの利用者が乗りかごに乗り込む可能性が低い階床への着床をスキップした後、かご呼びの登録がなくなり、所定時間内に、スキップした階床に向かう間に位置する階を行先階とする新たなかご呼びが発生したときには、この新たなかご呼びへの応答が完了してからスキップした階床へ乗りかごを移動させるようにすることで、さらにエレベータの運転効率を上げることができる。
【0037】
《第5実施形態》
〈第5実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第5実施形態によるエレベータ1Eは、図8に示すようにエレベータ制御装置5Eがスキップ回数計数部509を有する他は、第2実施形態で説明したエレベータ1Bの構成と同様であるため、同一の機能を有する部分の詳細な説明は省略する。エレベータ制御装置5Eのスキップ回数計数部509は、登録されたホール呼びごとに、スキップされた回数を計数する。
【0038】
本実施形態において動作制御部506Eは、スキップ回数計数部509で計数された回数が所定値(例えば3回)以上のホール呼びについて、以降は、応答をスキップさせる処理の対象外とする。
【0039】
〈第5実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Eの動作について説明する。図9は、エレベータ1Eの動作中にエレベータ制御装置5Eで実行される処理を示すフローチャートである。
【0040】
図9においてステップS11~S21で実行する処理は、第4実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態において、ステップS14ですべてのかご呼びへの応答が完了する前に(S14の「NO」)、登録されたホール呼びのうち、所定回数以上スキップしたホール呼びがある場合には(S22の「YES」)、動作制御部506Eは、当該ホール呼びに関して、以降は応答をスキップさせる処理の対象外とする(S23)。
【0041】
以上の第5実施形態によれば、登録されたホール呼びに関し、所定回数以上スキップしたホール呼びに関しては、以降は応答をスキップさせる処理の対象外とすることで、ホールの待ち利用者の利便性の低下を防ぐことができる。
【0042】
《第6実施形態》
〈第6実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの構成〉
本発明の第6実施形態によるエレベータ1Fは、図10に示すようにエレベータ制御装置5Fがスキップ経過時間測定部510を有する他は、第5実施形態で説明したエレベータ1Eの構成と同様であるため、同一の機能を有する部分の詳細な説明は省略する。エレベータ制御装置5Fのスキップ経過時間測定部510は、登録されたホール呼びごとに、最初にスキップが発生してからの経過時間を測定する。
【0043】
本実施形態において動作制御部506Fは、スキップ経過時間測定部510で測定された経過時間が所定値(例えば、2分)以上のホール呼びについて、以降は、応答をスキップさせる処理の対象外とする。
【0044】
〈第6実施形態によるエレベータ制御装置を用いたエレベータの動作〉
本実施形態によるエレベータ1Fの動作について説明する。図11は、エレベータ1Fの動作中にエレベータ制御装置5Fで実行される処理を示すフローチャートである。
【0045】
図11においてステップS11~S23で実行する処理は、第5実施形態で説明した処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施形態において、ステップS22で登録されたホール呼びのうち、所定回数以上スキップしたホール呼びはないが(S22の「NO」)、最初にスキップが発生してからの経過時間が所定値以上のホール呼びがある場合には(S24の「YES」)、動作制御部506Fは、当該ホール呼びに関して、以降は応答をスキップさせる処理の対象外とする(S23)。
【0046】
以上の第6実施形態によれば、登録されたホール呼びに関し、最初にスキップが発生してからの経過時間が所定値以上になったホール呼びに関しては、以降は応答をスキップさせる処理の対象外とすることで、ホールの待ち利用者の利便性の低下を防ぐことができる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1A,1B,1C,1D,1E,1F…エレベータ、2…昇降路、3…乗りかご、4,4-1~4-n…エレベータホール、5A,5B,5C,5D,5E,5F…エレベータ制御装置、31…かごドア、32…かご内操作盤、33…かご内カメラ装置、41,41-1~41-n…ホール操作盤、42,42-1~42-n…ホールカメラ装置、501…かご内利用者人数検出部、502…第1閾値記憶部、503…ホール利用者人数検出部、504…第2閾値記憶部、505…情報取得部、506A,506B,506C,506D,506E,506F…動作制御部、507…かご位置検出部、508…運転方向情報取得部、509…スキップ回数計数部、510…スキップ経過時間測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11