(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072876
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】網戸用アタッチメント及び網戸
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
E06B9/52 C
E06B9/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182559
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(71)【出願人】
【識別番号】000107930
【氏名又は名称】セイキ販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山本 万悠子
(72)【発明者】
【氏名】蜂谷 拓平
(72)【発明者】
【氏名】福井 直人
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 秀司
(57)【要約】
【課題】枠体の嵌合溝に嵌合する網戸のアタッチメントを、治具を用意する必要なく、嵌合溝から容易に取り外すことができるようにすること。
【解決手段】網戸用アタッチメントは、網戸の網部の縁部に配置され、枠体に設けられた嵌合溝に着脱可能に嵌合することによって、縁部を枠体に固定するアタッチメント本体と、アタッチメント本体の表面から突出する硬質部品からなる取り外し部材と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
網戸の網部の縁部に配置され、枠体に設けられた嵌合溝に着脱可能に嵌合することによって、前記縁部を前記枠体に固定するアタッチメント本体と、
前記アタッチメント本体の表面から突出する硬質部品からなる取り外し部材と、を備える、網戸用アタッチメント。
【請求項2】
前記アタッチメント本体は、前記取り外し部材を取り付ける取付孔を有し、
前記取り外し部材は、前記アタッチメント本体の裏面側から前記取付孔に貫挿されるベース部材と、前記アタッチメントの表面側から前記ベース部材を包囲するように取り付けられるカバー部材と、によって構成され、
カバー部材が前記アタッチメント本体の表面に当接することによって、前記ベース部材との間で前記アタッチメント本体を挟持している、請求項1に記載の網戸用アタッチメント。
【請求項3】
前記ベース部材は、突条部を有し、
前記カバー部材は、前記突条部を収容して室内外方向から挟み付ける収容溝を有する、請求項2に記載の網戸用アタッチメント。
【請求項4】
前記突条部の室内外方向に面する両側面には、高さ方向に延びる複数本のリブがそれぞれ設けられる、請求項3に記載の網戸用アタッチメント。
【請求項5】
前記ベース部材は、一対の係合爪部を有し、
前記カバー部材は、前記係合爪部と係合する一対の係合穴を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の網戸用アタッチメント。
【請求項6】
建物躯体の開口部に取り付けられる枠体と、
前記枠体の内側に張設される網部と、
前記網部の縁部に配置され、前記枠体に設けられた嵌合溝に着脱可能に嵌合することによって、前記縁部を前記枠体に固定する請求項1~5のいずれか1項に記載の網戸用アタッチメントと、を備える、網戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、網戸用アタッチメント及び網戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、網部の縁部を樹脂製のアタッチメントによって枠体に固定したフレームレス網戸が知られている(例えば、特許文献1参照)。この網戸は、網部の縁部に配置されるアタッチメントを、建具の枠体に設けられた嵌合溝に嵌合させることによって、網部を枠体に取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
嵌合溝に嵌合したアタッチメントは、アタッチメントと嵌合溝との隙間にマイナスドライバ等の取り外し治具を差し込んで、アタッチメントを嵌合溝から浮き上がらせることによって取り外される。しかし、アタッチメントの表面は平坦面であるため、初めて網戸を交換するユーザにとっては、アタッチメントの取り外し方がわかりづらいという問題がある。しかも、網戸の交換時にマイナスドライバ等の取り外し治具を用意する必要もある。
【0005】
したがって、発明者は、枠体の嵌合溝に嵌合する網戸のアタッチメントを、治具を用意する必要なく、嵌合溝から容易に取り外すことができるようにする、という課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の網戸用アタッチメントは、網戸の網部の縁部に配置され、枠体に設けられた嵌合溝に着脱可能に嵌合することによって、前記縁部を前記枠体に固定するアタッチメント本体と、前記アタッチメント本体の表面から突出する硬質部品からなる取り外し部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】網戸付き建具を室内側から見た正面図である。
【
図4】
図2に示す網戸付き建具の一方の縦枠側の拡大横断面図である。
【
図5】
図3に示す網戸付き建具の上枠側の拡大縦断面図である。
【
図6】
図3に示す網戸付き建具の下枠側の拡大縦断面図である。
【
図7】建具への取り付け前の網戸を室内側から見た正面図である。
【
図8】網戸の縦アタッチメントを嵌合溝に取り付ける様子を説明する図である。
【
図9】網戸の横アタッチメントを嵌合溝に取り付ける様子を説明する図である。
【
図11】横アタッチメントにおける取り外し部材のベース部材を示す斜視図である。
【
図12】横アタッチメントにおける取り外し部材のカバー部材を示す斜視図である。
【
図13】横アタッチメントに取り外し部材を取り付ける様子を説明する図である。
【
図14】横アタッチメントに取り付けられた取り外し部材の縦断面図である。
【
図15】横アタッチメントを嵌合溝から取り外す様子を説明する図である。
【
図16A】縦アタッチメントを嵌合溝から取り外す様子を説明する図である。
【
図16B】縦アタッチメントを嵌合溝から取り外す様子を説明する図である。
【
図16C】縦アタッチメントを嵌合溝から取り外す様子を説明する図である。
【
図17】他の実施形態に係る取り外し部材を示す正面図である。
【
図18】他の実施形態に係る取り外し部材が取り付けられた横アタッチメントの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(建具の全体構成)
図1、
図2及び
図3は、本実施形態の網戸を備える網戸付き建具1(以下、単に「建具1」という。)を示している。建具1は、建物躯体に形成された開口部(図示せず)に取り付けられる枠体2と、枠体2に開閉可能に納められる障子3と、障子3の室内側に張設される網戸4と、を備える。図中に示すX1は、建具1の室外側を示し、X2は建具1の室内側を示す。
【0009】
建具1は、アルミ等の金属と塩化ビニル等の樹脂とからなる枠体2を有する複合型の建具であり、断熱性に優れる。すなわち、枠体2は、上横枠21、下横枠22及び左右の縦枠23,24によって矩形状に枠組みされて形成されている。
図2及び
図3に示すように、上横枠21、下横枠22及び縦枠23,24は、障子3が開閉可能に取り付けられる金属上横枠211、金属下横枠221及び金属縦枠231,241と、網戸4が張設される樹脂上横枠212、樹脂下横枠222及び樹脂縦枠232,242とでそれぞれ構成されている。樹脂上横枠212及び樹脂下横枠222は、金属上横枠211及び金属下横枠221の内側且つ室内側にそれぞれ装着され、樹脂縦枠232,242は、金属縦枠231,241の内側且つ室内側にそれぞれ装着されている。
【0010】
障子3は、金属上横枠211、金属下横枠221及び金属縦枠231,241の内側、且つ樹脂上横枠212、樹脂下横枠222、樹脂縦枠232,242の室外側に配置される。障子3は、矩形に框組みした上框31、下框32及び縦框33,34の内側に、スペーサ36を挟んだ2枚のガラス35,35を納めることによって構成される。本実施形態の障子3は、枠体2に対して、上框31及び下框32の一方端部に設けられた図示しない回動軸を中心に回動可能に取り付けられる縦辷り出し窓である。障子3は、回動軸を中心にして室外側に向けて回動することによって開放され、室内側に向けて回動することによって収納される。
【0011】
(網戸の構成)
網戸4は、障子3の室内側に配置され、枠体2のうちの樹脂上横枠212、樹脂下横枠222及び樹脂縦枠232、242に亘って張設される。詳しくは、左右の樹脂縦枠232,242の各見込み面232a,242aには、それぞれ上下方向に延びる嵌合溝25が設けられている。樹脂上横枠212及び樹脂下横枠222の各見込み面212a,222aには、それぞれ左右方向に延びる嵌合溝26が設けられている。網戸4の縁部は、後述のアタッチメントを介して、それぞれ嵌合溝25,26に着脱可能に取り付けられている。嵌合溝25,26は、枠体2の四周に亘って連続している。
【0012】
網戸4を
図7に示す。
図7に示す網戸4の上下及び左右は、
図1に示す建具1の上下及び左右に一致している。網戸4は、矩形状の網部41と、その網部41の左右の縁部に配置される一対の縦アタッチメント42、42と、網部41の上下の縁部に配置される一対の横アタッチメント43、43とを備えている。縦アタッチメント42は、樹脂縦枠232,242の嵌合溝25にそれぞれ嵌合する。横アタッチメント43は、樹脂上横枠212及び樹脂下横枠222の嵌合溝26にそれぞれ嵌合する。
【0013】
網部41は、網部本体411の四周縁部に、多数の務歯412aを有するテープ部412が、それぞれ務歯412aを外側にして縫着又は接着されることによって構成される。網部41の縦側のテープ部412の務歯412aは、網部41の縦側の全長に亘って形成されている。網部41の横側のテープ部412の務歯412aは、網部41の横側の全長に亘っておらず、縦側のテープ部412の務歯412aとの間に、後述するように、縦側のテープ部412を縦アタッチメント42内に挿通させるための所定の間隔が設けられている。
【0014】
網戸4が建具1の枠体2に取り付けられていない状態で、縦アタッチメント42は、網部41の縦側のテープ部412に係合して取り付けられている。しかし、横アタッチメント43は、網部41と係合しておらず、網部41と別体である。横アタッチメント43が網部41と別体であることによって、枠体2に取り付ける前及び枠体2から取り外した後の網部41は、一方の縦アタッチメント42を中心にして容易に巻回して省梱包化することができる。そのため、網部41の収納時及び運搬時の省スペース化を図ることができる。縦アタッチメント42及び横アタッチメント43の詳細な構成については後述する。
【0015】
(嵌合溝の構成)
嵌合溝25の構成について
図4及び
図8を用いて説明する。
図4は、縦アタッチメント42が樹脂縦枠232の嵌合溝25に取り付けられた様子を示す。
図8は、縦アタッチメント42を樹脂縦枠232の嵌合溝25に取り付ける様子を示す。
【0016】
嵌合溝25は、縦アタッチメント42を収納可能な凹溝からなる。嵌合溝25内の室内側及び室外側に配置される内側面251a、251bには、長さ方向に沿って延びる突条部252a、252bが、それぞれ向かい合うように突出形成され、嵌合溝25の入り口を狭めている。突条部252a、252bの先端面253a、253bは、嵌合溝25の外側に向けて広がるテーパー状に形成されている。突条部252a、252bは、嵌合溝25の深さ方向(
図4及び
図8における左右方向)の位置が同じになるように配置されている。
【0017】
嵌合溝25内の底面254は、ほぼ平坦面に形成されている。しかし、この底面254から内側面251a、251bにかけて、室内側及び室外側にそれぞれ傾斜面255a、255bが連続して形成されている。室内側の傾斜面255aは、室内側の突条部252aの根元部まで連続している。これに対し、室外側の傾斜面255bは、室外側の突条部252bの根元部まで連続しておらず、突条部252bとの間に所定の隙間Sを有している。傾斜面255a、255bのうちの主として室外側の傾斜面255bは、縦アタッチメント42を嵌合溝25内から回転させて取り外す際の縦アタッチメント42の回転を案内するガイド面として機能する。樹脂縦枠242に配置される嵌合溝26も、
図4及び
図8に示す嵌合溝26と同一構造を有する。
【0018】
嵌合溝26の構成について
図5、
図6及び
図9を用いて説明する。
図5及び
図6は、縦アタッチメント42が樹脂上横枠212、樹脂下横枠222の嵌合溝26にそれぞれ取り付けられた様子を示す。
図9は、縦アタッチメント42を樹脂下横枠222の嵌合溝26に取り付ける様子を示す。
【0019】
嵌合溝26は、横アタッチメント43を収納可能な凹溝からなる。
図9に示すように、嵌合溝26内の室内側及び室外側に配置される内側面261a、261bには、嵌合溝25と同様に、長さ方向に沿って延びる突条部262a、262bが、それぞれ向かい合うように突出形成され、嵌合溝26の入り口を狭めている。突条部262a、262bの先端面263a、263bは、嵌合溝26の外側に向けて広がるテーパー状に形成されている。突条部262a、262bは、嵌合溝26の深さ方向(
図5、
図6及び
図9における上下方向)の位置が同じになるように配置されている。
【0020】
嵌合溝26内の底面264は、ほぼ平坦面に形成されている。
図9に示すように、樹脂下横枠222の嵌合溝26には、この底面264から内側面261a、261bにかけて、室内側及び室外側にそれぞれ傾斜面265a、265bが連続して形成されている。傾斜面265a、265bのうちの主として室外側の傾斜面265bは、嵌合溝26内に差し入れられた網部41の横側のテープ部412を横アタッチメント43によって巻き込みながら係止する際に、テープ部412の務歯412a側が室内側に向けて円滑に巻き込まれるように案内するガイド面として機能することができる。
【0021】
樹脂上横枠212の嵌合溝26も、
図6及び
図9に示す嵌合溝26と同様に、内側面261a、261bに一対の突条部262a、262bを有する。樹脂上横枠212の嵌合溝26は、
図3及び
図5に示すように、傾斜面265a,265bを有していない。しかし、樹脂上横枠212の嵌合溝26も、
図6及び
図9に示す嵌合溝26と同一構造であってもよい。
【0022】
(縦アタッチメントの構成)
次に、縦アタッチメント42の構成について
図8を用いて説明する。左右の縦アタッチメント42は同一構造である。そのため、以下では、樹脂縦枠232の嵌合溝25に取り付けられる縦アタッチメント42について説明する。
【0023】
縦アタッチメント42は、網戸4の室内側及び室外側にそれぞれ配置される一対の側板部421a、421bと、これら側板部421a、421bの端部間を連結する底板部422とを有し、側面視略U字型に形成されている。側板部421a、421bから底板部422に至る外面は、それぞれ滑らかな円弧面423a、423bである。
【0024】
室内側の側板部421aは、室外側の側板部421bよりも網部本体411側に向けて延長されている。これによって、縦アタッチメント42を嵌合溝25から取り外す際に指で押し込み操作するための押し込み部424が一体に形成されている。この押し込み部424は、
図4に示すように、縦アタッチメント42が嵌合溝25内に嵌合した状態で、嵌合溝25の外側に向けて僅かに突出している。
【0025】
室内側の側板部421aの内面には、第1の突条部425が、縦アタッチメント42の長さ方向に沿って形成されている。第1の突条部425は、室外側の側板部421bとの間に僅かな隙間を残して、側板部421aから側板部421bに向けて突出している。底板部422の内面には、第2の突条部426が、縦アタッチメント42の長さ方向に沿って形成されている。第2の突条部426は、第1の突条部425との間に僅かな隙間を残して、底板部422から第1の突条部425に向けて突出している。これによって、縦アタッチメント42の内側には、側板部421aと、底板部422と、第1の突条部425と、第2の突条部426とによって囲まれる空間からなる係止部427が形成されている。
【0026】
第1の突条部425と第2の突条部426との間は、網部41のテープ部412のテープ部分を挿入可能であるが、務歯412aは通過し得ない程度の間隔を有する。そのため、縦アタッチメント42の長さ方向の一方端部側から、網部41の縦側のテープ部412の務歯412aを係止部427内に収容させ、網部本体411側を、第1の突条部425と室外側の側板部421bとの間から縦アタッチメント42の外側に引き出すようにテープ部412を挿通させると、務歯412aは係止部427内に係止される。これによって、縦アタッチメント42は、網部41の縦側縁部に係合状態で取り付けられる。
【0027】
縦アタッチメント42の側板部421a、421bの外面には、長さ方向に沿って延びる一対の突起部428a、428bがそれぞれ形成されている。縦アタッチメント42の側板部421a、421b間の幅寸法は、嵌合溝25内の突条部252a、252b間の間隔と同じ、もしくは僅かに小さく、且つ、縦アタッチメント42の突起部428a、428bの間の幅寸法は、嵌合溝25内の突条部252a、252b間の間隔よりも僅かに大きく形成されている。したがって、縦アタッチメント42が嵌合溝25内に挿入されると、突起部428a、428bが嵌合溝25内の突条部252a、252bを弾性的に乗り越えて係合する。これによって、縦アタッチメント42は嵌合溝25内に嵌合して保持される。
【0028】
底板部422から室内側の突起部428aまでの距離は、嵌合溝25内の底面254から室内側の突条部252aまでの間の距離よりも僅かに短い程度に形成されている。すなわち、縦アタッチメント42が嵌合溝25に挿入されると、室内側の突起部428aが嵌合溝25内の室内側の突条部252aを弾性的に乗り越えるとほぼ同時に、底板部422が嵌合溝25内の底面254に当接する。これによって、室内側の突起部428aは、嵌合溝25内の室内側の突条部252aに対して係止される。
【0029】
これに対し、底板部422から室外側の突起部428bまでの距離は、底板部422から室内側の突起部428aまでの距離よりも短く形成されている。すなわち、室外側の突起部428bの位置は、室内側の突起部428aの位置に対し、縦アタッチメント42の底板部422側にずれ量Dだけずれて配置されている。そのため、縦アタッチメント42が嵌合溝25に挿入されると、室内側の突起部428aよりも先に室外側の突起部428bが嵌合溝25の突条部252bを弾性的に乗り越える。その後、縦アタッチメント42がさらに奥まで挿入されると、底板部422が底面254に当接する。このときの室外側の突起部428bは、嵌合溝25内の室外側の突条部252bから底面254側に離れて配置される。
【0030】
本実施形態の縦アタッチメント42の全体は、横アタッチメント43、具体的には、後述のアタッチメント本体44よりも硬質の材料によって形成されている。そのため、嵌合溝25に対して強固に取り付けることができる。縦アタッチメント42を形成する具体的な材料は特に問わず、塩化ビニル等の樹脂であってもよいし、アルミ等の金属であってもよい。
【0031】
(横アタッチメントの構成)
次に、横アタッチメント43の構成について
図9~
図14を用いて説明する。網戸4の上下に配置される横アタッチメント43,43は、同一構造である。そのため、以下では、樹脂下横枠222に配置される横アタッチメント43について説明する。横アタッチメント43は、アタッチメント本体44と、アタッチメント本体44に取り付けられる取り外し部材45と、を有する。
【0032】
アタッチメント本体44は、嵌合溝26に嵌合することによって、網部41の上側の縁部及び下側の縁部を枠体2に固定する部位である。アタッチメント本体44は、天板部441と、この天板部441の裏面側から突出する係合部442と、を有する。
【0033】
天板部441は、嵌合溝26の開口形状と同形状及び同程度の大きさを有する横長矩形状の平板からなる。天板部441は、は、アタッチメント本体44の表層側、すなわち、アタッチメント本体44が嵌合溝26に嵌合した際に嵌合溝26の外側に面する側に配置される。天板部441は、例えば、硬質な塩化ビニル等の樹脂、アルミ等の金属によって形成され、横アタッチメント43の全体の形状を保持する。天板部441の略中央部には、
図10に示すように、後述の取り外し部材45を取り付けるための取付孔44aが形成されている。取付孔44aは、天板部441の長さ方向に沿って長いスリット状に形成されている。取付孔44aは、係合部442を貫通して、係合部442の一対の脚部442a,442aの間に開口している。
【0034】
係合部442は、天板部441よりも軟質な塩化ビニル等の樹脂によって形成され、一対の脚部442a,442aを有する。これによって、係合部442は、天板部441と反対側に向けて開放する断面略C型に形成されている。一対の脚部442a,442aは、アタッチメント本体44における室外側及び室内側にそれぞれ配置され、横アタッチメント43の長さ方向に沿って延びている。取付孔44aは、天板部441と係合部442とに亘って貫通している。
【0035】
脚部442aには、突起部442bがそれぞれ外向きに一体に形成されている。一対の突起部442b、442bの幅寸法は、嵌合溝26内の一対の突条部262a、262bの間隔よりも僅かに大きい。従って、横アタッチメント43が嵌合溝26内に挿入されると、突起部442b,442bが嵌合溝26内の突条部262a、262bを弾性的に乗り越えて係合する。これによって、嵌合溝26に嵌合した横アタッチメント43は、嵌合溝26内に保持される。
【0036】
取り外し部材45は、アタッチメント本体44の天板部441の表面から突出するように、天板部441に取り付けられる硬質部品である。詳しくは、取り外し部材45は、ベース部材451とカバー部材452とによって構成される。取り外し部材45は、ベース部材451とカバー部材452とでアタッチメント本体44を挟み付けることによって、アタッチメント本体44に取り付けられる。さらに詳しくは、ベース部材451は、アタッチメント本体44の裏面側、具体的には、一対の脚部442a,442aの間から、取付孔44aに貫挿され、取付孔44aから天板部441の表面に突出している。カバー部材452は、取付孔44aから突出するベース部材451に対して、天板部441の表面側から包囲するように取り付けられている。
【0037】
ベース部材451は、
図11、
図13及び
図14に示すように、基部451aと、基部451aから突出する一つの突板部451b及び一対の係合爪部451d,451dと、を一体に有する。基部451a、突板部451b及び係合爪部451dは、横アタッチメント43の係合部442よりも硬質な樹脂によって形成されている。
【0038】
基部451aは、横アタッチメント43の延び方向に沿って長い直方体からなる。基部451aは、一対の脚部442a,442aの間に配置可能であるが、取付孔44aを挿通し得ない程度の長さ及び幅を有する。
【0039】
突板部451bは、基部451aの略中央部から板状に立ち上がっている。突板部451bは、取付孔44aを挿通可能に形成されている。突板部451bの室内外方向に面する両側面には、高さ方向に延びる複数本のリブ451cがそれぞれ設けられている。突板部451bは、ベース部材451において、取付孔44aに貫挿される貫挿部を構成する。
【0040】
一対の係合爪部451d,451dは、突板部451bを基部451aの長さ方向から挟むように基部451aから立ち上がっている。係合爪部451d,451dの爪部451e、451eは、突板部451bが配置される側とは反対側に向けて設けられている。係合爪部451dは、突板部451bと同様に、取付孔44aを挿通可能に形成されている。係合爪部451d,451dも、ベース部材451において、取付孔44aに貫挿される貫挿部を構成する。
【0041】
カバー部材452は、
図12、
図13及び
図14に示すように、ベース部材451と同様の硬質な樹脂によって形成されるブロック状のつまみ部品である。カバー部材452の底面452bは、アタッチメント本体44の取付孔44aを完全に覆い隠すことができる程度の大きさを有する。カバー部材452の室内外方向に沿う厚みは、アタッチメント本体44の室内外方向に沿う幅に略等しい。
【0042】
カバー部材452は、ベース部材451の貫挿部である突板部451b及び係合爪部451d,451dを収容する収容溝452aを有する。収容溝452aは、カバー部材452の底面452bに開口している。
図14に示すように、横アタッチメント43の延び方向に沿う収容溝452aの開口長さは、ベース部材451の一対の係合爪部451d,451dの各爪部451e,451e間の距離よりも僅かに短い。収容溝452aの室内外方向に沿う溝幅は、ベース部材451の突板部451bの厚みに略等しい。
【0043】
図13に示すように、カバー部材452は、アタッチメント本体44の表面側、すなわち、天板部441側から、アタッチメント本体44の表面に突出するベース部材451の突板部451b及び係合爪部451d,451dを収容溝452aに収容する。これによって、カバー部材452は、ベース部材451を室内外方向から挟み付ける。
【0044】
図14に示すように、カバー部材452の収容溝452aの内部には、天井部452cから下方に向けて突出する一対の凸部452d,452dが設けられている。凸部452d,452dは、収容溝452aに収容されるベース部材451の突板部451bを、突板部451bの長さ方向から挟んでいる。さらに、カバー部材452の長さ方向の両端面には、収容溝452aに連通する係合穴452e,452eが設けられている。収容溝452aに弾性的に収容された係合爪部451d,451dの爪部451e,451eは、係合穴452e,452e内に収容され、係合穴452e,452eの段部452f,452fに係止する。これによって、カバー部材452は、係合爪部451d,451dによって係止されてベース部材451に対して取り付けられる。
【0045】
カバー部材452がベース部材451に対して取り付けられることによって、取り外し部材45を有する横アタッチメント43が構成される。取り外し部材45は、ベース部材451の基部451aとカバー部材452の底面452bとの間で、アタッチメント本体44を挟持することによって、アタッチメント本体44に取り付けられている。
【0046】
(網戸の取り付け及び取り外し方法)
次に、枠体2に対する網戸4の取り付け及び取り外し方法について説明する。網戸4を枠体2に取り付ける際は、
図7に示すように予め網部41に取り付けられた縦アタッチメント42を嵌合溝25に嵌合させた後に、横アタッチメント43を嵌合溝26に嵌合させる。詳しくは、まず、
図8に示すように、網部41に取り付けられた縦アタッチメント42を、押し込み部424を有する側板部421aを室内側に配置させて、樹脂縦枠232、242の嵌合溝25にそれぞれ挿入する。その後、
図9に示すように、網部41の横側のテープ部412が差し入れられた嵌合溝26内に、アタッチメント本体44を挿入することによって、横アタッチメント43を嵌合溝26に取り付ける。横アタッチメント43は、嵌合溝26内に差し入れられたテープ部412をアタッチメント本体44で巻き込みながら、嵌合溝26内に挿入される。これによって、網戸4の網部41の四周縁部が枠体2に固定され、網戸4が枠体2に張設される。
【0047】
網戸4を取り外す際は、上記と逆に、横アタッチメント43を嵌合溝26から取り外した後に、縦アタッチメント42を嵌合溝25から取り外す。詳しくは、
図15に示すように、ユーザが、横アタッチメント43の取り外し部材45を室内側から室外側に向けて指で押し付け、横アタッチメント43を室外側に向けて傾倒させる。これによって、アタッチメント本体44の係合部442と嵌合溝26内の一対の突条部262a,262bとの係合が解除され、横アタッチメント43は嵌合溝26から簡単に取り外される。
【0048】
横アタッチメント43を嵌合溝26から取り外す場合は、ユーザが、横アタッチメント43の取り外し部材45を室内側に向けて倒すようにしてもよいし、横アタッチメント43の取り外し部材45を摘んで上方に引き上げるようにしてもよい。
【0049】
上下の横アタッチメント43が嵌合溝26から取り外された後、縦アタッチメント42が嵌合溝25から取り外される。詳しくは、まず、嵌合溝25から僅かに突出している縦アタッチメント42の押し込み部424を、指で室外側に向けてX1方向に押し込む(
図16A)。これにより、縦アタッチメント42は、嵌合溝25内でX2方向に回転し始める(
図16B)。このとき、縦アタッチメント42の室外側の円弧面423bは、嵌合溝25内の室外側の傾斜面255bに当接する。
【0050】
その後、嵌合溝25内の傾斜面255bがガイド面となり、縦アタッチメント42は、この傾斜面255bに円弧面423bが案内されながらX2方向にさらに回転する。これによって、縦アタッチメント42は、嵌合溝25内でガタつくことなく、円滑に回転することができる。横アタッチメント43は既に取り外されているため、横アタッチメント43が縦アタッチメント42のX2方向への回転動作の支障となることはない。
【0051】
このようにして縦アタッチメント42が回転すると、縦アタッチメント42の室内側の突起部428aは、嵌合溝25内の室内側の突条部252aを容易に弾性的に乗り越えて係合を解除する。その後、縦アタッチメント42を嵌合溝25から離れるX3方向に引き出すことにより、縦アタッチメント42は嵌合溝25から取り外される(
図16C)。これによって、網戸4は、枠体2から取り外される。
【0052】
(本実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の横アタッチメント43のアタッチメント本体44は、取り外し部材45を取り付ける取付孔44aを有する。取り外し部材45は、アタッチメント本体44の裏面側から取付孔44aに貫挿されるベース部材451と、アタッチメント本体44の表面側からベース部材451を包囲するように取り付けられるカバー部材452と、によって構成される。カバー部材452は、アタッチメント本体44の表面に当接することによって、ベース部材451との間でアタッチメント本体44を挟持している。これによって、ユーザは、横アタッチメント43の取り外し部材45を指で押圧すること等によって、取り外し治具を用いることなく、横アタッチメント43を嵌合溝26から簡単に取り外すことができる。横アタッチメント43の取り外し時に取り外し部材45に掛かる力は、アタッチメント本体44の表面に当接するカバー部材452の底面452b全体に分散される。そのため、取り外し部材45に掛かる力が取付孔44aに集中することによって取付孔44aの周囲が白化や破損するおそれはない。
図15に示すように、取り外し部材45に掛かる力は、アタッチメント本体44の最も室外側の部位Fに作用する。そのため、少ない力で横アタッチメント43を容易に傾倒させて嵌合溝26から簡単に取り外すことができる。
【0053】
本実施形態のベース部材451は、突板部451bを有する。カバー部材452は、突板部451bを収容して室内外方向から挟み付ける収容溝452aを有する。これによって、アタッチメント本体44を挟み付けているベース部材451とカバー部材452とが強固に一体化される。
【0054】
本実施形態の突板部451bの室内外方向に面する両側面には、高さ方向に延びる複数本のリブ451cがそれぞれ設けられている。これによって、突板部451bは、カバー部材452を介して作用する取り外し時の力を強固に受け止めることができる。
【0055】
本実施形態のベース部材451は、一対の係合爪部451d,451dを有する。カバー部材452は、係合爪部451d,451dと係合する一対の係合穴452e,452eを有する。これによって、ベース部材451とカバー部材452とは、容易に取り付け可能である。
【0056】
(取り外し部材の他の実施形態)
図17及び
図18は、他の実施形態に係る取り外し部材46を示している。この取り付外し部材46は、1部品によって構成され、ベース部材451とカバー部材452との2部品からなる上記の取り外し部材45とは相違している。
【0057】
詳しくは、取り外し部材46は、基部461と、基部461から突出する一つの突板部462とを一体に有する。基部461及び突板部462は、上記の取り外し部材45のベース部材451の基部451a及び突板部451bと同様の硬質な樹脂によって形成され、それら基部451a及び突板部451bと同様の機能を有する。
【0058】
突板部462の室内外方向に面する両側面には、突起部462a,462aがそれぞれ突出している。
図18に示すように、突板部462が、アタッチメント本体44の裏面側から取付孔44aに貫挿されると、一対の突起部462a,462aが、アタッチメント本体44の表面側から取付孔44aの周囲に係止する。これによって、取り外し部材46は、アタッチメント本体44に着脱可能に取り付けられる。突板部462は、取付孔44aからアタッチメント本体44の表面側に突出する。そのため、横アタッチメント43を取り外す際は、取り外し部材45と同様に、この突板部462をユーザが指で押圧すること等によって嵌合溝26から簡単に取り外すことができる。
【0059】
以上の各実施形態では、取り外し部材45,46は横アタッチメント43のみに設けられている。しかし、取り外し部材45,46を有する横アタッチメント43及び嵌合溝26の構成は、縦アタッチメントにも適用することができる。さらに、取り外し部材45,46を有する横アタッチメント43及び嵌合溝26の構成は、縦アタッチメントと横アタッチメントの両方にそれぞれ適用することもできる。
【符号の説明】
【0060】
2 枠体、 26 嵌合溝、 4 網戸、 41 網部、 43 横アタッチメント(網戸用アタッチメント)、 44 アタッチメント本体(アタッチメント本体) 44a 取付孔、 45,46 取り外し部材、 451 ベース部材、 451b 突条部、 451c リブ、 451d 係合爪部 452 カバー部材、 452a 収容溝、 452e 係合穴