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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072906
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】表示方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20220510BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220510BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220510BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06Q50/10
G06Q30/02 470
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182601
(22)【出願日】2020-10-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】520154438
【氏名又は名称】末次 功憲
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】末次 功憲
【テーマコード(参考)】
5B050
5L049
【Fターム(参考)】
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA27
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】実際にユーザが試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる表示システム、表示方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システム1は、前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムであって、
前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現することを特徴とする、表示システム。
【請求項2】
前記マネキンの3次元形状は、マネキンの関節部分に折曲を表すボーンを備え、前記ボーンの折曲に対応して形状を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムを使用する表示方法であって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めることを特徴とする、表示方法。
【請求項4】
前記被服の3次元形状を被服の形体から求める際に、マネキンに被服を着用させた状態を用いることを特徴とする、請求項3に記載の表示方法。
【請求項5】
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を表示する表示システム、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実店舗における被服の販売やインターネットにおける被服の通信販売において、ユーザが実際に被服を試着しなくても、当該被服がユーザの体形に合うか、さらには、ユーザが被服を着用して様々なポーズをとっている様子を前後左右からチェックして、着こなしを確かめたいというニーズがあった。
【0003】
被服に関する従来技術としては、例えば、被服から取得した着用者に関する各種情報をコンピュータに入力することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、キャラクターに被服を試着させた様子をコンピュータ画面上に表示するソフトウェアも存在する(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2017-517293公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[Blender 2.8]布の表現[クロスシミュレーション]https://horohorori.com/blender-note/physics-simulations/about-cloth-simulation
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術においては、実店舗やECサイトで販売されている被服をユーザが試着した状態やボーズを取った際の着こなしをコンピュータ画面上でチェックすることできないという問題があった。
【0007】
本発明は、実際にユーザが試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる表示システム、表示方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示システムは、
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムであって、
前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現することを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現するため、実際にユーザが被服を試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる。
【0010】
上記表示システムにおいて、
前記マネキンの3次元形状は、マネキンの関節部分に折曲を表すボーンを備え、前記ボーンの折曲に対応して形状を変化させることを特徴とする。
【0011】
この特徴によれば、ボーンの折曲に対応して形状を変化させることができるため、マネキンが被服を着用して体を動かす様子まで表現でき、着こなしをチェックすることができる。
【0012】
本発明の表示方法は、
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムを使用する表示方法であって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めることを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めるため、ユーザの体形に近いマネキンが被服を着用した状態の3次元形状を作成することができる。また、ユーザの入力によって求めた場合には、ユーザの体形に変化があっても、ユーザが選択したマネキンに対して被服を試着させた様子を表示することができる。
【0014】
本発明の表示方法は、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求める際に、マネキンに被服を着用させた状態を用いることを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、マネキンに被服を着用させた状態の被服の形体に基づいて、被服の3次元形状を簡単に求めることができる。
【0016】
本発明のプログラムは、
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現することを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現するため、実際にユーザが被服を試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる。
【0018】
本発明のプログラムは、
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めることを特徴とする。
【0019】
この特徴によれば、予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めるため、ユーザの体形に近いマネキンが被服を着用した状態の3次元形状を作成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の表示システムは、入力された被服の物理特性を反映して、被服の変形を表現するため、実際にユーザが試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施形態に係る表示システムの全体構成図である。
図2図2は、サーバの機能構成図である。
図3図3は、表示システムが行う表示方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る表示システム1の全体構成図である。同図に示すように、表示システム1は、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を作成するサーバ10と、被服を販売する実店舗に設置されている、或いは、インターネット上の各種ECサイトを利用するユーザが所持するクライアント20と、サーバ10とクライアント20とを通信可能に接続するインターネットや無線通信網等の通信ネットワーク30と、を備えている。
【0024】
サーバ10は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、通信ネットワーク30を介した通信を可能とする通信インターフェースと、キーボードやディスプレイ等の入出力インターフェースと、を備えている。サーバ10の記憶装置には、各種データ、データベース、プログラム等のソフトウェアが記憶されている。例えば、記憶装置に記憶されているデータとしては、予め用意されている(すなわち、作成され保存されている)各種の形体を有するマネキンのデータ、予め入力された実店舗やECサイトで販売されている被服の物理特性、ユーザの表示システム1の使用履歴等が存在する。また、記憶装置に記憶されているプログラムとしては、マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現するためのプログラム、マネキン及び被服の3次元形状を合成してマネキンが被服を着用した状態の3次元形状を作成し表示するためのプログラム、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を作成する際に被服の物理特性を入力して被服の変形を表現するプログラム、予め用意された複数のマネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求めるためのプログラム等が存在する。サーバ10のCPUが記憶装置に記憶されているソフトウェアに従って処理を実行することにより、図2に示す機能構成がサーバ10に実現される。
【0025】
マネキン3D作成部11は、マネキンの形体から、マネキンをコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現したマネキン3Dデータを作成する。当該マネキンの3次元形状は、マネキンの関節部分に折曲を表すボーンを備え、マネキン3D作成部11は当該ボーンの折曲に対応して当該マネキンの3次元形状を変化させる。
【0026】
なお、マネキンの関節部分に折曲を表すボーンを設定する方法としては、公知の技術を用いることができる。例えば、ユーザが表示システム1が備える公知のソフトウェアを用いて、作成したマネキンのポリゴンデータの内部にボーンを設定し、当該ボーンとポリゴンデータとを関連付ける操作を行った場合に、マネキン3D作成部11は、ユーザにより入力された情報に基づいて、ボーンが設定されたマネキンの3次元形状を作成する。
【0027】
このように、マネキンの3次元形状はマネキンの関節部分に折曲を表すボーンを備え、ボーンの折曲に対応して形状を変化させることができるため、マネキンが被服を着用して体を動かす様子を正確に表現できる。したがって、ユーザの体形に近いマネキンを用いることで、ユーザは自己の着こなしをチェックすることができる。
【0028】
被服3D作成部12は、被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現した被服3Dデータを作成する。なお、ここでの「被服」には、帽子、眼鏡、マスク、イヤホン、カバン、指輪、アクセサリー、靴、マフラー、スカーフ、手袋、ベルト、財布等、マネキンが着用する可能性があるもの全てが含まれる。
【0029】
被服の3次元形状を表す被服3Dデータを作成する方法としては、被服を直接立体スキャンして当該スキャンデータをサーバ10に入力し加工する方法、立体裁断用ボディや型紙を利用して縫い合わせる方法、下着等の体にフィットするものについては立体裁断用ボディからラインを引き生地等の厚みを浮き上げて作成する方法、等が存在する。
【0030】
本実施形態では、被服3D作成部12は、マネキンに被服を着用させた状態の被服の形体に基づいて、被服の3次元形状を求める。これにより、被服の3次元形状を簡単に求めることができる。
【0031】
着用3D作成部13は、マネキン3D作成部11により作成されたマネキン3Dデータと、被服3D作成部12により作成された被服3Dデータとをコンピュータグラフィックス処理により合成して、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状のデータ(以下、「着用3Dデータ」という)を作成する。なお、ここで作成される着用3Dデータは、VR(Virtual Reality)環境やAR(Augmented Reality)環境で表示するためのデータであってもよいし、3Dホログラムとして表示するためのデータであってもよい。
【0032】
着用3Dデータの作成方法としては、例えば、既に作成してある被服3Dデータをマネキン3Dデータに合成してもよいし、布や型紙等とマネキン3Dデータとの物理演算により自然な形にマネキンに被服をのせてから布や型紙等を縫い合わせてもよい。また、下着等の体にフィットする被服についてはマネキンや立体裁断ボディ等にラインを引き厚みを出して作成してもよい。このような着用3Dデータの作成を実現するために、公知の任意のソフトウェアを用いることができる。例えば、既存のオープンソースソフトウェア「Blender」のクロスシミュレーションという機能を用いることができる。
【0033】
着用3D作成部13は、被服物理特性入力部131と、使用マネキン決定部132と、を備えている。被服物理特性入力部131は、マネキンが被服を着用した状態の着用3Dデータを作成する際に、被服の物理特性を入力して被服の変形を表現する。被服の物理特性としては、例えば、被服の質量、引っ張り応力、せん断応力、圧縮応力、曲げ応力等がある。これらのデータは、実店舗やECサイトで販売されている被服の生地の種類に応じて予めサーバ10のデータベースに登録しておいてもよいし、実店舗の店員が接客時にサーバ10に入力してもよい。
【0034】
使用マネキン決定部132は、サーバ10のデータベースに予め保存されている各種形体を有する複数のマネキンのうち、いずれのマネキンを使用するかを求める。いずれのマネキンを使用するかを求める方法としては、AIでの自動選択、過去のユーザのマネキン使用履歴に基づく自動選択、ユーザの入力による手動選択、これらの組み合わせ等が考えられる。これらの組み合わせとしては、例えば、自動選択の結果をユーザに提示し、当該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させる方法が考えられる。いずれのマネキンを使用するかをユーザの入力によって求める場合には、ユーザの体形に変化があっても、ユーザの現在の体形に近いマネキンをユーザが選択することができるため、当該マネキンに対して被服を試着させた様子をチェックすることができる。
【0035】
なお、いずれのマネキンを使用するかをユーザに入力させる方法としては、例えば、クライアント20のディスプレイに表示された画面の入力項目に従って、ユーザに大まかなサイズ、年齢等を入力させ、さらに、肩幅、足の長さ、ウエストサイズ等を入力させてこれらの情報をサーバ10に送信してもよい。或いは、実店舗において店員によりユーザの足・腕の太さ・長さを計測させ入力させてもよい。
【0036】
表示部14は、着用3D作成部13により作成された着用3Dデータを実店舗やECサイトを利用するユーザが所持するクライアント20に送信し、当該クライアント20のディスプレイにマネキンが被服を着用した状態を表示する。なお、クライアント20に表示する以外に、サーバ10のディスプレイに表示してもよい。また、着用3Dデータが、VR(Virtual Reality)環境又はAR(Augmented Reality)環境で表示するためのデータ、或いは、3Dホログラムとして表示するためのデータである場合には、表示部14はそれぞれの表示技術にしたがって、バーチャル空間、現実空間、ディスプレイ等に表示する。
【0037】
クライアント20は、サーバ10から送信された着用3Dデータを表示可能なコンピュータであり、インターネット上のECサイトを利用するユーザが所持する携帯情報端末であってもよいし、実店舗に配置されたモニター装置であってもよい。
【0038】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、表示システム1が行う表示方法の手順について説明する。
【0039】
サーバ10のマネキン3D作成部11は、マネキンの形体からマネキンの3次元形状を求める(ステップS101)。
【0040】
サーバ10の被服3D作成部12は、マネキンに被服を着用させた状態の被服の形体から、被服の3次元形状を求める(ステップS102)。
【0041】
サーバ10の使用マネキン決定部132は、サーバ10のデータベースに予め保存されている各種形体を有する複数のマネキンのうち、いずれのマネキンを使用するかを求める(ステップS103)。具体的には、例えば、使用マネキン決定部132は、AI又は過去の履歴によっていずれのマネキンを使用するかを求め、当該求めた結果をユーザに提示して確認させ、ユーザによる訂正入力があった場合には当該入力によって、ユーザによる承認入力があった場合には、AI又は過去の履歴によって求めた結果によって、いずれのマネキンを使用するかを求める。
【0042】
着用3D作成部13は、ステップS103で求められた使用するマネキンについての3次元形状を表すマネキン3Dデータと、被服の3次元形状を表す被服3Dデータとを合成して、マネキンが被服を着用した状態を表す着用3Dデータを作成する(ステップS104)。
【0043】
サーバ10の表示部14は、着用3D作成部13が作成した着用3Dデータをクライアント20に送信する。クライアント20は、着用3Dデータをサーバ10から受信すると、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を表示する(ステップS105)。これにより、ユーザは、実店舗やECサイトで販売されている被服を自己が試着した状態やボーズを取った際の着こなしをチェックすることができる。
【0044】
以上、説明したように、マネキンの3次元形状はボーンを備え、いずれのマネキンを使用するかを自動入力又はユーザの入力によって求め、入力された被服の物理特性を反映して被服の変形を表現するため、実際にユーザが自分で試着しなくても、被服のサイズのみならず、着こなしまでチェックすることができる。
【0045】
なお、上述した実施形態は一例に過ぎず、本発明は特許請求の範囲に記載の発明の要旨を変更しない範囲内で、種々変形して実施することができる。
【0046】
例えば、表示システム1の通信方式は、上述した実施形態におけるクライアント・サーバー通信に限定されることはなく、例えば、P2P(ピアツーピア)やブロックチェーン通信であってもよいし、分散ストーレージ型ブロックチェーンを使用した通信であってもよいし、これらを組み合わせた通信方式であってもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、表示システム1の装置構成として、サーバ10及びクライアント20を備えているとして説明したが、表示システム1の装置構成はこれに限定されることはなく、例えば、表示システム1は1つの装置で構成されていてもよいし、ブロックチェーンを構成する複数のノードで構成されていてもよい。表示システム1が1つの装置で構成されている場合には、当該装置はインターネット等の通信ネットワーク30に接続してないスタンドアロンの装置であってもよい。
【0048】
また、本発明に係る表示システム1において販売する被服は、ユーザが実際に身に着けることができる被服に限らず、デジタル形態の被服であってもよい。デジタル形態の被服は、購入したユーザが観賞用として眺めたり、コンピュータゲームや映画などのキャラクターに着せたり、インターネット上又はインターネットに接続していないローカルコンピューター環境でコミュニケーションをとる自分の分身としてのキャラクター(アバター)に着せたり、実際の被服を製作するために使用することができる。また、販売する被服は、ECサイトを経由せずに、IoT形式で販売してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態において説明した使用マネキン決定部132により使用するマネキンを求める方法は一例に過ぎず、様々な方法が考えられる。例えば、まず、店舗が販売したい被服のブランドイメージに応じたマネキンをデフォルトで選択し、次に、ユーザに合わせてマネキンを選択する方法が考えられる。具体的には、まず、デフォルトで選択したマネキンをユーザに提示し、当該提示されたマネキンを承認するか変更するかをユーザの好みや体形に応じて手動でユーザに入力させるとよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、被服販売時や被服作成時の疑似的な試着システムとして利用できる。また、コンピュータゲームやSNSにおいて着せ替えを楽しむこともできる。
【符号の説明】
【0051】
1 表示システム
10 サーバ
11 マネキン3D作成部
12 被服3D作成部
13 着用3D作成部
131 被服物理特性入力部
132 使用マネキン決定部
14 表示部
20 クライアント
30 通信ネットワーク
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムを使用する表示方法であって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、AI又は過去の履歴による自動選択の結果をユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とする、表示方法。
【請求項2】
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムを使用する表示方法であって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、店舗が販売したい被服のブランドイメージに応じたマネキンをデフォルトで選択してユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とする、表示方法
【請求項3】
前記被服の3次元形状を被服の形体から求める際に、マネキンに被服を着用させた状態を用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示方法。
【請求項4】
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、AI又は過去の履歴による自動選択の結果をユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とするプログラム
【請求項5】
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、店舗が販売したい被服のブランドイメージに応じたマネキンをデフォルトで選択してユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とするプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、マネキンが被服を着用した状態の3次元形状を表示する表示方法及びプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、実際にユーザが試着しなくても、被服のサイズのみならず着こなしをチェックすることができる表示方法及びプログラムを提供することを課題とす
【手続補正書】
【提出日】2021-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マネキンと被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現し、
前記マネキンと前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成し、前記3次元形状を表示する被服販売のための表示システムを使用する表示方法であって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、AI又は過去の履歴による自動選択の結果をユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とする、表示方法。
【請求項2】
前記被服の3次元形状を被服の形体から求める際に、マネキンに被服を着用させた状態を用いることを特徴とする、請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
コンピュータに、
マネキン及び被服をコンピュータグラフィックス処理可能な3次元形状で表現する機能と、前記マネキン及び前記被服の3次元形状を合成して前記マネキンが前記被服を着用した状態の3次元形状を作成する機能と、前記3次元形状を表示する機能と、を実現させるための被服販売のためのプログラムであって、
前記マネキンの3次元形状をマネキンの形体から求め、
前記被服の3次元形状を被服の形体から求め、
予め用意された複数の前記マネキンのうちいずれのマネキンを使用するかを求め、
いずれのマネキンを使用するかを求める際に、AI又は過去の履歴による自動選択の結果をユーザに提示し、該提示された内容をユーザに手動で訂正入力又は承認入力させることを可能とすることを特徴とするプログラム。